JPH0539521A - 含クロム溶鋼の脱炭精錬法 - Google Patents
含クロム溶鋼の脱炭精錬法Info
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- JPH0539521A JPH0539521A JP19454491A JP19454491A JPH0539521A JP H0539521 A JPH0539521 A JP H0539521A JP 19454491 A JP19454491 A JP 19454491A JP 19454491 A JP19454491 A JP 19454491A JP H0539521 A JPH0539521 A JP H0539521A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 含クロム溶鋼の複合吹錬法において、鉄鉱
石、マンガン鉱石または鉄酸化物とマンガン酸化物を合
わせて50wt%以上含有する金属酸化物を上吹き火点
部へ供給することにより、脱炭速度および脱炭効率の向
上をはかる。 【構成】 鉄鉱石、マンガン鉱石または鉄酸化物とマン
ガン酸化物を合わせて50wt%以上含有する金属酸化
物の添加条件を下記の条件とする。溶鋼中の炭素濃度
を0.5wt%以下とする。酸化物を供給する時の上
吹き火点温度を2200℃以上とする。酸化物の供給
量を脱炭に必要な量の5%以上50%以内とする。 【効果】 脱炭に必要な酸素を金属酸化物中の酸素によ
って供給するので、脱炭速度の向上、脱炭酸素効率の向
上により、還元用Si原単位の低減をはかることができ
る。また金属酸化物中の有価金属を回収することができ
る。
石、マンガン鉱石または鉄酸化物とマンガン酸化物を合
わせて50wt%以上含有する金属酸化物を上吹き火点
部へ供給することにより、脱炭速度および脱炭効率の向
上をはかる。 【構成】 鉄鉱石、マンガン鉱石または鉄酸化物とマン
ガン酸化物を合わせて50wt%以上含有する金属酸化
物の添加条件を下記の条件とする。溶鋼中の炭素濃度
を0.5wt%以下とする。酸化物を供給する時の上
吹き火点温度を2200℃以上とする。酸化物の供給
量を脱炭に必要な量の5%以上50%以内とする。 【効果】 脱炭に必要な酸素を金属酸化物中の酸素によ
って供給するので、脱炭速度の向上、脱炭酸素効率の向
上により、還元用Si原単位の低減をはかることができ
る。また金属酸化物中の有価金属を回収することができ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素を0.5wt%以下
含有する含クロム溶鋼の浴面下および浴面上より酸素ガ
スを吹込む脱炭精錬法において、鉄酸化物、マンガン酸
化物の一方または双方の合計の濃度が50wt%以上であ
る金属酸化物を上吹き火点部に供給し、脱炭速度の向上
および有価金属の回収をはかる含クロム溶鋼の脱炭精錬
法に関する。
含有する含クロム溶鋼の浴面下および浴面上より酸素ガ
スを吹込む脱炭精錬法において、鉄酸化物、マンガン酸
化物の一方または双方の合計の濃度が50wt%以上であ
る金属酸化物を上吹き火点部に供給し、脱炭速度の向上
および有価金属の回収をはかる含クロム溶鋼の脱炭精錬
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来ステンレス鋼のようにクロムを11
wt%以上含む含クロム溶鋼中に酸素ガスおよび希釈ガス
を吹込む脱炭精錬法において、金属酸化物を添加し金属
酸化物中の酸素を脱炭反応に利用することによって有価
金属を回収し、還元剤添加量の削減をはかる方法が、例
えば特開昭62−243711号公報に開示されてい
る。この方法は脱炭精錬によって発生したクロム酸化物
を15wt%以上含むスラグを出鋼時に炉内に残留させ、
該スラグ中のクロム酸化物を新たに受鋼した粗溶鋼中の
[C]によって還元する方法である。この方法は脱炭初
期の高[C]濃度域でスラグ中のクロム酸化物を還元す
る方法であるため、[C]濃度が0.5wt%以下の低炭
域では反応は終了しており、低炭域での脱炭反応の促進
および有価金属の回収にはつながらない。
wt%以上含む含クロム溶鋼中に酸素ガスおよび希釈ガス
を吹込む脱炭精錬法において、金属酸化物を添加し金属
