JPH0580507B2 - - Google Patents
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Description
「産業上の利用分野」
本発明は難燃樹脂組成物に関し、更に詳しくは
機械的性質及び熱的安定性に優れた熱可塑性ポリ
エステル難燃樹脂組成物に関するものである。 「従来技術と問題点」 従来、有機ハロゲン化合物を主成分とする難燃
化剤を用いた熱可塑性ポリエステル難燃樹脂組成
物は熱的安定性に問題がある。特に、耐熱性に優
れたポリエチレンテレフタレート難燃樹脂組成物
は成形加工温度が比較的高く、加工時の熱劣化が
著しい。熱的安定性を改善した熱可塑性ポリエス
テル難燃樹脂組成物としては、例えば特開昭57−
195142号がある。これによれば、難燃化の為に添
加した三酸化アンチモンの表面をアルコキシシラ
ンで処理し、熱可塑性ポリエステルの加水分解に
対して不活性皮膜を形成し熱安定化を図つてい
る。しかしながら、該公報の実施例でも明らかな
ように、成形品の機械的強度、特に引張強度は比
較的低く、特定の分野では十分に満足できるもの
ではない。特開昭57−2357号には被覆された酸化
アンチモンは商品的価値のある熱的安定性が無い
ことが記載されている。特開昭57−2357号には熱
的安定性の優れた特定の配合物の記載がある。こ
の公報には、結晶化速度を改善する特定の物質と
周期律表,及び属の金属のアンチモン酸塩
を難燃剤系中で共に用いた際に、熱的安定性に悪
影響を与えず、かつ難燃を高めると記載されてい
る。一般に、結晶化促進剤は樹脂組成物の機械的
強度を低下させる傾向を持ち、従つてその使用は
制限される。更に、特定の結晶化促進剤とアンチ
モン酸塩との共用でのみ効果を有すのでは、この
技術の使用範囲は限定される。しかして、機械的
強度が比較的高く、同時に熱的安定性に優れた熱
可塑性ポリエステル難燃樹脂組成物が求められて
いる。 「問題点を解決するための手段」 本発明の目的は、上記の如き実情に鑑み、機械
的強度が比較的高く、熱的安定性の優れた熱可塑
性ポリエステル難燃樹脂組成物を提供せんとする
ものである。 即ち、本発明は、上記目的を達成するため、次
の(a)〜(c)の構成から成る難燃樹脂組成物である。 (a) 熱可塑性ポリエステル (b) 難燃化に必要な量の有機ハロゲン化合物と
600℃以上の温度で焼成したアンチモン酸ソー
ダを含む難燃化剤 (c) 熱安定性に必要な量のアルコキシシラン化合
物 本発明における熱可塑性ポリエステルは酸成分
としてテレフタール酸又はそのエステル形成能を
持つ誘導体を用い、グリコール成分として炭素数
2〜10のグリコール又はそのエステル形成能を持
つ誘導体を用いて得られる線状飽和ポリエステル
を言う。具体的には、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタ
レート、ポリヘキサメチレンテレフタレート等が
挙げられる。これらの熱可塑性ポリエステルは単
独又は2種以上を混合して用いても良い。又、上
記熱可塑性ポリエステルは50重量%までの他の成
分、例えばジエチレングリコール、ポリアルキレ
ンオキシド、芳香族ジオール類等を含むことがで
きる。これらの内、特に下記一般式(A)に示すジオ
ールを1〜20重量部とポリエチレンテレフタレー
ト80〜99重量部とから成るブロツク共重合体が好
ましい。
機械的性質及び熱的安定性に優れた熱可塑性ポリ
エステル難燃樹脂組成物に関するものである。 「従来技術と問題点」 従来、有機ハロゲン化合物を主成分とする難燃
化剤を用いた熱可塑性ポリエステル難燃樹脂組成
物は熱的安定性に問題がある。特に、耐熱性に優
れたポリエチレンテレフタレート難燃樹脂組成物
は成形加工温度が比較的高く、加工時の熱劣化が
著しい。熱的安定性を改善した熱可塑性ポリエス
テル難燃樹脂組成物としては、例えば特開昭57−
195142号がある。これによれば、難燃化の為に添
加した三酸化アンチモンの表面をアルコキシシラ
ンで処理し、熱可塑性ポリエステルの加水分解に
対して不活性皮膜を形成し熱安定化を図つてい
る。しかしながら、該公報の実施例でも明らかな
ように、成形品の機械的強度、特に引張強度は比
較的低く、特定の分野では十分に満足できるもの
ではない。特開昭57−2357号には被覆された酸化
アンチモンは商品的価値のある熱的安定性が無い
ことが記載されている。特開昭57−2357号には熱
的安定性の優れた特定の配合物の記載がある。こ
の公報には、結晶化速度を改善する特定の物質と
