JPH055535Y2 - - Google Patents
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- JPH055535Y2 JPH055535Y2 JP9718386U JP9718386U JPH055535Y2 JP H055535 Y2 JPH055535 Y2 JP H055535Y2 JP 9718386 U JP9718386 U JP 9718386U JP 9718386 U JP9718386 U JP 9718386U JP H055535 Y2 JPH055535 Y2 JP H055535Y2
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Description
〔産業上の利用分野〕
本考案は、新規なエレクトロクロミツク素子に
関するものである。以下、「エレクトロクロミツ
ク」をECと略称し、EC素子をECDと略称する。 〔従来の技術〕 ECDは、一般には少なくとも一方が透明な一
対の電極層とそれらの間にサンドイツチされた
EC層からなる。このECDは、乾電池から得られ
る程度の電圧を一対の電極間に印加すると、着色
し、逆の電圧を印加すると消色して元の無色透明
に戻る。そのためECDは表示装置特に「日」の
字型のセブンセグメントを用いた数字表示装置、
透過又は反射光量の制御装置、その他に利用すべ
く盛んに研究されている。 EC材料例えばWO3が着色するには、電子(e-)
とカチオン(X-)の同時注入が必要とされ、着
色・消色に伴う反応式は、次のように信じられて
いる。 消色状態:WO3+ne-+nX+ ↑↓ 着色状態:XnWO3 そして、カチオン(X+)としては、イオン半径
の小さく移動の容易なH+やLi+が主として利用さ
れている。カチオン(X+)は常時カチオンであ
る必要はなく、電圧が印加され電場が形成された
ときカチオンが生じればよいので、特にH+の場
合には水がカチオン供給源として利用される。水
は極く微量で充分であるらしく、ECDを大気中
にさらしたときに大気中から自然に層内に侵入す
る程度の水分でしばしば間に合う。 しかしながら、単にWO3層を一対の電極で挟
んで電圧を印加して着色させても、容易に消色す
ることが出来ない。何故ならば、消色しようとし
て逆電圧を印加しても陰極に接した電極側から電
子(e-)が流入してくるので、もしH+があれば、 WO3+ne-+nH+→HnWO3 の反応が起こつて着色するからである。 そのため、S.K.Debらは、WO3層と一方の電極
との間に絶縁層例えばSiO2,MgF2を設けたECD
を提案した(特公昭52−46098)。この絶縁層は、
電子の移動はできないが、H+やOH-のようなイ
オンの移動は自由であり、このH+やOH-イオン
が電気を運び(この意味で絶縁層と呼ぶのは誤り
でイオン導電層と呼ぶのが正しい)、OH-イオン
が陽極との界面で OH-→1/2H2O+1/4O2↑+e- の反応式に従つて反応し、電子を陽極側に放出し
ているものと思われる。 つまり着色時には、 陰極側:WO3+ne-+nH+→HnWO3 陽極側:nOH-→n/2H2O+n/4O2↑+ne- という反応が推定され、消色時には、 陽極側:HnWO3→WO3+ne-+nH+ 陰極側:nH2O+ne-→nOH-+n/2H2↑ という反応が生じているものと推定されている。 これらの式からも明らかであるが、現実にもS.
