JPH055948B2 - - Google Patents
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- JPH055948B2 JPH055948B2 JP18327784A JP18327784A JPH055948B2 JP H055948 B2 JPH055948 B2 JP H055948B2 JP 18327784 A JP18327784 A JP 18327784A JP 18327784 A JP18327784 A JP 18327784A JP H055948 B2 JPH055948 B2 JP H055948B2
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Description
本発明は、コーテイング樹脂層と繊維層の接着
力の優れた透湿性防水布帛の製造方法に関するも
のである。一般に透湿と防水性は互いに相反する
機能であるが、透湿性の優れた防水加工布帛は乾
式あるいは湿式コーテイング加工の際にコーテイ
ング樹脂皮膜に水蒸気の発散が可能な程度の連続
した微細孔を形成させることにより得られてい
る。これら乾式あるいは湿式コーテイング加工の
際にコーテイング樹脂として一般にポリウレタン
エラストマーが皮膜強度、ゴム弾性及び柔軟性の
点で好ましく用いられていた。ところがポリウレ
タンエラストマーによる透湿性防水布帛の場合防
水性能と透湿性能の両者のバランスをもとにして
作られているため、防水性能がJIS L−1096の耐
水圧測定で、1500mm(水柱下)以上の布帛につい
ては、透湿度が4000〜5000g/m2・24hrs(JIS Z
−0208測定)程度のものしか得られていないのが
現状である。この透湿度のレベルを7000g/m2・
24hrs以上にまで向上することができれば、ただ
単に経緯糸に極細フイラメントを使用した高密度
織物に撥水、カレンダー加工を施しただけのノン
コーテイング布帛とほぼ同程度の透湿性能のもの
となるので、雨中での作業時や運動時の発汗によ
る衣服内気候の湿度コントロールがスムーズにな
り、このためより一層激しい運動や作業を快適に
行うことができるようになるが耐水圧が1500mm以
上のもので、7000g/m2・24hrs以上の透湿性能
を有する布帛は、今日に至つて未だ得られていな
いのが実状である。また、コーテイング加工布は
基布と樹脂層より成つているが、特に基布がポリ
エステル系合成樹脂より成つている場合、着用時
の“すれ”あるいは洗濯などにより基布と樹脂層
が剥離しやすい欠点を有していた。本発明はこの
ような現状に鑑みて行われたもので、耐水圧が
1500mm以上ありながら透湿度が7000g/m2・
24hrs以上の高透湿性を有し、しかも基布と樹脂
層間の接着性の良好な布帛を得ることを目的とす
るものである。かかる目的を達成するために本発
明は次の構成を有するものである。 すなわち本発明は、ポリエステル系合成繊維を
主体とする繊維布帛に、ポリエステル系樹脂、ポ
リアミノ酸ウレタン樹脂及び極性有機溶剤を主体
とする樹脂溶液を塗布したあと水中に浸漬、湯洗
し乾燥し、次に該塗布面にポリウレタン樹脂、非
イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、親
水性高分子、イソシアネート化合物及び無機充填
剤の内の少なくとも1種類とポリアミノ酸ウレタ
ン樹脂及び極性有機溶剤を主体とする樹脂溶液を
塗布した後、水中に浸漬、湯洗し、乾燥を行うこ
とを特徴とする透湿性防止水布帛の製造方法、並
びに上記構成に続く最終工程として撥水剤を付与
することを特徴とする透湿性防水布帛の製造方法
を要旨とするものである。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明で使用されるポリエステル系合成繊維を
主体とする繊維布帛とは、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロ
ピレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレ
ート・イソフタレート、ポリエチレンテレフタレ
ート・アジペートなどのポリエステル重合体及び
そのコポリマーよりなる繊維を主体とした織物、
編物、不織布等のことであり、上記ポリエステル
系合成樹脂と他の天然繊維、合成繊維を混紡ある
いは交織編したものも含まれる。さらにはこれら
の繊維布帛に目潰し処理や撥水処理等の各種処理
を施したものも含まれるものとする。 本発明方法では第1工程として、このような編
織物等の繊維布帛にポリエステル系樹脂、ポリア
ミノ酸ウレタン樹脂及び極性有機溶剤を主体とす
る樹脂溶液を塗布し、これを水中に浸漬、湯洗
し、乾燥する。 ここで用いるポリエステル系樹脂としては、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1・4ブタンジオール、1・
6−ヘキサンジオール、ポリテトラメチレングリ
コール等のジオールとイソフタル酸、テレフタン
酸、アジピン酸、セバシン酸等の芳香属ジカルボ
ン酸や脂肪族ジカルボン酸との重合反応物、ラク
トン等の開環重合物等があげられ、ジオール成分
と酸成分は重合物が非晶質となるように洗濯しか
つ極性有機溶剤に溶解するように調製される。例
えば酸成分にテレフタル酸とセバチン酸をジオー
ル成分にエチレングリコールとネオペンチルグリ
コールを用いて重合した分子量2〜3万のポリエ
ステルが好適に使用される。 本発明で用いるポリアミノ酸ウレタン樹脂(以
下PAU樹脂という。)は、アミノ酸とポリウレタ
ンとからなる共重合体であり、アミノ酸としては
DL−アラニン、L−アスパラギン酸、L−シス
チン、L−グルタミン酸、グリシン、L−リジ
ン、L−メチオニン、L−ロイシン及びその誘導
体があげられ、ポリアミノ酸を合成する場合アミ
ノ酸とホスゲンから得られるアミノ酸N−カルボ
ン酸無水物(以下、N−カルボン酸無水物を
NCAという。)が一般に用いられる。ポリウレタ
ンはイソシアネート成分として芳香族ジイソシア
ネート、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイ
ソシアネートの単独又はこれらの混合物が用いら
れ、例えばトリレン2・4−ジイソシアネート、
4・4′−ジフエニルメタンジイソシアネート、
1・6−ヘキサンジイソシアネート、1・4−シ
クロヘキサンジイソシアネート等があげられる。
また、ポリオール成分としてはポリエーテルポリ
オール、ポリエステルポリオールが使用される。
ポリエーテルポリオールにはポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコール等があげられ、またポリエステ
ルポリオールとしてはエチレングリコール、プロ
ピレングリコール等のジオールとアジピン酸、セ
バチン酸等の二塩基酸との反応生成物やカプロラ
クトン等の開環重合物があげられる。なお、アミ
ノ酸とポリウレタンの共重合で使用されるアミン
類としてはエチレンジアミン、ジエチルアミン、
トリエチルアミン、エタノールアミン等が用いら
れる。このようにPAU樹脂は各種アミノ酸NCA
と末端にイソシアネート基を有するウレタンプレ
ポリマーとの反応系にアミン類を添加して得られ
るものである。該PAU樹脂を構成するアミノ酸
成分として皮膜性能面から光学活性γ−アルキル
−グルタメート−NCAが好ましく用いられ、さ
らに該光学活性γ−アルキル−グルタメートの中
でも価格と皮膜物性の面からγ−メチル−L−グ
ルタメート−NCA又はγ−メチル−D−グルタ
メートがPAU樹脂のアミノ酸成分として遊離に
洗濯される場合が多い。本発明の多孔質膜を得る
ためには、水溶性の溶媒系からなる均一な樹脂組
成物を用いることが塗工性と湿式成膜性の両面か
ら有利である。かかる樹脂組成物としては、
PAU樹脂の中でも特に光学活性γ−アルキル−
グルタメート−NCAとウレタンプレポリマーと
の反応物が好ましく用いられるが、これは上記反
応物が極性有機溶剤を主体とする溶媒系例えばジ
メチルホルムアミドとジオキサンとの混合溶媒系
でそのアミン酸とウレタンとの重量比率において
90:10〜10:90の広範囲な領域で均一な樹脂溶液
となるため要求される皮膜物性を考慮しながら上
記重量比率を自由に選択することができるからで
ある。 本発明で用いる極性有機溶剤としては、N・N
−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチレンホス
ホンアミド等をあげることができる。 本発明方法における第1工程では上述のポリエ
ステル樹脂とPAU樹脂と極性有機溶剤とを混合
して使用する。 PAU樹脂に対するポリエステル樹脂の配合比
率は重量比で100:1〜100:100の範囲にあれば
よく、ポリエステル樹脂が少なすぎるとポリエス
テル系合成繊維に対する樹脂の接着力が不足し実
用に耐えなくなり、逆に多すぎると加熱により樹
脂皮膜が変形し実用上問題となる。最も望ましい
配合比率は100:5〜100:50の範囲にある場合で
ある。ポリエステル系合成繊維を主体とする布帛
上に上述の配合樹脂溶液を通常のコーテイング等
の方法で10〜100μmの厚さにて塗布し、続いて
これを水中に浸漬する。この工程により細孔を無
数に有するPAU樹脂皮膜が形成される。 布帛を水中に浸漬する際の水温は0〜30℃の範
囲にあるほうが望ましく、水温が30℃以上になる
と樹脂皮膜の孔が大きくなり耐水圧が不良とな
る。また浸漬時間は10秒以上必要で10秒未満では
樹脂の凝固が不十分で満足なPAU樹脂皮膜が得
られない。 水中でPAU樹脂を凝固せしめた後、布帛を湯
洗し、残留している溶剤を除去する。湯洗の条件
はは30〜80℃の温度で3分間以上行えばよい。 湯洗後、乾燥する。 次に本発明方法では第2工程として、先の第1
工程で塗布した面にポリウレタン樹脂、非イオン
系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、親水性高
分子、イソシアネート化合物及び無機充填剤のう
ちの少なくとも1種類とPAU樹脂及び極性有機
溶剤を主体とする樹脂溶液を塗布し、これを水中
に浸漬、洗浄し、乾燥する。 ここで用いるポリウレタン樹脂はイソシアネー
トとポリオールを反応せしめて得られる重合物で
あり、通常のポリウレタン樹脂の製造に使用され
る化合物が利用できる。イソシアネートとしては
公知の樹脂族並びに芳香族ポリイソシアネートが
使用でき、例えばヘキサメチレンジイソシアネー
ト、トリエンジイソシアネート、ジフエニルメタ
ンジイソシアネート、キシレンジイソシアネー
ト、及びこれらの過剰と多価アルコールとの反応
生成物があげられる。ポリオールとしては、ポリ
エステルポリオールあるいはポリエーテルポリオ
ールなどが使用され、ポリエステルポリオールと
しては、例えばエチレングリコール、プロピレン
グリコールなどのジオールとアジピン酸、セバシ
ン酸などの二塩基酸との反応生成物やカプロラク
トン等の開環重合物があげられる。ポリエーテル
ポリオールとしては、例えばポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコールなどがあげられる。 本発明方法で用いる非イオン系界面活性剤とし
てはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
エチレンアルキル−フエニルエーテル、ポリオキ
シエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
脂肪酸アミドエーテル、多価アルコール脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪
酸エステル、脂肪酸シヨ糖エステル、アルキロー
ドアミド等や、あるいはこれらの任意の混合物を
あげることができる。 本発明方法で用いるアニオン系界面活性剤とし
ては、従来公知のアルキル硫酸エステル塩、アル
キルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフインスル
ホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、脂肪酸アミド
スルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等
や、あるいはこれらの任意の混合物を揚げること
ができる。 親水性高分子としてはポリビニルピロリドン、
ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、カル
ボキシビニルポリマー有機アミン、ポリエチレン
イミン等、極性有機溶媒中に溶解、分散あるいは
乳化可能な物質でかつ水に溶解可能な高分子が使
用できる。 またイソシアネート化合物としては、公知の樹
