JPH0576312B2 - - Google Patents
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- JPH0576312B2 JPH0576312B2 JP59274303A JP27430384A JPH0576312B2 JP H0576312 B2 JPH0576312 B2 JP H0576312B2 JP 59274303 A JP59274303 A JP 59274303A JP 27430384 A JP27430384 A JP 27430384A JP H0576312 B2 JPH0576312 B2 JP H0576312B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- olefin
- copolymer
- propylene
- molded article
- physical properties
- Prior art date
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- Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)
- Materials For Medical Uses (AREA)
Description
産業上の利用分野
本発明は、放射線殺菌可能な医療用物品に関す
るもので、より詳細には特定のオレフイン共重合
体或いはそれを含有するオレフイン樹脂組成物の
成形品から成り、殺菌用放射線照射及びその後の
経時において物性低下が顕著に抑制された医療用
射出成形物品に関する。 従来の技術及び発明の技術的課題 最近、ガラス製の医療用器具、例えば注射筒、
点滴用容器等に代つて樹脂製のものが普及しはじ
めている。ところが、これらの医療用器具におい
て特に重要な消毒については未だ種々の問題が残
されている。従来、滅菌に主として使用されてい
るエチレンオキサイドについては、その安全性に
ついて疑問が投げかけられており、これに代えて
γ線或いは電子線照射による滅菌が採用され始め
ている。しかしながら、樹脂製の器具類に放射線
を照射すると、分子鎖の切断や架橋等を生じると
共に、分子鎖中に捕捉されたラジカルやペルオキ
シド(空気中)基が生成し、照射時或いはその後
の経時で著しい物性低下を生じる。 例えば、医療用器具として広く使用されている
塩化ビニル樹脂製のものでは、分子鎖の切断が優
先的に生じ、樹脂の物性が大巾に低下し、使用困
難に陥れ易い。また、オレフイン系樹脂では、照
射終了後に物性低下の比較的少ないものでも、そ
の後の経時で、引張り破断点伸び等の物性の著し
い低下を生ずることが認められる。これを防止す
るために、安定剤の配合等が検討されているが、
未だ満足されるものは見出されるに至つていな
い。 発明の骨子 本発明者はγ線等の放射線照射により、物性低
下及び変色等を生じ難く、樹脂自体も最も不活性
−安全−なものを探索した結果、4個以上の炭素
原子を含有する1−オレフインと他の1−オレフ
インとの結晶質共重合体が放射線に対して極めて
優れた耐久性を備えていることを見出し、本発明
に到達した。 発明の目的 本発明の目的は、放射線照射による消毒処理に
付された場合は勿論のこと、その後の長期にわた
る経時に付された場合にも、物性低下の著しく少
ないオレフイン樹脂成形体から成る医療用物品を
提供するにある。 発明の構成 本発明によれば、炭素数4以上の1−オレフイ
ン(a)と前記1−オレフイン(a)と異なる1−オレフ
イン(b)との共重合体の成形体から成ることを特徴
とする殺菌用放射線照射において物性低下が抑制
された医療用射出成形物品が提供される。 本発明によればまた、炭素数4以上の1−オレ
フイン(a)と前記(a)とは異なる1−オレフイン(b)と
の共重合体(c)、及び他のポリオレフイン(b)を含有
する組成物の成形体から成ることを特徴とする殺
菌用放射線照射において物性低下が抑制された医
療用射出成形物品が提供される。 発明の作用効果 一般に高分子物質に、γ−線等のイオン化放射
線を照射すると、1次電子の生成過程を経て、重
合体鎖中にラジカルを生成し、酸素雰囲気中では
このラジカルが酸素と結合してパーオキサイドラ
ジカルを生じる。この重合体鎖ラジカルの生成を
経て、分子鎖の切断による減成を生じ、或いは重
合体鎖ラジカルが再結合して分子鎖の架橋を生じ
る。 オレフイン樹脂において、達成傾向の顕著な樹
脂はポリプロピレンであり、一方架橋傾向の顕著
な樹脂はポリエチレンであり、その理由としては
プロピレン系樹脂の場合には、第三級炭素原子上
に水素原子の引抜きによるラジカルが生成しやす
く、このラジカルは立体障害効果により再結合し
にくいためと言われている。 捕捉ラジカル(パーオキサイドラジカル)によ
る分子鎖切断、即ち減成傾向は、放射線照射中は
勿論のこと、その後の経時においても顕著であ
り、例えばプロピレン系樹脂の場合、破断点伸び
残率は、照射終了後の値を100とすれば、その後
の経時で数%以下に低下する。 これに対して、本発明によれば、このような減
成傾向の著しいオレフイン樹脂に対して、炭素数
4以上の1−オレフインを共単量体成分として組
込むことにより、放射線照射及びその後の経時に
おける破断点伸びの保持率を80%以上に保持し得
る。 尚、後述する例で用いる放射線照射後の経時促
進テスト(温度80℃)は、僅かに5日間が通常使
用の1年分に相当するという厳しいものであり、
本発明の組成物がこの促進試験の4週間後におい
ても、僅かの物性の低下しか示さないという事実
は、全く予想外の驚くべき事実と言える。 何となれば、プロピレン系樹脂のように第3級
炭素原子を含む樹脂では、前述した通り分子鎖切
断、即ち減成が優先的に生じると考えられてお
り、炭素数4以上の1−オレフインの共重合体も
同様な傾向を生じると予想されるからである。 発明の好適態様 本発明を、その好適態様について以下に詳細に
説明する。 1−オレフイン共重合体 本発明は、炭素数4以上の1−オレフイン(a)を
鎖中に含むオレフイン共重合体は、イオン化放射
線に対して顕著な耐性を示すという知見に基づく
ものである。 炭素数4以上の1−オレフイン(a)としては、1
−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペン
テン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン
等のC4以上の1−オレフインを挙げることがで
きるが、これらの中でも1−ブテンが特に好適で
ある。 一方、上記(a)以外の1−オレフイン(b)として
は、エチレン、プロピレン等の炭素数が4よりも
小さい1−オレフインの他に、炭素数4以上の1
−オレフインであつても、上記(a)と異なる1−オ
レフイン(>C4)が使用される。例えば1−オ
レフイン(a)が1−ブデンである場合、1−オレフ
イン(b)は1−ベンテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−ヘキセン等の1−ブテン以外のC4以上
の1−オレフインであつてもよい。 1−オレフイン共重合体の例は、これに限定さ
れないが、エチレン−1−ブテン共重合体、エチ
レン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチ
レン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−
ブテン共重合体、プロピレン−4−メチル−1−
ペンテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共
重合体、プロピレン−1−デセン共重合体、プロ
ピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、4−メ
チル−1−ペンテン−1−オクテン共重合体、4
−メチル−1−ペンテン−1−デセン共重合体等
である。勿論、これらの共重合体は、ランダム共
重合体、ブロツク共重合体、或いはこれらの組合
せから成る共重合体であつてもよい。 本発明の目的に特に好適な共重合体は、炭素数
4以上の1−オレフインを、一般に5モル%以
上、特に10乃至98モル%の量で含有する。この炭
素数4以上の1−オレフイン共重合体の含有量が
上記範囲よりも少ない場合には、樹脂成形体を放
射線殺菌操作に付し、それを経時させたときに破
断時伸びの著しい低下等の物性低下が顕著とな
る。特に好適な共重合体は、1−ブテンを10乃至
90モル%の量で含有し、残余がプロピレン又はプ
ロピレンとエチレンとの組合せから成る共重合体
である。 用いる共重合体は、メルト・フロー・レート
(MFR、ASTMD−1238、230℃、2.16Kg)が通
常0.5〜100g/10mm、特に3〜25g/10mmの範囲
にあるのがよい。 組成物 本発明においては、前述した1−オレフイン共
重合体を単独で使用し得る他に、この1−オレフ
イン共重合体(c)を他のポリオレフイン(d)との組成
物の形で用いることもできる。このような他のポ
リオレフイン(d)としては、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−1−ペンテ
ン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリ−1
−ヘキセン、ポリ−1−オクテン、ポリ−1−デ
セン等の単独重合体や、前記1−オレフイン共重
合体(c)以外のオレフイン共重合体、例えばエチレ
ン−プロピレン共重合体或いは前に例示した1−
オレフイン共重合体の内、1−オレフイン共重合
体(c)と組成の異なるものを挙げることができる。 ポリオレフイン(d)としては、MFR(230℃)が
通常0.5〜100g/10mm、特に3〜50g/10mmの範
囲内にあるものがよく、特にX線回折法による結
晶化度が40%以上、特に50%以上の高結晶質ポリ
オレフインが望ましい。 特に、本発明は、減成傾向の著しいプロピレン
系樹脂に対して、放射線照射或いはその後の経時
における物性低下を顕著に抑制し得ることが最も
大きな特徴である。かかる見地から、前述したポ
リオレフインの中でも、プロピレンの単独重合
体、プロピレンとエチレンとのランダム共重合体
(プロピレン単位含有量98〜45モル%)が特に好
適である。 組成物中における共重合体(c)と他のポリオレフ
イン(d)との量比はかなり大巾に変化させることが
でき、一般に c:d=10:90乃至80:20 特に30:70乃至60:40 の重量比で用いるのがよい。また、耐放射線性
の点からは、全組成当り、C4以上の1−オレフ
イン単位が5乃至80モル%、特に10乃至70モル%
の量で存在することが望ましい。 医療用物品 本発明に用いる共重合体或いは共重合体含有組
成物には、その用途に応じて、酸化安定剤、熱安
定剤、耐候安定剤、耐光線安定剤、帯電防止剤、
加工助剤、各種無機充填剤、顔料、カーボンブラ
ツク等を含有し得る。 本発明の成形体には、酸化及び熱安定剤として
トコフエロール(ビタミンE)を配合することが
好ましい。テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシフエニル)プロピオニ
ルオキシメチル〕メタン(商品名イルガノツクス
1010)、1,1,3−トリス〔3−(3,5−ジ−
tert−ブチル−4−ヒドロキシフエニル)プロピ
オニルオキシメチル〕プロパン(商品名イルガノ
ツクス1076)等の立体障害型フエノール核を多数
含有する安定剤も勿論使用可能である。 配合は原料が粉体又は粒状物の状態であれば、
ヘンシエルミキサー、バンバリーミキサ、V型ブ
レンダー、ペレツトミル等を用いて行なうことが
できるが、両者を押出機等の中で融解混練するこ
とによつても、両者を共通な溶媒の溶液として混
合することによつても、行ない得る。 本発明の医療用物品としては、これに限定され
ないが、注射器、点滴用容器或いはパイプ類、試
険管、シヤーレ、或いはその他の器具類を挙げる
ことができる。その成形は、前述した樹脂類を、
射出成形して行われる。 これらの物品の殺菌乃至消毒操作は、コバルト
60、セシウム137等のアイソトープからのγ−線
や、ヴアン・デ・グラーフ型加速器或いはエレク
トロカーテン等の加速器からの電子線を用いて行
うことができ、その照射線量は、1乃至10メガラ
ツド、特に1.5乃至5メガラツドの範囲内で変化
させ得る。 医療物品の殺菌操作は、紙或いは樹脂フイルム
等の袋状容器に充填した状態で行うこともでき
る。 実施例 本発明を次の例で説明する。 実施例 1 プロピレン88モル%及び1−ブテン12モル%の
組成を有し且つ下記特性 MFR(ASTM D−1238) 13.0g/10mm) 密 度(ASTM D−1505) 0.896g/cm3 融 点(ASTM D−2117) 145℃ ビカツト軟化点(ASTM D1525) 113℃ 脆化温度(ASTM D746) 0℃ 硬度(シヨアD)(ASTM D1706) 62 を有する共重合体に、安定剤としてテトラキス
〔メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒ
ドロキシフエニル)プロピオニルオキシ〕メタン
0.3部、及びジラウリルチオジブロピオネート0.3
を配合し、押出機中230℃で窒素雰囲気下に融解
混練し、ペレツトに成形した。 このペレツトを射出成形機のホツパーに供給
し、温度230℃、背圧100Kg/cm2で可塑化した後、
型締力150トン、射出圧力800Kg/cm2で金型内に射
出して、容積5mlの外筒と押子とから成る注射器
を製造した。 これと別に、物性測定のため、上記ペレツトを
プレス型内に置き、200℃に加熱しながら、圧力
100Kg/cm2で加圧し、厚さ1mmのプレスシートを
成形した。このプレスシートから、JIS3号に規定
のダンベルを押抜き試料とした。 この成形品の機械的性質は次の通りであつた。 破断点応力(ASTM D638) 230Kg/cm2 破断点好抗張力( 〃 )
390Kg/cm2 破断点伸び( 〃 ) 940% 初期弾性率( 〃 ) 7800Kg/cm2 前記注射器及びダンペルをポリエチレン製袋内
に充填し、ヒートシールにより密封したものを、
コバルト−60線源からのγ−線で、照射線量が
2.5メガ・ラツド(M rad)となるように照射し
た。 照射後の試料を、80℃のエア・オーブンに入
れ、促進老化試験に付した。得られた結果を下記
第1表に示す。
るもので、より詳細には特定のオレフイン共重合
体或いはそれを含有するオレフイン樹脂組成物の
成形品から成り、殺菌用放射線照射及びその後の
経時において物性低下が顕著に抑制された医療用
射出成形物品に関する。 従来の技術及び発明の技術的課題 最近、ガラス製の医療用器具、例えば注射筒、
点滴用容器等に代つて樹脂製のものが普及しはじ
めている。ところが、これらの医療用器具におい
て特に重要な消毒については未だ種々の問題が残
されている。従来、滅菌に主として使用されてい
るエチレンオキサイドについては、その安全性に
ついて疑問が投げかけられており、これに代えて
γ線或いは電子線照射による滅菌が採用され始め
ている。しかしながら、樹脂製の器具類に放射線
を照射すると、分子鎖の切断や架橋等を生じると
共に、分子鎖中に捕捉されたラジカルやペルオキ
シド(空気中)基が生成し、照射時或いはその後
の経時で著しい物性低下を生じる。 例えば、医療用器具として広く使用されている
塩化ビニル樹脂製のものでは、分子鎖の切断が優
先的に生じ、樹脂の物性が大巾に低下し、使用困
難に陥れ易い。また、オレフイン系樹脂では、照
射終了後に物性低下の比較的少ないものでも、そ
の後の経時で、引張り破断点伸び等の物性の著し
い低下を生ずることが認められる。これを防止す
るために、安定剤の配合等が検討されているが、
未だ満足されるものは見出されるに至つていな
い。 発明の骨子 本発明者はγ線等の放射線照射により、物性低
下及び変色等を生じ難く、樹脂自体も最も不活性
−安全−なものを探索した結果、4個以上の炭素
原子を含有する1−オレフインと他の1−オレフ
インとの結晶質共重合体が放射線に対して極めて
優れた耐久性を備えていることを見出し、本発明
に到達した。 発明の目的 本発明の目的は、放射線照射による消毒処理に
付された場合は勿論のこと、その後の長期にわた
る経時に付された場合にも、物性低下の著しく少
ないオレフイン樹脂成形体から成る医療用物品を
提供するにある。 発明の構成 本発明によれば、炭素数4以上の1−オレフイ
ン(a)と前記1−オレフイン(a)と異なる1−オレフ
イン(b)との共重合体の成形体から成ることを特徴
とする殺菌用放射線照射において物性低下が抑制
された医療用射出成形物品が提供される。 本発明によればまた、炭素数4以上の1−オレ
フイン(a)と前記(a)とは異なる1−オレフイン(b)と
の共重合体(c)、及び他のポリオレフイン(b)を含有
する組成物の成形体から成ることを特徴とする殺
菌用放射線照射において物性低下が抑制された医
療用射出成形物品が提供される。 発明の作用効果 一般に高分子物質に、γ−線等のイオン化放射
線を照射すると、1次電子の生成過程を経て、重
合体鎖中にラジカルを生成し、酸素雰囲気中では
このラジカルが酸素と結合してパーオキサイドラ
ジカルを生じる。この重合体鎖ラジカルの生成を
経て、分子鎖の切断による減成を生じ、或いは重
合体鎖ラジカルが再結合して分子鎖の架橋を生じ
る。 オレフイン樹脂において、達成傾向の顕著な樹
脂はポリプロピレンであり、一方架橋傾向の顕著
な樹脂はポリエチレンであり、その理由としては
プロピレン系樹脂の場合には、第三級炭素原子上
に水素原子の引抜きによるラジカルが生成しやす
く、このラジカルは立体障害効果により再結合し
にくいためと言われている。 捕捉ラジカル(パーオキサイドラジカル)によ
る分子鎖切断、即ち減成傾向は、放射線照射中は
勿論のこと、その後の経時においても顕著であ
り、例えばプロピレン系樹脂の場合、破断点伸び
残率は、照射終了後の値を100とすれば、その後
の経時で数%以下に低下する。 これに対して、本発明によれば、このような減
成傾向の著しいオレフイン樹脂に対して、炭素数
4以上の1−オレフインを共単量体成分として組
込むことにより、放射線照射及びその後の経時に
おける破断点伸びの保持率を80%以上に保持し得
る。 尚、後述する例で用いる放射線照射後の経時促
進テスト(温度80℃)は、僅かに5日間が通常使
用の1年分に相当するという厳しいものであり、
本発明の組成物がこの促進試験の4週間後におい
ても、僅かの物性の低下しか示さないという事実
は、全く予想外の驚くべき事実と言える。 何となれば、プロピレン系樹脂のように第3級
炭素原子を含む樹脂では、前述した通り分子鎖切
断、即ち減成が優先的に生じると考えられてお
り、炭素数4以上の1−オレフインの共重合体も
同様な傾向を生じると予想されるからである。 発明の好適態様 本発明を、その好適態様について以下に詳細に
説明する。 1−オレフイン共重合体 本発明は、炭素数4以上の1−オレフイン(a)を
鎖中に含むオレフイン共重合体は、イオン化放射
線に対して顕著な耐性を示すという知見に基づく
ものである。 炭素数4以上の1−オレフイン(a)としては、1
−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペン
テン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン
等のC4以上の1−オレフインを挙げることがで
きるが、これらの中でも1−ブテンが特に好適で
ある。 一方、上記(a)以外の1−オレフイン(b)として
は、エチレン、プロピレン等の炭素数が4よりも
小さい1−オレフインの他に、炭素数4以上の1
−オレフインであつても、上記(a)と異なる1−オ
レフイン(>C4)が使用される。例えば1−オ
レフイン(a)が1−ブデンである場合、1−オレフ
イン(b)は1−ベンテン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−ヘキセン等の1−ブテン以外のC4以上
の1−オレフインであつてもよい。 1−オレフイン共重合体の例は、これに限定さ
れないが、エチレン−1−ブテン共重合体、エチ
レン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチ
レン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−
ブテン共重合体、プロピレン−4−メチル−1−
ペンテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共
重合体、プロピレン−1−デセン共重合体、プロ
ピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、4−メ
チル−1−ペンテン−1−オクテン共重合体、4
−メチル−1−ペンテン−1−デセン共重合体等
である。勿論、これらの共重合体は、ランダム共
重合体、ブロツク共重合体、或いはこれらの組合
せから成る共重合体であつてもよい。 本発明の目的に特に好適な共重合体は、炭素数
4以上の1−オレフインを、一般に5モル%以
上、特に10乃至98モル%の量で含有する。この炭
素数4以上の1−オレフイン共重合体の含有量が
上記範囲よりも少ない場合には、樹脂成形体を放
射線殺菌操作に付し、それを経時させたときに破
断時伸びの著しい低下等の物性低下が顕著とな
る。特に好適な共重合体は、1−ブテンを10乃至
90モル%の量で含有し、残余がプロピレン又はプ
ロピレンとエチレンとの組合せから成る共重合体
である。 用いる共重合体は、メルト・フロー・レート
(MFR、ASTMD−1238、230℃、2.16Kg)が通
常0.5〜100g/10mm、特に3〜25g/10mmの範囲
にあるのがよい。 組成物 本発明においては、前述した1−オレフイン共
重合体を単独で使用し得る他に、この1−オレフ
イン共重合体(c)を他のポリオレフイン(d)との組成
物の形で用いることもできる。このような他のポ
リオレフイン(d)としては、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−1−ペンテ
ン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリ−1
−ヘキセン、ポリ−1−オクテン、ポリ−1−デ
セン等の単独重合体や、前記1−オレフイン共重
合体(c)以外のオレフイン共重合体、例えばエチレ
ン−プロピレン共重合体或いは前に例示した1−
オレフイン共重合体の内、1−オレフイン共重合
体(c)と組成の異なるものを挙げることができる。 ポリオレフイン(d)としては、MFR(230℃)が
通常0.5〜100g/10mm、特に3〜50g/10mmの範
囲内にあるものがよく、特にX線回折法による結
晶化度が40%以上、特に50%以上の高結晶質ポリ
オレフインが望ましい。 特に、本発明は、減成傾向の著しいプロピレン
系樹脂に対して、放射線照射或いはその後の経時
における物性低下を顕著に抑制し得ることが最も
大きな特徴である。かかる見地から、前述したポ
リオレフインの中でも、プロピレンの単独重合
体、プロピレンとエチレンとのランダム共重合体
(プロピレン単位含有量98〜45モル%)が特に好
適である。 組成物中における共重合体(c)と他のポリオレフ
イン(d)との量比はかなり大巾に変化させることが
でき、一般に c:d=10:90乃至80:20 特に30:70乃至60:40 の重量比で用いるのがよい。また、耐放射線性
の点からは、全組成当り、C4以上の1−オレフ
イン単位が5乃至80モル%、特に10乃至70モル%
の量で存在することが望ましい。 医療用物品 本発明に用いる共重合体或いは共重合体含有組
成物には、その用途に応じて、酸化安定剤、熱安
定剤、耐候安定剤、耐光線安定剤、帯電防止剤、
加工助剤、各種無機充填剤、顔料、カーボンブラ
ツク等を含有し得る。 本発明の成形体には、酸化及び熱安定剤として
トコフエロール(ビタミンE)を配合することが
好ましい。テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert
−ブチル−4−ヒドロキシフエニル)プロピオニ
ルオキシメチル〕メタン(商品名イルガノツクス
1010)、1,1,3−トリス〔3−(3,5−ジ−
tert−ブチル−4−ヒドロキシフエニル)プロピ
オニルオキシメチル〕プロパン(商品名イルガノ
ツクス1076)等の立体障害型フエノール核を多数
含有する安定剤も勿論使用可能である。 配合は原料が粉体又は粒状物の状態であれば、
ヘンシエルミキサー、バンバリーミキサ、V型ブ
レンダー、ペレツトミル等を用いて行なうことが
できるが、両者を押出機等の中で融解混練するこ
とによつても、両者を共通な溶媒の溶液として混
合することによつても、行ない得る。 本発明の医療用物品としては、これに限定され
ないが、注射器、点滴用容器或いはパイプ類、試
険管、シヤーレ、或いはその他の器具類を挙げる
ことができる。その成形は、前述した樹脂類を、
射出成形して行われる。 これらの物品の殺菌乃至消毒操作は、コバルト
60、セシウム137等のアイソトープからのγ−線
や、ヴアン・デ・グラーフ型加速器或いはエレク
トロカーテン等の加速器からの電子線を用いて行
うことができ、その照射線量は、1乃至10メガラ
ツド、特に1.5乃至5メガラツドの範囲内で変化
させ得る。 医療物品の殺菌操作は、紙或いは樹脂フイルム
等の袋状容器に充填した状態で行うこともでき
る。 実施例 本発明を次の例で説明する。 実施例 1 プロピレン88モル%及び1−ブテン12モル%の
組成を有し且つ下記特性 MFR(ASTM D−1238) 13.0g/10mm) 密 度(ASTM D−1505) 0.896g/cm3 融 点(ASTM D−2117) 145℃ ビカツト軟化点(ASTM D1525) 113℃ 脆化温度(ASTM D746) 0℃ 硬度(シヨアD)(ASTM D1706) 62 を有する共重合体に、安定剤としてテトラキス
〔メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒ
ドロキシフエニル)プロピオニルオキシ〕メタン
0.3部、及びジラウリルチオジブロピオネート0.3
を配合し、押出機中230℃で窒素雰囲気下に融解
混練し、ペレツトに成形した。 このペレツトを射出成形機のホツパーに供給
し、温度230℃、背圧100Kg/cm2で可塑化した後、
型締力150トン、射出圧力800Kg/cm2で金型内に射
出して、容積5mlの外筒と押子とから成る注射器
を製造した。 これと別に、物性測定のため、上記ペレツトを
プレス型内に置き、200℃に加熱しながら、圧力
100Kg/cm2で加圧し、厚さ1mmのプレスシートを
成形した。このプレスシートから、JIS3号に規定
のダンベルを押抜き試料とした。 この成形品の機械的性質は次の通りであつた。 破断点応力(ASTM D638) 230Kg/cm2 破断点好抗張力( 〃 )
390Kg/cm2 破断点伸び( 〃 ) 940% 初期弾性率( 〃 ) 7800Kg/cm2 前記注射器及びダンペルをポリエチレン製袋内
に充填し、ヒートシールにより密封したものを、
コバルト−60線源からのγ−線で、照射線量が
2.5メガ・ラツド(M rad)となるように照射し
た。 照射後の試料を、80℃のエア・オーブンに入
れ、促進老化試験に付した。得られた結果を下記
第1表に示す。
【表】
上記第1表の結果によると、本発明による医療
器具では、放射線照射後は勿論のこと、その後の
著しい長期にわたる経時においても、機械的特性
の低下が殆んどないという事実が明白となつた。 また、注射器の変色も強度低下も殆んど認めら
れなかつた。 比較例 1 比較のため、メルト・フロー・レートが10g/
10mmの市販のホモポリプロピレンから試料を作成
し、実施例1と同様の放射線照射及び促進老化試
験に付した。 経過日数と、照射後降伏点伸び残率(%)との
関係を、実施例1の値と対応させて、下記第2表
に示す。
器具では、放射線照射後は勿論のこと、その後の
著しい長期にわたる経時においても、機械的特性
の低下が殆んどないという事実が明白となつた。 また、注射器の変色も強度低下も殆んど認めら
れなかつた。 比較例 1 比較のため、メルト・フロー・レートが10g/
10mmの市販のホモポリプロピレンから試料を作成
し、実施例1と同様の放射線照射及び促進老化試
験に付した。 経過日数と、照射後降伏点伸び残率(%)との
関係を、実施例1の値と対応させて、下記第2表
に示す。
【表】
実施例2及び比較例2
実施例1で用いた共重合体75重量部と、プロピ
レン/エチレンのモル比が98:2で、MFRが85
g/10mmのプロピレン・エチレンランダム共重合
体25重量部とを混練し、実施例1と同様の安定剤
を配合して、ペレツトを製造した。 このペレツトから、実施例1と同様に、注射器
及び強度測定用ダンベルを作成し、実施例1と同
様の放射線照射試験及び促進老化試験に付した。 比較のため、前述したプロピレン−エチレン・
ランダム共重合体のみに実施例1と同様の安定剤
を配合し、ペレツトを製造した。このペレツトか
ら、実施例1と同様に注射器及び強度測定用ダン
ベルを作成し、実施例1と同様の放射線照射試験
及び促進老化試験に付し、経過日数と照射後降伏
点伸び残率(%)との関係を求めた。 得られた結果を下記第3表に示す。
レン/エチレンのモル比が98:2で、MFRが85
g/10mmのプロピレン・エチレンランダム共重合
体25重量部とを混練し、実施例1と同様の安定剤
を配合して、ペレツトを製造した。 このペレツトから、実施例1と同様に、注射器
及び強度測定用ダンベルを作成し、実施例1と同
様の放射線照射試験及び促進老化試験に付した。 比較のため、前述したプロピレン−エチレン・
ランダム共重合体のみに実施例1と同様の安定剤
を配合し、ペレツトを製造した。このペレツトか
ら、実施例1と同様に注射器及び強度測定用ダン
ベルを作成し、実施例1と同様の放射線照射試験
及び促進老化試験に付し、経過日数と照射後降伏
点伸び残率(%)との関係を求めた。 得られた結果を下記第3表に示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 炭素数4以上の1−オレフイン(a)と前記1−
オレフイン(a)と異なる1−オレフイン(b)との共重
合体の成形体から成ることを特徴とする殺菌用放
射線照射において物性低下が抑制された医療用射
出成形物品。 2 炭素数4以上の1−オレフイン(a)と前記(a)と
は異なる1−オレフイン(b)との共重合体(c)、及び
他のポリオレフイン(d)を含有する組成物の成形体
から成ることを特徴とする殺菌用放射線照射にお
いて物性低下が抑制された医療用射出成形物品。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59274303A JPS61154563A (ja) | 1984-12-28 | 1984-12-28 | 放射線殺菌可能な医療用物品 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59274303A JPS61154563A (ja) | 1984-12-28 | 1984-12-28 | 放射線殺菌可能な医療用物品 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61154563A JPS61154563A (ja) | 1986-07-14 |
| JPH0576312B2 true JPH0576312B2 (ja) | 1993-10-22 |
Family
ID=17539761
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP59274303A Granted JPS61154563A (ja) | 1984-12-28 | 1984-12-28 | 放射線殺菌可能な医療用物品 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61154563A (ja) |
-
1984
- 1984-12-28 JP JP59274303A patent/JPS61154563A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61154563A (ja) | 1986-07-14 |
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|---|---|---|---|
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