K.DebらのECDは、着色・消色の駆動により水
が消費されているので大気中から速やかに水が供
給されないと着色しなくなり、また駆動に伴つて
O2やH2ガスが放出されるので層間剥離を生じる
という欠点がある。 そのため、Y.Takahashiらは、イオン導電層
と電極層との間に酸化着色性EC層を設けたECD
を提案した(特開昭56−4679)。このECDは酸化
着色性EC層として例えば水酸化イリジウムを利
用したもので、WO3の着色時に陽極側で主とし
て 無色透明:Ir(OH)m+n(OH-) ↓ 着色:Ir(OH)p・qH2O+rH2O+S
(e-) と反応し、WO3の消色時には陰極側で主とし
て Ir(OH)p・qH2O+rH2O+S
(e-) ↓ Ir(OH)m+n(OH-) と反応するものと推定されている。従つて、水
が再生されるので消費されてなくなることがな
く、また駆動に伴つてO2やH2ガスが放出される
こともない。 そのほか、EC層とリチウム固体電解質層とを
組み合わせたもの、EC層とプロトン含有又はプ
ロトン放出性固体ないし半固体樹脂層とを組み合
わせたものもある。 〔考案が解決しようとする問題点〕 ところで、従来のECDは表示面積が大きい場
合に、着色又は消色を起こさせると、全体が着色
又は消色するのに時間がかかりムラが生じるとい
う問題点があつた。 従つて、本考案の目的は、このムラの問題点を
軽減することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 そのため、本考案は、ほぼ四辺形の基板上に形
成された表示面積の大きなECDに於いて、 該素子の一対の電極のうち、電気抵抗の高い電
極の取出し部を基板の隣り合う3辺に沿つてほぼ
〓の字形に低抵抗電極材料で構成し、電気抵抗の
低い電極の取出し部を基板の残りの1辺に沿つて
帯状に低抵抗電極材料で構成し、各取出し部にそ
れぞれ外部配線を接続したことを特徴とする。 〔作用〕 ECDでは、EC層を挟む一対の電極層が存在す
るが、このうち一方はEC層の着消色を視認させ
るために透明でなければならない。しかし、透明
な電極材料は現在のところ電気抵抗が高く、その
ためそれに直接外部配線を接続しても点に於いて
電荷を供給しているので、ことに電極面積が大き
い場合、電極全体に電荷が行きわたるのに時間が
かかる。そのため、着消色に時間がかかりムラが
生じるのである。 そこで、本考案では、この抵抗の高い電極側に
できるだけ大面積の低抵抗電極材料による取出し
部を設け、これに外部配線を接続することにより
高抵抗電極層への電荷の供給を点ではなく線ある
いは面−それもできるだけ大きな線あるいは面−
で行なうべく、基板の隣合う3辺にほぼ相当する
形状及び寸法を有する取出し部を設けるのであ
る。 ECDに使用される電極材料としては、Al,
Ag,Ni,Pt,Au,Pd,Cr,Ir,Ru,Rhなどの
金属及び炭素、SnO2,In2O3,ITO(SnO2とIn2
O3の混合物)、ZnOなどの透明導電性酸化物など
が選択使用される。前者は不透明であるが電気抵
抗が低く、後者は無色透明であるが電気抵抗が高
い。 電極の形成ないし積層法としては、一般には真
空蒸着、反応性蒸着、イオンプレーテイング、反
応性イオンプレーテイング、スパツタリング、反
応性スパツタリング、CVDなどの薄膜形成法が
用いられる。場合によつては、厚膜法(有機金属
化合物例えば金属アルコラート又はそのオリゴマ
ーの溶液を塗布し、焼成して被膜を形成する)で
形成してもよい。 電極の膜厚としては、透明導電性酸化物の場合
には抵抗値にもよるが一般には0.01〜0.5μmが適
当であり、金属の場合には8×10-5〜10-1mmが適
当である。 一対の電極間にサンドイツチされるEC層とし
ては、主として還元着色型又は酸化着色型EC材
料が用いられる。還元着色型EC材料としては、
例えばWO3又はMoO3などの無機酸化物のほか有
機材料を使用することもできる。酸化着色型EC
材料としては、水酸化又は酸化イリジウム、同じ
くニツケル、同じくクロム、同じくバナジウム、
同じくルテニウム、同じくロジウムなどの無機物
