JPH0569903B2 - - Google Patents

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JPH0569903B2
JPH0569903B2 JP63316167A JP31616788A JPH0569903B2 JP H0569903 B2 JPH0569903 B2 JP H0569903B2 JP 63316167 A JP63316167 A JP 63316167A JP 31616788 A JP31616788 A JP 31616788A JP H0569903 B2 JPH0569903 B2 JP H0569903B2
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は構造用鋼として機械的性質にすぐれか
つ溶接用の良好に二相組織鋼に関する。 〔従来の技術〕 船体、橋梁、圧力容器、自動車等の一般構造用
あるいは溶接構造用として用いられる圧延鋼材に
は、機械的強度にすぐれ、靱性を有すると共に、
溶接性がよく、また普通鋼材のように多量生産が
可能であるなどの経済性が必要とされる。 炭素鋼の強度を向上させるためには、炭素含有
量を増加させるのが最も簡単であるが、炭素量が
増すと、伸びや絞り等の延性が低下し、また、溶
接性が劣化する。このため、特に溶接性を考慮し
て低炭素系を基本に珪素、マンガン、ニツケル、
クローム、銅等の合金元素の1種または数種を少
量添加して、固溶体強化あるいは結晶微細化等を
利用し、強化を図つた低炭素低合金鋼が低合金高
張力鋼(HSLA鋼)として多用されるようになつ
ている。 しかし、圧延のままの非調質状態で用いる低合
金高張力鋼では、フエライトバーライト組織のま
まで珪素、マンガンその他の合金元素を添加して
強化を図つているので引張り強さは60Kgf/mm2
でが限度とされており、それ以上の強度を有する
高張力鋼においては、さらにニツケル、クローム
等の合金元素の添加量を増やし、焼入れ焼戻しを
行うことによつて、焼戻しマルテンサイト相によ
る引張り強さ100Kgf/mm2程度までの強化が図ら
れている。 一方、このような高張力鋼域の成分で特別な熱
処理によつてフエライトマトリツクスにマルテン
サイト相を分散させた二相組織からなる鋼が開発
され、延性を保持しつつ強度を確保し、溶接性も
良好であるということで、構造部品の軽量化用途
に注目されている。例えば、引張り強さ600MPa
で伸び20%を示す0.05%C−0.02%Si−0.32%Mn
−残Feからなる低合金高張力鋼を約790℃のフエ
ライトとオーステナイトの二相域で焼鈍してから
急冷し、オーステナイトをマルテンサイトに変え
て得られる二相鋼は、引張り強さ650MPaで伸び
30%程度になり、低炭素のため溶接性も良好であ
る。 〔発明が解決しようとする課題〕 しかしながら、前記高張力鋼等の第一の要求と
する高強度をさらに推進させようとする場合、前
記の調質高張力鋼においては、高価な合金元素の
種類及び添加量を増やす傾向にあるが、延性の犠
牲もなくその目的を達成するのは困難であり、ま
た溶接に際しては、溶接割れを発生し易い。すで
に従来の強度レベルのものにおいてさえも、溶接
熱影響の急熱急冷による硬化そして冷間割れが発
生し易く、このような溶接部の脆化防止のため、
予熱を必要とし、また入熱制限が設けられている
という問題がある。さらに、前記の低合金二相鋼
においても、炭素添加量を低い値に抑え、ニツケ
ル、クローム、バナジウム等の高価な合金元素の
種類及び添加量を増やして強度を確保するように
しているが、急冷処理を含む高価な熱処理を必要
とすることと併せて、得られる性能の割に高価な
ものになつており、例えば二相鋼の開発当初に意
図された自動車の軽量化用途即ち車体用薄板とし
ての用途には適しないなど、経済性に問題があつ
た。また、上記のような合金元素が多くなると、
溶接硬化の目安となる炭素当量が基準量の約0.4
%を超えて過大となり、溶接に際し、溶接熱影響
部が硬化して脆化することのため、実用性のある
これ以上の高強度合金鋼を得ることは難しいとい
う問題があつた。 なお、炭素素低合金高張力鋼において、溶接性
を保持しつつ、残留オーステナイトの変態誘起塑
性(TRIP)を利用して、加工時において30%以
上の伸びを得る技術も開示されて注目されている
が、組織中の残留オーステナイト量を確保するた
め、煩雑な熱処理を必要とし、経済性に問題があ
る。 従つて、本発明は高価な強化合金元素を多く添
加する必要がなく、また調質熱処理が容易で、延
性を余り損なうなくさらに高い機械的強度が得ら
れ、しかも溶接性が良好であり、従つて製造コス
トが安く、実用性の大きい構造用鋼を提供するこ
とを目的とする。 〔課題を解決するための手段〕 上記の目的を達成するため、本発明は、重量%
