JPH0518806B2 - - Google Patents
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- JPH0518806B2 JPH0518806B2 JP57229388A JP22938882A JPH0518806B2 JP H0518806 B2 JPH0518806 B2 JP H0518806B2 JP 57229388 A JP57229388 A JP 57229388A JP 22938882 A JP22938882 A JP 22938882A JP H0518806 B2 JPH0518806 B2 JP H0518806B2
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Description
本発明は制癌剤を脂肪乳剤として調整した製剤
に関する。 今日、多くの有用な制癌剤が開発されており、
それらは強力な制癌作用により新生物細胞を有効
に死滅させるが、その反面正常組織に対しても毒
性を有するので使用が制限されている。制癌剤の
悪性腫瘍細胞に対する薬効は、薬剤を腫瘍部位へ
特異的に濃縮させることによつて強化され、少量
の投与でその目的を達成できる。この特異的濃縮
法の1つに薬剤の担体を用いる方法があり、担体
として抗腫瘍性抗体のほかレクチンやリポソーム
が用いられる。 本発明者らは制癌剤の腫瘍部位への濃縮法につ
いて種々検討を重ね、その結果脂肪乳剤のマクロ
フアージーとの親和性及びリンパ経由の体内分散
性に着目し、制癌剤を脂肪乳剤として調製するこ
とが有効であるとの知見を得、これにより投与す
る制癌剤の局所作用性を高めて少量の投与で目的
を達成し、生体の他の部位への拡散による副作用
を防止することに成功した。 制癌剤を脂肪乳剤化するにはその製剤化が極め
て困難である。例えば制癌剤を乳剤の剤型で人体
に静脈投与する時、その乳剤の平均粒子径が0.4μ
以下でない限り生命を維持させることはできな
い。ところが一般に制癌剤は乳化が困難なうえに
安定性に乏しく、人体に投与しても安全な乳剤の
平均粒子径0.4μ以下を長期間保持することは困難
である。 本発明者らは制癌剤含有脂肪乳剤のこのような
問題点を解決すべく、制癌剤を人体に静脈投与し
ても安全な脂肪乳剤として調製する方法を種々研
究し、好適な乳化剤と乳化補助剤を見い出すこと
により本発明を完成した。 本発明に係る制癌剤含有脂肪乳剤は()脂溶
性制癌剤、()油成分、()リン脂質、水素添
加リン脂質、レシチン、水素添加レシチン、リゾ
レシチン、分子量800〜20000の非イオン性高分子
界面活性剤から選ばれた少なくとも1種の乳化剤
および()水からなり、その各成分の組成比
は、有効量に選択された脂溶性制癌剤に対し、油
成分5〜50w/v%、乳化剤2〜6w/v%で、
平均粒子径は0.05〜0.4μで、静脈投与が可能であ
り、かつ癌局所作用性が高い。 本発明は乳化補助剤として炭素数6〜30の脂肪
酸、この脂肪酸の塩又はモノグリセライドを使用
し、乳化剤が上記界面活性剤の場合に乳化補助剤
としてリン脂質を用いる。本発明はさらに乳化剤
がリン脂質の場合に生理的に許容される抗酸化剤
を配合する。 本発明製剤においては現存する制癌剤で脂溶性
のものはすべて使用でき、その他にも制癌剤に側
鎖として炭素数6〜30の脂肪酸を結合させて脂溶
性にしたものを用いることができる。現存する脂
溶性制癌剤としては、ヘキサメチルメラミン、ダ
ウノルビシン・パルミチン酸複合体、ドキソルビ
シン・ステアリン酸複合体、ダウノマイシン・パ
ルミチン酸複合体、フトラフールの脂肪酸エステ
ル、5−FUの脂肪酸エステルが例示される。 こゝにダウノルビシン・パルミチン酸複合体の
製法には次のものがある。パルミチン酸15mgに水
溶性カルボジイミド25mgを加え、さらにジメチル
フオルムアミド3mlを加えて溶かし、これらを攪
拌しつつダウノルビシン10mgを含有する水溶液2
mlを滴下する。約6時間反応させた後、4N水酸
化ナトリウムを加えて反応液をアルカリ性にし、
この反応液をクロロホルム40ml×3回で抽出す
