JPH0533989B2 - - Google Patents
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- JPH0533989B2 JPH0533989B2 JP12952084A JP12952084A JPH0533989B2 JP H0533989 B2 JPH0533989 B2 JP H0533989B2 JP 12952084 A JP12952084 A JP 12952084A JP 12952084 A JP12952084 A JP 12952084A JP H0533989 B2 JPH0533989 B2 JP H0533989B2
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Description
[発明の技術分野]
本発明は、微生物によるL−エリスロ−ビオプ
テリン(L−erythro−biopterin、以下Bpと称す
る)の製造法に関する。 [従来技術] 本発明の方法により製造されるBpは式(I)
で表わされる化合物である。 Bpは、1955年パターソン(Petterson)らによ
つて、トリパノゾーマの一種であるクリシデイ
ア・フアシクラータ(Crithidia faciculata)の
成長因子としてヒト尿より初めて単離され(J.
Am.Chem.Soc.77,3167(1955))、翌年その構造
が式(I)で示される構造、すなわち6−(L−
エリスロ−1,2−ジヒドロキシプロピル)プテ
リンであることが明らかにされた(J.Am.Chem.
Soc.78,5871(1956))。 Bpはヒト尿をはじめ、各種臓器、ある種の爬
虫類、両棲類、魚類の皮膚、シヨウジヨウバエの
眼などに比較的多量に存在することが知られてい
る。また、Bpのグルコースなどの糖との配糖体
が、藍藻類のアナシステイス・ニドランス
(Anacystis nidulans)などによつて生産される
ことが知られている(Plant physiology 36,
240(1961))が、今日まで微生物によつてBpその
ものが生産された例は知られていない。 Bpはテトラハイドロビオプテリンを製造する
ための重要な原料となりうるものであり、ジヒド
ロフオレートリダクターゼなどの酵素を用いる方
法、あるいは酸化白金などの触媒を用いる化学的
方法でBpを還元することにより、容易にテトラ
ハイドロビオプテリンに変換することができる。
テトラハイドロビオプテリンは、フエニールアラ
ニンヒドロキシラーゼ、チロシンヒドロキシラー
ゼ、トリプトフアンヒドロキシラーゼなどの天然
型補酵素として、最近フエニールケトン尿症やパ
ーキンソン氏病の治療薬として薬効が期待されて
いる重要な化合物であり、その原料であるBpが
安価に製造されることが望まれている。また、
Bpはジハイドロビオプテリン合成やセピアプテ
リン合成の原料としても有用である。 従来Bpの製造方法としては生物学的方法と化
学合成的方法とが知られている。生物学的方法と
しては、ヒト尿をはじめ、ある種のカエルの皮
膚、シヨウジヨウバエの眼などから抽出する方
法、ある種のオタマジヤクシの皮膚を酵素源と
し、Bp生合成の前駆体として知られているグア
ノシン三リン酸などとインキユベーシヨンするこ
とにより製造する方法、ラツトの形質転換細胞を
培養することにより製造する方法、藍藻類を培養
し、その培養物からBpの配糖体を分離し、これ
を酸加水分解してBpをうる方法などが知られて
いるが、いずれも生産量が極めて低く、かつ大量
生産が困難な製造法であり、工業的に使用しうる
ものではない。一方、化学合成による製造法は、
製造のステツプが多いこと、合成原料として、高
価なラムノースやデオキシアラビノースを使用し
なければならないこと、種々の取扱いに注意を要
し、取扱いが困難な試薬を使用しなければならな
いことなどの問題点を有し、必ずしも有利な製造
法であるとは言い難いのが現状である。 [発明の概要] このような背景のもとに、本発明者らは工業的
に有利なBpの製造法を確立するために鋭意検討
を重ねた結果、従来Bpを生産することが知られ
ていなかつた酵母あるいはカビが、その培養物中
にBpを蓄積することを見出し、その知見に基づ
いてさらに種々研究を重ね、本発明を完成するに
至つた。 すなわち本発明は、ムコール(Mucor)属ま
たはキヤンデイダ(Candida)属に属し、Bpを
生産する能力を有する微生物を栄養培地に培養
し、培養物中にBpを生成蓄積せしめ、これを採
取することを特徴とする微生物によるBpの製造
法に関する。 [発明の構成] 本発明の方法においては、ムコール属またはキ
ヤンデイダ属に属し、Bp生産能をもつ株であれ
ば、いずれも有効に適宜使用しうるが、その例と
して下記のものが挙げられる。 ムコール・ジヤバニカス(Mucor Javanicus)
HUT 1155、 ムコール・アルタナンス(Mucor alternans)
HUT 1115、 ムコール・サブチリシムス(Mucor
subtilissimus)IFO 6338、 キヤンデイダ・ノベラス(Candida novellus)
ATCC 20275、 キヤンデイダ・ルゴーザ(Candida rugosa)
CBS 5612および キヤンデイダ・ロブスタ(Candida robsta)
IFO 0204 これらの菌株は、それぞれ財団法人発酵研究所
(IFO:Institute for Fermentation Osaka)、広
島大学(HUT:Hiroshima University Type
Culture)、米国のATCC(American Type
Culture Collection)あるいはオランダのCBS
(Centraalbureau voor Schimmelcultures)に
おいて標準株として上記IFO、HUT、ATCCあ
るいはCBS番号で保存されており、必要に応じ
て容易に入手しうる菌株である。 本発明の方法において用いられる菌の培養に際
しては、菌が資化しうる炭素源、資化しうる窒素
源、その他の無機塩類、ビタミン類などを含有す
