JPH0535086B2 - - Google Patents
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- JPH0535086B2 JPH0535086B2 JP60139145A JP13914585A JPH0535086B2 JP H0535086 B2 JPH0535086 B2 JP H0535086B2 JP 60139145 A JP60139145 A JP 60139145A JP 13914585 A JP13914585 A JP 13914585A JP H0535086 B2 JPH0535086 B2 JP H0535086B2
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〔産業上の利用分野〕
本発明は、高純度シリカの製造方法に関する。
詳しくは、アルカリけい酸塩水溶液から、アルカ
リ金属や塩素のほか、ウランなど放射性を有する
不純物の含有率が極めて低い高純度シリカを製造
する方法に関する。 高純度シリカは、充填剤・分散剤などの用途、
透明石英ガラス、特殊セラミツクスなどの原料と
して用いられるほか、電子部品封止用樹脂組成物
の充填剤の原料としての用途が期待される。 電子部品の封止材料としては、シリカなど無機
質充填剤を含む合成樹脂組成物が用いられている
が、無機質充填剤は、膨張係数、熱伝導性、透湿
性、機械的特性などの諸物性およびコストの面か
ら成形性の許す限り多量に配合することが有利と
され、シリカ系充填剤が最も好ましいとされてい
る。しかし、電子部品素子の高集積化に伴つて、
素子の誤作動の問題が生じており、これは使用す
る封止材料、特にシリカ系充填剤中に数十〜数百
ppb単位で含まれている微量のウラン、トリウム
などの放射性元素から放出されるα線に起因する
とされていて、シリカ中のこのような不純物の含
有率を更に低減させることが望まれている。 本発明は、このような要望に対応することを目
的とするものである。 〔従来の技術〕 高純度シリカの製法としては; (1) 蒸留・吸着・液相抽出等により精製した四塩
化けい素を酸水素炎下で反応させる方法が知ら
れている。また; (2) けい酸アルカリ水溶液を原料として高純度シ
リカを製造する方法として、けい酸アルカリ水
溶液をイオン交換樹脂で処理することによつて
精製する方法(特開昭60−42217号、特開昭60
−42218号など)が提案されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 これらの方法により純度の高いシリカを製造す
ることができるが、(1)の方法の場合、得られるシ
リカ粒子の平均粒径がmμオーダーの微粒子で比
表面積が大きく、電子部品封止用樹脂組成物への
充填剤としては利用し難い。 また、(2)の方法では、いづれもけい酸アルカリ
水溶液のSiO2濃度を約10重量%以下に希釈して
精製処理操作を行うので装置効率上の点で、また
シリカゾルからシリカを沈澱析出させ母液から分
離回収する操作条件が複雑であるので生産性の点
で難がある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは、従来の方法における、このよう
な問題点を改善し、アルカリけい酸塩水溶液を原
料として不純物の含有量が極めて少ない高純度シ
リカを効率良く、しかも経済的に製造するべく鋭
意研究し、アルカリけい酸塩水溶液を凝固浴中で
微細な繊維状ゲルとし、得られた繊維状ゲルを酸
を含む液、次いで水で処理して不純物を抽出、除
去することによつて高純度シリカを得ることがで
きることを見出し、本発明を完成した。 本発明は、粘度が2〜500ポイズの範囲である
アルカリけい酸塩水溶液(アルカリけい酸塩は、
一般式:M2O・nSiO2〈ただし、Mはアルカリ金
属元素、nはSiO2のモル数で0.5〜5を示す〉で
表される)を、材質が貴金属類製、貴金属合金類
製もしくは四弗化エチレン系樹脂製のもの、また
はそのノズル面を貴金属類もしくは四弗化エチレ
ン系樹脂で被覆したもののいずれかであり、孔径
1mm以下である紡糸ノズルから直接、水溶性有機
媒体中に押し出して微細な繊維状ゲルとし、得ら
れた繊維状ゲルを処理の最初の段階で酸濃度が30
容量%以下である酸を含む液で処理した後、次い
で水洗して不純物を抽出除去することを特徴とす
る高純度シリカの製造方法を要旨とする。 以下、本発明について説明する。本発明の実施
態様は、次の2工程から構成される。 ●工程−1:(繊維化工程) アルカリけい酸塩水溶液から曳糸性を有する高
粘性液(以下、原液という)を調製し、この原液
を繊維化装置を用いて凝固浴中で凝固させ微細な
繊維状ゲルとする。 ●工程−2:(不純物抽出工程) 得られた繊維状ゲルを、酸を含む液(以下、処
理液という)、次いで水で処理して不純物を抽出
し除去する。 本発明の特徴は; (1) アルカリけい酸塩水溶液は、紡糸ノズル(以
下、ノズルという)を備えた繊維化装置を用い
て凝固浴中で凝固させ微細な繊維状ゲルとす
る。 繊維化に際しては、1mm以下の孔径を有する
ノズルを用いるのがよい。 得られる繊維状ゲルは微細径で高表面積を有
するので不純物の抽出効率が高まる。 (2) アルカリけい酸塩水溶液を微細な繊維状ゲル
とするに際して、アルカリけい酸塩水溶液を水
溶性有機媒体中で凝固させる。 アルカリけい酸塩水溶液の粘度は2〜500ポ
イズの範囲とするのがよい。 前記の特徴(1)および(2)を組み合わせることによ
り、驚くべきことに、通常の円形孔ノズルを用い
ても中空構造を有する繊維状ゲルが得られ、その
凝固体部分は均質な高膨潤状態を保持し、不純物
が酸および水によつて抽出され易い構造で得られ
るので、前記の特徴(1)の効果とあいまつて前記の
組合せはシリカ中の不純物の抽出効率を著しく向
上させることができる。 本発明の方法で原料のアルカリけい酸塩水溶液
としては、けい酸のナトリウム塩、カリウム塩、
リチウム塩などの水溶液を用いることができる。 以下、本発明の方法においてアルカリけい酸塩
水溶液としてけい酸ナトリウム水溶液を用いた場