る。最後に水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し
て乾燥させる。これをクロロホルム:アセトン=
7:3の溶液に溶解し、同じ溶液で平衡化したシ
リカゲルカラムで展開する。この展開によりフリ
ーのダウノルビシンは吸着され、複合体は溶出さ
れる。このようにしてダウノルビシン・パルミチ
ン酸複合体を得る。 フトラフールの脂肪酸エステルとしては例えば
次式のものがあり、 5−FUの脂肪酸エステルとしては例えば次式
のものがある。 次にフトラフールのパルミチン酸エステルの製
法としては次のものがある。水素化ナトリウム
0.66gを無水ジメチルホルムアミド30mlに加え、
氷浴で冷却する。これに30mlのジメチルホルムア
ミドに懸濁したフトラフール5gを30分にわたつ
て滴下する。滴下終了の15分後にこの溶液にパル
ミチン酸クロリド8.25gを15分間にわたつて滴下
する。この滴下が終ると氷浴を除いて室温で2時
間放置する。これにエーテル100mlを加え、有機
層を水で3回、飽和食塩水で1回洗滌したのち芒
硝で乾燥する。エバポレーターで溶媒を除去する
と固体が得られ、これをエーテルから再結晶して
フトラフールのパルミチン酸エステル8.75gを得
る(収率80%)。このエステルは融点68〜70°の白
色結晶であり、物性は次の通りである。 赤外線吸収スペクトル(IR) 2940,2850,1780,1720,1670cm-1 紫外線吸収スペクトル (UV) 吸収極大 274nm(エタノール) 核磁気共鳴スペクトル(NMR) 0.9(3H),1.3(29H),1.8〜2.4(4H), 2.8(2H,三重線)、4.1(1H、多重線)、 5.9(1H、多重線)、7.3(1H、二重線) 本発明製剤における油成分としては大豆油、綿
実油、ごま油、サフラワー油、コーン油のような
植物油が用いられ、このなかで大豆油が好適であ
る。大豆油は高度精製品であることを要し、例え
ば精製大豆油を水蒸気蒸留法〔H.J.Lipe,J.Am.
Oil Chemist.Soc.,27,422〜423(1950)〕により
さらに精製し、トリグリセリド、ジグリセリド及
びモノグリセリドとして99.9%以上を含有する高
純度品を使用する。 本発明製剤における油成分の乳化剤のうち、リ
ン脂質、水素添加リン脂質、レシチン、水素添加
レシチン、リゾレシチンはその由来を限定され
ず、例えば大豆油のような植物油由来のものや卵
黄のような動物由来のものなどを使用する。又乳
化剤として用いる非イオン性界面活性剤には分子
量800〜20000の高分子系のものが好適であり、例
えばポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン
コポリマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテ
ル、ポリオキシエチレン付加トリ脂肪酸グリセラ
イドなどがある。これらの乳化剤は単独で使用し
てもよく、適宜に混合使用してもよい。 本発明製剤は乳化補助剤として炭素数6〜30の
脂肪酸、この脂肪酸の塩又はモノグリセライドを
使用する。この脂肪酸を例示するとカプリル酸、
カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミ
チン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、パルミトレイ
ン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、
ドコサヘキサエン酸がある。この脂肪酸の塩とし
て好ましいのは、上記具体的に列挙したもののナ
トリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、
カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩などであ
る。さらにこの脂肪酸のモノグリセライドとして
も上記具体的に列挙したもののモノグリセライド
が好ましい。なお炭素数6〜30の脂肪酸、この脂