周期律表,及び属の金属のアンチモン酸塩
を難燃剤系中で共に用いた際に、熱的安定性に悪
影響を与えず、かつ難燃を高めると記載されてい
る。一般に、結晶化促進剤は樹脂組成物の機械的
強度を低下させる傾向を持ち、従つてその使用は
制限される。更に、特定の結晶化促進剤とアンチ
モン酸塩との共用でのみ効果を有すのでは、この
技術の使用範囲は限定される。しかして、機械的
強度が比較的高く、同時に熱的安定性に優れた熱
可塑性ポリエステル難燃樹脂組成物が求められて
いる。 「問題点を解決するための手段」 本発明の目的は、上記の如き実情に鑑み、機械
的強度が比較的高く、熱的安定性の優れた熱可塑
性ポリエステル難燃樹脂組成物を提供せんとする
ものである。 即ち、本発明は、上記目的を達成するため、次
の(a)〜(c)の構成から成る難燃樹脂組成物である。 (a) 熱可塑性ポリエステル (b) 難燃化に必要な量の有機ハロゲン化合物と
600℃以上の温度で焼成したアンチモン酸ソー
ダを含む難燃化剤 (c) 熱安定性に必要な量のアルコキシシラン化合
物 本発明における熱可塑性ポリエステルは酸成分
としてテレフタール酸又はそのエステル形成能を
持つ誘導体を用い、グリコール成分として炭素数
2〜10のグリコール又はそのエステル形成能を持
つ誘導体を用いて得られる線状飽和ポリエステル
を言う。具体的には、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタ
レート、ポリヘキサメチレンテレフタレート等が
挙げられる。これらの熱可塑性ポリエステルは単
独又は2種以上を混合して用いても良い。又、上
記熱可塑性ポリエステルは50重量%までの他の成
分、例えばジエチレングリコール、ポリアルキレ
ンオキシド、芳香族ジオール類等を含むことがで
きる。これらの内、特に下記一般式(A)に示すジオ
ールを1〜20重量部とポリエチレンテレフタレー
ト80〜99重量部とから成るブロツク共重合体が好
ましい。
【化】
(式中、Xは−C(CH3)−基、−SO2−基、−
CO−基 −O−基を表し、RはC3以下のアルキ
レン基、n,mは5〜15の整数である。)上記熱
可塑性ポリエステルの極限粘度はフエノール、
1,1,2,2,−テトラクロロエタン1:1(重
量比)混合溶媒中、25℃で測定した時、0.4〜1.2
が好ましい。更には0.5〜1.0、特に0.55〜0.70が
好ましい。 本発明で言う難燃化剤とは、有機ハロゲン化合
物と600℃以上の温度で焼成したアンチモン酸ソ
ーダを含むものを言う。有機ハロゲン化合物は具
体的には、テトラブロモビスフエノールA及びそ
のオリゴマー、デカブロモビフエニールオキサイ
ド、オクタブロモビフエニールオキサイド、ポ
リ・ジブロモフエニレンオキサイド、臭素化ポリ
スチレン、テトラクロロシクロペンタンジエン2
モルとシクロオクタジエン1モルとの縮合物、ポ
リ・ペンタブロモベンジルアクリレート、テトラ
ビスフエノールAと塩化シアヌルとトリブロモフ
エノールの縮合物、ヘキサブロモシクロドデカ
ン、トリブロモフエノールとグリシドールの縮合
物等がある。好ましくは、上記化合物のうちハロ
ゲン原子が芳香環に直接結合したハロゲン含有芳
香族化合物を用いると良い。ハロゲンの種類とし
ては臭素、塩素が良い。難燃化剤としての有機ハ
ロゲン化合物の配合量は該組成物を難燃化するに
足る量で良い。通常、熱可塑性ポリエステル100
重量部に対して5〜50の重量部、好ましくは10〜
30重量部配合すると良い。 本発明に用いられるアンチモン酸ソーダは、
600℃以上の温度で焼成したものが用いられる。
600度未満の温度で焼成したものを用いた場合は、
機械的性質及び熱安定性に優れた難燃性樹脂組成
物が得られない。該アンチモン酸ソーダの平均粒
子径は2〜10μmの範囲が好適である。アンチモ
ン酸ソーダの使用量は熱可塑性ポリエステル100
重量部に対して0〜20重量部、好ましくは1〜15
重量部、特に好ましくは2〜10重量部が良い。 アルコキシシラン化合物とは、下記一般式(B)で
表す化合物である。
CO−基 −O−基を表し、RはC3以下のアルキ
レン基、n,mは5〜15の整数である。)上記熱
可塑性ポリエステルの極限粘度はフエノール、
1,1,2,2,−テトラクロロエタン1:1(重
量比)混合溶媒中、25℃で測定した時、0.4〜1.2
が好ましい。更には0.5〜1.0、特に0.55〜0.70が
好ましい。 本発明で言う難燃化剤とは、有機ハロゲン化合
物と600℃以上の温度で焼成したアンチモン酸ソ
