JPH0579812A - 走査型トンネル顕微鏡の微動機構 - Google Patents
走査型トンネル顕微鏡の微動機構Info
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- JPH0579812A JPH0579812A JP23971391A JP23971391A JPH0579812A JP H0579812 A JPH0579812 A JP H0579812A JP 23971391 A JP23971391 A JP 23971391A JP 23971391 A JP23971391 A JP 23971391A JP H0579812 A JPH0579812 A JP H0579812A
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- Japan
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- probe
- actuator
- axial direction
- fine movement
- movement mechanism
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- Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 STMの微動機構探針で、探針をその軸方向
に前進又は後退させるアクチュエータが伸長して探針が
軸方向(Z方向)に動いても、X及びYの各方向に探針
の変位が生じない構造とする。 【構成】 探針を試料の表面に沿ってスキャン動作させ
る2つのアクチュエータと、前記探針をその軸方向に微
動させるアクチュエータとを備え、3つの前記アクチュ
エータが相互に直交するトライポッド形式を有するもの
であって、探針と試料との距離を調整するため探針を軸
方向に微動させるアクチュエータを、このアクチュエー
タの伸縮方向の軸線が、スキャン動作のための2つのア
クチュエータのそれぞれの伸縮方向の中間点を結ぶ線分
の中点を通るように、配置する。また、所定条件を満た
すように、探針を軸方向に微動させるアクチュエータの
配置位置を、スキャン用のアクチュエータに対してずら
すだけでもよい。
に前進又は後退させるアクチュエータが伸長して探針が
軸方向(Z方向)に動いても、X及びYの各方向に探針
の変位が生じない構造とする。 【構成】 探針を試料の表面に沿ってスキャン動作させ
る2つのアクチュエータと、前記探針をその軸方向に微
動させるアクチュエータとを備え、3つの前記アクチュ
エータが相互に直交するトライポッド形式を有するもの
であって、探針と試料との距離を調整するため探針を軸
方向に微動させるアクチュエータを、このアクチュエー
タの伸縮方向の軸線が、スキャン動作のための2つのア
クチュエータのそれぞれの伸縮方向の中間点を結ぶ線分
の中点を通るように、配置する。また、所定条件を満た
すように、探針を軸方向に微動させるアクチュエータの
配置位置を、スキャン用のアクチュエータに対してずら
すだけでもよい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は走査型トンネル顕微鏡の
微動機構に係り、特に探針の軸方向の微動において精度
の高い移動を行うことができる走査型トンネル顕微鏡の
微動機構に関する。
微動機構に係り、特に探針の軸方向の微動において精度
の高い移動を行うことができる走査型トンネル顕微鏡の
微動機構に関する。
【0002】
【従来の技術】走査型トンネル顕微鏡(以下、STMと
記す)は、例えば試料表面の原子レベルの凹凸を測定す
るために利用される。STMの探針が試料の表面を測定
する場合には、探針と試料との間に流れるトンネル電流
を利用する。2つの物質の間に生じるトンネル現象を利
用してトンネル電流を流すため、探針は、試料表面に極
めて小さい距離(原子レベルの距離)で接近するよう
に、その位置を変化される。試料表面の凹凸に応じて、
試料の表面と探針との距離を調整するために、探針の微
動機構は、探針を軸方向に移動させる微動用圧電素子を
備える。また探針にトンネル電流が流れる状態におい
て、探針が試料の表面を測定するために、スキャン動作
を行う。このスキャン動作は、試料表面に平行なX−Y
平面内にて行われ、その動作のための圧電素子を備え
る。
記す)は、例えば試料表面の原子レベルの凹凸を測定す
るために利用される。STMの探針が試料の表面を測定
する場合には、探針と試料との間に流れるトンネル電流
を利用する。2つの物質の間に生じるトンネル現象を利
用してトンネル電流を流すため、探針は、試料表面に極
めて小さい距離(原子レベルの距離)で接近するよう
に、その位置を変化される。試料表面の凹凸に応じて、
試料の表面と探針との距離を調整するために、探針の微
動機構は、探針を軸方向に移動させる微動用圧電素子を
備える。また探針にトンネル電流が流れる状態におい
て、探針が試料の表面を測定するために、スキャン動作
を行う。このスキャン動作は、試料表面に平行なX−Y
平面内にて行われ、その動作のための圧電素子を備え
る。
【0003】STMの探針の微動機構には、文献「精密
位置決め技術」井沢 実,工業調査会(1989),250頁
の表1,2に記載されるように、各種のものが存在す
る。その中でも、トライポッド形式は広くSTMにおい
て使用されている。その一例を図6に示す。
位置決め技術」井沢 実,工業調査会(1989),250頁
の表1,2に記載されるように、各種のものが存在す
る。その中でも、トライポッド形式は広くSTMにおい
て使用されている。その一例を図6に示す。
【0004】図6において、1は固定用の基部部材であ
る。基部部材1は図示されない固着手段によりSTMの
粗動機構等の本体に取付けられる。2A,2B,2Cは
棒状の形状を有する圧電素子である。基部部材1の手前
側に位置する2本の圧電素子2A,2Bは探針をスキャ
ン動作させるためのアクチュエータである。圧電素子2
A,2Bは、各々の軸方向が直交している。基部部材1
の後側位置に配設された圧電素子2Cは、探針と試料の
位置関係を調整するため、探針の軸方向に微動(前進・
後退)させるためのアクチュエータである。上記の各圧
電素子は、所要の伸縮量が生じるように積層構造で形成
されている。前記の基部部材1の形態は全体的にほぼL
字型を有し、前縁に圧電素子2A,2Bのそれぞれの一
端を支持固定する片部1a,1bが形成され、後縁に圧
電素子2Cの一端を支持固定する立設された片部1cが
形成されている。
る。基部部材1は図示されない固着手段によりSTMの
粗動機構等の本体に取付けられる。2A,2B,2Cは
棒状の形状を有する圧電素子である。基部部材1の手前
側に位置する2本の圧電素子2A,2Bは探針をスキャ
ン動作させるためのアクチュエータである。圧電素子2
A,2Bは、各々の軸方向が直交している。基部部材1
の後側位置に配設された圧電素子2Cは、探針と試料の
位置関係を調整するため、探針の軸方向に微動(前進・
後退)させるためのアクチュエータである。上記の各圧
電素子は、所要の伸縮量が生じるように積層構造で形成
されている。前記の基部部材1の形態は全体的にほぼL
字型を有し、前縁に圧電素子2A,2Bのそれぞれの一
端を支持固定する片部1a,1bが形成され、後縁に圧
電素子2Cの一端を支持固定する立設された片部1cが
形成されている。
【0005】基部部材1における圧電素子2A,2B,
2Cの配置状態では、圧電素子2A,2Bは互いに直交
する位置関係に配置され、圧電素子2Cの軸方向は探針
の軸方向と同じ方向であり、且つ圧電素子2Cは圧電素
子2A,2Bのそれぞれに直交している。また図6中に
おいて、3A〜3Cは圧電素子2A〜2Cのそれぞれに
駆動電圧を給電する電源ラインである。
2Cの配置状態では、圧電素子2A,2Bは互いに直交
する位置関係に配置され、圧電素子2Cの軸方向は探針
の軸方向と同じ方向であり、且つ圧電素子2Cは圧電素
子2A,2Bのそれぞれに直交している。また図6中に
おいて、3A〜3Cは圧電素子2A〜2Cのそれぞれに
駆動電圧を給電する電源ラインである。
【0006】4は探針であり、この探針4はその先端が
図6中において手前方向に向くように配置される。探針
4は探針取付け部5にネジ6で固定される。探針取付け
部5は導電体部材で形成される。探針取付け部5に接続
されたライン7は、探針4にトンネル電流を流すための
印加電圧を与える電源ラインである。トンネル電流は探
針4と測定対象である試料の測定面の距離が原子レベル
の距離になったときに探針4に流れる。STMの構成と
しては、その他に電気系統として、前記印加電圧を発生
する回路部、探針4に流れるトンネル電流を検出する検
出回路、流れたトンネル電流を一定とするために、試料
測定面に対する探針4の距離を一定に制御する探針位置
制御回路部、探針をスキャン動作させる走査部、探針の
位置変化に関するデータを収集し、データ処理する演算
部等の構成要素を有しているが、それらの図示は省略さ
れる。
図6中において手前方向に向くように配置される。探針
4は探針取付け部5にネジ6で固定される。探針取付け
部5は導電体部材で形成される。探針取付け部5に接続
されたライン7は、探針4にトンネル電流を流すための
印加電圧を与える電源ラインである。トンネル電流は探
針4と測定対象である試料の測定面の距離が原子レベル
の距離になったときに探針4に流れる。STMの構成と
しては、その他に電気系統として、前記印加電圧を発生
する回路部、探針4に流れるトンネル電流を検出する検
出回路、流れたトンネル電流を一定とするために、試料
測定面に対する探針4の距離を一定に制御する探針位置
制御回路部、探針をスキャン動作させる走査部、探針の
位置変化に関するデータを収集し、データ処理する演算
部等の構成要素を有しているが、それらの図示は省略さ
れる。
【0007】8は探針取付け部5を取付け、支持する絶
縁体で、同時に前記圧電素子2A〜2Cのそれぞれの他
端を固着している。探針取付け部5は接着剤によって絶
縁体8に固定される。絶縁体8の機能は、トンネル電流
が流れる探針取付け部5と、駆動電圧の印加を受けて伸
縮する圧電素子2A〜2Cとの間を電気的に遮断するこ
とにある。
縁体で、同時に前記圧電素子2A〜2Cのそれぞれの他
端を固着している。探針取付け部5は接着剤によって絶
縁体8に固定される。絶縁体8の機能は、トンネル電流
が流れる探針取付け部5と、駆動電圧の印加を受けて伸
縮する圧電素子2A〜2Cとの間を電気的に遮断するこ
とにある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図6に示されたトライ
ポッド形式の微動機構の問題を、図7〜図10を参照し
て説明する。圧電素子2A,2B,2Cの伸縮方向に基
づき、図6中に示す如くX,Y,Zの各方向を定義す
る。この位置関係において、圧電素子2Cを伸縮して探
針4をZ方向に移動させると、探針4はX,Y方向にも
動くという問題がある。
ポッド形式の微動機構の問題を、図7〜図10を参照し
て説明する。圧電素子2A,2B,2Cの伸縮方向に基
づき、図6中に示す如くX,Y,Zの各方向を定義す
る。この位置関係において、圧電素子2Cを伸縮して探
針4をZ方向に移動させると、探針4はX,Y方向にも
動くという問題がある。
【0009】図7及び図8は、圧電素子2Cを伸長させ
た場合において、変形前と変形後の探針4の側方から見
た状態を示している。圧電素子2Cが伸長する前には、
探針4の軸方向はZ方向に対し平行に向いていると仮定
する。この状態であれば、探針4と試料表面との間の距
離を正確に知ることができる。次に圧電素子2Cが、Z
方向に所定量伸長する。しかし、この場合、探針取付け
部5を支持する絶縁体8は、圧電素子2Cの伸長で左方
に移動しようとするが、その下部を、他の2つのスキャ
ン用圧電素子2A,2Bで支持されているため、圧電素
子2Cの伸びにより圧電素子2A,2Bは曲げの変形を
生じる。その結果、絶縁体8を含むヘッド部が、図8に
示す如く、θだけ傾くように姿勢の変化が生じる。その
結果、探針4の先端は、Z方向にΔZだけ変位すると同
時に、図8中に上下方向にΔhだけ変位する。図8にお
いて、P1は変形前の探針4の先端の位置である。
た場合において、変形前と変形後の探針4の側方から見
た状態を示している。圧電素子2Cが伸長する前には、
探針4の軸方向はZ方向に対し平行に向いていると仮定
する。この状態であれば、探針4と試料表面との間の距
離を正確に知ることができる。次に圧電素子2Cが、Z
方向に所定量伸長する。しかし、この場合、探針取付け
部5を支持する絶縁体8は、圧電素子2Cの伸長で左方
に移動しようとするが、その下部を、他の2つのスキャ
ン用圧電素子2A,2Bで支持されているため、圧電素
子2Cの伸びにより圧電素子2A,2Bは曲げの変形を
生じる。その結果、絶縁体8を含むヘッド部が、図8に
示す如く、θだけ傾くように姿勢の変化が生じる。その
結果、探針4の先端は、Z方向にΔZだけ変位すると同
時に、図8中に上下方向にΔhだけ変位する。図8にお
いて、P1は変形前の探針4の先端の位置である。
【0010】上記の例の場合、圧電素子2A,2Bは紙
面に対し45度傾斜しているので、X方向及びY方向の
変位は、Δh/(21/2 )となる。
面に対し45度傾斜しているので、X方向及びY方向の
変位は、Δh/(21/2 )となる。
【0011】図9及び図10のモデルを用いて、傾きθ
の計算を簡単に行う。図9では、図7及び図8に示した
圧電素子2A,2Bを、長さがLの一本の梁9としてモ
デル化している。この梁の断面2次モーメントをIとす
る。図8で、圧電素子2Cが伸長して、絶縁体8を介し
てヘッド部を押す力を、図10に示す如くWとする。力
Wは梁9の上端に作用する。梁9の変形は、下端が完全
に拘束され、上端が自由端として設定される。この場
合、梁9の撓みは、計算により、
の計算を簡単に行う。図9では、図7及び図8に示した
圧電素子2A,2Bを、長さがLの一本の梁9としてモ
デル化している。この梁の断面2次モーメントをIとす
る。図8で、圧電素子2Cが伸長して、絶縁体8を介し
てヘッド部を押す力を、図10に示す如くWとする。力
Wは梁9の上端に作用する。梁9の変形は、下端が完全
に拘束され、上端が自由端として設定される。この場
合、梁9の撓みは、計算により、
【0012】
【数1】θ=WL2 /2EI ただし、Eは梁9の縦弾性係数である。 として求められる。
【0013】上記の説明で明らかなように、探針4のZ
方向の動きにより、X方向及びY方向にも探針が動くと
いう問題が提起される。実際に、試料の表面に対して測
定を行う場合、探針4は試料表面の凹凸に応じて、圧電
素子2Cの伸縮作用により常にZ方向に微動する。この
結果、探針4は圧電素子2A,2BによるXYスキャン
動作に関係なく、X方向及びY方向に微小な動きを生じ
ている。このよう、探針のZ方向の動きに伴うX及びY
の各方向の微小な動きは、XY座標値の誤差となり、結
局は、測定されたSTM像の歪み要素となる。
方向の動きにより、X方向及びY方向にも探針が動くと
いう問題が提起される。実際に、試料の表面に対して測
定を行う場合、探針4は試料表面の凹凸に応じて、圧電
素子2Cの伸縮作用により常にZ方向に微動する。この
結果、探針4は圧電素子2A,2BによるXYスキャン
動作に関係なく、X方向及びY方向に微小な動きを生じ
ている。このよう、探針のZ方向の動きに伴うX及びY
の各方向の微小な動きは、XY座標値の誤差となり、結
局は、測定されたSTM像の歪み要素となる。
【0014】本発明の目的は、上記の問題に鑑み、探針
をその軸方向に前進又は後退させるアクチュエータが伸
長して探針がその軸方向(Z方向)に動いても、X及び
Yの各方向に探針の変位が少ない構造を有するSTMの
微動機構を提供することにある。
をその軸方向に前進又は後退させるアクチュエータが伸
長して探針がその軸方向(Z方向)に動いても、X及び
Yの各方向に探針の変位が少ない構造を有するSTMの
微動機構を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係るSTMの微
動機構は、探針を試料の表面に沿ってスキャン動作させ
る2つのアクチュエータと、前記探針をその軸方向に微
動させるアクチュエータとを備え、3つの前記アクチュ
エータが相互に直交するトライポッド形式を有するもの
であって、探針と試料との距離を調整するため探針を軸
方向に微動させる前記アクチュエータを、このアクチュ
エータの伸縮方向の軸線が、スキャン動作のための2つ
のアクチュエータのそれぞれの伸縮方向の中間点を結ぶ
線分の中点を通るように、配置される。
動機構は、探針を試料の表面に沿ってスキャン動作させ
る2つのアクチュエータと、前記探針をその軸方向に微
動させるアクチュエータとを備え、3つの前記アクチュ
エータが相互に直交するトライポッド形式を有するもの
であって、探針と試料との距離を調整するため探針を軸
方向に微動させる前記アクチュエータを、このアクチュ
エータの伸縮方向の軸線が、スキャン動作のための2つ
のアクチュエータのそれぞれの伸縮方向の中間点を結ぶ
線分の中点を通るように、配置される。
【0016】更に本発明に係るSTMの微動機構は、前
記同様な微動機構であって、単に探針と試料との距離を
調整するため探針の軸方向に微動させるアクチュエータ
を、このアクチュエータの伸縮方向の軸線の位置が、ス
キャン動作のための2つのアクチュエータの交点に対し
てずれるように、配置することも可能である。
記同様な微動機構であって、単に探針と試料との距離を
調整するため探針の軸方向に微動させるアクチュエータ
を、このアクチュエータの伸縮方向の軸線の位置が、ス
キャン動作のための2つのアクチュエータの交点に対し
てずれるように、配置することも可能である。
【0017】
【作用】本発明によるSTMの微動機構では、トライポ
ッド形式の微動機構であって、探針を軸方向(Z方向)
に微動させるアクチュエータのと取付け位置を、XYス
キャンを行うために設けられた2つのアクチュエータに
対しそれらの交点位置からずらすことにより、Z方向に
微動するアクチュエータが伸長してXYスキャン用のア
クチュエータを変形させても、探針の変位においてはZ
方向の変位だけが生じるようにする。Z方向の微動を行
うアクチュエータの配置箇所の最も望ましい場所は、理
論的に、Z方向のアクチュエータの軸線の延長線が、X
Yスキャン用の2つのアクチュエータの軸方向の各中点
を結ぶ線分の中点を通るという条件を満足する場所であ
る。この場合には、かかる配置関係を満足するように、
取付け部材の形態について、所要の形態が要求される。
トライポッド形式の構造を有する前記3つのアクチュエ
ータが上記の条件を満足する限り、Z方向のアクチュエ
ータが伸長しても、探針の変位において、X方向又はY
方向の変位は発生しない。
ッド形式の微動機構であって、探針を軸方向(Z方向)
に微動させるアクチュエータのと取付け位置を、XYス
キャンを行うために設けられた2つのアクチュエータに
対しそれらの交点位置からずらすことにより、Z方向に
微動するアクチュエータが伸長してXYスキャン用のア
クチュエータを変形させても、探針の変位においてはZ
方向の変位だけが生じるようにする。Z方向の微動を行
うアクチュエータの配置箇所の最も望ましい場所は、理
論的に、Z方向のアクチュエータの軸線の延長線が、X
Yスキャン用の2つのアクチュエータの軸方向の各中点
を結ぶ線分の中点を通るという条件を満足する場所であ
る。この場合には、かかる配置関係を満足するように、
取付け部材の形態について、所要の形態が要求される。
トライポッド形式の構造を有する前記3つのアクチュエ
ータが上記の条件を満足する限り、Z方向のアクチュエ
ータが伸長しても、探針の変位において、X方向又はY
方向の変位は発生しない。
【0018】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。図1は本発明に係る微動機構の斜視図を示
し、前述の図6と同様な図である。図1において、図6
で説明した要素には同一の符号を付している。ここで、
確認のために再度説明する。1は固定用の基部部材、2
A,2B,2Cは棒状の形状を有する圧電素子である。
2本の圧電素子2A,2Bは探針をXY方向にスキャン
動作させるためのアクチュエータで、圧電素子2Cは、
探針と試料の位置関係を調整するため、探針を軸方向
(Z方向)に微動させるアクチュエータである。基部部
材1の前縁の片部1a,1bに圧電素子2A,2Bのそ
れぞれの一端を支持固定し、後縁の片部1cに圧電素子
2Cの一端を支持固定する。
て説明する。図1は本発明に係る微動機構の斜視図を示
し、前述の図6と同様な図である。図1において、図6
で説明した要素には同一の符号を付している。ここで、
確認のために再度説明する。1は固定用の基部部材、2
A,2B,2Cは棒状の形状を有する圧電素子である。
2本の圧電素子2A,2Bは探針をXY方向にスキャン
動作させるためのアクチュエータで、圧電素子2Cは、
探針と試料の位置関係を調整するため、探針を軸方向
(Z方向)に微動させるアクチュエータである。基部部
材1の前縁の片部1a,1bに圧電素子2A,2Bのそ
れぞれの一端を支持固定し、後縁の片部1cに圧電素子
2Cの一端を支持固定する。
【0019】基部部材1における圧電素子2A,2B,
2Cの配置状態では、圧電素子2A,2Bは互いに直交
する位置関係に配置され、圧電素子2Cの軸方向は探針
の軸方向と同じ方向であり、且つ圧電素子2Cは圧電素
子2A,2Bのそれぞれに直交している。ここで図1中
に示されるように、X,Y,Zの各方向が定義される。
図1中において、3A〜3Cは圧電素子2A〜2Cのそ
れぞれに駆動電圧を給電する電源ラインである。
2Cの配置状態では、圧電素子2A,2Bは互いに直交
する位置関係に配置され、圧電素子2Cの軸方向は探針
の軸方向と同じ方向であり、且つ圧電素子2Cは圧電素
子2A,2Bのそれぞれに直交している。ここで図1中
に示されるように、X,Y,Zの各方向が定義される。
図1中において、3A〜3Cは圧電素子2A〜2Cのそ
れぞれに駆動電圧を給電する電源ラインである。
【0020】4は、探針取付け部5にネジ6で固定され
る探針である。探針取付け部5は導電体部材で形成され
る。探針取付け部5に接続されたライン7は、探針4に
トンネル電流を流すための印加電圧を与える電源ライン
である。8′は探針取付け部5を取付け、支持する絶縁
体で、同時に前記圧電素子2A〜2Cのそれぞれの他端
を固着している。絶縁体8′の機能は、前記絶縁体8と
実質的に同一の機能を有しているが、その形状が、前記
絶縁体8とは異なる特殊の形状を有している。すなわ
ち、絶縁体8′は、探針取付け部5を支持する箇所の後
側部分に、下方に延設された片部8′aが形成される。
る探針である。探針取付け部5は導電体部材で形成され
る。探針取付け部5に接続されたライン7は、探針4に
トンネル電流を流すための印加電圧を与える電源ライン
である。8′は探針取付け部5を取付け、支持する絶縁
体で、同時に前記圧電素子2A〜2Cのそれぞれの他端
を固着している。絶縁体8′の機能は、前記絶縁体8と
実質的に同一の機能を有しているが、その形状が、前記
絶縁体8とは異なる特殊の形状を有している。すなわ
ち、絶縁体8′は、探針取付け部5を支持する箇所の後
側部分に、下方に延設された片部8′aが形成される。
【0021】上記構成を有する微動機構において、圧電
素子2A,2B,2Cの配置関係を図1〜図3に基づき
説明する。XYスキャンのための圧電素子2A,2B
は、それぞれ、X方向及びY方向に向けて配置される。
圧電素子2Cは、探針4の軸方向、すなわちZ方向に平
行に配置される。この場合において、圧電素子2Cは、
その軸方向を延長した軸線10が、圧電素子2A,2B
のそれぞれの軸方向の中間点を結んだ線分の中点P2を
通るような位置に配置される。これを側面図である図2
で見ると、傾斜した姿勢で取り付けられた圧電素子2
A,2Bに対して、図中Lという長さを定義するとき、
圧電素子2Cの取付けの高さ位置はL/2である。従っ
て圧電素子2Cは、基部部材1の片部1cと絶縁体8′
の片部8′aとの間に配設される。なお、図2及び図3
において、説明の便宜上、片部1a,1bの図示を省略
している。
素子2A,2B,2Cの配置関係を図1〜図3に基づき
説明する。XYスキャンのための圧電素子2A,2B
は、それぞれ、X方向及びY方向に向けて配置される。
圧電素子2Cは、探針4の軸方向、すなわちZ方向に平
行に配置される。この場合において、圧電素子2Cは、
その軸方向を延長した軸線10が、圧電素子2A,2B
のそれぞれの軸方向の中間点を結んだ線分の中点P2を
通るような位置に配置される。これを側面図である図2
で見ると、傾斜した姿勢で取り付けられた圧電素子2
A,2Bに対して、図中Lという長さを定義するとき、
圧電素子2Cの取付けの高さ位置はL/2である。従っ
て圧電素子2Cは、基部部材1の片部1cと絶縁体8′
の片部8′aとの間に配設される。なお、図2及び図3
において、説明の便宜上、片部1a,1bの図示を省略
している。
【0022】上記の構造を有する探針4の微動機構の動
作を、図3を参照して説明する。図3は圧電素子2Cが
伸長した場合の変形例を示す。圧電素子2Cが伸長する
と、圧電素子2Aと圧電素子2Bは、図示される圧電素
子2Bで代表的に示されるような変形を起こす。圧電素
子2A,2Bの変形は、探針4及び絶縁体8′等からな
るヘッド部がZ方向に並進移動を行うように、生じる。
ここで、ヘッド部を符号11で示す。このようなヘッド
部11の並進移動は、圧電素子2A,2Bと圧電素子2
Cとの前述した位置関係に基づき発生する。かかるヘッ
ド部11の並進移動によれば、ヘッド部11の傾きθ
は、ほぼ0となる。その結果、探針4の先端の図中上下
方向の変位Δhはほぼ0になる。従って、圧電素子2C
の伸長動作によれば、Z方向に、目標値であるΔZの変
位を生じさせることができる。
作を、図3を参照して説明する。図3は圧電素子2Cが
伸長した場合の変形例を示す。圧電素子2Cが伸長する
と、圧電素子2Aと圧電素子2Bは、図示される圧電素
子2Bで代表的に示されるような変形を起こす。圧電素
子2A,2Bの変形は、探針4及び絶縁体8′等からな
るヘッド部がZ方向に並進移動を行うように、生じる。
ここで、ヘッド部を符号11で示す。このようなヘッド
部11の並進移動は、圧電素子2A,2Bと圧電素子2
Cとの前述した位置関係に基づき発生する。かかるヘッ
ド部11の並進移動によれば、ヘッド部11の傾きθ
は、ほぼ0となる。その結果、探針4の先端の図中上下
方向の変位Δhはほぼ0になる。従って、圧電素子2C
の伸長動作によれば、Z方向に、目標値であるΔZの変
位を生じさせることができる。
【0023】次に、図4及び図5を参照してθがほぼ0
になる理由を説明する。図3において、9は圧電素子2
A,2Bをモデル化した梁であり、長さLとしての設定
されている。また12は、梁9の上端に固定された剛体
部である。剛体部12は、実質的に前記ヘッド部11の
部分を表す。剛体部12の一部は、下方に延設される。
梁9の断面2次モーメントをIとする。梁9の下端は完
全拘束の状態であり、上端は剛体11で完全に拘束され
ている。剛体部12自身は、空間的にフリーな状態にな
っている。図3において、圧電素子2Cの伸長動作によ
りヘッド部がZ方向の左方に押される力を、図5におい
て、側方からの力Wであるとする。力Wは、梁9の下端
を固定した面から高さL/2の位置にて、剛体部12に
作用する。力Wが作用したときの梁9に作用するモーメ
ントMを計算する。ここで、図5において、梁9の上端
を原点として、座標x,yを定義する。
になる理由を説明する。図3において、9は圧電素子2
A,2Bをモデル化した梁であり、長さLとしての設定
されている。また12は、梁9の上端に固定された剛体
部である。剛体部12は、実質的に前記ヘッド部11の
部分を表す。剛体部12の一部は、下方に延設される。
梁9の断面2次モーメントをIとする。梁9の下端は完
全拘束の状態であり、上端は剛体11で完全に拘束され
ている。剛体部12自身は、空間的にフリーな状態にな
っている。図3において、圧電素子2Cの伸長動作によ
りヘッド部がZ方向の左方に押される力を、図5におい
て、側方からの力Wであるとする。力Wは、梁9の下端
を固定した面から高さL/2の位置にて、剛体部12に
作用する。力Wが作用したときの梁9に作用するモーメ
ントMを計算する。ここで、図5において、梁9の上端
を原点として、座標x,yを定義する。
【0024】
【数2】M=−Wx+WL/2
【0025】
【数3】 d2 y/dx2 =−M/EI=W(x−L/2)/EI ただし、Eは梁9の縦弾性係数
【0026】
【数4】 dy/dx=W(x2 /2−Lx/2+C1 )/EI ここで、C1 は定数 ここで、dy/dxは梁9の傾きを表す。境界条件とし
ては、
ては、
【0027】
【数5】(dy/dx)x=L =0 を、数4の式に代入すると、C1 =0になる。この条件
を考慮して、数4の式を書き直すと、
を考慮して、数4の式を書き直すと、
【0028】
【数6】dy/dx=W(x2 /2−Lx/2)/EI が求められる。更に、数6の式にx=0を代入すると、
梁9の上端での傾きが求められる。(dy/dx)x=0
を求めると、0となるので、これによって、図5に示さ
れる力Wによる変形において、剛体部12には傾きが生
じないことがわかる。
梁9の上端での傾きが求められる。(dy/dx)x=0
を求めると、0となるので、これによって、図5に示さ
れる力Wによる変形において、剛体部12には傾きが生
じないことがわかる。
【0029】以上の議論で明らかなように、図3におい
て、圧電素子2Cが伸長しても、ヘッド部には傾きが生
ぜず(θ=0)、よって探針4の先端の位置はX方向及
びY方向には変位しない(Δh=0)ということがわか
る。
て、圧電素子2Cが伸長しても、ヘッド部には傾きが生
ぜず(θ=0)、よって探針4の先端の位置はX方向及
びY方向には変位しない(Δh=0)ということがわか
る。
【0030】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明によ
れば、トライポッド形式の微動機構を備えるSTMにお
いて、探針を軸方向に微動させるアクチュエータの位置
を所定の位置に配置するようにしたため、このアクチュ
エータを伸長して探針を前進させるように動作させて
も、ヘッド部に傾きが生じない。また、これによって試
料表面のXYスキャンを行っている状態で探針を軸方向
に前進させても、XYスキャン中に位置誤差が発生しな
い。従って、STM像において歪みが生ぜず、測定の精
度が向上する。
れば、トライポッド形式の微動機構を備えるSTMにお
いて、探針を軸方向に微動させるアクチュエータの位置
を所定の位置に配置するようにしたため、このアクチュ
エータを伸長して探針を前進させるように動作させて
も、ヘッド部に傾きが生じない。また、これによって試
料表面のXYスキャンを行っている状態で探針を軸方向
に前進させても、XYスキャン中に位置誤差が発生しな
い。従って、STM像において歪みが生ぜず、測定の精
度が向上する。
【図1】本発明に係る微動機構の前方斜視図である。
【図2】本発明に係る微動機構の変形前の側面図であ
る。
る。
【図3】本発明に係る微動機構の変形後の側面図であ
る。
る。
【図4】スキャン用圧電素子をモデル化した変形前の図
である。
である。
【図5】スキャン用圧電素子をモデル化した変形後の図
である。
である。
【図6】従来の微動機構の前方斜視図である。
【図7】従来の微動機構の変形前の側面図である。
【図8】従来の微動機構の変形後の側面図である。
【図9】従来の微動機構のスキャン用圧電素子をモデル
化した変形前の図である。
化した変形前の図である。
【図10】従来の微動機構のスキャン用圧電素子をモデ
ル化した変形後の図である。
ル化した変形後の図である。
1 基部部材 2A,2B,2C 圧電素子 3A,3B,3C 電源ライン 4 探針 5 探針取付け部 8′ 絶縁体 9 梁 10 軸線 11 ヘッド部 12 剛体部
Claims (2)
- 【請求項1】 探針を試料の表面に沿ってスキャン動作
させる2つのアクチュエータと、前記探針をその軸方向
に微動させるアクチュエータとを備え、3つの前記アク
チュエータが相互に直交するトライポッド形式の走査型
トンネル顕微鏡の微動機構において、 前記探針と前記試料との距離を調整するため探針を軸方
向に微動させる前記アクチュエータを、このアクチュエ
ータの伸縮方向の軸線が、スキャン動作のための前記2
つのアクチュエータのそれぞれの伸縮方向の中間点を結
ぶ線分の中点を通るように、配置したことを特徴とする
走査型トンネル顕微鏡の微動機構。 - 【請求項2】 探針を試料の表面に沿ってスキャン動作
させる2つのアクチュエータと、前記探針をその軸方向
に微動させるアクチュエータとを備え、3つの前記アク
チュエータが相互に直交するトライポッド形式の走査型
トンネル顕微鏡の微動機構において、 前記探針と前記試料との距離を調整するため探針を軸方
向に微動させる前記アクチュエータを、このアクチュエ
ータの伸縮方向の軸線の位置が、スキャン動作のための
前記2つのアクチュエータの交点に対してずれるよう
に、配置したことを特徴とする走査型トンネル顕微鏡の
微動機構。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23971391A JPH0579812A (ja) | 1991-09-19 | 1991-09-19 | 走査型トンネル顕微鏡の微動機構 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23971391A JPH0579812A (ja) | 1991-09-19 | 1991-09-19 | 走査型トンネル顕微鏡の微動機構 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0579812A true JPH0579812A (ja) | 1993-03-30 |
Family
ID=17048820
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23971391A Pending JPH0579812A (ja) | 1991-09-19 | 1991-09-19 | 走査型トンネル顕微鏡の微動機構 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0579812A (ja) |
-
1991
- 1991-09-19 JP JP23971391A patent/JPH0579812A/ja active Pending
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