JPH0551280A - 肉厚ポーラスカーボン材の製造方法 - Google Patents
肉厚ポーラスカーボン材の製造方法Info
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- JPH0551280A JPH0551280A JP23719091A JP23719091A JPH0551280A JP H0551280 A JPH0551280 A JP H0551280A JP 23719091 A JP23719091 A JP 23719091A JP 23719091 A JP23719091 A JP 23719091A JP H0551280 A JPH0551280 A JP H0551280A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 良好な気孔性状と組織強度を備え、厚さ50mm
を越える肉厚形状のポーラスカーボン材を効率よく製造
する方法を提供する。 【構成】 レーヨンパルプ80重量部と晒し針葉樹パルプ
20重量部を水に分散させて抄紙するシート化工程、成形
シートをフェノール樹脂液に浸漬したのち半硬化し、こ
の所要枚数を加熱圧縮したに積層成形する一次成形工
程、複数枚の一次成形体を前記工程と同一の半硬化シー
トを接合面に介在させて加熱圧縮下に積層成形する二次
成形工程、得られた二次成形体を非酸化性雰囲気下で80
0 ℃以上の温度により焼成炭化する炭素化工程からな
る。
を越える肉厚形状のポーラスカーボン材を効率よく製造
する方法を提供する。 【構成】 レーヨンパルプ80重量部と晒し針葉樹パルプ
20重量部を水に分散させて抄紙するシート化工程、成形
シートをフェノール樹脂液に浸漬したのち半硬化し、こ
の所要枚数を加熱圧縮したに積層成形する一次成形工
程、複数枚の一次成形体を前記工程と同一の半硬化シー
トを接合面に介在させて加熱圧縮下に積層成形する二次
成形工程、得られた二次成形体を非酸化性雰囲気下で80
0 ℃以上の温度により焼成炭化する炭素化工程からな
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、良好な気孔性状と高強
度の骨格組織を備える肉厚のポーラスカーボン材を製造
する方法に関する。
度の骨格組織を備える肉厚のポーラスカーボン材を製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】軽量で導電性、耐熱性、耐薬品性などの
特性に優れるポーラスカーボン材は、従来からフィルタ
ー材、電池用電極材、吸着材、断熱材その他の工業用部
材として広範囲の用途分野で使用されているが、中でも
工業用フィルターには前記特性に加え、高い気孔率と制
御された気孔性状を生かして多用されつつある。
特性に優れるポーラスカーボン材は、従来からフィルタ
ー材、電池用電極材、吸着材、断熱材その他の工業用部
材として広範囲の用途分野で使用されているが、中でも
工業用フィルターには前記特性に加え、高い気孔率と制
御された気孔性状を生かして多用されつつある。
【0003】従来、ポーラスカーボン材の製造技術とし
ては、粒度を揃えたコークス粉をタールピッチのような
炭化性バインダーとともに捏合したのち、粉砕、成形お
よび焼成炭化処理するプロセスが典型的な方法として知
られているが、均質かつ安定な気孔構造を付与するため
の条件設定が難しい関係で、量産性に乏しい欠点があ
る。そのうえ、得られる材質には十分な強度を付与する
ことができないため、使用中にカーボン粉の脱離が生じ
易い等の実用上の難点があった。
ては、粒度を揃えたコークス粉をタールピッチのような
炭化性バインダーとともに捏合したのち、粉砕、成形お
よび焼成炭化処理するプロセスが典型的な方法として知
られているが、均質かつ安定な気孔構造を付与するため
の条件設定が難しい関係で、量産性に乏しい欠点があ
る。そのうえ、得られる材質には十分な強度を付与する
ことができないため、使用中にカーボン粉の脱離が生じ
易い等の実用上の難点があった。
【0004】この点、炭素繊維をパルプおよびバインダ
ー成分とともに成形した混合シートに熱硬化性樹脂液を
含浸させたのち焼成炭化する多孔質カーボン材の製造技
術(特開昭50−25808 号公報) は、炭素繊維が補強骨格
