JPH052988A - 表示装置の反射防止膜形成方法 - Google Patents

表示装置の反射防止膜形成方法

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JPH052988A
JPH052988A JP15210891A JP15210891A JPH052988A JP H052988 A JPH052988 A JP H052988A JP 15210891 A JP15210891 A JP 15210891A JP 15210891 A JP15210891 A JP 15210891A JP H052988 A JPH052988 A JP H052988A
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JP15210891A
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Tsuyoshi Ishizaki
剛志 石崎
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 表示装置の反射防止膜形成方法において、表
示面のガラス基体の外表面に屈折率の異なる2層以上の
多層光学膜を形成するに際し、エチルシリケートのアル
コール溶液の溶媒に対して沸点90℃以上の水溶性アル
コールを30容量%以上を混合した塗布液を用いて最外
層を形成し、この最外層を60℃以下の水で洗浄してア
ルコール成分を除去することにより、上記最外層を凹凸
ピッチ10〜1000nm、凹凸粗さ10〜50nmの凹凸
面とし、かつ平均直径50nm以下の微細孔を内在させ
た。 【効果】 表面画像の解像度を劣化しない反射率の低い
反射防止膜を簡便な成膜法で形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、表示装置の反射防止
膜形成方法に係り、特に蛍光体スクリーンの形成された
陰極線管などの表示面のガラス基体外表面に反射防止膜
を形成する場合に有効な反射防止膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に陰極線管は、外表面が平滑なガラ
スからなるフェースプレート(ガラス基体)の内面に蛍
光体スクリーンが形成され、電子銃から放出される電子
ビームを偏向ヨークの発生する磁界により偏向して、上
記蛍光体スクリーンを水平、垂直走査することにより、
この蛍光体スクリーン上に画像を表示し、この画像をフ
ェースプレートを通して外側から見るように構成されて
いる。そのため、フェースプレートの外表面が平滑であ
ると、この外表面での外光の反射が画像と重なり、フェ
ースプレートを通して外側から見る画像の品質をいちじ
るしく劣化させる。
【0003】そのため、従来よりこの画像の劣化を防止
するために、フェースプレート外表面に反射防止膜を形
成した陰極線管がある。
【0004】この反射防止膜形成方法としては、 (イ) ガラス基体外表面に研磨剤を吹付けて凹凸にす
るサンドブラスト法、あるいは弗化水素酸により腐蝕し
て凹凸を形成する方法 (ロ) あらかじめ50〜60℃に予熱されたガラス基
体外表面にエチルシリケート(Si (OR)4 )(R:
アルキル基)のアルコール溶液を吹付けて成膜したの
ち、そのアルコール成分を蒸発させて凹凸膜とし、この
凹凸膜を焼成する方法 (ハ) ガラス基体外表面にSi O2 やMg F2 などの
微粒子をエチルシリケートのアルコール溶液に分散させ
た分散液を塗布したのち、焼成して凹凸膜を形成する方
法 (ニ) 蒸着により多層蒸着膜を形成する方法 (ホ) ガラス基体外表面に酸化物微粒子をエチルシリ
ケートのアルコール溶液または金属アルコキシド溶液に
分散させた分散液を用いて、ゾル−ゲル法により多層膜
を形成する方法などがある。
【0005】これら方法のうち、(イ)のサンドブラス
トあるいは腐蝕により凹凸を形成する方法は、フェース
プレート外表面に直接凹凸を形成する方法であるため、