のほか有機材料が使用される。 EC層は、単独でも又は還元着色型EC層と酸化
着色型EC層との2重層でも、或いはこれにイオ
ン導電層を併用したものでもよい。最も好ましい
構造は、還元着色型EC層/イオン導電層/酸化
着色型EC層(又は明確な着色は認められないも
のの可逆的に電解酸化するものでもよい)の3層
構造である。 これらのEC層は、一般にそれぞれ0.01〜数μm
の厚さに形成される。形成法としては、主として
前述の薄膜形成法が用いられる。 場合によつて、設けてもよいイオン導電層は、
電子に対して絶縁体であるが、プロトン(H+)
及びヒドロキシイオン(OH-)に対しては良導
体である。これは、本考案のECDにメモリ性即
ち着色させた後、電圧印加を止めても、着色状態
が保持される性質をもたせるために、必要に応じ
て設けられるもので、その具体的材料としては次
のものが例示される。 無機誘電体薄膜例えば酸化タンタル(Ta2
O5)、酸化ニオプ(Nb2O5)、酸化ジルコニウ
ム(ZrO2)、酸化チタン(TiO2)酸化ハフニウ
ム(HfO2)、酸化イツトリウム(Y2O3)、酸化
ランタン(La2O3)酸化珪素(SiO2)、フツ化
マグネシウム、リン酸ジルコニウムあるいはこ
れらの混合物質(これらの物質は、電子に対し
て絶縁体であるが、プロトン(H+)及びヒド
ロキシイオン(OH-)に対しては良導体であ
る。)全固体タイプのECD特に薄膜タイプの
ECDは、厚さを極めて薄くでき、しかも、液
もれの心配がない利点があり、その場合にはイ
オン導電層として、この無機誘電体を選ぶこと
が望ましい; 塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリ
ウム、臭化カリウム、Na3Zr2Si2PO12,Na1+x
ZrSixP3-xO12,Na5YSi4O12,RbAg4I5等の固
体電解質; 水又はプロトン供給源含有合成樹脂、例えば
メタクリル酸β−ヒドロキシエチルと2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸と
の共重合体、含水メタクリル酸メチル共重合体
のような含水ビニル重合体、含水ポリエステル
など; 電解液、例えば硫酸、塩酸、リン酸、酢酸、
酪酸、しゅう酸のような酸またはその水溶液、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなア
ルカリの水溶液、塩化ナトリウム、塩化リチウ
ム、塩化カリウム、硫酸リチウムのような固体
強電解質の水溶液; 半固体ゲル電解質、例えば電解質水溶液をゲ
ル化剤例えばポリビニルアルコール、CMC、
寒天、ゼラチン等でゲル化させたもの; などが挙げられる。 従つて、イオン導電層は、真空薄膜形成技術、
厚膜法、封入、注入、塗布、その他の手段で形成
され、厚さは材料によつて0.01μm〜1mm位まで
様々となる。 更に場合により、酸化着色性EC層ないし可逆
的電解酸化性層ないし触媒層を使用してもよく、
それには例えば酸化ないし水酸化イリジウム、同
じニツケル、同じくクロム、同じくバナジウム、
同じくルテニウム、同じくロジウムなどが挙げら
れる。これらの物質は他の透明なイオン導電体層
又は透明電極中に分散されていても良い。 以下、実施例により本考案を詳細に説明する。 〔実施例 1〕 第1A図は、この実施例のECDの概略平面図
であり、第1B図は第1A図の矢視断面端面図で
あり、このECDの製造工程を第2A図(平面図)
及び第2B図(第2A図の矢視断面端面図)に示
す。 (1) 縦10cm×横20cmの長方形のガラス基板S上に
高抵抗のITO膜を形成し、次にホトエツチング
によりパターニングして、下部電極B、及び上
部電極の取出し部のための予備取出し部A1を
形成した(第2A図1及び第2B図1参照)。 ホトエツチングによるパターニングにかえ
て、最初から所望のパターンが得られるように
マスク蒸着その他の手段を採用してもよい。ま
た一面に電極を形成した後、ホトエツチングで
はなくレーザーカツテイングによりパターニン
グしてもよい。 (2) 次に酸化イリジウム−酸化スズ混合層D、酸
化タンタル層E及び酸化タングステン層Fを順