肪酸の塩又はモノグリセライドは、油成分の乳化
を助成するほか、制癌活性を増強する作用も有
す。 本発明製剤において乳化剤が上記界面活性剤の
場合に乳化補助剤として用いるリン脂質は、大豆
リン脂質や卵黄リン脂質である。又本発明製剤に
おいて乳化剤がリン脂質の場合に生理的に許容さ
れる抗酸化剤を配合するが、この抗酸化剤として
はビタミンEが好適である。本発明製剤において
は安定化剤としてコレステロールやホスフアチジ
ン酸を使用してもよい。さらに本発明製剤におい
ては、脂肪乳剤の癌細胞親和性を高めるため補助
添加物としてリゾレシチンステアリルアミン、
ジセチルフオスフエート、フオスフアチジン酸
及びその塩(Na,Caなど)、フオスフアチジ
ルセリン、フオスフアチジルイノシトールを
添加する。 本発明製剤における各成分の組成比は、有効量
に選択された脂溶性制癌剤に対し、油成分5〜
50W/V%好ましくは8〜35W/V%、乳化剤2
〜6W/V%であり、乳化補助剤は0.001〜
0.1W/V%が好ましく、抗酸化剤は0.002〜
0.006W/V%が好ましい。 本発明製剤は所定量の脂溶性制癌剤、乳化剤、
乳化補助剤その他を混合し、40〜75℃に加温して
溶解させる。これに所要量の水(蒸留水)を加
え、ホモミキサーで均質化して粗乳化液を得、次
いでこれを加圧乳化して平均粒子径が0.05〜0.4μ
となるように均質化し、万一を考えて遠心分離操
作により0.4μより大きい粒子を除き、超微粒子の
制癌剤含有脂肪乳剤を製する。このようにして得
た製剤を好ましくは生理学的水溶液例えばNaCl3
〜7%、CaCl20.15〜0.4%、MgCl20.1〜0.5%、
D−グルコース0.7〜2.0%、KCl0.3〜0.5%、
NaHCO32〜4%からなる高張電解質溶液など
で生理学的に等張に調整する。なおグルコースの
代りにグリセリンを用いてもよい。 本発明製剤は注射など非経口で投与し、特に静
脈投与が好ましい。その投与量は制癌剤として1
〜500mgの割合で1日1回静脈内に持続注入する。 本発明によるときは平均粒子径0.05〜0.4μの制
癌剤含有脂肪乳剤を得ることができ、このものは
人体に安全で局所作用性が高く、従つて少量の投
与で目的を達成しかつ体内分散による副作用を防
止できるから、安全で薬効の高い制癌剤を提供し
うる効果がある。 以下、実施例を挙げて本発明の製剤を具体的に
説明する。 実施例 1 精製大豆油100gに卵黄リン脂質6g、パルミ
チン酸ナトリウム0.45g、フトラフールのパルミ
チン酸エステル5.48g及びホスフアチジン酸0.45
gを加え、約60℃に加温して溶解させる。これに
蒸留水400mlと日本薬局方グリセリン10.85gを加
え、さらに蒸留水を加えて全量を500mlとし、ホ
モミキサーで均質化して粗乳化液を得る。 この粗乳化液をマントンゴーリン型噴射式乳化
機の液槽に入れて循環させ、液温を67〜72℃に保
ちながら乳化を行つて均質な乳化液を得る。この
ものの遠心法によつて測定した平均粒子径は
0.15μである。このようにして得た超微粒子の乳
化液を注射用バイアルに分注して施栓し、これを
回転滅菌器に収納して加熱滅菌を行ない、制癌剤
含有脂肪乳剤を得る。このものは4℃で3か月保
存しても平均粒子径の顕著な増大は認められなか
つた。 実施例 2 精製大豆油30gにリゾレシチン3.5g、ミリス
チン酸ナトリウム0.15g、5−FUのミリスチン
酸エステル6.9gを加え、約60℃に加温して溶解
させる。これに蒸留水200mlと日本薬局方グリセ
リン7.5gを加え、さらに蒸留水を加えて全量を
300mlとし、ホモミキサーで均質化して粗乳化液
を得る。以下実施例1と同じ処理を行つて超微粒
子の制癌剤含有脂肪乳剤を得る。このものの平均
粒子径は遠心法で測定して0.11μであり、4℃で
3か月保存しても平均粒子径の顕著な増大は認め
られなかつた。 実験例 1 乳化剤と乳化補助剤を変え、実施例1と同じ処
理を行つて制癌剤含有脂肪乳剤を製し、各々の平
均粒子径を調べた。その結果は第1表に示す通り
である。
に関する。 今日、多くの有用な制癌剤が開発されており、