合を例として、前記の2工程を順次説明する。 〔工程−1:(繊維化工程)〕 原料のけい酸ナトリウム水溶液を繊維化するの
に適した粘度範囲に調製し、原液とする。 本発明の方法に適した原液の粘度範囲は、2〜
500ポイズの範囲がよく、特に10〜200ポイズの範
囲が好適である。 SiO2濃度が高く粘度が高過ぎるけい酸ナトリ
ウム水溶液を原料とする場合には、水で適宜希釈
して使用する。 SiO2約30%を含むけい酸ナトリウム水溶液の
場合には、通常の状態では粘度が低く曳糸性が充
分でないので、これに曳糸性を付与するためにけ
い酸ナトリウムを重合させて用いる。 けい酸ナトリウムを重合させる方法としては、
酸性物質による部分中和法、脱水濃縮法、多価金
属塩を添加する方法等が提案されている。これら
の内、脱水濃縮法は最も簡単な方法で数%の脱水
でけい酸ナトリウムは重合し粘度が増大する。 調製した原液を繊維化に適した温度、たとえば
30〜60℃に保ち、適宜のろ過装置を経て、定量ポ
ンプを用いて繊維化装置に送る。 繊維化装置としては、特に限定するものではな
く、一般には紡糸ノズルを備えた押し出し機を用
いることができる。 ノズルを用いる場合の最大の問題点は、ノズル
から押し出された原液のノズル出口面への接着ト
ラブルの発生である。 周知のように、けい酸ナトリウム水溶液は金属
との親和性の高い粘稠な液であり、僅かの含水率
の減少で急に凝固する性質を有し、接着剤として
も使用されていることから判るように、けい酸ナ
トリウム水溶液からなる原液がノズル面に付着し
た状態で凝固すると、けい酸ナトリウムとノズル
面との間に強固な結合が形成され、これを剥離さ
せることは極めて困難である。凝固体がノズル面
に接着すると隣接している孔から押し出された原
液が次々と付着凝固してゆき、遂には繊維化の操
作を継続することができなくなる。 このような現象は使用するノズルの孔径が小さ
く、孔数の多い場合に起こり易い。これの解決策
としては、ノズル面と原液との付着性をできるだ
け小さくすることである。 本発明者らは使用するノズルの材質について
種々の検討を行い、金、白金などの貴金属類製、
金−白金合金などの貴金属合金類製もしくは四弗
化エチレン(以下、TFEという)系樹脂製のノ
ズル、またはそのノズル面を貴金属類もしくは
TFE系樹脂で被覆したものを使用するとゲル化
したアルカリけい酸塩のノズル離れ性が著しく向
上することを見出した。 本発明でいう貴金属類とは、金、白金、銀、パ
ラジウムを含み、通常のメツキ処理によつてノズ
ル面に被覆することができる。 本発明でいうTFE系樹脂とはポリ四弗化エチ
レン(PTFE)のほか、TFEとヘキサフルオロ
プロピレンとの共重合体、TFEとパーフルオロ
アルキルビニルエーテルとの共重合体、エチレン
とTFEとの共重合体、エチレンとビニルフルオ
ライドとの共重合体、エチレンとビニリデンフル
オライドとの共重合体、エチレンとクロロトリフ
ルオロエチレンとの共重合体などの共重合体類を
含む。 ノズル面へのTFE系樹脂の被覆は常法に従つ
て行い、必要ならノズル外面にプライマーを施し
た後、被覆を行つてもよい。 繊維化には、湿式法のほかアルカリけい酸塩水
溶液をノズルからいつたん空気中に押し出した後
で、酸溶液で処理して凝固させるなど種々の方法
が採用できるが、アルカリけい酸塩のノズル面へ
の接着防止の観点からは乾式法に比し湿式法が有
利である。 本発明では、凝固浴中に浸漬したノズルから原
液を押し出す。押し出された原液は凝固浴中で繊
維状に凝固しゲルとなる。この繊維状ゲルはロー
ラーで引きとるか、またはベルトコンベアーに乗
せて次の工程−2へ送る。 本工程で使用するノズルの孔径は、0.05〜1.0
mmの範囲がよく、好ましくは0.1〜0.3mmの範囲で
ある。ノズルは通常の円形孔ノズルを用いればよ
いが、異形断面孔ノズル若しくは中空糸紡糸用ノ
ズルを使用することもできる。 本発明の方法では、特に中空糸紡糸用ノズルを
用いなくても中空繊維状ゲルを得ることができ、
工程−2で良好な不純物抽出効果が得られる。 繊維状ゲルに微細な気泡を混入させることも不
純物抽出効率を高めるのに有効である。 繊維状ゲルに微細な気泡を混入させる方法とし
ては、空気が液中に巻き込まれるように撹拌して
調製した原液を用いる方法、原液に加熱により分
解して気体を発生する化学的発泡剤または常温で
液状の低沸点物質を添加し、該原液を加熱しなが
ら繊維化する方法、或いは原液を繊維化装置に送
るポンプのキヤビテーシヨン現象を利用する方法
など種々の方法を採ることができる。 本発明の凝固浴に用いる凝固剤としては水溶性
の有機媒体を使用する。水溶性の有機媒体は水に
対する親和性が大きいが、アルカリけい酸塩に対
しては殆ど親和性を示さない。アルカリけい酸塩
の凝固は、いわゆる脱水効果によつて起こるもの
と考えられる。本発明の方法で用いられる水溶性
の有機媒体としては、例えば、メタノール、エタ
ノール、n−プロパノール等のアルコール類、酢
酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチル
アセトアミド(以下、DMACという)、ジメチル
ホルムアミド(以下、DMFという)などのアミ
ド類、ジメチルスルフオキシド等を挙げることが
できる。 アルカリけい酸塩の凝固速度は使用する凝固剤
の種類によつても大巾に異なるので、凝固浴温度
を一義的に決めるのはむづかしいが、通常は10〜
60℃程度の温度がよい。 繊維状ゲルの引き取りは、ローラータイプで毎
分1〜100m程度、コンベアータイプで毎分0.1〜
50m程度の速度で通常操作される。 〔工程−2:(不純物抽出工程)〕 前記工程−1で得られた繊維状ゲルを本工程に
おいて酸を含む液で処理する。酸は、硫酸、塩
酸、硝酸などの無機酸およびギ酸などの有機酸
で、実用上、硫酸、硝酸などを用いるのが好まし
い。 また、処理液としては実用上、これらの酸の水
溶液が好ましい。 本工程での酸処理操作としては、1段階で処理
する方法を採ることもできるが、特に微量の不純
物を抽出除去するには処理操作を少なくとも2段
階に分け、各段階ごとに使用する処理液を更新す
