JPH0477445B2 - - Google Patents
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- JPH0477445B2 JPH0477445B2 JP63039669A JP3966988A JPH0477445B2 JP H0477445 B2 JPH0477445 B2 JP H0477445B2 JP 63039669 A JP63039669 A JP 63039669A JP 3966988 A JP3966988 A JP 3966988A JP H0477445 B2 JPH0477445 B2 JP H0477445B2
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Apparatuses And Processes For Manufacturing Resistors (AREA)
- Non-Adjustable Resistors (AREA)
Description
産業上の利用分野
本発明は、固定チツプ抵抗器あるいは回路配線
基板等に設けられる厚膜タイプの電気抵抗体、特
に非酸化性雰囲気中で焼成して得られることが可
能であり、かつ耐久性を向上させ、さらには電力
動作変化率、耐電圧特性を改善した電気抵抗体及
びその製造方法に関する。 従来の技術 電子機器の電気回路は、抵抗、コンデンサ、ダ
イオード、トランジスタ等の各種電気素子が回路
基板に実装されて構成されることが良く行われて
いるが、電子機器の小型化に伴つてこれらの電気
素子の実装密度をさらに高めることができる回路
基板が多く用いられるようになつてきた。 これらの回路基板に設けられる抵抗体には、抵
抗体材料ペーストを回路上に直接印刷して焼付け
ることにより形成した厚膜抵抗体、あるいは角板
状セラミツクチツプの両端に一対の電極を形成
し、双方の電極に跨がるように前記厚膜抵抗体を
形成した固定チツプ抵抗器等がある。 このような厚膜抵抗体を回路基板に設けるに
は、従来、例えば1500℃前後で焼成して得られた
アルミナ基板の表面にAgあるいはAg−Pd等の導
体材料ペーストを塗布し、焼付けした後、例えば
RuO2を抵抗体材料として含有するペーストをス
クリーン印刷等により塗布し、ついで750〜850℃
で焼付け、さらに必要に応じてトリミング等によ
り抵抗値の調製を行なうやり方が一般的である。 しかしながら近年、電子機器等に対する軽薄・
短小化、低コスト化の要求がさらに強まつてきて
おり、回路基板に対しても一層の小型化、低コス
ト化の検討が行われるようになつてきた。 前者の小型化のための具体的な対応としては、
第1に回路基板の多層化、第2に抵抗体の内装化
が行なわれている。回路基板を多層化した例とし
ては、AgあるいはAg−Pd系等の導体材料ペース
トを印刷したセラミツクグリーンシート(生シー
ト)を積層、圧着した後、大気中800〜1100℃で
同時焼成して得られる多層配線基板が挙げられ、
また、抵抗体を内装化した例としては、前記導体
材料ペーストを印刷したセラミツクグリーンシー
ト上にさらにRuO2系抵抗体材料ペーストを印刷
し、前記と同様に積層、圧着した後、同時焼成し
て得られる抵抗体内装多層配線基板等が知られて
いる。 また、後者の低コスト化のための具体的な対応
としては、AgあるいはAg−Pd系材料のような高
価な貴金属系の導体材料に代わつて、安価なNi
あるいはCu等の卑金属系の導体材料を用い、こ
れらを窒素ガスあるいは水素を含む窒素ガス中
等、その酸化による高抵抗化を避けることができ
るような中性あるいは還元性の非酸化性雰囲気
中、800〜1100℃でグリーンセラミツクと同時焼
成して得られる多層配線基板が実用化されてい
る。また、特開昭56−153702号公報に記載されて
いるように、MoSi2−TaSi2及びガラスからなる
抵抗体材料を、銅(Cu)導体を有するアルミナ
基板上に塗布し、熱処理して得られる厚膜抵抗体
等も知られている。 発明が解決しようとする問題点 しかしながら、回路基板の小型化と低コスト化
を同時に行なうようにすると、RuO2系抵抗体材
料は窒素ガスあるいは水素を含む窒素ガス雰囲気
中でグリーンセラミツクと同時焼成したときに還
元反応が起こり、抵抗値が低くなつて抵抗体とし
ての特性を示さなくなる。 また、MoSi2−TaSi2及びガラスからなる抵抗
体材料を非酸化性雰囲気中でグリーンセラミツク
シートと同時焼成すると、両者の膨張率、収縮率
の相違によるずれによる焼成体に反りが生じた
り、MoSi2−TaSi2の分解反応によりガスが発生
して焼成体にふくれが生じ易いと云う問題点があ
る。これを改善するために、特開昭60−198703号
公報に記載されているように、MoSi2−弗化金属
塩(例えば弗化カリシウム)及びガラスよりなる
抵抗体材料を用いる例が知られており、これにつ
いては上記のような焼成時の反りやふくれは見ら
れない。 しかし、このMoSi2−弗化金属及びガラスより
なる抵抗体材料をグリーンセラミツクシートに塗
布し、同時焼成して得られた厚膜抵抗体は、95%
相対湿度中に1000時間放置すると、5〜10%の抵
抗値の増加が見られ、抵抗体としての所定の機能
を果たすことができない。 そこで、本発明者等はCu、Ni等の卑金属導体
ペーストを印刷したセラミツクグリーンシートと
ともに、非酸化性雰囲気中で800〜1100℃で焼成
して得られることが可能なアルカリ土類金属のモ
リブデン酸塩を含有する厚膜抵抗体を提案した。
これは上記のような高湿度下に長時間放置しても
抵抗値の増加はほとんど見られず、好ましい。 しかしながら、このアルカリ土類金属のモリブ
デン酸塩を含有する厚膜抵抗体を40±2℃、相対
湿度90〜95%の雰囲気中にて定格電圧を1.5時間
オンし、0.5時間オフするサイクルで50時間加え
ると、±3%≦(絶対値が3より大きい)の抵抗値
の変化があり、湿中負荷試験における耐電圧性、
すなわち耐久性に問題点があつた。 また、このような高湿度中でなくとも、この厚
膜抵抗体を70±5℃にて定格電圧を1.5時間オン
し、0.5時間オフするサイクルで240+8/-0時間の電
圧動作テストを行うと、±2%<の抵抗値の変化
があり、電力動作変化が大きいという問題点があ
つた。 また、このアルカリ土類金属のモリブデン酸塩
を含有する厚膜抵抗体を形成した素子や回路基
板、あるいはこれらの素子や回路基板を実装した
電子機器等を低温度、低湿度の条件下で取り扱う
と、これらの素子同士の摩擦あるいはこれら素子
や機器等を扱う作業者の衣服の摩擦等により発生
する高電圧の静電気等が厚膜抵抗体に印加される
ことになり、この抵抗体の抵抗値を大きく低下さ
せるという問題がある。この抵抗値の減少は20〜
50%にもなり、一旦減少すると元の抵抗値には戻
らず、その耐圧性の改善が望まれていた。 したがつて、本発明の第1の目的は、固定チツ
プ抵抗器あるいは一般の回路基板等に使用できる
のみならず、卑金属導体材料とともに積層して多
層基板に内装化することのできる電気抵抗体であ
つて、高湿度下長時間放置されても抵抗値の安定
な電気抵抗体を提供することにある。 本発明の第2の目的は、抵抗体材料を還元性雰
囲気中で焼成することによつても得られる優れた
特性を有する電気抵抗体を提供することにある。 本発明の第3の目的は、耐久性を改善した電気
抵抗体を提供することにある。 本発明の第4の目的は、回路基板の小型化、コ
ストの低減の両方を満足できる電気抵抗体を提供
することにある。 本発明の第5の目的は、前記電気抵抗体の特性
をより一層向上させることのできる製造法を提供
することにある。 本発明の第6の目的は、上記目的を達成すると
ともに、高電圧が印加されても抵抗体としての機
能を損なわない耐圧性の電気抵抗体を提供するこ
とにある。 本発明の第7の目的は、上記目的を達成すると
ともに電力動作変化率の少ない電気抵抗体を提供
することにある。 問題点を解決するための手段 本発明は、上記目的を達成するために、アルカ
リ土類金属のモリブデン酸塩と、Au、Ag、Pt、
Ru、Ni、Cu、Co、Pdの群から選択された少な
くとも1種の金属及び/又はその金属酸化物を含
有する焼成体を有することを特徴とする電気抵抗
体を提供するものであり、この電気抵抗体はアル
カリ土類金属のモリブデン酸塩及びその前駆体の
少なくとも1種と、上記Au等の群の内の金属及
び/又はその金属酸化物を主成分として含有する
抵抗体材料から焼成されることが好ましく、特に
この抵抗体材料の主成分がアルカリ土類金属のモ
リブデン酸塩及びその前駆体の内の少なくとも1
種を当該アルカリ土類金属のモリブデン酸塩に換
算して30〜96重量%と、ガラス4〜70重量%とか
らなる組成物と、該組成物100重量部に対して
0.05〜3.00重量部の上記Au等の群の内の金属及
び/又はその金属酸化物を含有することが好まし
い。 また、塊状粒子と、この塊状粒子に付着又はこ
の塊状粒子の近傍に存在する針状粒子と、ガラス
層を有し、上記Au等の群の内の金属及び/又は
その金属酸化物を含有する焼成体であつて、上記
塊状粒子がアルカリ土類金属のモリブデン酸塩を
含有し、針状粒子が当該モリブデン酸塩の還元生
成物を含有することを特徴とする電気抵抗体を提
供するものであり、この針状粒子は塊状粒子表面
を還元して生成した還元生成物であることが好ま
しい。 また、アルカリ土類金属のモリブデン酸塩と、
上記Au等の群の内の金属及び/又はその金属酸
化物と、酸化チタンを含有する焼成体を有するこ
とを特徴とする電気抵抗体を提供するものであ
り、この電気抵抗体の焼成体はアルカリ土類金属
のモリブデン酸塩及びその前駆体の少なくとも1
種と、上記Au等の群の内の金属及び/又はその
金属酸化物と、酸化チタンとを主成分に含有する
抵抗体材料から焼成されることが好ましい。 また、アルカリ土類金属のモリブデン酸塩と、
上記Au等の群の内の金属及び/又はその金属酸
化物と、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、
Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Sc、Pmの
群から選ばれた少なくとも1つの元素の酸化物を
含有する焼成体を有することを特徴とする電気抵
抗体を提供するものであり、この電気抵抗体の焼