それらは強力な制癌作用により新生物細胞を有効
に死滅させるが、その反面正常組織に対しても毒
性を有するので使用が制限されている。制癌剤の
悪性腫瘍細胞に対する薬効は、薬剤を腫瘍部位へ
特異的に濃縮させることによつて強化され、少量
の投与でその目的を達成できる。この特異的濃縮
法の1つに薬剤の担体を用いる方法があり、担体
として抗腫瘍性抗体のほかレクチンやリポソーム
が用いられる。 本発明者らは制癌剤の腫瘍部位への濃縮法につ
いて種々検討を重ね、その結果脂肪乳剤のマクロ
フアージーとの親和性及びリンパ経由の体内分散
性に着目し、制癌剤を脂肪乳剤として調製するこ
とが有効であるとの知見を得、これにより投与す
る制癌剤の局所作用性を高めて少量の投与で目的
を達成し、生体の他の部位への拡散による副作用
を防止することに成功した。 制癌剤を脂肪乳剤化するにはその製剤化が極め
て困難である。例えば制癌剤を乳剤の剤型で人体
に静脈投与する時、その乳剤の平均粒子径が0.4μ
以下でない限り生命を維持させることはできな
い。ところが一般に制癌剤は乳化が困難なうえに
安定性に乏しく、人体に投与しても安全な乳剤の
平均粒子径0.4μ以下を長期間保持することは困難
である。 本発明者らは制癌剤含有脂肪乳剤のこのような
問題点を解決すべく、制癌剤を人体に静脈投与し
ても安全な脂肪乳剤として調製する方法を種々研
究し、好適な乳化剤と乳化補助剤を見い出すこと
により本発明を完成した。 本発明に係る制癌剤含有脂肪乳剤は()脂溶
性制癌剤、()油成分、()リン脂質、水素添
加リン脂質、レシチン、水素添加レシチン、リゾ
レシチン、分子量800〜20000の非イオン性高分子
界面活性剤から選ばれた少なくとも1種の乳化剤
および()水からなり、その各成分の組成比
は、有効量に選択された脂溶性制癌剤に対し、油
成分5〜50w/v%、乳化剤2〜6w/v%で、
平均粒子径は0.05〜0.4μで、静脈投与が可能であ
り、かつ癌局所作用性が高い。 本発明は乳化補助剤として炭素数6〜30の脂肪
酸、この脂肪酸の塩又はモノグリセライドを使用
し、乳化剤が上記界面活性剤の場合に乳化補助剤
としてリン脂質を用いる。本発明はさらに乳化剤
がリン脂質の場合に生理的に許容される抗酸化剤
を配合する。 本発明製剤においては現存する制癌剤で脂溶性
のものはすべて使用でき、その他にも制癌剤に側
鎖として炭素数6〜30の脂肪酸を結合させて脂溶
性にしたものを用いることができる。現存する脂
溶性制癌剤としては、ヘキサメチルメラミン、ダ
ウノルビシン・パルミチン酸複合体、ドキソルビ
シン・ステアリン酸複合体、ダウノマイシン・パ
ルミチン酸複合体、フトラフールの脂肪酸エステ
ル、5−FUの脂肪酸エステルが例示される。 こゝにダウノルビシン・パルミチン酸複合体の
製法には次のものがある。パルミチン酸15mgに水
溶性カルボジイミド25mgを加え、さらにジメチル
フオルムアミド3mlを加えて溶かし、これらを攪
拌しつつダウノルビシン10mgを含有する水溶液2
mlを滴下する。約6時間反応させた後、4N水酸
化ナトリウムを加えて反応液をアルカリ性にし、
この反応液をクロロホルム40ml×3回で抽出す
る。最後に水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し
て乾燥させる。これをクロロホルム:アセトン=
7:3の溶液に溶解し、同じ溶液で平衡化したシ
リカゲルカラムで展開する。この展開によりフリ
ーのダウノルビシンは吸着され、複合体は溶出さ
れる。このようにしてダウノルビシン・パルミチ
ン酸複合体を得る。 フトラフールの脂肪酸エステルとしては例えば
次式のものがあり、 5−FUの脂肪酸エステルとしては例えば次式
のものがある。 次にフトラフールのパルミチン酸エステルの製
法としては次のものがある。水素化ナトリウム
0.66gを無水ジメチルホルムアミド30mlに加え、
氷浴で冷却する。これに30mlのジメチルホルムア
ミドに懸濁したフトラフール5gを30分にわたつ
て滴下する。滴下終了の15分後にこの溶液にパル
ミチン酸クロリド8.25gを15分間にわたつて滴下