る多段階処理を行うこともできる。 不純物の抽出には高濃度の酸を用いて行うのが
一般的な方法であるが、本発明の方法では工程−
1において形成された、不純物が抜け易いゲルの
構造をできるだけ保持するため、処理液の酸濃度
は低くすることが好ましい。 本発明の方法では、処理操作の最初の段階にお
ける処理液の酸濃度は30容量%以下(処理液100
容量部当たりに含む酸:30容量部以下を意味し、
以下同様とする。)とするのが好ましい。 処理液の酸濃度が30容量%以下の領域では繊維
状ゲルは膨潤状態を保つており、この状態で脱ア
ルカリが進行する。その上、微細な中空繊維の特
徴である高表面積との相乗効果によつて、不純物
の抽出効率が著しく向上する。 処理操作の最初の段階において酸濃度30容量%
を超える処理液を用いた場合には、この処理によ
つて生成したシリカの組識が緻密になり過ぎ、内
部に残留する不純物の抽出が難しくなる。 また、処理液の酸濃度が0.5容量%未満では酸
処理の能率の点で実用的でない。 このようなことから、この処理の最初の段階で
用いる処理液の酸濃度は0.5〜30容量%の範囲が
よく、好ましくは1〜25容量%、更に好ましくは
3〜20容量%の範囲である。 多段階処理の場合、最初の段階における処理液
の酸濃度は30容量%以下にすることが必要である
が、第2段階以降の処理液の酸濃度にはこのよう
な制限はなく、任意に定めることができる。 本工程での処理温度は特に制限しないが、50℃
以上の温度で抽出操作を行うのがよい。 処理液の常圧における沸点よりも高い温度で加
圧下で処理すると不純物抽出の所要時間を短縮す
ることができる。加圧抽出の際の温度は、高い程
好ましいが酸による装置の腐食やエネルギーコス
トを考慮すると、100〜150℃、好ましくは110〜
140℃の範囲が実用的である。 本工程の処理は、撹拌しながら行うことが望ま
しい。本工程の操作は長繊維状のままで連続処理
することもできるが、回分式で処理する場合には
前記工程−1で得られた長繊維状ゲルを短繊維状
に切断することが好ましい。短繊維化には通常の
ガラス繊維切断用カツターを使用することができ
る。切断長は通常5〜50mmがよく、そのうちでも
10mm前後が好適である。 ゲルが短繊維化されると、処理液中での撹拌に
よるゲルの分散性が極めて良好になる。短繊維状
ゲルは処理液中でスラリー状に分散し、不純物抽
出の操作が容易になると共に不純物の抽出効果の
均一性も向上し、不純物抽出成積のバラツキが著
しく少なくなる。また、短繊維状ゲルは繊維状物
の特徴である嵩高性も備えているので不純物抽出
処理後の洗滌およびろ過操作でも、液分離が極め
て容易である。 酸処理の時間は、回分式の場合には30分から5
時間程度、また、連続式の場合には30秒から30分
程度、好ましくは1〜10分程度である。 酸処理を施して得られたシリカ繊維は次いで任
意の温度の水を用いて洗滌し、必要によりろ過操
作を組み合せて脱酸および脱水処理する。 なお、本発明で使用する酸は精製または電子グ
レードと称される高純度品を、また原料や使用す
る酸の希釈またはシリカの洗滌などに用いる水は
不純物の少ない純水を用いることが好ましい。 本工程の処理によつて、シリカ中の放射性元素
を含む前記不純物の含有率は極めて低くなる。 酸処理後のシリカ中の不純物含有率は、アルカ
リ金属:約10ppm以下、塩素:3ppm以下、ウラ
ンについては、約3ppb以下にすることができる。 〔発明の効果〕 本発明の方法によれば、アルカリけい酸塩水溶
液を原料としてウランなどの放射性元素を含む不
純物含有率が極めて低い高純度のシリカを得るこ
とができる。得られるシリカは従来技術による場
合に比較して純度が高いので、充填剤・分散剤な
どの用途のほか、透明石英ガラス・特殊セラミツ
クスなどの原料として利用できるほか、電子部品
封止用樹脂組成物の充填剤の原料としての用途も
期待される。 更に、本発明の方法は従来の方法による場合に
比較して、製造コストを低減することができると
いう利点も併せ持つている。 〔実施例〕 以下、本発明の方法を実施例および比較例によ
り具体的に説明する。 実施例 1 けい酸ソーダ#3号(JIS K1408、3号相当
品、以下同じ)(SiO2:28%、Na2O:9%、
U:36ppb)3000gを、減圧下で50℃に加温して
脱水濃縮し、SiO2:32%の繊維化用原液を得た。
本原液の粘度は30℃で約100ポイズであり、曳糸
性も良好であつた。この原液をろ過後、押し出し
機を用い孔径0.1mmφ、孔数200個のPTFE樹脂被
覆ノズルを通して3m/分の速度で、30℃に保持
した凝固浴(凝固剤:DMAC)中へ押し出した。 押し出された原液はDMACによつて脱水され
て凝固し、透明な繊維状ゲルに変化した。この繊
維状ゲルをカツターを用いて切断し、繊維長約1
cmの短繊維とした。 得られた短繊維状ゲル10gを処理液−硫酸5容
量%水溶液:500c.c.中に浸漬し、撹拌しつつ100℃
で1時間処理し、次いで、処理液を硫酸10容量%
水溶液:500c.c.に替え、同様にして第2段目の処
理を行つた。 このようにして得られた短繊維状シリカを沸騰
水で洗滌、ろ過して脱酸・脱水し、150℃で乾燥
した後、粒径分布をそろえるためメノウ製粉砕器
で粉砕し、シリカ粒子を得た。 なお、本実施例以下、酸は半井化学製試薬特級
品を、また水は電気伝導度が1.0μS/cm(25℃)
以下であるイオン交換水を使用した。 実施例 2 けい酸ソーダ#3号(実施例1と同ロツト)
5000gを30℃に保持し、撹拌しながら微粉状の酸
性硫酸ソーダを少量づつゆつくり添加した。けい
酸ソーダ液の粘度は酸性硫酸ソーダの添加量の増
加につれて上昇し、粘度30ポイズの原液を得た。 この原液は空気をまきこみ、気泡で充満してい
た。この気泡を含んだ原液をそのまま押し出し機
から孔径0.1mmφ、孔数200個の金−白金合金製ノ
ズルを通してDMACを凝固剤とした凝固浴中へ
押し出し、繊維状ゲルを得た。この繊維状ゲル中
には多数の微細な気泡が存在していた。気泡を含
んだままの繊維状ゲルを切断して短繊維化し、実