成体はアルカリ土類金属のモリブデン酸塩及びそ
の前駆体の少なくとも1種と、上記Au等の群の
内の金属及び/又はその金属酸化物と、Y、La、
Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、
Er、Tm、Yb、Lu、Sc、Pmの群から選ばれた
少なくとも1つの元素の酸化物とを主成分に含有
する抵抗体材料から焼成されることが好ましい。 また、アルカリ土類金属のモリブデン酸塩と、
上記Au等の群の内の金属及び/又はその金属酸
化物と、酸化チタンと、Y、La、Ce、Pr、Nd、
Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、
Lu、Sc、Pmの群から選ばれた少なくとも1つの
元素の酸化物を含有する焼成体を有することを特
徴とする電気抵抗体を提供するものであり、焼成
体はアルカリ土類金属のモリブデン酸塩及びその
前駆体の少なくとも1種と、上記Au等の群の内
の金属及び/又はその金属酸化物と、酸化チタン
と、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、
Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Sc、Pmの群から
選ばれた少なくとも1つの元素の酸化物とを主成
分に含有する抵抗体材料から焼成されることが好
ましい。 また、主成分にアルカリ土類金属のモリブデン
酸塩及びその前駆体の内の少なくとも一種と、上
記Au等の群の内の金属及び/又はその金属酸化
物を含有する抵抗体材料を熱処理し、この熱処理
して得られた抵抗体材料を用いて焼成し、アルカ
リ土類金属のモリブデン酸塩と上記Au等の群の
内の金属及び/又はその金属酸化物を含有する焼
成体からなる電気抵抗体を得ることを特徴とする
電気抵抗体の製造方法を提供するものであり、こ
の際熱処理前の抵抗体材料の主成分はアルカリ土
類金属のモリブデン酸塩及びその前駆体の内の少
なくとも一種を当該アルカリ土類金属のモリブデ
ン酸塩に換算して30〜96重量%と、ガラス4〜70
重量%とからなる組成物と、該組成物100重量部
に対して0.05〜3.00重量部の上記Au等の群の内の
金属及び/又はその金属酸化物とからなることが
好ましい。 次に本発明を詳細に説明する。 本発明における電気抵抗体は、例えば第1図に
示すように、ガラスaに球状粒子bと針状粒子c
を分散させた構造が例示され、この例では針状粒
子は球状粒子に付着しているか、その近傍に存在
している。このような構造は、接触又は近傍に存
在する球状粒子と針状粒子を通して電流を流すこ
とができる。このような構造は、例えば抵抗体材
料の塊状粒子を焼成処理してその表面の生成物を
針状に成長させることによつて形成させることが
できるが、これについては後に詳述する。 このような抵抗体材料としては、アルカリ土類
金属のモリブデン酸塩を使用できるが、Meをア
ルカリ土類金属とすると、一般式MeMoO4、
Me3MoO6、Me2MoO5、Me2Mo7、MeMo4O13、
MeMo7O24、MeMo3O10、Me2MoO5、Me2Mo3
O11等で表されるものが好ましい。具体的には、
例えばMgMoO4、CaMoO4、SrMoO4、
BaMoO4、BaMo2O7、BaMo4O13、BaMo7O24、
BaMo3O10、Ca3MoO6、Sr3MoO6、Ba3MoO6、
Ba2MoO5、Mg2Mo3O11等が挙げられる。 また、次の複合モリブデン酸塩も例示される。 (Mgx Cay)MoO4、但し、x+y=1、 (Cax Sry)MoO4、但し、x+y=1、 (Mgx Bay)MoO4、但し、x+y=1、 (Max Cay Baz)MoO4、但し、x+y+z=
1、 (Cax Sry Baz)MoO4、但し、x+y+z=
1、 (Mgx Cay Srz Baw)MoO4、但しx+Y+z
+z=1、 (Cax Sry)MoO6、但し、x+y=3、 (Srx Bay)MoO6、但し、x+y=3、 このようなアルカリ土類金属のモリブデン酸塩
は、アルカリ土類金属の各々の金属酸化物の前駆
体となる物質と酸化モリブデン(MoO3)又はそ
の前駆体とを所定のモル比で混合し、熱処理する
ことにより合成することができる。例えはCaOの
前駆体となる、例えば炭酸カルシウム(CaCO3)
又は水酸化カルシウム(Ca(OH)2)と酸化モリ
ブデン(MoO3)又はその前駆体となる、例えば
モリブデン酸(H2MoO4)とを所定モル比混合
し、熱処理する。このときの熱処理条件として
は、600〜1000℃、1〜3時間が挙げられる。 また、アルカリ土類金属のモリブデン酸塩は、
アルカリ土類金属酸化物と酸化モリブデン
(MoO3)の熱処理によつても合成することがで
きる。例えばCaOとMoO3を熱処理することによ
つてカルシウムのモリブデン酸塩が合成される
が、この場合MoO3が昇華し易いため、加圧しな
がら熱処理することが好ましい。他のアルカリ金
属についても同様である。 また、本発明では、例えばAu、Ag、Pt、Ru、
Ni、Cu、Co、Pdの群から選択された少なくとも
1種の金属及び/又はその金属酸化物が使用され
る。この金属酸化物としては、例えばPdo、
NiO、CoO、RuO2、CuO等が挙げられる。これ
らの金属、金属酸化物はそれぞれ単独又は組み合
わせて用いられる。金属酸化物は還元性雰囲気中
で焼成処理されることにより還元処理される。 また、本発明で使用されるY、La、Ce、Pr、
Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、
Yb、Lu、Sc、Pmの元素の酸素物は、周期律表
属a亜族に属するSc、Y及びランタノイド
(元素番号57〜71)の酸化物で、これらの希土類
元素は2価、4価などの酸化数を持つ化合物も生
成するが、3価の酸化数を持つ酸化物が一般に安
定であり、好ましく用いられる。 また、本発明で使用される酸化チタンは、一般
式TixOyで表され、具体的にはTiO、Ti2O3、
TiO2等が好ましい。 本発明においてはガラスを用いることが好まし
く、このガラスとしては一般に知られているガラ
スが用いられ、特定の組成のガラスに限定される
ものではないが、Pb3O4、Bi2O3、SnO2、CdOの
ような酸化物は、これらを含む抵抗体材料を非酸
化性雰囲気中で焼成するときに還元されて金属化
することがあり、この金属は抵抗値を変化させる
ので、このようなことが起こることが好ましくな
い場合にはこれらの酸化物を含有しないことが好
ましい。 ガラス成分としては、SiO2、B2O3、ZnO、
CaO、SrO、ZrO2などが好ましく、これらの酸
化物の組成比は、 SiO212〜33 重量% B2O320〜35重量% ZnO又はSrO13〜33重量% CaO10〜25 重量% ZRO215〜45重量% が好ましい。 これら酸化物の組成物からガラスを製造するに
は、前記組成比になるようにそれぞれの酸化物を
秤量し、混合する。この混合物を坩堝に入れ、
1200〜1500℃に温度にて溶融した後、溶融液を例
えば水中に投入し、急冷させ、ガラス粗粉を得
る。この粗粉を例えばボールミル、振動ミルなど
の粉砕手段を用いて所望の粒度(例えば10μm以
下)になるまで粉砕すると、ガラス粉末が得られ
る。 前記は純粋の酸化物を混合して用いたが、これ
に限らず結果的に各酸化物の混合物からなるガラ
スになれば良く、各酸化物の前駆体をその一部又
は全部に用い、これを溶融してガラスにしても良
い。例えばCaO(酸化カルシウム)はCaCO3(炭
酸カルシウム)、B2O3(酸化硼素)はホウ酸(H3
BO3)の熱処理により得られるので、CaO、B2
O3の一部又はその全部の代わりにそれぞれ
CaCO3、H3BO3を用いることができる。その他
の成分の酸化物についても同様である。 前記のようにして得られるアルカリ土類金属の
モリブデン酸塩、ガラス粉末は混合され、この混
合組成物に対して上記Au等の群の内の金属及
び/又はその金属酸化物、さらには上記希土類元
素の酸化物及び/又は酸化チタンを添加してさら
に混合し抵抗体材料として用いても良いが、これ
を熱処理して粉砕したものを抵抗体材料とするこ
とがこれを焼成して得た抵抗体の抵抗温度特性の
上で好ましい。この熱処理温度としては、800℃
〜1200℃が好ましく、これより外れると抵抗体材
料を電気抵抗体に加工する各工程の作業条件等に
よる組成比の微妙な変動に対し、出来上がつた抵
抗体の抵抗値が影響を受け易く、所望の抵抗値を
安定して得ることが難しい。この熱処理は非酸化
性雰囲気が望ましく、窒素ガスその他不活性ガ
ス、あるいはこれらに水素ガスを含有させた混合
ガスを用いのことが好ましい。 抵抗体材料の各成分の組成比は、アルカリ土類
金属のモリブデン酸塩30〜96重量%、ガラス粉末
4〜70重量%の組成物100重量部に対して上記Au
等の群の内の金属及び/又はその金属酸化物を
0.05〜3.00重量部添加したものが好ましく、さら
に酸化チタンを併用する場合にはこの酸化チタン
を0.01〜5.00重量部、また上記希土類元素の酸化
物を併用する場合にはこれを0.1〜20.0重量部添
加したものが好ましい。この範囲よりアルカリ土
類金属のモリブデン酸塩が少な過ぎ、ガラスが多
過ぎると、焼成して出来上がつた電気抵抗体の抵
抗値が高くなり過ぎ好ましくない場合があり、ま
た、逆に当該モリブデン酸塩が多過ぎ、ガラスが
少な過ぎると焼成時の焼結性が悪くなり回路基板
に安定に保持できないことがある。しかし、抵抗
体を回路基板を積層して埋め込むような場合には
当該元素のモリブデン酸塩が上記範囲より多い場
合のみならず、100%でも良い。また、上記Au等
の群の内の金属及び/又はその金属酸化物の添加
量が少な過ぎると湿中負荷試験における耐久性が
向上せず、多すぎると湿度係数が絶対値の大きい
マイナスになることがある。また、上記希土類元
素の酸化物の添加量が少な過ぎると電力動作変化
率を小さくできないことがあり、また、酸化チタ
ンの量が少な過ぎると耐電圧性の点で好ましくな
い場合があり、希土類元素の酸化物、酸化チタン
が多すぎると上記Au等の群の内の金属及び/又
はその金属酸化物の場合と同様の問題がある。 このようにして得られた抵抗体材料粉末から固
定チツプ抵抗器あるいは厚膜抵抗体のための抵抗
体を作成するには、例えばセラミツクグリーンシ