を形成するうえ熱硬化性樹脂がガラス状カーボン組織に
転化するため、材料強度を効果的に高めることが可能と
なる。ところが、この方法においては、嵩密度、気孔
径、気孔率などの制御に難点があり、加えて高価な炭素
繊維を原料とする関係で製造原価が高騰化する問題があ
る。
ー成分とともに成形した混合シートに熱硬化性樹脂液を
含浸させたのち焼成炭化する多孔質カーボン材の製造技
術(特開昭50−25808 号公報) は、炭素繊維が補強骨格
を形成するうえ熱硬化性樹脂がガラス状カーボン組織に
転化するため、材料強度を効果的に高めることが可能と
なる。ところが、この方法においては、嵩密度、気孔
径、気孔率などの制御に難点があり、加えて高価な炭素
繊維を原料とする関係で製造原価が高騰化する問題があ
る。
【0005】このため、高価な炭素繊維に代えてその原
料となる有機繊維を使用し、これにパルプ、炭素質粉末
などを配合して成形したシートに有機高分子物質あるい
は炭素質粉末を懸濁させた有機高分子物質を含浸したの
ち焼成処理する方法(特開昭61−236664号公報、同61−
236665号公報) が提案されている。しかし、この方法で
は、組織内に局部的に閉塞された空隙部分が多く形成さ
れるため、均質で制御された気孔構造を得ることが困難
である。
料となる有機繊維を使用し、これにパルプ、炭素質粉末
などを配合して成形したシートに有機高分子物質あるい
は炭素質粉末を懸濁させた有機高分子物質を含浸したの
ち焼成処理する方法(特開昭61−236664号公報、同61−
236665号公報) が提案されている。しかし、この方法で
は、組織内に局部的に閉塞された空隙部分が多く形成さ
れるため、均質で制御された気孔構造を得ることが困難
である。
【0006】本発明者らは、先に良好な気孔性状と高い
骨格強度を兼備するポーラスカーボン材を得るための製
造技術として、α−セルロースを主成分とする熱揮散性
物質を抄紙してシート化する工程と、シートに残炭率40
%以上の熱硬化性樹脂溶液を含浸する工程と、含浸処理
後のシートを50〜150 ℃の温度で半硬化する工程と、半
硬化シートを積層して全面を均一加熱しながらシート厚
さが70〜20%になるように圧縮する工程と、圧縮シート
を非酸化性雰囲気下で800 ℃以上の温度により焼成炭化
する工程からなる方法を開発した(特願平1−321729
号) 。
骨格強度を兼備するポーラスカーボン材を得るための製
造技術として、α−セルロースを主成分とする熱揮散性
物質を抄紙してシート化する工程と、シートに残炭率40
%以上の熱硬化性樹脂溶液を含浸する工程と、含浸処理
後のシートを50〜150 ℃の温度で半硬化する工程と、半
硬化シートを積層して全面を均一加熱しながらシート厚
さが70〜20%になるように圧縮する工程と、圧縮シート
を非酸化性雰囲気下で800 ℃以上の温度により焼成炭化
する工程からなる方法を開発した(特願平1−321729
号) 。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の先願技術によれ
ば、目的に沿った良性状のポーラスカーボン材を得るこ
とができるが、圧縮工程で多量の半硬化シートを積層し
て加熱成形しようとすると圧縮された積層シートの中心
部分まで加熱が行き届かず、成形に困難性を伴うプロセ
ス上の難点があった。このため、厚さが50mmを越えるよ
うな肉厚のポーラスカーボン材を円滑に製造することが
できなかった。
ば、目的に沿った良性状のポーラスカーボン材を得るこ
とができるが、圧縮工程で多量の半硬化シートを積層し
て加熱成形しようとすると圧縮された積層シートの中心
部分まで加熱が行き届かず、成形に困難性を伴うプロセ
ス上の難点があった。このため、厚さが50mmを越えるよ
うな肉厚のポーラスカーボン材を円滑に製造することが
できなかった。
【0008】本発明の目的は、先行技術における上記の
問題点を解消し、良好な気孔性状と組織強度に加え、近
時の工業用フィルター材に要求される肉厚形状のポーラ
スカーボン材を効率よく製造するための方法を提供する
ことにある。
問題点を解消し、良好な気孔性状と組織強度に加え、近
時の工業用フィルター材に要求される肉厚形状のポーラ
スカーボン材を効率よく製造するための方法を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による肉厚ポーラスカーボン材の製造方法