脂酸並びに芳香族イソシアネートが使用できる。
無機充填剤としては珪酸、マイカ、タルク、ケイ
酸カルシウム等の粉末、ケイソウ土、カオリン、
ベントナイト等の粘土、シカスバルーン、ガラス
バルーン等の一般に公知の充填剤が使用できる。
また有機、無機、顔料で色付けすることもでき
る。 本発明における第2工程では、上述のごときポ
リウレタン樹脂、非イオン系界面活性剤、アニオ
ン系界面活性剤、親水性高分子、イソシアネート
化合物、無機充填剤のうちの少なくとも一種類と
PAU樹脂及び極性有機溶剤よりなる樹脂溶液を
塗布液として用いるが、ここで用いるPAU樹脂
及び極性有機溶剤については本発明における第1
工程で用いたものをそのまま用いればよい。 上述した非イオン系界面活性剤、アニオン系界
面活性剤、ウレタン樹脂、親水性高分子は微細孔
形成剤といわれるもので、その使用量は、非イオ
ン系界面活性剤やアニオン系界面活性剤の場合
PAU樹脂に対して0.1〜10%、ウレタン樹脂の場
合PAU樹脂に対して0.3〜6%、親水性高分子の
場合PAU樹脂に対して0.05〜5%の範囲にある
ことが望ましい。これらの微細孔形成剤の使用量
がPAU樹脂に対して上記範囲より少ない場合に
はPAU樹脂皮膜の細孔が小さくなり過ぎ連絡さ
れたミクロセルが得られにくくなり、透湿性が不
良になる。また、上記範囲より多い場合湿式製膜
時の凝固浴温度にも影響されるが、一般に細孔が
大きくなり過ぎ1500mm以上の耐水圧が得られな
い。 非イオン系界面活性剤やアニオン系界面活性剤
は、その使用量が多くなると、ジメチルホルムア
ミドの水中への拡散を促進さるため樹脂皮膜中の
細孔が大きくなりその結果透湿性は向上するが耐
水圧が低下する。ウレタン樹脂の場合には、ウレ
タン樹脂と、PAU樹脂の混合体を水中に浸漬す
ると、PAU樹脂のほうがウレタン樹脂より速く
凝固するためPAU樹脂とウレタン樹脂との境界
に空間が生じ、この空間が樹脂皮膜中の細孔の大
きさを決定する。ウレタン量が少ないと空間が小
さくそのため孔が小さくなり、耐水圧は向上する
が透湿性が低くなる。一方、ウレタン樹脂量が多
いと細孔が大きくなり透湿性は向上するが耐水圧
が低くなる。親水性高分子の場合には、凝固、洗
浄工程で親水性高分子成分が抽出され、その結果
皮膜にミクロセルが形成される。親水性高分子成
分が樹脂成分中で多く存在するとミクロセルの占
める体積が大きく、樹脂皮膜表面の孔径も大きく
なり、その結果耐水圧が低くなる。本発明では前
述の混合樹脂溶液を繊維布帛に付与した後、水中
に浸漬することにより細孔を無数に有するPAU
樹脂皮膜を形成させることができ、上述の非イオ
ン系界面活性剤などの微細孔形成剤の働きにより
連絡されたミクロセル構造を有する細孔が得られ
る。 微細孔形成剤の作用機構は上述のとおりである
が、これらの微細孔形成剤を二以上併用して用い
ることも可能である。この場合各種微細孔形成剤
の作用機構が異なるため、全ての組合せについて
述べることは難しいが、併用効果のメリツトとし
て次のことが言える。例えば、非イオン系界面活
性剤又はアニオン系界面活性剤をウレタン樹脂と
併用することによりPAU樹脂とウレタン樹脂と
の安定性が増加し、コーテイング特性が向上し、
スムーズな塗布面が得られる。また、親水性高分
子とウレタン樹脂を併用すると両者の作用の相乗
効果によりそれぞれ単独の使用量に較べて少量で
透湿性と耐水圧とのバランスのとれた透湿性防水
布帛が得られる。非イオン系界面活性剤とアニオ
ン系界面活性剤とを併用すると、ジメチルホルム
アミドの水中への拡散速度が非イオン系とアニオ
ン系とで異なるため、両者の量を適当に選択する
ことにより、最適拡散速度条件(ミクロセル形成
条件)での湿式製膜が可能となり、緻密なミクロ
セルを有する多孔質構造を得ることができる。 第1工程でコーテイングされた膜面に前述の配
合樹脂溶液を通常のコーテイング等の方法で10〜
200μmの厚さにて塗布し、続いて第1工程の場
合と同一の方法で水中に浸漬して樹脂を凝固し、
湯洗後乾燥する。かくして本発明の目的とする耐
剥離性の良好な透湿性防水布帛を得ることができ
る。 この第2工程における塗布溶液の組成に皮膜の
接着性をさらに向上させる目的でイソシアネート
化合物を使用することも可能である。イソシアネ
ート化合物として2・4−トリレンジイソシアネ
ート、ジフエニルメタンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート及びこれらのジイソシアネート類3モ
ルと活性水素を含有する化合物例えばトリメチロ
ールプロパン、グリセリン等1モルとの付加反応
によつて得られるトリイソシアネート類が使用さ
れる。このイソシアネート類はイソシアネート基
が遊離した形であつてもあるいはフエノール、メ
チルエチルケトオキシムなどを付加することによ
り安定化させ、その後の加熱によりブロツクを熱
解離させる形のいずれであつても使用でき、作業
性や用途により適宜選択すればよい。 本発明において、さらに良好な防水性能を得る
ためには前記第2工程に続く第3工程として撥水
剤を布帛に付与する。撥水剤を付与することによ
り、布帛表面に撥水性を持たせ、耐水圧が1500mm
をはかるに越える2000mm以上の透湿性防水布帛を
得ることができるようになる。撥水剤にはパラフ
イン系、シリコン系及びフツ素系各種あるが、本
発明においては用途に応じ適宜選択すればよい。
特に良好な撥水性が必要な場合にはフツ素系撥水
剤を使用し、撥水剤を付与・乾燥後熱処理を行
う。 また撥水性の耐久性を高めるため、メラミン樹
脂等の樹脂を併用してもよい。撥水剤の付与方法
は通常行われているパツデイング法、コーテイン
グ法又はスプレー法などで行えばよい。 本発明において布帛の撥水性をより一層良好に
するため、PAU樹脂、ポリエステル樹脂及び極
性有機溶剤よりなる樹脂溶液を繊維布帛に塗布す
る前に、撥水剤を繊維布帛にあらかじめ付与して
おいてもよい。 本発明は以上の構成よりなるものであり本発明
によれば基布と樹脂層との接着性が良好であるの
みならず、耐水圧が1500mm以上ありながらしかも
透湿度が7000g/m2・24hrs以上の高透湿性の防
水布帛を得ることができる。本発明の透湿性防水
布帛はスポーツ用衣料等に適した素材である。 以下実施例により本発明をさらに説明するが、
実施例における性能の測定、評価は次の方法にて
行つた。 (1) 耐水圧 JIS−L−1041(低水圧法) (2) 透湿度 JIS−Z−0208 (3) 耐剥離性 学振型摩擦堅牢度試験機を用いて
荷重200gで1000回の摩擦を行い布帛の外観状
態を観察して次の二段階評価を行つた。 ○…剥離は全くなし ×…剥離が認められる 実施例 1 まず始めに、本実施例で用いるPAU樹脂(ポ
リアミノ酸ウレタン樹脂)の製造を次の方法で行
つた。 ポリテトラメチレングリコール(OH価56.9)
1970gと1−6−ヘキサメチレンジイソシアネー
ト504gを90℃で5時間反応させ、末端にイソシ
アネート基を有するウレタンプレポリマー
(NCO当量2340)を得た。このウレタンプレポリ
マー85gとγ−メチル−L−グルタメート−
NCA85gをジメチホルムアミド/ジオキサン
(重量比)=7/3の混合溶媒666gに溶解し、か
きまぜながら2%トリエチルアミン溶液50gを添
加し、30℃で5時間反応を行うと粘度32000cps
(25℃)の黄褐色乳濁状の流動性の良好なPAU樹
脂Aの溶液を得た。このPAU樹脂Aは後述の処
方1〜5にて用いるものである。また、ポリエス
テル系樹脂として、テレフタル酸とセバチン酸の
モル比が6:4の割合のものとエチレングリコー
ルとネオペンチルグリコールのモル比が5:5の
割合のものとの共重合物で、分子量が3万のポリ
エステル樹脂Zを用意した。このポリエステル樹
脂Zは後述の処方1にて用いるものである。ここ
で経糸緯糸の双方にポリエステル75デニール/36
フイラメントを用いた経糸密度120本/インチ、
緯糸密度90本/インチの平織物(タフタ)を用意
し、これに通常の方法で精錬及び分散染料による
染色を行つた後、160℃にて1分間の熱処理を行
つた。次に鏡面ロールを持つカレンダー加工機を
用いて温度170℃、圧力30Kg/cm、速度20m/分
の条件にてカレンダー加工を行い、引き続き下方
処方1に示す樹脂固形分濃度20%の樹脂液をナイ
フオーバーロールコーターを使用して、塗布量30
g/m2にて塗布した後、15℃の水浴中に15秒間浸
漬し樹脂分を凝固させた。続いて50℃の温水中に
5分間浸漬して十分に湯洗後乾燥し、第1工程を
終了した。 処方1 PAU樹脂A 100部 ポリエステル樹脂Z 4部 ジメチルホルムアミド 10部 次に、第2工程として下記処方2〜5に示す樹
脂液をそれぞれ別個に前工程の塗布面にナイフオ
ーバーロールコーターを使用して塗布量80g/m2
にて塗布した後15℃の水浴中に20秒間浸漬し、樹
脂分を凝固させた。 処方2 PAU樹脂A 100部 CRISVON ASSISTOR SD−7(非イオン系界
面活性剤;大日本インキ化学工業(株)製品)1部 ジメチルホルムアミド 20部 処方3 PAU樹脂A 100部 CRISVON AW−7H(ポリウレタン樹脂、大日
本インキ化学工業(株)製品) 10部 ジメチルホルムアミド 20部 処方4 PAU樹脂A 100部 ポリビニルピロピドン 3部 ジメチルホルムアミド 12部 処方5 PAU樹脂A 100部 CRISVON ASSISTOR SD−11(アニオン系界
面活性剤、大日本インキ化学工業(株)製品)2部 CRISVON AW−7H(ウレタン樹脂、大日本イ
ンキ化学工業(株)製品) 5部 バーノツクBL−50(ウレタン樹脂用架橋剤、大日
本インキ化学工業(株)製品) 2部 CaCO3 10部 ここで50℃の温水中に10分間浸漬し、続いて乾
燥を行つたあと、第3工程としてフツソ系撥水剤
エマルジヨンのアサヒガード710(旭硝子株式会社
製品)5%水溶液でパツデイング(絞り率30%)
を行い、160℃にて1分間の熱処理を行つて本発
明の透湿性防水布帛4点を得た。 本発明方法との比較のため、本実施例における
第1工程を削くほかは本実施例と全く同一の方法
により比較試料を作成し、本発明品との性能の比
較を行つた。その結果を本発明品の性能と合わせ
て第1表に示した。 第1表から明らかなごとく、本発明による透湿
性防水布帛は、繊維基布と樹脂層の接着性がよく
耐水圧が2000mm以上であるにもかかわらずその透
湿度は7500g/m2・24hrs以上を記録し、抜群の
透湿性と防水性の双方の性能を兼ね備えているこ
とがわかる。第1工程を削いた比較例はいずれも
耐剥離性が劣つていた。
力の優れた透湿性防水布帛の製造方法に関するも
のである。一般に透湿と防水性は互いに相反する
機能であるが、透湿性の優れた防水加工布帛は乾
式あるいは湿式コーテイング加工の際にコーテイ
ング樹脂皮膜に水蒸気の発散が可能な程度の連続
した微細孔を形成させることにより得られてい
る。これら乾式あるいは湿式コーテイング加工の
際にコーテイング樹脂として一般にポリウレタン
エラストマーが皮膜強度、ゴム弾性及び柔軟性の
点で好ましく用いられていた。ところがポリウレ
タンエラストマーによる透湿性防水布帛の場合防
水性能と透湿性能の両者のバランスをもとにして
作られているため、防水性能がJIS L−1096の耐
水圧測定で、1500mm(水柱下)以上の布帛につい
ては、透湿度が4000〜5000g/m2・24hrs(JIS Z
−0208測定)程度のものしか得られていないのが
現状である。この透湿度のレベルを7000g/m2・
24hrs以上にまで向上することができれば、ただ
単に経緯糸に極細フイラメントを使用した高密度
織物に撥水、カレンダー加工を施しただけのノン
コーテイング布帛とほぼ同程度の透湿性能のもの
となるので、雨中での作業時や運動時の発汗によ
る衣服内気候の湿度コントロールがスムーズにな
り、このためより一層激しい運動や作業を快適に
行うことができるようになるが耐水圧が1500mm以
上のもので、7000g/m2・24hrs以上の透湿性能
を有する布帛は、今日に至つて未だ得られていな
いのが実状である。また、コーテイング加工布は
基布と樹脂層より成つているが、特に基布がポリ
エステル系合成樹脂より成つている場合、着用時
の“すれ”あるいは洗濯などにより基布と樹脂層
が剥離しやすい欠点を有していた。本発明はこの
ような現状に鑑みて行われたもので、耐水圧が
1500mm以上ありながら透湿度が7000g/m2・
24hrs以上の高透湿性を有し、しかも基布と樹脂
層間の接着性の良好な布帛を得ることを目的とす
るものである。かかる目的を達成するために本発
明は次の構成を有するものである。 すなわち本発明は、ポリエステル系合成繊維を
主体とする繊維布帛に、ポリエステル系樹脂、ポ
リアミノ酸ウレタン樹脂及び極性有機溶剤を主体
とする樹脂溶液を塗布したあと水中に浸漬、湯洗
し乾燥し、次に該塗布面にポリウレタン樹脂、非
イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、親
水性高分子、イソシアネート化合物及び無機充填
剤の内の少なくとも1種類とポリアミノ酸ウレタ
ン樹脂及び極性有機溶剤を主体とする樹脂溶液を
塗布した後、水中に浸漬、湯洗し、乾燥を行うこ
とを特徴とする透湿性防止水布帛の製造方法、並
びに上記構成に続く最終工程として撥水剤を付与
することを特徴とする透湿性防水布帛の製造方法
を要旨とするものである。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明で使用されるポリエステル系合成繊維を
主体とする繊維布帛とは、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロ
ピレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレ
ート・イソフタレート、ポリエチレンテレフタレ
ート・アジペートなどのポリエステル重合体及び
そのコポリマーよりなる繊維を主体とした織物、
編物、不織布等のことであり、上記ポリエステル
系合成樹脂と他の天然繊維、合成繊維を混紡ある
いは交織編したものも含まれる。さらにはこれら
の繊維布帛に目潰し処理や撥水処理等の各種処理
を施したものも含まれるものとする。 本発明方法では第1工程として、このような編
織物等の繊維布帛にポリエステル系樹脂、ポリア
ミノ酸ウレタン樹脂及び極性有機溶剤を主体とす
る樹脂溶液を塗布し、これを水中に浸漬、湯洗
し、乾燥する。 ここで用いるポリエステル系樹脂としては、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1・4ブタンジオール、1・
6−ヘキサンジオール、ポリテトラメチレングリ
コール等のジオールとイソフタル酸、テレフタン
酸、アジピン酸、セバシン酸等の芳香属ジカルボ
ン酸や脂肪族ジカルボン酸との重合反応物、ラク
トン等の開環重合物等があげられ、ジオール成分
と酸成分は重合物が非晶質となるように洗濯しか
つ極性有機溶剤に溶解するように調製される。例
えば酸成分にテレフタル酸とセバチン酸をジオー
ル成分にエチレングリコールとネオペンチルグリ
コールを用いて重合した分子量2〜3万のポリエ
ステルが好適に使用される。 本発明で用いるポリアミノ酸ウレタン樹脂(以
下PAU樹脂という。)は、アミノ酸とポリウレタ
ンとからなる共重合体であり、アミノ酸としては
DL−アラニン、L−アスパラギン酸、L−シス
チン、L−グルタミン酸、グリシン、L−リジ
ン、L−メチオニン、L−ロイシン及びその誘導
体があげられ、ポリアミノ酸を合成する場合アミ
ノ酸とホスゲンから得られるアミノ酸N−カルボ
ン酸無水物(以下、N−カルボン酸無水物を
NCAという。)が一般に用いられる。ポリウレタ
ンはイソシアネート成分として芳香族ジイソシア
ネート、脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイ
ソシアネートの単独又はこれらの混合物が用いら
れ、例えばトリレン2・4−ジイソシアネート、
4・4′−ジフエニルメタンジイソシアネート、
1・6−ヘキサンジイソシアネート、1・4−シ
クロヘキサンジイソシアネート等があげられる。
また、ポリオール成分としてはポリエーテルポリ
オール、ポリエステルポリオールが使用される。
ポリエーテルポリオールにはポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコール等があげられ、またポリエステ
ルポリオールとしてはエチレングリコール、プロ
ピレングリコール等のジオールとアジピン酸、セ
バチン酸等の二塩基酸との反応生成物やカプロラ
クトン等の開環重合物があげられる。なお、アミ
ノ酸とポリウレタンの共重合で使用されるアミン
類としてはエチレンジアミン、ジエチルアミン、
トリエチルアミン、エタノールアミン等が用いら
れる。このようにPAU樹脂は各種アミノ酸NCA
と末端にイソシアネート基を有するウレタンプレ
ポリマーとの反応系にアミン類を添加して得られ
るものである。該PAU樹脂を構成するアミノ酸
成分として皮膜性能面から光学活性γ−アルキル
−グルタメート−NCAが好ましく用いられ、さ
らに該光学活性γ−アルキル−グルタメートの中
でも価格と皮膜物性の面からγ−メチル−L−グ
ルタメート−NCA又はγ−メチル−D−グルタ
メートがPAU樹脂のアミノ酸成分として遊離に
洗濯される場合が多い。本発明の多孔質膜を得る
ためには、水溶性の溶媒系からなる均一な樹脂組
成物を用いることが塗工性と湿式成膜性の両面か
ら有利である。かかる樹脂組成物としては、
PAU樹脂の中でも特に光学活性γ−アルキル−
グルタメート−NCAとウレタンプレポリマーと
の反応物が好ましく用いられるが、これは上記反
応物が極性有機溶剤を主体とする溶媒系例えばジ
メチルホルムアミドとジオキサンとの混合溶媒系
でそのアミン酸とウレタンとの重量比率において
90:10〜10:90の広範囲な領域で均一な樹脂溶液
となるため要求される皮膜物性を考慮しながら上
記重量比率を自由に選択することができるからで
ある。 本発明で用いる極性有機溶剤としては、N・N
−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチレンホス
ホンアミド等をあげることができる。 本発明方法における第1工程では上述のポリエ
ステル樹脂とPAU樹脂と極性有機溶剤とを混合
して使用する。 PAU樹脂に対するポリエステル樹脂の配合比
率は重量比で100:1〜100:100の範囲にあれば
よく、ポリエステル樹脂が少なすぎるとポリエス
テル系合成繊維に対する樹脂の接着力が不足し実
用に耐えなくなり、逆に多すぎると加熱により樹
脂皮膜が変形し実用上問題となる。最も望ましい
配合比率は100:5〜100:50の範囲にある場合で
ある。ポリエステル系合成繊維を主体とする布帛
上に上述の配合樹脂溶液を通常のコーテイング等
の方法で10〜100μmの厚さにて塗布し、続いて
これを水中に浸漬する。この工程により細孔を無
数に有するPAU樹脂皮膜が形成される。 布帛を水中に浸漬する際の水温は0〜30℃の範
囲にあるほうが望ましく、水温が30℃以上になる
と樹脂皮膜の孔が大きくなり耐水圧が不良とな
る。また浸漬時間は10秒以上必要で10秒未満では
樹脂の凝固が不十分で満足なPAU樹脂皮膜が得