酸化物中の酸素を脱炭反応に利用することによって有価
金属を回収し、還元剤添加量の削減をはかる方法が、例
えば特開昭62−243711号公報に開示されてい
る。この方法は脱炭精錬によって発生したクロム酸化物
を15wt%以上含むスラグを出鋼時に炉内に残留させ、
該スラグ中のクロム酸化物を新たに受鋼した粗溶鋼中の
[C]によって還元する方法である。この方法は脱炭初
期の高[C]濃度域でスラグ中のクロム酸化物を還元す
る方法であるため、[C]濃度が0.5wt%以下の低炭
域では反応は終了しており、低炭域での脱炭反応の促進
および有価金属の回収にはつながらない。
【0003】また、他の例として、特開昭59−104
420号公報に開示されている方法がある。この方法は
溶鋼中に酸素ガスおよび希釈ガスを吹込む脱炭方法にお
いて、[C]濃度が0.25wt%以下の脱炭中期以降で
金属酸化物を添加しつつ、該酸化物を主体として脱炭を
行う方法である。しかしながら、[C]濃度が0.25
wt%以下の低炭域では、単に金属酸化物を添加するだけ
では脱炭反応は進行しにくく、かつ金属酸化物の種類に
より、脱炭速度のばらつきを生じやすく、制御が難し
い。
420号公報に開示されている方法がある。この方法は
溶鋼中に酸素ガスおよび希釈ガスを吹込む脱炭方法にお
いて、[C]濃度が0.25wt%以下の脱炭中期以降で
金属酸化物を添加しつつ、該酸化物を主体として脱炭を
行う方法である。しかしながら、[C]濃度が0.25
wt%以下の低炭域では、単に金属酸化物を添加するだけ
では脱炭反応は進行しにくく、かつ金属酸化物の種類に
より、脱炭速度のばらつきを生じやすく、制御が難し
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、含クロム溶
鋼の脱炭精錬において、脱炭反応の酸素源として鉄酸化
物あるいはマンガン酸化物を含有する金属酸化物を利用
することによって、脱炭速度、脱炭酸素効率を向上さ
せ、かつ金属酸化物中の有価金属の回収をはかることを
目的とする。
鋼の脱炭精錬において、脱炭反応の酸素源として鉄酸化
物あるいはマンガン酸化物を含有する金属酸化物を利用
することによって、脱炭速度、脱炭酸素効率を向上さ
せ、かつ金属酸化物中の有価金属の回収をはかることを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を有
利に解決したものであり、炭素を0.5wt%以下含有す
る含クロム溶鋼の浴面下および浴面上より酸素ガスを吹
込む脱炭精錬法において、鉄酸化物、マンガン酸化物の
一方または双方の合計の濃度が50wt%以上である金属
酸化物を(1)式、(2)式および(3)式を満足する条件下
で、上吹き火点部に供給して吹錬することを特徴とする
含クロム溶鋼の脱炭精錬法にある。 TF ≧2200 (1) 0.1 ≦COX/{1.33×( [%C] i −0.1 )×Wm /100 }≦0.5 (2) COX={MO /MFeO ×(%FeO)i +3MO /MFe203 ×(%Fe2 O3)i +MO /MMnO ×(%MnO)i }WA /100 (3) TF ;金属酸化物を供給する時の上吹き火点温度(℃) [%C]i;金属酸化物の供給開始時の溶鋼中炭素濃度
(wt%) Wm ;溶鋼重量(kg) MO 、MFeO 、MFe203 、MMnO;O、FeO、Fe2
O3 、MnOの原子量ないし分子量 (%FeO)i 、(%Fe2 O3)i 、(%MnO)i ;
供給する金属酸化物中のFeO、Fe2 O3 、MnOの
濃度(wt%) WA ;酸化物の供給量(kg) 以下本発明について詳細に説明する。
利に解決したものであり、炭素を0.5wt%以下含有す
る含クロム溶鋼の浴面下および浴面上より酸素ガスを吹
込む脱炭精錬法において、鉄酸化物、マンガン酸化物の
一方または双方の合計の濃度が50wt%以上である金属
酸化物を(1)式、(2)式および(3)式を満足する条件下
で、上吹き火点部に供給して吹錬することを特徴とする
含クロム溶鋼の脱炭精錬法にある。 TF ≧2200 (1) 0.1 ≦COX/{1.33×( [%C] i −0.1 )×Wm /100 }≦0.5 (2) COX={MO /MFeO ×(%FeO)i +3MO /MFe203 ×(%Fe2 O3)i +MO /MMnO ×(%MnO)i }WA /100 (3) TF ;金属酸化物を供給する時の上吹き火点温度(℃) [%C]i;金属酸化物の供給開始時の溶鋼中炭素濃度