に積層した(第2A図2及び第2B図2参照)。 (3) その上に上部電極として低抵抗のAl電極A
をマスク蒸着により形成した(第2A図3及び
第2B図3参照)。この場合、上部電極Aの一
部が既に形成された予備取出し部A1と接触す
るようにする。 尚、各層ないし各膜の製造方法及び製造条件
を下記第1表に示す。 (4) この状態では上部電極の予備取出し部A1の
帯状の外縁部及び下部電極Bの「〓」形の外縁
部が十分な大きさで露出している。 次に低抵抗の上部電極Aの予備取出し部A1に
対しては、断面が「コ」の字形を有し基板Sの1
辺にほぼ相当する長さを有する樋状の導電性クリ
ツプCAを用意し、高抵抗の下部電極Bに対して
は、断面が「コ」の字形を有し各辺が基板の残り
の各辺にほぼ相当する長さを有する〓形の導電性
クリツプCBを用意し、第2C図に示すように、
クリツプCAは予備取出し部A1の帯状の外縁部に
装着し、クリツプCBは下部電極Bの「〓」形の
外縁部に装着することにより、それぞれの取出し
部を形成した。 このクリツプは、例えばバネ性を有する厚さが
0.05〜2mmの金属例えばりん青銅を断面が「コ」
の字形となるように折り曲げて作成されるが、高
抵抗の下部電極よりもずつと電気抵抗が低い。 最後にこれらのクリツプCA,CBにそれぞれ外
部配線LA,LBをハンダ付け又は導電性接着剤に
より接続した。 こうして得られたECDの外観及び構造を第1
A図及び第1B図に示す。外部配線の接続位置
は、第1A図に示すように正反対側にせずともよ
く、むしろ互いに最も近い位置に持つて来てもよ
関するものである。以下、「エレクトロクロミツ
ク」をECと略称し、EC素子をECDと略称する。 〔従来の技術〕 ECDは、一般には少なくとも一方が透明な一
対の電極層とそれらの間にサンドイツチされた
EC層からなる。このECDは、乾電池から得られ
る程度の電圧を一対の電極間に印加すると、着色
し、逆の電圧を印加すると消色して元の無色透明
に戻る。そのためECDは表示装置特に「日」の
字型のセブンセグメントを用いた数字表示装置、
透過又は反射光量の制御装置、その他に利用すべ
く盛んに研究されている。 EC材料例えばWO3が着色するには、電子(e-)
とカチオン(X-)の同時注入が必要とされ、着
色・消色に伴う反応式は、次のように信じられて
いる。 消色状態:WO3+ne-+nX+ ↑↓ 着色状態:XnWO3 そして、カチオン(X+)としては、イオン半径
の小さく移動の容易なH+やLi+が主として利用さ
れている。カチオン(X+)は常時カチオンであ
る必要はなく、電圧が印加され電場が形成された
ときカチオンが生じればよいので、特にH+の場
合には水がカチオン供給源として利用される。水
は極く微量で充分であるらしく、ECDを大気中
にさらしたときに大気中から自然に層内に侵入す
る程度の水分でしばしば間に合う。 しかしながら、単にWO3層を一対の電極で挟
んで電圧を印加して着色させても、容易に消色す
ることが出来ない。何故ならば、消色しようとし
て逆電圧を印加しても陰極に接した電極側から電
子(e-)が流入してくるので、もしH+があれば、 WO3+ne-+nH+→HnWO3 の反応が起こつて着色するからである。 そのため、S.K.Debらは、WO3層と一方の電極
との間に絶縁層例えばSiO2,MgF2を設けたECD
を提案した(特公昭52−46098)。この絶縁層は、
電子の移動はできないが、H+やOH-のようなイ
オンの移動は自由であり、このH+やOH-イオン
が電気を運び(この意味で絶縁層と呼ぶのは誤り
でイオン導電層と呼ぶのが正しい)、OH-イオン
が陽極との界面で OH-→1/2H2O+1/4O2↑+e- の反応式に従つて反応し、電子を陽極側に放出し
ているものと思われる。 つまり着色時には、 陰極側:WO3+ne-+nH+→HnWO3 陽極側:nOH-→n/2H2O+n/4O2↑+ne- という反応が推定され、消色時には、 陽極側:HnWO3→WO3+ne-+nH+ 陰極側:nH2O+ne-→nOH-+n/2H2↑ という反応が生じているものと推定されている。 これらの式からも明らかであるが、現実にもS.