ートにこれらの抵抗体材料粉末を塗布し、燃成す
る。この際電気抵抗本体となる例えば上記モリブ
デン酸塩は球状、楕円、多角状体等の塊状粒子に
してから使用することが好ましい。これは針状粒
子が成長する焼成の過程でその根源の母体が残る
ことが好ましいからである。この抵抗体本体材料
を塊状粒子にするには、ガラス等の結合剤を使用
することもできる。 このようなモリブデン酸塩と例えばガラス等か
らなる抵抗体材料の塗布を行うためには例えばシ
ルクスクリーン印刷ができるようにこれら抵抗体
材料粉末にビヒクルが混合され塗液が調整され
る。このビヒクルは、焼成の前段階で焼失できる
ようなものが好ましく、このためには有機物ビヒ
クル、すなわち有機溶剤に樹脂を溶解又は分散さ
せ、必要に応じて可塑剤、分散剤等の各種添加剤
を加えたものが好ましい。この有機溶剤にはブチ
ルカービトールアセテート、ブチルカービトー
ル、テレピン油などが挙げられる、樹脂としては
エチルセルローズ、ニトロセルローズ等のセルロ
ーズ誘導体、その他の樹脂が挙げられる。 この有機物ビヒクルと抵抗体材料粉末との使用
割合は使用する有機溶剤、樹脂等により変わる
が、有機溶剤と樹脂との使用割合は前者が20〜50
重量%、後者が80〜50重量%が適当である。これ
らの成分は例えば三本ロールミル、らいかい器な
どの混合手段を用いてペースト状にされる。 このようにして得られた抵抗体材料ペーストが
基板に塗布され、これがさらに後述の処理を施さ
れて抵抗体が作成されるが、この基板にはセラミ
ツクグリーンシートを導体材料や抵抗体材料とと
もに焼成して作成するもののみならず、予めセラ
ミツクグリーンシートを焼成し、これにさらに抵
抗体材料、導体材料を塗布した後焼成する方法で
も良い。これらは積層体を形成する場合にも適用
できる。 前記セラミツクグリーンシートとしては、例え
ば酸化アルミニウム(A2O3)35〜45重量%、
酸化珪素(SiO2)25〜35重量%、酸化硼素(B2
O3)10〜15重量%、酸化カルシウム(CaO)7
〜13重量%、酸化マグネシウム(MgO)7〜10
重量%等のセラミツク構成成分の酸化物混合物を
有機物ビヒクルとボールミル等で混合したスラリ
ーをドクターブレード等によりシート化したもの
が挙げられる。この際、アルカリ土類金属のモリ
ブデン酸塩にガラスを併用しないときは、前記セ
ラミツクグリーンシートにガラス分を多く含ませ
ガラスを併用したと同様の効果を出すようにして
も良い。前記有機物ビヒクルには、アクリル酸エ
ステル等のアクリル樹脂、ポリビニルブチラール
等の樹脂、グリセリン、フタル酸ジエチル等の可
塑剤、カルボン酸塩等の分散剤、水、有機溶剤等
の溶剤から構成される。 前記抵抗体材料ペーストはセラミツクグリーン
シートに例えばシルクスクリーン印刷等の手段に
より塗布され、乾燥後、400〜500℃で熱処理され
て樹脂成分が分解・燃焼されるのが好ましい。 この際、同時にNiあるいはCu等の卑金属導体
材料あるいはAg又はAg−Pdの貴金属導体材料の
ペーストも抵抗体材料ペースト塗膜と同様にセラ
ミツクグリーンシートに塗布され、抵抗体材料ペ
ーストの塗布物と同様に処理される。 このNiあるいはCu等の卑金属導体材料あるい
はAg又はAg−Pdの貴金属導体材料のペースト組
成物としては、各々の金属粉末98〜85重量%にガ
ラスフリツトを2〜15重量%添加したものが例示
される。 このようにしてセラミツクグリーンシートに抵
抗体材料及び/又は導体材料が組み込まれるが、
固定チツプ抵抗器の場合にはこの未燃成基板の表
面のみ、多層基板の厚膜抵抗体の場合には前記抵
抗体材料、導体材料を未焼成状態で組み込んだも
のをさらに積層して所定の回路を構成するように
してから焼成する。この焼成により導体材料及
び/又は抵抗体材料を基板と同時に焼成体にする
ことができる。 この場合、NiあるいはCu等の卑金属導体材料
が導体材料に用いられるときは、その酸化による
高抵抗値化を防止するために、非酸化性雰囲気中
で焼成することが好ましく、その焼成温度は、例
えば800℃〜1100℃、0.5時間〜2時間が例示され
る。非酸化性雰囲気としては、窒素ガスその他不
活性ガス、これらに水素ガスを含有させた混合ガ
スも用いられる。また、Ag又はAg−Pdの貴金属
導体材料を用いるときは空気等の酸化性雰囲気中
で焼成することもできる。 前記のようにして導体及び/又は抵抗体を組み
込んだ回路配線基板が出来上がるが、焼成基板と
導体の間は勿論のこと、焼成基板と抵抗体との間
にも焼成に伴つてクラツク、歪み、ふくれ等を生
じることがないとともに、40±2℃、相対湿度90
〜95%雰囲気中で定格直流電圧を1.5時間オン、
0.5時間オフするサイクルで500時間加えた湿中負
荷試験においても、その抵抗値変化は3%>にす
ることができる。さらに高温高湿度雰囲気中に
1000時間以上放置されてもその抵抗値が±2%以
内の変化に抑制され、その高い信頼性を確保する
ことができる。また、酸化チタンを併用すると、
高電圧パルスを印加してもその抵抗値が±10%以
内の変化に抑制される。また、上記希土類元素の
酸化物を併用すると、70±5℃にて定格電圧を
1.5時間オン、0.5時間オフするサイクルを240時
間行う電力動作試験に供してもその変化率を±2
%以内に抑えることができる。 これらは、この抵抗体が導体及び焼成基板と良
くマツチングするためと、上記Au等の群の内の
金属及び/又はその金属酸化物、酸化チタン、上
記希土類元素の酸化物の添加による効果とが考え
られるが、その機構の詳細は明らかでない。な
お、X線回折分析により抵抗体中のモリブデン酸
塩を認めることができる。また、塊状粒子と針状
粒子を透過型電子顕微鏡により認めることができ
る。 本発明においては、上記の如くアルカリ土類金
属のモリブデン酸塩を用いても良いが、これらの
モリブデン酸塩の代わりに熱処理によりこれらの
モリブデン酸塩となる前駆体を一部又は全部用い
ることもできる。これらのいずれの場合もガラス
と混合して熱処理したものを粉砕し、抵抗体材料
とすることが好ましいが、この熱処理を行わず上
述の有機物ビヒクル等と混合して作成したペース
トを例えばグリーンセラミツクシートに塗布して
から、有機物除去の加熱処理を経て焼成し、直接
抵抗体を作成することもできる。 また、ガラスはこれを構成する酸化物の混合材
料がアルカリ土類金属のモリブデン酸塩が上記
Au等の群の内の金属及び/又はその金属酸化物、
酸化チタン、さらには上記希土類元素の酸化物と
ともに結果的に焼成される状態におかれれば良
く、これらのガラスの酸化物の前駆体をアルカリ
土類金属のモリブデン酸塩及び/又はその前駆
体、上記Au等の群の内の金属及び/又はその金
属酸化物、酸化チタン、さらには上記希土類元素
の酸化物とともにこの酸化物の一部又は全部を上
述したようにペースト状態にし、これを基板に塗
布して有機物の燃焼、その後の焼成のいずれの過
程で上記のガラス成分からなるガラスになり、こ
れとアルカリ土類金属のモリブデン酸塩及び/又
はその前駆体、上記Au等の群の内の金属及び/
又は金属酸化物、酸化チタン、さらには上記希土
類元素の酸化物と焼成されることにより抵抗体を
作製できるものであれば良い。例えば、ガラスの
材料の成分であるCaO(酸化カルシウム)は
CaCO3(炭酸カルシウム)の加熱、B2O3(酸化硼
素)はホウ酸(H3BO3)の加熱から得られるの
で、CaO、B2O3の一部又は全部の代わりにそれ
ぞれCaCO3、H3BO3を用いることができる。本
発明における抵抗体材料とはその処理の過程で結
果的にアルカリ土類金属のモリブデン酸塩と、上
記Au等の群の内の金属及び/又はその金属酸化
物、ガラスとを主成分にし、さらにはこれらと酸
化チタン、上記希土類元素の酸化物を主成分にす
るものであれば良い。 実施例 次に本発明の実施例を説明する。 酸化物に換算して表1に示される組成になるよ
うに各成分を秤量し、混合した。
基板等に設けられる厚膜タイプの電気抵抗体、特
に非酸化性雰囲気中で焼成して得られることが可
能であり、かつ耐久性を向上させ、さらには電力
動作変化率、耐電圧特性を改善した電気抵抗体及
びその製造方法に関する。 従来の技術 電子機器の電気回路は、抵抗、コンデンサ、ダ
イオード、トランジスタ等の各種電気素子が回路
基板に実装されて構成されることが良く行われて
いるが、電子機器の小型化に伴つてこれらの電気
素子の実装密度をさらに高めることができる回路
基板が多く用いられるようになつてきた。 これらの回路基板に設けられる抵抗体には、抵
抗体材料ペーストを回路上に直接印刷して焼付け
ることにより形成した厚膜抵抗体、あるいは角板
状セラミツクチツプの両端に一対の電極を形成
し、双方の電極に跨がるように前記厚膜抵抗体を
形成した固定チツプ抵抗器等がある。 このような厚膜抵抗体を回路基板に設けるに
は、従来、例えば1500℃前後で焼成して得られた
アルミナ基板の表面にAgあるいはAg−Pd等の導
体材料ペーストを塗布し、焼付けした後、例えば
RuO2を抵抗体材料として含有するペーストをス
クリーン印刷等により塗布し、ついで750〜850℃
で焼付け、さらに必要に応じてトリミング等によ
り抵抗値の調製を行なうやり方が一般的である。 しかしながら近年、電子機器等に対する軽薄・
短小化、低コスト化の要求がさらに強まつてきて
おり、回路基板に対しても一層の小型化、低コス
ト化の検討が行われるようになつてきた。 前者の小型化のための具体的な対応としては、
第1に回路基板の多層化、第2に抵抗体の内装化
が行なわれている。回路基板を多層化した例とし
ては、AgあるいはAg−Pd系等の導体材料ペース
トを印刷したセラミツクグリーンシート(生シー
ト)を積層、圧着した後、大気中800〜1100℃で
同時焼成して得られる多層配線基板が挙げられ、
また、抵抗体を内装化した例としては、前記導体
材料ペーストを印刷したセラミツクグリーンシー
ト上にさらにRuO2系抵抗体材料ペーストを印刷
し、前記と同様に積層、圧着した後、同時焼成し
て得られる抵抗体内装多層配線基板等が知られて
いる。 また、後者の低コスト化のための具体的な対応
としては、AgあるいはAg−Pd系材料のような高
価な貴金属系の導体材料に代わつて、安価なNi
あるいはCu等の卑金属系の導体材料を用い、こ
れらを窒素ガスあるいは水素を含む窒素ガス中
等、その酸化による高抵抗化を避けることができ