は、α−セルロースを主成分とする有機質物60〜90重量
部と水溶性抄紙バインダー10〜40重量部を水に分散させ
て抄紙するシート成形工程、成形シートを残炭率40%以
上の熱硬化性樹脂溶液に浸漬処理したのち半硬化し、該
半硬化シートの所要枚数を加熱圧縮下に積層成形する一
次成形工程、複数枚の一次成形体を前記工程と同一の半
硬化シートを接合面に介在させて加熱圧縮下に積層成形
する二次成形工程、得られた二次成形体を非酸化性雰囲
気下で800 ℃以上の温度により焼成炭化する炭素化工程
となからなることを構成上の特徴とする。
めの本発明による肉厚ポーラスカーボン材の製造方法
は、α−セルロースを主成分とする有機質物60〜90重量
部と水溶性抄紙バインダー10〜40重量部を水に分散させ
て抄紙するシート成形工程、成形シートを残炭率40%以
上の熱硬化性樹脂溶液に浸漬処理したのち半硬化し、該
半硬化シートの所要枚数を加熱圧縮下に積層成形する一
次成形工程、複数枚の一次成形体を前記工程と同一の半
硬化シートを接合面に介在させて加熱圧縮下に積層成形
する二次成形工程、得られた二次成形体を非酸化性雰囲
気下で800 ℃以上の温度により焼成炭化する炭素化工程
となからなることを構成上の特徴とする。
【0010】以下に各工程を詳細に説明する。 (1) シート成形工程 本発明の主要原料となるα−セルロースを主成分とする
有機質物は抄紙時にシートのフィラー成分となるもの
で、通常の木材パルプのほか、α−セルロース分90%を
含むレーヨンパルプを用いることができる。パルプ性状
としては、抄紙成形性および高気孔構造を確保する面か
ら太さ3〜10デニール、長さ5〜10mm範囲にある繊維形
状を有するものを選択することが好ましい。水溶性抄紙
バインダーは抄紙工程でシート成形の結合材として機能
する成分で、例えばアカマツ、エゾマツ、トドマツ、カ
ラマツ、モミ、ツガ等の針葉樹系パルプ類が好適に使用
される。
有機質物は抄紙時にシートのフィラー成分となるもの
で、通常の木材パルプのほか、α−セルロース分90%を
含むレーヨンパルプを用いることができる。パルプ性状
としては、抄紙成形性および高気孔構造を確保する面か
ら太さ3〜10デニール、長さ5〜10mm範囲にある繊維形
状を有するものを選択することが好ましい。水溶性抄紙
バインダーは抄紙工程でシート成形の結合材として機能
する成分で、例えばアカマツ、エゾマツ、トドマツ、カ
ラマツ、モミ、ツガ等の針葉樹系パルプ類が好適に使用
される。
【0011】原料物質の配合比率は、α−セルロースを
主成分とする有機質物を60〜90重量部、水溶性抄紙バイ
ンダーを10〜40重量部の範囲に設定する。有機質物に対
する水溶性抄紙バインダーの配合量が前記の範囲を下廻
ると抄紙成形性が悪化し、逆に範囲を越えると多孔質組
織の形成を阻害する結果を与える。
主成分とする有機質物を60〜90重量部、水溶性抄紙バイ
ンダーを10〜40重量部の範囲に設定する。有機質物に対
する水溶性抄紙バインダーの配合量が前記の範囲を下廻
ると抄紙成形性が悪化し、逆に範囲を越えると多孔質組
織の形成を阻害する結果を与える。
【0012】本発明のシート成形工程は、上記の二成分
系原料物質を混合して水に分散させたのち、長網式、丸
網式など適宜な抄紙化装置を用いてシート状に抄紙成形
するプロセスでおこなわれる。
系原料物質を混合して水に分散させたのち、長網式、丸
網式など適宜な抄紙化装置を用いてシート状に抄紙成形
するプロセスでおこなわれる。
【0013】(2) 一次成形工程 ついで、成形シートを残炭率40%以上の熱硬化性樹脂溶
液に浸漬処理する。熱硬化性樹脂の残炭率とは、樹脂を
非酸化性雰囲気下で 800℃の温度で焼成したときに残留
する炭素分の重量%を指し、これが40%未満の場合には
得られるポーラスカーボン材の強度を実用水準まで向上
させることが困難となる。40%以上の残炭率をもつ熱硬
化性樹脂としては、フェノール系樹脂、フラン系樹脂、
ポリイミド樹脂などを挙げることができ、いずれも焼成
炭化後にガラス状カーボン組織に転化して組織の骨格強
度を高める機能を果たす。熱硬化性樹脂の溶液化に用い
られる有機溶媒は樹脂の種類に応じて選定されるが、通
常はメタノール、エタノール、アセトン、メチルエチル
ケトンのような低粘度で浸透性が高く、容易に熱揮散す
る性質の溶媒類が適用される。溶液の樹脂濃度は、5重
量%未満であると強度特性が減退し、40重量%を越すと
粘度が増大して含浸性が損なわれるうえ、気孔の閉塞を
生じて気孔率および気孔径の調整することが困難とな
る。したがって、5〜40重量%範囲の樹脂濃度に設定す
ることが望ましい。
液に浸漬処理する。熱硬化性樹脂の残炭率とは、樹脂を
非酸化性雰囲気下で 800℃の温度で焼成したときに残留
する炭素分の重量%を指し、これが40%未満の場合には
得られるポーラスカーボン材の強度を実用水準まで向上
させることが困難となる。40%以上の残炭率をもつ熱硬
化性樹脂としては、フェノール系樹脂、フラン系樹脂、
ポリイミド樹脂などを挙げることができ、いずれも焼成
炭化後にガラス状カーボン組織に転化して組織の骨格強
度を高める機能を果たす。熱硬化性樹脂の溶液化に用い
られる有機溶媒は樹脂の種類に応じて選定されるが、通
常はメタノール、エタノール、アセトン、メチルエチル
ケトンのような低粘度で浸透性が高く、容易に熱揮散す
る性質の溶媒類が適用される。溶液の樹脂濃度は、5重
量%未満であると強度特性が減退し、40重量%を越すと
粘度が増大して含浸性が損なわれるうえ、気孔の閉塞を
生じて気孔率および気孔径の調整することが困難とな
る。したがって、5〜40重量%範囲の樹脂濃度に設定す
ることが望ましい。
【0014】浸漬処理後のシートは、50〜150 ℃の温度
に保持された乾燥器を通して水分等の未反応物や反応生
成物を有機溶媒成分と共に揮散除去し、同時にシートに
担持された樹脂成分を半硬化する。引き続き半硬化シー
トの所要枚数を積層し、全面を均一に加熱しながら積層
成形する。積層枚数は余り多くすると中心部まで加熱さ
れなくなって温度差に基づく硬化むらが発生し易くな
り、一次成形体の反り、焼成炭化時の膨れや割れ等の原
因となる。好適な積層条件は、一次成形体としての厚さ
が40mm以内になるように半硬化シートの積層枚数を調整
することである。積層成形の操作は、平面加熱盤を介し
て油圧プレス、空圧プレスにより熱圧する方法を採るこ
とが工業的に有利である。成形時の温度は樹脂の性状に
よって若干の差異はあるが、概ね80〜200 ℃の範囲で円
滑に成形され、同時に樹脂が硬化する。なお、この成形
段階では半硬化シートの厚さが圧縮前に比べて70〜20%
の圧縮率になるような圧縮条件を付与することが望まし
い。圧縮率が70%を上廻る程度の低圧縮率では実用的な
強度性能が得られ難くなり、他方20%を下廻るような高
い圧縮率を適用すると組織が緻密化して気孔率が低減化
する。
に保持された乾燥器を通して水分等の未反応物や反応生
成物を有機溶媒成分と共に揮散除去し、同時にシートに
担持された樹脂成分を半硬化する。引き続き半硬化シー
トの所要枚数を積層し、全面を均一に加熱しながら積層
成形する。積層枚数は余り多くすると中心部まで加熱さ
れなくなって温度差に基づく硬化むらが発生し易くな
り、一次成形体の反り、焼成炭化時の膨れや割れ等の原
因となる。好適な積層条件は、一次成形体としての厚さ
が40mm以内になるように半硬化シートの積層枚数を調整
することである。積層成形の操作は、平面加熱盤を介し
て油圧プレス、空圧プレスにより熱圧する方法を採るこ
とが工業的に有利である。成形時の温度は樹脂の性状に
よって若干の差異はあるが、概ね80〜200 ℃の範囲で円
滑に成形され、同時に樹脂が硬化する。なお、この成形
段階では半硬化シートの厚さが圧縮前に比べて70〜20%
の圧縮率になるような圧縮条件を付与することが望まし
い。圧縮率が70%を上廻る程度の低圧縮率では実用的な
強度性能が得られ難くなり、他方20%を下廻るような高
い圧縮率を適用すると組織が緻密化して気孔率が低減化
する。
【0015】(3) 二次成形工程 次に、複数枚の一次成形体間に上記一次成形工程で用い
たと同一の半硬化シートを介在させた状態で加熱圧縮下
に積層成形する。この工程における半硬化シートは、積
層する各一次成形体を接合するための層部材として機能
する。積層成形の操作は概ね一次成形工程に準じておこ
なわれるが、介在する半硬化シートの圧縮率が一次成形
工程における圧縮率より大きくなると接合層部分の組織
密度が高くなって材質組織が不均一となり、逆に一次成
形工程の圧縮率より極端に小さくすると接合力の不足に
より、使用時または加工時に界面剥離や破損などの現象
が発生するようになる。したがって、この段階における
半硬化シートの圧縮は、一次成形工程時の圧縮率に対し
80〜100 %になる範囲で設定することが好ましい条件と
なる。
たと同一の半硬化シートを介在させた状態で加熱圧縮下
に積層成形する。この工程における半硬化シートは、積
層する各一次成形体を接合するための層部材として機能
する。積層成形の操作は概ね一次成形工程に準じておこ
なわれるが、介在する半硬化シートの圧縮率が一次成形
工程における圧縮率より大きくなると接合層部分の組織
密度が高くなって材質組織が不均一となり、逆に一次成
形工程の圧縮率より極端に小さくすると接合力の不足に
より、使用時または加工時に界面剥離や破損などの現象
が発生するようになる。したがって、この段階における
半硬化シートの圧縮は、一次成形工程時の圧縮率に対し
80〜100 %になる範囲で設定することが好ましい条件と
なる。
【0016】(4) 炭素化工程 得られた二次成形体は、例えば窒素、アルゴン、二酸化
炭素などの非酸化性雰囲気に保持された焼成炉に移し、
800 ℃以上の温度により焼成する。この段階で、熱揮散
成分は揮散され、同時に熱硬化性樹脂成分は炭化されて
ガラス状カーボンに転化する。なお、該炭素化工程は、
二次成形体を平滑表面を有する黒鉛板で挟み込み、適宜
な重量を与えて加圧状態に保持しながらおこなうと反り
などの熱変形の発生を防止することができる。加える加
圧加重は処理すべき二次成形体の厚みにより若干の差異
はあるが、15〜50g/cm2 の範囲に設定することが好適で
ある。15g/cm2 を下廻ると加重の効果が発揮されず、50
g/cm2 を越えると組織のつぶれによる気孔率の減退を招
く。
炭素などの非酸化性雰囲気に保持された焼成炉に移し、
800 ℃以上の温度により焼成する。この段階で、熱揮散
成分は揮散され、同時に熱硬化性樹脂成分は炭化されて
ガラス状カーボンに転化する。なお、該炭素化工程は、
二次成形体を平滑表面を有する黒鉛板で挟み込み、適宜
な重量を与えて加圧状態に保持しながらおこなうと反り
などの熱変形の発生を防止することができる。加える加
圧加重は処理すべき二次成形体の厚みにより若干の差異
はあるが、15〜50g/cm2 の範囲に設定することが好適で
ある。15g/cm2 を下廻ると加重の効果が発揮されず、50
g/cm2 を越えると組織のつぶれによる気孔率の減退を招
く。
【0017】
【作用】本発明によれば、まずシート成形工程で得られ
た成形シートを、一次成形工程において含浸樹脂成分が
半硬化した段階で積層熱圧し、一定厚さの板状成形体に
成形する。この一次成形工程で積層される半硬化シート
の枚数は、成形時に中心部まで十分に加熱効果が及ぶ範
囲で適宜に調整することができるから、成形は常に円滑
に進行し、均一組織の一次成形体として形成される。一
次成形体は、引き続く二次成形工程で同一組成の半硬化
シートを介在させて複数枚を積層熱圧し、接合層を介し
て炭素化後に所望の肉厚になるような厚さの二次成形体
を得る。これら一次成形および二次成形工程を通じて、
肉厚で同質組織の成形前駆体が形成される。
た成形シートを、一次成形工程において含浸樹脂成分が
半硬化した段階で積層熱圧し、一定厚さの板状成形体に
成形する。この一次成形工程で積層される半硬化シート
の枚数は、成形時に中心部まで十分に加熱効果が及ぶ範
囲で適宜に調整することができるから、成形は常に円滑
に進行し、均一組織の一次成形体として形成される。一
次成形体は、引き続く二次成形工程で同一組成の半硬化
シートを介在させて複数枚を積層熱圧し、接合層を介し
て炭素化後に所望の肉厚になるような厚さの二次成形体
を得る。これら一次成形および二次成形工程を通じて、
肉厚で同質組織の成形前駆体が形成される。
【0018】炭素化工程では、二次成形体中のα−セル
ロースを主成分とする有機質物が大部分熱揮散して気孔
形成に寄与し、同時にその一部は炭化残留して組織骨格
を形成する。また、シートに含浸された熱硬化性樹脂は
炭化してガラス状カーボンに転化し、前記の組織骨格に
固着して組織強度を増強する機能を果たす。この際、一
次成形体とこれを接合する層は同一組成のシートである
から、炭素化後では全体として均一かつ一体組織のポー