する。この滴下が終ると氷浴を除いて室温で2時
間放置する。これにエーテル100mlを加え、有機
層を水で3回、飽和食塩水で1回洗滌したのち芒
硝で乾燥する。エバポレーターで溶媒を除去する
と固体が得られ、これをエーテルから再結晶して
フトラフールのパルミチン酸エステル8.75gを得
る(収率80%)。このエステルは融点68〜70°の白
色結晶であり、物性は次の通りである。 赤外線吸収スペクトル(IR) 2940,2850,1780,1720,1670cm-1 紫外線吸収スペクトル (UV) 吸収極大 274nm(エタノール) 核磁気共鳴スペクトル(NMR) 0.9(3H),1.3(29H),1.8〜2.4(4H), 2.8(2H,三重線)、4.1(1H、多重線)、 5.9(1H、多重線)、7.3(1H、二重線) 本発明製剤における油成分としては大豆油、綿
実油、ごま油、サフラワー油、コーン油のような
植物油が用いられ、このなかで大豆油が好適であ
る。大豆油は高度精製品であることを要し、例え
ば精製大豆油を水蒸気蒸留法〔H.J.Lipe,J.Am.
Oil Chemist.Soc.,27,422〜423(1950)〕により
さらに精製し、トリグリセリド、ジグリセリド及
びモノグリセリドとして99.9%以上を含有する高
純度品を使用する。 本発明製剤における油成分の乳化剤のうち、リ
ン脂質、水素添加リン脂質、レシチン、水素添加
レシチン、リゾレシチンはその由来を限定され
ず、例えば大豆油のような植物油由来のものや卵
黄のような動物由来のものなどを使用する。又乳
化剤として用いる非イオン性界面活性剤には分子
量800〜20000の高分子系のものが好適であり、例
えばポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン
コポリマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテ
ル、ポリオキシエチレン付加トリ脂肪酸グリセラ
イドなどがある。これらの乳化剤は単独で使用し
てもよく、適宜に混合使用してもよい。 本発明製剤は乳化補助剤として炭素数6〜30の
脂肪酸、この脂肪酸の塩又はモノグリセライドを
使用する。この脂肪酸を例示するとカプリル酸、
カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミ
チン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、パルミトレイ
ン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、
ドコサヘキサエン酸がある。この脂肪酸の塩とし
て好ましいのは、上記具体的に列挙したもののナ
トリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、
カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩などであ
る。さらにこの脂肪酸のモノグリセライドとして
も上記具体的に列挙したもののモノグリセライド
が好ましい。なお炭素数6〜30の脂肪酸、この脂
肪酸の塩又はモノグリセライドは、油成分の乳化
を助成するほか、制癌活性を増強する作用も有
す。 本発明製剤において乳化剤が上記界面活性剤の
場合に乳化補助剤として用いるリン脂質は、大豆
リン脂質や卵黄リン脂質である。又本発明製剤に
おいて乳化剤がリン脂質の場合に生理的に許容さ
れる抗酸化剤を配合するが、この抗酸化剤として
はビタミンEが好適である。本発明製剤において
は安定化剤としてコレステロールやホスフアチジ
ン酸を使用してもよい。さらに本発明製剤におい
ては、脂肪乳剤の癌細胞親和性を高めるため補助
添加物としてリゾレシチンステアリルアミン、
ジセチルフオスフエート、フオスフアチジン酸
及びその塩(Na,Caなど)、フオスフアチジ
ルセリン、フオスフアチジルイノシトールを
添加する。 本発明製剤における各成分の組成比は、有効量
に選択された脂溶性制癌剤に対し、油成分5〜
50W/V%好ましくは8〜35W/V%、乳化剤2