K.DebらのECDは、着色・消色の駆動により水
が消費されているので大気中から速やかに水が供
給されないと着色しなくなり、また駆動に伴つて
O2やH2ガスが放出されるので層間剥離を生じる
という欠点がある。 そのため、Y.Takahashiらは、イオン導電層
と電極層との間に酸化着色性EC層を設けたECD
を提案した(特開昭56−4679)。このECDは酸化
着色性EC層として例えば水酸化イリジウムを利
用したもので、WO3の着色時に陽極側で主とし
て 無色透明:Ir(OH)m+n(OH-) ↓ 着色:Ir(OH)p・qH2O+rH2O+S
(e-) と反応し、WO3の消色時には陰極側で主とし
て Ir(OH)p・qH2O+rH2O+S
(e-) ↓ Ir(OH)m+n(OH-) と反応するものと推定されている。従つて、水
が再生されるので消費されてなくなることがな
く、また駆動に伴つてO2やH2ガスが放出される
こともない。 そのほか、EC層とリチウム固体電解質層とを
組み合わせたもの、EC層とプロトン含有又はプ
ロトン放出性固体ないし半固体樹脂層とを組み合
わせたものもある。 〔考案が解決しようとする問題点〕 ところで、従来のECDは表示面積が大きい場
合に、着色又は消色を起こさせると、全体が着色
又は消色するのに時間がかかりムラが生じるとい
う問題点があつた。 従つて、本考案の目的は、このムラの問題点を
軽減することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 そのため、本考案は、ほぼ四辺形の基板上に形
成された表示面積の大きなECDに於いて、 該素子の一対の電極のうち、電気抵抗の高い電
極の取出し部を基板の隣り合う3辺に沿つてほぼ
〓の字形に低抵抗電極材料で構成し、電気抵抗の
低い電極の取出し部を基板の残りの1辺に沿つて
帯状に低抵抗電極材料で構成し、各取出し部にそ
れぞれ外部配線を接続したことを特徴とする。 〔作用〕 ECDでは、EC層を挟む一対の電極層が存在す
るが、このうち一方はEC層の着消色を視認させ
るために透明でなければならない。しかし、透明
な電極材料は現在のところ電気抵抗が高く、その
ためそれに直接外部配線を接続しても点に於いて
電荷を供給しているので、ことに電極面積が大き
い場合、電極全体に電荷が行きわたるのに時間が
かかる。そのため、着消色に時間がかかりムラが
生じるのである。 そこで、本考案では、この抵抗の高い電極側に
できるだけ大面積の低抵抗電極材料による取出し
部を設け、これに外部配線を接続することにより
高抵抗電極層への電荷の供給を点ではなく線ある
いは面−それもできるだけ大きな線あるいは面−
で行なうべく、基板の隣合う3辺にほぼ相当する
形状及び寸法を有する取出し部を設けるのであ
る。 ECDに使用される電極材料としては、Al,
Ag,Ni,Pt,Au,Pd,Cr,Ir,Ru,Rhなどの
金属及び炭素、SnO2,In2O3,ITO(SnO2とIn2
O3の混合物)、ZnOなどの透明導電性酸化物など
が選択使用される。前者は不透明であるが電気抵
抗が低く、後者は無色透明であるが電気抵抗が高
い。 電極の形成ないし積層法としては、一般には真
空蒸着、反応性蒸着、イオンプレーテイング、反
応性イオンプレーテイング、スパツタリング、反
応性スパツタリング、CVDなどの薄膜形成法が
用いられる。場合によつては、厚膜法(有機金属
化合物例えば金属アルコラート又はそのオリゴマ
ーの溶液を塗布し、焼成して被膜を形成する)で
形成してもよい。 電極の膜厚としては、透明導電性酸化物の場合
には抵抗値にもよるが一般には0.01〜0.5μmが適
当であり、金属の場合には8×10-5〜10-1mmが適
当である。 一対の電極間にサンドイツチされるEC層とし
ては、主として還元着色型又は酸化着色型EC材
料が用いられる。還元着色型EC材料としては、
例えばWO3又はMoO3などの無機酸化物のほか有
機材料を使用することもできる。酸化着色型EC
材料としては、水酸化又は酸化イリジウム、同じ
くニツケル、同じくクロム、同じくバナジウム、
同じくルテニウム、同じくロジウムなどの無機物
のほか有機材料が使用される。 EC層は、単独でも又は還元着色型EC層と酸化
着色型EC層との2重層でも、或いはこれにイオ
ン導電層を併用したものでもよい。最も好ましい
構造は、還元着色型EC層/イオン導電層/酸化
着色型EC層(又は明確な着色は認められないも
のの可逆的に電解酸化するものでもよい)の3層
構造である。 これらのEC層は、一般にそれぞれ0.01〜数μm
の厚さに形成される。形成法としては、主として
前述の薄膜形成法が用いられる。 場合によつて、設けてもよいイオン導電層は、
電子に対して絶縁体であるが、プロトン(H+)
及びヒドロキシイオン(OH-)に対しては良導
体である。これは、本考案のECDにメモリ性即
ち着色させた後、電圧印加を止めても、着色状態
が保持される性質をもたせるために、必要に応じ
て設けられるもので、その具体的材料としては次
のものが例示される。 無機誘電体薄膜例えば酸化タンタル(Ta2
O5)、酸化ニオプ(Nb2O5)、酸化ジルコニウ
ム(ZrO2)、酸化チタン(TiO2)酸化ハフニウ
ム(HfO2)、酸化イツトリウム(Y2O3)、酸化
ランタン(La2O3)酸化珪素(SiO2)、フツ化
マグネシウム、リン酸ジルコニウムあるいはこ
れらの混合物質(これらの物質は、電子に対し
て絶縁体であるが、プロトン(H+)及びヒド
ロキシイオン(OH-)に対しては良導体であ
る。)全固体タイプのECD特に薄膜タイプの
ECDは、厚さを極めて薄くでき、しかも、液
もれの心配がない利点があり、その場合にはイ
オン導電層として、この無機誘電体を選ぶこと
が望ましい; 塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリ
ウム、臭化カリウム、Na3Zr2Si2PO12,Na1+x
ZrSixP3-xO12,Na5YSi4O12,RbAg4I5等の固
体電解質; 水又はプロトン供給源含有合成樹脂、例えば
メタクリル酸β−ヒドロキシエチルと2−アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸と
の共重合体、含水メタクリル酸メチル共重合体
のような含水ビニル重合体、含水ポリエステル
など; 電解液、例えば硫酸、塩酸、リン酸、酢酸、
酪酸、しゅう酸のような酸またはその水溶液、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなア
ルカリの水溶液、塩化ナトリウム、塩化リチウ
ム、塩化カリウム、硫酸リチウムのような固体
強電解質の水溶液; 半固体ゲル電解質、例えば電解質水溶液をゲ
ル化剤例えばポリビニルアルコール、CMC、
寒天、ゼラチン等でゲル化させたもの; などが挙げられる。 従つて、イオン導電層は、真空薄膜形成技術、
厚膜法、封入、注入、塗布、その他の手段で形成
され、厚さは材料によつて0.01μm〜1mm位まで
様々となる。 更に場合により、酸化着色性EC層ないし可逆
的電解酸化性層ないし触媒層を使用してもよく、
それには例えば酸化ないし水酸化イリジウム、同
じニツケル、同じくクロム、同じくバナジウム、
同じくルテニウム、同じくロジウムなどが挙げら
れる。これらの物質は他の透明なイオン導電体層
又は透明電極中に分散されていても良い。 以下、実施例により本考案を詳細に説明する。 〔実施例 1〕 第1A図は、この実施例のECDの概略平面図
であり、第1B図は第1A図の矢視断面端面図で
あり、このECDの製造工程を第2A図(平面図)
及び第2B図(第2A図の矢視断面端面図)に示
す。 (1) 縦10cm×横20cmの長方形のガラス基板S上に
高抵抗のITO膜を形成し、次にホトエツチング
によりパターニングして、下部電極B、及び上
部電極の取出し部のための予備取出し部A1を
形成した(第2A図1及び第2B図1参照)。 ホトエツチングによるパターニングにかえ
て、最初から所望のパターンが得られるように
マスク蒸着その他の手段を採用してもよい。ま
た一面に電極を形成した後、ホトエツチングで
はなくレーザーカツテイングによりパターニン
グしてもよい。 (2) 次に酸化イリジウム−酸化スズ混合層D、酸
化タンタル層E及び酸化タングステン層Fを順
に積層した(第2A図2及び第2B図2参照)。 (3) その上に上部電極として低抵抗のAl電極A
をマスク蒸着により形成した(第2A図3及び
第2B図3参照)。この場合、上部電極Aの一
部が既に形成された予備取出し部A1と接触す
るようにする。 尚、各層ないし各膜の製造方法及び製造条件
を下記第1表に示す。 (4) この状態では上部電極の予備取出し部A1の
帯状の外縁部及び下部電極Bの「〓」形の外縁
部が十分な大きさで露出している。 次に低抵抗の上部電極Aの予備取出し部A1に
