JPH0586165A - エポキシ樹脂の製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂の製造方法

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JPH0586165A
JPH0586165A JP24783591A JP24783591A JPH0586165A JP H0586165 A JPH0586165 A JP H0586165A JP 24783591 A JP24783591 A JP 24783591A JP 24783591 A JP24783591 A JP 24783591A JP H0586165 A JPH0586165 A JP H0586165A
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epoxy resin
reaction
resin
product
epoxy
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JP24783591A
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Makoto Akiyama
誠 秋山
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 フェノール類およびナフトール類の混合物
を、アルデヒド類およびアンモニウム塩と反応させてア
ミノメチル化し、次いで常法によりエポキシ化してエポ
キシ樹脂を製造する。また、こうして得られたエポキシ
樹脂を使用してフィラメントワインディング法により強
化プラスチック製品を製造する。 【効果】 この方法で得られたエポキシ樹脂は耐熱性、
流動性および硬化特性に優れることに加え、保存安定性
に優れるため、各種用途に使用でき、特にFW法による
FRPの製造に好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は常温で低粘度のエポキシ
樹脂の製造方法および用途に関する。本発明によるエポ
キシ樹脂は、耐熱性、耐水性および機械的特性に優れた
硬化物を与えるので、各種成形材料、電子部品用封入材
および基板、複合材料のマトリクス樹脂、さらには接着
剤や被覆材料等の幅広い用途を有している。
【0002】
【従来の技術】FW法(フィラメントワインディング
法)は、熱硬化性樹脂をガラス繊維や炭素繊維等の強化
繊維基材に含浸してマンドリルに巻きつけ、樹脂を硬化
させた後にマンドリルを抜き取ることにより、複合材製
品であるFRP(繊維強化プラスチック)を製造する方
法である。FW法によると、繊維を任意の方向に配列し
て強度、剛性等の特性を付与することができるので、特
に高強度のFRPの製造に好適な方法である。
【0003】FW法に用いる代表的な熱硬化性樹脂に
は、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等がある。高強度の
FRPを製造する場合、繊維基材に良く含浸する低粘度
の液状樹脂を用いる。フェノール樹脂ではFW法に必要
な流動性と硬化特性との両者を満足しうるものがなかっ
た。
【0004】一方、エポキシ樹脂は硬化時間が短い等の
硬化特性にすぐれ、種々の分野で幅広く利用されてい
る。エポキシ樹脂の中ではビスフェノールAのグリシジ
ルエーテルがFW法にも特に多用されている。しかし、
得られる硬化物のガラス転移温度が低いので、耐熱性が
要求される分野には使用できない。
【0005】耐熱性が要求される分野には、フェノール
ノボラック等を原料とする、多官能型のエポキシ樹脂、
即ちエポキシノボラック樹脂が利用される。このエポキ
シノボラック樹脂は、エポキシ基の数が多いため耐熱性
は向上するが、常温での性状が粘稠な液体ないし固体で
ある。このため、FRPの製造に使用するには加熱する
か溶剤で希釈することにより低粘度液体とする必要があ
るため、可使時間が短くなることや溶剤除去の問題があ
った。
【0006】単味のレゾール化合物、即ちp−クレゾー
ルジアルコール、o−クレゾールジアルコールをそれぞ
れエピクロロヒドリンと反応させて、フェノール性水酸
基をエポキシ化したエポキシ樹脂化合物が知られている
(長谷川喜一他、「熱硬化性樹脂討論会」予稿集、19
88、121頁)。しかし、ここで得られたエポキシ樹
脂化合物は、いずれも常温で結晶あるいは粘稠な液体で
あり、FRPの製造には適していない。また、このエポ
キシ樹脂硬化物のガラス転移温度は最大でも160 ℃であ
り耐熱性も十分ではない。
【0007】また、芳香族アミン化合物、即ち、メタキ
シリレンジアミン、ジアミンノジフェニルメタンをそれ
ぞれエピクロロヒドリンと反応させてアミノ基をエポキ
シ化したエポキシ樹脂は、常温で低粘度の液体であり、
FRPの製造に適している(特公昭54-65798号公報、同
59-78177号公報) 。しかし、これらのエポキシ樹脂は保
存安定性に問題があり、さらに、特殊な化合物を原料と
するため、現状では量産するには原料が高価である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したエ
ポキシ樹脂が有する問題点を解決し、耐熱性、流動性お
よび硬化特性に優れ、しかも比較的安価なエポキシ樹脂
を開発することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、先に、アミ
ノメチル化フェノール類を原料とするエポキシ樹脂の製
法を提案した。アミノメチル化フェノール類を用いたエ
ポキシ樹脂は、耐熱性、流動性および硬化特性を同時に
改善することができ、しかも比較的安価に製造できる点
で優れている。
【0010】さらに、このアミノメチル化フェノール類
の製法として、フェノール類とアルデヒド類とアンモニ
ウム塩とを反応させる方法が高分子化等の副反応の抑制
に有効であり、低粘度エポキシ樹脂原料の製法として有
用であることを提案した。この方法では、フェノール類
としてフェノールを、アルデヒド類としてホルムアルデ
ヒドを、アンモニウム塩として塩化アンモニウムを選択
した場合、以下のようにしてエポキシ樹脂が合成され
る。この方法では、汎用の化学品であるフェノール、ホ
ルムアルデヒド、塩化アンモニウムを原料としてエポキ
シを製造するので、原料費が安価である。
【0011】
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】
【化3】
【0014】また、上記反応において、アミノメチル化
後の中和処理を行わずに未反応フェノールを回収した
後、アミノメチル化フェノール類の塩を含む反応生成物
をエポキシ化することによって、さらにエポキシ樹脂の
流動性、耐熱性の向上が図れることも見出した。
【0015】しかし、これらの方法によっても、フェノ
ール単独系を原料とする場合、得られたエポキシ樹脂は
疎水性が十分でなく、室温下での長期保存において吸水
その他の原因で樹脂の変質が起こりやすい。このため、
さらに保存安定性を向上させることが望まれている。
【0016】この解決策の一つとして、樹脂に疎水性骨
格としてナフタレン環を導入することが考えられる。従
来より、ナフタレン環を含有するエポキシ樹脂は耐熱性
および耐水性に優れていることが知られており、例えば
ナフタレン環を含有するアミノエポキシ樹脂として、ジ
アミノナフトールをエポキシ化した化合物(特開昭63-1
59424 号公報) 、5-アミノ-1- ナフトールをエポキシ化
した化合物 (特開昭63-227615 号公報) 等があるが、こ
れらの樹脂は高粘度であるため成形が困難であり、また
特殊な化合物を原料とするため製造コストが高くなると
いう欠点を有する。
【0017】本発明者らは、アミノエポキシ樹脂中への
ナフタレン環導入法として、フェノール類とナフトール
類との混合物をアミノメチル化した後、エポキシ化する
ことによりに、製造コストの低減、流動性および保存安
定性の改善を図れることを見出し、本発明を完成させ
た。
【0018】本発明の要旨は、フェノール類とナフトー
ル類との混合物を、アルデヒド類とアンモニウム塩とで
アミノメチル化した後、エポキシ化することを特徴とす
る、常温で低粘度のエポキシ樹脂の製造方法にある。
【0019】上記方法において、フェノール類に対する
ナフトール類の混合比は10〜40モル%であるのが好まし
い。また、本発明により、上記方法で得たエポキシ樹脂
を用いた成形材料およびFW法によるFRPの製造方法
も提供される。以下に本発明を詳しく説明する。
【0020】本発明方法によればエポキシ樹脂は、フェ
ノール類とナフトール類との混合物をアルデヒド類およ
びアンモニウム塩と反応させ、次いでエポキシ化するこ
とにより得られる。原料のフェノール類としてはフェノ
ール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、
フェニルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ヒ
ドロキノン等の化合物を単独であるいは2種以上混合し
て使用することができる。以下、フェノールでフェノー
ル類を代表させて説明する。
【0021】ナフトール類としては、1-ナフトール、2-
ナフトール、ヒドロキシメチルナフタレン、ジヒドロキ
シナフタレン等を単独であるいは2種以上混合して使用
することができる。以下、2-ナフトールでナフトール類
を代表させて説明する。
【0022】架橋剤となるアルデヒド類としては、ホル
ムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等
の脂肪族あるいは芳香族アルデヒド、またはトリオキサ
ン、パラホルムアルデヒド等のアルデヒド発生物質を単
独あるいは2種以上混合して使用することができる。以
下、ホルムアルデヒドでアルデヒド類を代表させて説明
する。ホルムアルデヒドとしては、その水溶液であるホ
ルマリンを使用することもできる。
【0023】アンモニウム塩としては、塩化アンモニウ
ム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、炭酸アンモ
ニウム、酢酸アンモニウム等が用いられる。また、アン
モニアと無機酸とを反応時に添加して、これらのアンモ
ニウム塩が反応時に生成するようにしてもよい。以下、
塩化アンモニウムでアンモニウム塩を代表させて説明す
る。
【0024】アミノメチル化の反応条件は特に限定され
ず、目的物である、ナフタレン環を含有するアミノメチ
ル化生成物の性状に応じて適宜決定される。以下に、代
表的な反応条件を説明する。
【0025】ナフトール(N) とフェノール(P) のモル比
は、N/P=0.1 〜0.4 の範囲が好ましい。N/Pモル
比が0.1 未満であると反応効率の低下が起こる。また、
このモル比が 0.4を超えると、得られる液状樹脂に結晶
の析出が起こり、保存安定性が悪くなる。
【0026】ホルムアルデヒドの使用量はフェノールに
対するモル比で 0.3〜5.0 となる量で使用するのが好ま
しい。アンモニウム塩の使用量は、ホルムアルデヒドに
対するモル比で1〜10の範囲が好ましい。アンモニウム
塩/ホルムアルデヒドのモル比が1未満では好ましくな
い副反応により樹脂粘度が増加しがちであり、他方10を
超えると反応効率が低下する。
【0027】アンモニウム塩はそのままで添加するのが
好ましい。水溶液で添加すると反応効率が低下する。フ
ェノール類とナフトール類の混合物のアミノメチル化反
応は20〜130 ℃の反応温度で0.1 〜10時間の反応時間で
行うことが好ましい。反応時間が0.1 時間未満ではアミ
ノメチル化反応は十分進行せず、反応効率が低下しがち
である。また、10時間を超えると好ましくない副反応が
進行する。反応圧力は特に限定されないが、通常は常圧
で行う。
【0028】反応温度が20℃未満ではアミノメチル化反
応は十分に進行せず長時間の反応時間を必要とし、反応
効率が低下しがちである。他方、130 ℃をこえると好ま
しくない副反応が進行する。アミノメチル化反応時の反
応溶媒としては、水性溶媒が用いられる。アルデヒドと
してホルマリンを使用する場合には、それらに含まれる
水が溶媒として十分であれば別途添加の必要はない。
【0029】アミノメチル化反応終了後は、反応生成物
にアルコールを添加して一定時間放置することが望まし
い。アルコールの添加により好ましくない副反応が予防
される。添加するアルコールの種類は特に制限されない
が、蒸留により水と分離し易いメタノールが好ましい。
その使用量も制限されないが、少なくとも反応生成物お
よび未反応原料の全量が溶解することが好ましい。アル
コールを添加した場合は一定時間放置後、反応生成物よ
りアルコールを蒸留等で除去する。アルコールの除去
は、縮合反応の進行を防止するため、減圧蒸留により行
うことが好ましい。減圧度は特に制限はないが、副反応
防止のためにはできるかぎり低圧にして蒸留温度を低く
することが好ましい。
【0030】反応生成物からアルコール留去後、未反応
物を含むアミノメチル化物の塩が単離される。この混合
物はエポキシ化する前に、未反応フェノール等の未反応
物を蒸留等により回収しておくのが耐熱性の向上の点か
ら望ましい。蒸留条件は特に限定されないが、好ましく
ない副反応を防止するため減圧で実施することが好まし
い。
【0031】なお、得られたアミノメチル化物の塩は中
和処理を行った後、必要に応じ未反応物を回収、次いで
エポキシ化を行ってもよいが、未反応物回収の際の副反
応を防止する点からは、中和処理を行わずにそのまま未
反応物の回収、次いでエポキシ化を行うのが好ましい。
【0032】こうして得たアミノメチル化物を出発原料
として、これを常法によりアルカリ金属水酸化物の存在
下でエピハロヒドリンと反応させて、アミノメチル化物
中のフェノール性水酸基およびN−アミノメチル基の一
部もしくは全部をエポキシ化して、低粘度液状エポキシ
樹脂を得る。エポキシ化は、エピハロヒドリンの付加
と、アルカリ金属水酸化物による脱ハロゲン化水素を経
て進行する。
【0033】エピハロヒドリンとしては、エピクロロヒ
ドリン、エピブロモヒドリン、メチルエピクロロヒドリ
ン等を用いることができる。エピハロヒドリンの使用量
は、原料アミノメチル化物に対する重量比で 3.0〜20
倍、好ましくは 5.0〜15倍である。
【0034】アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムなどが使用できる。アルカリ
金属水酸化物の使用量は、原料アミノメチル化物に対す
る重量比で 0.5〜3.0 倍、好ましくは 0.8〜2.0 倍であ
る。アルカリ金属水酸化物は、濃厚な水溶液あるいは顆
粒状で少しづつ添加して反応系に加えることが好まし
い。一度に多量に添加すると、局部的に付加重合反応が
起こり易い。
【0035】このエポキシ化反応は、1段階で行うこと
もできるが、付加反応と脱ハロゲン化水素反応(閉環反
応)との2段階に分けて行うこともできる。2段階反応
の場合、エピハロヒドリンの水酸基およびアミノ基への
付加反応は、相間移動触媒の共存下に40〜150 ℃、好ま
しくは50〜120 ℃の温度範囲で1〜50時間行うことが好
ましい。
【0036】付加反応生成物からの脱ハロゲン化水素反
応は、40〜150 ℃、好ましくは50〜100 ℃の温度範囲で
2〜50時間行うことが好ましい。反応で副生する水は、
エピハロヒドリンとの共沸により反応系外に除去しなが
ら反応を行うことが好ましく、また高分子化を予防する
ために、減圧で反応を実施して、共沸温度を低下させる
ことが好ましい。
【0037】エポキシ化反応の終了後、反応混合物から
エポキシ樹脂生成物を回収する。樹脂の回収は、例え
ば、樹脂溶液からエピハロヒドリンを蒸留で回収し、次
に溶剤抽出により溶剤可溶性の本発明のエポキシ樹脂を
アルカリ金属塩および溶剤不溶性の樹脂分から分離する
ことにより行うことができる。
【0038】この溶剤抽出に用いる溶剤は、ベンゼン、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤や、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンな
どのケトン系溶剤が好ましい。溶剤の使用量は、低粘度
液状エポキシ樹脂の抽出に十分な量であれば特に限定さ
れない。
【0039】得られた抽出液から溶剤を蒸留で分離し
て、目的とする低粘度液状エポキシ樹脂を単離すること
ができる。上述した方法により得られる本発明の低粘度
液状エポキシ樹脂は、ベンゼン環およびナフタレン環上
に、グリシジルエーテル基、N−グリシジルアミノアル
キル基を含有した構造、あるいはこれらがジアルキレン
アミノ基やトリアルキレンアミノ基により架橋された構
造を有する。
【0040】例えば、フェノ−ルと2-ナフトールの混合
物のアミノメチル化に、ホルムアルデヒドおよび塩化ア
ンモニウムを使用した場合、得られたエポキシ樹脂はグ
リシジルエーテル基の他にN−グリシジルアミノメチル
基、ジメチレングリシジルアミノ基、およびトリメチレ
ンアミノ基などの少なくとも1種のアミノ含有基を有す
る、多様な単核もしくは多核エポキシ化合物の混合物か
らなると考えられる。かかる構造のエポキシ化合物の例
を次に示す。
【0041】
【化4】
【0042】前述した従来のナフタレン環を含むアミノ
エポキシ樹脂が常温で固形あるいは粘稠液体であったの
に対し、本発明のアミノエポキシ樹脂は常温で低粘度の
液状樹脂として得られ、成形性に優れている。これは、
本発明のエポキシ樹脂が、多様な成分の混合物であり、
架橋構造の割合が少ないためであると推測される。
【0043】しかも、本発明のエポキシ樹脂はナフタレ
ン環を含有しているため、吸水等による樹脂の変質を防
止でき、長期にわたる保存安定性が良好である。例え
ば、製造後、室温で3ヵ月放置後も粘度の変化はほとん
ど見られない。
【0044】本発明の低粘度液状エポキシ樹脂は、従来
から使用されているエポキシ硬化剤を同様に用いること
により硬化させることができる。使用しうる硬化剤の具
体例としては、アミン系硬化剤、ポリアミノアミド系硬
化剤、酸および酸無水物系硬化剤などが例示される。こ
れらの硬化剤の中では、芳香族アミン系硬化剤が、得ら
れる硬化物のガラス転移温度が高くなり、耐熱性に優れ
た硬化物を与えるため、特に好ましい。硬化剤の使用量
は、エポキシ樹脂のエポキシ当量に基づいて従来のエポ
キシ樹脂と同程度でよい。
【0045】本発明のエポキシ樹脂の硬化は、エポキシ
基の開環重合が関与して進行すると考えられる。従来の
レゾールの硬化では、粘度低下のために添加した水およ
び縮合水の蒸発による発泡の問題があったが、本発明の
エポキシ樹脂の硬化物には発泡が認められない。これ
は、本発明の樹脂中には水分が含まれないこと、および
アミノメチル基の生成により遊離のメチロール基の量が
少ないため、縮合反応がほとんど起こらず、縮合水の生
成量もごく少ないためではないかと推測される。
【0046】また、本発明のエポキシ樹脂の硬化物は、
耐熱性、耐水性および機械特性にも優れている。このエ
ポキシ樹脂は単独で被覆、接着、各種成形用途に、ある
いは電子部品の封入もしくは基板材料として使用するこ
とができる。また、低粘度液状であるという特性を生か
して、複合材料のマトリックス樹脂として有利に使用す
ることができ、例えば、強化用繊維を配合してFRPを
製造するのに適している。特にFW法によりFRPを製
造する際のマトリックス樹脂として好適である。本発明
のエポキシ樹脂の有用な性質を損なわない範囲で、他の
エポキシ樹脂を混合して使用することもできる。
【0047】
【実施例】以下、本発明による実施例を示し、本発明を
具体的に例示する。
【0048】
【実施例1】 (フェノールとナフトールとの混合物のアミノメチル
化)攪拌装置、窒素導入管、温度計、滴下ロートおよび
還流管を備えた容量1リットルの4口フラスコにフェノ
ール 150g 、2-ナフトール 58 gおよび、塩化アンモニ
ウム 214gを仕込み、攪拌下で昇温を開始し、50℃還流
下で37%ホルマリン水溶液 81 gを徐々に滴下した。滴
下終了後、80℃に昇温し、1時間反応させた。この反応
系における2-ナフトール/フェノールのモル比は 0.25
、塩化アンモニウム/フェノールのモル比は2.0、ホ
ルムアルデヒド/フェノールのモル比は1.0 であった。
【0049】得られた反応液にメタノール 600ccを加え
て1時間攪拌後、一晩放置することにより固液分離し
た。次いで、液相のメタノールをエバポレーターで完全
に留去してアミノメチル化物 258gを得た。このアミノ
メチル化物中に含まれる未反応フェノールの含有量は約
14重量%であり、未反応ナフトールおよび未反応ホルム
アルデヒドは検出されなかった。
【0050】(未反応フェノールの回収)上記のアミノメ
チル化物 210gから、蒸留により未反応物であるフェノ
ールの回収を行った。蒸留条件は5mmHg、温度180 ℃で
あった。蒸留後のアミノメチル化物の重量は156gで、未
反応フェノールの含有量は3%以下であった。
【0051】(アミノメチル化物のエポキシ化)攪拌装
置、温度計、窒素導入管、滴下ロート、および、エピク
ロロヒドリンと水との共沸混合物を凝縮分離して下層の
エピクロロヒドリン層を反応器に戻すためのロート状セ
パレーターを備えた容量1リットルの5口フラスコに、
蒸留後のアミノメチル化物35g、エピクロロヒドリン 2
04g、50%塩化テトラメチルアンモニウム水溶液13.6g
を仕込み、攪拌しながら昇温を開始し、60℃で1時間加
