JPH05333365A - 空間光変調素子とその製造方法 - Google Patents

空間光変調素子とその製造方法

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JPH05333365A
JPH05333365A JP16684992A JP16684992A JPH05333365A JP H05333365 A JPH05333365 A JP H05333365A JP 16684992 A JP16684992 A JP 16684992A JP 16684992 A JP16684992 A JP 16684992A JP H05333365 A JPH05333365 A JP H05333365A
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JP
Japan
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light
layer
bso
liquid crystal
photoconductive layer
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Application number
JP16684992A
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English (en)
Inventor
Yasuo Namikawa
靖生 並川
Kuniharu Takizawa
國治 滝沢
Hiroshi Kikuchi
宏 菊池
Koji Tada
紘二 多田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Nippon Hoso Kyokai NHK
Sumitomo Electric Industries Ltd
Japan Broadcasting Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光伝導層と、光反射層、光変調層を持ち、こ
れらを1対の透明電極で挟みさらに両側をガラス板で挟
んだ構造の空間光変調素子である。BSOを光伝導層の
材料に用いると応答速度が早いが、脆い材料であるので
薄くできない。光伝導層が厚いので電界が面方向に拡散
し分解能が低い。これを解決するのが目的である。 【構成】 BSO、BGOをシリコ−ン接着剤によって
別の機械的強度のある基板に張り付けてからBSO等を
研磨して薄くする。光伝導層が薄いと電界の横方向の広
がりが抑制されるので分解能が上がる。シリコ−ン接着
剤で張り付けるがこれは基板とBSOの熱膨張率の違い
による応力を軽減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、書込み光により画像
等の二次元情報を入力し、読出し光を用いてこの二次元
情報を読み出すようにした光書き込み型の空間光変調素
子に関する。
【0002】
【従来の技術】二次元情報処理、あるいはデイスプレイ
を目的として、空間光変調素子の開発が進められてき
た。空間光変調素子というのは、二次元的な広がりと情
報を持った光によって二次元情報を書き込み、書き込ん
だ二次元情報を光によって読み出すようにした素子であ
る。これは二次元的な広がりを持つ光伝導素子と液晶と
電極を組み合わせて構成できる。強度が二次元的に変化
している光を光伝導素子に当てると抵抗値が面内で変調
される。するとこれに接する液晶に印加される電圧が変
調される。したがって液晶の光の透過率や反射率が変化
する。これが情報の書き込みである。これに対して読出
し光を当てると、透過率変化や反射率変化によってこれ
を空間的に変調するので、情報が読み出されることにな
る。二次元的な分解能が高いことや、コントラストが大
きいこと、また要求される書込み光の光量が小さいこ
と、書込み時間が短いこと等が空間光変調素子に対して
要求される。
【0003】たとえば、J.Grinbergらは図3
に示すような液晶ライトバルブ(Liquid Crystal Light
Valve)と呼ばれる素子を開発している。 J.Grinberg et al,Opt.Eng.,vol.14,p217(1975) 図3はこの空間光変調素子を示す。透明プレ−ト7、I