られない。 水中でPAU樹脂を凝固せしめた後、布帛を湯
洗し、残留している溶剤を除去する。湯洗の条件
はは30〜80℃の温度で3分間以上行えばよい。 湯洗後、乾燥する。 次に本発明方法では第2工程として、先の第1
工程で塗布した面にポリウレタン樹脂、非イオン
系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、親水性高
分子、イソシアネート化合物及び無機充填剤のう
ちの少なくとも1種類とPAU樹脂及び極性有機
溶剤を主体とする樹脂溶液を塗布し、これを水中
に浸漬、洗浄し、乾燥する。 ここで用いるポリウレタン樹脂はイソシアネー
トとポリオールを反応せしめて得られる重合物で
あり、通常のポリウレタン樹脂の製造に使用され
る化合物が利用できる。イソシアネートとしては
公知の樹脂族並びに芳香族ポリイソシアネートが
使用でき、例えばヘキサメチレンジイソシアネー
ト、トリエンジイソシアネート、ジフエニルメタ
ンジイソシアネート、キシレンジイソシアネー
ト、及びこれらの過剰と多価アルコールとの反応
生成物があげられる。ポリオールとしては、ポリ
エステルポリオールあるいはポリエーテルポリオ
ールなどが使用され、ポリエステルポリオールと
しては、例えばエチレングリコール、プロピレン
グリコールなどのジオールとアジピン酸、セバシ
ン酸などの二塩基酸との反応生成物やカプロラク
トン等の開環重合物があげられる。ポリエーテル
ポリオールとしては、例えばポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメ
チレングリコールなどがあげられる。 本発明方法で用いる非イオン系界面活性剤とし
てはポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
エチレンアルキル−フエニルエーテル、ポリオキ
シエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
脂肪酸アミドエーテル、多価アルコール脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪
酸エステル、脂肪酸シヨ糖エステル、アルキロー
ドアミド等や、あるいはこれらの任意の混合物を
あげることができる。 本発明方法で用いるアニオン系界面活性剤とし
ては、従来公知のアルキル硫酸エステル塩、アル
キルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフインスル
ホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、脂肪酸アミド
スルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等
や、あるいはこれらの任意の混合物を揚げること
ができる。 親水性高分子としてはポリビニルピロリドン、
ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、カル
ボキシビニルポリマー有機アミン、ポリエチレン
イミン等、極性有機溶媒中に溶解、分散あるいは
乳化可能な物質でかつ水に溶解可能な高分子が使
用できる。 またイソシアネート化合物としては、公知の樹
脂酸並びに芳香族イソシアネートが使用できる。
無機充填剤としては珪酸、マイカ、タルク、ケイ
酸カルシウム等の粉末、ケイソウ土、カオリン、
ベントナイト等の粘土、シカスバルーン、ガラス
バルーン等の一般に公知の充填剤が使用できる。
また有機、無機、顔料で色付けすることもでき
る。 本発明における第2工程では、上述のごときポ
リウレタン樹脂、非イオン系界面活性剤、アニオ
ン系界面活性剤、親水性高分子、イソシアネート
化合物、無機充填剤のうちの少なくとも一種類と
PAU樹脂及び極性有機溶剤よりなる樹脂溶液を
塗布液として用いるが、ここで用いるPAU樹脂
及び極性有機溶剤については本発明における第1
工程で用いたものをそのまま用いればよい。 上述した非イオン系界面活性剤、アニオン系界
面活性剤、ウレタン樹脂、親水性高分子は微細孔
形成剤といわれるもので、その使用量は、非イオ
ン系界面活性剤やアニオン系界面活性剤の場合
PAU樹脂に対して0.1〜10%、ウレタン樹脂の場
合PAU樹脂に対して0.3〜6%、親水性高分子の
場合PAU樹脂に対して0.05〜5%の範囲にある
ことが望ましい。これらの微細孔形成剤の使用量
がPAU樹脂に対して上記範囲より少ない場合に
はPAU樹脂皮膜の細孔が小さくなり過ぎ連絡さ
れたミクロセルが得られにくくなり、透湿性が不
良になる。また、上記範囲より多い場合湿式製膜
時の凝固浴温度にも影響されるが、一般に細孔が
大きくなり過ぎ1500mm以上の耐水圧が得られな
い。 非イオン系界面活性剤やアニオン系界面活性剤
は、その使用量が多くなると、ジメチルホルムア
ミドの水中への拡散を促進さるため樹脂皮膜中の
細孔が大きくなりその結果透湿性は向上するが耐
水圧が低下する。ウレタン樹脂の場合には、ウレ
タン樹脂と、PAU樹脂の混合体を水中に浸漬す
ると、PAU樹脂のほうがウレタン樹脂より速く
凝固するためPAU樹脂とウレタン樹脂との境界
に空間が生じ、この空間が樹脂皮膜中の細孔の大
きさを決定する。ウレタン量が少ないと空間が小
さくそのため孔が小さくなり、耐水圧は向上する
が透湿性が低くなる。一方、ウレタン樹脂量が多
いと細孔が大きくなり透湿性は向上するが耐水圧
が低くなる。親水性高分子の場合には、凝固、洗
浄工程で親水性高分子成分が抽出され、その結果
皮膜にミクロセルが形成される。親水性高分子成
分が樹脂成分中で多く存在するとミクロセルの占
める体積が大きく、樹脂皮膜表面の孔径も大きく
なり、その結果耐水圧が低くなる。本発明では前
述の混合樹脂溶液を繊維布帛に付与した後、水中
に浸漬することにより細孔を無数に有するPAU
樹脂皮膜を形成させることができ、上述の非イオ
ン系界面活性剤などの微細孔形成剤の働きにより
連絡されたミクロセル構造を有する細孔が得られ
る。 微細孔形成剤の作用機構は上述のとおりである
が、これらの微細孔形成剤を二以上併用して用い
ることも可能である。この場合各種微細孔形成剤
の作用機構が異なるため、全ての組合せについて
述べることは難しいが、併用効果のメリツトとし
て次のことが言える。例えば、非イオン系界面活
性剤又はアニオン系界面活性剤をウレタン樹脂と
併用することによりPAU樹脂とウレタン樹脂と
の安定性が増加し、コーテイング特性が向上し、
スムーズな塗布面が得られる。また、親水性高分
子とウレタン樹脂を併用すると両者の作用の相乗
効果によりそれぞれ単独の使用量に較べて少量で
透湿性と耐水圧とのバランスのとれた透湿性防水
布帛が得られる。非イオン系界面活性剤とアニオ
ン系界面活性剤とを併用すると、ジメチルホルム
アミドの水中への拡散速度が非イオン系とアニオ
ン系とで異なるため、両者の量を適当に選択する
ことにより、最適拡散速度条件(ミクロセル形成
条件)での湿式製膜が可能となり、緻密なミクロ
セルを有する多孔質構造を得ることができる。 第1工程でコーテイングされた膜面に前述の配
合樹脂溶液を通常のコーテイング等の方法で10〜
200μmの厚さにて塗布し、続いて第1工程の場
合と同一の方法で水中に浸漬して樹脂を凝固し、
湯洗後乾燥する。かくして本発明の目的とする耐
剥離性の良好な透湿性防水布帛を得ることができ
る。 この第2工程における塗布溶液の組成に皮膜の
接着性をさらに向上させる目的でイソシアネート
化合物を使用することも可能である。イソシアネ
ート化合物として2・4−トリレンジイソシアネ
ート、ジフエニルメタンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート及びこれらのジイソシアネート類3モ
ルと活性水素を含有する化合物例えばトリメチロ
ールプロパン、グリセリン等1モルとの付加反応
によつて得られるトリイソシアネート類が使用さ
れる。このイソシアネート類はイソシアネート基
が遊離した形であつてもあるいはフエノール、メ
チルエチルケトオキシムなどを付加することによ
り安定化させ、その後の加熱によりブロツクを熱
解離させる形のいずれであつても使用でき、作業
性や用途により適宜選択すればよい。 本発明において、さらに良好な防水性能を得る
ためには前記第2工程に続く第3工程として撥水
剤を布帛に付与する。撥水剤を付与することによ
り、布帛表面に撥水性を持たせ、耐水圧が1500mm
をはかるに越える2000mm以上の透湿性防水布帛を
得ることができるようになる。撥水剤にはパラフ
イン系、シリコン系及びフツ素系各種あるが、本
発明においては用途に応じ適宜選択すればよい。
特に良好な撥水性が必要な場合にはフツ素系撥水
剤を使用し、撥水剤を付与・乾燥後熱処理を行
う。 また撥水性の耐久性を高めるため、メラミン樹
脂等の樹脂を併用してもよい。撥水剤の付与方法
は通常行われているパツデイング法、コーテイン
グ法又はスプレー法などで行えばよい。 本発明において布帛の撥水性をより一層良好に
するため、PAU樹脂、ポリエステル樹脂及び極
性有機溶剤よりなる樹脂溶液を繊維布帛に塗布す
る前に、撥水剤を繊維布帛にあらかじめ付与して
おいてもよい。 本発明は以上の構成よりなるものであり本発明
によれば基布と樹脂層との接着性が良好であるの
みならず、耐水圧が1500mm以上ありながらしかも
透湿度が7000g/m2・24hrs以上の高透湿性の防
水布帛を得ることができる。本発明の透湿性防水
布帛はスポーツ用衣料等に適した素材である。 以下実施例により本発明をさらに説明するが、
実施例における性能の測定、評価は次の方法にて
行つた。 (1) 耐水圧 JIS−L−1041(低水圧法) (2) 透湿度 JIS−Z−0208 (3) 耐剥離性 学振型摩擦堅牢度試験機を用いて
荷重200gで1000回の摩擦を行い布帛の外観状
態を観察して次の二段階評価を行つた。 ○…剥離は全くなし ×…剥離が認められる 実施例 1 まず始めに、本実施例で用いるPAU樹脂(ポ
リアミノ酸ウレタン樹脂)の製造を次の方法で行
つた。 ポリテトラメチレングリコール(OH価56.9)
1970gと1−6−ヘキサメチレンジイソシアネー
ト504gを90℃で5時間反応させ、末端にイソシ
アネート基を有するウレタンプレポリマー
(NCO当量2340)を得た。このウレタンプレポリ
マー85gとγ−メチル−L−グルタメート−
NCA85gをジメチホルムアミド/ジオキサン
(重量比)=7/3の混合溶媒666gに溶解し、か
きまぜながら2%トリエチルアミン溶液50gを添
加し、30℃で5時間反応を行うと粘度32000cps
(25℃)の黄褐色乳濁状の流動性の良好なPAU樹
脂Aの溶液を得た。このPAU樹脂Aは後述の処
方1〜5にて用いるものである。また、ポリエス
テル系樹脂として、テレフタル酸とセバチン酸の
モル比が6:4の割合のものとエチレングリコー
ルとネオペンチルグリコールのモル比が5:5の
割合のものとの共重合物で、分子量が3万のポリ
エステル樹脂Zを用意した。このポリエステル樹
脂Zは後述の処方1にて用いるものである。ここ
で経糸緯糸の双方にポリエステル75デニール/36
フイラメントを用いた経糸密度120本/インチ、
緯糸密度90本/インチの平織物(タフタ)を用意
し、これに通常の方法で精錬及び分散染料による
染色を行つた後、160℃にて1分間の熱処理を行
つた。次に鏡面ロールを持つカレンダー加工機を
用いて温度170℃、圧力30Kg/cm、速度20m/分
の条件にてカレンダー加工を行い、引き続き下方
処方1に示す樹脂固形分濃度20%の樹脂液をナイ
フオーバーロールコーターを使用して、塗布量30
g/m2にて塗布した後、15℃の水浴中に15秒間浸
漬し樹脂分を凝固させた。続いて50℃の温水中に
5分間浸漬して十分に湯洗後乾燥し、第1工程を
終了した。 処方1 PAU樹脂A 100部 ポリエステル樹脂Z 4部 ジメチルホルムアミド 10部 次に、第2工程として下記処方2〜5に示す樹
脂液をそれぞれ別個に前工程の塗布面にナイフオ
ーバーロールコーターを使用して塗布量80g/m2
にて塗布した後15℃の水浴中に20秒間浸漬し、樹
脂分を凝固させた。 処方2 PAU樹脂A 100部 CRISVON ASSISTOR SD−7(非イオン系界
面活性剤;大日本インキ化学工業(株)製品)1部 ジメチルホルムアミド 20部 処方3 PAU樹脂A 100部 CRISVON AW−7H(ポリウレタン樹脂、大日
本インキ化学工業(株)製品) 10部 ジメチルホルムアミド 20部 処方4 PAU樹脂A 100部 ポリビニルピロピドン 3部 ジメチルホルムアミド 12部 処方5 PAU樹脂A 100部 CRISVON ASSISTOR SD−11(アニオン系界
面活性剤、大日本インキ化学工業(株)製品)2部 CRISVON AW−7H(ウレタン樹脂、大日本イ
ンキ化学工業(株)製品) 5部 バーノツクBL−50(ウレタン樹脂用架橋剤、大日
本インキ化学工業(株)製品) 2部 CaCO3 10部 ここで50℃の温水中に10分間浸漬し、続いて乾
燥を行つたあと、第3工程としてフツソ系撥水剤
エマルジヨンのアサヒガード710(旭硝子株式会社
製品)5%水溶液でパツデイング(絞り率30%)
を行い、160℃にて1分間の熱処理を行つて本発
明の透湿性防水布帛4点を得た。 本発明方法との比較のため、本実施例における
第1工程を削くほかは本実施例と全く同一の方法
により比較試料を作成し、本発明品との性能の比
較を行つた。その結果を本発明品の性能と合わせ
て第1表に示した。 第1表から明らかなごとく、本発明による透湿
性防水布帛は、繊維基布と樹脂層の接着性がよく
耐水圧が2000mm以上であるにもかかわらずその透
湿度は7500g/m2・24hrs以上を記録し、抜群の
透湿性と防水性の双方の性能を兼ね備えているこ
とがわかる。第1工程を削いた比較例はいずれも
耐剥離性が劣つていた。
【表】
【表】
実施例 2
実施例1における第3工程(撥水処理)を削
き、これに代えて被加工布帛(タフタ)の染色後
のものにあらかじめ撥水処理(旭硝子(株)製フツソ
系撥水剤エマルジヨンのアサヒガード730を5%
水溶液でパデイング(絞り率35%)後、160℃に
て1分間の熱処理)を施すほかは実施例1と全く
同一の方法で加工を行い本発明の布帛と比較用の
布帛をそれぞれ4点得た。 得られた布帛は、第2表に示したように透湿
性、防水性、耐剥離性のいずれも良好であつた。
き、これに代えて被加工布帛(タフタ)の染色後
のものにあらかじめ撥水処理(旭硝子(株)製フツソ
系撥水剤エマルジヨンのアサヒガード730を5%
水溶液でパデイング(絞り率35%)後、160℃に
て1分間の熱処理)を施すほかは実施例1と全く
同一の方法で加工を行い本発明の布帛と比較用の
布帛をそれぞれ4点得た。 得られた布帛は、第2表に示したように透湿
性、防水性、耐剥離性のいずれも良好であつた。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ポリエステル系合成繊維を主体とする繊維布
帛に、ポリエステル系樹脂、ポリアミノ酸ウレタ
ン樹脂及び極性有機溶剤を主体とする樹脂溶液を
塗布したあと水中に浸漬、湯洗し乾燥し、次に該
塗布面にポリウレタン樹脂、非イオン系界面活性
剤、アニオン系界面活性剤、親水性高分子、イソ
シアネート化合物及び無機充填剤の内の少なくと
も1種類とポリアミノ酸ウレタン樹脂及び極性有
機溶剤を主体とする樹脂溶液を塗布した後、水中
に浸漬、湯洗し、乾燥を行うことを特徴とする透
湿性防水布帛の製造方法。 2 繊維布帛が撥水処理を施されている繊維布帛
であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
載の透湿性防水布帛の製造方法。 3 ポリエステル系合成繊維を主体とする繊維布
帛に、ポリエステル系樹脂、ポリアミノ酸ウレタ
ン樹脂及び極性有機溶剤を主体とする樹脂溶液を
塗布したあと水中に浸漬、湯洗し乾燥し、次に該
塗布面にポリウレタン樹脂、非イオン系界面活性
剤、アニオン系界面活性剤、親水性高分子、イソ
シアネート化合物及び無機充填剤の内の少なくと
も1種類とポリアミノ酸ウレタン樹脂及び極性有
機溶剤を主体とする樹脂溶液を塗布した後、水中
に浸漬、湯洗し、乾燥を行い、しかる後に撥水剤
を付与することを特徴とする透湿性防水布帛の製
造方法。 4 繊維布帛が撥水処理を施されている繊維布帛
であることを特徴とする特許請求の範囲第3項記
載の透湿性防水布帛の製造方法。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59183277A JPS6163777A (ja) | 1984-08-31 | 1984-08-31 | 透湿性防水布帛の製造方法 |
| US06/689,322 US4636424A (en) | 1984-01-23 | 1985-01-07 | Moisture-permeable waterproof laminated fabric and process for producing the same |
| EP19850100562 EP0151963B1 (en) | 1984-01-23 | 1985-01-20 | Moisture-permeable waterproof laminated fabric and process for producing the same |
| DE8585100562T DE3585840D1 (de) | 1984-01-23 | 1985-01-20 | Feuchtigkeitsdurchlaessiges, wasserundurchlaessiges, mehrschichtiges textiles flaechengebilde und verfahren zu dessen herstellung. |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59183277A JPS6163777A (ja) | 1984-08-31 | 1984-08-31 | 透湿性防水布帛の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6163777A JPS6163777A (ja) | 1986-04-01 |
| JPH055948B2 true JPH055948B2 (ja) | 1993-01-25 |
Family
ID=16132839
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP59183277A Granted JPS6163777A (ja) | 1984-01-23 | 1984-08-31 | 透湿性防水布帛の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6163777A (ja) |
-
1984
- 1984-08-31 JP JP59183277A patent/JPS6163777A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6163777A (ja) | 1986-04-01 |
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