る培地が適宜用いられる。前記炭素源としては菌
が資化しうるものであれば、いかなるものでもよ
く、たとえばグルコース、シユクロース、マルト
ース、デキストリン、可溶性澱粉、澱粉などの糖
類、酢酸、乳酸、フマール酸、マレイン酸などの
有機酸、メタノール、エタノール、プロパノール
などのアルコール類、グリセリン、オリーブ油、
大豆油、米ぬか油などの油脂類などが用いられ
る。また前記窒素源としては、たとえば麦芽エキ
ス、ペプトン、大豆抽出物、肉エキス、酵母エキ
ス、コーンステイープリカー、尿素、アンモニア
塩類(たとえばリン酸アニモニウム、塩化アンモ
ニウム、硫酸アンモニウムなど)、アンモニア水、
アンモニアガス、硝酸塩(たとえば硝酸アンモニ
ウム、硝酸ナトリウムなど)、その他の有機また
は無機の窒素含有物が用いられる。さらに必要に
応じて、無機塩類(たとえばナトリウム塩類、カ
リウム塩類、リン酸塩類など)金属塩類(たとえ
ばカルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、マンガ
ン、銅、コバルト、モリブデン)などの塩類、微
量栄養物質(たとえばビタミン、アミノ酸、核酸
など)なども適宜添加される。また必要に応じて
界面活性剤や消泡剤を添加してもよい。 本発明の方法に従う前記微生物の培養は、一般
に好気的条件下で行うのが有利であり、液体培
養、固体培養のいずれでもよいが、通常液体培養
が便利である。液体培養は静置、振盪、通気撹拌
培養のいずれの方法によつても行うことができ
る。培養は一般に10〜45℃、好ましくは20〜40℃
の温度およびpH2〜10、好ましくはpH3〜8の範
囲に保持し、10時間ないし10日間程度培養すれば
よい。 かくしてえられた培養物の培養濾液と菌体抽出
液とは、そのままテトラヒドロビオプテリン、ジ
ヒドロビオプテリンあるいはセピアプテリンなど
の生産原料に供することができる。また必要に応
じてBpを単離して用いてもよい。 Bpを菌体から抽出する方法としては、たとえ
ば超音波処理やブラウンのホモゲナイザーなどを
用いて菌体を物理的に破壊することによつても可
能であるが、植物や動物組織などからプテリジン
(pteridine)化合物を抽出する方法として通常よ
く用いられる方法に従つて行うのが有利であり、
たとえば小橋らの方法(Agric,Biol.Chem.44,
2089(1980))(試料を0.1N−塩酸に懸濁したの
ち、120℃で2分間処理することにより試料中の
Bpを抽出する方法)に従つて行うことができる。 培養上澄中に含まれるBpおよび菌体抽出液中
に含まれるBpの単離は、通常プテリジン化合物
の単離に用いられる方法に従つて行うことができ
る。たとえば活性炭、フロリジル、アルミナ、ケ
イ酸塩、粉末濾紙、ハイポーラス合成ポリマー吸
着剤(たとえばアンバーライトXAD−2(ロー
ム・アンド・ハース社製)、アンバーライトXAD
−4(ローム・アンド・ハース社製)、ダイヤイオ
ンHP−20(三菱化成工業(株)製)など)、各種イオ
ン交換樹脂(たとえばダウエツクス50WX8(ダウ
ケミカル社製)、ダウエツクス1×8(ダウケミカ
ル社製)、アンバーライトIR−I20B(ローム・ア
ンド・ハース社製)、アンバーライトIRC−50(ロ
ーム・アンド・ハース社製)、アンバーライト
IRA−400(ローム・アンド・ハース社製)、アン
バーライトIRA−45(ローム・アンド・ハース社
製)、QAE−セフアデツクスA−25(フアルマシ
ア社製)など)およびゲル濾過担体(たとえばセ
フアデツクスG−10(フアルマシア社製)、セフア
デツクスG−25(フアルマシア社製)、バイオゲル
P−2(バイオラド社製)など)を用いる方法に
従つて行うことができる。単離は、バツチ法ある
いはクロマトグラフイー法を適宜組合わせること
によつて行うことができる。 また必要に応じて向流抽出法、溶媒抽出、分別
沈殿あるいはイオン交換系高速液体クロマトグラ
フイーカラム(たとえばパーテイジル10SCX(ワ
ツトマン社製)、パーテイジル10SAx(ワツトマ
ン社製)、ゾルバツクSCX−300((株)島津製作所
製)、ゾルバツクSAX((株)島津製作所製)、マイク
ロボンダパツク/NH3(ウオーターズ社製)な
ど)、逆相系高速液体クロマトグラフイーカラム
(たとえばパーテイジル10 ODS(ワツトマン社
製)、マイクロボンダパツクC18(ウオーターズ社
製)、ゾルバツクCDS((株)島津製作所製)など)
およびGPC系高速液体クロマトグラフイーカラ
ム(たとえばイオンパツクS−801(昭和電工(株)
製)、シンパツクHSG((株)島津製作所製)など)
を用いる高速液体クロマトグラフイーによる分取
法を採用することもできる。 なおBpの検出、定量は薄層クロマトグラフイ
ー、ペーパークロマトグラフイー、電気泳動法、
クリシデイア・フアシクラータを用いるバイオア
ツセイ法、ラジオイムノアツセイ法などを用いて
行うことができるが、感度、操作の容易性の点か
ら上記イオン交換系高速液体クロマトグラフィー
カラム、あるいは逆相系高速液体クロマトグラフ
イーカラムを用いる高速液体クロマトグラフイー
を行つたのち、蛍光検出器を用いて検出、定量す
る方法が好ましく用いられる。 また、Bpの同定には、元素分析、赤外吸収ス
ペクトル、紫外吸収スペクトル、核磁気共鳴スペ
クトル、濾紙電気泳動、薄膜クロマトグラフイ
ー、高速液体クロマトグラフイーなどが用いられ
る。 本発明の方法によればBpは、かかる操作を組
合せることにより、その遊離体あるいは塩、たと
えばナトリウム、カリウム、チリウムなどのアル
カリ金属塩、カルシウム、マグネシウムなどのア
ルカリ土類金属塩、塩酸、硫酸などの鉱酸との
塩、パラトルエンスルホン酸などの有機酸との塩
として採取される。 以下、実施例を述べることによりさらに詳しく
本発明を説明するが、もとより本発明はかかる実
施例のみに限定されるものではない。 実施例 1 6%麦汁寒天斜面培地上に28℃で7日間生育せ
しめたムコール・ジヤバニカスHUT1155株を、
予め常法により殺菌冷却したグルコース3.0%、
ポリペプトン1.0%、イーストエキス0.5%および