〜6W/V%であり、乳化補助剤は0.001〜
0.1W/V%が好ましく、抗酸化剤は0.002〜
0.006W/V%が好ましい。 本発明製剤は所定量の脂溶性制癌剤、乳化剤、
乳化補助剤その他を混合し、40〜75℃に加温して
溶解させる。これに所要量の水(蒸留水)を加
え、ホモミキサーで均質化して粗乳化液を得、次
いでこれを加圧乳化して平均粒子径が0.05〜0.4μ
となるように均質化し、万一を考えて遠心分離操
作により0.4μより大きい粒子を除き、超微粒子の
制癌剤含有脂肪乳剤を製する。このようにして得
た製剤を好ましくは生理学的水溶液例えばNaCl3
〜7%、CaCl20.15〜0.4%、MgCl20.1〜0.5%、
D−グルコース0.7〜2.0%、KCl0.3〜0.5%、
NaHCO32〜4%からなる高張電解質溶液など
で生理学的に等張に調整する。なおグルコースの
代りにグリセリンを用いてもよい。 本発明製剤は注射など非経口で投与し、特に静
脈投与が好ましい。その投与量は制癌剤として1
〜500mgの割合で1日1回静脈内に持続注入する。 本発明によるときは平均粒子径0.05〜0.4μの制
癌剤含有脂肪乳剤を得ることができ、このものは
人体に安全で局所作用性が高く、従つて少量の投
与で目的を達成しかつ体内分散による副作用を防
止できるから、安全で薬効の高い制癌剤を提供し
うる効果がある。 以下、実施例を挙げて本発明の製剤を具体的に
説明する。 実施例 1 精製大豆油100gに卵黄リン脂質6g、パルミ
チン酸ナトリウム0.45g、フトラフールのパルミ
チン酸エステル5.48g及びホスフアチジン酸0.45
gを加え、約60℃に加温して溶解させる。これに
蒸留水400mlと日本薬局方グリセリン10.85gを加
え、さらに蒸留水を加えて全量を500mlとし、ホ
モミキサーで均質化して粗乳化液を得る。 この粗乳化液をマントンゴーリン型噴射式乳化
機の液槽に入れて循環させ、液温を67〜72℃に保
ちながら乳化を行つて均質な乳化液を得る。この
ものの遠心法によつて測定した平均粒子径は
0.15μである。このようにして得た超微粒子の乳
化液を注射用バイアルに分注して施栓し、これを
回転滅菌器に収納して加熱滅菌を行ない、制癌剤
含有脂肪乳剤を得る。このものは4℃で3か月保
存しても平均粒子径の顕著な増大は認められなか
つた。 実施例 2 精製大豆油30gにリゾレシチン3.5g、ミリス
チン酸ナトリウム0.15g、5−FUのミリスチン
酸エステル6.9gを加え、約60℃に加温して溶解
させる。これに蒸留水200mlと日本薬局方グリセ
リン7.5gを加え、さらに蒸留水を加えて全量を
300mlとし、ホモミキサーで均質化して粗乳化液
を得る。以下実施例1と同じ処理を行つて超微粒
子の制癌剤含有脂肪乳剤を得る。このものの平均
粒子径は遠心法で測定して0.11μであり、4℃で
3か月保存しても平均粒子径の顕著な増大は認め
られなかつた。 実験例 1 乳化剤と乳化補助剤を変え、実施例1と同じ処
理を行つて制癌剤含有脂肪乳剤を製し、各々の平
均粒子径を調べた。その結果は第1表に示す通り
である。
【表】
【表】
実験例 2
ラツト腹水肝ガンAH66細胞の1×104個を雄
ラツト(体重150g±10;1群6匹)の腹腔内投
与した後、3,5,7日目に種々の制癌剤の脂肪
乳剤及び対照(正常ラツト血清溶解物)を静脈内
投与し、ラツトの生存日数の延長を調べた。投与
量はダウノルビシンとドキソルビシン及びそれら
の複合体の場合は200μg相当量であり、5−FU
誘導体の場合は5−FUとして5mg/Kg相当量に
した。その結果は第2表に示す通りである。
ラツト(体重150g±10;1群6匹)の腹腔内投
与した後、3,5,7日目に種々の制癌剤の脂肪
乳剤及び対照(正常ラツト血清溶解物)を静脈内
投与し、ラツトの生存日数の延長を調べた。投与
量はダウノルビシンとドキソルビシン及びそれら
の複合体の場合は200μg相当量であり、5−FU
誘導体の場合は5−FUとして5mg/Kg相当量に
した。その結果は第2表に示す通りである。
【表】
【表】
実験例 3
この実験は制癌剤のリンパ管経由の体内分散を