ラスカーボン材質となる。
ロースを主成分とする有機質物が大部分熱揮散して気孔
形成に寄与し、同時にその一部は炭化残留して組織骨格
を形成する。また、シートに含浸された熱硬化性樹脂は
炭化してガラス状カーボンに転化し、前記の組織骨格に
固着して組織強度を増強する機能を果たす。この際、一
次成形体とこれを接合する層は同一組成のシートである
から、炭素化後では全体として均一かつ一体組織のポー
ラスカーボン材質となる。
【0019】このような一連の作用によって均一微細な
多孔質性状でありながら組織強度が高く、かつ50mmを越
える肉厚形状のポーラスカーボン材を効率よく製造する
ことが可能となる。
多孔質性状でありながら組織強度が高く、かつ50mmを越
える肉厚形状のポーラスカーボン材を効率よく製造する
ことが可能となる。
【0020】
実施例1〜7 (1) シート成形工程 太さ5デニール、長さ25mmのレーヨンパルプ〔大和紡績
(株)製〕80重量部、晒し針葉樹パルプ(NBKP)20重量部
を水中で撹拌混合して均一に分散させたのち、長網式抄
紙装置を用いて抄紙成形し、乾燥して縦横200mm 、厚さ
0.21mm、平均気孔径 100μm のシートを形成した。
(株)製〕80重量部、晒し針葉樹パルプ(NBKP)20重量部
を水中で撹拌混合して均一に分散させたのち、長網式抄
紙装置を用いて抄紙成形し、乾燥して縦横200mm 、厚さ
0.21mm、平均気孔径 100μm のシートを形成した。
【0021】(2) 一次成形工程 成形シートを残炭率45%のフェノール樹脂〔住友デュレ
ズ(株)製“スミライトレジンPR940 ”〕をアセトンに
溶解した濃度20重量%の溶液に十分浸漬し、引き続き 1
00℃に保持された乾燥器に入れて含浸樹脂成分を半硬化
させた。ついで、半硬化状態のシートを積層し、120 ℃
に温調された均熱盤上に置いて上部から圧縮して一次成
形体(平面板)に成形した。この場合、圧縮率が40〜65
%の範囲で変動するように圧縮条件を設定した。
ズ(株)製“スミライトレジンPR940 ”〕をアセトンに
溶解した濃度20重量%の溶液に十分浸漬し、引き続き 1
00℃に保持された乾燥器に入れて含浸樹脂成分を半硬化
させた。ついで、半硬化状態のシートを積層し、120 ℃
に温調された均熱盤上に置いて上部から圧縮して一次成
形体(平面板)に成形した。この場合、圧縮率が40〜65
%の範囲で変動するように圧縮条件を設定した。
【0022】(3) 二次成形工程 一次成形体の複数枚を120 ℃の温度に加熱し、各界面間
に一次成形工程で使用した半硬化シートを介在させて積
層し、半硬化シートの圧縮率を変えた他は一次成形工程
と同一の条件により二次成形体(肉厚平面板)を成形し
た。
に一次成形工程で使用した半硬化シートを介在させて積
層し、半硬化シートの圧縮率を変えた他は一次成形工程
と同一の条件により二次成形体(肉厚平面板)を成形し
た。
【0023】(4) 炭素化工程 得られた二次成形体は、平滑表面を有する黒鉛板に挟み
込んで一定の加重を加えた状態で電気焼成炉に詰め、周
囲をコークスパッキングで被包した非酸化雰囲気下で10
00℃の温度により焼成炭化処理を施した。
込んで一定の加重を加えた状態で電気焼成炉に詰め、周
囲をコークスパッキングで被包した非酸化雰囲気下で10
00℃の温度により焼成炭化処理を施した。
【0024】このようにして製造された各ポーラスカー
ボン材につき各種の特性を測定し、その結果を製造時の
変動条件と対比させて表1に示した。なお、各種特性の
うち平均気孔径および気孔率は水銀圧入法により、また
嵩密度はJIS R7222、固有抵抗はJIS R7
202、曲げ強さはJIS K6911によってそれぞ
れ測定した。組織観察は目視および走査型電子顕微鏡観
察によった。
ボン材につき各種の特性を測定し、その結果を製造時の
変動条件と対比させて表1に示した。なお、各種特性の
うち平均気孔径および気孔率は水銀圧入法により、また
嵩密度はJIS R7222、固有抵抗はJIS R7
202、曲げ強さはJIS K6911によってそれぞ
れ測定した。組織観察は目視および走査型電子顕微鏡観
察によった。
【0025】
【表1】
【0026】表1の結果から、各例のポーラスカーボン
材ともに50mmを越える肉厚でありながら良好な気孔性状
および組織強度を示した。しかし、一次成形工程時の半