(wt%) Wm ;溶鋼重量(kg) MO 、MFeO 、MFe203 、MMnO;O、FeO、Fe2
O3 、MnOの原子量ないし分子量 (%FeO)i 、(%Fe2 O3)i 、(%MnO)i ;
供給する金属酸化物中のFeO、Fe2 O3 、MnOの
濃度(wt%) WA ;酸化物の供給量(kg) 以下本発明について詳細に説明する。
【0006】本発明の含クロム溶鋼の脱炭精錬法は図1
(a)、(b)に示す如く、AOD複合吹錬法、上底吹
き転炉法によるものであり、鉄酸化物、マンガン酸化物
の一方または双方の合計の濃度が50wt%以上の金属酸
化物として、鉄鉱石、マンガン鉱石、酸化スケールまた
は集塵ダストを上吹き火点部6に添加する。図1に示す
1はランス、2は含クロム溶鋼、3はスラグ、4は横吹
き羽口、5は底吹き羽口を示す。
(a)、(b)に示す如く、AOD複合吹錬法、上底吹
き転炉法によるものであり、鉄酸化物、マンガン酸化物
の一方または双方の合計の濃度が50wt%以上の金属酸
化物として、鉄鉱石、マンガン鉱石、酸化スケールまた
は集塵ダストを上吹き火点部6に添加する。図1に示す
1はランス、2は含クロム溶鋼、3はスラグ、4は横吹
き羽口、5は底吹き羽口を示す。
【0007】本発明は含クロム溶鋼の脱炭精錬に際して
消費する酸素ガスの削減および脱炭速度の増大を計るた
めに、鉄酸化物、マンガン酸化物の一方または双方の合
計の濃度が50wt%以上である金属酸化物(以下、主と
して金属酸化物と称す)を上吹き火点部に供給する。ま
た、供給した金属酸化物中の酸素を脱炭に有効に作用さ
せるために、金属酸化物添加時の火点部の温度(以下、
上吹き火点温度と称す)および金属酸化物の供給量を限
定するものである。
消費する酸素ガスの削減および脱炭速度の増大を計るた
めに、鉄酸化物、マンガン酸化物の一方または双方の合
計の濃度が50wt%以上である金属酸化物(以下、主と
して金属酸化物と称す)を上吹き火点部に供給する。ま
た、供給した金属酸化物中の酸素を脱炭に有効に作用さ
せるために、金属酸化物添加時の火点部の温度(以下、
上吹き火点温度と称す)および金属酸化物の供給量を限
定するものである。
【0008】本発明において処理対象とする含クロム溶
鋼の炭素濃度を0.5wt%以下とした理由および供給す
る酸化物の種類を限定した理由は、次の通りである。図
2は含クロム溶鋼に酸素ガスを供給しない条件下でCr
2 O3 、FeO、MnOの純金属酸化物を添加して脱炭
を行った場合の溶鋼中[C]濃度と脱炭速度の関係を示
す。[C]濃度が0.5wt%を越えた領域ではいずれの
金属酸化物ともほぼ同一の脱炭速度で脱炭反応が進行す
る。一方、[C]濃度が0.5wt%以下では[C]濃度
の低下につれて脱炭速度は低下するが、同一[C]濃度
ではFeOおよびMnOがCr2 O3 に比べ、脱炭速度
が格段に大きく、かつ低炭域まで脱炭が進行する。従っ
て、[C]濃度0.5wt%以下の低炭域において、金属
酸化物による脱炭を効率よく進行させるために供給する
金属酸化物は、鉄酸化物あるいはマンガン酸化物を含む
ものである必要がある。また、脱炭に消費される酸素量
を確保し、かつスラグ量を増加させないために、鉄酸化
物、マンガン酸化物の一方または双方の合計の濃度が5
0wt%以上の金属酸化物を用いる必要がある。
鋼の炭素濃度を0.5wt%以下とした理由および供給す
る酸化物の種類を限定した理由は、次の通りである。図
2は含クロム溶鋼に酸素ガスを供給しない条件下でCr
2 O3 、FeO、MnOの純金属酸化物を添加して脱炭
を行った場合の溶鋼中[C]濃度と脱炭速度の関係を示
す。[C]濃度が0.5wt%を越えた領域ではいずれの
金属酸化物ともほぼ同一の脱炭速度で脱炭反応が進行す
る。一方、[C]濃度が0.5wt%以下では[C]濃度
の低下につれて脱炭速度は低下するが、同一[C]濃度
ではFeOおよびMnOがCr2 O3 に比べ、脱炭速度
が格段に大きく、かつ低炭域まで脱炭が進行する。従っ
て、[C]濃度0.5wt%以下の低炭域において、金属
酸化物による脱炭を効率よく進行させるために供給する
金属酸化物は、鉄酸化物あるいはマンガン酸化物を含む