調べた。実験にはウイスター系雄性ラツト体300
〜400gを使用し、フトラフールのパルミチン酸
エステル含有脂肪乳剤(実施例1、標識脂肪乳剤
として14C−linoleic acid大豆油を使用)を静脈
内投与し、血中およびリンパ液中の放射活性の時
間的推移を測定した。 投与は1匹あたり0.35μCi/0.5mlの標識脂肪乳
剤を尾静脈内に注入した。血中放射活性値は投与
直後の血中放射活性濃度を100%とした時の値を
示し、リンパ中放射活性値は投与後からある時間
までのリンパ液中に含まれる総放射活性値を投与
した放射活性値を100%として示した。 この結果、標識脂肪乳剤投与後30分においては
血中に約3%、リンパ系に約0.01%の標識脂肪乳
剤が確認され、6時間経過後においては血中に
0.5%、リンパ系に約5%の標識脂肪乳剤が確認
された。なお脂肪乳剤化していない制癌剤の場合
はリンパ系への濃度の上昇はみられなかつた。こ
のことは、制癌剤含有脂肪乳剤はリンパ系に濃縮
され、その後生体内に分散していくことを示唆し
ており、癌のリンパ系を経た転移が効率よく防止
されていると考えられる。
調べた。実験にはウイスター系雄性ラツト体300
〜400gを使用し、フトラフールのパルミチン酸
エステル含有脂肪乳剤(実施例1、標識脂肪乳剤
として14C−linoleic acid大豆油を使用)を静脈
内投与し、血中およびリンパ液中の放射活性の時
間的推移を測定した。 投与は1匹あたり0.35μCi/0.5mlの標識脂肪乳
剤を尾静脈内に注入した。血中放射活性値は投与
直後の血中放射活性濃度を100%とした時の値を
示し、リンパ中放射活性値は投与後からある時間
までのリンパ液中に含まれる総放射活性値を投与
した放射活性値を100%として示した。 この結果、標識脂肪乳剤投与後30分においては
血中に約3%、リンパ系に約0.01%の標識脂肪乳
剤が確認され、6時間経過後においては血中に
0.5%、リンパ系に約5%の標識脂肪乳剤が確認
された。なお脂肪乳剤化していない制癌剤の場合
はリンパ系への濃度の上昇はみられなかつた。こ
のことは、制癌剤含有脂肪乳剤はリンパ系に濃縮
され、その後生体内に分散していくことを示唆し
ており、癌のリンパ系を経た転移が効率よく防止
されていると考えられる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ()脂溶性制癌剤、()油成分、()リ
ン脂質、水素添加リン脂質、レシチン、水素添加
レシチン、リゾレシチン、分子量800〜20000の非
イオン性高分子界面活性剤から選ばれた少なくと
も1種の乳化剤および()水からなり、各成分
の組成比が、有効量に選択された脂溶性制癌剤に
対し、油成分5〜50w/v%、乳化剤2〜6w/
v%で、平均粒子径が0.05〜0.4μである静脈投与
可能で、かつ癌局所作用性の高い制癌剤含有脂肪
乳剤。 2 乳化補助剤として炭素数6〜30の脂肪酸、こ
の脂肪酸の塩又はモノグリセライドを含有する特
許請求の範囲第1項記載の制癌剤含有脂肪乳剤。 3 乳化剤が上記界面活性剤の場合に乳化補助剤
としてリン脂質を含有する特許請求の範囲第1項
記載の制癌剤含有脂肪乳剤。 4 乳化剤がリン脂質の場合に生理的に許容され
る抗酸化剤を配合してなる特許請求の範囲第1項
又は第2項記載の制癌剤含有脂肪乳剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22938882A JPS59122423A (ja) | 1982-12-28 | 1982-12-28 | 制癌剤含有脂肪乳剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22938882A JPS59122423A (ja) | 1982-12-28 | 1982-12-28 | 制癌剤含有脂肪乳剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS59122423A JPS59122423A (ja) | 1984-07-14 |
| JPH0518806B2 true JPH0518806B2 (ja) | 1993-03-15 |
Family
ID=16891406
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP22938882A Granted JPS59122423A (ja) | 1982-12-28 | 1982-12-28 | 制癌剤含有脂肪乳剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS59122423A (ja) |
Families Citing this family (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CA1298548C (en) * | 1984-10-22 | 1992-04-07 | Cary Arnet Presant | Method of delivering micellular particles encapsulating imaging and chemotherapeutic agents to tumors in a body |
| JPS6354926A (ja) * | 1986-06-18 | 1988-03-09 | Asahi Denka Kogyo Kk | 界面活性剤組成物 |
| JPS63248430A (ja) * | 1987-04-04 | 1988-10-14 | Nisshin Oil Mills Ltd:The | 乳化剤組成物 |
| JP2600726B2 (ja) * | 1987-11-30 | 1997-04-16 | 大正製薬株式会社 | 微粒子脂肪乳剤 |
| TW203010B (ja) * | 1990-10-31 | 1993-04-01 | Otsuka Pharma Co Ltd | |
| JP2546153Y2 (ja) * | 1991-07-31 | 1997-08-27 | 前田建設工業株式会社 | プレキャストコンクリート構造物 |
| JP2546157Y2 (ja) * | 1991-09-25 | 1997-08-27 | 前田建設工業株式会社 | プレキャストコンクリート構造物 |
| WO1993021918A1 (fr) * | 1992-04-28 | 1993-11-11 | Sankyo Company, Limited | Emulsion de matieres grasses contenant un ester d'acide gras de rhizoxine |
| CN1101781A (zh) * | 1993-02-03 | 1995-04-19 | 帝人株式会社 | 治疗脑血栓的药物组合物 |
| US5693337A (en) * | 1994-07-13 | 1997-12-02 | Wakamoto Pharmaceutical Co., Ltd. | Stable lipid emulsion |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS4888220A (ja) * | 1972-03-04 | 1973-11-19 | ||
| JPS54122719A (en) * | 1978-03-16 | 1979-09-22 | Sankyo Co Ltd | Carcinostatic agent for oral administration |
| JPS5716818A (en) * | 1981-04-25 | 1982-01-28 | Green Cross Corp:The | Steroid fatty emulsion |
-
1982
- 1982-12-28 JP JP22938882A patent/JPS59122423A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS59122423A (ja) | 1984-07-14 |
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