硬化シート積層枚数が極端に多い実施例5では曲げ強度
が減退して組織に反りや膨れ現象が生じ、二次成形工程
でのシート成形圧縮率が一次成形工程より大きい実施例
6では接合層部分の密度が高くなって材質の均質性が低
下し、また炭素化工程時に適用する加圧加重が15g/cm2
未満の実施例7では強度の低下と組織の反りが認められ
た。
材ともに50mmを越える肉厚でありながら良好な気孔性状
および組織強度を示した。しかし、一次成形工程時の半
硬化シート積層枚数が極端に多い実施例5では曲げ強度
が減退して組織に反りや膨れ現象が生じ、二次成形工程
でのシート成形圧縮率が一次成形工程より大きい実施例
6では接合層部分の密度が高くなって材質の均質性が低
下し、また炭素化工程時に適用する加圧加重が15g/cm2
未満の実施例7では強度の低下と組織の反りが認められ
た。
【0027】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば優れた気
孔性状と組織強度を備え、かつ50mmを越える肉厚形状の
ポーラスカーボン材を効率よく製造することができる。
したがって、工業用フィルター材をはじめ大型形状の吸
着材、断熱材等の用途に極めて有用である。
孔性状と組織強度を備え、かつ50mmを越える肉厚形状の
ポーラスカーボン材を効率よく製造することができる。
したがって、工業用フィルター材をはじめ大型形状の吸
着材、断熱材等の用途に極めて有用である。
Claims (2)
- 【請求項1】 α−セルロースを主成分とする有機質物
60〜90重量部と水溶性抄紙バインダー10〜40重量部を水
に分散させて抄紙するシート成形工程、成形シートを残
炭率40%以上の熱硬化性樹脂溶液に浸漬処理したのち半
硬化し、該半硬化シートの所要枚数を加熱圧縮下に積層
成形する一次成形工程、複数枚の一次成形体を前記工程
と同一の半硬化シートを接合面に介在させて加熱圧縮下
に積層成形する二次成形工程、得られた二次成形体を非
酸化性雰囲気下で 800℃以上の温度により焼成炭化する
炭素化工程とからなることを特徴とする肉厚ポーラスカ
ーボン材の製造方法。 - 【請求項2】 一次成形工程を半硬化シートの圧縮率が
70〜20%になる条件でおこない、二次成形工程を半硬化
シートの圧縮率が前記一次成形工程の圧縮率に対し80〜
100 %になる条件でおこない、炭素化工程を15〜50g/cm
2 の加圧加重をかけながらおこなう請求項1記載の肉厚
ポーラスカーボン材の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03237190A JP3131911B2 (ja) | 1991-08-22 | 1991-08-22 | 肉厚ポーラスカーボン材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03237190A JP3131911B2 (ja) | 1991-08-22 | 1991-08-22 | 肉厚ポーラスカーボン材の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0551280A true JPH0551280A (ja) | 1993-03-02 |
| JP3131911B2 JP3131911B2 (ja) | 2001-02-05 |
Family
ID=17011709
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP03237190A Expired - Fee Related JP3131911B2 (ja) | 1991-08-22 | 1991-08-22 | 肉厚ポーラスカーボン材の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3131911B2 (ja) |
-
1991
- 1991-08-22 JP JP03237190A patent/JP3131911B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3131911B2 (ja) | 2001-02-05 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |