JPH0522917Y2 - - Google Patents
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- JPH0522917Y2 JPH0522917Y2 JP1986076683U JP7668386U JPH0522917Y2 JP H0522917 Y2 JPH0522917 Y2 JP H0522917Y2 JP 1986076683 U JP1986076683 U JP 1986076683U JP 7668386 U JP7668386 U JP 7668386U JP H0522917 Y2 JPH0522917 Y2 JP H0522917Y2
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- ecd
- lower electrode
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Description
〔産業上の利用分野〕
本考案は、表示部を大きくした新規なエレクト
ロクロミツク素子(以下、「エレクトロクロミツ
ク」をECと略称し、EC素子をECDと略称する)
に関するものである。 〔従来の技術〕 ECDは、一般には少なくとも一方が透明な一
対の電極層とそれらの間にサンドイツチされた
EC層からなる。このECDは、乾電池から得られ
る程度の電圧を一対の電極間に印加すると、発色
し、逆の電圧を印加すると消色して元の無色透明
に戻る。そのためECDは表示装置特に「日」の
字型のセブンセグメントを用いた数字表示装置、
透過又は反射光量の制御装置、その他に利用すべ
く盛んに研究されている。 EC材料例えばWO3が発色するには、電子(e-)
とカチオン(X-)の同時注入が必要とされ、発
色・消色に伴う反応式は、次のように信じられて
いる。 消色状態:WO3+ne-+nX+ ↑↓ 発色状態:XnWO3 そして、カチオン(X+)としては、イオン半
径の小さく移動の容易なH+やLi+が主として利用
されている。カチオン(X+)は常時カチオンで
ある必要はなく、電圧が印加されて電場が形成さ
れたときカチオンが生じればよいので、特にH+
の場合には水がカチオン供給源として使用され
る。水は極く微量で充分であるらしく、ECDを
大気中にさらしたときに大気中から自然に層内に
侵入する程度の水分でしばしば間に合う。 しかしながら、単にWO3層を一対の電極で挾
んで電圧を印加して発色させても、容易に消色す
ることが出来ない。何故ならば、消色しようとし
て逆電圧を印加しても陰極に接した電極側から電
子(e-)が流入してくるので、もしH+があれば、 WO3+ne-+nH+→HnWO3 の反応が起こつて発色するからである。 そのため、S.K.Debらは、WO3層と一方の電極
との間に絶縁層例えばSiO2,MgF2を設けたECD
を提案した(特公昭52−46098)。この絶縁層は、
電子の移動はできないが、H+やOH-のようなイ
オンの移動は自由であり、このH+やOH-イオン
が電気を運び(この意味で絶縁層と呼ぶのは誤り
でイオン導電層と呼ぶのが正しい)、OH-イオン
が陽極との界面で OH-→1/2H2O+1/4O2↑+e- の反応式に従つて反応し、電子を陽極側に放出し
ているものと思われる。 つまり発色時には、 陰極側:WO3+ne-+nH+→HnWO3 陽極側:nOH-→n/2H2O+n/4O2↑+ne- という反応が推定され、消色時には、 陽極側:HnWO3→WO3+ne-+nH+ 陰極側:nH2O+ne-→nOH-+n/2H2↑ という反応が生じているものと推定されている。 これらの式からも明らかであるが、現実にもS.