ものである必要がある。また、脱炭に消費される酸素量
を確保し、かつスラグ量を増加させないために、鉄酸化
物、マンガン酸化物の一方または双方の合計の濃度が5
0wt%以上の金属酸化物を用いる必要がある。
【0009】鉄酸化物およびマンガン酸化物の一方また
は双方の合計の濃度が50wt%以上となる酸化物として
は、鉄鉱石、マンガン鉱石、酸化スケールまたは集塵ダ
スト等が挙げられ、その例を表1に示す。
は双方の合計の濃度が50wt%以上となる酸化物として
は、鉄鉱石、マンガン鉱石、酸化スケールまたは集塵ダ
スト等が挙げられ、その例を表1に示す。
【0010】
【表1】
【0011】金属酸化物の形状は粉状および塊状でもよ
いが、供給装置によって使い分けられる。添加シュート
による供給では塊状が好ましく、上吹きランス孔による
供給では粉状のものが好ましい。図3に本発明における
ガス吹込みパターンの一例を示す。このパターンでは脱
炭開始から[C]0.5wt%までは酸素のみを供給し、
[C]濃度0.5wt%以下の低炭域では[Cr]酸化を
抑えるために、希釈ガス(Ar)量を徐々に増大させ、
送酸量を抑えている。なお、底吹きは二重管羽口を用
い、内管から酸素ガスあるいは希釈ガスを、外管から羽
口冷却用として希釈ガス(Ar)を150Nm3/Hr吹き込
んだ。脱炭開始時の溶鋼温度は低いが、脱炭の進行によ
り溶鋼温度および上吹き火点温度が上昇する。金属酸化
物の供給は、[C]濃度が0.5wt%以下となり、上吹
き火点温度が所定温度となった時点で開始する。この供
給開始時の溶鋼中[C]濃度を[%C]i とする。金属
酸化物を分割添加あるいは連続添加する場合、以前に供
給した酸化物が完全に還元される前に次の添加を行い、
また最終の供給は上吹きを停止する前とすることが有価
金属を回収する上で望ましい。
いが、供給装置によって使い分けられる。添加シュート
による供給では塊状が好ましく、上吹きランス孔による
供給では粉状のものが好ましい。図3に本発明における
ガス吹込みパターンの一例を示す。このパターンでは脱
炭開始から[C]0.5wt%までは酸素のみを供給し、
[C]濃度0.5wt%以下の低炭域では[Cr]酸化を
抑えるために、希釈ガス(Ar)量を徐々に増大させ、
送酸量を抑えている。なお、底吹きは二重管羽口を用
い、内管から酸素ガスあるいは希釈ガスを、外管から羽
口冷却用として希釈ガス(Ar)を150Nm3/Hr吹き込
んだ。脱炭開始時の溶鋼温度は低いが、脱炭の進行によ
り溶鋼温度および上吹き火点温度が上昇する。金属酸化
物の供給は、[C]濃度が0.5wt%以下となり、上吹
き火点温度が所定温度となった時点で開始する。この供
給開始時の溶鋼中[C]濃度を[%C]i とする。金属
酸化物を分割添加あるいは連続添加する場合、以前に供
給した酸化物が完全に還元される前に次の添加を行い、
また最終の供給は上吹きを停止する前とすることが有価
金属を回収する上で望ましい。
【0012】次に、上吹き火点温度TF および酸化物の
供給量WA の限定理由について述べる。図4は[C]濃
度0.5wt%以下の含クロム溶鋼の浴面下および浴面上
より酸素ガスを吹込む脱炭精錬において、金属酸化物を
添加した場合の上吹き火点温度と金属酸化物の還元速度
指数の関係を示す。なお、還元速度指数はTF =220
0℃の場合の平均還元速度を1として指数化した値であ
る。上吹き火点温度が高いほど還元速度が大きいが、火
点温度が2200℃を境にして、還元速度指数が急に小
さくなる。従って、金属酸化物を効率よく還元するため
には、(1)式を満足する必要がある。なお、火点温度は
2700℃を越えると耐火物の溶損が大きい割りに還元
速度が増大しないために、2700℃以下が望ましい。
供給量WA の限定理由について述べる。図4は[C]濃
度0.5wt%以下の含クロム溶鋼の浴面下および浴面上
より酸素ガスを吹込む脱炭精錬において、金属酸化物を
添加した場合の上吹き火点温度と金属酸化物の還元速度
指数の関係を示す。なお、還元速度指数はTF =220
0℃の場合の平均還元速度を1として指数化した値であ
る。上吹き火点温度が高いほど還元速度が大きいが、火
点温度が2200℃を境にして、還元速度指数が急に小
さくなる。従って、金属酸化物を効率よく還元するため