ーダを含むものを言う。有機ハロゲン化合物は具
体的には、テトラブロモビスフエノールA及びそ
のオリゴマー、デカブロモビフエニールオキサイ
ド、オクタブロモビフエニールオキサイド、ポ
リ・ジブロモフエニレンオキサイド、臭素化ポリ
スチレン、テトラクロロシクロペンタンジエン2
モルとシクロオクタジエン1モルとの縮合物、ポ
リ・ペンタブロモベンジルアクリレート、テトラ
ビスフエノールAと塩化シアヌルとトリブロモフ
エノールの縮合物、ヘキサブロモシクロドデカ
ン、トリブロモフエノールとグリシドールの縮合
物等がある。好ましくは、上記化合物のうちハロ
ゲン原子が芳香環に直接結合したハロゲン含有芳
香族化合物を用いると良い。ハロゲンの種類とし
ては臭素、塩素が良い。難燃化剤としての有機ハ
ロゲン化合物の配合量は該組成物を難燃化するに
足る量で良い。通常、熱可塑性ポリエステル100
重量部に対して5〜50の重量部、好ましくは10〜
30重量部配合すると良い。 本発明に用いられるアンチモン酸ソーダは、
600℃以上の温度で焼成したものが用いられる。
600度未満の温度で焼成したものを用いた場合は、
機械的性質及び熱安定性に優れた難燃性樹脂組成
物が得られない。該アンチモン酸ソーダの平均粒
子径は2〜10μmの範囲が好適である。アンチモ
ン酸ソーダの使用量は熱可塑性ポリエステル100
重量部に対して0〜20重量部、好ましくは1〜15
重量部、特に好ましくは2〜10重量部が良い。 アルコキシシラン化合物とは、下記一般式(B)で
表す化合物である。
【式】
(式中、R1,R2,R3,R4はC5以下のアルキル
基又は−CnH2n−O−CoH2o+1ここでm+nは5
以下の整数、Xは−CH=CH2,−COOCH3C=
CH2,−NH2,−NHC2H4NH2,−NHCONH2,−
OCH2−
基又は−CnH2n−O−CoH2o+1ここでm+nは5
以下の整数、Xは−CH=CH2,−COOCH3C=
CH2,−NH2,−NHC2H4NH2,−NHCONH2,−
OCH2−
【式】
等である。
Xがアミノ基、エポキシ基を有するものをそれ
ぞれアミノシラン化合物、エポキシシラン化合物
と言う。アルコキシシラン化合物の配合量は該難
燃樹脂中、0.03〜2.0重量%が良い。0.05〜1.0重
量%がより好ましく、特に0.1〜0.5重量%が好ま
しい。アルコキシシラン化合物と該難燃樹脂組成
物の他の成分との混合方法は種々の方法が使用で
きる。最も簡単で一般的な方法は、熱可塑性ポリ
エステルと難燃化剤をリボンブレンダーで攪拌混
合しながらアルコキシシラン化合物を添加するの
が良い。アルコキシシラン化合物はガラス繊維等
の表面処理剤として使用されている。アルコキシ
シラン化合物で表面処理されたガラス繊維等を該
難燃樹脂組成物に混合しても、本発明における様
な熱的安定化組成物には成らない。 本発明の難燃樹脂組成物には、エチレンとα−
β−不飽和カルボン酸の共重合体であつて該共重
合体に含有するカルボキシル基の5〜50mol%が
アルカリ金属で中和された共重合体を熱可塑ポリ
エステル100重量部に対して1〜10重量部配合し
てもよい。この共重合体は、特公昭45−26225、
特開昭46−3839、特開昭56−55451その他で開示
されている。すなわち、エチレンとアクリル酸、
メタアクリル酸、マレイン酸その他のα,β−不
飽和カルボン酸の共重合体であつて、オレフイン
含量が少なくとも50重量%以上であり、かつ該共
重合体中のカルボキシル基の5〜50mol%はアル
カリ金属塩によつて中和されたものである。好ま
しいアルカリ金属はナトリウムである。 本発明の難燃樹脂組成物には更に必要に応じ
て、有機又は無機の強化剤、充填剤を熱可塑性ポ
リエステル100重量部に対して200重量部まで配合
することができる。200重量部を越えると成形加
工が難しくなる。同時に組成物の機械的強度も低
下する。好ましい配合量は150重量部以下である。
有機、無機の強化剤、充填剤とは該難燃樹脂組成
物の機能を高める目的で加えるものを言う。具体
的には、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト、芳
香族ポリアミド繊維、炭化珪素繊維、チタン酸カ
リウム繊維、鉱物繊維等の繊維強化材、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、焼成クレー、グラフ
アイト、マイカ、タルク、ガラスビーズ、金属
粉、弗素樹脂粉末等である。これらは1種又は2