K.DebらのECDは、発色・消色の駆動により水
が消費されるので大気中から速やかに水が供給さ
れないと発色しなくなり、また駆動に伴つてO2
やH2ガスが放出されるので層間剥離を生じると
いう欠点がある。 そのため、Y.Takahashiらは、イオン導電層
と電極層との間に酸化発色性EC層を設けたECD
を提案した(特開昭56−4679)。このECDは酸化
発色性EC層として例えば水酸化イリジウムを使
用したもので、WO3の発色時に陽極側で主とし
て 無色透明:Ir(OH)m+n(OH-) ↓ 着色:Ir(OH)p・qH2O+rH2O +S(e-) と反応し、WO3の消色時には陰極側で主として Ir(OH)p・qH2O+rH2O +S(e-) ↓ Ir(OH)m+n(OH-) と反応するものと推定されている。従つて、水が
再生されるので消費されてなくなることがなく、
また駆動に伴つてO2やH2ガスが放出されること
もない。 そのほか、EC層とリチウム固体電解質層とを
組み合わせたもの、EC層とプロトン含有又はプ
ロトン放出性固体ないし半固体樹脂層とを組み合
わせたものもある。 いずれにせよ、ECDの信頼性、耐久性の点か
らECDを封止することが必要である。特に水を
プロトン供給源とするECDにあつては、水を逃
がさないようにする意味から封止することが必要
である。封止には一般にエポキシ樹脂、その他の
樹脂が使用される。 ところでECDを封止した場合、一対の電極層
に駆動電源を供給しなければならないところか
ら、各々一部(取出し部という)を封止領域から
露出しており、そこに外部からの配線をボンデイ
ングする。 〔考案が解決しようとする問題点〕 ところで、従来のECDは、基板上に第1層と
して上部電極Aの電極取出し部Cと、それと隔て
て下部電極B及び下部電極に連続した下部電極の
電極取出し部B1が形成されているが、この上部
電極の電極取出し部Cと下部電極Bとの間隔が1
mm以上あつた。 そのため、実際に発色・消色する表示部の面積
が小さくなるという問題点があつた。 〔問題点を解決するための手段〕 従来、基板上に第1層として上部電極Aの電極
取出し部Cと、それと隔てて下部電極B及び下部
電極に連続した下部電極の電極取出し部B1を形
成する場合には、(1)一旦基板上全体に電極層を形
成した後ホトエツチングによりパターニングする
か、又は(2)マスク蒸着するかのいずれかの方法に
より形成していた。 本考案者らは、これらの方法に代えて、一旦基
板上全体に電極層を形成した後、レーザーカツテ
イングにより上部電極の取出し部Cと下部電極B
との間の溝(又は間隔)を形成することを着想
し、実験したところ、溝の間隔を極めて容易に
0.3mm以下好ましくは0.1mm以下にすることがで
き、その結果、表示部を大きくすることができる
ことを考案し、本考案を成すに至つた。 従つて、本考案は、電極層を最初に共通に成膜
後、レーザーカツテイングにより、この電極層に
設けた溝を介して隔てた上部電極Aの電極取り出
し部Cと下部電極B、及び下部電極に連続した下
部電極の電極取出し部B1が形成された基板の上
に、少なくともエレクトロクロミツク層F及び上
部電極Aを積層してなるエレクトロクロミツク素
子に於いて、前記エレクトロクロミツク層Fを前
記溝の間にかかるように形成し、また 前記上部電極の電極取出し部Cと下部電極Bと
の溝間隔を30μm以上0.3mm以下にしたことを特徴
とするエレクトロクロミツク素子を提供する。 〔作用〕 外部配線とのボンデイングの都合上、上部電極
Aの電極取出し部Cの幅を小さくすることは出来
ないので、本考案に従い、電極取出し部Cと下部
電極Bとの間隔を0.3mm以下にすることにより、
下部電極Bを取出し部C側に近づけることがで
き、それだけ表示部の面積を大きくすることがで
きる。なお、余り近づけると両者の間で短絡する
恐れがあるので30μm以上離すことが好ましい。 本考案に使用される電極A,B並びに電極取り
出し部C,B1の材料としては、Al,Ag,Ni,
Pt,Au,Pd,Cr,Ir,Ru,Rhなどの金属、
SnO2,In2O3,ITO(SnO2とIn2O3の混合物)ZnO
などの透明導電性酸化物、炭素などが選択使用さ
れる。 電極の形成ないし積層法としては、一般には真
空蒸着、反応性蒸着、イオンプレーテイング、反
応性イオンプレーテイング、スパツタリング、反
応性スパツタリング、CVDなどの薄膜形成法が
用いられる。場合によつては、厚膜法(有機金属
化合物例えば金属アルコラート又はそのオリゴマ
ーの溶液を塗布し、焼成して被膜を形成する)で
形成してもよい。 電極の膜厚としては、透明導電性酸化物の場合
には抵抗値にもよるが一般には0.01〜0.5μmが適
当であり、金属の場合には8×10-5〜10-1mmが適
当である。 こうして基板全体に電極層を形成した後、レー
ザーカツテイングにより、上部電極Aの取出し部
Cと下部電極Bとの間に溝を設け、これにより、
両者のパターニングを完了する。なお、下部電極
Bの取出し部B1は、溝とは反対方向に存在し、
下部電極Bとその取出し部B1とは連続した一層
の電極層であり、位置及び概念において区別され
る。 EC層Fとしては、主として還元発色型又は酸
化発色型EC材料が用いられる。還元発色型EC材
料としては、例えばWO3又はMoO3などの無機酸
化物のほか有機材料を使用することもできる。酸
化発色型EC材料としては、水酸化又は酸化イリ
ジウム、同じくニツケル、同じくクロム、同じく
バナジウム、同じくルテニウム、同じくロジウム
などの無機物のほか有機材料が使用される。 EC層Fは、単独でも又は還元発色型EC層と酸
化発色型EC層との2重層でも、或いはこれにイ
オン導電層を併用したものでもよい。最も好まし
い構造は、還元発色型EC層/イオン導電層/酸
化発色型EC層(又は明確な発色は認められない
ものの可逆的に電解酸化するものでもよい)の3
層構造である。 これらのEC層は、一般にそれぞれ0.01〜数μ
mの厚さに形成される。形成法としては、主とし
て前述の薄膜形成法が用いられる。 場合によつて、設けてもよいイオン導電層は、
電子に対して絶縁体であるが、プロトン(H+)
及びヒドロキシイオン(OH-)に対しては良導
体である。これは、本考案のECDにメモリ性即
ち発色させた後、電圧印加を止めても、発色状態
が保持される性質をもたせるために、必要に応じ
て設けられるもので、その具体的材料としては次
のものが例示される。 無機誘電体薄膜例えば酸化タンタル(Ta2
O5)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化ジルコニウ
ム(ZrO2)、酸化チタン(TiO2)酸化ハフニウ
ム(HfO2)、酸化イツトリウム(Y2O3)酸化
ランタン(La2O3)、酸化珪素(SiO2)フツ化
マグネシウム、リン酸ジルコニウムあるいはこ
れらの混合物質(これらの物質は、電子に対し
て絶縁体であるが、プロトン(H+)及びヒド
ロキシイオン(OH-)に対しては良導体であ
る。)全固体タイプのECD特に薄膜タイプの
ECDは、厚さを極めて薄くでき、しかも液も
れの心配がない利点があり、その場合にはイオ
ン導電層として、この無機誘電体を選ぶことが
好ましい; 塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリ
ウム、臭化カリウム、Na3Zr2Si2PO12,Na1+
xZrSixP3−xO12,Na5YSi4O12,RbAg4I5等の
固体電解質; 水又はプロトン供給源含有合成樹脂、例えば
メタクリル酸β−ヒドロキシエチルと2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸と
の共重合体、含水メタクリル酸メチル共重合体
のような含水ビニル重合体、含水ポリエステル
など; 電解液、例えば硫酸、塩酸、リン酸、酢酸、
酪酸、しゆう酸のような酸またはその水溶液、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなア
ルカリの水溶液、塩化ナトリウム、塩化リチウ
ム、塩化カリウム、硫酸リチウムのような固体
強電解質の水溶液; 半固体ゲル電解質、例えば電解質水溶液をゲ
ル化剤例えばポリビニルアルコール、CMC、
寒天、ゼラチン等でゲル化させたもの; などが挙げられる。 従つて、イオン導電層は、真空薄膜形成技術、
厚膜法、封入、流入、塗布、その他の手段で形成
され、厚さは材料によつて0.01μm〜1mm位まで
様々となる。 更に場合により、酸化発色性EC層ないし可逆
的電解酸化性層ないし触媒層を使用してもよく、
それには例えば酸化ないし水酸化イリジウム、同
じくニツケル、同じくクロム、同じくバナジウ
ム、同じくルテニウム、同じくロジウムなどが挙
げられる。これらの物質は他の透明なイオン導電
体層又は透明電極中に分散されていても良い。 以下、実施例により本考案を詳細に説明する。 (実施例) 第1図は、実施例のECDの断面図であり、こ
のECDの製造工程を第2A図(平面図)及び第
2B図(第2A図のA視断面端面図)に示す。 (1) ガラス基板S上にITO膜を形成し、次に、照
射位置における光束直径が50μmのYAGレーザ
ー(平均パワー400mW;Qスイツチ1kHz;波
長1.06μm)を照射しながら、これをスキヤン
速度5cm/秒で移動させることにより、上部電
極の取出し部Cと下部電極Bとの間の溝を形成
した。これよにり上部電極の取出し部Cと下部
電極Bと下部電極の取出し部B1が形成される
(第2A図及び第2B図参照)。なお、下部電極
Bとのその取出し部B1は一連につながつてお
り、そこには物理的な境界はなく位置及び概念
に於いて分けられているにすぎない。 レーザーカツテイングによるパターニング
は、ホトエツチングに比べ工程が簡単でECD
の製造コストが安く済む。また、容易に細い溝
を形成することができるので、表示部を大きく
とることが可能になる。 (2) 次に酸化イリジウム−酸化スズ混合層D、酸
化タンタル層E及び酸化タングステン層Fを順
に積層した(第2A図2及び第2B図2参照)。 (3) その上にAl電極Aを形成した(第2A図3
及び第2B図3参照)。この場合、Al電極Aの
一部が既に形成された取出し電極Cの一端と接
触するようにする。 (4) 最後の取出し部Cの外縁に当る一部及び電極
Bの外縁に当る一部を除いてエポキシ樹脂Rで
封止すると同時に、エポキシ樹脂の上に基板ガ
ラスSより小さめの保護ガラス板Gを接着させ
ることによりECDを作製した(第1図参照)。 尚、各層ないし各膜の製造方法及び製造条件を
次の第1表に示す。 こうして作製したECDは、封止領域R外に露
出しているのは、ITO電極Cの一部及びITO電極
B1の一部であり、そこにそれぞれ外部配線LA,
LBをボンデイングして(第3図参照)、駆動電源
Suから着色電圧(+1.35V)を印加すると、基板
S側から入射させた波長633nmの光Lに対し反射
率が15%に減少し(1秒後)、この反射率は電圧
印加を止めても、しばらく保たれた。今度は消色
電圧(−1.35V)を印加すると、同じく反射率は
65%に回復した(1秒後)。 このECDを70℃の温水中に100時間浸漬した
が、電極B,Cは基板Sから剥離せず、ほぼ同様
の性能を示した。
ロクロミツク素子(以下、「エレクトロクロミツ
ク」をECと略称し、EC素子をECDと略称する)
に関するものである。 〔従来の技術〕 ECDは、一般には少なくとも一方が透明な一
対の電極層とそれらの間にサンドイツチされた
EC層からなる。このECDは、乾電池から得られ
る程度の電圧を一対の電極間に印加すると、発色
し、逆の電圧を印加すると消色して元の無色透明
に戻る。そのためECDは表示装置特に「日」の
字型のセブンセグメントを用いた数字表示装置、
透過又は反射光量の制御装置、その他に利用すべ
く盛んに研究されている。 EC材料例えばWO3が発色するには、電子(e-)
とカチオン(X-)の同時注入が必要とされ、発
色・消色に伴う反応式は、次のように信じられて
いる。 消色状態:WO3+ne-+nX+ ↑↓ 発色状態:XnWO3 そして、カチオン(X+)としては、イオン半
径の小さく移動の容易なH+やLi+が主として利用
されている。カチオン(X+)は常時カチオンで
ある必要はなく、電圧が印加されて電場が形成さ
れたときカチオンが生じればよいので、特にH+
の場合には水がカチオン供給源として使用され
る。水は極く微量で充分であるらしく、ECDを
大気中にさらしたときに大気中から自然に層内に
侵入する程度の水分でしばしば間に合う。 しかしながら、単にWO3層を一対の電極で挾
んで電圧を印加して発色させても、容易に消色す
ることが出来ない。何故ならば、消色しようとし
て逆電圧を印加しても陰極に接した電極側から電
子(e-)が流入してくるので、もしH+があれば、 WO3+ne-+nH+→HnWO3 の反応が起こつて発色するからである。 そのため、S.K.Debらは、WO3層と一方の電極
との間に絶縁層例えばSiO2,MgF2を設けたECD
を提案した(特公昭52−46098)。この絶縁層は、
電子の移動はできないが、H+やOH-のようなイ
オンの移動は自由であり、このH+やOH-イオン
が電気を運び(この意味で絶縁層と呼ぶのは誤り
でイオン導電層と呼ぶのが正しい)、OH-イオン
が陽極との界面で OH-→1/2H2O+1/4O2↑+e- の反応式に従つて反応し、電子を陽極側に放出し
ているものと思われる。 つまり発色時には、 陰極側:WO3+ne-+nH+→HnWO3 陽極側:nOH-→n/2H2O+n/4O2↑+ne- という反応が推定され、消色時には、 陽極側:HnWO3→WO3+ne-+nH+ 陰極側:nH2O+ne-→nOH-+n/2H2↑ という反応が生じているものと推定されている。 これらの式からも明らかであるが、現実にもS.
K.DebらのECDは、発色・消色の駆動により水
が消費されるので大気中から速やかに水が供給さ
れないと発色しなくなり、また駆動に伴つてO2
やH2ガスが放出されるので層間剥離を生じると
いう欠点がある。 そのため、Y.Takahashiらは、イオン導電層
と電極層との間に酸化発色性EC層を設けたECD
を提案した(特開昭56−4679)。このECDは酸化
発色性EC層として例えば水酸化イリジウムを使
用したもので、WO3の発色時に陽極側で主とし
て 無色透明:Ir(OH)m+n(OH-) ↓ 着色:Ir(OH)p・qH2O+rH2O +S(e-) と反応し、WO3の消色時には陰極側で主として Ir(OH)p・qH2O+rH2O +S(e-) ↓ Ir(OH)m+n(OH-) と反応するものと推定されている。従つて、水が
再生されるので消費されてなくなることがなく、
また駆動に伴つてO2やH2ガスが放出されること
もない。 そのほか、EC層とリチウム固体電解質層とを
組み合わせたもの、EC層とプロトン含有又はプ
ロトン放出性固体ないし半固体樹脂層とを組み合
わせたものもある。 いずれにせよ、ECDの信頼性、耐久性の点か
らECDを封止することが必要である。特に水を
プロトン供給源とするECDにあつては、水を逃
がさないようにする意味から封止することが必要
である。封止には一般にエポキシ樹脂、その他の
樹脂が使用される。 ところでECDを封止した場合、一対の電極層
に駆動電源を供給しなければならないところか
ら、各々一部(取出し部という)を封止領域から
露出しており、そこに外部からの配線をボンデイ
ングする。 〔考案が解決しようとする問題点〕 ところで、従来のECDは、基板上に第1層と
して上部電極Aの電極取出し部Cと、それと隔て
て下部電極B及び下部電極に連続した下部電極の
電極取出し部B1が形成されているが、この上部
電極の電極取出し部Cと下部電極Bとの間隔が1
mm以上あつた。 そのため、実際に発色・消色する表示部の面積
が小さくなるという問題点があつた。 〔問題点を解決するための手段〕 従来、基板上に第1層として上部電極Aの電極
取出し部Cと、それと隔てて下部電極B及び下部
電極に連続した下部電極の電極取出し部B1を形
成する場合には、(1)一旦基板上全体に電極層を形
成した後ホトエツチングによりパターニングする
か、又は(2)マスク蒸着するかのいずれかの方法に
より形成していた。 本考案者らは、これらの方法に代えて、一旦基
板上全体に電極層を形成した後、レーザーカツテ
イングにより上部電極の取出し部Cと下部電極B
との間の溝(又は間隔)を形成することを着想
し、実験したところ、溝の間隔を極めて容易に
0.3mm以下好ましくは0.1mm以下にすることがで
き、その結果、表示部を大きくすることができる
ことを考案し、本考案を成すに至つた。 従つて、本考案は、電極層を最初に共通に成膜
後、レーザーカツテイングにより、この電極層に
設けた溝を介して隔てた上部電極Aの電極取り出
し部Cと下部電極B、及び下部電極に連続した下
部電極の電極取出し部B1が形成された基板の上
に、少なくともエレクトロクロミツク層F及び上
部電極Aを積層してなるエレクトロクロミツク素
子に於いて、前記エレクトロクロミツク層Fを前
記溝の間にかかるように形成し、また 前記上部電極の電極取出し部Cと下部電極Bと
の溝間隔を30μm以上0.3mm以下にしたことを特徴
とするエレクトロクロミツク素子を提供する。 〔作用〕 外部配線とのボンデイングの都合上、上部電極
Aの電極取出し部Cの幅を小さくすることは出来
ないので、本考案に従い、電極取出し部Cと下部
電極Bとの間隔を0.3mm以下にすることにより、
下部電極Bを取出し部C側に近づけることがで
き、それだけ表示部の面積を大きくすることがで
きる。なお、余り近づけると両者の間で短絡する
恐れがあるので30μm以上離すことが好ましい。 本考案に使用される電極A,B並びに電極取り
出し部C,B1の材料としては、Al,Ag,Ni,
Pt,Au,Pd,Cr,Ir,Ru,Rhなどの金属、
SnO2,In2O3,ITO(SnO2とIn2O3の混合物)ZnO
などの透明導電性酸化物、炭素などが選択使用さ
れる。 電極の形成ないし積層法としては、一般には真
空蒸着、反応性蒸着、イオンプレーテイング、反
応性イオンプレーテイング、スパツタリング、反
応性スパツタリング、CVDなどの薄膜形成法が
用いられる。場合によつては、厚膜法(有機金属
化合物例えば金属アルコラート又はそのオリゴマ
ーの溶液を塗布し、焼成して被膜を形成する)で
形成してもよい。 電極の膜厚としては、透明導電性酸化物の場合
には抵抗値にもよるが一般には0.01〜0.5μmが適
当であり、金属の場合には8×10-5〜10-1mmが適
当である。 こうして基板全体に電極層を形成した後、レー
ザーカツテイングにより、上部電極Aの取出し部
Cと下部電極Bとの間に溝を設け、これにより、
両者のパターニングを完了する。なお、下部電極
Bの取出し部B1は、溝とは反対方向に存在し、
下部電極Bとその取出し部B1とは連続した一層
の電極層であり、位置及び概念において区別され
る。 EC層Fとしては、主として還元発色型又は酸
化発色型EC材料が用いられる。還元発色型EC材
料としては、例えばWO3又はMoO3などの無機酸
化物のほか有機材料を使用することもできる。酸
化発色型EC材料としては、水酸化又は酸化イリ
ジウム、同じくニツケル、同じくクロム、同じく
バナジウム、同じくルテニウム、同じくロジウム
などの無機物のほか有機材料が使用される。 EC層Fは、単独でも又は還元発色型EC層と酸
化発色型EC層との2重層でも、或いはこれにイ
オン導電層を併用したものでもよい。最も好まし
い構造は、還元発色型EC層/イオン導電層/酸
化発色型EC層(又は明確な発色は認められない
ものの可逆的に電解酸化するものでもよい)の3
層構造である。 これらのEC層は、一般にそれぞれ0.01〜数μ
mの厚さに形成される。形成法としては、主とし
て前述の薄膜形成法が用いられる。 場合によつて、設けてもよいイオン導電層は、
電子に対して絶縁体であるが、プロトン(H+)
及びヒドロキシイオン(OH-)に対しては良導
体である。これは、本考案のECDにメモリ性即
ち発色させた後、電圧印加を止めても、発色状態
が保持される性質をもたせるために、必要に応じ
て設けられるもので、その具体的材料としては次
のものが例示される。 無機誘電体薄膜例えば酸化タンタル(Ta2
O5)、酸化ニオブ(Nb2O5)、酸化ジルコニウ
ム(ZrO2)、酸化チタン(TiO2)酸化ハフニウ
ム(HfO2)、酸化イツトリウム(Y2O3)酸化
ランタン(La2O3)、酸化珪素(SiO2)フツ化
マグネシウム、リン酸ジルコニウムあるいはこ
れらの混合物質(これらの物質は、電子に対し
て絶縁体であるが、プロトン(H+)及びヒド
ロキシイオン(OH-)に対しては良導体であ
る。)全固体タイプのECD特に薄膜タイプの
ECDは、厚さを極めて薄くでき、しかも液も
れの心配がない利点があり、その場合にはイオ
ン導電層として、この無機誘電体を選ぶことが
好ましい; 塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリ
ウム、臭化カリウム、Na3Zr2Si2PO12,Na1+
xZrSixP3−xO12,Na5YSi4O12,RbAg4I5等の
固体電解質; 水又はプロトン供給源含有合成樹脂、例えば
メタクリル酸β−ヒドロキシエチルと2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸と
の共重合体、含水メタクリル酸メチル共重合体
のような含水ビニル重合体、含水ポリエステル
など; 電解液、例えば硫酸、塩酸、リン酸、酢酸、
酪酸、しゆう酸のような酸またはその水溶液、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなア
ルカリの水溶液、塩化ナトリウム、塩化リチウ
ム、塩化カリウム、硫酸リチウムのような固体
強電解質の水溶液; 半固体ゲル電解質、例えば電解質水溶液をゲ
ル化剤例えばポリビニルアルコール、CMC、
寒天、ゼラチン等でゲル化させたもの; などが挙げられる。 従つて、イオン導電層は、真空薄膜形成技術、
厚膜法、封入、流入、塗布、その他の手段で形成
され、厚さは材料によつて0.01μm〜1mm位まで
様々となる。 更に場合により、酸化発色性EC層ないし可逆
的電解酸化性層ないし触媒層を使用してもよく、
それには例えば酸化ないし水酸化イリジウム、同
じくニツケル、同じくクロム、同じくバナジウ
ム、同じくルテニウム、同じくロジウムなどが挙
げられる。これらの物質は他の透明なイオン導電
体層又は透明電極中に分散されていても良い。 以下、実施例により本考案を詳細に説明する。 (実施例) 第1図は、実施例のECDの断面図であり、こ
のECDの製造工程を第2A図(平面図)及び第
2B図(第2A図のA視断面端面図)に示す。 (1) ガラス基板S上にITO膜を形成し、次に、照
射位置における光束直径が50μmのYAGレーザ
ー(平均パワー400mW;Qスイツチ1kHz;波
長1.06μm)を照射しながら、これをスキヤン
速度5cm/秒で移動させることにより、上部電
極の取出し部Cと下部電極Bとの間の溝を形成
した。これよにり上部電極の取出し部Cと下部
電極Bと下部電極の取出し部B1が形成される
(第2A図及び第2B図参照)。なお、下部電極
Bとのその取出し部B1は一連につながつてお
り、そこには物理的な境界はなく位置及び概念
に於いて分けられているにすぎない。 レーザーカツテイングによるパターニング
は、ホトエツチングに比べ工程が簡単でECD
の製造コストが安く済む。また、容易に細い溝
を形成することができるので、表示部を大きく
とることが可能になる。 (2) 次に酸化イリジウム−酸化スズ混合層D、酸
化タンタル層E及び酸化タングステン層Fを順
に積層した(第2A図2及び第2B図2参照)。 (3) その上にAl電極Aを形成した(第2A図3
及び第2B図3参照)。この場合、Al電極Aの
一部が既に形成された取出し電極Cの一端と接
触するようにする。 (4) 最後の取出し部Cの外縁に当る一部及び電極
Bの外縁に当る一部を除いてエポキシ樹脂Rで
封止すると同時に、エポキシ樹脂の上に基板ガ
ラスSより小さめの保護ガラス板Gを接着させ
ることによりECDを作製した(第1図参照)。 尚、各層ないし各膜の製造方法及び製造条件を
次の第1表に示す。 こうして作製したECDは、封止領域R外に露
出しているのは、ITO電極Cの一部及びITO電極
B1の一部であり、そこにそれぞれ外部配線LA,
LBをボンデイングして(第3図参照)、駆動電源
Suから着色電圧(+1.35V)を印加すると、基板
S側から入射させた波長633nmの光Lに対し反射
率が15%に減少し(1秒後)、この反射率は電圧
印加を止めても、しばらく保たれた。今度は消色
電圧(−1.35V)を印加すると、同じく反射率は
65%に回復した(1秒後)。 このECDを70℃の温水中に100時間浸漬した
が、電極B,Cは基板Sから剥離せず、ほぼ同様
の性能を示した。
以上のとおり、本考案によれば、上部電極の取
出し部と、下部電極との間隔を工夫により30μm
以上0.3mm以下にしたので、表示部を大きくする
ことができる。また、本考案のECDを例えば光
量が変えられる防眩ミラーに使用すれば、表示部
の周辺部が相対的に小さくなつて美観が優れるこ
とになる。
出し部と、下部電極との間隔を工夫により30μm
以上0.3mm以下にしたので、表示部を大きくする
ことができる。また、本考案のECDを例えば光
量が変えられる防眩ミラーに使用すれば、表示部
の周辺部が相対的に小さくなつて美観が優れるこ
とになる。
第1図は、本考案の実施例にかかるECDの概
略断面図である。第2A図は、第1図のECDを
製造する各工程における半製品の平面図である。
第2B図は、第2A図の矢視断面図である。第3
図は、第1図のECDに駆動系を配線した様子を
示す説明図である。 主要部分の符号の説明、A……上部電極、B…
…下部電極、B1……下部電極の取出し部、C…
…上部電極の取出し部、F……エレクトロクロミ
ツク層、R……エポキシ樹脂又は封止領域、LA
……外部配線、LB……外部配線。
略断面図である。第2A図は、第1図のECDを
製造する各工程における半製品の平面図である。
第2B図は、第2A図の矢視断面図である。第3
図は、第1図のECDに駆動系を配線した様子を
示す説明図である。 主要部分の符号の説明、A……上部電極、B…
…下部電極、B1……下部電極の取出し部、C…
…上部電極の取出し部、F……エレクトロクロミ
ツク層、R……エポキシ樹脂又は封止領域、LA
……外部配線、LB……外部配線。
Claims (1)
- 【実用新案登録請求の範囲】 電極層を最初に共通に成膜後、レーザーカツテ
イングにより、この電極層に設けた溝を介して隔
てた上部電極の電極取り出し部と下部電極、及び
下部電極に連続した下部電極の電極取り出し部が
形成された基板の上に、少なくともエレクトロク
ロミツク層及び上部電極を積層してなるエレクト
ロクロミツク素子に於いて、 前記エレクトロクロミツク層を前記溝の間にか
かるように形成し、また前記溝間隔を30μm以上
0.3mm以下にしたことを特徴とするエレクトロク
ロミツク素子。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1986076683U JPH0522917Y2 (ja) | 1986-05-21 | 1986-05-21 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1986076683U JPH0522917Y2 (ja) | 1986-05-21 | 1986-05-21 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62188738U JPS62188738U (ja) | 1987-12-01 |
| JPH0522917Y2 true JPH0522917Y2 (ja) | 1993-06-11 |
Family
ID=30923994
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1986076683U Expired - Lifetime JPH0522917Y2 (ja) | 1986-05-21 | 1986-05-21 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0522917Y2 (ja) |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5994744A (ja) * | 1982-11-24 | 1984-05-31 | Toshiba Corp | 全固体電気発色表示素子 |
| JPS6195319A (ja) * | 1984-10-17 | 1986-05-14 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | エレクトロクロミツク表示装置 |
-
1986
- 1986-05-21 JP JP1986076683U patent/JPH0522917Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62188738U (ja) | 1987-12-01 |
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