として、炭素0.02〜0.3%、マンガン2.8〜5.0%及
び珪素0.2〜1.5%を含み、残部が鉄及び不可避不
純物からなる鋼を、圧延後、700〜800℃のフエラ
イトオーステナイト二相域に保持して焼鈍した
後、冷却した高強度で溶接性にすぐれる構造用高
マンガン二相鋼を、また、前記鋼が重量%とし
て、炭素0.02〜0.3%、マンガン2.8〜5.0%及び珪
素0.2〜1.5%のほかに、それぞれ0.02〜0.1%のモ
リブデン、ニオブ、タンタル、タングステン、チ
タン、バナジウム及び硼素と0.02〜0.3%のクロ
ームからなる群のうちの1種または2種以上の元
素を含み、残部が鉄及び不可避不純物からなる高
強度で溶接性にすぐれる構造用高マンガン二相鋼
を提案するものである。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明の高マンガン二相鋼は、原料を転炉、電
気炉、高周波誘導炉等通常の製鋼炉に装入して溶
融し、成分調整を行つて鋳造し、これを熱間圧延
または冷間圧延して所定形状のものを得、さらに
これに熱処理を施すことによつて得られる。熱処
理は700〜800℃のフエライトオーステナイト二相
域に10分程度保持して焼鈍したのち、空冷、水焼
入れ、油焼入れ等徐冷または急冷することによつ
て行う。 本発明の高マンガン二相鋼の場合、高マンガン
量の含有により、変態温度A1及びA3が著しく低
下し、また等温度変態曲線が長時間側にずれるの
で、700〜800℃という比較的低い焼鈍温度域から
の水焼入れ等の急冷のみならず、空冷等の徐冷に
よつても二相鋼を得ることができる。その二相組
織は、比較的軟質なフエライトマトリツクス中に
硬いマルテンサント相が細かく針状、粒状あるい
は島状に分散した状態をなしている。本発明の高
マンガン二相鋼はその組織に基いて、高強度で延
性に富み、焼入れ状態で1000Mpa以上の引張り
強さと約20%以上の破断伸びが容易に得られ、ま
た焼戻し処理を行うことにより、引張りの強さを
700MPa程度に保持しながら40%以上の破断伸び
を持たせることができる。 本発明の高マンガン二相鋼また、典型的な二相
鋼の特徴を備えており、引張り測定で得られる応
力−歪み曲線は連続的であり、急激な降伏現象を
表わさず、引張り強さに対する降伏強さの比即ち
降伏応力比も0.4〜0.7と小さく、良好な冷間加工
性を有している。さらに、僅かな歪みを与えた
後、荷重を取り除き、比較的低温度で短時間加熱
すると降伏強さが著しく増加するという歪み時効
性または焼付け硬化性をも有する。 本発明の高マンガン二相鋼はマンガン含有量が
高いのにも拘らず、溶接性にすぐれているのが大
きい特徴であり優れた利点である。即ち従来溶接
のための鋼の炭素当量は0.4以下を必要としてい
るが、例えば、本発明の基本的な二相鋼でもある
0.1%C−3%Mn−0.5%Si−Fe合金の場合、そ
の炭素当量は0.6であるにも拘らず、溶接性は良
好である。このことはTIG溶接及び電子線溶接に
よつて確められている。何れの場合も、溶接部は
アルゴンガス若しくは真空中で放冷されるが、こ
の時に得られる溶接部の構造は常にフエライトマ
トリツクス中のマルテンサイト相が細かく分散し
た二相降特有の構造を示している。冷却速度が大
であればマルテンサイト相の量は増加するが、放
冷する場合でもその容積率は常に全体の50%以下
であり、従つて溶接部の機械的強度は高くなる
が、依然としてかなり延性を保つている。このた
め、引張り測定では、溶接作業を順調に行なわれ
た試験片の場合、溶接部外で破断し、溶接しない
試験片と略同じ引張り特性を示す。また、溶接部
をさらに700℃程度に10分間加熱する焼戻し処理
を行つて空冷すれば溶接部のマルテンサイト相の
量は減少し、試験片全体を延性に富んだ鋼とする
ことができる。 次に本発明の高マンガン二相鋼における各元素
の含有量の限定理由について説明する。 炭素は強度は向上させる有用な元素であるが、
0.3%以上では構造用材料としては機械的性質が
脆くなるので上限を0.3%とした。また、炭素に
よる強化作用が認められる0.02%を下限とした。 マンガンは、本発明においては、炭素と共に、
焼入れ性を向上させると共に得られる二相鋼を強
化する最も重要な基本成分元素であるが、多すぎ
ると残留オーステナイト相が増えて別種の鋼とな
り、本来の意味の二相鋼ではなくなるし、また脆
くなる傾向があるので、経済性をも考慮し、5%
な上限とした。また、他の添加元素による若干の
変動はあるものの、二相域からの空冷によつて本
発明の意図する二相組織が得られることと、従来
の構造用のマンガン鋼や前記低合金高張力鋼にお
ける上限値が略1.7%であること及び強度を考慮
し、特に2.8%を下限とした。 珪素は強化作用を有するが、1.5%を超えると
却つて強度が低下し、また0.2%を下廻ると顕著
な強化作用を示さないので、好適範囲として0.2
〜1.5%を採用した。 モリブデン、タンタル、ニオブ、タングステ
ン、チタン、バナジウム、硼素及びクロームは、
少量の添加で結晶粒を小さくし、マルテンサイト
相の分散を助ける有力な強化剤であるが高価な元
素であり、また多くなると延性が得られ難くなる
ので0.1、%を上限とし、クロームについてのみ
上限を0.3%とした。また、何れも、強化効果の
認められる0.02%を下限とした。 〔実施例〕 原料としてアームコ鉄、電解マンガン、4%炭
素−鉄合金及びフエロアロイを各種配合して用
い、高周波誘導炉で各種合金鋼を溶製し、アルゴ
ンガス雰囲気下で水冷鋳型に鋳造し、2Kgの鋳塊
とした。溶製した合金鋼の成分を一括して第1表
に示す。鋳塊は1100℃で20時間アルゴンガス流の
もとで均質化処理を行い、次に1100℃での熱間圧
延により20mmの厚塊を5.5mmまで圧減し、さらに
冷間圧延で5mmに圧延したのち、900℃の熱間圧
延で4mmの圧減し、これを常温まで空冷した。こ
の平板から機械切削により厚さ3mm、有効部長さ
32mm及び幅6.25mmの平板引張り試験片を多数作成
し、適宜試験に供した。
〔発明の効果〕
以上の説明から明らかなように、本発明によれ
ば、次ような効果が得られる。 比較的低い700〜800℃焼鈍温度からの冷却で従
来の低炭素低合金鋼以上の高強度で延性に富む、
実用上有利な二相鋼が得られる。 前記二相鋼を得るための焼鈍温度からの冷却は
急冷に限らず空冷であつてもよく、冷却速度を変
えることによつて得られる、二相鋼の性質を大き
く変えることができ、また、簡単な焼戻しで大き
い延性を得ることができる。 高いマンガン含有量に拘らす溶接性が良好で、
しかも溶接部の機械的性質は非溶接部のそれと略
同等のものが得られる。 炭素−マンガン−珪素−鉄を基本とした簡単な
組成で延性を損うことなく機械的強度を増加で
き、さらにモリブデン、ニオブ、等高融点金属の
少量添加でさらに機械的強度の向上が図れる。 基本的添加成分の炭素及びマンガン、さらに珪
素は安価な元素であり、高価なモリブデン等高融
点金属の添加は少量で済み、また調質が容易なの
で製造コストが安い。 特に、原料が安く、焼鈍温度からの空冷処理に
よつて高い強度と延性をもち、かつ溶接性にすぐ
れた二相鋼が得られることにより、多量生産が可
能な、自動車車体用途をも含む広範囲の用途に適
した、経済性にすぐれた高強度鋼が得られる。 二相鋼として特徴的に降伏応力比が小さく、加
工に有利である。 降伏強さは、二相鋼としての歪み時効性を利用
し増大を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の高マンガン二相鋼における焼
鈍温度と引張り特性との関係を示す図、第2図
a,b,cは焼鈍温度別に示した本発明の高マン
ガン二相鋼における炭素含有量と引張り特性との
関係を示す図、第3図a,b,cは焼鈍温度別に
示した本発明の高マンガン二相鋼における珪素含
有量と引張り特性の関係を示す図、第4図a,
b,c,d,e,f,gは本発明の高マンガン二
相鋼における焼鈍温度と引張り特性との関係を示
す図、そして第5図は本発明の高マンガン二相鋼
における焼戻し時間と引張り特性との関係を示す
図であつて、各図共通に、実線は空冷の場合を、
点線は水冷の場合を示し、δRは引張り強さ、δE
0.2%永久伸び降伏強さ、ARは破断伸び、そして
AUは均一伸びを示す線である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 重量%として、炭素0.02〜0.3%、マンガン
    2.8〜5.0%及び珪素0.2〜1.5%を含み、 残部が鉄及び不可避不純物からなる鋼を、圧延
    後700〜800℃のフエライトオーステナイト二相域
    に保持して焼鈍した後、冷却したことを特徴とす
    る高強度で溶接性にすぐれる構造用高マンガン二
    相鋼。 2 前記鋼が、重量%として、炭素0.02〜0.3%、
    マンガン2.8〜5.0%及び珪素0.2〜1.5%のほかに、
    それぞれ0.02〜0.1%のモリブデン、ニオブ、タ
    ンタル、タングステン、チタン、バナジウム及び
    硼素と0.02〜0.3%のクロームからなる群のうち
    の1種または2種以上の元素を含み、残部が鉄及
    び不可避不純物からなることを特徴とする請求項
    1記載の高強度で溶接性にすぐれる構造用高マン
    ガン二相鋼。
JP31616788A 1988-12-16 1988-12-16 構造用高マンガン二相鋼 Granted JPH02163343A (ja)

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