には、(1)式を満足する必要がある。なお、火点温度は
2700℃を越えると耐火物の溶損が大きい割りに還元
速度が増大しないために、2700℃以下が望ましい。
【0013】 TF ≧2200 (1) なお、上吹き火点温度は上吹きランス孔に光ファイバー
を挿入し、これから採取される光をスペクトル解析する
ことによって測定することができる。また、上吹き火点
温度は上吹きランスより供給される酸素ガス量、上吹き
ランス高さおよびランス孔径を変えることにより制御す
ることができる。
を挿入し、これから採取される光をスペクトル解析する
ことによって測定することができる。また、上吹き火点
温度は上吹きランスより供給される酸素ガス量、上吹き
ランス高さおよびランス孔径を変えることにより制御す
ることができる。
【0014】図5は含クロム溶鋼の浴面下および浴面上
より酸素ガスを吹込む脱炭精錬において、[%C]i を
0.4〜0.5wt%、TFを2200〜2500℃とし
た場合の供給した金属酸化物に占める酸素量と溶鋼を
[C]0.1wt%まで脱炭するに必要な酸素量の割合
(H)と全脱炭量に占める金属酸化物中の酸素による脱
炭量の割合(%)との関係を示す。横軸の割合Hは次式
で示される。
より酸素ガスを吹込む脱炭精錬において、[%C]i を
0.4〜0.5wt%、TFを2200〜2500℃とし
た場合の供給した金属酸化物に占める酸素量と溶鋼を
[C]0.1wt%まで脱炭するに必要な酸素量の割合
(H)と全脱炭量に占める金属酸化物中の酸素による脱
炭量の割合(%)との関係を示す。横軸の割合Hは次式
で示される。
【0015】 H=COX/{1.33×([%C]i −0.1 )×Wm /100 } (4) COX={MO /MFeO ×(%FeO)i +3MO /MFe203 ×(%Fe2 O3)i +MO /MMnO ×(%MnO)i }WA /100 (5) [%C]i ;金属酸化物の供給開始時の溶鋼中炭素濃度
(wt%) Wm ;溶鋼重量(kg) MO 、MFeO 、MFe203 、MMnO;O、FeO、Fe2
O3 、MnOの原子量ないし分子量 (%FeO)i 、(%Fe2 O3)i 、(%MnO)i ;
供給する金属酸化物中のFeO、Fe2 O3 、MnOの
濃度(wt%) 図5に示すように、H>0.5の領域ではHの増加に対
する縦軸の増大は小さく、効率的ではない。また、H<
0.1の領域では脱炭量が非常に小さくなり、効果的で
ない。これに対し、0.1≦H≦0.5の領域ではHの
増大により縦軸もほぼ比例的に増大する。すなわち、供
給した金属酸化物の脱炭に寄与する割合が大きい。従っ
て、効率的な脱炭を行うためには、0.1≦H≦0.5
の範囲で金属酸化物を供給することが必要である。これ
より、先の(2)式、(3)式の関係が導出される。
(wt%) Wm ;溶鋼重量(kg) MO 、MFeO 、MFe203 、MMnO;O、FeO、Fe2
O3 、MnOの原子量ないし分子量 (%FeO)i 、(%Fe2 O3)i 、(%MnO)i ;
供給する金属酸化物中のFeO、Fe2 O3 、MnOの
濃度(wt%) 図5に示すように、H>0.5の領域ではHの増加に対
する縦軸の増大は小さく、効率的ではない。また、H<
0.1の領域では脱炭量が非常に小さくなり、効果的で
ない。これに対し、0.1≦H≦0.5の領域ではHの
増大により縦軸もほぼ比例的に増大する。すなわち、供
給した金属酸化物の脱炭に寄与する割合が大きい。従っ
て、効率的な脱炭を行うためには、0.1≦H≦0.5
の範囲で金属酸化物を供給することが必要である。これ
より、先の(2)式、(3)式の関係が導出される。
【0016】
【作用】FeO、MnOおよびCr2 O3 による脱炭反
応式および反応の生成自由エネルギー変化ΔGは(6)〜
(11)式で示される。なお、Fe2 O3 は高温状態では不
安定であり、直ちにFeOに分解するので、FeOと同
一に考えられる。
応式および反応の生成自由エネルギー変化ΔGは(6)〜
(11)式で示される。なお、Fe2 O3 は高温状態では不
安定であり、直ちにFeOに分解するので、FeOと同
一に考えられる。
【0017】
【数1】
【0018】ここで、Tは温度(K)、aFeO 、
aMnO 、aCr203 は供給する酸化物中のFeO、Mn