対しては、断面が「コ」の字形を有し基板Sの1
辺にほぼ相当する長さを有する樋状の導電性クリ
ツプCAを用意し、高抵抗の下部電極Bに対して
は、断面が「コ」の字形を有し各辺が基板の残り
の各辺にほぼ相当する長さを有する〓形の導電性
クリツプCBを用意し、第2C図に示すように、
クリツプCAは予備取出し部A1の帯状の外縁部に
装着し、クリツプCBは下部電極Bの「〓」形の
外縁部に装着することにより、それぞれの取出し
部を形成した。 このクリツプは、例えばバネ性を有する厚さが
0.05〜2mmの金属例えばりん青銅を断面が「コ」
の字形となるように折り曲げて作成されるが、高
抵抗の下部電極よりもずつと電気抵抗が低い。 最後にこれらのクリツプCA,CBにそれぞれ外
部配線LA,LBをハンダ付け又は導電性接着剤に
より接続した。 こうして得られたECDの外観及び構造を第1
A図及び第1B図に示す。外部配線の接続位置
は、第1A図に示すように正反対側にせずともよ
く、むしろ互いに最も近い位置に持つて来てもよ
実施例1に於いて、上部電極としてのAl電極
Aをマスク蒸着する際に、マスク形状を変えて、
上部Al電極Aと、それに連続的に続く帯状の取
出し部CAと、上部電極Aとは分離した〓形の取
出し部CB−ITOでできた下部電極Bの取出し部
−を一度に形成した。従つて、ここでは、実施例
1で用いたクリツプは使用しない。 こうして得られたECDの平面図を第3A図に、
断面端面図を第3B図に示す。 〔実施例 3〕 実施例2に於いて、基板上に予め上部Al電極
Aの予備取出し部A1−ITOからなる−を設けず
に、上部電極としてのAl電極Aをマスク蒸着す
る際に、マスク形状を変えて、上部Al電極Aと、
それに連続的に続く帯状の取出し部CAと、上部
電極Aとは分離した〓形の取出し部CB−ITOで
できた下部電極Bの取出し部−を一度に形成し
た。従つて、ここでも実施例1で用いたクリツプ
は使用しない。 こうして得られたECDの断面端面図を第4図
に示す。 これらの実施例のECDは、反射光量を電気的
に制御できるので自動車の防眩ミラーとして有用
である。 〔考案の効果〕 以上の通り、本考案によれば、ECDの一対の
電極のうち高抵抗電極の方に矩形基板の隣合う3
辺に沿つて〓の形に低抵抗取出し部を形成したの
で、この取出し部に外部配線を接続することによ
り、外部配線から高抵抗電極への電荷の供給が接
触面積の大きい低抵抗取出し部を通じて行われ、
従つて、表示部の面積が大きくとも着消色の応答
速度が速く、また着消色ムラも生じ難い。
Aをマスク蒸着する際に、マスク形状を変えて、
上部Al電極Aと、それに連続的に続く帯状の取
出し部CAと、上部電極Aとは分離した〓形の取
出し部CB−ITOでできた下部電極Bの取出し部
−を一度に形成した。従つて、ここでは、実施例
1で用いたクリツプは使用しない。 こうして得られたECDの平面図を第3A図に、
断面端面図を第3B図に示す。 〔実施例 3〕 実施例2に於いて、基板上に予め上部Al電極
Aの予備取出し部A1−ITOからなる−を設けず
に、上部電極としてのAl電極Aをマスク蒸着す
る際に、マスク形状を変えて、上部Al電極Aと、
それに連続的に続く帯状の取出し部CAと、上部
電極Aとは分離した〓形の取出し部CB−ITOで
できた下部電極Bの取出し部−を一度に形成し
た。従つて、ここでも実施例1で用いたクリツプ
は使用しない。 こうして得られたECDの断面端面図を第4図
に示す。 これらの実施例のECDは、反射光量を電気的
に制御できるので自動車の防眩ミラーとして有用
である。 〔考案の効果〕 以上の通り、本考案によれば、ECDの一対の
電極のうち高抵抗電極の方に矩形基板の隣合う3
辺に沿つて〓の形に低抵抗取出し部を形成したの
で、この取出し部に外部配線を接続することによ
り、外部配線から高抵抗電極への電荷の供給が接
触面積の大きい低抵抗取出し部を通じて行われ、
従つて、表示部の面積が大きくとも着消色の応答
速度が速く、また着消色ムラも生じ難い。
第1A図は、本考案の実施例1にかかるECD
の概略平面図である。第1B図は、第1A図の概
略矢視断面端面図である。第2A図及び第2C図
は、実施例1のECDを製造する各工程における
平面図である。第2B図は、第2A図の概略矢視
断面端面図である。第3A図は、本考案の実施例
2にかかるECDの概略平面図である。第3B図
は、第3A図の概略矢視断面端面図である。第4
図は、実施例3にかかるECDの概略断面端面図