TO透明電極1、光伝導層2、光吸収層8、光反射層
3、光変調層4、ITO透明電極5、ガラス6が順に積
層されている。光伝導層2はCdSからなる。これは光
に対して大きく抵抗値の変化する半導体材料である。光
反射層3は誘電体多層膜よりなるミラ−である。光変調
層4は、中間に液晶4a、両側にフィルム4b、4cを
一体的に形成したものである。液晶4aはハイブリッド
電界モ−ドで作動するものである。光吸収層8はCdT
eよりなる。ITO透明電極1,5は、光伝導層2、光
吸収層8、光反射層3、光変調層4の間に電圧を印加す
る作用がある。電圧は光変調層と光伝導層の両方に掛か
っているから、光伝導層の抵抗が変化すると、光変調層
に掛かる電圧も変化する。
【0004】ITO透明電極1、5間には適当な周波数
の電圧が印加されている。右方から二次元情報を持った
書込み光9が空間光変調素子に当てられる。これは透明
プレ−ト7、ITO透明電極1を通って光伝導層2に至
る。これは光の強度に応じて抵抗率の変わる材料で作ら
れているので、光が強いところでは抵抗率が低くなり、
光が弱いところでは抵抗率は高いまま維持される。実際
には光強度は連続的に変化するので、光伝導層の抵抗率
の変化も連続的に起こる。ITO透明電極1、5の間に
は一定電圧が掛かっているから、光伝導層での抵抗率の
変化はこれに掛かる電圧の変化を引き起こす。前記の一
定電圧は光伝導層と液晶で分けあっているから、光伝導
層での電圧が変化すると、液晶4aに掛かる電圧も変化
する。液晶4aは電界強度に応じて配向するので、光の
反射率または透過率が電界強度に応じて変化しているこ
とになる。これが二次元情報の書き込みである。
【0005】一様な強度を持つ読出し光10が左方から
照射される。これはガラス6、ITO透明電極5、フィ
ルム4c、液晶4a、フィルム4bを通り光反射層3に
至る。途中で、読出し光10は液晶4aで変調を受け
る。読出し光10は光反射層3で反射されて、フィルム
4b、液晶4a、フィルム4c、ITO透明電極5、ガ
ラス6を通って外部に出る。この途中でも液晶4aで同
様の変調を受ける。この変調は液晶の反射率、透過率の
変化に対応する。従ってこれによって二次元情報が読み
出されたことになる。このような空間光変調素子は、C
dSを光伝導層として用いるので書込み光に対する感度
が高く、安価である、という長所がある。しかし反面C
dSを用いるので、応答速度が遅い。目的によっては使
用できる場合もあるが、速い応答を要求される場合は使
い物にならない。
【0006】滝沢等は、応答速度が速く、読出し光の利
用効率が高い新しいタイプの空間光変調素子として図4
のようなものを提案している。 滝沢國治他:1989年秋季電子情報学会,C338,
特開平2−93519 図4において、左側からITO透明電極1、光伝導層
2、光反射層3、光変調層4、ITO透明電極5、ガラ
ス6を積層したものである。光変調層4には高分子分散
型液晶が用いられている。これはポリマ−の中にネマチ
ック液晶を分散させたもので、液晶が配向したときの常
光屈折率がポリマ−の屈折率に等しくなるようになって
いる。光反射層3は誘電体多層膜よりなっている。例え
ばこれは屈折率の異なる2種の誘電体層を光の媒質内で
の波長の1/4の厚みごとに交互に積層すると反射率が
100%近くになる性質を利用したものである。光伝導
層にはCdSのかわりにアモルファスシリコンや、Bi
12SiO20(以下BSOという)単結晶ウエハ、Bi12
GeO20(以下BGOという)単結晶ウエハを用いてい
る。アモルファスシリコンは結晶ではなくHを含んだア
モルファス状態のシリコンであるが、光伝導効果をもっ
ている。アモルファスであるから大面積の素子を作り易
く安価でもある。
【0007】BSO、BGO(以下単にBSOという)
は光伝導効果、電気光学効果のある結晶である。また磁
気光学効果もあり、さまざまなセンサ等に既に用いられ
ている。電気光学効果というのは、電界を印加すると屈
折率が変化する事である。一次の電気光学効果をポッケ
ルス効果といい、2次の効果をカ−効果という。磁気光
学効果というのは、磁場によって屈折率の変化する性質
である。BSOを用いて電流を測定する装置も作られて
いる。ここでは光照射に対して電気伝導度の変化する光
伝導効果を利用している。CdSに比較して、BSOは