熱して、エピクロロヒドリンの付加反応を行った。
【0052】次いで、反応液の温度を75℃に上げた後、
該フラスコ内に水酸化ナトリウム33gを約3.5 時間かけ
て添加して、脱塩化水素による閉環反応を終了した。さ
らに上記反応条件に約30分間保持して、反応系から水を
完全に除去した後、エバポレーターでエピクロロヒドリ
ンを留去した。
【0053】残留する反応生成物にトルエン1リットル
を加えて、室温で樹脂成分を溶解させ、濾過した。濾液
からトルエンをエバポレーターで留去して、溶剤可溶性
の本発明の低粘度液状エポキシ樹脂生成物約 61 gを得
た。このエポキシ樹脂の粘度は20℃で900cp であり、数
平均分子量は248 であった。このエポキシ樹脂のエポキ
シ当量を塩酸−ジオキサン法で測定したところ、約148g
/モルであった。
【0054】(エポキシ樹脂の硬化)上で得た液状エポキ
シ樹脂に、市販の芳香族アミン系硬化剤であるアンカミ
ンを25%phr の量で混合し、金型に入れ、70℃で1時
間、190 ℃で3時間硬化させた。その結果、高強度の硬
化物が得られた。得られた硬化物の150 ℃における曲げ
強度は6kgf/mm2 であった。
【0055】
【実施例2】2-ナフトール/フェノールのモル比を0.11
とした以外は実施例1と同様にして反応を行わせた。得
られた樹脂の20℃における粘度は 970cpであり、数平均
分子量は 324、エポキシ当量は 143g/モルであった。
【0056】上記のエポキシ樹脂に、市販の芳香族アミ
ン系硬化剤であるアンカミンを26%phr の量で混合し、
金型に入れ、50℃で1時間、70℃で1時間、190 ℃で3
時間硬化させた。得られた硬化物の 150℃における曲げ
強度は6kgf/mm2 であった。
【0057】
【比較例】市販のビスフェノールAグリシジルエーテル
型のエポキシ樹脂であるDER330(ダウケミカル社製)
にアンカミン23%phr を混合し、上記実施例と同様の硬
化条件で硬化させた。得られた硬化物の150℃における
曲げ強度は4kgf/mm2 であった。
【0058】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂は、常温で低粘度
の液状樹脂であるため成形性に優れ、しかも従来のレゾ
ールに比べて短時間で硬化させることができ、発泡の問
題も生じない上、可使時間が長いことから、作業性に著
しく優れている。それに加え、保存安定性にも優れてい
る。
【0059】さらに、このエポキシ樹脂は比較的安価に
製造でき、その硬化物は、従来の慣用のエポキシ樹脂に
比べて高温での強度が優れており、レゾールと同程度の
高い耐熱性を示す。また、硬化物の耐水性および機械的
性質も良好である。
【0060】このような特性により、本発明の低粘度液
状エポキシ樹脂は、各種成形材料、電子部品の封入材お
よび基板、複合材料のマトリックス樹脂、さらには接着
剤、被覆材料等の幅広い用途に利用可能であり、特にF
RPの製造、中でもFW法によるFRPの製造に好適で
ある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール類とナフトール類との混合物
    を、アルデヒド類とアンモニウム塩とでアミノメチル化
    した後、エポキシ化することを特徴とする、常温で低粘
    度のエポキシ樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 フェノール類に対するナフトール類の混
    合モル比が0.1〜0.4である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の方法で得られたエポキシ
    樹脂と強化用繊維とを含有する成形材料。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の方法で得られたエポキシ
    樹脂を使用して、フィラメントワインディング法により
    繊維強化プラスチック製品を製造する方法。
JP24783591A 1991-09-26 1991-09-26 エポキシ樹脂の製造方法 Withdrawn JPH0586165A (ja)

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