ビタミンB1 3ppmよりなる種母培地(pH7.0)
100mlを含む500ml三角フラスコに接種したのち、
温度28℃、ロータリーシエーカーで(200rpm、
振巾7mm)24時間培養し、えられた培養物140ml
を、予め殺菌冷却したグルコース8.0%(別途殺
菌したもの)、リン酸二アンモニウム3.0%、リン
酸二水素ナトリウム0.5%、塩化カリウム0.2%、
ポリペプトン1.0%、酵母エキス0.3%、硫酸第一
鉄0.02%、硫酸亜鉛0.006%、硫酸マンガン0.001
%、硫酸銅0.0005%、食塩0.01%および消泡剤
(CC−118、日本油脂(株)製)2mlよりなる培地
(pH6.5)18を含む30容量のジヤーフアメン
ターに接種し、温度37℃、通気3N/分、
250rpmの条件で5日間培養した。 2基のジヤーフアメンターからえられた培養終
了液をハイフロスーパーセルでプレコートした東
洋濾紙No.2を用いて吸引濾過し、濾液30をえ
た。この濾液に粉末活性炭(和光純薬(株)製)300
gを添加し、室温で30分間撹拌したのち、ハイフ
ロスーパーセルでプレコートした東洋濾紙No.2を
用いて吸引濾過し、13の純水で水洗いした。活
性炭を採取し、エタノールと1%NH4OH水溶液
の1対1(容量比)混合溶媒10に懸濁したのち、
室温で30分間撹拌し、Bpを溶出させた。これを
ハイフロスーパーセルでプレコートした東洋濾紙
No.2を用いて吸引濾過し、上記と同じ混合溶媒2
で洗浄した。溶出液と洗浄液とを合わせ、35℃
で減圧濃縮して濃縮液4をえた。濃縮液に塩酸
を添加してpH2.0としたのち、強酸性陽イオン交
換樹脂ダウエツクス50W×8(50〜100メツシユ、
H+型)のカラム(φ3cm×長さ40cm)にチヤージ
し、2.0の純水で洗浄したのち、1H−NH4OH
水溶液で溶出せしめ、溶出液を20mlごとに分画し
た。溶出液の各分画をパーテイジル10SCXカラ
ム(φ4.6mm×長さ250mm)を用い、移動相として
3mM−NH4 H2PO4水溶液(H3PO4でpH3.0に
調整)流速2.5ml/分の条件で高速液体クロマト
グラフイーにより分離し、溶出液の蛍光を(株)日立
製作所製の蛍光分光光度計650−10M型(LCセル
使用)を用いて励起波長360mm、蛍光波長440mmで
測定し、ユニコーダーU−228(日本電子(株)製)を
用いて記録した。別途合成法で製造したBpを標
準品とし、同じ保持時間を示すピークの高さより
Bp含量を定量した。その結果Bpは25〜59番目の
画分に溶出されていたので、この画分を合わせ、
強塩基性陰イオン交換樹脂ダウンエツクス1×8
(200〜400メツシユ、OH-型)のカラム(φ2.5cm
×長さ18cm)にチヤージし、1の純水で洗浄し
たのち、0.5M−NaCl水溶液で溶出せしめ、溶出
液を20mlごとに分画した。各分画についてBp含
量を前記と同じ方法で定量したところ、Bpは10
〜30番目の画分に溶出されていた。この画分を合
わせ、pH5.0に調整し、生成した不純物の沈殿を
濾別したのち5℃に保存した。生成したBpの沈
殿物を濾過により分離し、エタノールついでエー
テルで洗浄したのち、真空乾燥することにより粗
Bp50mgをえた(標品(I))。母液中には、また
多量のBpが残存していたので35℃で減圧濃縮し
たのち、30mlづつ4つに分け、それぞれセフアデ
ツクスG−10カラム(φ5cm×長さ75cm)にチヤ
ージし、純水で溶出せしめ、溶出液を20mlごとに
分画したところ、Bpは75〜90番目の画分に溶出
された。4回のセフアデツクスG−10カラムクロ
マトグラフイーのBp画分を合わせ、35℃で減圧
濃縮し、生成したBpの沈殿物を濾過により分離
し、エタノールついでエーテルで洗浄したのち、
真空乾燥することにより粗Bp56mgをえた(標品
())。 粗Bp標品(I)および()を合わせ、小量
の1N−塩酸で溶解したのち、100μづつに分け、
それぞれマイクロボンダパツクC18セミ分取用カ
ラム(φ8mm×長さ300mm)を用い、移動相として
3%メタノール水溶液5ml/分の条件でBp画分
を分取した。分取したBp画分を合わせ、35℃減
圧下、濃縮乾固したのち真空乾燥することによ
り、淡黄色粉末の精製Bp標品50mgをえた。 本標品を前記の高速液クロ条件およびパーテイ
ジル10ODSカラムを用い、移動相として5%メ
タノール水溶液、流速2ml/分の条件で高速液体
クロマトフラフイーを行い、溶出液を日本分光(株)
製のユビデツク(UVIDEC)を用いて254μmで
分析したところ、Bpの純度は95%であつた。 このようにしてえられた精製Bp標品を物性を
第1表に示す。第1表記載の精製Bp標品を物性
は、合成法によつて別途製造したBpの物性およ
び文献上知られているBpの物性値とよく一致し
ており、精製Bp標品がL−エリスロ−ビオプテ
リンであることは明らかである。 なお、第1図は本実施例でえられた精製Bp標
品の紫外吸収スペクトルであり、図中1は0.1N
−塩酸、2は純水および3は0.1N−NaOH水溶
液中で測定した結果をそれぞれ示す。 第2図は本実施例でえられた精製Bp標品の
KBr法で測定した赤外吸収スペクトル(図中1)
および合成法で製造したBpのKBr法で測定した
赤外吸収スペクトル(図中2)をそれぞれ示す。 第3図は本実施例でえられた精製Bp標品の
DCl中で測定した60MH H1−NMRスペクトル
を示す。
テリン(L−erythro−biopterin、以下Bpと称す
る)の製造法に関する。 [従来技術] 本発明の方法により製造されるBpは式(I)
で表わされる化合物である。 Bpは、1955年パターソン(Petterson)らによ
つて、トリパノゾーマの一種であるクリシデイ
ア・フアシクラータ(Crithidia faciculata)の
成長因子としてヒト尿より初めて単離され(J.
Am.Chem.Soc.77,3167(1955))、翌年その構造
が式(I)で示される構造、すなわち6−(L−
エリスロ−1,2−ジヒドロキシプロピル)プテ
リンであることが明らかにされた(J.Am.Chem.
Soc.78,5871(1956))。 Bpはヒト尿をはじめ、各種臓器、ある種の爬
虫類、両棲類、魚類の皮膚、シヨウジヨウバエの
眼などに比較的多量に存在することが知られてい
る。また、Bpのグルコースなどの糖との配糖体
が、藍藻類のアナシステイス・ニドランス
(Anacystis nidulans)などによつて生産される
ことが知られている(Plant physiology 36,
240(1961))が、今日まで微生物によつてBpその
ものが生産された例は知られていない。 Bpはテトラハイドロビオプテリンを製造する
ための重要な原料となりうるものであり、ジヒド
ロフオレートリダクターゼなどの酵素を用いる方
法、あるいは酸化白金などの触媒を用いる化学的
方法でBpを還元することにより、容易にテトラ
ハイドロビオプテリンに変換することができる。
テトラハイドロビオプテリンは、フエニールアラ
ニンヒドロキシラーゼ、チロシンヒドロキシラー
ゼ、トリプトフアンヒドロキシラーゼなどの天然
型補酵素として、最近フエニールケトン尿症やパ
ーキンソン氏病の治療薬として薬効が期待されて
いる重要な化合物であり、その原料であるBpが
安価に製造されることが望まれている。また、
Bpはジハイドロビオプテリン合成やセピアプテ
リン合成の原料としても有用である。 従来Bpの製造方法としては生物学的方法と化
学合成的方法とが知られている。生物学的方法と
しては、ヒト尿をはじめ、ある種のカエルの皮
膚、シヨウジヨウバエの眼などから抽出する方
法、ある種のオタマジヤクシの皮膚を酵素源と
し、Bp生合成の前駆体として知られているグア
ノシン三リン酸などとインキユベーシヨンするこ
とにより製造する方法、ラツトの形質転換細胞を
培養することにより製造する方法、藍藻類を培養
し、その培養物からBpの配糖体を分離し、これ
を酸加水分解してBpをうる方法などが知られて
いるが、いずれも生産量が極めて低く、かつ大量
生産が困難な製造法であり、工業的に使用しうる
ものではない。一方、化学合成による製造法は、
製造のステツプが多いこと、合成原料として、高
価なラムノースやデオキシアラビノースを使用し
なければならないこと、種々の取扱いに注意を要
し、取扱いが困難な試薬を使用しなければならな
いことなどの問題点を有し、必ずしも有利な製造
法であるとは言い難いのが現状である。 [発明の概要] このような背景のもとに、本発明者らは工業的
に有利なBpの製造法を確立するために鋭意検討
を重ねた結果、従来Bpを生産することが知られ
ていなかつた酵母あるいはカビが、その培養物中
にBpを蓄積することを見出し、その知見に基づ
いてさらに種々研究を重ね、本発明を完成するに
至つた。 すなわち本発明は、ムコール(Mucor)属ま
たはキヤンデイダ(Candida)属に属し、Bpを
生産する能力を有する微生物を栄養培地に培養
し、培養物中にBpを生成蓄積せしめ、これを採
取することを特徴とする微生物によるBpの製造
法に関する。 [発明の構成] 本発明の方法においては、ムコール属またはキ
ヤンデイダ属に属し、Bp生産能をもつ株であれ
ば、いずれも有効に適宜使用しうるが、その例と
して下記のものが挙げられる。 ムコール・ジヤバニカス(Mucor Javanicus)
HUT 1155、 ムコール・アルタナンス(Mucor alternans)
HUT 1115、 ムコール・サブチリシムス(Mucor
subtilissimus)IFO 6338、 キヤンデイダ・ノベラス(Candida novellus)
ATCC 20275、 キヤンデイダ・ルゴーザ(Candida rugosa)
CBS 5612および キヤンデイダ・ロブスタ(Candida robsta)
IFO 0204 これらの菌株は、それぞれ財団法人発酵研究所
(IFO:Institute for Fermentation Osaka)、広
島大学(HUT:Hiroshima University Type
Culture)、米国のATCC(American Type
Culture Collection)あるいはオランダのCBS
(Centraalbureau voor Schimmelcultures)に
おいて標準株として上記IFO、HUT、ATCCあ
るいはCBS番号で保存されており、必要に応じ
て容易に入手しうる菌株である。 本発明の方法において用いられる菌の培養に際
しては、菌が資化しうる炭素源、資化しうる窒素
源、その他の無機塩類、ビタミン類などを含有す
る培地が適宜用いられる。前記炭素源としては菌
が資化しうるものであれば、いかなるものでもよ
く、たとえばグルコース、シユクロース、マルト
ース、デキストリン、可溶性澱粉、澱粉などの糖
類、酢酸、乳酸、フマール酸、マレイン酸などの
有機酸、メタノール、エタノール、プロパノール
などのアルコール類、グリセリン、オリーブ油、
大豆油、米ぬか油などの油脂類などが用いられ
る。また前記窒素源としては、たとえば麦芽エキ
ス、ペプトン、大豆抽出物、肉エキス、酵母エキ
ス、コーンステイープリカー、尿素、アンモニア
塩類(たとえばリン酸アニモニウム、塩化アンモ
ニウム、硫酸アンモニウムなど)、アンモニア水、
アンモニアガス、硝酸塩(たとえば硝酸アンモニ
ウム、硝酸ナトリウムなど)、その他の有機また
は無機の窒素含有物が用いられる。さらに必要に
応じて、無機塩類(たとえばナトリウム塩類、カ
リウム塩類、リン酸塩類など)金属塩類(たとえ
ばカルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、マンガ
ン、銅、コバルト、モリブデン)などの塩類、微
量栄養物質(たとえばビタミン、アミノ酸、核酸
など)なども適宜添加される。また必要に応じて
界面活性剤や消泡剤を添加してもよい。 本発明の方法に従う前記微生物の培養は、一般
に好気的条件下で行うのが有利であり、液体培
養、固体培養のいずれでもよいが、通常液体培養
が便利である。液体培養は静置、振盪、通気撹拌
培養のいずれの方法によつても行うことができ
る。培養は一般に10〜45℃、好ましくは20〜40℃
の温度およびpH2〜10、好ましくはpH3〜8の範
囲に保持し、10時間ないし10日間程度培養すれば
よい。 かくしてえられた培養物の培養濾液と菌体抽出
液とは、そのままテトラヒドロビオプテリン、ジ
ヒドロビオプテリンあるいはセピアプテリンなど
の生産原料に供することができる。また必要に応
じてBpを単離して用いてもよい。 Bpを菌体から抽出する方法としては、たとえ
ば超音波処理やブラウンのホモゲナイザーなどを
用いて菌体を物理的に破壊することによつても可
能であるが、植物や動物組織などからプテリジン
(pteridine)化合物を抽出する方法として通常よ
く用いられる方法に従つて行うのが有利であり、
たとえば小橋らの方法(Agric,Biol.Chem.44,
2089(1980))(試料を0.1N−塩酸に懸濁したの
ち、120℃で2分間処理することにより試料中の
Bpを抽出する方法)に従つて行うことができる。 培養上澄中に含まれるBpおよび菌体抽出液中
に含まれるBpの単離は、通常プテリジン化合物
の単離に用いられる方法に従つて行うことができ
る。たとえば活性炭、フロリジル、アルミナ、ケ
イ酸塩、粉末濾紙、ハイポーラス合成ポリマー吸
着剤(たとえばアンバーライトXAD−2(ロー
ム・アンド・ハース社製)、アンバーライトXAD
−4(ローム・アンド・ハース社製)、ダイヤイオ
ンHP−20(三菱化成工業(株)製)など)、各種イオ
ン交換樹脂(たとえばダウエツクス50WX8(ダウ
ケミカル社製)、ダウエツクス1×8(ダウケミカ
ル社製)、アンバーライトIR−I20B(ローム・ア
ンド・ハース社製)、アンバーライトIRC−50(ロ
ーム・アンド・ハース社製)、アンバーライト
IRA−400(ローム・アンド・ハース社製)、アン
バーライトIRA−45(ローム・アンド・ハース社
製)、QAE−セフアデツクスA−25(フアルマシ
ア社製)など)およびゲル濾過担体(たとえばセ
フアデツクスG−10(フアルマシア社製)、セフア
デツクスG−25(フアルマシア社製)、バイオゲル
P−2(バイオラド社製)など)を用いる方法に
従つて行うことができる。単離は、バツチ法ある
いはクロマトグラフイー法を適宜組合わせること
によつて行うことができる。 また必要に応じて向流抽出法、溶媒抽出、分別
沈殿あるいはイオン交換系高速液体クロマトグラ
フイーカラム(たとえばパーテイジル10SCX(ワ
ツトマン社製)、パーテイジル10SAx(ワツトマ
ン社製)、ゾルバツクSCX−300((株)島津製作所
製)、ゾルバツクSAX((株)島津製作所製)、マイク
ロボンダパツク/NH3(ウオーターズ社製)な
ど)、逆相系高速液体クロマトグラフイーカラム
(たとえばパーテイジル10 ODS(ワツトマン社
製)、マイクロボンダパツクC18(ウオーターズ社
製)、ゾルバツクCDS((株)島津製作所製)など)
およびGPC系高速液体クロマトグラフイーカラ
ム(たとえばイオンパツクS−801(昭和電工(株)
製)、シンパツクHSG((株)島津製作所製)など)
を用いる高速液体クロマトグラフイーによる分取
法を採用することもできる。 なおBpの検出、定量は薄層クロマトグラフイ
ー、ペーパークロマトグラフイー、電気泳動法、
クリシデイア・フアシクラータを用いるバイオア
ツセイ法、ラジオイムノアツセイ法などを用いて
行うことができるが、感度、操作の容易性の点か
ら上記イオン交換系高速液体クロマトグラフィー
カラム、あるいは逆相系高速液体クロマトグラフ
イーカラムを用いる高速液体クロマトグラフイー
を行つたのち、蛍光検出器を用いて検出、定量す
る方法が好ましく用いられる。 また、Bpの同定には、元素分析、赤外吸収ス
ペクトル、紫外吸収スペクトル、核磁気共鳴スペ
クトル、濾紙電気泳動、薄膜クロマトグラフイ
ー、高速液体クロマトグラフイーなどが用いられ
る。 本発明の方法によればBpは、かかる操作を組
合せることにより、その遊離体あるいは塩、たと
えばナトリウム、カリウム、チリウムなどのアル
カリ金属塩、カルシウム、マグネシウムなどのア
ルカリ土類金属塩、塩酸、硫酸などの鉱酸との
塩、パラトルエンスルホン酸などの有機酸との塩
として採取される。 以下、実施例を述べることによりさらに詳しく
本発明を説明するが、もとより本発明はかかる実
施例のみに限定されるものではない。 実施例 1 6%麦汁寒天斜面培地上に28℃で7日間生育せ
しめたムコール・ジヤバニカスHUT1155株を、
予め常法により殺菌冷却したグルコース3.0%、
ポリペプトン1.0%、イーストエキス0.5%および
ビタミンB1 3ppmよりなる種母培地(pH7.0)
100mlを含む500ml三角フラスコに接種したのち、
温度28℃、ロータリーシエーカーで(200rpm、
振巾7mm)24時間培養し、えられた培養物140ml
を、予め殺菌冷却したグルコース8.0%(別途殺
菌したもの)、リン酸二アンモニウム3.0%、リン
酸二水素ナトリウム0.5%、塩化カリウム0.2%、
ポリペプトン1.0%、酵母エキス0.3%、硫酸第一
鉄0.02%、硫酸亜鉛0.006%、硫酸マンガン0.001
%、硫酸銅0.0005%、食塩0.01%および消泡剤
(CC−118、日本油脂(株)製)2mlよりなる培地
(pH6.5)18を含む30容量のジヤーフアメン
ターに接種し、温度37℃、通気3N/分、
250rpmの条件で5日間培養した。 2基のジヤーフアメンターからえられた培養終
了液をハイフロスーパーセルでプレコートした東
洋濾紙No.2を用いて吸引濾過し、濾液30をえ
た。この濾液に粉末活性炭(和光純薬(株)製)300
gを添加し、室温で30分間撹拌したのち、ハイフ
ロスーパーセルでプレコートした東洋濾紙No.2を
用いて吸引濾過し、13の純水で水洗いした。活
性炭を採取し、エタノールと1%NH4OH水溶液
の1対1(容量比)混合溶媒10に懸濁したのち、
室温で30分間撹拌し、Bpを溶出させた。これを
ハイフロスーパーセルでプレコートした東洋濾紙
No.2を用いて吸引濾過し、上記と同じ混合溶媒2
で洗浄した。溶出液と洗浄液とを合わせ、35℃
で減圧濃縮して濃縮液4をえた。濃縮液に塩酸
を添加してpH2.0としたのち、強酸性陽イオン交
換樹脂ダウエツクス50W×8(50〜100メツシユ、
H+型)のカラム(φ3cm×長さ40cm)にチヤージ
し、2.0の純水で洗浄したのち、1H−NH4OH
水溶液で溶出せしめ、溶出液を20mlごとに分画し
た。溶出液の各分画をパーテイジル10SCXカラ
ム(φ4.6mm×長さ250mm)を用い、移動相として
3mM−NH4 H2PO4水溶液(H3PO4でpH3.0に
調整)流速2.5ml/分の条件で高速液体クロマト
グラフイーにより分離し、溶出液の蛍光を(株)日立
製作所製の蛍光分光光度計650−10M型(LCセル
使用)を用いて励起波長360mm、蛍光波長440mmで
測定し、ユニコーダーU−228(日本電子(株)製)を
用いて記録した。別途合成法で製造したBpを標
準品とし、同じ保持時間を示すピークの高さより
Bp含量を定量した。その結果Bpは25〜59番目の
画分に溶出されていたので、この画分を合わせ、
強塩基性陰イオン交換樹脂ダウンエツクス1×8
(200〜400メツシユ、OH-型)のカラム(φ2.5cm
×長さ18cm)にチヤージし、1の純水で洗浄し
たのち、0.5M−NaCl水溶液で溶出せしめ、溶出
液を20mlごとに分画した。各分画についてBp含
量を前記と同じ方法で定量したところ、Bpは10
〜30番目の画分に溶出されていた。この画分を合
わせ、pH5.0に調整し、生成した不純物の沈殿を
濾別したのち5℃に保存した。生成したBpの沈
殿物を濾過により分離し、エタノールついでエー
テルで洗浄したのち、真空乾燥することにより粗
Bp50mgをえた(標品(I))。母液中には、また
多量のBpが残存していたので35℃で減圧濃縮し
たのち、30mlづつ4つに分け、それぞれセフアデ
ツクスG−10カラム(φ5cm×長さ75cm)にチヤ
ージし、純水で溶出せしめ、溶出液を20mlごとに
分画したところ、Bpは75〜90番目の画分に溶出
された。4回のセフアデツクスG−10カラムクロ
マトグラフイーのBp画分を合わせ、35℃で減圧
濃縮し、生成したBpの沈殿物を濾過により分離
し、エタノールついでエーテルで洗浄したのち、
真空乾燥することにより粗Bp56mgをえた(標品
())。 粗Bp標品(I)および()を合わせ、小量
の1N−塩酸で溶解したのち、100μづつに分け、
それぞれマイクロボンダパツクC18セミ分取用カ
ラム(φ8mm×長さ300mm)を用い、移動相として
3%メタノール水溶液5ml/分の条件でBp画分
を分取した。分取したBp画分を合わせ、35℃減
圧下、濃縮乾固したのち真空乾燥することによ
り、淡黄色粉末の精製Bp標品50mgをえた。 本標品を前記の高速液クロ条件およびパーテイ
ジル10ODSカラムを用い、移動相として5%メ
タノール水溶液、流速2ml/分の条件で高速液体
クロマトフラフイーを行い、溶出液を日本分光(株)
製のユビデツク(UVIDEC)を用いて254μmで
分析したところ、Bpの純度は95%であつた。 このようにしてえられた精製Bp標品を物性を
第1表に示す。第1表記載の精製Bp標品を物性
は、合成法によつて別途製造したBpの物性およ
び文献上知られているBpの物性値とよく一致し
ており、精製Bp標品がL−エリスロ−ビオプテ
リンであることは明らかである。 なお、第1図は本実施例でえられた精製Bp標
品の紫外吸収スペクトルであり、図中1は0.1N
−塩酸、2は純水および3は0.1N−NaOH水溶
液中で測定した結果をそれぞれ示す。 第2図は本実施例でえられた精製Bp標品の
KBr法で測定した赤外吸収スペクトル(図中1)
および合成法で製造したBpのKBr法で測定した
赤外吸収スペクトル(図中2)をそれぞれ示す。 第3図は本実施例でえられた精製Bp標品の
DCl中で測定した60MH H1−NMRスペクトル
を示す。
【表】
【表】
実施例 2
予め麦汁寒天斜面培地上に生成せしめたキヤン
デイダ・ノベラスATCC 20275株を実施例1と同
様の条件で種母培養したのち、その培養物0.1ml
を予め殺菌冷却したグルコース8.0%(別途殺菌
したもの)、リン酸二アンモニウム1.3%、リン酸
二水素ナトリウム0.79%、塩化カリウム0.2%、
ポリペプトン0.3%、酵母エキス0.3%、硫酸マグ
ネシウム0.08%、硫酸亜鉛0.006%、硫酸第一鉄
0.009%、硫酸銅0.0005%、硫酸マンガン0.001%、
および食塩0.01%よりなる培地(pH7.0)25mlを
含む500ml容量の三角フラスコに接種し、温度24
℃、ロータリー・シエーカー(200rpm、振巾7
cm)の条件で3日間培養した。このようにしてえ
られた培養液5を3,000rpmで10分間遠心す
ることにより4.5の培養上澄をえた。この培養
上澄にその1重量%の粉末活性炭(和光純薬(株))
製)を加えたのち、実施例1と同様にして活性炭
の分離、Bpの抽出、イオン交換クロマトグラフ
イーを行つた。ついでえられたBp画分を塩酸に
てpH1.5に調整したのち、35℃減圧下で濃縮し、
濃縮液2.0mlをえた。濃縮液のpHをNaOHにて
pH5.0に調整することによりBpを含有する淡黄
色の沈殿物が生成した。沈殿物を水、エタノール
ついでエーテルで洗浄したのち、乾燥することに
より粗Bp標品20mlをえた。この標品を0.5mlの2N
−塩酸に溶解したのち、50μづつに分け、それ
ぞれマイクロボンダパツクC18カラムを用いて実
施例1と同様の方法で分取高速液体クロマトグラ
フイーを行い、Bp画分を分取し、35℃減圧下で
乾固することにより淡黄色粉末の精製Bp標品3
mlをえた。この標品について、パーテイジル
10SCXカラムおよびパーテイジル10ODSカラム
を用いて実施例1と同様の方法で純度分析を行つ
たところ、Bpの純度は90%であつた。また、こ
の精製Bp標品について実施例1と同様にして紫
外吸収スペクトル、赤外吸収スペクトル、施光
度、パーテイジル10SCXカラムを用いる高速液
体クロマトグラフイーおよびパーテイジル
10ODSカラムを用いる高速液体クロマトグラフ
イーにより、別途合成法により調製したBp標品
と比較したところ、各分析結果はよく一致し、精
製Bp標品がL−エリスロ−ビオプテリンである
ことが確認された。 実施例 3 ムコール・アルタナンスHUT 1115株または
ムコール・サブチリシムスIFO 6338株を実施例
1と同様の種母培地に接種したのち、温度28℃、
撹拌速度200rpmの条件で48時間培養したのち、
その培養物1mlを、予め殺菌冷却した生産培地
(グルコース8%(別途殺菌したもの)、リン酸二
アンモニウム1.3%、リン酸一カリウム0.7%、ポ
リペプトン0.3%、酵母エキス0.3%、硫酸マグネ
シウム0.08%、硫酸亜鉛0.006%、硫酸第一鉄
0.009%、硫酸銅0.0005%、硫酸マンガン0.001%
および食塩0.01%からなる培地)(PH7.0)50mlを
含む500ml容量の三角フラスコ100本に接種し、28
℃、200rpmの条件で5日間培養した。えられた
培養終了液を全部合わせたのち、実施例1と同様
の方法で培養濾液と菌体とを分離した。えられた
培養濾液にその1重量%の粉末活性炭(和光純薬
(株)製)を添加し、室温で30分間攪拌したのち、実
施例1と同様に処理してBpを吸着した活性炭を
分離し、培養濾液の1/3容量のエタノールと1%
NH4OH水溶液とからなる混合溶媒中に懸濁し、
室温で30分間攪拌したのち実施例1と同様の方法
で活性炭を濾別し、抽出液をえた。この抽出液を
35℃で減圧濃縮し、1/3容量としたのちPHを2.0に
調整し、ダウエツクス50W×8(50〜100メツシ
ユ、H+型)のカラム(φ1.0cm×長さ20cm)にチ
ヤージした。カラムを水洗いしたのち、1N−
NH4OH水溶液で溶出し、溶出画分を5mlごとに
分画した。各分画を実施例1と同様の方法で高速
液クロ分析し、Bpを含有する画分を合わせ、ダ
ウエツクス1×8(200〜400メツシユ、H-型)の
カラム(φ1.0cm×長さ5.0cm)にチヤージし、水
洗いしたのち、0.5M−NaCl水溶液で溶出し、溶
出液を1mlごとに分画し、上記と同様にBpを分
析したのち、Bp画分を合わせ、塩酸でPHを2.0に
調整、35℃で減圧下、濃縮乾固した。乾固物を
200μの1N−塩酸に溶解し、不溶物を除去した
のち、50μごとに分け、それぞれ実施例1と同
様の方法で高速液体クロマトグラフイーにより
Bp画分を分取した。Bp画分を合わせ、35℃減圧
下、乾固した。このようにしてえられたBp画分
を、パーテイジル10SCXカラムを用い、移動相
として3mM−(NH4)2 HPO4(pH3.0)を流速
2.5ml/分の条件(あるいはパーテイジル10ODS
カラムを用い、移動相として5%メタノール水溶
液を流速2.0ml/分の条件でもよい)で高速液体
クロマトグラフイーを行い、溶出液を(株)日立製作
所製の螢光分光光度計650−10M型(LCセル使
用)を用い、励起波長360nm、螢光波長440nmで
Bp含量を測定したところ、ムコール・アルタナ
ンスHUT1115株からえられた標品には2.1mgの
Bpが、またムコール・サブチリシムスIFO6338
株からえられた標品には2.9mgのBpがそれぞれ含
有されていた。 実施例 4 キヤンデイダ・ルゴーザCBS 5612株またはキ
ヤンデイダ・ロブスタIFO 0204株を実施例2と
同様にして種母培養し、その培養物0.2mlを実施
例3と同様の生産培地25mlを含有する500ml容量
の三角フラスコ200本に接種したのち、温度28℃、
撹拌速度200rpmの条件で3日間培養した。えら
れた培養終了液を合わせたのち、実施例3と同様
の方法で部分精製標品の乾固物をえた。この標品
中のBp含量を実施例3と同様の方法で測定した
ところ、キヤンデイダ・ルゴーサCBS 5612株か
らえられた標品には0.95mgのBpが、またキヤン
デイダ・ロブスタIFO 0204株からえられた標品
には0.65mgのBpがそれぞれ含有されていた。
デイダ・ノベラスATCC 20275株を実施例1と同
様の条件で種母培養したのち、その培養物0.1ml
を予め殺菌冷却したグルコース8.0%(別途殺菌
したもの)、リン酸二アンモニウム1.3%、リン酸
二水素ナトリウム0.79%、塩化カリウム0.2%、
ポリペプトン0.3%、酵母エキス0.3%、硫酸マグ
ネシウム0.08%、硫酸亜鉛0.006%、硫酸第一鉄
0.009%、硫酸銅0.0005%、硫酸マンガン0.001%、
および食塩0.01%よりなる培地(pH7.0)25mlを
含む500ml容量の三角フラスコに接種し、温度24
℃、ロータリー・シエーカー(200rpm、振巾7
cm)の条件で3日間培養した。このようにしてえ
られた培養液5を3,000rpmで10分間遠心す
ることにより4.5の培養上澄をえた。この培養
上澄にその1重量%の粉末活性炭(和光純薬(株))
製)を加えたのち、実施例1と同様にして活性炭
の分離、Bpの抽出、イオン交換クロマトグラフ
イーを行つた。ついでえられたBp画分を塩酸に
てpH1.5に調整したのち、35℃減圧下で濃縮し、
濃縮液2.0mlをえた。濃縮液のpHをNaOHにて
pH5.0に調整することによりBpを含有する淡黄
色の沈殿物が生成した。沈殿物を水、エタノール
ついでエーテルで洗浄したのち、乾燥することに
より粗Bp標品20mlをえた。この標品を0.5mlの2N
−塩酸に溶解したのち、50μづつに分け、それ
ぞれマイクロボンダパツクC18カラムを用いて実
施例1と同様の方法で分取高速液体クロマトグラ
フイーを行い、Bp画分を分取し、35℃減圧下で
乾固することにより淡黄色粉末の精製Bp標品3
mlをえた。この標品について、パーテイジル
10SCXカラムおよびパーテイジル10ODSカラム
を用いて実施例1と同様の方法で純度分析を行つ
たところ、Bpの純度は90%であつた。また、こ
の精製Bp標品について実施例1と同様にして紫
外吸収スペクトル、赤外吸収スペクトル、施光
度、パーテイジル10SCXカラムを用いる高速液
体クロマトグラフイーおよびパーテイジル
10ODSカラムを用いる高速液体クロマトグラフ
イーにより、別途合成法により調製したBp標品
と比較したところ、各分析結果はよく一致し、精
製Bp標品がL−エリスロ−ビオプテリンである
ことが確認された。 実施例 3 ムコール・アルタナンスHUT 1115株または
ムコール・サブチリシムスIFO 6338株を実施例
1と同様の種母培地に接種したのち、温度28℃、
撹拌速度200rpmの条件で48時間培養したのち、
その培養物1mlを、予め殺菌冷却した生産培地
(グルコース8%(別途殺菌したもの)、リン酸二
アンモニウム1.3%、リン酸一カリウム0.7%、ポ
リペプトン0.3%、酵母エキス0.3%、硫酸マグネ
シウム0.08%、硫酸亜鉛0.006%、硫酸第一鉄
0.009%、硫酸銅0.0005%、硫酸マンガン0.001%
および食塩0.01%からなる培地)(PH7.0)50mlを
含む500ml容量の三角フラスコ100本に接種し、28
℃、200rpmの条件で5日間培養した。えられた
培養終了液を全部合わせたのち、実施例1と同様
の方法で培養濾液と菌体とを分離した。えられた
培養濾液にその1重量%の粉末活性炭(和光純薬
(株)製)を添加し、室温で30分間攪拌したのち、実
施例1と同様に処理してBpを吸着した活性炭を
分離し、培養濾液の1/3容量のエタノールと1%
NH4OH水溶液とからなる混合溶媒中に懸濁し、
室温で30分間攪拌したのち実施例1と同様の方法
で活性炭を濾別し、抽出液をえた。この抽出液を
35℃で減圧濃縮し、1/3容量としたのちPHを2.0に
調整し、ダウエツクス50W×8(50〜100メツシ
ユ、H+型)のカラム(φ1.0cm×長さ20cm)にチ
ヤージした。カラムを水洗いしたのち、1N−
NH4OH水溶液で溶出し、溶出画分を5mlごとに
分画した。各分画を実施例1と同様の方法で高速
液クロ分析し、Bpを含有する画分を合わせ、ダ
ウエツクス1×8(200〜400メツシユ、H-型)の
カラム(φ1.0cm×長さ5.0cm)にチヤージし、水
洗いしたのち、0.5M−NaCl水溶液で溶出し、溶
出液を1mlごとに分画し、上記と同様にBpを分
析したのち、Bp画分を合わせ、塩酸でPHを2.0に
調整、35℃で減圧下、濃縮乾固した。乾固物を
200μの1N−塩酸に溶解し、不溶物を除去した
のち、50μごとに分け、それぞれ実施例1と同
様の方法で高速液体クロマトグラフイーにより
Bp画分を分取した。Bp画分を合わせ、35℃減圧
下、乾固した。このようにしてえられたBp画分
を、パーテイジル10SCXカラムを用い、移動相
として3mM−(NH4)2 HPO4(pH3.0)を流速
2.5ml/分の条件(あるいはパーテイジル10ODS
カラムを用い、移動相として5%メタノール水溶
液を流速2.0ml/分の条件でもよい)で高速液体
クロマトグラフイーを行い、溶出液を(株)日立製作
所製の螢光分光光度計650−10M型(LCセル使
用)を用い、励起波長360nm、螢光波長440nmで
Bp含量を測定したところ、ムコール・アルタナ
ンスHUT1115株からえられた標品には2.1mgの
Bpが、またムコール・サブチリシムスIFO6338
株からえられた標品には2.9mgのBpがそれぞれ含
有されていた。 実施例 4 キヤンデイダ・ルゴーザCBS 5612株またはキ
ヤンデイダ・ロブスタIFO 0204株を実施例2と
同様にして種母培養し、その培養物0.2mlを実施
例3と同様の生産培地25mlを含有する500ml容量
の三角フラスコ200本に接種したのち、温度28℃、
撹拌速度200rpmの条件で3日間培養した。えら
れた培養終了液を合わせたのち、実施例3と同様
の方法で部分精製標品の乾固物をえた。この標品
中のBp含量を実施例3と同様の方法で測定した
ところ、キヤンデイダ・ルゴーサCBS 5612株か
らえられた標品には0.95mgのBpが、またキヤン
デイダ・ロブスタIFO 0204株からえられた標品
には0.65mgのBpがそれぞれ含有されていた。
第1図は実施例1の方法によつてムコール・ジ
ヤバニカスHUT 1155株からえられた精製Bp標
品の紫外吸収スペクトルであり、図中1は0.1N
−塩酸、2は純水および3は0.1N−NaOH水溶
液中で測定した結果をそれぞれ示す。第2図は実
施例1の方法によつてムコール・・ジヤバニカス
HUT 1155株からえられた精製Bp標品(図中1)
および合成法で製造したBp(図中2)のKBr法で
測定した赤外吸収スペクトルをそれぞれ示す。第
3図は実施例1の方法によつてムコール・ジヤバ
ニカスHUT 1155株からえられた精製Bp標品の
DCl中で測定した60MH H1−NMRスペクトル
を示す。
ヤバニカスHUT 1155株からえられた精製Bp標
品の紫外吸収スペクトルであり、図中1は0.1N
−塩酸、2は純水および3は0.1N−NaOH水溶
液中で測定した結果をそれぞれ示す。第2図は実
施例1の方法によつてムコール・・ジヤバニカス
HUT 1155株からえられた精製Bp標品(図中1)
および合成法で製造したBp(図中2)のKBr法で
測定した赤外吸収スペクトルをそれぞれ示す。第
3図は実施例1の方法によつてムコール・ジヤバ
ニカスHUT 1155株からえられた精製Bp標品の
DCl中で測定した60MH H1−NMRスペクトル
を示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ムコール属またはキヤンデイダ属に属し、L
−エリスロ−ビオプテリンを生産する能力を有す
る微生物を栄養培地に培養し、培養物中にL−エ
リスロ−ビオプテリンを生成蓄積せしめ、これを
採取することを特徴とする微生物によるL−エリ
スロ−ビオプテリンの製造法。 2 ムコール・ジヤバニカス、ムコール・アルタ
ナンスおよびムコール・サブチリシスムを使用す
る特許請求の範囲第1項記載の製造法。 3 キヤンデイダ・ノベラス、キヤンデイダ・ル
ゴーサおよびキヤンデイダ・ロブスタを使用する
特許請求の範囲第1項記載の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12952084A JPS619296A (ja) | 1984-06-22 | 1984-06-22 | 微生物によるl−エリスロ−ビオプテリンの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12952084A JPS619296A (ja) | 1984-06-22 | 1984-06-22 | 微生物によるl−エリスロ−ビオプテリンの製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS619296A JPS619296A (ja) | 1986-01-16 |
| JPH0533989B2 true JPH0533989B2 (ja) | 1993-05-20 |
Family
ID=15011527
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12952084A Granted JPS619296A (ja) | 1984-06-22 | 1984-06-22 | 微生物によるl−エリスロ−ビオプテリンの製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS619296A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1314782B1 (en) | 2000-08-31 | 2009-03-18 | Asubio Pharma Co., Ltd. | Process for producing biopterins |
| JPWO2006085535A1 (ja) * | 2005-02-09 | 2008-06-26 | 株式会社カネカ | テトラヒドロビオプテリン生合成酵素を用いたビオプテリン類の製造方法 |
-
1984
- 1984-06-22 JP JP12952084A patent/JPS619296A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS619296A (ja) | 1986-01-16 |
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