JPH055166A - 音響・画像機器用導体の製造方法 - Google Patents

音響・画像機器用導体の製造方法

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JPH055166A
JPH055166A JP32327791A JP32327791A JPH055166A JP H055166 A JPH055166 A JP H055166A JP 32327791 A JP32327791 A JP 32327791A JP 32327791 A JP32327791 A JP 32327791A JP H055166 A JPH055166 A JP H055166A
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Tadanori Sano
忠徳 佐野
Kazuo Sawada
和夫 澤田
Yoshihiro Nakai
由弘 中井
Takeshi Miyazaki
健史 宮崎
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子密度の不規則性を抑え、高周波信号の位
相のずれをなくし、鮮明な音響および画像を得る。 【構成】 純度99.9%以上の銅を用い、400℃〜
700℃の範囲内の温度で1分〜24時間の熱処理を製
造工程中で少なくとも1回施すことを特徴とする音響・
画像機器用導体。純度99.9%以上の銅を用い、製造
工程中で少なくとも1回の熱処理を施すことにより、残
留抵抗比を熱処理を施していない導体と比較して20%
以上上昇させた音響・画像機器用導体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、音響機器および画像
機器の配線に使用される電線の製造方法に関するもので
あり、たとえば、ステレオおよびVTRなどの配線に使
用される電線の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ステレオおよびVTRなどの音響機器お
よび画像機器においては、信号が正確に、位相差を生じ
ることなく伝達されないと、画像および音響に悪影響を
及ぼす。すなわち、像がぼけたり音が鮮明でなかったり
する。
【0003】このような音響・画像機器用の電線として
は、従来、タフピッチ銅および無酸素銅を冷間加工した
後、焼鈍軟化して再結晶させた軟銅線、冷間加工したま
まの硬銅線、またはこれらに錫などのめっきを施した線
などが使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の導体においては、電線導体中に含まれている
不純物元素などによって、電線導体中の電子密度の規則
性が乱され、信号電流の位相にずれを生じる。
【0005】この発明の目的は、これら従来の欠点を解
消し、電子の散乱原因を減少し、信号の伝達の乱れを軽
減して、鮮明な音響および画像を得ることのできる導体
の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】請求項1の発
明に従う導体の製造方法は、純度99.9%以上の銅を
用い、400℃〜700℃の範囲内の温度で1分〜24
時間の熱処理を製造工程中に少なくとも1回施すことを
特徴としている。
【0007】請求項1の発明において、熱処理は、鋳造
後または熱間加工後、冷間加工を行なう前に施すことが
好ましい。また冷間加工後に最終線径に至る前に施して
もよい。
【0008】請求項1の発明においては、熱処理後の冷
間加工の減面率は、65%以上であることが好ましい。
熱処理後に65%以上の冷間加工を施すのが好ましいの
は、これより低い冷間加工の場合、引張強さ等の機械的
特性等が劣り、導体の変形などにより、音響・画像信号
の電流に位相差を生じる恐れがあるからである。
【0009】熱処理を施す原材料としは、一方向凝固材
または単結晶材であることが好ましい。
【0010】請求項1の発明では、原材料として、純度
99.9%以上の銅を用いている。これは、純度が9
9.9%未満であれば、不純物が多くなり、信号が正確
に伝達されないからである。
【0011】請求項1の発明において、400℃〜70
0℃の範囲内の温度で熱処理を行なうのは、これにより
導体中に含まれる不純物元素を析出させることができ、
電子密度の不規則性をなくし、高周波信号電流の位相の
ずれを起こりにくくするためである。これにより、鮮明
な音響および画像を得ることができる。
【0012】熱処理の温度が400℃未満の温度になる
と、所望の鮮明な音響および画像を得るのに長時間熱処
理する必要が生じ、工業的に不適切であり、また効果が
十分でない。また、700℃以上の温度になると、不純
物の再固溶が起こり、また熱処理温度が高温となるため
工業的に不利になり、それを補うだけの十分な熱処理の
効果が得られない。
【0013】請求項1の発明において、熱処理は、鋳造
後または熱間加工後、冷間加工を行なう前に施すことが
好ましい。これは、冷間加工後に行なうと、冷間加工に
より導入された転位等により再結晶が起こり、結晶粒界
の増加をもたらし、音響・画像信号の電流に位相差を生
ずるおそれがあるからである。また、熱処理後に65%
以上の冷間加工を施すことが好ましいのは、これより低
い冷間加工の場合、引っ張り強度等の機械的特性等が劣
り、導体の変形等により、音響・画像信号の電流に位相
差を生ずるおそれがあるからである。
【0014】また、原材料として、一方向凝固材または
単結晶材を用いることが好ましいとしているのは、導体
に電流が流れる際に通過する結晶粒界の数が少なく抑え
られることにより位相のずれを軽減できること、および
原材料中に含まれるガス元素の量か少ないため、特に酸
素の存在による半導体的特性を有する化合物の生成を抑
えることができることによる。
【0015】また、この発明の音響・画像機器用導体
は、単線として使用しても、複数本撚り合わせて撚線と
して使用してもよい。また、この発明においては、最終
線径および撚線段階で仕上げ軟化が実施されてもよい。
【0016】請求項2の発明に従う導体は、熱処理を施
すことにより、残留抵抗比を熱処理を施していない導体
と比較し20%以上上昇させていることを特徴としてい
る。
【0017】請求項1および2の発明では、熱処理を施
した導体の残留抵抗比は、200以上であることが好ま
しい。また、熱処理後の導体に含有される酸素量は、4
0wtppm以下であることが好ましい。
【0018】請求項2の発明では、熱処理により残留抵
抗比を熱処理を施していない導体と比較して20%以上
上昇させている。これは、残留抵抗比が大きいほど、電
子の散乱原因の存在が少なくなり、信号伝達の乱れが小
さくなるため、音響・画像の質を向上させることができ
るからである。熱処理後の導体の残留抵抗比は、200
以上であることが好ましい。なお、一般に99.9%の
純度の銅は、150〜200程度の残留抵抗比を示す。
【0019】請求項5の発明において含有される酸素量
を40wtppm以下が好ましいとしているのは、酸素
が銅導体中でCu2 Oの形態で存在し、このCu2 Oが
半導体的な性質を有することから、酸素量が多い場合に
はこれらのCu2 Oにより大きく信号の伝達が乱される
からである。
【0020】請求項1の発明における熱処理は、製造工
程において連続式で行なわれてもよいし、バッチ式で行
なわれてもよい。また請求項1の発明の導体は、単線と
して使用してもよいし、複数本撚り合わせて撚線として
使用してもよい。また、最終線径および撚線段階で仕上
げ軟化が実施されてもよい。またその表面に錫等をめっ
きして使用してもよい。さらに、絶縁体を被覆して使用
してもよい。
【0021】
【実施例】
実施例1 純度99.99%の無酸素銅を原材料として、まず直径
12mmの線材を鋳造した。結晶組織が多結晶のものは
模型連続鋳造法により鋳造し、結晶組織が1方向凝固ま
たは単結晶のものは、加熱鋳型式連続鋳造法より鋳造し
た。
【0022】鋳造後、表1に示すような熱処理条件で熱
処理を行なった。試料NO.1〜6については、直径1
2mmの線材を鋳造した後に熱処理を行なった。試料N
O.7については、直径12mmに鋳造後、冷間伸線に
より一旦直径6.2mmにした後、表1に示す熱処理条
件で熱処理し、その後再び冷間伸線を行ない、直径0.
78mmの線材とした。試料NO.1〜6は、熱処理後
に冷間伸線し、直径0.78mmの線材とした。また試
料NO.8は試料NO.1〜6と同じ熱処理および冷間
伸線を行なった後、230℃×3時間で仕上げ軟化を行
なった。
【0023】試料NO.9は、直径8mmに熱間加工し
た後、熱処理し、熱処理後直径0.8mmにまで冷間伸
線し、得られた線材を21本撚り合わせて撚線とした。
試料NO.10は、横型連続鋳造法により直径8mmの
線材に鋳造し、冷間伸線して直径2.0mmとして、4
00℃で5時間熱処理を施した。熱処理後に再び、冷間
伸線して直径0.78mmとした。
【0024】比較としての試料NO.11は、横型連続
鋳造法により直径12mmの線材に鋳造した後に、一旦
冷間伸線して直径6.2mmとし、その後にこの発明の
熱処理温度の範囲外である850℃で6時間熱処理を施
した。熱処理後、再び冷間伸線して直径0.78mmの
線材とした。
【0025】比較としての試料NO.12は、横型連続
鋳造法により直径12mmの線材に鋳造した後、一旦冷
間伸線して直径4.6mmとし、その後にこの発明の熱
処理温度の範囲外である150℃で2時間熱処理を施し
た。熱処理後、再び冷間伸線して直径0.78mmの線
材とした。
【0026】従来例としての試料NO.13を、原材料
としてタフピッチ銅を用い、横型連続鋳造法により直径
12mmに鋳造した後、熱処理せずに冷間伸線により直
径0.78mmの線材とした。
【0027】同じく従来例としての試料NO.14は、
99.99%の無酸素銅を用い、横型連続鋳造法により
直径12mmに鋳造した後、冷間伸線により直径0.7
8mmの線材とした。
【0028】
【表1】
【0029】以上のようにして得られた導体について、
音響および画像特性を評価した。ステレオおよびVTR
の配線材として、上記半導体を用い、解像度、繊細感、
透明度、画質の密度および低音・中音・高音の伸びにつ
いて評価した。その結果を表2に示す。これらの評価
は、従来例である試料NO.13を10として相対的に
評価した。
【0030】
【表2】
【0031】表2の結果から明らかなように、この発明
に従い得られる導体は、比較例および従来例のものと比
べ、音響および画像において優れた特性を示すことがわ
かった。
【0032】実施例2 本発明例のNO.29は、純度99.9%のタフピッチ
銅(酸素含有量190ppm)を用い、それ以外のもの
については純度99.99%の無酸素銅(酸素含有量3
ppm)を原材料として用いた。
【0033】本発明例のNO.27および28について
は、加熱鋳型式連続鋳造法により結晶組織が一方向凝固
のものを鋳造し、他の例については横型連続鋳造法によ
り結晶組織が多結晶のものを鋳造した。各例では、直径
8mmの線材を鋳造した。
【0034】鋳造後は、以下に述べる熱処理を施した
後、本発明例のNO.26については直径0.2mmの
線材とした後7本撚り合わせて撚線とし、他の例につい
ては直径0.8mmの線材とした。
【0035】本発明例のNO.21では、冷間加工を施
す前に580℃で5時間熱処理し、直径2.6mmに伸
線後、220℃で3時間の熱処理を施した。
【0036】本発明例のNO.22では、冷間加工を施
す前に600℃で3時間の熱処理を施した。
【0037】本発明例のNO.23では、直径6.8m
mに伸線後、500℃で5時間の熱処理を施し、直径
2.6mmに伸線後、400℃で1時間の熱処理を施し
た。
【0038】本発明例のNO.24では、冷間加工を施
す前に580℃で5時間、その後直径2.6mmに伸線
後、280℃で2時間熱処理を施すとともに、最終線径
で230℃3時間の仕上げ軟化を施した。
【0039】本発明例のNO.25では、冷間加工を施
す前に470℃で9時間の熱処理を施した。また撚線後
に200℃で3時間の仕上げ軟化を施した。
【0040】本発明例のNO.26では、冷間加工を施
す前に530℃で4時間の熱処理を施した。
【0041】本発明例のNO.27では、線径6.2m
mに伸線後、650℃で0.5時間の熱処理を施した。
また、280℃で2時間の仕上げ軟化を施した。
【0042】本発明例のNO.28では、冷間加工を施
す前に600℃で5時間、直径2.0mmで220℃5
時間の熱処理を施した。
【0043】比較例のNO.29では、冷間加工を施す
前に150℃で3時間の熱処理を施した。
【0044】比較例のNO.30では、冷間加工を施す
前に850℃で8時間の熱処理を施した。
【0045】従来例NO.31では、原材料として前記
のタフピッチ銅を用い、従来例NO.32では原材料と
して前記の無酸素銅を用いて、横型連続鋳造法により線
径8mmに鋳造後、線径0.8mmに伸線した。
【0046】以上のようにして得られた導体について、
300℃で2時間の熱処理により転位等を除去した後、
4端子法を用いて、室温と液体ヘリウム温度での抵抗を
測定し、残留抵抗比を求めた。また、これらの導体につ
いて、ステレオおよびVTRの配線材として使用した際
の解像度、繊細感、透明度、画質の密度および低音・中
音・高音の伸びについて評価した。これらの結果を表3
に示す。音響および画像特性の評価については従来例N
O.31を10として相対的に評価した。
【0047】
【表3】
【0048】表3の結果から明らかなように、請求項3
の発明に従う導体は、比較例および従来例のものに比
べ、音響および画像において優れた特性を示すことがわ
かった。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に従え
ば、電子の散乱原因を減少し、信号の伝達の乱れを軽減
することにより、繊細な音響および画像を得ることがで
きる。
【0050】また、ゾーンメルト法などのような特別な
工程による高純度化などを必ずしも必要としないので、
比較的低コストで工業的に有利な方法で良好な導体を製
造することができる。
フロントページの続き (72)発明者 宮崎 健史 大阪市此花区島屋一丁目1番3号 住友電 気工業株式会社大阪製作所内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 純度99.9%以上の銅を用い、400
    ℃〜700℃の範囲内の温度で1分〜24時間の熱処理
    を製造工程中で少なくとも1回施すことを特徴とする、
    音響・画像機器用導体の製造方法。 【請求項2】 前記熱処理を施すことにより、残留抵抗
    比を熱処理を施していない導体と比較し20%以上上昇
    させることを特徴とする、請求項1に記載の音響・画像
    機器用導体の製造方法。 【請求項3】 前記熱処理を施した導体の残留抵抗比が
    200以上であることを特徴とする、請求項1または請
    求項2に記載の音響・画像機器用導体の製造方法。 【請求項4】 熱処理を施した後、減面率65%以上の
    冷間加工を施すことを特徴とする、請求項1、請求項2
    または請求項3に記載の音響・画像機器用導体の製造方
    法。 【請求項5】 含有される酸素量が40wtppm以下
    である銅を用いることを特徴とする、請求項1、請求項
    2、請求項3または請求項4に記載の音響・画像機器用
    導体の製造方法。
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