JPH0476321B2 - - Google Patents
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- JPH0476321B2 JPH0476321B2 JP63155683A JP15568388A JPH0476321B2 JP H0476321 B2 JPH0476321 B2 JP H0476321B2 JP 63155683 A JP63155683 A JP 63155683A JP 15568388 A JP15568388 A JP 15568388A JP H0476321 B2 JPH0476321 B2 JP H0476321B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ion
- molded body
- ceramic
- exchanging
- ceramics
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は、広範な産業分野での利用拡大が期待
される酸化物系の超伝導セラミツクスの製造方法
に関するものである。 (従来の技術) 酸化物系超伝導セラミクスの製造方法として
は、従来以下のようなものが知られている。 (a) 原料となる元素の酸化物あるいは炭酸化物等
の粉末を混合、焼成し、これを粉砕して酸化物
超伝導セラミクス粉末とし、この粉末を圧縮成
型して焼成する方法。 (b) 前記酸化物超伝導セラミクス粉末にバインダ
を加え、ペースト状にして成型し、あるいは基
板に塗布して再び焼成する方法。 (c) 前記原料となる元素の酸化物あるいは炭酸化
物等の混合粉末、あるいは前記酸化物超伝導セ
ラミクス粉末を融解し、繊維状あるいはシート
状に成型した後、焼成する方法。 (d) 前記酸化物超伝導セラミクス粉末を基板上に
溶射して膜を形成し、その後これを焼成する方
法。 (e) 原料となる元素の塩の水溶液を熱した基板上
に吹き付けて膜を形成し、その後これを熱処理
する方法。 (f) CVD、蒸着、スパツタリング等の方法で、
基板上に超伝導材料の薄膜を形成する方法。 しかしながら、以上のような方法には、夫々次
のような問題点がある。 (イ) 前記a,b,cの方法は、成型性に限界があ
り、細い繊維、あるいは薄いシートを製造する
のが困難である。 (ロ) 前記a,bの方法においては、粉体を焼結す
るため、内部に空隙が多く、密度が低いため、
超伝導特性が悪くなる。 (ハ) 前記cの方法においては、酸化物系超伝導セ
ラミクスの融液の反応性が極めて高いので、る
つぼ等から不純物が混入しやすく、また融液か
ら繊維、あるいは薄いシート状のものを製造す
るには、材料に適当な粘度調整剤を添加して最
適な粘度を得る必要があり、厳密な組成制御を
要求される酸化物系超伝導セラミクスには適用
できないことが多い。 (ニ) 前記b,d,e,fの方法においては、基板
材料と超伝導セラミクスとが反応し、この結
果、組成が変化して超伝導特性に影響を及ぼ
す。 一方、酸化物系セラミクス繊維、または膜の製
造方法としては、例えば、特開昭60−186459号公
報に記載のものが知られている。この方法は、ア
ルギン酸ナトリウム溶液に、水ガラスを混合した
液を紡糸または成膜し、これをアルミニウム塩と
クロム塩の混合液に浸して、イオン交換反応によ
りアルミニウム及びクロムイオンを吸着させた
後、減圧下、及び空気中で焼成してアルミナ−シ
リカ系セラミクス繊維または膜を製造するもので
ある。 この方法は、ゾルーゲル法、金属アルコキシド
法等も含めて従来からよく知られている一般的な
ものであるが、これらの方法においては、酸化物
系セラミクスの繊維等を製造する際には、目的と
するセラミクスの中心的元素と酸素との共有結合
を有する化合物(以下「無機モノマー」と称す
る。)を予め配合しておき、これを重合させるこ
とによつて、酸化物セラミクスの骨格を形成させ
ることが必須の要件であるとされている。そし
て、前記特開昭60−186459号公報に記載のものに
おいては、Si−Oの共有結合を有する水ガラスが
その役割を担つている。 しかしながら、このような重合性の化合物を形
成する金属は、工業的にはシリコン、リン等一部
に限られており、それ以外の元素に対しては上記
の方法が適用できないという欠点がある。 以上のような理由により、高度に組成を制御し
た高性能の酸化物系超伝導セラミクスの製造、特
に細い繊維及び薄いシートの製造は極めて難しい
のが現状である。 (発明が解決しようとする課題) 酸化物系超伝導セラミクスの実用化に当つて、
繊維化あるいはシート化の技術は不可欠の要素で
ある。しかし、酸化物系超伝導セラミクスは、多
種の金属元素から成る複合酸化物で、しかも高度
に組成を制御することが要求される。従つて、本
発明は、高度に組成を制御しつつ、酸化物系超伝
導セラミクスを繊維化あるいはシート化すること
ができる製造方法を提供しようとするものであ
る。 (課題を解決するための手段) 上記課題を解決するためには、成型性のよいこ
と、金属元素を任意に選択組合せできること、さ
らに工業的に考えるならば、出発物質を容易に入
手できることが必要である。 海藻に含まれるマンヌロン酸やグルロン酸等か
ら成る多糖類、一般的な工業原料であるアクリル
酸やメタクリル酸等、カルボキシル基を有する有
機酸及びそれらのナトリウム塩やアンモニウム塩
が各種の金属イオンと容易にイオン交換し、強固
な結合を形成することは広く知られている。ま
た、その重合体であるアルギン酸やポリアクリル
酸、ポリメタクリル酸、あるいはそれらのナトリ
ウム塩やアンモニウム塩などは、粘稠な水溶液を
作り、紡糸性、成膜性に富んだ液体となる。 そこで、本発明者は、カルボキシル基を有する
高分子有機酸あるいはその塩の上記のような特性
を利用し、しかし、特開昭60−186459に記載のも
ののように金属元素の選択の自由度を損なう無機
モノマーを使用せず、全ての金属元素をイオン交
換によつて供給し、酸化物系超伝導セラミクスを
製造することができるのではないかと考え、研究
を重ねてきた。 そして、本発明者は、数多くの実験を重ねた結
果、以下のような知見を得て、これをもとに本発
明を完成したものである。 カルボキシル基を有する高分子有機酸または
その塩を繊維やシート等に成型したものを、必
要な金属イオンを所定の割合で含む水溶液中で
イオン交換し、これを酸化性雰囲気中で焼成す
ると、目的とする酸化物セラミクスが当初の成
型体と相似な形状で得られること。 成型体を、イオン交換の前または後にアルコ
ール、アセトンのような有機溶剤に浸すと、脱
水と同時に均一な収縮が生じ、焼成後のセラミ
クスを緻密なものにする効果があること。 製造工程上、焼成時に比較的大きな強度を必
要とする場合が考えられる。このため、イオン
交換した成型体を乾燥させたものを、例えばフ
エノール樹脂のように、耐熱性があり、かつ炭
化しやすい高分子炭化水素材料で被覆し、不活
性雰囲気中で焼成、炭化した後、再度焼成する
と、形状をより強固に保持できること。 しかして、本発明においては、出発物質の高分
子有機酸またはその塩を水溶液として用いる。濃
度は作業性の許す範囲で濃い方が、単位体積当り
のイオン交換サイトが多くなるので、焼成時の収
縮率を低く押えることができる。濃度が薄すぎる
と、成型体の強度が低下し、収縮率が大きくな
り、また高分子有機酸の種類によつては、乾燥時
に結晶化しやすく、その結果、成型体に微小亀裂
が生じやすい等の欠点が生じる。 高分子有機酸またはその塩の繊維、シート等へ
の成型には、水素イオンあるいは金属イオンとの
イオン交換によりゲル化する方法、あるいは溶媒
の乾燥による方法等、従来公知の各種技術が利用
できる。 (作用) 本発明の方法においては、水溶液とした高分子
有機酸またはその塩を所望形状に成型し、これを
金属イオンの水溶液に浸してイオン交換させ、金
属を取り込ませる。その後、洗浄してから乾燥さ
せ、これを酸化雰囲気中で焼成する。この焼成に
より、高分子有機酸またはその塩の有機質を分解
しながら金属イオンと酸素とを反応させ、酸化物
超伝導セラミクスの結晶を成長させる。 なお、高分子有機酸またはその塩を所望形状に
成型した後、イオン交換の前または後に有機溶剤
に浸漬させる工程を経る場合には、より緻密なセ
ラミクスを製造することができる。その詳細なメ
カニズムは明かでないが、以下のように考えられ
る。即ち、成型体を有機溶剤に浸漬すると、成型
体中の水分が速やかに有機溶剤中に押し出され、
それと同時に成型体が均一に収縮するのが観察さ
れる。有機溶剤に浸漬してから乾燥させた繊維状
の成型体と、浸漬することなく乾燥させたそれと
を比較すると、その直径において、浸漬したもの
の方が概ね10%〜20%小さくなる。これは、前者
が、有機溶剤に浸漬した段階で脱水がかなりの程
度進行しているので、成型体の表面と内部とが略
均一に収縮するのに対し、後者は成型体の表面か
ら乾燥が始まつて、表面が先に硬化するので、内
部が乾燥する際には表面側に引つ張られる形で収
縮するため、内部に空隙が残りやすいことによる
ものと考えられる。 また、イオン交換した成型体の表面に、例えば
フエノール樹脂のような、耐熱性を持ち、かつ炭
化効率のよい高分子炭化水素材料で被覆し、これ
を不活性雰囲気下で熱分解することによつて耐熱
性の高い炭素環式化合物ないしはグラフアイト様
化合物に転化させた後、酸化性雰囲気中で再度焼
成する場合には、炭素環式化合物等の外殻が強度
を保持すると同時に、金属イオンを結合した高分
子有機酸がその内部で分解、結晶化するため、結
晶成長の方向を規制し、形状を保持するように作
用するものと考えられる。 (実施例) イオン交換性有機高分子材料として、アルギン
酸ナトリウムを用い、目的とする酸化物系超伝導
セラミクスとして、イツトリウム−バリウム−銅
酸化物(YBa2Cu3Ox)超伝導セラミクスを製造
した例を以下に示す。 アルギン酸ナトリウムの1重量%水溶液を、紡
糸液(1N塩酸)中に、口径1mmのノズルから押
し出して紡糸した。紡糸液中に押し出されたアル
ギン酸ナトリウムの持つているナトリウムイオン
は、紡糸液中の水素イオンと置換し、アルギン酸
はゲル化して繊維状になつた。遊離したナトリウ
ムイオン、塩素イオン等の不純物を除去するた
め、この繊維を純水で洗浄した後、室温で2時間
乾燥させた。この段階で、直径0.5mmのアルギン
酸繊維が得られた。 この繊維を、硝酸イツトリウム2重量%−硝酸
バリウム2重量%−硝酸第2銅4重量%の水溶液
中に浸漬し、繊維中の水素イオンと水溶液中の金
属イオンとを置換した。イツトリウム−バリウム
−銅酸化物(YBa2Cu3Ox)の元素比からする
と、硝酸イツトリウム1.9重量%−硝酸バリウム
2.6重量%−硝酸第2銅3.6重量%であるが、アル
ギン酸の金属イオン選択性を補正した結果、先の
重量比が適当であると考えられる。イオン置換後
の繊維を先と同様に純水で洗浄し、より緻密で形
状の整つた繊維とするためにエタノールに浸漬し
て、繊維中の水分を脱水してから乾燥し、イツト
リウム−バリウム−銅イオンを含む有機高分子繊
維を得た。 この繊維を大気中で、900℃、5時間焼成して、
直径0.05mmのイツトリウム−バリウム−銅酸化物
超伝導セラミクス繊維を得た。 この超伝導セラミクス繊維の超伝導臨界温度を
四端子法により測定した結果を第1図に示す。こ
の結果、80K〜90K(ケルビン)が得られ、粉末
焼結体と同程度以上の値であつた。この超伝導繊
維を分析した結果、それが略化学量論組成である
ことが確認された。また、この繊維のX線回折を
行なつたところ、第2図に示すように、その結晶
構造が均一な3層ペロブスカイト構造であること
が確認された。これらの点でも、粉末焼結体と同
程度以上の好結果が得られた。 一方、本試料の空隙率は、アルコール脱水を行
つたもので10%程度、これを行わなかつたもので
20%程度であり、粉末焼結体の30%〜50%に対し
て優れている。 また、イツトリウム−バリウム−銅酸化物超伝
導セラミクスシートの製造も同様にして行つた。
このとき、焼成前のシートに、フエノール樹脂の
30%溶液を被覆し、180℃で乾燥後、真空中で15
℃/minで900℃まで昇温し、その後大気中で900
℃で4時間保持した。その結果、シートには反り
や歪もなく、当初の形状を略完全に保持してい
た。このシートの超伝導特性は、前記繊維の場合
と同等であることが確認された。 次に、同様の手法で、アルギン酸ナトリウムを
はじめとする数種類のイオン交換性高分子有機酸
を用いていくつかの酸化物系超伝導セラミクス繊
維及びシートを製造した例を第1表に示す。
される酸化物系の超伝導セラミツクスの製造方法
に関するものである。 (従来の技術) 酸化物系超伝導セラミクスの製造方法として
は、従来以下のようなものが知られている。 (a) 原料となる元素の酸化物あるいは炭酸化物等
の粉末を混合、焼成し、これを粉砕して酸化物
超伝導セラミクス粉末とし、この粉末を圧縮成
型して焼成する方法。 (b) 前記酸化物超伝導セラミクス粉末にバインダ
を加え、ペースト状にして成型し、あるいは基
板に塗布して再び焼成する方法。 (c) 前記原料となる元素の酸化物あるいは炭酸化
物等の混合粉末、あるいは前記酸化物超伝導セ
ラミクス粉末を融解し、繊維状あるいはシート
状に成型した後、焼成する方法。 (d) 前記酸化物超伝導セラミクス粉末を基板上に
溶射して膜を形成し、その後これを焼成する方
法。 (e) 原料となる元素の塩の水溶液を熱した基板上
に吹き付けて膜を形成し、その後これを熱処理
する方法。 (f) CVD、蒸着、スパツタリング等の方法で、
基板上に超伝導材料の薄膜を形成する方法。 しかしながら、以上のような方法には、夫々次
のような問題点がある。 (イ) 前記a,b,cの方法は、成型性に限界があ
り、細い繊維、あるいは薄いシートを製造する
のが困難である。 (ロ) 前記a,bの方法においては、粉体を焼結す
るため、内部に空隙が多く、密度が低いため、
超伝導特性が悪くなる。 (ハ) 前記cの方法においては、酸化物系超伝導セ
ラミクスの融液の反応性が極めて高いので、る
つぼ等から不純物が混入しやすく、また融液か
ら繊維、あるいは薄いシート状のものを製造す
るには、材料に適当な粘度調整剤を添加して最
適な粘度を得る必要があり、厳密な組成制御を
要求される酸化物系超伝導セラミクスには適用
できないことが多い。 (ニ) 前記b,d,e,fの方法においては、基板
材料と超伝導セラミクスとが反応し、この結
果、組成が変化して超伝導特性に影響を及ぼ
す。 一方、酸化物系セラミクス繊維、または膜の製
造方法としては、例えば、特開昭60−186459号公
報に記載のものが知られている。この方法は、ア
ルギン酸ナトリウム溶液に、水ガラスを混合した
液を紡糸または成膜し、これをアルミニウム塩と
クロム塩の混合液に浸して、イオン交換反応によ
りアルミニウム及びクロムイオンを吸着させた
後、減圧下、及び空気中で焼成してアルミナ−シ
リカ系セラミクス繊維または膜を製造するもので
ある。 この方法は、ゾルーゲル法、金属アルコキシド
法等も含めて従来からよく知られている一般的な
ものであるが、これらの方法においては、酸化物
系セラミクスの繊維等を製造する際には、目的と
するセラミクスの中心的元素と酸素との共有結合
を有する化合物(以下「無機モノマー」と称す
る。)を予め配合しておき、これを重合させるこ
とによつて、酸化物セラミクスの骨格を形成させ
ることが必須の要件であるとされている。そし
て、前記特開昭60−186459号公報に記載のものに
おいては、Si−Oの共有結合を有する水ガラスが
その役割を担つている。 しかしながら、このような重合性の化合物を形
成する金属は、工業的にはシリコン、リン等一部
に限られており、それ以外の元素に対しては上記
の方法が適用できないという欠点がある。 以上のような理由により、高度に組成を制御し
た高性能の酸化物系超伝導セラミクスの製造、特
に細い繊維及び薄いシートの製造は極めて難しい
のが現状である。 (発明が解決しようとする課題) 酸化物系超伝導セラミクスの実用化に当つて、
繊維化あるいはシート化の技術は不可欠の要素で
ある。しかし、酸化物系超伝導セラミクスは、多
種の金属元素から成る複合酸化物で、しかも高度
に組成を制御することが要求される。従つて、本
発明は、高度に組成を制御しつつ、酸化物系超伝
導セラミクスを繊維化あるいはシート化すること
ができる製造方法を提供しようとするものであ
る。 (課題を解決するための手段) 上記課題を解決するためには、成型性のよいこ
と、金属元素を任意に選択組合せできること、さ
らに工業的に考えるならば、出発物質を容易に入
手できることが必要である。 海藻に含まれるマンヌロン酸やグルロン酸等か
ら成る多糖類、一般的な工業原料であるアクリル
酸やメタクリル酸等、カルボキシル基を有する有
機酸及びそれらのナトリウム塩やアンモニウム塩
が各種の金属イオンと容易にイオン交換し、強固
な結合を形成することは広く知られている。ま
た、その重合体であるアルギン酸やポリアクリル
酸、ポリメタクリル酸、あるいはそれらのナトリ
ウム塩やアンモニウム塩などは、粘稠な水溶液を
作り、紡糸性、成膜性に富んだ液体となる。 そこで、本発明者は、カルボキシル基を有する
高分子有機酸あるいはその塩の上記のような特性
を利用し、しかし、特開昭60−186459に記載のも
ののように金属元素の選択の自由度を損なう無機
モノマーを使用せず、全ての金属元素をイオン交
換によつて供給し、酸化物系超伝導セラミクスを
製造することができるのではないかと考え、研究
を重ねてきた。 そして、本発明者は、数多くの実験を重ねた結
果、以下のような知見を得て、これをもとに本発
明を完成したものである。 カルボキシル基を有する高分子有機酸または
その塩を繊維やシート等に成型したものを、必
要な金属イオンを所定の割合で含む水溶液中で
イオン交換し、これを酸化性雰囲気中で焼成す
ると、目的とする酸化物セラミクスが当初の成
型体と相似な形状で得られること。 成型体を、イオン交換の前または後にアルコ
ール、アセトンのような有機溶剤に浸すと、脱
水と同時に均一な収縮が生じ、焼成後のセラミ
クスを緻密なものにする効果があること。 製造工程上、焼成時に比較的大きな強度を必
要とする場合が考えられる。このため、イオン
交換した成型体を乾燥させたものを、例えばフ
エノール樹脂のように、耐熱性があり、かつ炭
化しやすい高分子炭化水素材料で被覆し、不活
性雰囲気中で焼成、炭化した後、再度焼成する
と、形状をより強固に保持できること。 しかして、本発明においては、出発物質の高分
子有機酸またはその塩を水溶液として用いる。濃
度は作業性の許す範囲で濃い方が、単位体積当り
のイオン交換サイトが多くなるので、焼成時の収
縮率を低く押えることができる。濃度が薄すぎる
と、成型体の強度が低下し、収縮率が大きくな
り、また高分子有機酸の種類によつては、乾燥時
に結晶化しやすく、その結果、成型体に微小亀裂
が生じやすい等の欠点が生じる。 高分子有機酸またはその塩の繊維、シート等へ
の成型には、水素イオンあるいは金属イオンとの
イオン交換によりゲル化する方法、あるいは溶媒
の乾燥による方法等、従来公知の各種技術が利用
できる。 (作用) 本発明の方法においては、水溶液とした高分子
有機酸またはその塩を所望形状に成型し、これを
金属イオンの水溶液に浸してイオン交換させ、金
属を取り込ませる。その後、洗浄してから乾燥さ
せ、これを酸化雰囲気中で焼成する。この焼成に
より、高分子有機酸またはその塩の有機質を分解
しながら金属イオンと酸素とを反応させ、酸化物
超伝導セラミクスの結晶を成長させる。 なお、高分子有機酸またはその塩を所望形状に
成型した後、イオン交換の前または後に有機溶剤
に浸漬させる工程を経る場合には、より緻密なセ
ラミクスを製造することができる。その詳細なメ
カニズムは明かでないが、以下のように考えられ
る。即ち、成型体を有機溶剤に浸漬すると、成型
体中の水分が速やかに有機溶剤中に押し出され、
それと同時に成型体が均一に収縮するのが観察さ
れる。有機溶剤に浸漬してから乾燥させた繊維状
の成型体と、浸漬することなく乾燥させたそれと
を比較すると、その直径において、浸漬したもの
の方が概ね10%〜20%小さくなる。これは、前者
が、有機溶剤に浸漬した段階で脱水がかなりの程
度進行しているので、成型体の表面と内部とが略
均一に収縮するのに対し、後者は成型体の表面か
ら乾燥が始まつて、表面が先に硬化するので、内
部が乾燥する際には表面側に引つ張られる形で収
縮するため、内部に空隙が残りやすいことによる
ものと考えられる。 また、イオン交換した成型体の表面に、例えば
フエノール樹脂のような、耐熱性を持ち、かつ炭
化効率のよい高分子炭化水素材料で被覆し、これ
を不活性雰囲気下で熱分解することによつて耐熱
性の高い炭素環式化合物ないしはグラフアイト様
化合物に転化させた後、酸化性雰囲気中で再度焼
成する場合には、炭素環式化合物等の外殻が強度
を保持すると同時に、金属イオンを結合した高分
子有機酸がその内部で分解、結晶化するため、結
晶成長の方向を規制し、形状を保持するように作
用するものと考えられる。 (実施例) イオン交換性有機高分子材料として、アルギン
酸ナトリウムを用い、目的とする酸化物系超伝導
セラミクスとして、イツトリウム−バリウム−銅
酸化物(YBa2Cu3Ox)超伝導セラミクスを製造
した例を以下に示す。 アルギン酸ナトリウムの1重量%水溶液を、紡
糸液(1N塩酸)中に、口径1mmのノズルから押
し出して紡糸した。紡糸液中に押し出されたアル
ギン酸ナトリウムの持つているナトリウムイオン
は、紡糸液中の水素イオンと置換し、アルギン酸
はゲル化して繊維状になつた。遊離したナトリウ
ムイオン、塩素イオン等の不純物を除去するた
め、この繊維を純水で洗浄した後、室温で2時間
乾燥させた。この段階で、直径0.5mmのアルギン
酸繊維が得られた。 この繊維を、硝酸イツトリウム2重量%−硝酸
バリウム2重量%−硝酸第2銅4重量%の水溶液
中に浸漬し、繊維中の水素イオンと水溶液中の金
属イオンとを置換した。イツトリウム−バリウム
−銅酸化物(YBa2Cu3Ox)の元素比からする
と、硝酸イツトリウム1.9重量%−硝酸バリウム
2.6重量%−硝酸第2銅3.6重量%であるが、アル
ギン酸の金属イオン選択性を補正した結果、先の
重量比が適当であると考えられる。イオン置換後
の繊維を先と同様に純水で洗浄し、より緻密で形
状の整つた繊維とするためにエタノールに浸漬し
て、繊維中の水分を脱水してから乾燥し、イツト
リウム−バリウム−銅イオンを含む有機高分子繊
維を得た。 この繊維を大気中で、900℃、5時間焼成して、
直径0.05mmのイツトリウム−バリウム−銅酸化物
超伝導セラミクス繊維を得た。 この超伝導セラミクス繊維の超伝導臨界温度を
四端子法により測定した結果を第1図に示す。こ
の結果、80K〜90K(ケルビン)が得られ、粉末
焼結体と同程度以上の値であつた。この超伝導繊
維を分析した結果、それが略化学量論組成である
ことが確認された。また、この繊維のX線回折を
行なつたところ、第2図に示すように、その結晶
構造が均一な3層ペロブスカイト構造であること
が確認された。これらの点でも、粉末焼結体と同
程度以上の好結果が得られた。 一方、本試料の空隙率は、アルコール脱水を行
つたもので10%程度、これを行わなかつたもので
20%程度であり、粉末焼結体の30%〜50%に対し
て優れている。 また、イツトリウム−バリウム−銅酸化物超伝
導セラミクスシートの製造も同様にして行つた。
このとき、焼成前のシートに、フエノール樹脂の
30%溶液を被覆し、180℃で乾燥後、真空中で15
℃/minで900℃まで昇温し、その後大気中で900
℃で4時間保持した。その結果、シートには反り
や歪もなく、当初の形状を略完全に保持してい
た。このシートの超伝導特性は、前記繊維の場合
と同等であることが確認された。 次に、同様の手法で、アルギン酸ナトリウムを
はじめとする数種類のイオン交換性高分子有機酸
を用いていくつかの酸化物系超伝導セラミクス繊
維及びシートを製造した例を第1表に示す。
【表】
なお、高分子有機酸(またはその塩)を繊維状
またはシート状に成型する方法としては、水素イ
オン、金属イオンとのイオン交換によるゲル化法
のほか、溶媒の乾燥による方法等、従来公知の各
種の方法を用いることができる。溶媒乾燥により
成型する場合には、高分子有機酸溶液を型に入れ
て乾燥する。この乾燥体を金属イオンの水溶液に
浸してイオン交換させる際には、これが再び水を
吸収して膨潤しはじめるが、同時に金属イオンに
より架橋されてゲル化するため、溶出して形が崩
れることはない。金属イオンとのイオン交換によ
るゲル化で成型する場合には、金属イオンの取り
込みと成型とを同時に行うことになる。即ち、高
分子有機酸水溶液を、金属イオン水溶液中に、所
望形状で射出すると、イオン交換によつて金属イ
オンが取り込まれ、同時にゲル化して成型され
る。置換しようとする金属イオンを含む水溶液
は、硝酸塩や塩化物等の水溶性の金属塩を水に溶
解して作製する。 上記実施例では、成型体をイオン交換した後で
アルコールに浸して脱水したが、成型後イオン交
換前にこの脱水工程を実施してもよい。何れの場
合においても、アルコールに限らず、アセトンそ
の他の有機溶剤であれば代替可能である。 また、成型体を乾燥する際には、成型体に5
Kg/cm2程度の張力を加えながらこれを行うと、延
伸作用のため、乾燥後の強度が高くなり、焼成後
の超伝導セラミクスの密度、強度が共に増大する
ことが確認された。 焼成温度は、室温から800℃〜900℃の焼成温度
まで、5℃〜20℃/min程度の温度上昇率で昇温
し、高分子有機酸の有機質の分解速度とセラミク
スの結晶化速度との平衡を保つことが必要と思わ
れる。また、酸化物系超伝導セラミクスにおいて
は、その超伝導特性が酸素含有量に大きく影響さ
れるので、十分な時間焼結温度を保つて酸素を供
給する必要がある。 (発明の効果) 以上のように、本発明においては、カルボキシ
ル基を有するイオン交換性高分子有機酸またはそ
の塩を含む粘稠な水溶液を所望形状に成形して成
形体を得、この成形体を目的セラミクスの成分と
なるべき金属イオンを所定の比率で含む水溶液に
浸すことによつて必要な全ての金属イオンとイオ
ン交換させ、この成形体を酸化性雰囲気中で焼成
して酸化物超伝導セラミクスを製造するため、従
来の方法に比して以下のような利点がある。 高度に組成を制御しつつ、容易に酸化物系超
伝導セラミクスを繊維化あるいはシート化する
ことができる。 粉末焼結体に比べて内部空隙が少なく、密度
の高い酸化物系超伝導セラミクスが得られる。 純度が高く、均質な酸化物系超伝導セラミク
スが得られる。 超伝導特性の良好な酸化物系超伝導セラミク
スが得られる。 無機モノマーを必要とせず、ほとんどの超伝
導材料構成元素に適用することができる。 小規模な設備で製造が行え、コストの低減が
可能である。
またはシート状に成型する方法としては、水素イ
オン、金属イオンとのイオン交換によるゲル化法
のほか、溶媒の乾燥による方法等、従来公知の各
種の方法を用いることができる。溶媒乾燥により
成型する場合には、高分子有機酸溶液を型に入れ
て乾燥する。この乾燥体を金属イオンの水溶液に
浸してイオン交換させる際には、これが再び水を
吸収して膨潤しはじめるが、同時に金属イオンに
より架橋されてゲル化するため、溶出して形が崩
れることはない。金属イオンとのイオン交換によ
るゲル化で成型する場合には、金属イオンの取り
込みと成型とを同時に行うことになる。即ち、高
分子有機酸水溶液を、金属イオン水溶液中に、所
望形状で射出すると、イオン交換によつて金属イ
オンが取り込まれ、同時にゲル化して成型され
る。置換しようとする金属イオンを含む水溶液
は、硝酸塩や塩化物等の水溶性の金属塩を水に溶
解して作製する。 上記実施例では、成型体をイオン交換した後で
アルコールに浸して脱水したが、成型後イオン交
換前にこの脱水工程を実施してもよい。何れの場
合においても、アルコールに限らず、アセトンそ
の他の有機溶剤であれば代替可能である。 また、成型体を乾燥する際には、成型体に5
Kg/cm2程度の張力を加えながらこれを行うと、延
伸作用のため、乾燥後の強度が高くなり、焼成後
の超伝導セラミクスの密度、強度が共に増大する
ことが確認された。 焼成温度は、室温から800℃〜900℃の焼成温度
まで、5℃〜20℃/min程度の温度上昇率で昇温
し、高分子有機酸の有機質の分解速度とセラミク
スの結晶化速度との平衡を保つことが必要と思わ
れる。また、酸化物系超伝導セラミクスにおいて
は、その超伝導特性が酸素含有量に大きく影響さ
れるので、十分な時間焼結温度を保つて酸素を供
給する必要がある。 (発明の効果) 以上のように、本発明においては、カルボキシ
ル基を有するイオン交換性高分子有機酸またはそ
の塩を含む粘稠な水溶液を所望形状に成形して成
形体を得、この成形体を目的セラミクスの成分と
なるべき金属イオンを所定の比率で含む水溶液に
浸すことによつて必要な全ての金属イオンとイオ
ン交換させ、この成形体を酸化性雰囲気中で焼成
して酸化物超伝導セラミクスを製造するため、従
来の方法に比して以下のような利点がある。 高度に組成を制御しつつ、容易に酸化物系超
伝導セラミクスを繊維化あるいはシート化する
ことができる。 粉末焼結体に比べて内部空隙が少なく、密度
の高い酸化物系超伝導セラミクスが得られる。 純度が高く、均質な酸化物系超伝導セラミク
スが得られる。 超伝導特性の良好な酸化物系超伝導セラミク
スが得られる。 無機モノマーを必要とせず、ほとんどの超伝
導材料構成元素に適用することができる。 小規模な設備で製造が行え、コストの低減が
可能である。
第1図は試料の超伝導臨界温度を四端子法によ
り測定した結果を示すグラフであり、第2図は試
料のX線回折結果を示すグラフである。
り測定した結果を示すグラフであり、第2図は試
料のX線回折結果を示すグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 カルボキシル基を有するイオン交換性高分子
有機酸またはその塩を含む粘稠な水溶液を所望形
状に成形して成形体を得る工程と、この成形体を
目的セラミツクスの成分となるべき一種以上の金
属イオンを所定の比率で含む水溶液に浸すことに
よつて必要な全ての金属イオンとイオン交換させ
る工程と、イオン交換した成形体を酸化性雰囲気
中で焼成する工程とを含むことを特徴とする酸化
物超伝導セラミクスの製造方法。 2 カルボキシル基を有するイオン交換性高分子
有機酸またはその塩を含む粘稠な水溶液を所望形
状に成形して成形体を得る工程と、この成形体を
目的セラミクスの成分となるべき一種以上の金属
イオンを所定の比率で含む水溶液に浸すことによ
つて必要な全ての金属イオンとイオン交換させる
工程と、イオン交換した成形体を高分子炭化水素
で被覆する工程と、その後これを不活性雰囲気下
で熱分解することによつて耐熱性の高い炭素環式
化合物ないしはグラフアイト様化合物に転化させ
る工程と、その後これを酸化性雰囲気中で再度焼
成する工程とを含むことを特徴とする酸化物超伝
導セラミクスの製造方法。 3 前記成形体を得る工程が、前記成形体をイオ
ン交換させる工程と同時に行われることを特徴と
する特許請求の範囲第1項または第2項の何れか
に記載の酸化物超伝導セラミクスの製造方法。 4 前記成形体をイオン交換させる工程の後に、
これを有機溶剤に浸して収縮、緻密化させる工程
を介在させることを特徴とする特許請求の範囲第
1ないし第3項の何れかに記載の酸化物超伝導セ
ラミクスの製造方法。 5 前記成形体をイオン交換させる工程の前に、
これを有機溶剤に浸して収縮、緻密化させる工程
を介在させることを特徴とする特許請求の範囲第
1項または第2項に記載の酸化物超伝導セラミク
スの製造方法。 6 カルボキシル基を有するイオン交換性高分子
有機酸またはその塩を水素イオンとイオン交換さ
せることにより所望形状に成形して成形体を得る
工程と、この成形体を目的セラミクスの成分とな
るべき一種以上の金属イオンと所定の比率でイオ
ン交換させる工程と、イオン交換した成形体を酸
化性雰囲気中で焼成する工程とを含むことを特徴
とする酸化物超伝導セラミクスの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63155683A JPH01320205A (ja) | 1988-06-23 | 1988-06-23 | 酸化物超伝導セラミクスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63155683A JPH01320205A (ja) | 1988-06-23 | 1988-06-23 | 酸化物超伝導セラミクスの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01320205A JPH01320205A (ja) | 1989-12-26 |
| JPH0476321B2 true JPH0476321B2 (ja) | 1992-12-03 |
Family
ID=15611282
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63155683A Granted JPH01320205A (ja) | 1988-06-23 | 1988-06-23 | 酸化物超伝導セラミクスの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH01320205A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007070157A (ja) * | 2005-09-06 | 2007-03-22 | Kengo Ebina | 超伝導セラミックス薄膜の形成方法 |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN120399393B (zh) * | 2025-05-21 | 2026-04-10 | 杭州优纳摩擦材料有限公司 | 一种摩擦材料、刹车片及其制备方法 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS63307113A (ja) * | 1987-06-08 | 1988-12-14 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | 超伝導体の製造方法 |
-
1988
- 1988-06-23 JP JP63155683A patent/JPH01320205A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007070157A (ja) * | 2005-09-06 | 2007-03-22 | Kengo Ebina | 超伝導セラミックス薄膜の形成方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01320205A (ja) | 1989-12-26 |
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