るような中性あるいは還元性の非酸化性雰囲気
中、800〜1100℃でグリーンセラミツクと同時焼
成して得られる多層配線基板が実用化されてい
る。また、特開昭56−153702号公報に記載されて
いるように、MoSi2−TaSi2及びガラスからなる
抵抗体材料を、銅(Cu)導体を有するアルミナ
基板上に塗布し、熱処理して得られる厚膜抵抗体
等も知られている。 発明が解決しようとする問題点 しかしながら、回路基板の小型化と低コスト化
を同時に行なうようにすると、RuO2系抵抗体材
料は窒素ガスあるいは水素を含む窒素ガス雰囲気
中でグリーンセラミツクと同時焼成したときに還
元反応が起こり、抵抗値が低くなつて抵抗体とし
ての特性を示さなくなる。 また、MoSi2−TaSi2及びガラスからなる抵抗
体材料を非酸化性雰囲気中でグリーンセラミツク
シートと同時焼成すると、両者の膨張率、収縮率
の相違によるずれによる焼成体に反りが生じた
り、MoSi2−TaSi2の分解反応によりガスが発生
して焼成体にふくれが生じ易いと云う問題点があ
る。これを改善するために、特開昭60−198703号
公報に記載されているように、MoSi2−弗化金属
塩(例えば弗化カリシウム)及びガラスよりなる
抵抗体材料を用いる例が知られており、これにつ
いては上記のような焼成時の反りやふくれは見ら
れない。 しかし、このMoSi2−弗化金属及びガラスより
なる抵抗体材料をグリーンセラミツクシートに塗
布し、同時焼成して得られた厚膜抵抗体は、95%
相対湿度中に1000時間放置すると、5〜10%の抵
抗値の増加が見られ、抵抗体としての所定の機能
を果たすことができない。 そこで、本発明者等はCu、Ni等の卑金属導体
ペーストを印刷したセラミツクグリーンシートと
ともに、非酸化性雰囲気中で800〜1100℃で焼成
して得られることが可能なアルカリ土類金属のモ
リブデン酸塩を含有する厚膜抵抗体を提案した。
これは上記のような高湿度下に長時間放置しても
抵抗値の増加はほとんど見られず、好ましい。 しかしながら、このアルカリ土類金属のモリブ
デン酸塩を含有する厚膜抵抗体を40±2℃、相対
湿度90〜95%の雰囲気中にて定格電圧を1.5時間
オンし、0.5時間オフするサイクルで50時間加え
ると、±3%≦(絶対値が3より大きい)の抵抗値
の変化があり、湿中負荷試験における耐電圧性、
すなわち耐久性に問題点があつた。 また、このような高湿度中でなくとも、この厚
膜抵抗体を70±5℃にて定格電圧を1.5時間オン
し、0.5時間オフするサイクルで240+8/-0時間の電
圧動作テストを行うと、±2%<の抵抗値の変化
があり、電力動作変化が大きいという問題点があ
つた。 また、このアルカリ土類金属のモリブデン酸塩
を含有する厚膜抵抗体を形成した素子や回路基
板、あるいはこれらの素子や回路基板を実装した
電子機器等を低温度、低湿度の条件下で取り扱う
と、これらの素子同士の摩擦あるいはこれら素子
や機器等を扱う作業者の衣服の摩擦等により発生
する高電圧の静電気等が厚膜抵抗体に印加される
ことになり、この抵抗体の抵抗値を大きく低下さ
せるという問題がある。この抵抗値の減少は20〜
50%にもなり、一旦減少すると元の抵抗値には戻
らず、その耐圧性の改善が望まれていた。 したがつて、本発明の第1の目的は、固定チツ
プ抵抗器あるいは一般の回路基板等に使用できる
のみならず、卑金属導体材料とともに積層して多
層基板に内装化することのできる電気抵抗体であ
つて、高湿度下長時間放置されても抵抗値の安定
な電気抵抗体を提供することにある。 本発明の第2の目的は、抵抗体材料を還元性雰
囲気中で焼成することによつても得られる優れた
特性を有する電気抵抗体を提供することにある。 本発明の第3の目的は、耐久性を改善した電気
抵抗体を提供することにある。 本発明の第4の目的は、回路基板の小型化、コ
ストの低減の両方を満足できる電気抵抗体を提供
することにある。 本発明の第5の目的は、前記電気抵抗体の特性
をより一層向上させることのできる製造法を提供
することにある。 本発明の第6の目的は、上記目的を達成すると
ともに、高電圧が印加されても抵抗体としての機
能を損なわない耐圧性の電気抵抗体を提供するこ
とにある。 本発明の第7の目的は、上記目的を達成すると
ともに電力動作変化率の少ない電気抵抗体を提供
することにある。 問題点を解決するための手段 本発明は、上記目的を達成するために、アルカ
リ土類金属のモリブデン酸塩と、Au、Ag、Pt、
Ru、Ni、Cu、Co、Pdの群から選択された少な
くとも1種の金属及び/又はその金属酸化物を含
有する焼成体を有することを特徴とする電気抵抗
体を提供するものであり、この電気抵抗体はアル
カリ土類金属のモリブデン酸塩及びその前駆体の
少なくとも1種と、上記Au等の群の内の金属及
び/又はその金属酸化物を主成分として含有する
抵抗体材料から焼成されることが好ましく、特に
この抵抗体材料の主成分がアルカリ土類金属のモ
リブデン酸塩及びその前駆体の内の少なくとも1
種を当該アルカリ土類金属のモリブデン酸塩に換
算して30〜96重量%と、ガラス4〜70重量%とか
らなる組成物と、該組成物100重量部に対して
0.05〜3.00重量部の上記Au等の群の内の金属及
び/又はその金属酸化物を含有することが好まし
い。 また、塊状粒子と、この塊状粒子に付着又はこ
の塊状粒子の近傍に存在する針状粒子と、ガラス
層を有し、上記Au等の群の内の金属及び/又は
その金属酸化物を含有する焼成体であつて、上記
塊状粒子がアルカリ土類金属のモリブデン酸塩を
含有し、針状粒子が当該モリブデン酸塩の還元生
成物を含有することを特徴とする電気抵抗体を提
供するものであり、この針状粒子は塊状粒子表面
を還元して生成した還元生成物であることが好ま
しい。 また、アルカリ土類金属のモリブデン酸塩と、
上記Au等の群の内の金属及び/又はその金属酸
化物と、酸化チタンを含有する焼成体を有するこ
とを特徴とする電気抵抗体を提供するものであ
り、この電気抵抗体の焼成体はアルカリ土類金属
のモリブデン酸塩及びその前駆体の少なくとも1
種と、上記Au等の群の内の金属及び/又はその
金属酸化物と、酸化チタンとを主成分に含有する
抵抗体材料から焼成されることが好ましい。 また、アルカリ土類金属のモリブデン酸塩と、
上記Au等の群の内の金属及び/又はその金属酸
化物と、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、
Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Sc、Pmの
群から選ばれた少なくとも1つの元素の酸化物を
含有する焼成体を有することを特徴とする電気抵
抗体を提供するものであり、この電気抵抗体の焼
成体はアルカリ土類金属のモリブデン酸塩及びそ
の前駆体の少なくとも1種と、上記Au等の群の
内の金属及び/又はその金属酸化物と、Y、La、
Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、
Er、Tm、Yb、Lu、Sc、Pmの群から選ばれた
少なくとも1つの元素の酸化物とを主成分に含有
する抵抗体材料から焼成されることが好ましい。 また、アルカリ土類金属のモリブデン酸塩と、
上記Au等の群の内の金属及び/又はその金属酸
化物と、酸化チタンと、Y、La、Ce、Pr、Nd、
Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、
Lu、Sc、Pmの群から選ばれた少なくとも1つの
元素の酸化物を含有する焼成体を有することを特
徴とする電気抵抗体を提供するものであり、焼成
体はアルカリ土類金属のモリブデン酸塩及びその
前駆体の少なくとも1種と、上記Au等の群の内
の金属及び/又はその金属酸化物と、酸化チタン
と、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、
Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Sc、Pmの群から
選ばれた少なくとも1つの元素の酸化物とを主成
分に含有する抵抗体材料から焼成されることが好
ましい。 また、主成分にアルカリ土類金属のモリブデン
酸塩及びその前駆体の内の少なくとも一種と、上
記Au等の群の内の金属及び/又はその金属酸化
物を含有する抵抗体材料を熱処理し、この熱処理
して得られた抵抗体材料を用いて焼成し、アルカ
リ土類金属のモリブデン酸塩と上記Au等の群の
内の金属及び/又はその金属酸化物を含有する焼
成体からなる電気抵抗体を得ることを特徴とする
電気抵抗体の製造方法を提供するものであり、こ
の際熱処理前の抵抗体材料の主成分はアルカリ土
類金属のモリブデン酸塩及びその前駆体の内の少
なくとも一種を当該アルカリ土類金属のモリブデ
ン酸塩に換算して30〜96重量%と、ガラス4〜70
重量%とからなる組成物と、該組成物100重量部
に対して0.05〜3.00重量部の上記Au等の群の内の
金属及び/又はその金属酸化物とからなることが
好ましい。 次に本発明を詳細に説明する。 本発明における電気抵抗体は、例えば第1図に
示すように、ガラスaに球状粒子bと針状粒子c
を分散させた構造が例示され、この例では針状粒
子は球状粒子に付着しているか、その近傍に存在
している。このような構造は、接触又は近傍に存
在する球状粒子と針状粒子を通して電流を流すこ
とができる。このような構造は、例えば抵抗体材
料の塊状粒子を焼成処理してその表面の生成物を
針状に成長させることによつて形成させることが
できるが、これについては後に詳述する。 このような抵抗体材料としては、アルカリ土類
金属のモリブデン酸塩を使用できるが、Meをア
ルカリ土類金属とすると、一般式MeMoO4、
Me3MoO6、Me2MoO5、Me2Mo7、MeMo4O13、
MeMo7O24、MeMo3O10、Me2MoO5、Me2Mo3
O11等で表されるものが好ましい。具体的には、
例えばMgMoO4、CaMoO4、SrMoO4、
BaMoO4、BaMo2O7、BaMo4O13、BaMo7O24、
BaMo3O10、Ca3MoO6、Sr3MoO6、Ba3MoO6、
Ba2MoO5、Mg2Mo3O11等が挙げられる。 また、次の複合モリブデン酸塩も例示される。 (Mgx Cay)MoO4、但し、x+y=1、 (Cax Sry)MoO4、但し、x+y=1、 (Mgx Bay)MoO4、但し、x+y=1、 (Max Cay Baz)MoO4、但し、x+y+z=
1、 (Cax Sry Baz)MoO4、但し、x+y+z=
1、 (Mgx Cay Srz Baw)MoO4、但しx+Y+z
+z=1、 (Cax Sry)MoO6、但し、x+y=3、 (Srx Bay)MoO6、但し、x+y=3、 このようなアルカリ土類金属のモリブデン酸塩
は、アルカリ土類金属の各々の金属酸化物の前駆
体となる物質と酸化モリブデン(MoO3)又はそ
の前駆体とを所定のモル比で混合し、熱処理する
ことにより合成することができる。例えはCaOの
前駆体となる、例えば炭酸カルシウム(CaCO3)
又は水酸化カルシウム(Ca(OH)2)と酸化モリ
ブデン(MoO3)又はその前駆体となる、例えば
モリブデン酸(H2MoO4)とを所定モル比混合
し、熱処理する。このときの熱処理条件として
は、600〜1000℃、1〜3時間が挙げられる。 また、アルカリ土類金属のモリブデン酸塩は、
アルカリ土類金属酸化物と酸化モリブデン
(MoO3)の熱処理によつても合成することがで
きる。例えばCaOとMoO3を熱処理することによ
つてカルシウムのモリブデン酸塩が合成される
が、この場合MoO3が昇華し易いため、加圧しな
がら熱処理することが好ましい。他のアルカリ金
属についても同様である。 また、本発明では、例えばAu、Ag、Pt、Ru、
Ni、Cu、Co、Pdの群から選択された少なくとも
1種の金属及び/又はその金属酸化物が使用され
る。この金属酸化物としては、例えばPdo、
NiO、CoO、RuO2、CuO等が挙げられる。これ
らの金属、金属酸化物はそれぞれ単独又は組み合
わせて用いられる。金属酸化物は還元性雰囲気中
で焼成処理されることにより還元処理される。 また、本発明で使用されるY、La、Ce、Pr、
Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、
Yb、Lu、Sc、Pmの元素の酸素物は、周期律表
属a亜族に属するSc、Y及びランタノイド
(元素番号57〜71)の酸化物で、これらの希土類
元素は2価、4価などの酸化数を持つ化合物も生
成するが、3価の酸化数を持つ酸化物が一般に安
定であり、好ましく用いられる。 また、本発明で使用される酸化チタンは、一般
式TixOyで表され、具体的にはTiO、Ti2O3、
TiO2等が好ましい。 本発明においてはガラスを用いることが好まし
く、このガラスとしては一般に知られているガラ
スが用いられ、特定の組成のガラスに限定される
ものではないが、Pb3O4、Bi2O3、SnO2、CdOの
ような酸化物は、これらを含む抵抗体材料を非酸
化性雰囲気中で焼成するときに還元されて金属化
することがあり、この金属は抵抗値を変化させる
ので、このようなことが起こることが好ましくな
い場合にはこれらの酸化物を含有しないことが好
ましい。 ガラス成分としては、SiO2、B2O3、ZnO、
CaO、SrO、ZrO2などが好ましく、これらの酸
化物の組成比は、 SiO212〜33 重量% B2O320〜35重量% ZnO又はSrO13〜33重量% CaO10〜25 重量% ZRO215〜45重量% が好ましい。 これら酸化物の組成物からガラスを製造するに
は、前記組成比になるようにそれぞれの酸化物を
秤量し、混合する。この混合物を坩堝に入れ、
1200〜1500℃に温度にて溶融した後、溶融液を例
えば水中に投入し、急冷させ、ガラス粗粉を得
る。この粗粉を例えばボールミル、振動ミルなど
の粉砕手段を用いて所望の粒度(例えば10μm以
下)になるまで粉砕すると、ガラス粉末が得られ
る。 前記は純粋の酸化物を混合して用いたが、これ
に限らず結果的に各酸化物の混合物からなるガラ
スになれば良く、各酸化物の前駆体をその一部又
は全部に用い、これを溶融してガラスにしても良
い。例えばCaO(酸化カルシウム)はCaCO3(炭
酸カルシウム)、B2O3(酸化硼素)はホウ酸(H3
BO3)の熱処理により得られるので、CaO、B2
O3の一部又はその全部の代わりにそれぞれ
CaCO3、H3BO3を用いることができる。その他
の成分の酸化物についても同様である。 前記のようにして得られるアルカリ土類金属の
モリブデン酸塩、ガラス粉末は混合され、この混
合組成物に対して上記Au等の群の内の金属及
び/又はその金属酸化物、さらには上記希土類元
素の酸化物及び/又は酸化チタンを添加してさら
に混合し抵抗体材料として用いても良いが、これ
を熱処理して粉砕したものを抵抗体材料とするこ
とがこれを焼成して得た抵抗体の抵抗温度特性の
上で好ましい。この熱処理温度としては、800℃
〜1200℃が好ましく、これより外れると抵抗体材
料を電気抵抗体に加工する各工程の作業条件等に
よる組成比の微妙な変動に対し、出来上がつた抵
抗体の抵抗値が影響を受け易く、所望の抵抗値を
安定して得ることが難しい。この熱処理は非酸化
性雰囲気が望ましく、窒素ガスその他不活性ガ
ス、あるいはこれらに水素ガスを含有させた混合
ガスを用いのことが好ましい。 抵抗体材料の各成分の組成比は、アルカリ土類
金属のモリブデン酸塩30〜96重量%、ガラス粉末
4〜70重量%の組成物100重量部に対して上記Au
等の群の内の金属及び/又はその金属酸化物を
0.05〜3.00重量部添加したものが好ましく、さら
に酸化チタンを併用する場合にはこの酸化チタン
を0.01〜5.00重量部、また上記希土類元素の酸化
物を併用する場合にはこれを0.1〜20.0重量部添
加したものが好ましい。この範囲よりアルカリ土
類金属のモリブデン酸塩が少な過ぎ、ガラスが多
過ぎると、焼成して出来上がつた電気抵抗体の抵
抗値が高くなり過ぎ好ましくない場合があり、ま
た、逆に当該モリブデン酸塩が多過ぎ、ガラスが
少な過ぎると焼成時の焼結性が悪くなり回路基板
に安定に保持できないことがある。しかし、抵抗
体を回路基板を積層して埋め込むような場合には
当該元素のモリブデン酸塩が上記範囲より多い場
合のみならず、100%でも良い。また、上記Au等
の群の内の金属及び/又はその金属酸化物の添加
量が少な過ぎると湿中負荷試験における耐久性が
向上せず、多すぎると湿度係数が絶対値の大きい
マイナスになることがある。また、上記希土類元
素の酸化物の添加量が少な過ぎると電力動作変化
率を小さくできないことがあり、また、酸化チタ
ンの量が少な過ぎると耐電圧性の点で好ましくな
い場合があり、希土類元素の酸化物、酸化チタン
が多すぎると上記Au等の群の内の金属及び/又
はその金属酸化物の場合と同様の問題がある。 このようにして得られた抵抗体材料粉末から固
定チツプ抵抗器あるいは厚膜抵抗体のための抵抗
体を作成するには、例えばセラミツクグリーンシ
ートにこれらの抵抗体材料粉末を塗布し、燃成す
る。この際電気抵抗本体となる例えば上記モリブ
デン酸塩は球状、楕円、多角状体等の塊状粒子に
してから使用することが好ましい。これは針状粒
子が成長する焼成の過程でその根源の母体が残る
ことが好ましいからである。この抵抗体本体材料
を塊状粒子にするには、ガラス等の結合剤を使用
することもできる。 このようなモリブデン酸塩と例えばガラス等か
らなる抵抗体材料の塗布を行うためには例えばシ
ルクスクリーン印刷ができるようにこれら抵抗体
材料粉末にビヒクルが混合され塗液が調整され
る。このビヒクルは、焼成の前段階で焼失できる
ようなものが好ましく、このためには有機物ビヒ
クル、すなわち有機溶剤に樹脂を溶解又は分散さ
せ、必要に応じて可塑剤、分散剤等の各種添加剤
を加えたものが好ましい。この有機溶剤にはブチ
ルカービトールアセテート、ブチルカービトー
ル、テレピン油などが挙げられる、樹脂としては
エチルセルローズ、ニトロセルローズ等のセルロ
ーズ誘導体、その他の樹脂が挙げられる。 この有機物ビヒクルと抵抗体材料粉末との使用
割合は使用する有機溶剤、樹脂等により変わる
が、有機溶剤と樹脂との使用割合は前者が20〜50
重量%、後者が80〜50重量%が適当である。これ
らの成分は例えば三本ロールミル、らいかい器な
どの混合手段を用いてペースト状にされる。 このようにして得られた抵抗体材料ペーストが
基板に塗布され、これがさらに後述の処理を施さ
れて抵抗体が作成されるが、この基板にはセラミ
ツクグリーンシートを導体材料や抵抗体材料とと
もに焼成して作成するもののみならず、予めセラ
ミツクグリーンシートを焼成し、これにさらに抵
抗体材料、導体材料を塗布した後焼成する方法で
も良い。これらは積層体を形成する場合にも適用
できる。 前記セラミツクグリーンシートとしては、例え
ば酸化アルミニウム(A2O3)35〜45重量%、
酸化珪素(SiO2)25〜35重量%、酸化硼素(B2
O3)10〜15重量%、酸化カルシウム(CaO)7
〜13重量%、酸化マグネシウム(MgO)7〜10
重量%等のセラミツク構成成分の酸化物混合物を
有機物ビヒクルとボールミル等で混合したスラリ
ーをドクターブレード等によりシート化したもの
が挙げられる。この際、アルカリ土類金属のモリ
ブデン酸塩にガラスを併用しないときは、前記セ
ラミツクグリーンシートにガラス分を多く含ませ
ガラスを併用したと同様の効果を出すようにして
も良い。前記有機物ビヒクルには、アクリル酸エ
ステル等のアクリル樹脂、ポリビニルブチラール
等の樹脂、グリセリン、フタル酸ジエチル等の可
塑剤、カルボン酸塩等の分散剤、水、有機溶剤等
の溶剤から構成される。 前記抵抗体材料ペーストはセラミツクグリーン
シートに例えばシルクスクリーン印刷等の手段に
より塗布され、乾燥後、400〜500℃で熱処理され
て樹脂成分が分解・燃焼されるのが好ましい。 この際、同時にNiあるいはCu等の卑金属導体
材料あるいはAg又はAg−Pdの貴金属導体材料の
ペーストも抵抗体材料ペースト塗膜と同様にセラ
ミツクグリーンシートに塗布され、抵抗体材料ペ
ーストの塗布物と同様に処理される。 このNiあるいはCu等の卑金属導体材料あるい
はAg又はAg−Pdの貴金属導体材料のペースト組
成物としては、各々の金属粉末98〜85重量%にガ
ラスフリツトを2〜15重量%添加したものが例示
される。 このようにしてセラミツクグリーンシートに抵
抗体材料及び/又は導体材料が組み込まれるが、
固定チツプ抵抗器の場合にはこの未燃成基板の表
面のみ、多層基板の厚膜抵抗体の場合には前記抵
抗体材料、導体材料を未焼成状態で組み込んだも
のをさらに積層して所定の回路を構成するように
してから焼成する。この焼成により導体材料及
び/又は抵抗体材料を基板と同時に焼成体にする
ことができる。 この場合、NiあるいはCu等の卑金属導体材料
が導体材料に用いられるときは、その酸化による
高抵抗値化を防止するために、非酸化性雰囲気中
で焼成することが好ましく、その焼成温度は、例
えば800℃〜1100℃、0.5時間〜2時間が例示され
る。非酸化性雰囲気としては、窒素ガスその他不
活性ガス、これらに水素ガスを含有させた混合ガ
スも用いられる。また、Ag又はAg−Pdの貴金属
導体材料を用いるときは空気等の酸化性雰囲気中
で焼成することもできる。 前記のようにして導体及び/又は抵抗体を組み
込んだ回路配線基板が出来上がるが、焼成基板と
導体の間は勿論のこと、焼成基板と抵抗体との間
にも焼成に伴つてクラツク、歪み、ふくれ等を生
じることがないとともに、40±2℃、相対湿度90
〜95%雰囲気中で定格直流電圧を1.5時間オン、
0.5時間オフするサイクルで500時間加えた湿中負
荷試験においても、その抵抗値変化は3%>にす
ることができる。さらに高温高湿度雰囲気中に
1000時間以上放置されてもその抵抗値が±2%以
内の変化に抑制され、その高い信頼性を確保する
ことができる。また、酸化チタンを併用すると、
高電圧パルスを印加してもその抵抗値が±10%以
内の変化に抑制される。また、上記希土類元素の
酸化物を併用すると、70±5℃にて定格電圧を
1.5時間オン、0.5時間オフするサイクルを240時
間行う電力動作試験に供してもその変化率を±2
%以内に抑えることができる。 これらは、この抵抗体が導体及び焼成基板と良
くマツチングするためと、上記Au等の群の内の
金属及び/又はその金属酸化物、酸化チタン、上
記希土類元素の酸化物の添加による効果とが考え
られるが、その機構の詳細は明らかでない。な
お、X線回折分析により抵抗体中のモリブデン酸
塩を認めることができる。また、塊状粒子と針状
粒子を透過型電子顕微鏡により認めることができ
る。 本発明においては、上記の如くアルカリ土類金
属のモリブデン酸塩を用いても良いが、これらの
モリブデン酸塩の代わりに熱処理によりこれらの
モリブデン酸塩となる前駆体を一部又は全部用い
ることもできる。これらのいずれの場合もガラス
と混合して熱処理したものを粉砕し、抵抗体材料
とすることが好ましいが、この熱処理を行わず上
述の有機物ビヒクル等と混合して作成したペース
トを例えばグリーンセラミツクシートに塗布して
から、有機物除去の加熱処理を経て焼成し、直接
抵抗体を作成することもできる。 また、ガラスはこれを構成する酸化物の混合材
料がアルカリ土類金属のモリブデン酸塩が上記
Au等の群の内の金属及び/又はその金属酸化物、
酸化チタン、さらには上記希土類元素の酸化物と
ともに結果的に焼成される状態におかれれば良
く、これらのガラスの酸化物の前駆体をアルカリ
土類金属のモリブデン酸塩及び/又はその前駆
体、上記Au等の群の内の金属及び/又はその金
属酸化物、酸化チタン、さらには上記希土類元素
の酸化物とともにこの酸化物の一部又は全部を上
述したようにペースト状態にし、これを基板に塗
布して有機物の燃焼、その後の焼成のいずれの過
程で上記のガラス成分からなるガラスになり、こ
れとアルカリ土類金属のモリブデン酸塩及び/又
はその前駆体、上記Au等の群の内の金属及び/
又は金属酸化物、酸化チタン、さらには上記希土
類元素の酸化物と焼成されることにより抵抗体を
作製できるものであれば良い。例えば、ガラスの
材料の成分であるCaO(酸化カルシウム)は
CaCO3(炭酸カルシウム)の加熱、B2O3(酸化硼
素)はホウ酸(H3BO3)の加熱から得られるの
で、CaO、B2O3の一部又は全部の代わりにそれ
ぞれCaCO3、H3BO3を用いることができる。本
発明における抵抗体材料とはその処理の過程で結
果的にアルカリ土類金属のモリブデン酸塩と、上
記Au等の群の内の金属及び/又はその金属酸化
物、ガラスとを主成分にし、さらにはこれらと酸
化チタン、上記希土類元素の酸化物を主成分にす
るものであれば良い。 実施例 次に本発明の実施例を説明する。 酸化物に換算して表1に示される組成になるよ
うに各成分を秤量し、混合した。
【表】
表中、単位は重量%。
ガラスAの混合物をアルミナ坩堝中で1400℃で
溶融し、その溶融液を水中に投入し、急冷させ
た。この急冷物を取り出してエタノールとともに
ポツトミルの中に入れ、アルミナボールで24時間
粉砕し、粒径10μm以下のガラス粉末を得た。 また、酸化モリブデンと炭酸マグネシウムをモ
ル比が1:1になるように混合し、700℃で1時
間熱処理してマグネシウムのモリブデン酸塩を得
た。 次に、前記で得たガラスAの粉末とマグネシウ
ムのモリブデン酸塩、上記Au等の群の内の金属
又はその金属酸化物、酸化チタン、さらには上記
希土類の元素の酸化物とを表2の各欄に示す重量
部になるように秤量し、混合した。 表2の各試料を窒素(N2)98.5vol%、水素
(H2)1.5vol%のガス雰囲気中、1000℃、1時間
熱処理し、しかる後にエタノールとともにポツト
ミルにて粉砕し、乾燥して10μm以下のガラスと
マグネシウムのモリブデン酸塩、上記Au等の群
の内の金属又はその金属酸化物、酸化チタン、さ
らには上記希土類の元素の酸化物の熱処理粉末の
抵抗体材料粉末を得た。 次に各試料の抵抗体材料粉末100重量部に有機
物ビヒクル(ブチルカービトール90重量部、エチ
ルセルローズ10重量部)25重量部を加え、ロール
ミルで混合し、抵抗体材料ペーストを得た。 一方、A2O3 40.0重量%、SiO2 35.0重量
%、B2O3 13.0重量%、CaO 7.0重量%、MgO
5.0重量%からなるセラミツク原料粉末100重量部
にポリビニルブチラール8重量部、フタル酸ジエ
チル8重量部、オレイン酸0.5重量部、アセトン
10重量部、イソプルピルアルコール20重量部及び
メチルエチルケトン20重量部を加えてボールミル
により混合してスラリーを作製し、脱泡処理した
後にドクターブレード法により厚さ200μmの長
尺のセラミツクグリーンシートを作製した。この
セラミツクグリーンシートから縦9mm横9mmのグ
リーンシート片と、縦6mm横9mmのグリーンシー
ト片とを切り抜いた。 次に第2図に示す如く、上記の縦9mm横9mmの
グリーンシート片1上に、銅粉末95重量部、ガラ
スフリツト5重量部に有機物ビヒクルとしてブチ
ルカルビトール20重量部、エチルセルロース5重
量部を加え、これらを三本ロールミルにより混合
した導体材料ペーストをスクリーン印刷し、125
℃、10分間乾燥させて導体材料塗膜2を形成し
た。次いで、上記で得た抵抗体材料ペーストを上
記グリーンシート片1に上記と同様にスクリーン
印刷し、125℃、10分間乾燥させて厚膜抵抗体用
塗膜3を形成した。 次にグリーンシート片1上に前記で得た縦6mm
横9mmのグリーンシート片4を図示鎖線で示すよ
うに重ね、100℃、150Kg/cm2で熱圧着する。次い
で、これを大気等の酸化性雰囲気中、400〜500℃
で加熱してグリーンシート片1,4導体材料塗膜
2、抵抗体材料塗膜3のそれぞれの残留有機物を
分解・燃焼させる。 このようにして有機物を除去した後、N2
98.5vol%、H21.5vol%の混合ガス中で、950℃、
1時間焼成し、第3図に示すようにグリーンシー
ト片1の焼成体の磁器層1a、グリーンシート片
4の焼成体の磁器層4aの間に導体材料塗膜2の
焼成体の厚膜導体2a、抵抗体材料塗膜3の焼成
体の厚膜抵抗体3aを有する多層セラミツク基板
を完成させた。この多層セラミツク基板には、後
述する第4図、第5図に示されるような反り、ふ
くれは見られなかつた。 このようにして得られた焼成体の多層セラミツク
基板を層方向に研磨して抵抗体層を露出させ、こ
の露出した抵抗体層をX線回折(Cu K α線)
により分析したところ、マクネシウムのモリブデ
ン酸塩を確認することができた。 次にこの厚膜抵抗体3aの25℃における抵抗値
(R25)と、125℃に加熱したときの抵抗値(R125)
をデジタルマルチメータで測定し、抵抗の温度係
数(TCR)を次式により求めた。 TCR=R125−R25/R25×10000(ppm/℃) 上記のR25の測定抵抗値及びTCRの計算値を表
3に示した。 また、上記で得られた多層セラミツク基板を60
℃、95%相対湿度のものとに1000時間放置した後
の25℃の抵抗値を測定し、その変化率を求めた結
果を表3に示す。 また、定格電力Pを1/4ワツト(W)としたと
きの電力動作変化率を測定した結果を表3に示
す。この電力動作変化率は、定格電圧Eを次の式
から求め、 E=√×25 (但し、定格電力:P=1/4ワツト(W)) この定格電圧Eを上記厚膜抵抗体3aに70±5℃
にて1.5時間オン、0.5時間オフするサイクルで、
245時間印加した後、25℃において再び抵抗値
R′25を測定し、変化率△R25〔%〕を次式より求め
た。 △R25〔%〕=R′25−R25/R25×100 また、40±2℃、相対湿度90〜95%の試験槽中
で上記厚膜抵抗体3aに上記の定格直流電圧を
1.5時間オン、0.5時間オフするサイクルで500時
間加えた抵抗値の変化率を表3に耐久性として示
す。 また、200pFのコンデンサーに1KVの電圧で
0.8秒充電した後に、厚膜抵抗体に0.8秒間放電
し、これを3回繰り返し行ない、電圧印加後の抵
抗値の変化率を計算する方法でこの耐電圧性を求
め表3に示す。 実施例 2〜4 実施例1において、マグネシウムのモリブデン
酸塩の代わりにそれぞれカルシウムのモリブデン
酸塩、ストロンチウムのモリブデン酸塩、バリウ
ムのモリブデン酸塩を用いた以外は同様にして表
2に示す抵抗体材料を用いた多層セラミツク基板
を作成し、それぞれの抵抗体材料から形成した厚
膜抵抗体について実施例1と同様に測定した結果
をそれぞれ表4、5、6に示す。 なお、上記各実施例においてモリブデン酸塩と
ガラス、これらに酸化チタン又は上記希土類元素
の酸化物を加えたもの、さらにこれら酸化チタン
と上記希土類元素の酸化物をモリブデン酸塩とガ
ラスに加えたものそれぞれを使用した以外は同様
にして作成した試料について同様に測定した結果
を、それぞれの表のNo.1〜No.4、No.5、6、No.
7、8及びNo.9、10に示した。 なお、上記Au等の群の内の金属及び/又はそ
の金属酸化物は他の金属のモリブデン酸塩と併用
しても同様の効果を得る。また酸化チタンの代わ
りにTiB2、TiC、TiN、TiSi2等、アルカリ土類
金属等のチタン酸塩又はこれらと酸化チタンを含
めた任意の混合物を上記の配合の酸化チタンの代
わりに用いても耐圧性が得られ、この場合さらに
上記希土類の酸化物を併用すると、電力動作安定
性も得られ、これらの場合も他の金属のモリブデ
ン酸塩を単独又は併用しても同様の効果が得られ
る。
溶融し、その溶融液を水中に投入し、急冷させ
た。この急冷物を取り出してエタノールとともに
ポツトミルの中に入れ、アルミナボールで24時間
粉砕し、粒径10μm以下のガラス粉末を得た。 また、酸化モリブデンと炭酸マグネシウムをモ
ル比が1:1になるように混合し、700℃で1時
間熱処理してマグネシウムのモリブデン酸塩を得
た。 次に、前記で得たガラスAの粉末とマグネシウ
ムのモリブデン酸塩、上記Au等の群の内の金属
又はその金属酸化物、酸化チタン、さらには上記
希土類の元素の酸化物とを表2の各欄に示す重量
部になるように秤量し、混合した。 表2の各試料を窒素(N2)98.5vol%、水素
(H2)1.5vol%のガス雰囲気中、1000℃、1時間
熱処理し、しかる後にエタノールとともにポツト
ミルにて粉砕し、乾燥して10μm以下のガラスと
マグネシウムのモリブデン酸塩、上記Au等の群
の内の金属又はその金属酸化物、酸化チタン、さ
らには上記希土類の元素の酸化物の熱処理粉末の
抵抗体材料粉末を得た。 次に各試料の抵抗体材料粉末100重量部に有機
物ビヒクル(ブチルカービトール90重量部、エチ
ルセルローズ10重量部)25重量部を加え、ロール
ミルで混合し、抵抗体材料ペーストを得た。 一方、A2O3 40.0重量%、SiO2 35.0重量
%、B2O3 13.0重量%、CaO 7.0重量%、MgO
5.0重量%からなるセラミツク原料粉末100重量部
にポリビニルブチラール8重量部、フタル酸ジエ
チル8重量部、オレイン酸0.5重量部、アセトン
10重量部、イソプルピルアルコール20重量部及び
メチルエチルケトン20重量部を加えてボールミル
により混合してスラリーを作製し、脱泡処理した
後にドクターブレード法により厚さ200μmの長
尺のセラミツクグリーンシートを作製した。この
セラミツクグリーンシートから縦9mm横9mmのグ
リーンシート片と、縦6mm横9mmのグリーンシー
ト片とを切り抜いた。 次に第2図に示す如く、上記の縦9mm横9mmの
グリーンシート片1上に、銅粉末95重量部、ガラ
スフリツト5重量部に有機物ビヒクルとしてブチ
ルカルビトール20重量部、エチルセルロース5重
量部を加え、これらを三本ロールミルにより混合
した導体材料ペーストをスクリーン印刷し、125
℃、10分間乾燥させて導体材料塗膜2を形成し
た。次いで、上記で得た抵抗体材料ペーストを上
記グリーンシート片1に上記と同様にスクリーン
印刷し、125℃、10分間乾燥させて厚膜抵抗体用
塗膜3を形成した。 次にグリーンシート片1上に前記で得た縦6mm
横9mmのグリーンシート片4を図示鎖線で示すよ
うに重ね、100℃、150Kg/cm2で熱圧着する。次い
で、これを大気等の酸化性雰囲気中、400〜500℃
で加熱してグリーンシート片1,4導体材料塗膜
2、抵抗体材料塗膜3のそれぞれの残留有機物を
分解・燃焼させる。 このようにして有機物を除去した後、N2
98.5vol%、H21.5vol%の混合ガス中で、950℃、
1時間焼成し、第3図に示すようにグリーンシー
ト片1の焼成体の磁器層1a、グリーンシート片
4の焼成体の磁器層4aの間に導体材料塗膜2の
焼成体の厚膜導体2a、抵抗体材料塗膜3の焼成
体の厚膜抵抗体3aを有する多層セラミツク基板
を完成させた。この多層セラミツク基板には、後
述する第4図、第5図に示されるような反り、ふ
くれは見られなかつた。 このようにして得られた焼成体の多層セラミツク
基板を層方向に研磨して抵抗体層を露出させ、こ
の露出した抵抗体層をX線回折(Cu K α線)
により分析したところ、マクネシウムのモリブデ
ン酸塩を確認することができた。 次にこの厚膜抵抗体3aの25℃における抵抗値
(R25)と、125℃に加熱したときの抵抗値(R125)
をデジタルマルチメータで測定し、抵抗の温度係
数(TCR)を次式により求めた。 TCR=R125−R25/R25×10000(ppm/℃) 上記のR25の測定抵抗値及びTCRの計算値を表
3に示した。 また、上記で得られた多層セラミツク基板を60
℃、95%相対湿度のものとに1000時間放置した後
の25℃の抵抗値を測定し、その変化率を求めた結
果を表3に示す。 また、定格電力Pを1/4ワツト(W)としたと
きの電力動作変化率を測定した結果を表3に示
す。この電力動作変化率は、定格電圧Eを次の式
から求め、 E=√×25 (但し、定格電力:P=1/4ワツト(W)) この定格電圧Eを上記厚膜抵抗体3aに70±5℃
にて1.5時間オン、0.5時間オフするサイクルで、
245時間印加した後、25℃において再び抵抗値
R′25を測定し、変化率△R25〔%〕を次式より求め
た。 △R25〔%〕=R′25−R25/R25×100 また、40±2℃、相対湿度90〜95%の試験槽中
で上記厚膜抵抗体3aに上記の定格直流電圧を
1.5時間オン、0.5時間オフするサイクルで500時
間加えた抵抗値の変化率を表3に耐久性として示
す。 また、200pFのコンデンサーに1KVの電圧で
0.8秒充電した後に、厚膜抵抗体に0.8秒間放電
し、これを3回繰り返し行ない、電圧印加後の抵
抗値の変化率を計算する方法でこの耐電圧性を求
め表3に示す。 実施例 2〜4 実施例1において、マグネシウムのモリブデン
酸塩の代わりにそれぞれカルシウムのモリブデン
酸塩、ストロンチウムのモリブデン酸塩、バリウ
ムのモリブデン酸塩を用いた以外は同様にして表
2に示す抵抗体材料を用いた多層セラミツク基板
を作成し、それぞれの抵抗体材料から形成した厚
膜抵抗体について実施例1と同様に測定した結果
をそれぞれ表4、5、6に示す。 なお、上記各実施例においてモリブデン酸塩と
ガラス、これらに酸化チタン又は上記希土類元素
の酸化物を加えたもの、さらにこれら酸化チタン
と上記希土類元素の酸化物をモリブデン酸塩とガ
ラスに加えたものそれぞれを使用した以外は同様
にして作成した試料について同様に測定した結果
を、それぞれの表のNo.1〜No.4、No.5、6、No.
7、8及びNo.9、10に示した。 なお、上記Au等の群の内の金属及び/又はそ
の金属酸化物は他の金属のモリブデン酸塩と併用
しても同様の効果を得る。また酸化チタンの代わ
りにTiB2、TiC、TiN、TiSi2等、アルカリ土類
金属等のチタン酸塩又はこれらと酸化チタンを含
めた任意の混合物を上記の配合の酸化チタンの代
わりに用いても耐圧性が得られ、この場合さらに
上記希土類の酸化物を併用すると、電力動作安定
性も得られ、これらの場合も他の金属のモリブデ
ン酸塩を単独又は併用しても同様の効果が得られ
る。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
比較例 1(MoSi2−TaSi2ガラス系抵抗体材料)
MoSi216重量部、TaSi29重量部の混合物を真
空中1400℃で加熱し、その生成物をエタノールと
ともにポツトミル中アルミナボールで24時間粉砕
し、乾燥させて10μm以下の微粉末を得た。この
ようにして得た微粉末25重量部に対し、BaO、
B2O3、MgO、CaO、SiO2からなるガラスフリツ
ト75重量部と、有機物ビヒクル(ブチルカルビト
ール20重量部、エチルセルロース5重量部)25重
量部とを加え、ロールミルで混合して抵抗体材料
ペーストを得た。 この抵抗体材料ペーストを用いた以外は実施例
と同様にして多層セラミツク基板を得た。 その結果、セラミツクグリーンシートに抵抗体
材料塗膜を形成し、これを加熱処理して有機物を
除去した後に同時焼成して得たものは、両者の焼
成体に膨張率、収縮率が異なることにより第4図
に示すように反りが見られ、また、MoSi2、
TaSi2の分解反応でSiO2気体が発生することによ
り第5図に示すようにふくれが生じ、実用に供す
ることができなかつた。なお、11aは上記磁器
層1a、14aは上記磁気層4a、13aは上記
厚膜抵抗体3aにそれぞれ対応する磁器層、厚膜
抵抗体である。 比較例 2(MoSi2−BaF2ガラス系抵抗体材料) MoSi270重量部、BaF220重量部と、SiO2、
ZnO、ZrO2、CaO、A2O3からなるガラスフリ
ツト10重量部とをボールミルで混合し、得られた
粉末をアルゴン(Ar)ガス雰囲気中1200℃で熱
処理した後、これをエタノールとともにポツトミ
ル中アルミナボールで24時間粉砕し、乾燥させて
10μm以下の微粉末を得た。 この抵抗体材料ペーストを用いた以外は実施例
1と同様にして多層セラミツク基板を得た。この
多層セラミツク基板の厚膜抵抗体についても実施
例1と同様にして求めたR25、TCR及び抵抗値の
変化率を表7に示す。
空中1400℃で加熱し、その生成物をエタノールと
ともにポツトミル中アルミナボールで24時間粉砕
し、乾燥させて10μm以下の微粉末を得た。この
ようにして得た微粉末25重量部に対し、BaO、
B2O3、MgO、CaO、SiO2からなるガラスフリツ
ト75重量部と、有機物ビヒクル(ブチルカルビト
ール20重量部、エチルセルロース5重量部)25重
量部とを加え、ロールミルで混合して抵抗体材料
ペーストを得た。 この抵抗体材料ペーストを用いた以外は実施例
と同様にして多層セラミツク基板を得た。 その結果、セラミツクグリーンシートに抵抗体
材料塗膜を形成し、これを加熱処理して有機物を
除去した後に同時焼成して得たものは、両者の焼
成体に膨張率、収縮率が異なることにより第4図
に示すように反りが見られ、また、MoSi2、
TaSi2の分解反応でSiO2気体が発生することによ
り第5図に示すようにふくれが生じ、実用に供す
ることができなかつた。なお、11aは上記磁器
層1a、14aは上記磁気層4a、13aは上記
厚膜抵抗体3aにそれぞれ対応する磁器層、厚膜
抵抗体である。 比較例 2(MoSi2−BaF2ガラス系抵抗体材料) MoSi270重量部、BaF220重量部と、SiO2、
ZnO、ZrO2、CaO、A2O3からなるガラスフリ
ツト10重量部とをボールミルで混合し、得られた
粉末をアルゴン(Ar)ガス雰囲気中1200℃で熱
処理した後、これをエタノールとともにポツトミ
ル中アルミナボールで24時間粉砕し、乾燥させて
10μm以下の微粉末を得た。 この抵抗体材料ペーストを用いた以外は実施例
1と同様にして多層セラミツク基板を得た。この
多層セラミツク基板の厚膜抵抗体についても実施
例1と同様にして求めたR25、TCR及び抵抗値の
変化率を表7に示す。
【表】
上記結果より、実施例の多層セラミツク基板は
いずれも反り、ふくれがなく、抵抗値の変化率も
±2%以内であり、耐久性も3%以内であり、さ
らに酸化チタンを加えたものは耐電圧性も優れ、
上記希土類元素の酸化物を加えたものは、上記電
力動作変化率が±2%以内であるのに対し、比較
例1の多層セラミツク基板は反りが見られ、比較
例2の多層セラミンク基板は抵抗値の変化率が4
倍も大きいことがわかる。 発明の効果 本発明によれば、アルカリ土類金属のモリブデ
ン酸塩と上記Au等の群の内の金属及び/又はそ
の金属酸化物の焼成体、また、これに酸化チタ
ン、さらには上記希土類元素の酸化物を含有する
焼成体からなる電気抵抗体を提供できるので、例
えばアルカリ土類金属のモリブデン酸塩、上記
Au等の群の内の金属及び/又はその金属酸化物、
ガラス、あるいはこれらに上記希土類元素の酸化
物、さらには酸化チタンを主成分とする組成の抵
抗体材料を用いて、例えば卑金属導体材料ととも
に非酸化性雰囲気中でセラミツクグリーシートと
ともに焼成することにより抵抗体を形成するよう
にすると、焼成することにより焼成体に反りやふ
くれが生じるようなことはなく、また、抵抗体の
特に高湿度下の経時変化を小さくできるのみなら
ず、湿中負荷試験における耐久性を向上でき、ま
た、酸化チタンを併用したときには耐電圧性も高
め、さらには上記希土類元素の酸化物を併用する
と電力動作変化率を小さくできる。 また、塊状粒子に針状粒子を付着又は近接させ
た焼成体を有する電気抵抗体を提供できるので、
電気抵抗体本体材料の塊状粒子を含有する抵抗体
材料を例えば卑金属導体材料とともに非酸化性雰
囲気中でセラミツクグリーンシートとともに焼成
することにより電気抵抗体を形成するようにする
と、塊状粒子表面から針状粒子を成長させること
ができ、過度の還元を避け適度の抵抗値を有する
電気抵抗体を提供できる。 これらにより、抵抗体を組み込んだ回路基板の
小型化、コストの低減の両方の要求を満たし、回
路基板の一層の性能の向上に寄与できる。 また、アルカリ土類金属のモリブデン酸塩、上
記Au等の群の内の金属及び/又はその金属酸化
物、あるいはこれらと酸化チタン、さらには上記
希土類元素の酸化物を例えばガラスと熱処理し、
この熱処理した抵抗体材料を焼成して抵抗体にす
ると、抵抗の温度変化係数の絶対値を小さくする
ことができ、回路の性能をさらに向上することが
できる。
いずれも反り、ふくれがなく、抵抗値の変化率も
±2%以内であり、耐久性も3%以内であり、さ
らに酸化チタンを加えたものは耐電圧性も優れ、
上記希土類元素の酸化物を加えたものは、上記電
力動作変化率が±2%以内であるのに対し、比較
例1の多層セラミツク基板は反りが見られ、比較
例2の多層セラミンク基板は抵抗値の変化率が4
倍も大きいことがわかる。 発明の効果 本発明によれば、アルカリ土類金属のモリブデ
ン酸塩と上記Au等の群の内の金属及び/又はそ
の金属酸化物の焼成体、また、これに酸化チタ
ン、さらには上記希土類元素の酸化物を含有する
焼成体からなる電気抵抗体を提供できるので、例
えばアルカリ土類金属のモリブデン酸塩、上記
Au等の群の内の金属及び/又はその金属酸化物、
ガラス、あるいはこれらに上記希土類元素の酸化
物、さらには酸化チタンを主成分とする組成の抵
抗体材料を用いて、例えば卑金属導体材料ととも
に非酸化性雰囲気中でセラミツクグリーシートと
ともに焼成することにより抵抗体を形成するよう
にすると、焼成することにより焼成体に反りやふ
くれが生じるようなことはなく、また、抵抗体の
特に高湿度下の経時変化を小さくできるのみなら
ず、湿中負荷試験における耐久性を向上でき、ま
た、酸化チタンを併用したときには耐電圧性も高
め、さらには上記希土類元素の酸化物を併用する
と電力動作変化率を小さくできる。 また、塊状粒子に針状粒子を付着又は近接させ
た焼成体を有する電気抵抗体を提供できるので、
電気抵抗体本体材料の塊状粒子を含有する抵抗体
材料を例えば卑金属導体材料とともに非酸化性雰
囲気中でセラミツクグリーンシートとともに焼成
することにより電気抵抗体を形成するようにする
と、塊状粒子表面から針状粒子を成長させること
ができ、過度の還元を避け適度の抵抗値を有する
電気抵抗体を提供できる。 これらにより、抵抗体を組み込んだ回路基板の
小型化、コストの低減の両方の要求を満たし、回
路基板の一層の性能の向上に寄与できる。 また、アルカリ土類金属のモリブデン酸塩、上
記Au等の群の内の金属及び/又はその金属酸化
物、あるいはこれらと酸化チタン、さらには上記
希土類元素の酸化物を例えばガラスと熱処理し、
この熱処理した抵抗体材料を焼成して抵抗体にす
ると、抵抗の温度変化係数の絶対値を小さくする
ことができ、回路の性能をさらに向上することが
できる。
第1図は本発明の電気抵抗体の組織の模式図、
第2図は本発明の電気抵抗体を製造するときの焼
成前の抵抗体材料塗膜と導体材料塗膜を基板に形
成し、多層構造にしようとする状態の一例を示す
図、第3図はその焼成体の断面図、第4図は従来
の抵抗体材料を使用して多層構造にしたときの焼
成体の断面図、第5図はさらにその焼成体にガス
が発生した状態を示す説明図である。 図中、aはガラス、bは塊状粒子、cは針状粒
子、1,4はグリーンシート片、2は導体材料塗
膜、3は抵抗体材料塗膜、1a、14aは磁器
層、2aは厚膜導体、3aは厚膜抵抗体である。
第2図は本発明の電気抵抗体を製造するときの焼
成前の抵抗体材料塗膜と導体材料塗膜を基板に形
成し、多層構造にしようとする状態の一例を示す
図、第3図はその焼成体の断面図、第4図は従来
の抵抗体材料を使用して多層構造にしたときの焼
成体の断面図、第5図はさらにその焼成体にガス
が発生した状態を示す説明図である。 図中、aはガラス、bは塊状粒子、cは針状粒
子、1,4はグリーンシート片、2は導体材料塗
膜、3は抵抗体材料塗膜、1a、14aは磁器
層、2aは厚膜導体、3aは厚膜抵抗体である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 アルカリ土類金属のモリブデン酸塩と、Au、
Ag、Pt、Ru、Ni、Cu、Co、Pdの群から選択さ
れた少なくとも1種の金属及び/又はその金属酸
化物を含有する焼成体を有することを特徴とする
電気抵抗体。 2 焼成体はアルカリ土類金属のモリブデン酸塩
及びその前駆体の少なくとも1種と、Au、Ag、
Pt、Ru、Ni、Cu、Co、Pdの群から選択された
少なくとも1種の金属及び/又はその金属酸化物
を主成分として含有する抵抗体材料から焼成され
ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
電気抵抗体。 3 抵抗体材料の主成分はアルカリ土類金属のモ
リブデン酸塩及びその前駆体の内の少なくとも1
種を当該アルカリ土類金属のモリブデン酸塩に換
算して30〜96重量%と、ガラス4〜70重量%とか
らなる組成物と、該組成物100重量部に対して
0.05〜3.00重量部のAu、Ag、Pt、Ru、Ni、Cu、
Co、Pdの群から選択された少なくとも1種の金
属及び/又はその金属酸化物を含有することを特
徴とする特許請求の範囲第2項記載の電気抵抗
体。 4 塊状粒子と、この塊状粒子に付着又はこの塊
状粒子の近傍に存在する針状粒子と、ガラス層を
有し、Au、Ag、Pt、Ru、Ni、Cu、Co、Pdの
群から選択された少なくとも1種の金属及び/又
はその金属酸化物を含有する焼成体であつて、上
記塊粒子がアルカリ土類金属のモルブデン酸塩を
含有し、針状粒子が当該モリブデン酸塩の還元生
成物を含有することを特徴とする電気抵抗体。 5 針状粒子は塊状粒子表面を還元して生成した
還元生成物であることを特徴とする特許請求の範
囲第4項記載の電気抵抗体。 6 アルカリ土類金属のモリブデン酸塩と、Au、
Ag、Pt、Ru、Ni、Cu、Co、Pdの群から選択さ
れた少なくとも1種の金属及び/又はその金属酸
化物と、酸化チタンを含有する焼成体を有するこ
とを特徴とする電気抵抗体。 7 焼成体はアルカリ土類金属のモルブデン酸塩
及びその前駆体の少なくとも1種と、Au、Ag、
Pt、Ru、Ni、Cu、Co、Pdの群から選択された
少なくとも1種の金属及び/又はその金属酸化物
と、酸化チタンとを主成分に含有する抵抗体材料
から焼成されることを特徴とする特許請求の範囲
第6項記載の電気抵抗体。 8 アルカリ土類金属のモリブデン酸塩と、Au、
Ag、Pt、Ru、Ni、Cu、Co、Pdの群から選択さ
れた少なくとも1種の金属及び/又はその金属酸
化物と、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、
Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Sc、Pmの
群から選ばれた少なくとも1つの元素の酸化物を
含有する焼成体を有することを特徴とする電気抵
抗体。 9 焼成体はアルカリ土類金属のモリブデン酸塩
及びその前駆体の少なくとも1種と、Au、Ag、
Pt、Ru、Ni、Cu、Co、Pdの群から選択された
少なくとも1種の金属及び/又はその金属酸化物
と、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、
Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Sc、Pmの群から
選ばれた少なくとも1つの元素の酸化物とを主成
分に含有する抵抗体材料から焼成されることを特
徴とする特許請求の範囲第8項記載の電気抵抗
体。 10 アルカリ土類金属のモリブデン酸塩と、
Au、Ag、Pt、Ru、Ni、Cu、Co、Pdの群から
選択された少なくとも1種の金属及び/又はその
金属酸化物と、酸化チタンと、Y、La、Ce、
Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、
Tm、Yb、Lu、Sc、Pmの群から選ばれた少なく
とも1つの元素の酸化物を含有する焼成体を有す
ることを特徴とする電気抵抗体。 11 焼成体はアルカリ土類金属のモリブデン酸
塩及びその前駆体の少なくとも一種と、Au、
Ag、Pt、Ru、Ni、Cu、Co、Pdの群から選択さ
れた少なくとも1種の金属及び/又はその金属酸
化物と、酸化チタンと、Y、La、Ce、Pr、Nd、
Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、
Lu、Sc、Pmの群から選ばれた少なくとも1つの
元素の酸化物とを主成分に含有する抵抗体材料か
ら焼成されることを特徴とする特許請求の範囲第
10項記載の電気抵抗体。 12 主成分にアルカリ土類金属のモリブデン酸
塩及びその前駆体の内の少なくとも一種と、Au、
Ag、Pt、Ru、Ni、Cu、Co、Pdの群から選択さ
れた少なくとも1種の金属及び/又はその金属酸
化物を含有する抵抗体材料を熱処理し、この熱処
理して得られた抵抗体材料を用いて焼成し、アル
カリ土類金属のモリブデン酸塩とAu、Ag、Pt、
Ru、Ni、Cu、Co、Pdの群から選択された少な
くとも1種の金属及び/又はその金属酸化物を含
有する焼成体からなる電気抵抗体を得ることを特
徴とする電気抵抗体の製造方法。 13 熱処理前の抵抗体材料の主成分はアルカリ
土類金属のモリブデン酸塩及びその前駆体の内の
少なくとも一種を当該アルカリ土類金属のモリブ
デン酸塩に換算して30〜96重量%と、ガラス4〜
70重量%とからなる組成物と、該組成物100重量
部に対して0.05〜3.00重量部のAu、Ag、Pt、
Ru、Ni、Cu、Co、Pdの群から選択された少な
くとも1種の金属及び/又はその金属酸化物とか
らなることを特徴とする特許請求の範囲第12項
記載の電気抵抗体の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63039669A JPH01215001A (ja) | 1988-02-24 | 1988-02-24 | 電気抵抗体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63039669A JPH01215001A (ja) | 1988-02-24 | 1988-02-24 | 電気抵抗体及びその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01215001A JPH01215001A (ja) | 1989-08-29 |
| JPH0477445B2 true JPH0477445B2 (ja) | 1992-12-08 |
Family
ID=12559493
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63039669A Granted JPH01215001A (ja) | 1988-02-24 | 1988-02-24 | 電気抵抗体及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH01215001A (ja) |
-
1988
- 1988-02-24 JP JP63039669A patent/JPH01215001A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01215001A (ja) | 1989-08-29 |