種以上に混合して用いられる。 本発明の難燃樹脂組成物には、上記成分に加え
て一般に熱可塑性難燃ポリエステル樹脂に用いる
添加剤、例えば酸化防止剤、着色剤、結晶化促進
剤、可塑剤、ポリエステル以外の樹脂等を配合す
ることもできる。 熱可塑性ポリエステル、難燃化剤、アルコキシ
シラン化合物、他を混合した後の組成物は更に溶
融混合すると均一で使い勝手の良い難燃組成物と
なる。溶融混合には押出機を使うのが簡便であ
る。 「実施例」 次に、実施例と比較例を挙げて本発明を更に具
体的に説明とするが、本発明はこれらにより何ら
制限されるものではない。尚、実施例と比較例中
の部は重量部を、%は重量%を示す。 実施例 1 フエノール、1,1,2,2,−テトラクロロ
エタン1:1(重量比)混合溶媒中、25℃で測定
した極限粘度が0.63で水分を0.03%以下に乾燥し
たポリエチレンテレフタレート4.6Kg、臭素化ポ
リスチレン「パイロチエツク68PB」(商品名、フ
エロコーポレーシヨン製)1.4Kg、700℃で焼成し
たアンチモン酸ソーダー0.3Kg、エチレンと不飽
和カルボン酸の共重合体、「ハイミラン1707」(商
品名、三井・ジユポンポリケミカル製)0.5Kg、
エルカ酸アミド0.2Kg、安定剤「イルガノツクス
1010」(商品名、チバガイギー(株)製)50g、安定
剤「シーノツクス412S」(商品名シプロ化成(株)
製)50gをリボンブレンダーで攪拌させながら、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(日本ユ
ニカー製、A−1100)15gを添加し引続き5分間
攪拌を続けた。この配合物を池貝鉄工(株)製二軸押
出機PCM−45を用いて溶融混練しペレツト状の
樹脂組成物を得た。此のとき、二軸押出機の途中
からガラス繊維(旭フアイバー(株)製、グラスロン
03MJ−486A)を該組成物中30%になるように加
えた。押出しの温度条件はホツパー側からダイス
側に向けて280℃から260℃の温度勾配をつけた。
他の条件は安定的に押出しが出来るように一般的
な条件を選んだ。次いでこのペレツト状樹脂を
140℃で4時間乾燥し、射出成形機(東芝機械(株)
製IS−50A)を用いて試験片の作成を行つた。こ
のとき、熱的安定製の評価方法として射出成形温
度を通常温度(270℃)と高温(290℃)の2水準
を取り、機械的強度を調べた。射出成形条件は、
金型温度80℃、冷却時間30秒一次射出圧力495
Kg/cm2、二次射出圧力360Kg/cm2、射出時間7秒
であつた。熱的安定性の評価は、270℃で射出成
形した時との射出強度と290℃でのそれとの比較
で行つた。結果は表1に記載した。 実施例 2 実施例1で、700℃で焼成したアンチモン酸ソ
ーダに替えて600℃で焼成したアンチモン酸ソー
ダを用いた。他の条件は同一とした。結果は表1
に示した。 実施例 3 実施例1で、γ−アミノプロピルトリエトキシ
シランに替えて、γ−グリシドオキシプロピルト
リメトキシシラン(日本ユニカー性、A−187)
20gを用いた。他の条件は同一とした。結果は表
1に記載した。 比較例 1 実施例1で、700℃で焼成したアンチモン酸ソ
ーダに替えて500℃で焼成したアンチモン酸ソー
ダを用いた。他の条件は同一とした。結果は表1
に示した。 比較例 2 実施例1で、γ−アミノプロピルトリエトキシ
シランを添加しない組成物を作り評価した。他の
条件は同一とした。結果は表1に記載した。
ぞれアミノシラン化合物、エポキシシラン化合物
と言う。アルコキシシラン化合物の配合量は該難
燃樹脂中、0.03〜2.0重量%が良い。0.05〜1.0重
量%がより好ましく、特に0.1〜0.5重量%が好ま
しい。アルコキシシラン化合物と該難燃樹脂組成
物の他の成分との混合方法は種々の方法が使用で
きる。最も簡単で一般的な方法は、熱可塑性ポリ
エステルと難燃化剤をリボンブレンダーで攪拌混
合しながらアルコキシシラン化合物を添加するの
が良い。アルコキシシラン化合物はガラス繊維等
の表面処理剤として使用されている。アルコキシ
シラン化合物で表面処理されたガラス繊維等を該
難燃樹脂組成物に混合しても、本発明における様
な熱的安定化組成物には成らない。 本発明の難燃樹脂組成物には、エチレンとα−
β−不飽和カルボン酸の共重合体であつて該共重
合体に含有するカルボキシル基の5〜50mol%が
アルカリ金属で中和された共重合体を熱可塑ポリ
エステル100重量部に対して1〜10重量部配合し
てもよい。この共重合体は、特公昭45−26225、