O、Cr2 O3 の活量、aC は溶鋼中[C]の活量、P
COは生成COガスの分圧を示す。これらの反応はいづれ
も吸熱反応であり、高温ほど進行しやすい。また、PCO
が小さい、つまり希釈ガス比率が高いほど進行しやす
く、さらに、金属酸化物の濃度が高い(活量が大きい)
ほど進行しやすいことがわかる。
aMnO 、aCr203 は供給する酸化物中のFeO、Mn
O、Cr2 O3 の活量、aC は溶鋼中[C]の活量、P
COは生成COガスの分圧を示す。これらの反応はいづれ
も吸熱反応であり、高温ほど進行しやすい。また、PCO
が小さい、つまり希釈ガス比率が高いほど進行しやす
く、さらに、金属酸化物の濃度が高い(活量が大きい)
ほど進行しやすいことがわかる。
【0019】また、これらの反応のΔGを比較評価する
と、図2でも確認されたように、(7)式および(9)式は(1
1)式に比べ、[C]濃度0.5wt%以下の低炭域まで進
行しやすいことがわかる。FeO、MnOおよびCr2
O3 の生成自由エネルギー変化を比較した場合、含クロ
ム溶鋼で[C]0.5wt%以下では、上吹き火点温度2
200℃以上でCr2 O3 よりもFeO、MnOの方が
生成しやすいため、安定して脱炭反応に寄与する。
と、図2でも確認されたように、(7)式および(9)式は(1
1)式に比べ、[C]濃度0.5wt%以下の低炭域まで進
行しやすいことがわかる。FeO、MnOおよびCr2
O3 の生成自由エネルギー変化を比較した場合、含クロ
ム溶鋼で[C]0.5wt%以下では、上吹き火点温度2
200℃以上でCr2 O3 よりもFeO、MnOの方が
生成しやすいため、安定して脱炭反応に寄与する。
【0020】従って、[C]濃度0.5wt%以下の領域
で、金属酸化物としてはFeO、MnO濃度の高いもの
を高温の上吹き火点部に供給することによって、金属酸
化物による脱炭が促進される。この反応の進行により、
金属酸化物中の有価なFe、Mnが回収されることにな
る。含クロム溶鋼の脱炭反応は[C]濃度によって律速
過程が変化する。高[C]濃度側では鋼浴への酸素ガス
の供給が律速過程であり、鋼浴への酸素供給量を増大す
ることで、脱炭速度が向上する。従って、この領域では
金属酸化物で酸素を供給するよりも、酸素ガスの方が高
い脱炭速度が得られると推定される。
で、金属酸化物としてはFeO、MnO濃度の高いもの
を高温の上吹き火点部に供給することによって、金属酸
化物による脱炭が促進される。この反応の進行により、
金属酸化物中の有価なFe、Mnが回収されることにな
る。含クロム溶鋼の脱炭反応は[C]濃度によって律速
過程が変化する。高[C]濃度側では鋼浴への酸素ガス
の供給が律速過程であり、鋼浴への酸素供給量を増大す
ることで、脱炭速度が向上する。従って、この領域では
金属酸化物で酸素を供給するよりも、酸素ガスの方が高
い脱炭速度が得られると推定される。
【0021】一方、低[C]濃度側では鋼浴中[C]の
移動および[C]と[O]の反応が律速過程と考えられ
ており、鋼浴の攪拌の強化、反応に関与する[O]の効
率的な供給および生成するCOガスを希釈する希釈ガス
比率を高くすることによって、効率よく脱炭を進めるこ
とが可能である。本発明は、特定の温度以上ではCr2
O3 よりもFeO、MnOの方が安定であり、かつ脱炭
速度が大きいことに着目して、上吹き火点に供給する金
属酸化物の種類およびその量を限定することで、効率よ
く脱炭反応を進行させることを可能にした。
移動および[C]と[O]の反応が律速過程と考えられ
ており、鋼浴の攪拌の強化、反応に関与する[O]の効
率的な供給および生成するCOガスを希釈する希釈ガス
比率を高くすることによって、効率よく脱炭を進めるこ
とが可能である。本発明は、特定の温度以上ではCr2
O3 よりもFeO、MnOの方が安定であり、かつ脱炭
速度が大きいことに着目して、上吹き火点に供給する金
属酸化物の種類およびその量を限定することで、効率よ
く脱炭反応を進行させることを可能にした。
【0022】なお、律速過程が変化する時の[C]濃度
は図2に示されるように、酸化物による脱炭反応を考慮
した場合には0.5wt%である。
は図2に示されるように、酸化物による脱炭反応を考慮
した場合には0.5wt%である。
【0023】
【実施例】SUS304ステンレス鋼(18wt%Cr−
8wt%Ni)60ton を対象として、図1(a)に示す
AOD炉を用いて脱炭吹錬した。吹錬は2.0wt%
[C]、0.4wt%[Si]、0.5wt%[Mn]、
8.5wt%[Ni]、18.5wt%[Cr]の粗溶鋼を
AOD炉内に装入後、[C]濃度が0.5wt%となるま
では、図3に示したパターンで酸素ガスのみを、1.5
Nm3/min Tで供給した。[C]濃度0.5wt%以下の脱
炭は表2の条件で実施した。なお、本発明例は前記の
(1)〜(3)式を満足するように、供給ガスの酸素分圧、ラ
ンス・ギャップを制御して火点温度および金属酸化物の
添加量を調整して実施した。比較例のNo. 6は金属酸化
物を供給しない例、No.7および8は上吹き酸素ガス供
給しない例で、No. 7は特開昭59−104420号公
報に従って実施した例であり、No. 9は上吹き火点温度
が本発明外、No. 10は酸化物の供給量が本発明外、N
o. 11は酸化物の種類が本発明外の例であり、酸化物
として、45wt%Cr2 O3 を含むCr鉱石を添加し
た。
8wt%Ni)60ton を対象として、図1(a)に示す
AOD炉を用いて脱炭吹錬した。吹錬は2.0wt%
[C]、0.4wt%[Si]、0.5wt%[Mn]、
8.5wt%[Ni]、18.5wt%[Cr]の粗溶鋼を
AOD炉内に装入後、[C]濃度が0.5wt%となるま
では、図3に示したパターンで酸素ガスのみを、1.5
Nm3/min Tで供給した。[C]濃度0.5wt%以下の脱
炭は表2の条件で実施した。なお、本発明例は前記の
(1)〜(3)式を満足するように、供給ガスの酸素分圧、ラ
ンス・ギャップを制御して火点温度および金属酸化物の
添加量を調整して実施した。比較例のNo. 6は金属酸化
物を供給しない例、No.7および8は上吹き酸素ガス供
給しない例で、No. 7は特開昭59−104420号公
報に従って実施した例であり、No. 9は上吹き火点温度
が本発明外、No. 10は酸化物の供給量が本発明外、N
o. 11は酸化物の種類が本発明外の例であり、酸化物
として、45wt%Cr2 O3 を含むCr鉱石を添加し
た。
【0024】また、上吹き条件は図3のガス供給パター
ンで行い、上吹きなしの場合は底吹きのみ図3のガス供
給パターンとした。また、上吹きランスはいずれも内径
20mmφで3孔のラバールタイプのノズルを使用した。
溶鋼温度は1650〜1720℃の範囲となるように、
冷却材等の投入を行い、調整した。
ンで行い、上吹きなしの場合は底吹きのみ図3のガス供
給パターンとした。また、上吹きランスはいずれも内径
20mmφで3孔のラバールタイプのノズルを使用した。
溶鋼温度は1650〜1720℃の範囲となるように、
冷却材等の投入を行い、調整した。
【0025】
【表2】
【0026】実験結果を表3に示す。表3の値は比較例
のNo.6を全て100として指数化した値である。
のNo.6を全て100として指数化した値である。
【0027】
【表3】
【0028】
【発明の効果】本発明は、含クロム溶鋼の脱炭精錬に際
し、炭素濃度0.5wt%以下の脱炭速度、脱炭酸素効率
を顕著に向上させ、酸素ガスの供給量を低減させ、同時
に金属酸化物中の有価金属を回収し、かつ精錬時間の短
縮、精錬コストの低減等多くの効果が得られるものであ
る。
し、炭素濃度0.5wt%以下の脱炭速度、脱炭酸素効率
を顕著に向上させ、酸素ガスの供給量を低減させ、同時
に金属酸化物中の有価金属を回収し、かつ精錬時間の短
縮、精錬コストの低減等多くの効果が得られるものであ
る。
【図1】(a)は本発明を実施するAOD複合吹錬法の
説明図、(b)は上底吹き転炉法の説明図である。
説明図、(b)は上底吹き転炉法の説明図である。
【図2】[C]濃度と脱炭速度の関係に及ぼす金属酸化
物の影響を示す図である。
物の影響を示す図である。
【図3】本発明におけるガス供給パターンの例を示す図
である。
である。
【図4】本発明における上吹き火点温度の限定理由を説
明する図である。
明する図である。
【図5】本発明における金属酸化物の供給量範囲の限定
理由を説明する図である。
理由を説明する図である。
1 上吹きランス 2 溶鋼 3 スラグ 4 横吹き羽口 5 底吹き羽口 6 上吹き火点部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平田 浩 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内
Claims (1)
- 【請求項1】 炭素を0.5wt%以下含有する含クロム
溶鋼の浴面下および浴面上より酸素ガスを吹込む脱炭精
錬法において、鉄酸化物、マンガン酸化物の一方または
双方の合計の濃度が50wt%以上である金属酸化物を
(1)式、(2)式および(3)式を満足する条件下で、上吹き
火点部に供給して吹錬することを特徴とする含クロム溶
鋼の脱炭精錬法。 TF ≧2200 (1) 0.1 ≦COX/{1.33×( [%C] i −0.1 )×Wm /100 }≦0.5 (2) COX={MO /MFeO ×(%FeO)i +3MO /MFe203 ×(%Fe2 O3)i +MO /MMnO ×(%MnO)i }WA /100 (3) TF ;金属酸化物を供給する時の上吹き火点温度(℃) [%C]i ;金属酸化物の供給開始時の溶鋼中炭素濃度
(wt%) Wm ;溶鋼重量(kg) MO 、MFeO 、MFe203 、MMnO;O、FeO、Fe2
O3 、MnOの原子量ないし分子量 (%FeO)i 、(%Fe2 O3)i 、(%MnO)i ;
供給する金属酸化物中のFeO、Fe2 O3 、MnOの
濃度(wt%) WA ;酸化物の供給量(kg)
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19454491A JPH0539521A (ja) | 1991-08-02 | 1991-08-02 | 含クロム溶鋼の脱炭精錬法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19454491A JPH0539521A (ja) | 1991-08-02 | 1991-08-02 | 含クロム溶鋼の脱炭精錬法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0539521A true JPH0539521A (ja) | 1993-02-19 |
Family
ID=16326300
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP19454491A Withdrawn JPH0539521A (ja) | 1991-08-02 | 1991-08-02 | 含クロム溶鋼の脱炭精錬法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0539521A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5567690A (en) * | 1991-02-21 | 1996-10-22 | Drug Delivery System Institute, Ltd. | Carboxymethylmannoglucans and derivatives thereof |
| CN116099544A (zh) * | 2023-02-15 | 2023-05-12 | 广西大学 | 一种矿渣基Fe2O3/MnO2复合光-Fenton催化剂及其制备方法和应用 |
-
1991
- 1991-08-02 JP JP19454491A patent/JPH0539521A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5567690A (en) * | 1991-02-21 | 1996-10-22 | Drug Delivery System Institute, Ltd. | Carboxymethylmannoglucans and derivatives thereof |
| CN116099544A (zh) * | 2023-02-15 | 2023-05-12 | 广西大学 | 一种矿渣基Fe2O3/MnO2复合光-Fenton催化剂及其制备方法和应用 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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