陰極線管バルブの再生が不可能になること、汚れが付着
しやすいなどの問題がある。
【0006】これに対して(ロ)のエチルシリケートの
アルコール溶液を吹付けて形成する方法は、バルブの再
生が可能であり、かつ比較的容易に反射防止膜を形成す
ることができる。
【0007】しかし、これら(イ)および(ロ)の方法
は、いずれもガラス基体外表面を凹凸または外表面に凹
凸膜を形成し、その凹凸により外光を拡散させて反射を
防止するものであり、その凹凸が同時に表示画像を拡散
するため、解像度を劣化させるという問題がある。
【0008】(ハ)のSi O2 やMg F2 などの微粒子
をエチルシリケートのアルコール溶液に分散させた分散
液を塗布する方法は、特開昭64−76001号公報、
特開平1−154444号公報、特開平1−15444
5号公報、特開平2−175601号公報などに示され
ているが、その一例として、特開平1−154444号
公報に示されている反射防止膜について説明すると、図
6に示すように、この反射防止膜は、エチルシリケート
のアルコール溶液に直径10〜1000nmのSi O2
粒子を分散した分散液をガラス基体外表面にスピン塗布
法により塗布したのち、焼成して形成される。
【0009】したがって、この反射防止膜は、Si O2
微粒子1とこの微粒子1を結着するSi O2 薄膜2とか
らなり、ガラス基体3の屈折率1.52に対して屈折率
が1.47とやや低いため、反射率は、干渉効果により
若干低下するが、反射防止膜自体の反射防止効果はほと
んどないとしてよく、この反射防止膜の反射防止効果
は、Si O2 微粒子1による被覆表面の凹凸構造による
空気−薄膜間の連続的な体積比変化により低反射特性を
実現するものとなっている。
【0010】しかし、この反射防止膜は、Si O2 微粒
子1による光の拡散効果が大きく、かつ微少ではあるが
凹凸による拡散効果もあるため、解像度を劣化させる。
この解像度の劣化を軽減するためには、Si O2 微粒子
1の径小化およびSi O2 薄膜2の平滑化が有効である
が、このようにSi O2 微粒子1の径小化、SiO2
膜2の平滑化をおこなうと、反射特性の劣化をきたすよ
うになる。
【0011】また、低反射率を実現させるためには、S
i O2 微粒子1の含有量を増やし、凹凸の程度を大きく
することが必要であるが、この場合は、反射防止膜が微
細孔構造になりやすく、Si O2 微粒子−Si O2 薄膜
間の結合力が弱くなり、耐摩耗性がいちじるしく劣化す
る。
【0012】つまり、上記ようにSi O2 微粒子を使用
して干渉効果により反射を防止する反射防止膜は、解像
度および耐摩耗性の点で問題がある。
【0013】(ニ)の蒸着により形成される多層蒸着膜
の一例として、図7に屈折率n1 =1.38のMg F2
と屈折率n2 =2.06のTi O2 +Pr6 11を交互
に蒸着して4層の蒸着膜5a,5b,6a,6bを形成したAR
(Anti Refrection )パネルを示す。このARパネルの
多層蒸着膜の膜厚dは、第1層5aが930オングストロ
ーム、第2層6aが1270オングストローム、第3層5b
が290オングストローム、第4層6bが140オングス
トロームである。
【0014】このような多層蒸着膜を用いると、干渉効
果により正反射率を0.1以下にすることができる。し
かしこの多層蒸着膜は、画面の大きい大形陰極線管など
に適用しようとすると、大規模な製造設備が必要とな
り、製造コストが高くなるという問題がある。
【0015】(ホ)のゾル−ゲル法では、所望の酸化物
微粒子をエチルシリケートのアルコール溶液またはTi
、Sn などの金属アルコキシド溶液に分散させた液を
ガラス基体外表面にスプレー、スピン、ディップ、ロー
ル法などの方法により塗布し、焼成して形成される。
【0016】この方法により形成される多層膜は、上記
多層蒸着膜と同様の効果を有するが、膜構造が高屈折率
または低屈折率の酸化物微粒子と屈折率n=1.46程
度のSi O2 微粒子との混合状態にあるため、膜自体の
屈折率が高屈折率または低屈折率酸化物微粒子の屈折率
にくらべて、低屈折率酸化物微粒子の場合は高く、高屈
折率酸化物微粒子の場合は低くなり、またその屈折率が
酸化物微粒子の含有量によって変化する。
【0017】一般に低反射特性の多層膜は、nを屈折
率、dを膜厚、λを可視域の中心波長(550nm)とす
るとき、n×d=λ/4を満足するように低屈折率膜と
高屈折率膜とを組合わせて形成される。
【0018】たとえば2層構造の多層膜の場合、上層の
第1層をエチルシリケートのアルコール溶液に最も屈折
率の低いMg F2 微粒子(n=1.38)を分散させた
分散液を使用して形成したとすると、この場合の膜の屈
折率は1.40が限度であるため、低反射特性を実現さ
せるためには、この上層の屈折率が限度の1.40の場
合、下層の第2層の屈折率を1.73にしなければなら
ない。このようにゾル−ゲル法で多層膜を形成する場合
は、低屈折率膜の屈折率が1.40以上となるため、高
屈折率膜の屈折率を1.70以上にしなければならず、
所望の屈折率を得るためには、微粒子の含有量を多くし
なければならない。その結果、膜中のSi O2 結合(微
粒子−Si O2 薄膜間の結合)が低下し、耐摩耗性が大
幅に劣化する。この耐摩耗性を向上させるためには、5
00℃以上の高温焼成が必要となり、製造上の困難をと
もなう。特に金属アルコキシドの場合は、500℃以上
の高温焼成で所望の屈折膜が得られるが、それでもなお
耐摩耗性は低い。
【0019】なお、このゾル−ゲル法については、2層
膜の場合について述べたが、反射特性としては、より多
層にすることにより低反射率化でき、また低反射域広帯
域化することができる。
【0020】しかし、このゾル−ゲル法は、上述のよう
に反射特性および耐摩耗性に問題があり、さらに画面の
大きい大形陰極線管に対しては、膜厚を均一にする制御
が困難であり、それらを改善するためには、製造設備な
どでコスト高になりやすいという問題がある。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来よ
り表示装置の反射防止膜形成方法には、(イ)サンドブ
ラストや腐蝕によりガラス基体に直接凹凸を形成する方
法、(ロ)エチルシリケートのアルコール溶液を用いて
凹凸膜を形成する方法、(ハ)Si O2 やMg F2 など
の微粒子をエチルシリケートのアルコール溶液に分散さ
せた分散液を用いて凹凸膜を形成する方法、(ニ)蒸着
により多層蒸着膜を形成する方法、(ホ)ゾル−ゲル法
により多層膜を形成する方法など、各種方法があるが、
それぞれバルブの再生、解像度、反射特性、耐摩耗性な
どに問題がある。
【0022】この発明は、上記従来の問題点に鑑みてな
されたものであり、低反射率かつ低反射域広帯域であ
り、表示画面の解像度の劣化がほとんどない反射防止膜
を比較的簡単に形成しうるようにすることを目的とす
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】表示装置の反射防止膜形
成方法において、表示面のガラス基体の外表面に屈折率
の異なる2層以上の多層光学膜を形成するに際し、エチ
ルシリケートのアルコール溶液の溶媒に対して沸点90
℃以上の水溶性アルコールを30容量%を混合した塗布
液を用いて最外層を形成し、この最外層を60℃以下の
水で洗浄してアルコール成分を除去することにより、最
外層の表面を凹凸ピッチ10〜1000nm、凹凸粗さ1
0〜50nmの凹凸面とし、かつ平均直径50nm以下の微
細孔を内在させた。
【0024】
【作用】上記のように、最外層の表面を凹凸ピッチ10
〜1000nm、凹凸粗さ10〜50nmの凹凸面としかつ
平均直径50nm以下の微細孔を内在させると、最外層の
屈折率は、微細孔による空気と膜との体積比および微細
凹凸による空気と最外層との連続的な体積比変化の2つ
の効果により、通常の光学媒質では実現しえない値まで
低下させ、広帯域かつ低反射率の反射スペクトルを示す
反射防止膜とすることができ、かつ反射スペクトルが広
帯域であることから、膜厚制御が不十分な簡便な成膜法
で形成しても、膜厚のばらつきによる反射率の変化を軽
度に抑えることができる。
【0025】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例に基
づいて説明する。
【0026】図1にその一実施例に係るカラー受像管を
示す。このカラー受像管は、ガラス製パネル(ガラス基
体)10およびこのパネル10に一体に接合されたファンネ
ル11からなる外囲器を有し、そのパネル10内面に、ドッ
ト状またはストライプ状の3色蛍光体層からなる蛍光体
スクリーン12が形成され、この蛍光体スクリーン12に対
向して、その内側にシャドウマスク13が装着されてい
る。またファンネル11のネック14内に電子銃15が配設さ
れている。そしてこの電子銃15から放出される3電子ビ
ームをファンネル11の外側に装着される偏向ヨーク(図
示せず)の発生する磁界により偏向して、上記蛍光体ス
クリーン12を水平、垂直走査することにより、この蛍光
体スクリーン12上にカラー画像を表示する構造に形成さ
れており、ガラス製パネル10が表示面の基体となってい
る。
【0027】そして、このカラー受像管においては、上
記パネル10の外表面に反射防止膜16が形成されている。
この反射防止膜16は、図2に示すように、上下2層17,
18の積層構造からなり、平均粒径50nm未満の高屈折率
酸化物19、たとえばTi O2 ,Si O2 ,Zn O2 ,S
n O2 ,In2 3 などの微粒子をSi O2 で結着した
膜厚d=λ/4n (λ=550nm)を満足する下層
(第2層)17と、凹凸ピッチPが100〜1000nm、
表面粗さhが10〜50nmの凹凸面をもち、かつ均一に
分散した平均直径45nm以下の微細孔20を内在する平均
膜厚d=λ/4n(λ=550nm)を満足するSn O2
からなる上層(第1層)18とからなる。この上層の屈折
率nは、微細孔を内在しないSi O2 平滑膜の屈折率n
が1.46であるのに対し、微細孔20による空気と膜と
の体積比、および微細凹凸による空気と外表面との連続
的な体積比変化により、屈折率nが1.32程度となっ
ている。
【0028】この反射防止膜16は、図3に示す工程によ
り形成される。すなわち、(a)は全工程を示す図であ
り、(b)乃至(f)はその主要工程の説明図である。
【0029】まず、同(b)に示すガラス基体10の外表
面を酸化セリウムあるいはNa OH水溶液などのアルカ
リ洗剤で洗浄して汚れを除去するとともに、外表面を活
性化する。そしてその外表面を20〜40℃に余熱す
る。
【0030】この余熱温度は、その後この外表面上に形
成する下層の膜厚を、d=λ/4n程度とし、かつ均一
な膜厚を得る上に必要な温度である。この場合、外表面
の温度が20℃未満であると、下層を形成するために塗
布する分散液のアルコール成分の蒸発が遅れ、周辺部に
液溜りができやすくなり、形成される下層の膜厚の均一
性が欠ける。また40℃を越えると、分散液中の溶媒の
蒸発速度が速くなりすぎて、中央部膜厚が厚く、周辺部
膜厚が薄くなり、膜厚の均一性が悪化する。
【0031】つぎに、上記余熱したガラス基体10の外表
面に、エチルシリケートのアルコール溶液に平均粒径5
0nm未満のTi O2 、Si O2 、Zn O2 、Sn O2
In2 3 などの高屈折率酸化物微粒子19を安定に分散
させた分散液をスピン法により塗布し、その後、20〜
40℃にて乾燥し、同(c)に示すように、高屈折率酸
化物微粒子20を含有する膜厚d=λ/4n程度の下層を
形成するためのエチルシリケート膜21を形成する。
【0032】この場合、膜厚をd=λ/4n程度の下層
にするためには、エチルシリケートのアルコール溶液に
対する高屈折率酸化物微粒子19の添加量を1〜3%とす
ることが必要である。高屈折率酸化物微粒子19の添加量
が1%未満では、塗布するときの回転速度を遅くして
も、ガラス基体10全面での膜厚制御が困難となる。また
3%を越えると、ガラス基体10の外表面に対する分散液
の濡れ性が悪くなり、放射状の塗りむらが発生し、均一
な平滑膜とならなくなる。また、上記分散液塗布後の2
0〜40℃での乾燥は、その後この高屈折率酸化物微粒
子19を含有するエチルシリケート膜21上に塗布する上層
を形成するための分散液の濡れ性を良好にするための適
正温度であり、この温度で溶媒を完全に除去することが
必要である。
【0033】つぎに、上記20〜40℃に加熱された高
屈折率酸化物微粒子19を含有するエチルシリケート膜21
上に、エチルシリケートのアルコール溶液をスピン法に
より塗布し、その後、20〜40℃にて半乾燥し、同
(d)に示すように、最終的に平均膜厚d=λ/4n程
度の上層を形成するための少なくとも沸点90℃以上の
水溶性アルコール22が残存するエチルシリケートからな
る半乾燥上層膜22を形成する。
【0034】この場合に塗布するエチルシリケートのア
ルコール溶液としては、最終的に形成される上層の平均
膜厚を、d=λ/4n程度とするため、1〜3%溶液が
用いられる。また微細凹凸表面かつ微細孔を内在する膜
構造とするために、溶媒全量に対して、1−プロパノー
ル、エトキシエタノール、1−ブタノールなどの沸点9
0℃以上の水溶性アルコールの1種又は2種以上を30
容量%以上混合したエチルシリケートのアルコール溶液
が用いられる。この場合、沸点90℃以上の水溶性アル
コールの添加量が30容量%未満であると、最終的に形
成される上層が所期の微細凹凸表面、微細孔を内在する
膜構造とならなくなる。また、エチルシリケートのアル
コール溶液を塗布したのちの20〜40℃での半乾燥
は、沸点90℃以上の水溶性アルコール22が残存し、そ
れ以外の溶媒が蒸発して、その後おこなわれる水洗浄に
対して十分に耐えられる膜強度にする必要がある。
【0035】つぎに、上記半乾燥上層膜23の外表面を6
0℃以下の水24(または温水)中に浸漬またはスプレー
して洗浄し、その半乾燥上層膜23中に残存するアルコー
ル22を除去する。洗浄時間は60秒以下である。
【0036】この場合、洗浄水の温度を60℃以下、洗
浄時間を60秒以下にすることが重要であり、温度が6
0℃を越えると、短時間でも浸蝕作用が大きくなり、表
面の凹凸が大きく、かつ膜内部に形成される孔が大きく
なる。また同様に洗浄時間が60秒を越えると、浸蝕作
用が大きくなり、表面の凹凸および膜内部に形成される
孔が大きくなり、光の散乱などが大きくなって、解像度
が劣化するばかりでなく、膜の耐摩耗性が劣化する。
【0037】つぎに、同(f)に示すように、水切りを
おこない、その後、200℃以上の温度で焼成して、上
下各膜23,24のエチルシリケートを加水分解、縮合し
て、エチルシリケート膜を高屈折率酸化物微粒子19をS
i O2 で結着した構造の膜厚d=λ/4n程度の下層17
とし、半乾燥上層膜23を、外表面を微細凹凸面としかつ
微細孔20が内在する構造膜厚d=λ/4n程度の上層18
とする反射防止膜16を形成する。
【0038】ところで、上記方法により反射防止膜16を
形成すると、上層18の屈折率を、Si O2 平滑膜の屈折
率1.46に対して、微細孔20による空気と膜との体積
比および微細凹凸による空気と最外層(上層18)との連
続的な体積比変化により、屈折率を、n=1.32程度
にすることができる。その結果、上層18をこのように低
屈折率層とすることにより2層構造において広帯域かつ
低反射率の反射スペクトルが実現でき、かつ上層18との
組合わせにより、下層17の屈折率を、n=1.55〜
1.70、膜厚d=80〜90nmとすることができる。
このことは、エチルシリケートのアルコール溶液に高屈
折率酸化物微粒子19を安定に分散した分散液を使用して
下層を形成する場合、その耐摩耗性を考えると、高屈折
率酸化物微粒子19の含有量を高めることは、耐摩耗性を
劣化するため不利であるが、この例の反射防止膜16の下
層17については、たとえばn=1.55の場合、平均粒
径10nmのSn O2 とSi O2 との重量比(Sn O2 /S
i O2 重量比)が1.5となる分散液を使用すればよ
く、またn=1.70の場合、平均粒径40nmのTi O2
とSi O2 との比(Ti O2 /Si O2 重量比)が0.
5となる分散液を使用すればよく、耐摩耗性の下層17を
容易に形成することができる。
【0039】図4に、上記方法により、高屈折率酸化物
微粒子19をSiO2 とし、そのSiO2 微粒子/Si O2
薄膜の重量組成比=1.5として、膜厚d=90nmの下
層17を形成し、その上に表面粗さ50nm、凹凸ピッチ2
000nmの凹凸面としかつ孔径40nmの微細孔20を内在
する上層18を形成した反射防止膜16の各波長と正反射率
R(x) との関係を示す。曲線25a は、測定光の反射防止
膜への入射角θを0°、曲線25b は、30°の場合の正
反射率である。
【0040】概してこの反射防止膜は、広帯域の反射ス
ペクトルを有し、正反射率が約0.325%という良好
な反射防止特性を示し、解像度の劣化がほとんど認めら
れなかった。また最終的に200℃以上の温度で焼成し
て、耐摩耗性を有する強度十分な膜とすることができ
た。さらに上層18の表面の微細な凹凸構造により、膜厚
の変化(誤差)による反射特性の変化が上層を平滑膜と
した場合にくらべて小さく、ゾル−ゲル法による比較的
簡単な成膜法で容易に形成できる。また図5に、下層ま
たは上層の膜厚が設計値26より10%ずれた場合の視感
正反射率R(lum)のばらつきの計算値を上層の屈折率n
の関数として示したように、上層を低反射率とすること
により、特性のすぐれた反射防止膜とすることができ
る。
【0041】なお、上記実施例では、Si O2 微粒子を
下層の高屈折率酸化物微粒子としたが、この下層の高屈
折率酸化物微粒子として、Sn O2 ,In2 3 などの
透明導電酸化物微粒子を用いると、反射防止効果ととも
に帯電防止効果も得られる。
【0042】また、上層の屈折率をさらに低下させるた
めには、エチルシリケートのアルコール溶液にMg F2
微粒子を添加して、微細孔を内在するとともに、Mg F
2 微粒子をSi O2 で結着した膜とすることにより、屈
折率の低い上層を形成することができる。
【0043】なお、上記実施例は、カラー受像管のパネ
ル外表面に反射防止膜を形成する場合について述べた
が、この発明の反射防止膜形成方法は、他の表示装置の
反射防止膜を形成にも適用できる。
【0044】
【発明の効果】表示装置の反射防止膜形成方法として、
表示面のガラス基体の外表面に屈折率の異なる2層以上
の多層光学膜を形成するに際し、エチルシリケートのア
ルコール溶液の溶媒に対して沸点90℃以上の水溶性ア
ルコールを30容量%を混合した塗布液を用いて最外層
を形成し、この最外層を60℃以下の水で洗浄してアル
コール成分を除去することにより、上記最外層の表面を
凹凸ピッチ10〜1000nm、凹凸粗さ10〜50nmの
凹凸面とし、かつ平均直径50nm以下の微細孔を内在さ
せると、最外層の屈折率が、微細孔による空気と膜との
体積比および微細凹凸による空気と最外層との連続的な
体積比変化の2つの効果により、通常の光学媒質では実
現しえない値まで低下し、広帯域かつ低反射率の反射ス
ペクトルを示す反射防止膜とすることができる。しかも
反射スペクトルが広帯域であることから、膜厚のばらつ
きによる反射率の変化を軽度に抑えることができる。そ
の結果、膜厚制御が不十分な簡単な成膜法で形成して
も、膜厚のばらつきによる反射率の増加を軽度に抑える
ことができ、かつ最外層の凹凸が非常に微細であるた
め、凹凸に基づく拡散効果を低減して、解像度の劣化を
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係るカラー受像管の構成
を示す図である。
【図2】そのパネル外表面に形成された反射防止膜の構
造を示す図である。
【図3】図3(a)はそのパネル外表面の反射防止膜形
成方法を示す工程図、図3(b)ないし(f)はそれぞ
れその工程図に対応して示した反射防止膜形成方法を説
明するための図である。
【図4】上記反射防止膜の波長と正反射率との関係を示
す図である。
【図5】同じく反射防止膜の視感正反射率のばらつきを
最外層の屈折率の関数として示す図である。
【図6】従来のエチルシリケートのアルコール溶液にS
i O2 を分散した分散液により形成された反射防止膜の
構造を示す図である。
【図7】従来の多層蒸着膜の構造を示す図である。
【符号の説明】
10…パネル 12…蛍光体スクリーン 15…電子銃 16…反射防止膜 17…下層(第2層) 18…上層(第1層) 19…高屈折率酸化物微粒子 20…微細孔 23…高屈折率酸化物微粒子を含有するエチルシリケート
膜 24…半乾燥上層膜
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年11月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】
【課題を解決するための手段】表示装置の反射防止膜形
成方法において、表示面のガラス基体の外表面に屈折率
の異なる2層以上の多層光学膜を形成するに際し、エチ
ルシリケートのアルコール溶液の溶媒に対して沸点90
℃以上の水溶性アルコールを30容量%以上を混合した
塗布液を用いて最外層を形成し、この最外層を60℃以
下の水で洗浄してアルコール成分を除去することによ
り、最外層の表面を凹凸ピッチ10〜1000nm、凹凸
粗さ10〜50nmの凹凸面とし、かつ平均直径50nm以
下の微細孔を内在させた。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】まず、同(b)に示すガラス基体10の外表
面を酸化セリウムあるいはNa OH水溶液などのアルカ
リ洗剤で洗浄して汚れを除去するとともに、外表面を活
性化する。そしてその外表面を20〜40℃に熱す
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】この熱温度は、その後この外表面上に形
成する下層の膜厚を、d=λ/4n程度とし、かつ均一
な膜厚を得る上に必要な温度である。この場合、外表面
の温度が20℃未満であると、下層を形成するために塗
布する分散液のアルコール成分の蒸発が遅れ、周辺部に
液溜りができやすくなり、形成される下層の膜厚の均一
性が欠ける。また40℃を越えると、分散液中の溶媒の
蒸発速度が速くなりすぎて、中央部膜厚が厚く、周辺部
膜厚が薄くなり、膜厚の均一性が悪化する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】つぎに、上記熱したガラス基体10の外表
面に、エチルシリケートのアルコール溶液に平均粒径5
0nm未満のTi O2 、Si O2 、Zn O2 、Sn O2
In2 3 などの高屈折率酸化物微粒子19を安定に分散
させた分散液をスピン法により塗布し、その後、20〜
40℃にて乾燥し、同(c)に示すように、高屈折率酸
化物微粒子20を含有する膜厚d=λ/4n程度の下層を
形成するためのエチルシリケート膜21を形成する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】
【発明の効果】表示装置の反射防止膜形成方法として、
表示面のガラス基体の外表面に屈折率の異なる2層以上
の多層光学膜を形成するに際し、エチルシリケートのア
ルコール溶液の溶媒に対して沸点90℃以上の水溶性ア
ルコールを30容量%以上を混合した塗布液を用いて最
外層を形成し、この最外層を60℃以下の水で洗浄して
アルコール成分を除去することにより、上記最外層の表
面を凹凸ピッチ10〜1000nm、凹凸粗さ10〜50
nmの凹凸面とし、かつ平均直径50nm以下の微細孔を内
在させると、最外層の屈折率が、微細孔による空気と膜
との体積比および微細凹凸による空気と最外層との連続
的な体積比変化の2つの効果により、通常の光学媒質で
は実現しえない値まで低下し、広帯域かつ低反射率の反
射スペクトルを示す反射防止膜とすることができる。し
かも反射スペクトルが広帯域であることから、膜厚のば
らつきによる反射率の変化を軽度に抑えることができ
る。その結果、膜厚制御が不十分な簡単な成膜法で形成
しても、膜厚のばらつきによる反射率の増加を軽度に抑
えることができ、かつ最外層の凹凸が非常に微細である
ため、凹凸に基づく拡散効果を低減して、解像度の劣化
を防止することができる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 表示面のガラス基体の外表面に屈折率の
    異なる2層以上の多層光学膜を形成するに際し、エチル
    シリケートのアルコール溶液の溶媒に対して沸点90℃
    以上の水溶性アルコールを30容量%を混合した塗布液
    を用いて最外層を形成し、この最外層を60℃以下の水
    で洗浄してアルコール成分を除去することにより、上記
    最外層の表面を凹凸ピッチ10〜1000nm、凹凸粗さ
    10〜50nmの凹凸面とし、かつ平均直径50nm以下の
    微細孔を内在させることを特徴とする表示装置の反射防
    止膜形成方法。
JP15210891A 1991-06-25 1991-06-25 表示装置の反射防止膜形成方法 Pending JPH052988A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7738813B2 (en) 2006-11-17 2010-06-15 Ricoh Company, Ltd. Corona charger having two charging regions
CN112817485A (zh) * 2021-02-19 2021-05-18 联想(北京)有限公司 透明盖板及其制作方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7738813B2 (en) 2006-11-17 2010-06-15 Ricoh Company, Ltd. Corona charger having two charging regions
CN112817485A (zh) * 2021-02-19 2021-05-18 联想(北京)有限公司 透明盖板及其制作方法
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