施例1と同様の処理を行つてシリカ粒子を得た。 上記の実施例1〜2で得られたシリカ中の不純
物含有率を表−1に示す。Cl、UおよびThの分
析は放射化分析法によつた。
詳しくは、アルカリけい酸塩水溶液から、アルカ
リ金属や塩素のほか、ウランなど放射性を有する
不純物の含有率が極めて低い高純度シリカを製造
する方法に関する。 高純度シリカは、充填剤・分散剤などの用途、
透明石英ガラス、特殊セラミツクスなどの原料と
して用いられるほか、電子部品封止用樹脂組成物
の充填剤の原料としての用途が期待される。 電子部品の封止材料としては、シリカなど無機
質充填剤を含む合成樹脂組成物が用いられている
が、無機質充填剤は、膨張係数、熱伝導性、透湿
性、機械的特性などの諸物性およびコストの面か
ら成形性の許す限り多量に配合することが有利と
され、シリカ系充填剤が最も好ましいとされてい
る。しかし、電子部品素子の高集積化に伴つて、
素子の誤作動の問題が生じており、これは使用す
る封止材料、特にシリカ系充填剤中に数十〜数百
ppb単位で含まれている微量のウラン、トリウム
などの放射性元素から放出されるα線に起因する
とされていて、シリカ中のこのような不純物の含
有率を更に低減させることが望まれている。 本発明は、このような要望に対応することを目
的とするものである。 〔従来の技術〕 高純度シリカの製法としては; (1) 蒸留・吸着・液相抽出等により精製した四塩
化けい素を酸水素炎下で反応させる方法が知ら
れている。また; (2) けい酸アルカリ水溶液を原料として高純度シ
リカを製造する方法として、けい酸アルカリ水
溶液をイオン交換樹脂で処理することによつて
精製する方法(特開昭60−42217号、特開昭60
−42218号など)が提案されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 これらの方法により純度の高いシリカを製造す
ることができるが、(1)の方法の場合、得られるシ
リカ粒子の平均粒径がmμオーダーの微粒子で比
表面積が大きく、電子部品封止用樹脂組成物への
充填剤としては利用し難い。 また、(2)の方法では、いづれもけい酸アルカリ
水溶液のSiO2濃度を約10重量%以下に希釈して
精製処理操作を行うので装置効率上の点で、また
シリカゾルからシリカを沈澱析出させ母液から分
離回収する操作条件が複雑であるので生産性の点
で難がある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは、従来の方法における、このよう
な問題点を改善し、アルカリけい酸塩水溶液を原
料として不純物の含有量が極めて少ない高純度シ
リカを効率良く、しかも経済的に製造するべく鋭
意研究し、アルカリけい酸塩水溶液を凝固浴中で
微細な繊維状ゲルとし、得られた繊維状ゲルを酸
を含む液、次いで水で処理して不純物を抽出、除
去することによつて高純度シリカを得ることがで
きることを見出し、本発明を完成した。 本発明は、粘度が2〜500ポイズの範囲である
アルカリけい酸塩水溶液(アルカリけい酸塩は、
一般式:M2O・nSiO2〈ただし、Mはアルカリ金
属元素、nはSiO2のモル数で0.5〜5を示す〉で
表される)を、材質が貴金属類製、貴金属合金類
製もしくは四弗化エチレン系樹脂製のもの、また
はそのノズル面を貴金属類もしくは四弗化エチレ
ン系樹脂で被覆したもののいずれかであり、孔径
1mm以下である紡糸ノズルから直接、水溶性有機
媒体中に押し出して微細な繊維状ゲルとし、得ら
れた繊維状ゲルを処理の最初の段階で酸濃度が30
容量%以下である酸を含む液で処理した後、次い
で水洗して不純物を抽出除去することを特徴とす
る高純度シリカの製造方法を要旨とする。 以下、本発明について説明する。本発明の実施
態様は、次の2工程から構成される。 ●工程−1:(繊維化工程) アルカリけい酸塩水溶液から曳糸性を有する高
粘性液(以下、原液という)を調製し、この原液
を繊維化装置を用いて凝固浴中で凝固させ微細な
繊維状ゲルとする。 ●工程−2:(不純物抽出工程) 得られた繊維状ゲルを、酸を含む液(以下、処
理液という)、次いで水で処理して不純物を抽出
し除去する。 本発明の特徴は; (1) アルカリけい酸塩水溶液は、紡糸ノズル(以
下、ノズルという)を備えた繊維化装置を用い
て凝固浴中で凝固させ微細な繊維状ゲルとす
る。 繊維化に際しては、1mm以下の孔径を有する
ノズルを用いるのがよい。 得られる繊維状ゲルは微細径で高表面積を有
するので不純物の抽出効率が高まる。 (2) アルカリけい酸塩水溶液を微細な繊維状ゲル
とするに際して、アルカリけい酸塩水溶液を水
溶性有機媒体中で凝固させる。 アルカリけい酸塩水溶液の粘度は2〜500ポ
イズの範囲とするのがよい。 前記の特徴(1)および(2)を組み合わせることによ
り、驚くべきことに、通常の円形孔ノズルを用い
ても中空構造を有する繊維状ゲルが得られ、その
凝固体部分は均質な高膨潤状態を保持し、不純物
が酸および水によつて抽出され易い構造で得られ
るので、前記の特徴(1)の効果とあいまつて前記の
組合せはシリカ中の不純物の抽出効率を著しく向
上させることができる。 本発明の方法で原料のアルカリけい酸塩水溶液
としては、けい酸のナトリウム塩、カリウム塩、
リチウム塩などの水溶液を用いることができる。 以下、本発明の方法においてアルカリけい酸塩
水溶液としてけい酸ナトリウム水溶液を用いた場
合を例として、前記の2工程を順次説明する。 〔工程−1:(繊維化工程)〕 原料のけい酸ナトリウム水溶液を繊維化するの
に適した粘度範囲に調製し、原液とする。 本発明の方法に適した原液の粘度範囲は、2〜
500ポイズの範囲がよく、特に10〜200ポイズの範
囲が好適である。 SiO2濃度が高く粘度が高過ぎるけい酸ナトリ
ウム水溶液を原料とする場合には、水で適宜希釈
して使用する。 SiO2約30%を含むけい酸ナトリウム水溶液の
場合には、通常の状態では粘度が低く曳糸性が充
分でないので、これに曳糸性を付与するためにけ
い酸ナトリウムを重合させて用いる。 けい酸ナトリウムを重合させる方法としては、
酸性物質による部分中和法、脱水濃縮法、多価金
属塩を添加する方法等が提案されている。これら
の内、脱水濃縮法は最も簡単な方法で数%の脱水
でけい酸ナトリウムは重合し粘度が増大する。 調製した原液を繊維化に適した温度、たとえば
30〜60℃に保ち、適宜のろ過装置を経て、定量ポ
ンプを用いて繊維化装置に送る。 繊維化装置としては、特に限定するものではな
く、一般には紡糸ノズルを備えた押し出し機を用
いることができる。 ノズルを用いる場合の最大の問題点は、ノズル
から押し出された原液のノズル出口面への接着ト
ラブルの発生である。 周知のように、けい酸ナトリウム水溶液は金属
との親和性の高い粘稠な液であり、僅かの含水率
の減少で急に凝固する性質を有し、接着剤として
も使用されていることから判るように、けい酸ナ
トリウム水溶液からなる原液がノズル面に付着し
た状態で凝固すると、けい酸ナトリウムとノズル
面との間に強固な結合が形成され、これを剥離さ
せることは極めて困難である。凝固体がノズル面
に接着すると隣接している孔から押し出された原
液が次々と付着凝固してゆき、遂には繊維化の操
作を継続することができなくなる。 このような現象は使用するノズルの孔径が小さ
く、孔数の多い場合に起こり易い。これの解決策
としては、ノズル面と原液との付着性をできるだ
け小さくすることである。 本発明者らは使用するノズルの材質について
種々の検討を行い、金、白金などの貴金属類製、
金−白金合金などの貴金属合金類製もしくは四弗
化エチレン(以下、TFEという)系樹脂製のノ
ズル、またはそのノズル面を貴金属類もしくは
TFE系樹脂で被覆したものを使用するとゲル化
したアルカリけい酸塩のノズル離れ性が著しく向
上することを見出した。 本発明でいう貴金属類とは、金、白金、銀、パ
ラジウムを含み、通常のメツキ処理によつてノズ
ル面に被覆することができる。 本発明でいうTFE系樹脂とはポリ四弗化エチ
レン(PTFE)のほか、TFEとヘキサフルオロ
プロピレンとの共重合体、TFEとパーフルオロ
アルキルビニルエーテルとの共重合体、エチレン
とTFEとの共重合体、エチレンとビニルフルオ
ライドとの共重合体、エチレンとビニリデンフル
オライドとの共重合体、エチレンとクロロトリフ
ルオロエチレンとの共重合体などの共重合体類を
含む。 ノズル面へのTFE系樹脂の被覆は常法に従つ
て行い、必要ならノズル外面にプライマーを施し
た後、被覆を行つてもよい。 繊維化には、湿式法のほかアルカリけい酸塩水
溶液をノズルからいつたん空気中に押し出した後
で、酸溶液で処理して凝固させるなど種々の方法
が採用できるが、アルカリけい酸塩のノズル面へ
の接着防止の観点からは乾式法に比し湿式法が有
利である。 本発明では、凝固浴中に浸漬したノズルから原
液を押し出す。押し出された原液は凝固浴中で繊
維状に凝固しゲルとなる。この繊維状ゲルはロー
ラーで引きとるか、またはベルトコンベアーに乗
せて次の工程−2へ送る。 本工程で使用するノズルの孔径は、0.05〜1.0
mmの範囲がよく、好ましくは0.1〜0.3mmの範囲で
ある。ノズルは通常の円形孔ノズルを用いればよ
いが、異形断面孔ノズル若しくは中空糸紡糸用ノ
ズルを使用することもできる。 本発明の方法では、特に中空糸紡糸用ノズルを
用いなくても中空繊維状ゲルを得ることができ、
工程−2で良好な不純物抽出効果が得られる。 繊維状ゲルに微細な気泡を混入させることも不
純物抽出効率を高めるのに有効である。 繊維状ゲルに微細な気泡を混入させる方法とし
ては、空気が液中に巻き込まれるように撹拌して
調製した原液を用いる方法、原液に加熱により分
解して気体を発生する化学的発泡剤または常温で
液状の低沸点物質を添加し、該原液を加熱しなが
ら繊維化する方法、或いは原液を繊維化装置に送
るポンプのキヤビテーシヨン現象を利用する方法
など種々の方法を採ることができる。 本発明の凝固浴に用いる凝固剤としては水溶性
の有機媒体を使用する。水溶性の有機媒体は水に
対する親和性が大きいが、アルカリけい酸塩に対
しては殆ど親和性を示さない。アルカリけい酸塩
の凝固は、いわゆる脱水効果によつて起こるもの
と考えられる。本発明の方法で用いられる水溶性
の有機媒体としては、例えば、メタノール、エタ
ノール、n−プロパノール等のアルコール類、酢
酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチル
アセトアミド(以下、DMACという)、ジメチル
ホルムアミド(以下、DMFという)などのアミ
ド類、ジメチルスルフオキシド等を挙げることが
できる。 アルカリけい酸塩の凝固速度は使用する凝固剤
の種類によつても大巾に異なるので、凝固浴温度
を一義的に決めるのはむづかしいが、通常は10〜
60℃程度の温度がよい。 繊維状ゲルの引き取りは、ローラータイプで毎
分1〜100m程度、コンベアータイプで毎分0.1〜
50m程度の速度で通常操作される。 〔工程−2:(不純物抽出工程)〕 前記工程−1で得られた繊維状ゲルを本工程に
おいて酸を含む液で処理する。酸は、硫酸、塩
酸、硝酸などの無機酸およびギ酸などの有機酸
で、実用上、硫酸、硝酸などを用いるのが好まし
い。 また、処理液としては実用上、これらの酸の水
溶液が好ましい。 本工程での酸処理操作としては、1段階で処理
する方法を採ることもできるが、特に微量の不純
物を抽出除去するには処理操作を少なくとも2段
階に分け、各段階ごとに使用する処理液を更新す
る多段階処理を行うこともできる。 不純物の抽出には高濃度の酸を用いて行うのが
一般的な方法であるが、本発明の方法では工程−
1において形成された、不純物が抜け易いゲルの
構造をできるだけ保持するため、処理液の酸濃度
は低くすることが好ましい。 本発明の方法では、処理操作の最初の段階にお
ける処理液の酸濃度は30容量%以下(処理液100
容量部当たりに含む酸:30容量部以下を意味し、
以下同様とする。)とするのが好ましい。 処理液の酸濃度が30容量%以下の領域では繊維
状ゲルは膨潤状態を保つており、この状態で脱ア
ルカリが進行する。その上、微細な中空繊維の特
徴である高表面積との相乗効果によつて、不純物
の抽出効率が著しく向上する。 処理操作の最初の段階において酸濃度30容量%
を超える処理液を用いた場合には、この処理によ
つて生成したシリカの組識が緻密になり過ぎ、内
部に残留する不純物の抽出が難しくなる。 また、処理液の酸濃度が0.5容量%未満では酸
処理の能率の点で実用的でない。 このようなことから、この処理の最初の段階で
用いる処理液の酸濃度は0.5〜30容量%の範囲が
よく、好ましくは1〜25容量%、更に好ましくは
3〜20容量%の範囲である。 多段階処理の場合、最初の段階における処理液
の酸濃度は30容量%以下にすることが必要である
が、第2段階以降の処理液の酸濃度にはこのよう
な制限はなく、任意に定めることができる。 本工程での処理温度は特に制限しないが、50℃
以上の温度で抽出操作を行うのがよい。 処理液の常圧における沸点よりも高い温度で加
圧下で処理すると不純物抽出の所要時間を短縮す
ることができる。加圧抽出の際の温度は、高い程
好ましいが酸による装置の腐食やエネルギーコス
トを考慮すると、100〜150℃、好ましくは110〜
140℃の範囲が実用的である。 本工程の処理は、撹拌しながら行うことが望ま
しい。本工程の操作は長繊維状のままで連続処理
することもできるが、回分式で処理する場合には
前記工程−1で得られた長繊維状ゲルを短繊維状
に切断することが好ましい。短繊維化には通常の
ガラス繊維切断用カツターを使用することができ
る。切断長は通常5〜50mmがよく、そのうちでも
10mm前後が好適である。 ゲルが短繊維化されると、処理液中での撹拌に
よるゲルの分散性が極めて良好になる。短繊維状
ゲルは処理液中でスラリー状に分散し、不純物抽
出の操作が容易になると共に不純物の抽出効果の
均一性も向上し、不純物抽出成積のバラツキが著
しく少なくなる。また、短繊維状ゲルは繊維状物
の特徴である嵩高性も備えているので不純物抽出
処理後の洗滌およびろ過操作でも、液分離が極め
て容易である。 酸処理の時間は、回分式の場合には30分から5
時間程度、また、連続式の場合には30秒から30分
程度、好ましくは1〜10分程度である。 酸処理を施して得られたシリカ繊維は次いで任
意の温度の水を用いて洗滌し、必要によりろ過操
作を組み合せて脱酸および脱水処理する。 なお、本発明で使用する酸は精製または電子グ
レードと称される高純度品を、また原料や使用す
る酸の希釈またはシリカの洗滌などに用いる水は
不純物の少ない純水を用いることが好ましい。 本工程の処理によつて、シリカ中の放射性元素
を含む前記不純物の含有率は極めて低くなる。 酸処理後のシリカ中の不純物含有率は、アルカ
リ金属:約10ppm以下、塩素:3ppm以下、ウラ
ンについては、約3ppb以下にすることができる。 〔発明の効果〕 本発明の方法によれば、アルカリけい酸塩水溶
液を原料としてウランなどの放射性元素を含む不
純物含有率が極めて低い高純度のシリカを得るこ
とができる。得られるシリカは従来技術による場
合に比較して純度が高いので、充填剤・分散剤な
どの用途のほか、透明石英ガラス・特殊セラミツ
クスなどの原料として利用できるほか、電子部品
封止用樹脂組成物の充填剤の原料としての用途も
期待される。 更に、本発明の方法は従来の方法による場合に
比較して、製造コストを低減することができると
いう利点も併せ持つている。 〔実施例〕 以下、本発明の方法を実施例および比較例によ
り具体的に説明する。 実施例 1 けい酸ソーダ#3号(JIS K1408、3号相当
品、以下同じ)(SiO2:28%、Na2O:9%、
U:36ppb)3000gを、減圧下で50℃に加温して
脱水濃縮し、SiO2:32%の繊維化用原液を得た。
本原液の粘度は30℃で約100ポイズであり、曳糸
性も良好であつた。この原液をろ過後、押し出し
機を用い孔径0.1mmφ、孔数200個のPTFE樹脂被
覆ノズルを通して3m/分の速度で、30℃に保持
した凝固浴(凝固剤:DMAC)中へ押し出した。 押し出された原液はDMACによつて脱水され
て凝固し、透明な繊維状ゲルに変化した。この繊
維状ゲルをカツターを用いて切断し、繊維長約1
cmの短繊維とした。 得られた短繊維状ゲル10gを処理液−硫酸5容
量%水溶液:500c.c.中に浸漬し、撹拌しつつ100℃
で1時間処理し、次いで、処理液を硫酸10容量%
水溶液:500c.c.に替え、同様にして第2段目の処
理を行つた。 このようにして得られた短繊維状シリカを沸騰
水で洗滌、ろ過して脱酸・脱水し、150℃で乾燥
した後、粒径分布をそろえるためメノウ製粉砕器
で粉砕し、シリカ粒子を得た。 なお、本実施例以下、酸は半井化学製試薬特級
品を、また水は電気伝導度が1.0μS/cm(25℃)
以下であるイオン交換水を使用した。 実施例 2 けい酸ソーダ#3号(実施例1と同ロツト)
5000gを30℃に保持し、撹拌しながら微粉状の酸
性硫酸ソーダを少量づつゆつくり添加した。けい
酸ソーダ液の粘度は酸性硫酸ソーダの添加量の増
加につれて上昇し、粘度30ポイズの原液を得た。 この原液は空気をまきこみ、気泡で充満してい
た。この気泡を含んだ原液をそのまま押し出し機
から孔径0.1mmφ、孔数200個の金−白金合金製ノ
ズルを通してDMACを凝固剤とした凝固浴中へ
押し出し、繊維状ゲルを得た。この繊維状ゲル中
には多数の微細な気泡が存在していた。気泡を含
んだままの繊維状ゲルを切断して短繊維化し、実
施例1と同様の処理を行つてシリカ粒子を得た。 上記の実施例1〜2で得られたシリカ中の不純
物含有率を表−1に示す。Cl、UおよびThの分
析は放射化分析法によつた。
【表】
実施例 3
けい酸ソーダ#3号(実施例1と同ロツト)
5000gを50℃に保持したニーダー中で撹拌しなが
ら真空ポンプを用いて減圧下で脱水濃縮し、
SiO2:31.8%とし、透明な原液を得た。原液の粘
度は30℃で50ポイズであつた。この原液を押し出
し機から孔径0.1mmφ、孔数50個のPTFE樹脂被
覆ノズルを通して種々の凝固剤中へ押し出し、透
明な繊維状ゲルを得た。この繊維状ゲルを実施例
1と同様の方法で処理し、表−2に示す結果を得
た。
5000gを50℃に保持したニーダー中で撹拌しなが
ら真空ポンプを用いて減圧下で脱水濃縮し、
SiO2:31.8%とし、透明な原液を得た。原液の粘
度は30℃で50ポイズであつた。この原液を押し出
し機から孔径0.1mmφ、孔数50個のPTFE樹脂被
覆ノズルを通して種々の凝固剤中へ押し出し、透
明な繊維状ゲルを得た。この繊維状ゲルを実施例
1と同様の方法で処理し、表−2に示す結果を得
た。
【表】
実施例4、および比較例1
(1) 実施例1と同様の操作によつて得られた短繊
維状ゲル各10gを、第1段目の処理液としてそ
れぞれ酸濃度0.5、10、20および30、また比較
のため40および70各容量%の硫酸水溶液各500
c.c.中に入れて、以下、実施例1に準じた不純物
抽出処理を行つた。(実施例:4−1〜4、比
較例1−1〜2) (2) また、比較例1に対して酸処理における処理
液の酸濃度の順序だけを替え、その他は同様の
処理を行つた。(実施例:4−5〜6) 得られたシリカ中の不純物含有率を実施例1の
結果と併せて表−3に示す。
維状ゲル各10gを、第1段目の処理液としてそ
れぞれ酸濃度0.5、10、20および30、また比較
のため40および70各容量%の硫酸水溶液各500
c.c.中に入れて、以下、実施例1に準じた不純物
抽出処理を行つた。(実施例:4−1〜4、比
較例1−1〜2) (2) また、比較例1に対して酸処理における処理
液の酸濃度の順序だけを替え、その他は同様の
処理を行つた。(実施例:4−5〜6) 得られたシリカ中の不純物含有率を実施例1の
結果と併せて表−3に示す。
【表】
実施例5、および比較例2
実施例3で調製した原液を用いて実施例1と同
様の操作によつて短繊維状ゲルを得た。この短繊
維状ゲル各10gを、第1段目の処理液としてそれ
ぞれ酸濃度5、10および20、また比較のため40お
よび60各容量%の硝酸水溶液各500c.c.中に入れ、
撹拌しながら100℃で1時間処理後、ついで処理
液を10容量%硝酸水溶液各500c.c.に替え、同様に
第2段目の処理を行つた。以後の処理は実施例1
に準じた方法によつてシリカ粒子を得た。 シリカ中の不純物含有率を表−4に示す。
様の操作によつて短繊維状ゲルを得た。この短繊
維状ゲル各10gを、第1段目の処理液としてそれ
ぞれ酸濃度5、10および20、また比較のため40お
よび60各容量%の硝酸水溶液各500c.c.中に入れ、
撹拌しながら100℃で1時間処理後、ついで処理
液を10容量%硝酸水溶液各500c.c.に替え、同様に
第2段目の処理を行つた。以後の処理は実施例1
に準じた方法によつてシリカ粒子を得た。 シリカ中の不純物含有率を表−4に示す。
【表】
実施例6、および比較例3
けい酸ソーダ#3号(本実施例1と同ロツト)
6000gを70℃に保持したニーダー中で撹拌しなが
ら真空ポンプを用いて減圧下で脱水濃縮し、各種
粘度の原液を得た。 これらの原液を実施例1の操作に準じて繊維化
した。それぞれの状態を表−5に示す。 また、得られた繊維状ゲルを実施例1に準じた
方法で処理し、不純物の抽出成績を得られたシリ
カ中のNa含有率で代表させて表−5に示す。 実施例7、および比較例4 実施例1で調製した原液を押し出し機から孔径
がそれぞれ0.2、0.5、1.0、および比較のため3.0
mmφである各孔数50個の金メツキしたSUS−316
製ノズルを通して、実施例1に準じた方法で凝固
浴中へ押し出し、繊維状ゲルを得た。 得られた繊維状ゲルを実施例1と同様の方法で
処理し、不純物の抽出成績をシリカ中のNa含有
率で代表させて表−6に示す。
6000gを70℃に保持したニーダー中で撹拌しなが
ら真空ポンプを用いて減圧下で脱水濃縮し、各種
粘度の原液を得た。 これらの原液を実施例1の操作に準じて繊維化
した。それぞれの状態を表−5に示す。 また、得られた繊維状ゲルを実施例1に準じた
方法で処理し、不純物の抽出成績を得られたシリ
カ中のNa含有率で代表させて表−5に示す。 実施例7、および比較例4 実施例1で調製した原液を押し出し機から孔径
がそれぞれ0.2、0.5、1.0、および比較のため3.0
mmφである各孔数50個の金メツキしたSUS−316
製ノズルを通して、実施例1に準じた方法で凝固
浴中へ押し出し、繊維状ゲルを得た。 得られた繊維状ゲルを実施例1と同様の方法で
処理し、不純物の抽出成績をシリカ中のNa含有
率で代表させて表−6に示す。
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 粘度が2〜500ポイズの範囲であるアルカリ
けい酸塩水溶液(アルカリけい酸塩は、一般式:
M2O・nSiO2〈ただし、Mはアルカリ金属元素、
nはSiO2のモル数で0.5〜5を示す〉で表される)
を、材質が貴金属類製、貴金属合金類製もしくは
四弗化エチレン系樹脂製のもの、またはそのノズ
ル面を貴金属類もしくは四弗化エチレン系樹脂で
被覆したもののいずれかであり、孔径が1mm以下
である紡糸ノズルから直接、水溶性有機媒体中に
押し出して微細な繊維状ゲルとし、得られた繊維
状ゲルを処理の最初の段階で酸濃度が30容量%以
下である酸を含む液で処理した後、次いで水洗し
て不純物を抽出除去することを特徴とする高純度
シリカの製造方法。 2 紡糸ノズルの孔径が、0.05〜1.0mmの範囲で
ある特許請求の範囲第1項記載の高純度シリカの
製造方法。 3 紡糸ノズルの孔径が、0.1〜0.3mmの範囲であ
る特許請求の範囲第1項記載の高純度シリカの製
造方法。 4 繊維状ゲルが気泡を含有している特許請求の
範囲第1項記載の高純度シリカの製造方法。 5 酸を含む液で繊維状ゲルを処理する際の最初
の段階で用いる酸を含む液の酸濃度が、0.5〜30
容量%の範囲である特許請求の範囲第1項記載の
高純度シリカの製造方法。 6 繊維状ゲルの酸処理、少なくとも2段階に分
けて行う特許請求の範囲第1項記載の高純度シリ
カの製造方法。
Priority Applications (10)
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|---|---|---|---|
| JP13914585A JPS623011A (ja) | 1985-06-27 | 1985-06-27 | 高純度シリカの製造方法 |
| CA000511722A CA1271307A (en) | 1985-06-27 | 1986-06-17 | Process for manufacturing high purity silica |
| IN454/CAL/86A IN165458B (ja) | 1985-06-27 | 1986-06-18 | |
| ES556561A ES8707158A1 (es) | 1985-06-27 | 1986-06-24 | Un procedimiento para la manufactura de silice de gra pureza |
| US06/878,773 US4683128A (en) | 1985-06-27 | 1986-06-25 | Process for manufacturing high purity silica |
| KR1019860005151A KR930001210B1 (ko) | 1985-06-27 | 1986-06-26 | 고순도 실리카의 제조공정 |
| EP86108783A EP0206353B1 (en) | 1985-06-27 | 1986-06-27 | Process for manufacturing high purity silica |
| CN 86104402 CN1009075B (zh) | 1985-06-27 | 1986-06-27 | 高纯度二氧化硅的制备方法 |
| DE8686108783T DE3688009T2 (de) | 1985-06-27 | 1986-06-27 | Verfahren zum herstellen von kieselsaeure hoher reinheit. |
| SG92694A SG92694G (en) | 1985-06-27 | 1994-07-11 | Process for manufacturing high purity silica |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13914585A JPS623011A (ja) | 1985-06-27 | 1985-06-27 | 高純度シリカの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS623011A JPS623011A (ja) | 1987-01-09 |
| JPH0535086B2 true JPH0535086B2 (ja) | 1993-05-25 |
Family
ID=15238613
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13914585A Granted JPS623011A (ja) | 1985-06-27 | 1985-06-27 | 高純度シリカの製造方法 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS623011A (ja) |
| IN (1) | IN165458B (ja) |
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|---|---|---|---|---|
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| JP2545282B2 (ja) * | 1989-04-17 | 1996-10-16 | 日東化学工業株式会社 | 球状シリカ粒子の製造方法 |
| JP2566668B2 (ja) * | 1990-07-16 | 1996-12-25 | 新明和工業株式会社 | 塵芥収集車における情報処理装置 |
| JPH0475901A (ja) * | 1990-07-16 | 1992-03-10 | Shin Meiwa Ind Co Ltd | 塵芥収集車 |
| JP3751326B2 (ja) | 1994-10-14 | 2006-03-01 | 三菱レイヨン株式会社 | 高純度透明石英ガラスの製造方法 |
| JP6458951B2 (ja) * | 2013-05-20 | 2019-01-30 | 日産化学株式会社 | シリカゾル及びシリカゾルの製造方法、シリカ粉末の製造方法、シリカ含有エポキシ樹脂組成物の製造方法並びにシリカ含有エポキシ樹脂硬化物の製造方法 |
| CN105060302A (zh) * | 2015-07-16 | 2015-11-18 | 安徽东阳矿业科技有限公司 | 一种化学生物石英砂提纯方法 |
| CN105000565A (zh) * | 2015-07-16 | 2015-10-28 | 安徽东阳矿业科技有限公司 | 一种复合法提纯石英砂工艺 |
| KR20170001671A (ko) | 2016-11-17 | 2017-01-04 | (주)파마오넥스 | 바이러스 억제를 위한 조성물 제조방법 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS51112924A (en) * | 1975-03-28 | 1976-10-05 | Asahi Chem Ind Co Ltd | A process for producing silicate fibers |
-
1985
- 1985-06-27 JP JP13914585A patent/JPS623011A/ja active Granted
-
1986
- 1986-06-18 IN IN454/CAL/86A patent/IN165458B/en unknown
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS623011A (ja) | 1987-01-09 |
| IN165458B (ja) | 1989-10-21 |
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