特開昭46−3839、特開昭56−55451その他で開示
されている。すなわち、エチレンとアクリル酸、
メタアクリル酸、マレイン酸その他のα,β−不
飽和カルボン酸の共重合体であつて、オレフイン
含量が少なくとも50重量%以上であり、かつ該共
重合体中のカルボキシル基の5〜50mol%はアル
カリ金属塩によつて中和されたものである。好ま
しいアルカリ金属はナトリウムである。 本発明の難燃樹脂組成物には更に必要に応じ
て、有機又は無機の強化剤、充填剤を熱可塑性ポ
リエステル100重量部に対して200重量部まで配合
することができる。200重量部を越えると成形加
工が難しくなる。同時に組成物の機械的強度も低
下する。好ましい配合量は150重量部以下である。
有機、無機の強化剤、充填剤とは該難燃樹脂組成
物の機能を高める目的で加えるものを言う。具体
的には、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト、芳
香族ポリアミド繊維、炭化珪素繊維、チタン酸カ
リウム繊維、鉱物繊維等の繊維強化材、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、焼成クレー、グラフ
アイト、マイカ、タルク、ガラスビーズ、金属
粉、弗素樹脂粉末等である。これらは1種又は2
種以上に混合して用いられる。 本発明の難燃樹脂組成物には、上記成分に加え
て一般に熱可塑性難燃ポリエステル樹脂に用いる
添加剤、例えば酸化防止剤、着色剤、結晶化促進
剤、可塑剤、ポリエステル以外の樹脂等を配合す
ることもできる。 熱可塑性ポリエステル、難燃化剤、アルコキシ
シラン化合物、他を混合した後の組成物は更に溶
融混合すると均一で使い勝手の良い難燃組成物と
なる。溶融混合には押出機を使うのが簡便であ
る。 「実施例」 次に、実施例と比較例を挙げて本発明を更に具
体的に説明とするが、本発明はこれらにより何ら
制限されるものではない。尚、実施例と比較例中
の部は重量部を、%は重量%を示す。 実施例 1 フエノール、1,1,2,2,−テトラクロロ
エタン1:1(重量比)混合溶媒中、25℃で測定
した極限粘度が0.63で水分を0.03%以下に乾燥し
たポリエチレンテレフタレート4.6Kg、臭素化ポ
リスチレン「パイロチエツク68PB」(商品名、フ
エロコーポレーシヨン製)1.4Kg、700℃で焼成し
たアンチモン酸ソーダー0.3Kg、エチレンと不飽
和カルボン酸の共重合体、「ハイミラン1707」(商
品名、三井・ジユポンポリケミカル製)0.5Kg、
エルカ酸アミド0.2Kg、安定剤「イルガノツクス
1010」(商品名、チバガイギー(株)製)50g、安定
剤「シーノツクス412S」(商品名シプロ化成(株)
製)50gをリボンブレンダーで攪拌させながら、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(日本ユ
ニカー製、A−1100)15gを添加し引続き5分間
攪拌を続けた。この配合物を池貝鉄工(株)製二軸押
出機PCM−45を用いて溶融混練しペレツト状の
樹脂組成物を得た。此のとき、二軸押出機の途中
からガラス繊維(旭フアイバー(株)製、グラスロン
03MJ−486A)を該組成物中30%になるように加
えた。押出しの温度条件はホツパー側からダイス
側に向けて280℃から260℃の温度勾配をつけた。
他の条件は安定的に押出しが出来るように一般的
な条件を選んだ。次いでこのペレツト状樹脂を
140℃で4時間乾燥し、射出成形機(東芝機械(株)
製IS−50A)を用いて試験片の作成を行つた。こ
のとき、熱的安定製の評価方法として射出成形温
度を通常温度(270℃)と高温(290℃)の2水準
を取り、機械的強度を調べた。射出成形条件は、
金型温度80℃、冷却時間30秒一次射出圧力495
Kg/cm2、二次射出圧力360Kg/cm2、射出時間7秒
であつた。熱的安定性の評価は、270℃で射出成
形した時との射出強度と290℃でのそれとの比較
で行つた。結果は表1に記載した。 実施例 2 実施例1で、700℃で焼成したアンチモン酸ソ
ーダに替えて600℃で焼成したアンチモン酸ソー
ダを用いた。他の条件は同一とした。結果は表1
に示した。 実施例 3 実施例1で、γ−アミノプロピルトリエトキシ
シランに替えて、γ−グリシドオキシプロピルト
リメトキシシラン(日本ユニカー性、A−187)
20gを用いた。他の条件は同一とした。結果は表
1に記載した。 比較例 1 実施例1で、700℃で焼成したアンチモン酸ソ
ーダに替えて500℃で焼成したアンチモン酸ソー