応答速度が速いので高速応答の要求される素子に好適で
ある。しかしBSOは成長が難しく高価な単結晶であ
る。また機械的な強度に欠けシリコンウエハのように薄
片にするのが難しい。ここでも1mm厚のBSOが用い
られている。
【0008】この空間光変調素子の動作を説明する。電
極間には交流電圧が印加されている。書込み光9が照射
されていない時は、光伝導層2のインピーダンスが高
い。電圧は殆ど光伝導層2に掛かるので、液晶4には電
圧が殆ど掛からない。この時液晶分子はランダムな配向
をしている。液晶の屈折率は配向した時の常光屈折率と
異常光屈折率の重み付平均値に近い値を取る。それはポ
リマ−の屈折率と異なるから、光は液晶とポリマ−の界
面で散乱される。一方、光伝導層2に書込み光9を照射
すると、光伝導層(アモルファスシリコン、BSO)の
光伝導効果により、光の強度に比例して、インピ−ダン
スが低下する。光伝導層層にインピ−ダンスに関する二
次元分布が発生する。インピ−ダンスが減少した部分
は、この部分にかかる電圧も減少するから、液晶に掛か
る分の電圧が増加する。電圧の増加に従って、液晶分子
が電極に対して垂直に配向する。液晶が配向した時の常
光屈折率が、ポリマ−の屈折率に等しくなるようにして
いるから、液晶分子とポリマ−の境界での散乱がなくな
る。
【0009】この状態で読出し光を照射すると、液晶が
配向している部分は、光は散乱されずに透過し、光反射
層3によって反射される。液晶が配向していない部分で
は、光は散乱される。二次元的な液晶の配向の分布がで
きているので、先に書き込んだ二次元情報が読み出され
ることになる。従って、書込み光9として画像を入力す
ると、画像の面内強度分布に対応して読出し光10が変
調され反射される。したがって書き込んだ入力画像に等
しい出力画像が得られる。
【0010】この例のように、光伝導層2としてBSO
を、光変調層4として高分子分散型液晶を用いている
と、応答速度が速く、TVレ−トでの動画表示が可能で
ある。また読み出し出力に偏光板を用いないので光の利
用率が高い。従って明るい像を得ることができる。この
例では、書込み光にArイオンレ−ザ、読出し光にHe
−Neレ−ザを用いる。駆動電圧の周波数が1kHz、
書込み光の変調周波数を60Hzにしている。表示光の
立ち上がり立ち下がり時間は8msec であると述べてい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前例の空間光変調素子
で用いられる高分子分散型液晶は、高分子(ポリマ−)
の中に液晶を分散させたものであり、液晶が配向した時
に常光屈折率が高分子の屈折率に一致するようにしてあ
る。屈折率が一致する時としない時の散乱の強さの違い
により、情報を読み出している。読出し光のオンオフ
(明暗)に光の透過散乱を利用している。光を十分に散
乱させるためには、ある程度の光路長が必要になる。こ
のため高分子分散型液晶は、通常のTN液晶セルに比べ
て液晶層が厚くなっている。このため、高分子分散型液
晶では、駆動電圧をTN液晶よりも高くし、オンオフ変
換のための電圧変化も大きくしなければならない。電圧
変化の幅を大きくするには、光伝導層のインピーダンス
変化の幅を大きくしなければならない。従って光伝導層
としては、光によって大きな比抵抗の変化を起こす材料
を一定の厚さにしたものが用いられる。
【0012】BSO単結晶ウエハはこのような条件に適
した材料である。光伝導効果が大きくしかも応答速度が
速い。それで前記の例では光伝導層としてBSOを用い
ている。しかしBSO単結晶ウエハは機械的衝撃に弱
い。薄くすると取り扱いが困難になる。従ってBSO単
結晶ウエハは、通常500μm〜1000μm程度の厚
さで使用されていた。このように光伝導層の厚みが大き
いと次のような難点がある。
【0013】面に平行な座標をx,yとし、面に直角な
方向をz軸とする。電極が平行平板であるから、電界は
z成分のみを持ち、x,y成分を持たないのが理想であ
る。しかし、書き込み画像により形成されている光伝導
層面内の比抵抗分布は有限の大きさを持つために電界成
分が少なからず面と直角なx,y成分を持つ。光伝導層
が薄ければ問題なないが、これが厚いと、厚み内で電界
がx,y成分を持つので、同じ(x,y)座標でもzの
違いによって電界の値が異なってくる。このために光伝
導層に形成された電界の二次元分布が横方向に拡散す
る。ここで電界というのは二重の意味を持つ。ひとつは
光の作る電界である。書き込み画像は光伝導層にレンズ
により結像されるため、その結像位置からずれるに従い
レンズのF値に応じてぼけることになる。このぼけの影
響は、光伝導層が厚いと無視できなくなる。このため比
抵抗の変化もz方向に一様でなくz方向にも変化するこ
とがある。またITO透明電極に印加する交流電圧の作
る電界もx,y成分を持つ。このように二重の電界の二
次元的な広がりのために表示画像の分解能が低下すると
いう問題があった。本発明の目的は、光伝導層の厚みを
薄くし、電界の二次元的な拡散を抑え、表示画面の分解
能を向上させた空間光変調素子を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の空間光変調素子
は、光の強度により電気伝導度を変化させる光伝導層材
料から形成された二次元的広がりを持つ光伝導層と、光
伝導層に接しあるいは光吸収層を介して設けられる光反
射層と、光反射層に接合され加えられた電圧によって光
の透過量、位相、偏光状態または進行方向を変化させる
光変調層と、光変調層、光反射層、光伝導層を挟む一対
の透明電極とを含み、光伝導層に書込み光を照射し伝導
率を面内で二次元的に変化させ、光変調層に掛かる電圧
を二次元的に変調し、光変調層に読出し光を照射して光
変調層に書き込んだ二次元情報を読み出すこととした空
間光変調素子において、前記光伝導層が、光伝導効果の
ない基板にBi12SiO20又はBi12GeO20単結晶を
シリコ−ン接着剤で貼り付けてあるものであることを特
徴とする。シリコ−ン接着剤の粘度は50〜1000c
Pであることが望ましい。シリコ−ン接着剤で基板にB
SO等を張り付けるときの加圧力は、10〜500g/
cm2 が良い。
【0015】
【作用】光伝導層としてBSOを用いた空間光変調素子
は、BSOが厚いために分解能が低く抑えられていた。
BSOを薄くできれば良いが機械的に脆い材料であるの
でこれができない。そこで本発明では,光伝導効果のな
い基板上にBSOウエハを接着しBSOの機械的強度を
高めようとするものである。しかし単に基板にBSO基
板を接着すれば良いというものではなく、接着には次の
条件が要求される。BSOウエハと基板を接着した後、
BSOの表面には読出し光を反射するための光反射層が
形成される。光伝導層表面に形成された二次元電界分布
を拡散せずに光変調層に印加するためには、光反射層は
できるだけ高抵抗であることが要求される。もしも光反
射層が低抵抗であると光反射層に電流が流れてしまい光
反射層での電位が一定になってしまう。すると光変調層
に掛かる電圧が一定になり、二次元情報が消えてしま
う。
【0016】そのような訳で光反射層は絶縁性の高いも
のでなければならない。光反射層は絶縁性を持たせるた
めに通常TiO2 /SiO2 などの誘電体多層膜が用い
られる。一般的に誘電体多層膜は電子ビ−ム蒸着で形成
される。比抵抗の高い膜を作ろうとすると、250℃程
度の高温に基板を保持してコ−テイングする必要があ
る。これより低いと、膜質が低下するし、絶縁性にも劣
るものになる。BSOの上に光反射層を形成するのであ
るが、基板にBSOを接着したものを用いるとすれば、
既に接着した部分が取れたり変質したりしてはならな
い。つまり基板とBSOの接着部は250℃程度の高温
に対する耐熱性が要求される。接着剤自体に250℃程
度の耐熱性が必要である。この点でエポキシ樹脂やフェ
ノ−ル樹脂は不適である。
【0017】またBSOと基板の熱膨張率が異なる。こ
のために加熱冷却時にBSOと基板の熱膨張率の差に起
因する歪みによりBSOウエハにクラックが発生した
り、BSOが基板から剥離するという可能性があった。
これを防ぐには、接着剤自体が完全に硬化してしまわ
ず、硬化後もある程度の柔軟性をもつものであることが
望ましい。このような点でもエポキシ樹脂等は不適当で
ある。さらに書込み光は基板および接着剤を通してBS
Oに入るのであるから、接着剤は書込み光の波長範囲で
十分に透過率が高くなくてはならない。しかも光学的に
均一で書込み光を屈折、散乱、回折してはならない。書
込み光は例えば、Arレ−ザなどで波長は400nm〜
600nm程度である。
【0018】このような多様な条件を満たす接着剤は従
来知られていなかった。本発明者はこのような条件を満
たすような接着剤を捜した。そしてシリコ−ン接着剤が
このような条件の全てを満足するということを見い出し
た。即ちシリコ−ン接着剤は、可視光領域で透明であ
る。書込み光を良く通す。またシリコ−ン接着剤は、3
00℃まで安定で優れた耐熱性を持つ。しかも他の接着
剤と異なり、接着後も適当な柔軟性をもっている。さら
にシリコ−ン接着剤は、適当な溶剤で希釈して低粘度化
できるから、接着層を十分に薄くすることができる。接
着の薄膜層化により光学的に均一性の高いものにでき
る。この時のシリコ−ン接着剤の粘度は50〜1000
cPであることが望ましい。粘度がこの範囲を越えると
シリコ−ン接着剤の層を薄くできないし均一に接着しな
い。逆にこの範囲未満の粘度であれば、接着力が弱くな
る。シリコ−ン接着剤はこのように基板とBSOの接着
剤として最適である。粘度を調節することによりさらに
望ましい条件を設定できる。
【0019】BSOウエハを光伝導性の無い基板にシリ
コ−ン接着剤によって接着するが此の時の加圧力は、1
0〜500g/cm2 とする。10g/cm2 未満の加
圧力では接着が不完全になる。逆に500g/cm2
越える加圧力では、シリコ−ン接着剤の柔軟性を生かす
ことができない。つまり基板とBSOウエハとの熱膨張
率の差を吸収できない。BSOをシリコ−ン接着剤によ
って基板に接着し保持できるので、これを研磨して、薄
くできる。基板に付いているから基板によって機械的に
保護される。BSOを薄く研磨しても破壊されるという
ことがない。基板の作用によって十分な機械的強度を保
持したままBSOウエハを任意の厚さに薄く研磨でき
る。
【0020】BSOウエハを薄くできればたとえ電界が
x,y成分を持っていても、z方向に電界が異なるとい
うようなことがなくなる。このため前述のような電界が
光伝導層において二次元的に拡散するという問題を解決
できる。電界の拡散がないので、表示画像の分解能が向
上する。ここでは、BSOのみを挙げているがこれの代
わりにBi12GeO20(BGO)を用いることもでき
る。
【0021】
【実施例】図1は本発明の実施例に係る空間光変調素子
の構成図である。この空間光変調素子は、BK7ガラス
板11、ITO透明電極12、シリコ−ン接着剤13、
BSOウエハ14、誘電体ミラ−15、高分子液晶複合
膜16、ITO透明電極17、BK7ガラス板18より
なる。図4に示したものと良く似ているが、光伝導層が
厚いBSOウエハではなく、シリコ−ン樹脂によってガ
ラスに接着された薄いBSO薄片になっている。
【0022】この素子は次のような手順で作製した。両
面を光学研磨したBK7ガラス板(40mm×40mm
×2.0mm)11の片面にITO透明電極12を形成
した。(100)BSO単結晶ウエハの片面を光学研磨
して、35mm×35mm×0.5mmに仕上げた。こ
のBSOウエハを、前記のガラス板11のITO透明電
極12の上に接着した。接着剤は、東レ・ダウ・コ−ニ
ング・シリコ−ン社製シリコ−ン接着剤SE9186ク
リヤ−を、エクソン化学社製溶剤Isoper Mで希
釈低粘度化したものを用いた。希釈後の粘度は200c
Pであった。BK7ガラス板の上に、この希釈接着剤を
少量滴下し、BSOウエハの光学研磨面をガラス面に押
し当て、圧力50g/cm2 で12時間加圧硬化した。
こうしてガラス11のITO透明電極12の上に、BS
Oウエハが接着された。
【0023】次に、500μmの厚みのあったBSOウ
エハを光学研磨して厚さ100μmに仕上げた。つまり
400μmの厚さだけ削った。これは光伝導層を薄くし
電界の二次元的な拡散を防ぐためである。BSOウエハ
単独ではなく、ガラスで補強されているのでこのような
薄片化が可能である。BSOウエハの研磨した表面にT
iO2 およびSiO2 からなる誘電体多層膜を電子ビ−
ム蒸着によりコ−テイングした。コ−テイング時の基板
温度は250℃であった。コ−テイング後BSOウエハ
にクラックや剥離などが生じなかった。これは良好なミ
ラ−であり、550nm〜689nmの光に対して97
%以上の反射率を有する。このようにクラック剥離が起
こらないのは柔軟性を保持したシリコ−ン接着剤が、基
板とBSOウエハの熱膨張率の違いを吸収し応力を緩和
しているからである。
【0024】一方40mm×40mm×1mmの両面を
光学研磨したBK7ガラス板18の片面にITO透明電
極17を形成した。このガラス板18の電極側に膜厚2
0μmの高分子液晶複合膜16をコ−テイングした。高
分子液晶複合膜というのは高分子の中に液晶を分散させ
たものである。高分子としてアクリル系高分子、液晶と
してはネマテイック液晶を使用した。これらを配合比
1:1で混合したものである。複合膜中ではそれぞれド
メインが形成された。また液晶の常光屈折率と高分子の
屈折率をほぼ一致させるように調整した。従って液晶分
子が配向すると異方性が生じ、面に垂直な方向に入射す
る光は常光屈折率を感じることになる。これが高分子の
屈折率とほぼ等しくなるようにしている。液晶が配向せ
ずランダムであれば、異方性がなく、分散させた高分子
の屈折率と異なる。したがって液晶分子が配向しないと
屈折率が高分子と異なり、境界面で光が散乱される。こ
うしてITO透明電極17、液晶高分子複合膜16の付
いたガラス18と、ITO透明電極12、シリコ−ン接
着剤13、BSOウエハ14、誘電体ミラ−15を取り
付けたガラス11ができる。これらのガラスを誘電体ミ
ラ−15と液晶高分子複合膜16において圧着して張り
合わせた。こうして空間光変調素子ができる。
【0025】こうしてできた空間光変調素子を図2に示
すような光学系にセットして動作特性を調べた。この光
学系は、書込み用光源30、凸レンズ31、液晶パネル
32、レンズ33、空間光変調素子34、レンズ41、
反射鏡37、レンズ36、表示用光源35、レンズ4
0、スクリ−ン38などよりなる。液晶パネル32は入
力画像が表示されている。つまり液晶分子の配向により
光に対する透過率の変化として入力画像が表示されてい
るのである。実際には液晶テレビを用いており、入力画
像が動的に変動するようになっている。書き込み用光源
30としてキセノンランプを使用した。書込み光9はB
SOが高い感度を有する波長400〜550nmの光と
した。読出し用光源もキセノンランプである。これは透
過帯域580nm〜700nmの赤色ダイクロイックフ
ィルタを通すことによりこの帯域の光としている。空間
光変調素子には20Vrms、100Hzの電圧を印加
した。スクリ−ンは対角2mの大きさである。
【0026】書込み用光源30から出た書込み光9が、
凸レンズ31で平行光になり液晶パネルを透過する。こ
の光は液晶パネルに表示されている入力画像によって変
調を受ける。変調を受けた光はレンズ33を介して、本
発明の空間光変調素子34の光伝導層(BSO)のある
側に入射しここに結像する。これで空間光変調素子に入
力画像(二次元情報)の書き込みができたことになる。
表示用光源35からは読出し光10が出射される。これ
は凸レンズ36を通り反射鏡37で反射され光路変更さ
れる。この読出し光10はレンズ41を通り平行光とな
って、空間光変調素子34の光変調層のある側に照射さ
れる。この光は空間光変調素子の中で、光変調層で変調
を受ける。光反射層で反射されて外部に出射される。こ
れはレンズ41、レンズ40を通ってスクリ−ン38に
拡大投射される。書込み光9側の液晶テレビにビデオ画
像を入力し、スクリ−ン上に出力画像を投射して空間光
変調素子の動的特性を測定した。入力画像はテレビレ−
トで変化している。スクリ−ン上の出力画像はTVレ−
トで変化する動画に良く追随しクリアな像を得ることが
できた。
【0027】本発明の空間光変調素子を用いた場合、出
力画像のコントラストは30:1であった。解像度は、
151p/mmであった。優れた解像度である。コント
ラストも満足できる程高い。比較のために従来例と同様
の構造とし、BSOの厚みを500μmとした空間光変
調素子を製作し同様の条件で動作を評価した。これは出
力画像の解像度が101p/mmであった。本発明の解
像度の約2/3である。これはBSOよりなる光伝導層
が厚いために電界が面方向(横方向)に拡散したためで
ある。本発明は薄い光伝導層を用いているから高い解像
度を得ることができる。本発明は従来の空間光変調素子
の欠点を克服し高解像度の鮮明な画質を実現できる。
【0028】
【発明の効果】本発明は、薄いBSOを光伝導層とした
空間光変調素子である。脆くてそのままでは薄片にでき
ないBSOを基板にシリコ−ン樹脂によって貼り付けた
後にBSOを研磨して薄くしている。シリコ−ン接着剤
で接着しているので書込み光を吸収しない。また完全に
硬化しないので、基板とBSOの熱膨張率の相違をシリ
コ−ン接着剤によって吸収できる。結果としてBSOの
剥離亀裂を有効に防ぐ。光反射層を電子ビ−ム蒸着で形
成する時に250℃の高温にするがこのような高温に良
く耐えて変質しない。BSOの光伝導層が薄いので、電
界が光伝導層において横方向に拡散しない。ために高分
解能が得られる。またBSOを光伝導層の材料にするの
で応答速度が速くTVレ−トで変化する動画を入力画像
としても十分に追随できる。優れた発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に掛かる空間光変調素子の構成
図。
【図2】空間光変調素子の特性を評価するための光学系
を示す模式図。
【図3】従来の空間光変調素子の一例を示す構成図。
【図4】従来の空間光変調素子の他の例を示す構成図。
【符号の説明】
1 ITO透明電極 2 光伝導層 3 光反射層 4 光変調層 5 ITO透明電極 6 ガラス 7 透明プレ−ト 8 光吸収層 9 書込み光 10 読出し光 11 ガラス 12 ITO透明電極 13 シリコ−ン接着剤 14 BSOウエハ 15 誘電体ミラ− 16 高分子液晶複合膜 17 ITO透明電極 18 ガラス板
フロントページの続き (72)発明者 菊池 宏 東京都世田谷区砧1丁目10番11号日本放送 協会放送技術研究所内 (72)発明者 多田 紘二 大阪市此花区島屋一丁目1番3号住友電気 工業株式会社大阪製作所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光の強度により電気伝導度を変化させる
    光伝導層材料から形成された二次元的広がりを持つ光伝
    導層と、光伝導層に接しあるいは光吸収層を介して設け
    られる光反射層と、光反射層に接合され加えられた電圧
    によって光の透過量、位相、偏光状態または進行方向を
    変化させる光変調層と、光変調層、光反射層、光伝導層
    を挟む一対の透明電極とを含み、光伝導層に書込み光を
    照射し伝導率を面内で二次元的に変化させ、光変調層に
    掛かる電圧を二次元的に変調し、光変調層に読出し光を
    照射して光変調層に書き込んだ二次元情報を読み出すこ
    ととした空間光変調素子において、前記光伝導層が、光
    伝導効果のない基板にBi12SiO20又はBi12GeO
    20単結晶をシリコ−ン接着剤で貼り付けてあるものであ
    ることを特徴とする空間光変調素子。
  2. 【請求項2】 Bi12GeO20単結晶またはBi12Si
    20単結晶の厚さが250μm未満であることを特徴と
    する請求項1に記載の空間光変調素子。
  3. 【請求項3】 透明基板に透明電極を付け、さらにこの
    透明電極の上にシリコ−ン接着剤によってBi12SiO
    20またはBi12GeO20単結晶ウエハを接着し、Bi12
    SiO20またはBi12GeO20単結晶ウエハを研磨して
    薄くし、この上に誘電体多層膜ミラ−を形成しておき、
    他の透明基板の上に透明電極を形成し、さらに該透明電
    極の上に高分子液晶複合膜を形成し、前記誘電体多層膜
    ミラ−に該高分子液晶複合膜を張り合わせることによっ
    て空間光変調素子とすることを特徴とする空間光変調素
    子の製造方法。
  4. 【請求項4】 透明基板に透明電極を付け、粘度が50
    〜1000cPであるシリコ−ン接着剤によってBi12
    SiO20またはBi12GeO20単結晶ウエハを、10〜
    500g/cm2 の加圧力で前記透明電極の上に接着
    し、Bi12SiO20またはBi12GeO20単結晶ウエハ
    を研磨して薄くし、この上に誘電体多層膜ミラ−を形成
    しておき、他の透明基板の上に透明電極を形成し、さら
    に該透明電極の上に高分子液晶複合膜を形成し、前記誘
    電体多層膜ミラ−に該高分子液晶複合膜を張り合わせる
    ことによって空間光変調素子とすることを特徴とする空
    間光変調素子の製造方法。
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