である。図面はいずれも部分的にデホルメして描
いてあり、正確な寸法比を表さない。 主要部分の符号の説明、A……上部電極、A1
……上部電極の予備取出し部、B……下部電極、
CA……上部電極の取出し部又はその一例として
の導電性クリツプ、CB……下部電極の取出し部
又はその一例としての導電性クリツプ、F……還
元着色性EC層又はその一例としてのWO3層、LA
……外部配線、LB……外部配線。
の概略平面図である。第1B図は、第1A図の概
略矢視断面端面図である。第2A図及び第2C図
は、実施例1のECDを製造する各工程における
平面図である。第2B図は、第2A図の概略矢視
断面端面図である。第3A図は、本考案の実施例
2にかかるECDの概略平面図である。第3B図
は、第3A図の概略矢視断面端面図である。第4
図は、実施例3にかかるECDの概略断面端面図
である。図面はいずれも部分的にデホルメして描
いてあり、正確な寸法比を表さない。 主要部分の符号の説明、A……上部電極、A1
……上部電極の予備取出し部、B……下部電極、
CA……上部電極の取出し部又はその一例として
の導電性クリツプ、CB……下部電極の取出し部
又はその一例としての導電性クリツプ、F……還
元着色性EC層又はその一例としてのWO3層、LA
……外部配線、LB……外部配線。
Claims (1)
- 【実用新案登録請求の範囲】 ほぼ四辺形の基板上に形成された表示面積の大
きなエレクトロクロミツク素子に於いて、 該素子の一対の電極のうち、電気抵抗の高い電
極の取出し部を基板の隣り合う3辺に沿つてほぼ
〓の字形に低抵抗電極材料で構成し、電気抵抗の
低い電極の取出し部を基板の残りの1辺に沿つて
帯状に低抵抗電極材料で構成し、各取出し部にそ
れぞれ外部配線を接続したことを特徴とするエレ
クトロクロミツク素子。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9718386U JPH055535Y2 (ja) | 1986-06-25 | 1986-06-25 | |
| GB8711708A GB2190760B (en) | 1986-05-21 | 1987-05-18 | Electrochromic element |
| IT8747954A IT1216811B (it) | 1986-05-21 | 1987-05-20 | Elemento elettrocromico |
| FR878707131A FR2599170B1 (fr) | 1986-05-21 | 1987-05-21 | Element a effet electrochrome |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9718386U JPH055535Y2 (ja) | 1986-06-25 | 1986-06-25 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS634521U JPS634521U (ja) | 1988-01-13 |
| JPH055535Y2 true JPH055535Y2 (ja) | 1993-02-15 |
Family
ID=30963868
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9718386U Expired - Lifetime JPH055535Y2 (ja) | 1986-05-21 | 1986-06-25 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH055535Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPWO2017169243A1 (ja) * | 2016-03-31 | 2019-02-28 | 株式会社村上開明堂 | 固体型ecミラーおよびその製造方法 |
-
1986
- 1986-06-25 JP JP9718386U patent/JPH055535Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS634521U (ja) | 1988-01-13 |
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