ダを用いた。他の条件は同一とした。結果は表1
に示した。 比較例 2 実施例1で、γ−アミノプロピルトリエトキシ
シランを添加しない組成物を作り評価した。他の
条件は同一とした。結果は表1に記載した。
【表】
表1の結果より明らかなように、本発明の難燃
樹脂組成物は高強度でかつ熱的安定性に優れてい
る。 実施例 4 実施例1で、「パイロチエツク68PB」に替えて
ポリ・ペンタブロモベンジルアクリレート(デツ
ド・シー・ブロミン(株)製、FR−1025)1.3Kg使用
した。結果は表2に記載した。 比較例 3 実施例4で、アンチモン酸ソーダに替えて「パ
トツクス−H」を使用した。その他の条件は同じ
である。結果は表2に記載した。
樹脂組成物は高強度でかつ熱的安定性に優れてい
る。 実施例 4 実施例1で、「パイロチエツク68PB」に替えて
ポリ・ペンタブロモベンジルアクリレート(デツ
ド・シー・ブロミン(株)製、FR−1025)1.3Kg使用
した。結果は表2に記載した。 比較例 3 実施例4で、アンチモン酸ソーダに替えて「パ
トツクス−H」を使用した。その他の条件は同じ
である。結果は表2に記載した。
【表】
実施例 5
実施例3で、ポリエチレンテレフタレートに替
えて、ビスフエノールAのエチレンオキシド付加
重合体(ビスフエノールAとエチレンオキシドの
比は1対17、平均分子量1000)を5%ブロツク共
重合したポリエチレンテレフタレート(極限粘度
は0.60)を使用した。その他の条件は同じであ
る。 (1) 270℃成形の引張強度(Kg/cm2)1540 (2) 290℃成形の引張強度(Kg/cm2)1530 (2)×100/(1)(%) 99.4 実施例 6 フエノール、1,1,2,2−テトラクロロエ
タン1:1(重量比)混合溶媒中、25℃で測定し
た極限粘度が0.58で水分を0.03%以下に乾燥した
ポリエチレンテレフタレート5.3Kg、ポリ・ジブ
ロモフエニレンオキサイド(グレートレイトクス
ケミカルコーポレーシヨン製、PO−64P)1.4Kg、
700℃で焼成したアンチモン酸ソーダー0.3Kg、
「イルガノツクス1010」50g、「シーノツクス
412S」50g、「A−187」10g、「グラスロン
03MJ−486A」(該組成物中30%に成るように)
を実施例1と同様に処理し、試験片を得た。測定
の結果は表3に記載した。 実施例 7 実施例6のポリエチレンテレフタレートに替え
て、実施例5で用いたポリエチレンブロツク共重
合体を用いた。その他の条件は同じである。結果
は表3に記載した。 実施例 8 実施例3のガラス繊維を加えない樹脂組成物を
作つた。結果は表3に記載した。 比較例 4 実施例8から「A−187」を抜いた樹脂組成物
を作つた。結果は表3に記載した。
えて、ビスフエノールAのエチレンオキシド付加
重合体(ビスフエノールAとエチレンオキシドの
比は1対17、平均分子量1000)を5%ブロツク共
重合したポリエチレンテレフタレート(極限粘度
は0.60)を使用した。その他の条件は同じであ
る。 (1) 270℃成形の引張強度(Kg/cm2)1540 (2) 290℃成形の引張強度(Kg/cm2)1530 (2)×100/(1)(%) 99.4 実施例 6 フエノール、1,1,2,2−テトラクロロエ
タン1:1(重量比)混合溶媒中、25℃で測定し
た極限粘度が0.58で水分を0.03%以下に乾燥した
ポリエチレンテレフタレート5.3Kg、ポリ・ジブ
ロモフエニレンオキサイド(グレートレイトクス
ケミカルコーポレーシヨン製、PO−64P)1.4Kg、
700℃で焼成したアンチモン酸ソーダー0.3Kg、
「イルガノツクス1010」50g、「シーノツクス
412S」50g、「A−187」10g、「グラスロン
03MJ−486A」(該組成物中30%に成るように)
を実施例1と同様に処理し、試験片を得た。測定
の結果は表3に記載した。 実施例 7 実施例6のポリエチレンテレフタレートに替え
て、実施例5で用いたポリエチレンブロツク共重
合体を用いた。その他の条件は同じである。結果
は表3に記載した。 実施例 8 実施例3のガラス繊維を加えない樹脂組成物を
作つた。結果は表3に記載した。 比較例 4 実施例8から「A−187」を抜いた樹脂組成物
を作つた。結果は表3に記載した。
【表】
「作用・効果」
叙上の通り、本発明によれば高強度で且つ熱的
安定性に優れた難燃樹脂組成物を提供することが
できる。
安定性に優れた難燃樹脂組成物を提供することが
できる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 熱可塑性ポリエステル、難燃化に必要な量の
有機ハロゲン化合物と600℃以上の温度で焼成し
たアンチモン酸ソーダを含む難燃化剤及び熱安定
化に必要な量のアルコキシシラン化合物から成る
ことを特徴とする難燃樹脂組成物。 2 アルコキシシラン化合物がアミノシラン化合
物及びエポキシシラン化合物から選択される少な
くとも1種である特許請求の範囲第1項記載の難
燃樹脂組成物。 3 アルコキシシラン化合物の量が難燃樹脂組成
物中、0.05〜1.0重量%である特許請求の範囲第
1項記載の難燃樹脂組成物。 4 有機ハロゲン化合物が、芳香環に直接結合し
たハロゲンを含有するハロゲン含有芳香族化合物
から成る特許請求の範囲第1項記載の難燃樹脂組
成物。 5 有機ハロゲン化合物及びアンチモン酸ソーダ
の配合量が熱可塑性ポリエステル100重量部に対
し各々5〜50重量部、1〜15重量部である特許請
求の範囲第1項記載の難燃樹脂組成物。 6 熱可塑性ポリエステルがポリエチレンテレフ
タレートである特許請求の範囲第1項記載の難燃
樹脂組成物。 7 熱可塑性ポリエステルがポリエチレンテレフ
タレートと下記一般式(A)のブロツク共重合体であ
つて、該共重合体中の一般式(A)のセグメント含率
が1〜20重量部である特許請求の範囲第1項記載
の難燃樹脂組成物。 【化】 (式中、Xは−C(CH3)−基、−SO2−基、−
CO−基、−O−基を表し、RはC3以下のアルキレ
ン基、n,mは5〜15の整数である。) 8 有機及び/又はは無機の強化材、充填材を熱
可塑性ポリエステル100重量部に対して200重量部
以下配合する特許請求の範囲1項記載の難燃樹脂
組成物。
Priority Applications (6)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60297809A JPS62151448A (ja) | 1985-12-25 | 1985-12-25 | 難燃樹脂組成物 |
| EP86117999A EP0230047B1 (en) | 1985-12-25 | 1986-12-23 | Flame-retardant resin composition |
| DE8686117999T DE3683146D1 (de) | 1985-12-25 | 1986-12-23 | Flammhemmende harzzusammensetzung. |
| CA000526217A CA1286440C (en) | 1985-12-25 | 1986-12-23 | Flame-retardant resin composition |
| AU66955/86A AU603741B2 (en) | 1985-12-25 | 1986-12-24 | Flame-retardant resin composition |
| US07/859,242 US5250595A (en) | 1985-12-25 | 1992-03-26 | Flame-retardant resin composition |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP60297809A JPS62151448A (ja) | 1985-12-25 | 1985-12-25 | 難燃樹脂組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
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| JPH0580507B2 true JPH0580507B2 (ja) | 1993-11-09 |
Family
ID=17851446
Family Applications (1)
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|---|---|---|---|
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| JP (1) | JPS62151448A (ja) |
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| JPH0481466A (ja) * | 1990-07-25 | 1992-03-16 | Polyplastics Co | ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物及びその製造法 |
| CA2103414A1 (en) * | 1992-12-03 | 1994-06-04 | Douglas G. Hamilton | Stabilized polyester-polycarbonate compositions |
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| DE2427091A1 (de) * | 1974-06-05 | 1976-01-02 | Bayer Ag | Alterungsschutzmittel fuer estergruppen enthaltende kunststoffe |
| US4100075A (en) * | 1977-06-23 | 1978-07-11 | The Harshaw Chemical Company | Silane treated antimony compounds |
| EP0041315A1 (en) * | 1980-05-29 | 1981-12-09 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Polyethylene terephthalate molding blends and molded articles thereof |
| JPS57165446A (en) * | 1981-04-06 | 1982-10-12 | Dainippon Ink & Chem Inc | Flame-retardant polyester resin composition |
| US4417018A (en) * | 1981-05-25 | 1983-11-22 | Teijin Limited | Flame-retardant resin composition |
| US4456723A (en) * | 1981-10-28 | 1984-06-26 | Ciba-Geigy Corporation | Thermoplastic moulding composition and the use thereof |
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| JPS6096646A (ja) * | 1983-10-31 | 1985-05-30 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | ポリエチレンテレフタレ−ト系樹脂組成物 |
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-
1985
- 1985-12-25 JP JP60297809A patent/JPS62151448A/ja active Granted
-
1986
- 1986-12-23 EP EP86117999A patent/EP0230047B1/en not_active Expired
- 1986-12-23 DE DE8686117999T patent/DE3683146D1/de not_active Expired - Lifetime
- 1986-12-23 CA CA000526217A patent/CA1286440C/en not_active Expired - Lifetime
- 1986-12-24 AU AU66955/86A patent/AU603741B2/en not_active Ceased
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| EP0230047A1 (en) | 1987-07-29 |
| JPS62151448A (ja) | 1987-07-06 |
| EP0230047B1 (en) | 1991-12-27 |
| AU6695586A (en) | 1987-07-02 |
| AU603741B2 (en) | 1990-11-22 |
| CA1286440C (en) | 1991-07-16 |
| DE3683146D1 (de) | 1992-02-06 |
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|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |