JPH04236233A - エポキシ樹脂の製造方法 - Google Patents
エポキシ樹脂の製造方法Info
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- JPH04236233A JPH04236233A JP1584991A JP1584991A JPH04236233A JP H04236233 A JPH04236233 A JP H04236233A JP 1584991 A JP1584991 A JP 1584991A JP 1584991 A JP1584991 A JP 1584991A JP H04236233 A JPH04236233 A JP H04236233A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエポキシ樹脂の製造方法
および用途に関する。本発明によるエポキシ樹脂は一般
に常温で低粘度液状の性状を示し、耐熱性、耐水性およ
び機械的特性に優れた硬化物を与えるので、各種成形材
料、電子部品用封入材および基板、複合材料のマトリク
ス樹脂、さらには接着剤や被覆材料等の幅広い用途を有
している。 【0002】 【従来の技術】FW法(フィラメントワインディング法
)は、熱硬化性樹脂をガラス繊維や炭素繊維等の強化繊
維基材に含浸してマンドリルに巻きつけ、樹脂を硬化さ
せた後にマンドリルを抜き取ることにより、複合材製品
であるFRP(繊維強化プラスチック)を製造する方法
である。FW法によると、繊維を任意の方向に配列して
強度、剛性等の特性を付与することができるので、特に
高強度のFRPの製造に好適な方法である。FW法に用
いる代表的な熱硬化性樹脂には、フェノール樹脂、エポ
キシ樹脂等がある。高強度のFRPを製造する場合、繊
維基材に良く含浸する低粘度の液状樹脂を用いる。 【0003】レゾールを用いてフェノール樹脂をマトリ
ックス樹脂とするFRPの製造では次の問題点があった
。即ち、レゾールの硬化時に硬化物が発泡しやすく、こ
れを防止するには作業効率が悪くなり、高価な触媒によ
る方法では費用、硬化物の品質の点で難点がある。また
、低粘度レゾールでは未反応のフェノールが大量に残存
し、硬化特性が良くない。高粘度レゾールを加熱や溶剤
により低粘度化する場合は、可使時間が短くなることや
溶剤除去の問題があった。このように、フェノール樹脂
ではFW法に必要な流動性と硬化特性との両者を満足し
うるものがなかった。 【0004】一方、エポキシ樹脂は硬化時間が短い等の
硬化特性にすぐれ、種々の分野で幅広く利用されている
。エポキシ樹脂の中ではビスフェノールAのグリシジル
エーテルがFW法にも特に多用されている。しかし、得
られる硬化物のガラス転移温度が低いので、耐熱性が要
求される分野には使用できない。 【0005】耐熱性が要求される分野には、フェノール
ノボラック、クレゾールノボラック等を原料とする、多
官能型のエポキシ樹脂、即ちエポキシノボラック樹脂が
利用されるが、常温での性状が粘稠な液体ないし固体で
ある。また、単味のレゾール化合物、即ちp−クレゾー
ルジアルコール、o−クレゾールジアルコール、および
クレゾール2核体ジアルコールをそれぞれエピクロロヒ
ドリンと反応させて、フェノール性水酸基をエポキシ化
したエポキシ樹脂化合物が知られているが、いずれも常
温で結晶あるいは粘稠な液体であり、FRPの製造には
適していない。また、硬化物のバイブロン法によるガラ
ス転移温度は最大でも160 ℃であり耐熱性も十分で
はない。 【0006】また、メタキシリレンジアミン、ジアミン
ノジフェニルメタンおよび5−アミノ−1− ナフトー
ル等の単味の芳香族アミン化合物をそれぞれエピクロロ
ヒドリンと反応させて、アミノ基の活性水素をエポキシ
化したエポキシ樹脂も公知であり、これらは常温で低粘
度の液体であり、FRPの製造に適している(特公昭5
4−65798号および同59−78177号公報)
。しかし、これらのエポキシ樹脂は特殊なアミノ化合物
を原料とするため現状では高価であり、大量使用には適
していない。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上述した
エポキシ樹脂およびフェノール樹脂が有する問題点を解
決することを目的として、アミノメチル化フェノール類
を原料とするエポキシ樹脂の製法を先に提案した。アミ
ノメチル化フェノール類を用いたエポキシ樹脂は、耐熱
性、流動性および硬化特性を同時に改善することができ
、しかも比較的安価に製造できる点で優れている。 【0008】さらに、このアミノメチル化フェノール類
の製法として、フェノール類とアルデヒド類とアンモニ
ウム塩とを反応させる方法が高分子化等の副反応の抑制
に有効であり、低粘度エポキシ樹脂原料の製法として有
用であることも提案した。この方法では、フェノール類
としてフェノールを、アルデヒド類としてホルムアルデ
ヒドを、アンモニウム塩として塩化アンモニウムを選択
した場合、以下のようにしてアミノメチル化フェノール
が合成される。 【0009】 【化1】 【0010】 【化2】 【0011】上記(1) 式のようにアミノメチル化フ
ェノールの酸付加塩を生成させることにより付加生成物
同士の縮合を抑えて高分子化を抑制できる利点がある。 次いで(2) 式のように中和して得たアミノメチル化
フェノールを原料としてエポキシ樹脂を製造する場合、
未反応フェノール類等が残存した混合物のままでも利用
できるが、耐熱性が優れたエポキシ樹脂を得るためには
、未反応のフェノール類を分離しておくことが望ましい
。しかし、中和反応を行った後に未反応フェノール類を
、例えば蒸留等の手段で回収すると、蒸留条件によって
は次のようなアミノメチルフェノール同士の縮合あるい
は脱アンモニア反応等が起こる。 【0012】縮合反応 【化3】 【0013】脱アンモニア反応 【化4】 【0014】これらの反応が生じると、エポキシ化した
後の樹脂粘度の増加、架橋密度の低下、ひいては耐熱性
の低下が起こるという欠点があった。本発明は、フェノ
ール類をアルデヒド類とアンモニウム塩とでアミノメチ
ル化し、これをエポキシ化してエポキシ樹脂を製造する
方法において、上記の欠点を解消して耐熱性、流動性お
よび硬化特性に優れ、しかも比較的安価なエポキシ樹脂
を得ることを目的とする。 【0015】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく検討した結果、フェノール類をアルデヒド類
とアンモニウム塩とでアミノメチル化する際に、アミノ
メチル化後中和処理を行わずに未反応フェノール類の回
収を行えば、上記のような縮合反応や脱アンモニア反応
が抑制されることを見出し、本発明を完成させた。 【0016】本発明の要旨は、■フェノール類とアルデ
ヒド類とアンモニウム塩とを反応させるフェノール類の
アミノメチル化工程、■中和処理を行うことなく、未反
応フェノール類を回収する工程、および■アミノメチル
化フェノール類の塩を含む反応生成物をエポキシ化する
工程、からなることを特徴とするエポキシ樹脂の製造方
法にある。また、本発明により、上記方法で得たエポキ
シ樹脂を用いた成形材料およびFW法によるFRPの製
造方法も提供される。 【0017】以下に本発明を詳しく説明する。本発明方
法によればエポキシ樹脂は、フェノール類とアルデヒド
類とアンモニウム塩とを反応させ、フェノール類のアミ
ノメチル化物の塩を得て、中和処理することなく未反応
フェノール類を回収後、エポキシ化することにより得ら
れる。原料のフェノール類としてはフェノール、クレゾ
ール、キシレノール、エチルフェノール、フェニルフェ
ノール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、
ナフトール、メチルナフトール等の少なくとも1個のフ
ェノール性水酸基を有する化合物を単独であるいは2種
以上混合して使用することができる。以下、フェノール
でフェノール類を代表させて説明する。 【0018】アルデヒド類としてはホルムアルデヒド、
アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等の脂肪族あるい
は芳香族アルデヒド、またはトリオキサン、パラホルム
アルデヒド等のアルデヒド発生物質を単独あるいは2種
以上混合して使用することができる。以下、ホルムアル
デヒドでアルデヒド類を代表させて説明する。ホルムア
ルデヒドとしては、その水溶液であるホルマリンを使用
することもできる。アンモニウム塩としては、塩化アン
モニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸
アンモニウム等が用いられる。また、アンモニアと無機
酸とを反応時に添加して、これらのアンモニウム塩が反
応時に生成するようにしてもよい。以下、塩化アンモニ
ウムでアンモニウム塩を代表させて説明する。この方法
におけるアミノメチル化反応は前出の(1) 式で示さ
れるように進行する。 【0019】このようにアミノメチル化フェノールの塩
が生成することにより、アミノメチル化フェノールの場
合に比べて、付加生成物同士の縮合を抑えて高分子化を
抑制することができる。アミノメチル化の反応条件は特
に限定されず、目的とするアミノメチル化生成物の性状
に応じて適宜決定される。以下に、代表的な反応条件を
説明する。フェノールとホルムアルデヒドとのモル比は
0.5 〜5.0 の範囲内が好ましい。このモル比が
0.5 未満であると、反応効率が低下しがちであると
同時に、低粘度の樹脂が得られるものの、硬化物のガラ
ス転移温度が低く、耐熱性が不十分となることがある。 他方、このモル比が5.0 を超えると、得られる液状
樹脂の収率が低下しがちである。 【0020】アンモニウム塩の使用量は、ホルムアルデ
ヒドに対して1〜10 (モル比) の範囲が好ましい
。アンモニウム塩/ホルムアルデヒドのモル比が1未満
では好ましくない副反応により樹脂粘度が増加しがちで
あり、他方10を超えると反応効率が低下する。アンモ
ニウム塩はそのままで添加するのが好ましい。水溶液で
添加すると反応効率が低下する。アミノメチル化反応は
20〜130 ℃の反応温度で0.1 〜10時間の反
応時間で行うことが好ましい。反応圧力は特に限定され
ないが、通常は常圧で行う。反応温度が20℃未満では
アミノメチル化反応は十分に進行せず長時間の反応時間
を必要とし、反応効率が低下しがちである。他方、13
0 ℃をこえると好ましくない副反応が進行する。 【0021】反応時間は0.1〜10時間の範囲が好ま
しい。0.1時間未満ではアミノメチル化反応は十分進
行せず、反応効率が低下しがちである。他方、10時間
を超えると好ましくない副反応が進行する。アミノメチ
ル化反応により前記化学式 で示されるようにアミノ
メチル化フェノール類の酸付加塩が生成する。塩化アン
モニウム以外のアンモニウム塩においても同様の反応に
よりそれぞれのアンモニウム塩に対応したアミノメチル
化フェノール類の酸付加塩が生成する。また、ホルムア
ルデヒド以外のアルデヒドを使用した場合、アルデヒド
の種類に応じた置換基を有するアミノメチル基を含有し
たフェノール類が得られる。 【0022】アミノメチル化反応時の反応溶媒としては
、水性溶媒が用いられる。水性溶媒にはアルコールが含
まれていてもよい。アルデヒドとしてホルマリンを使用
する場合には、それらに含まれる水が溶媒として十分で
あれば別途添加の必要はない。アミノメチル化反応終了
後は、反応生成物にアルコールを添加して一定時間放置
することが望ましい。アルコールの添加により好ましく
ない副反応が予防される。添加するアルコールの種類に
特に制限はないが、蒸留で水と分離し易いメタノールが
好ましい。その使用量も制限されないが、反応生成物と
アンモニウム塩以外の未反応原料の全量が溶解すること
が望ましい。アルコールを添加した場合は一定時間放置
後、反応生成物よりアルコールを蒸留等で除去する。 アルコールの除去は、縮合反応の進行を防止するため、
減圧蒸留により行うことが好ましい。減圧度は特に制限
はないが、副反応防止のためにはできるかぎり低圧にし
て蒸留温度を低くすることが好ましい。 【0023】反応生成物からアルコール留去後、未反応
フェノールとアミノメチル化フェノールの塩を含む混合
物が得られる。この混合物から未反応フェノールを蒸留
等により回収する。蒸留条件は特に限定されないが、好
ましくない副反応を防止するため減圧で実施することが
好ましい。回収した未反応フェノール類は再びアミノメ
チル化工程に循環させて使用することができる。このア
ミノメチル化フェノールの塩の製造においては、油相の
水洗は省略するのが望ましい。これにより、アミノメチ
ル化フェノール塩の水相への溶出による損失を抑え、さ
らにアンモニウム塩を系内に残すことによってアミノメ
チル基の分解が抑制される。 【0024】アミノメチル基が分解すると、エポキシ化
後の生成樹脂の架橋密度が低下し、ひいては耐熱性が低
下するという欠点が生じる。上述のようにして得た、未
反応フェノール回収後のアミノメチル化フェノールの塩
を出発原料として、これを常法によりアルカリ金属水酸
化物の存在下でエピハロヒドリンと反応させて、アミノ
メチル化フェノールのフェノール性水酸基およびN−ア
ミノメチル基の一部もしくは全部をエポキシ化して、低
粘度液状エポキシ樹脂を得る。エポキシ化は、エピハロ
ヒドリンの付加と、アルカリ金属水酸化物による脱ハロ
ゲン化水素を経て進行する。このエポキシ化は、アミノ
メチル化フェノールが塩の形態であっても支障なく進行
する。 【0025】エピハロヒドリンとしては、エピクロロヒ
ドリン、エピブロモヒドリン、β−メチルエピクロロヒ
ドリン等を用いることができる。エピハロヒドリンの使
用量は、原料アミノメチル化物に対する重量比で 2.
0〜30倍、好ましくは 3.0〜25倍である。アル
カリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウムなどが使用できる。アルカリ金属水酸化物の使
用量は、原料アミノメチル化物に対する重量比で0.5
〜3.0倍、好ましくは 0.8〜2.5 倍の範囲内
、特に好ましくはほぼ等モル量が好適である。アルカリ
金属水酸化物は、濃厚な水溶液あるいは顆粒状で少しづ
つ添加して反応系に加えることが好ましい。一度に多量
に添加すると、局部的に付加重合反応が起こり易い。 【0026】このエポキシ化反応は、1段階で行うこと
もできるが、付加反応と脱ハロゲン化水素反応(閉環反
応)との2段階に分けて行うこともできる。2段階反応
の場合、エピハロヒドリンの水酸基およびアミノ基への
付加反応は、相間移動触媒の共存下に40〜150 ℃
、好ましくは50〜120 ℃の温度範囲で1〜50時
間行うことが好ましい。付加反応生成物からの脱ハロゲ
ン化水素反応は、40〜150 ℃、好ましくは50〜
100 ℃の温度範囲で2〜50時間行うことが好まし
い。反応で副生する水は、エピハロヒドリンとの共沸に
より反応系外に除去しながら反応を行うことが好ましく
、また高分子化を予防するために、減圧で反応を実施し
て、共沸温度を低下させることが好ましい。 【0027】エポキシ化反応の終了後、反応混合物から
エポキシ樹脂生成物を回収する。樹脂の回収は、例えば
、樹脂溶液からエピハロヒドリンを蒸留で回収し、次に
溶剤抽出により溶剤可溶性の本発明のエポキシ樹脂をア
ルカリ金属塩および溶剤不溶性の樹脂分から分離するこ
とにより行うことができる。この溶剤抽出に用いる溶剤
は、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
系溶剤や、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトンなどのケトン系溶剤が好ましい。溶剤の使
用量は、低粘度液状エポキシ樹脂の抽出に十分な量であ
れば特に限定されない。得られた抽出液から溶剤を蒸留
で分離して、目的とする低粘度液状エポキシ樹脂を単離
することができる。 【0028】上述した方法により得られる本発明の低粘
度液状エポキシ樹脂は、ベンゼン環上にグリシジルエー
テル基の他にN−グリシジルアミノアルキル基を含有し
、一部はジアルキレンアミノ基やトリアルキレンアミノ
基により架橋された構造を有する。例えば、フェノ−ル
のアミノメチル化に、ホルムアルデヒドおよび塩化アン
モニウムを使用した場合、得られたエポキシ樹脂はグリ
シジルエーテル基の他にN−ジグリシジルアミノメチル
基、ジメチレングリシジルアミノ基、およびトリメチレ
ンアミノ基などの少なくとも1種のアミノ含有基を有す
る、多様な単核もしくは多核エポキシ化合物の混合物か
らなると考えられる。かかる構造のエポキシ化合物の例
を次に示す。 【0029】 【化5】 【0030】前述した従来の単味のレゾール化合物から
誘導されたエポキシ樹脂が常温で固形あるいは粘稠液体
であったのに対し、本発明のエポキシ樹脂は常温で低粘
度の液状樹脂として得られる。これは、本発明のエポキ
シ樹脂が、多様な成分の混合物であり、架橋構造の割合
が少ないためであると推測される。特に、本発明の方法
では、未反応フェノールの回収段階でのアミノメチル化
フェノール同士の縮合が防止されているので、エポキシ
化した後も架橋構造が少なく、低粘度のエポキシ樹脂が
得られる。しかも、未反応フェノールのエポキシ化物を
含まないため、樹脂は耐熱性に優れている。 【0031】本発明の低粘度液状エポキシ樹脂は、従来
から使用されているエポキシ硬化剤を同様に用いること
により硬化させることができる。使用しうる硬化剤の具
体例としては、アミン系硬化剤、ポリアミノアミド系硬
化剤、酸および酸無水物系硬化剤などが例示される。こ
れらの硬化剤の中では、芳香族アミン系硬化剤が、得ら
れる硬化物のガラス転移温度が高くなり、耐熱性に優れ
た硬化物を与えるため、特に好ましい。硬化剤の使用量
は、エポキシ樹脂のエポキシ当量に基づいて従来のエポ
キシ樹脂と同程度でよい。 【0032】本発明のエポキシ樹脂の硬化は、エポキシ
基の開環重合が関与して進行すると考えられる。従来の
レゾールの硬化では、上述したように粘度低下のために
添加した水および縮合水の蒸発による発泡の問題があっ
たが、本発明のエポキシ樹脂の硬化物には発泡が認めら
れない。これは、本発明の樹脂中には水分が含まれない
こと、およびアミノメチル基の生成により遊離のメチロ
ール基の量が少ないため、縮合反応がほとんど起こらず
、縮合水の生成量もごく少ないためではないかと推測さ
れる。 【0033】低粘度の液状であるため、本発明のエポキ
シ樹脂は成形性に優れている。また、本発明のエポキシ
樹脂の硬化物は、耐熱性、耐水性および機械特性にも優
れている。このエポキシ樹脂は単独で被覆、接着、各種
成形用途に、あるいは電子部品の封入もしくは基板材料
として使用することができる。また、低粘度液状である
という特性を生かして、複合材料のマトリックス樹脂と
して有利に使用することができ、例えば、強化用繊維を
配合してFRPを製造するのに適している。特にFW法
によりFRPを製造する際のマトリックス樹脂として好
適である。本発明のエポキシ樹脂の有用な性質を損なわ
ない範囲で、他のエポキシ樹脂を混合して使用すること
もできる。 【0034】 【実施例】以下、本発明による実施例を示し、本発明を
具体的に例示する。 【実施例1】(フェノールのアミノメチル化)攪拌装置
、温度計、窒素導入管、温度計、滴下ロートおよび還流
管を備えた容量2リットルの5口フラスコにフェノール
470g、および、塩化アンモニウム535 gを仕込
み、攪拌下で昇温を開始し、50℃還流したで37%ホ
ルマリン水溶液 203gを徐々に滴下した。滴下終了
後、80℃に昇温し、1時間反応させた。この反応系に
おけるホルムアルデヒド/フェノールのモル比は1.0
であり、塩化アンモニウム/ホルムアルデヒドのモル
比は2であった。 【0035】得られた反応液にメタノール1.5 リッ
トルを加えて1時間攪拌後、一晩放置することにより固
液分離し、液相のメタノールをエバポレーターで完全に
留去することによりアミノメチル化フェノールの塩を主
成分とする混合物 660gを得た。この混合物中に含
まれる未反応フェノールの含有量は約16重量%であり
、未反応ホルムアルデヒドは検出されなかった。 【0036】(未反応フェノールの回収) 上記のアミ
ノメチル化フェノールの塩を主成分とする混合物660
gから、蒸留により未反応物であるフェノールの回収を
行った。蒸留条件は5mmHg、温度180 ℃であっ
た。蒸留後のアミノメチル化フェノール塩混合物の重量
は341gで、未反応フェノールの含有量は1%以下で
あった。 【0037】(アミノメチル化フェノール塩のエポキシ
化) 攪拌装置、温度計、窒素導入管、滴下ロート、お
よび、エピクロロヒドリンと水との共沸混合物を凝縮分
離して下層のエピクロロヒドリン層を反応器に戻すため
の分離器を備えた容量1リットルの5口フラスコに、実
施例1で得られたアミノメチル化物70g、エピクロロ
ヒドリン509 g、50%塩化テトラメチルアンモニ
ウム水溶液29gを仕込み、攪拌しながら昇温を開始し
、60℃で1時間加熱して、エピクロロヒドリンの付加
反応を行った。 【0038】次いで、反応液の温度を85℃に上げた後
、該フラスコ内に水酸化ナトリウム70.4gを約3.
5 時間かけて添加して、脱塩化水素による閉環反応を
終了した。 さらに上記反応条件に約30分間保持して、反応系から
水を完全に除去した後、エバポレーターでエピクロロヒ
ドリンを留去した。残留する反応生成物にトルエン約1
.5 リットルを加えて、室温で樹脂成分を溶解させ、
濾過した。濾液からトルエンをエバポレーターで留去し
て、溶剤可溶性の本発明の低粘度液状エポキシ樹脂生成
物約124 gを得た。このエポキシ樹脂の粘度は20
℃で900cp であり、数平均分子量は406 であ
った。このエポキシ樹脂のエポキシ当量を塩酸−ジオキ
サン法で測定したところ、約142g/モルであった。 【0039】(エポキシ樹脂の硬化) 上で得た液状エ
ポキシ樹脂に、市販の芳香族アミン系硬化剤であるアン
カミンを26%phr の量で混合し、金型に入れ、7
0℃で1時間、190 ℃で3時間硬化させた。その結
果、高強度の硬化物が得られた。得られた硬化物の15
0 ℃における曲げ強度は6kgf/mm2であった。 【0040】[比較例]市販のビスフェノールAグリシ
ジルエーテル型のエポキシ樹脂であるDER330(ダ
ウケミカル社製) にアンカミン23%phr を混合
し、上記実施例と同様の硬化条件で硬化させた。得られ
た硬化物の150℃における曲げ強度は4kgf/mm
2であった。 【0041】 【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂は、常温で低粘度
の液状樹脂であるにもかかわらず、従来のエポキシ樹脂
と同様の硬化時間で硬化させることができ、それにより
耐熱性に優れた硬化物を形成することができる。また、
硬化物の耐水性および機械特性も良好である。従って、
本発明のエポキシ樹脂は、成形性に優れ、従来のレゾー
ルに比べて短時間で硬化させることができ、発泡の問題
も生じない上、可使時間が長いことから、作業性に著し
く優れている。さらに、このエポキシ樹脂の硬化物は、
従来の慣用のエポキシ樹脂に比べて高温での強度が優れ
ており、レゾールと同程度の高い耐熱性を示す。このよ
うな特性により、本発明の低粘度液状エポキシ樹脂は、
各種成形材料、電子部品の封入材および基板、複合材料
のマトリックス樹脂、さらには接着剤、被覆材料等の幅
広い用途に利用可能であり、特にFRPの製造、中でも
FW法によるFRPの製造に好適である。
および用途に関する。本発明によるエポキシ樹脂は一般
に常温で低粘度液状の性状を示し、耐熱性、耐水性およ
び機械的特性に優れた硬化物を与えるので、各種成形材
料、電子部品用封入材および基板、複合材料のマトリク
ス樹脂、さらには接着剤や被覆材料等の幅広い用途を有
している。 【0002】 【従来の技術】FW法(フィラメントワインディング法
)は、熱硬化性樹脂をガラス繊維や炭素繊維等の強化繊
維基材に含浸してマンドリルに巻きつけ、樹脂を硬化さ
せた後にマンドリルを抜き取ることにより、複合材製品
であるFRP(繊維強化プラスチック)を製造する方法
である。FW法によると、繊維を任意の方向に配列して
強度、剛性等の特性を付与することができるので、特に
高強度のFRPの製造に好適な方法である。FW法に用
いる代表的な熱硬化性樹脂には、フェノール樹脂、エポ
キシ樹脂等がある。高強度のFRPを製造する場合、繊
維基材に良く含浸する低粘度の液状樹脂を用いる。 【0003】レゾールを用いてフェノール樹脂をマトリ
ックス樹脂とするFRPの製造では次の問題点があった
。即ち、レゾールの硬化時に硬化物が発泡しやすく、こ
れを防止するには作業効率が悪くなり、高価な触媒によ
る方法では費用、硬化物の品質の点で難点がある。また
、低粘度レゾールでは未反応のフェノールが大量に残存
し、硬化特性が良くない。高粘度レゾールを加熱や溶剤
により低粘度化する場合は、可使時間が短くなることや
溶剤除去の問題があった。このように、フェノール樹脂
ではFW法に必要な流動性と硬化特性との両者を満足し
うるものがなかった。 【0004】一方、エポキシ樹脂は硬化時間が短い等の
硬化特性にすぐれ、種々の分野で幅広く利用されている
。エポキシ樹脂の中ではビスフェノールAのグリシジル
エーテルがFW法にも特に多用されている。しかし、得
られる硬化物のガラス転移温度が低いので、耐熱性が要
求される分野には使用できない。 【0005】耐熱性が要求される分野には、フェノール
ノボラック、クレゾールノボラック等を原料とする、多
官能型のエポキシ樹脂、即ちエポキシノボラック樹脂が
利用されるが、常温での性状が粘稠な液体ないし固体で
ある。また、単味のレゾール化合物、即ちp−クレゾー
ルジアルコール、o−クレゾールジアルコール、および
クレゾール2核体ジアルコールをそれぞれエピクロロヒ
ドリンと反応させて、フェノール性水酸基をエポキシ化
したエポキシ樹脂化合物が知られているが、いずれも常
温で結晶あるいは粘稠な液体であり、FRPの製造には
適していない。また、硬化物のバイブロン法によるガラ
ス転移温度は最大でも160 ℃であり耐熱性も十分で
はない。 【0006】また、メタキシリレンジアミン、ジアミン
ノジフェニルメタンおよび5−アミノ−1− ナフトー
ル等の単味の芳香族アミン化合物をそれぞれエピクロロ
ヒドリンと反応させて、アミノ基の活性水素をエポキシ
化したエポキシ樹脂も公知であり、これらは常温で低粘
度の液体であり、FRPの製造に適している(特公昭5
4−65798号および同59−78177号公報)
。しかし、これらのエポキシ樹脂は特殊なアミノ化合物
を原料とするため現状では高価であり、大量使用には適
していない。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上述した
エポキシ樹脂およびフェノール樹脂が有する問題点を解
決することを目的として、アミノメチル化フェノール類
を原料とするエポキシ樹脂の製法を先に提案した。アミ
ノメチル化フェノール類を用いたエポキシ樹脂は、耐熱
性、流動性および硬化特性を同時に改善することができ
、しかも比較的安価に製造できる点で優れている。 【0008】さらに、このアミノメチル化フェノール類
の製法として、フェノール類とアルデヒド類とアンモニ
ウム塩とを反応させる方法が高分子化等の副反応の抑制
に有効であり、低粘度エポキシ樹脂原料の製法として有
用であることも提案した。この方法では、フェノール類
としてフェノールを、アルデヒド類としてホルムアルデ
ヒドを、アンモニウム塩として塩化アンモニウムを選択
した場合、以下のようにしてアミノメチル化フェノール
が合成される。 【0009】 【化1】 【0010】 【化2】 【0011】上記(1) 式のようにアミノメチル化フ
ェノールの酸付加塩を生成させることにより付加生成物
同士の縮合を抑えて高分子化を抑制できる利点がある。 次いで(2) 式のように中和して得たアミノメチル化
フェノールを原料としてエポキシ樹脂を製造する場合、
未反応フェノール類等が残存した混合物のままでも利用
できるが、耐熱性が優れたエポキシ樹脂を得るためには
、未反応のフェノール類を分離しておくことが望ましい
。しかし、中和反応を行った後に未反応フェノール類を
、例えば蒸留等の手段で回収すると、蒸留条件によって
は次のようなアミノメチルフェノール同士の縮合あるい
は脱アンモニア反応等が起こる。 【0012】縮合反応 【化3】 【0013】脱アンモニア反応 【化4】 【0014】これらの反応が生じると、エポキシ化した
後の樹脂粘度の増加、架橋密度の低下、ひいては耐熱性
の低下が起こるという欠点があった。本発明は、フェノ
ール類をアルデヒド類とアンモニウム塩とでアミノメチ
ル化し、これをエポキシ化してエポキシ樹脂を製造する
方法において、上記の欠点を解消して耐熱性、流動性お
よび硬化特性に優れ、しかも比較的安価なエポキシ樹脂
を得ることを目的とする。 【0015】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく検討した結果、フェノール類をアルデヒド類
とアンモニウム塩とでアミノメチル化する際に、アミノ
メチル化後中和処理を行わずに未反応フェノール類の回
収を行えば、上記のような縮合反応や脱アンモニア反応
が抑制されることを見出し、本発明を完成させた。 【0016】本発明の要旨は、■フェノール類とアルデ
ヒド類とアンモニウム塩とを反応させるフェノール類の
アミノメチル化工程、■中和処理を行うことなく、未反
応フェノール類を回収する工程、および■アミノメチル
化フェノール類の塩を含む反応生成物をエポキシ化する
工程、からなることを特徴とするエポキシ樹脂の製造方
法にある。また、本発明により、上記方法で得たエポキ
シ樹脂を用いた成形材料およびFW法によるFRPの製
造方法も提供される。 【0017】以下に本発明を詳しく説明する。本発明方
法によればエポキシ樹脂は、フェノール類とアルデヒド
類とアンモニウム塩とを反応させ、フェノール類のアミ
ノメチル化物の塩を得て、中和処理することなく未反応
フェノール類を回収後、エポキシ化することにより得ら
れる。原料のフェノール類としてはフェノール、クレゾ
ール、キシレノール、エチルフェノール、フェニルフェ
ノール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、
ナフトール、メチルナフトール等の少なくとも1個のフ
ェノール性水酸基を有する化合物を単独であるいは2種
以上混合して使用することができる。以下、フェノール
でフェノール類を代表させて説明する。 【0018】アルデヒド類としてはホルムアルデヒド、
アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等の脂肪族あるい
は芳香族アルデヒド、またはトリオキサン、パラホルム
アルデヒド等のアルデヒド発生物質を単独あるいは2種
以上混合して使用することができる。以下、ホルムアル
デヒドでアルデヒド類を代表させて説明する。ホルムア
ルデヒドとしては、その水溶液であるホルマリンを使用
することもできる。アンモニウム塩としては、塩化アン
モニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸
アンモニウム等が用いられる。また、アンモニアと無機
酸とを反応時に添加して、これらのアンモニウム塩が反
応時に生成するようにしてもよい。以下、塩化アンモニ
ウムでアンモニウム塩を代表させて説明する。この方法
におけるアミノメチル化反応は前出の(1) 式で示さ
れるように進行する。 【0019】このようにアミノメチル化フェノールの塩
が生成することにより、アミノメチル化フェノールの場
合に比べて、付加生成物同士の縮合を抑えて高分子化を
抑制することができる。アミノメチル化の反応条件は特
に限定されず、目的とするアミノメチル化生成物の性状
に応じて適宜決定される。以下に、代表的な反応条件を
説明する。フェノールとホルムアルデヒドとのモル比は
0.5 〜5.0 の範囲内が好ましい。このモル比が
0.5 未満であると、反応効率が低下しがちであると
同時に、低粘度の樹脂が得られるものの、硬化物のガラ
ス転移温度が低く、耐熱性が不十分となることがある。 他方、このモル比が5.0 を超えると、得られる液状
樹脂の収率が低下しがちである。 【0020】アンモニウム塩の使用量は、ホルムアルデ
ヒドに対して1〜10 (モル比) の範囲が好ましい
。アンモニウム塩/ホルムアルデヒドのモル比が1未満
では好ましくない副反応により樹脂粘度が増加しがちで
あり、他方10を超えると反応効率が低下する。アンモ
ニウム塩はそのままで添加するのが好ましい。水溶液で
添加すると反応効率が低下する。アミノメチル化反応は
20〜130 ℃の反応温度で0.1 〜10時間の反
応時間で行うことが好ましい。反応圧力は特に限定され
ないが、通常は常圧で行う。反応温度が20℃未満では
アミノメチル化反応は十分に進行せず長時間の反応時間
を必要とし、反応効率が低下しがちである。他方、13
0 ℃をこえると好ましくない副反応が進行する。 【0021】反応時間は0.1〜10時間の範囲が好ま
しい。0.1時間未満ではアミノメチル化反応は十分進
行せず、反応効率が低下しがちである。他方、10時間
を超えると好ましくない副反応が進行する。アミノメチ
ル化反応により前記化学式 で示されるようにアミノ
メチル化フェノール類の酸付加塩が生成する。塩化アン
モニウム以外のアンモニウム塩においても同様の反応に
よりそれぞれのアンモニウム塩に対応したアミノメチル
化フェノール類の酸付加塩が生成する。また、ホルムア
ルデヒド以外のアルデヒドを使用した場合、アルデヒド
の種類に応じた置換基を有するアミノメチル基を含有し
たフェノール類が得られる。 【0022】アミノメチル化反応時の反応溶媒としては
、水性溶媒が用いられる。水性溶媒にはアルコールが含
まれていてもよい。アルデヒドとしてホルマリンを使用
する場合には、それらに含まれる水が溶媒として十分で
あれば別途添加の必要はない。アミノメチル化反応終了
後は、反応生成物にアルコールを添加して一定時間放置
することが望ましい。アルコールの添加により好ましく
ない副反応が予防される。添加するアルコールの種類に
特に制限はないが、蒸留で水と分離し易いメタノールが
好ましい。その使用量も制限されないが、反応生成物と
アンモニウム塩以外の未反応原料の全量が溶解すること
が望ましい。アルコールを添加した場合は一定時間放置
後、反応生成物よりアルコールを蒸留等で除去する。 アルコールの除去は、縮合反応の進行を防止するため、
減圧蒸留により行うことが好ましい。減圧度は特に制限
はないが、副反応防止のためにはできるかぎり低圧にし
て蒸留温度を低くすることが好ましい。 【0023】反応生成物からアルコール留去後、未反応
フェノールとアミノメチル化フェノールの塩を含む混合
物が得られる。この混合物から未反応フェノールを蒸留
等により回収する。蒸留条件は特に限定されないが、好
ましくない副反応を防止するため減圧で実施することが
好ましい。回収した未反応フェノール類は再びアミノメ
チル化工程に循環させて使用することができる。このア
ミノメチル化フェノールの塩の製造においては、油相の
水洗は省略するのが望ましい。これにより、アミノメチ
ル化フェノール塩の水相への溶出による損失を抑え、さ
らにアンモニウム塩を系内に残すことによってアミノメ
チル基の分解が抑制される。 【0024】アミノメチル基が分解すると、エポキシ化
後の生成樹脂の架橋密度が低下し、ひいては耐熱性が低
下するという欠点が生じる。上述のようにして得た、未
反応フェノール回収後のアミノメチル化フェノールの塩
を出発原料として、これを常法によりアルカリ金属水酸
化物の存在下でエピハロヒドリンと反応させて、アミノ
メチル化フェノールのフェノール性水酸基およびN−ア
ミノメチル基の一部もしくは全部をエポキシ化して、低
粘度液状エポキシ樹脂を得る。エポキシ化は、エピハロ
ヒドリンの付加と、アルカリ金属水酸化物による脱ハロ
ゲン化水素を経て進行する。このエポキシ化は、アミノ
メチル化フェノールが塩の形態であっても支障なく進行
する。 【0025】エピハロヒドリンとしては、エピクロロヒ
ドリン、エピブロモヒドリン、β−メチルエピクロロヒ
ドリン等を用いることができる。エピハロヒドリンの使
用量は、原料アミノメチル化物に対する重量比で 2.
0〜30倍、好ましくは 3.0〜25倍である。アル
カリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウムなどが使用できる。アルカリ金属水酸化物の使
用量は、原料アミノメチル化物に対する重量比で0.5
〜3.0倍、好ましくは 0.8〜2.5 倍の範囲内
、特に好ましくはほぼ等モル量が好適である。アルカリ
金属水酸化物は、濃厚な水溶液あるいは顆粒状で少しづ
つ添加して反応系に加えることが好ましい。一度に多量
に添加すると、局部的に付加重合反応が起こり易い。 【0026】このエポキシ化反応は、1段階で行うこと
もできるが、付加反応と脱ハロゲン化水素反応(閉環反
応)との2段階に分けて行うこともできる。2段階反応
の場合、エピハロヒドリンの水酸基およびアミノ基への
付加反応は、相間移動触媒の共存下に40〜150 ℃
、好ましくは50〜120 ℃の温度範囲で1〜50時
間行うことが好ましい。付加反応生成物からの脱ハロゲ
ン化水素反応は、40〜150 ℃、好ましくは50〜
100 ℃の温度範囲で2〜50時間行うことが好まし
い。反応で副生する水は、エピハロヒドリンとの共沸に
より反応系外に除去しながら反応を行うことが好ましく
、また高分子化を予防するために、減圧で反応を実施し
て、共沸温度を低下させることが好ましい。 【0027】エポキシ化反応の終了後、反応混合物から
エポキシ樹脂生成物を回収する。樹脂の回収は、例えば
、樹脂溶液からエピハロヒドリンを蒸留で回収し、次に
溶剤抽出により溶剤可溶性の本発明のエポキシ樹脂をア
ルカリ金属塩および溶剤不溶性の樹脂分から分離するこ
とにより行うことができる。この溶剤抽出に用いる溶剤
は、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
系溶剤や、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトンなどのケトン系溶剤が好ましい。溶剤の使
用量は、低粘度液状エポキシ樹脂の抽出に十分な量であ
れば特に限定されない。得られた抽出液から溶剤を蒸留
で分離して、目的とする低粘度液状エポキシ樹脂を単離
することができる。 【0028】上述した方法により得られる本発明の低粘
度液状エポキシ樹脂は、ベンゼン環上にグリシジルエー
テル基の他にN−グリシジルアミノアルキル基を含有し
、一部はジアルキレンアミノ基やトリアルキレンアミノ
基により架橋された構造を有する。例えば、フェノ−ル
のアミノメチル化に、ホルムアルデヒドおよび塩化アン
モニウムを使用した場合、得られたエポキシ樹脂はグリ
シジルエーテル基の他にN−ジグリシジルアミノメチル
基、ジメチレングリシジルアミノ基、およびトリメチレ
ンアミノ基などの少なくとも1種のアミノ含有基を有す
る、多様な単核もしくは多核エポキシ化合物の混合物か
らなると考えられる。かかる構造のエポキシ化合物の例
を次に示す。 【0029】 【化5】 【0030】前述した従来の単味のレゾール化合物から
誘導されたエポキシ樹脂が常温で固形あるいは粘稠液体
であったのに対し、本発明のエポキシ樹脂は常温で低粘
度の液状樹脂として得られる。これは、本発明のエポキ
シ樹脂が、多様な成分の混合物であり、架橋構造の割合
が少ないためであると推測される。特に、本発明の方法
では、未反応フェノールの回収段階でのアミノメチル化
フェノール同士の縮合が防止されているので、エポキシ
化した後も架橋構造が少なく、低粘度のエポキシ樹脂が
得られる。しかも、未反応フェノールのエポキシ化物を
含まないため、樹脂は耐熱性に優れている。 【0031】本発明の低粘度液状エポキシ樹脂は、従来
から使用されているエポキシ硬化剤を同様に用いること
により硬化させることができる。使用しうる硬化剤の具
体例としては、アミン系硬化剤、ポリアミノアミド系硬
化剤、酸および酸無水物系硬化剤などが例示される。こ
れらの硬化剤の中では、芳香族アミン系硬化剤が、得ら
れる硬化物のガラス転移温度が高くなり、耐熱性に優れ
た硬化物を与えるため、特に好ましい。硬化剤の使用量
は、エポキシ樹脂のエポキシ当量に基づいて従来のエポ
キシ樹脂と同程度でよい。 【0032】本発明のエポキシ樹脂の硬化は、エポキシ
基の開環重合が関与して進行すると考えられる。従来の
レゾールの硬化では、上述したように粘度低下のために
添加した水および縮合水の蒸発による発泡の問題があっ
たが、本発明のエポキシ樹脂の硬化物には発泡が認めら
れない。これは、本発明の樹脂中には水分が含まれない
こと、およびアミノメチル基の生成により遊離のメチロ
ール基の量が少ないため、縮合反応がほとんど起こらず
、縮合水の生成量もごく少ないためではないかと推測さ
れる。 【0033】低粘度の液状であるため、本発明のエポキ
シ樹脂は成形性に優れている。また、本発明のエポキシ
樹脂の硬化物は、耐熱性、耐水性および機械特性にも優
れている。このエポキシ樹脂は単独で被覆、接着、各種
成形用途に、あるいは電子部品の封入もしくは基板材料
として使用することができる。また、低粘度液状である
という特性を生かして、複合材料のマトリックス樹脂と
して有利に使用することができ、例えば、強化用繊維を
配合してFRPを製造するのに適している。特にFW法
によりFRPを製造する際のマトリックス樹脂として好
適である。本発明のエポキシ樹脂の有用な性質を損なわ
ない範囲で、他のエポキシ樹脂を混合して使用すること
もできる。 【0034】 【実施例】以下、本発明による実施例を示し、本発明を
具体的に例示する。 【実施例1】(フェノールのアミノメチル化)攪拌装置
、温度計、窒素導入管、温度計、滴下ロートおよび還流
管を備えた容量2リットルの5口フラスコにフェノール
470g、および、塩化アンモニウム535 gを仕込
み、攪拌下で昇温を開始し、50℃還流したで37%ホ
ルマリン水溶液 203gを徐々に滴下した。滴下終了
後、80℃に昇温し、1時間反応させた。この反応系に
おけるホルムアルデヒド/フェノールのモル比は1.0
であり、塩化アンモニウム/ホルムアルデヒドのモル
比は2であった。 【0035】得られた反応液にメタノール1.5 リッ
トルを加えて1時間攪拌後、一晩放置することにより固
液分離し、液相のメタノールをエバポレーターで完全に
留去することによりアミノメチル化フェノールの塩を主
成分とする混合物 660gを得た。この混合物中に含
まれる未反応フェノールの含有量は約16重量%であり
、未反応ホルムアルデヒドは検出されなかった。 【0036】(未反応フェノールの回収) 上記のアミ
ノメチル化フェノールの塩を主成分とする混合物660
gから、蒸留により未反応物であるフェノールの回収を
行った。蒸留条件は5mmHg、温度180 ℃であっ
た。蒸留後のアミノメチル化フェノール塩混合物の重量
は341gで、未反応フェノールの含有量は1%以下で
あった。 【0037】(アミノメチル化フェノール塩のエポキシ
化) 攪拌装置、温度計、窒素導入管、滴下ロート、お
よび、エピクロロヒドリンと水との共沸混合物を凝縮分
離して下層のエピクロロヒドリン層を反応器に戻すため
の分離器を備えた容量1リットルの5口フラスコに、実
施例1で得られたアミノメチル化物70g、エピクロロ
ヒドリン509 g、50%塩化テトラメチルアンモニ
ウム水溶液29gを仕込み、攪拌しながら昇温を開始し
、60℃で1時間加熱して、エピクロロヒドリンの付加
反応を行った。 【0038】次いで、反応液の温度を85℃に上げた後
、該フラスコ内に水酸化ナトリウム70.4gを約3.
5 時間かけて添加して、脱塩化水素による閉環反応を
終了した。 さらに上記反応条件に約30分間保持して、反応系から
水を完全に除去した後、エバポレーターでエピクロロヒ
ドリンを留去した。残留する反応生成物にトルエン約1
.5 リットルを加えて、室温で樹脂成分を溶解させ、
濾過した。濾液からトルエンをエバポレーターで留去し
て、溶剤可溶性の本発明の低粘度液状エポキシ樹脂生成
物約124 gを得た。このエポキシ樹脂の粘度は20
℃で900cp であり、数平均分子量は406 であ
った。このエポキシ樹脂のエポキシ当量を塩酸−ジオキ
サン法で測定したところ、約142g/モルであった。 【0039】(エポキシ樹脂の硬化) 上で得た液状エ
ポキシ樹脂に、市販の芳香族アミン系硬化剤であるアン
カミンを26%phr の量で混合し、金型に入れ、7
0℃で1時間、190 ℃で3時間硬化させた。その結
果、高強度の硬化物が得られた。得られた硬化物の15
0 ℃における曲げ強度は6kgf/mm2であった。 【0040】[比較例]市販のビスフェノールAグリシ
ジルエーテル型のエポキシ樹脂であるDER330(ダ
ウケミカル社製) にアンカミン23%phr を混合
し、上記実施例と同様の硬化条件で硬化させた。得られ
た硬化物の150℃における曲げ強度は4kgf/mm
2であった。 【0041】 【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂は、常温で低粘度
の液状樹脂であるにもかかわらず、従来のエポキシ樹脂
と同様の硬化時間で硬化させることができ、それにより
耐熱性に優れた硬化物を形成することができる。また、
硬化物の耐水性および機械特性も良好である。従って、
本発明のエポキシ樹脂は、成形性に優れ、従来のレゾー
ルに比べて短時間で硬化させることができ、発泡の問題
も生じない上、可使時間が長いことから、作業性に著し
く優れている。さらに、このエポキシ樹脂の硬化物は、
従来の慣用のエポキシ樹脂に比べて高温での強度が優れ
ており、レゾールと同程度の高い耐熱性を示す。このよ
うな特性により、本発明の低粘度液状エポキシ樹脂は、
各種成形材料、電子部品の封入材および基板、複合材料
のマトリックス樹脂、さらには接着剤、被覆材料等の幅
広い用途に利用可能であり、特にFRPの製造、中でも
FW法によるFRPの製造に好適である。
Claims (3)
- 【請求項1】 ■フェノール類とアルデヒド類とアン
モニウム塩とを反応させるフェノール類のアミノメチル
化工程、■中和処理を行うことなく、未反応フェノール
類を回収する工程、および■アミノメチル化フェノール
類の塩を含む反応生成物をエポキシ化する工程、からな
ることを特徴とするエポキシ樹脂の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の方法で得られたエポキ
シ樹脂と強化用繊維とを含有する成形材料。 - 【請求項3】 請求項1記載の方法で得られたエポキ
シ樹脂を使用して、フィラメントワインディング法によ
り繊維強化プラスチック製品を製造する方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1584991A JPH04236233A (ja) | 1991-01-16 | 1991-01-16 | エポキシ樹脂の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1584991A JPH04236233A (ja) | 1991-01-16 | 1991-01-16 | エポキシ樹脂の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04236233A true JPH04236233A (ja) | 1992-08-25 |
Family
ID=11900267
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1584991A Withdrawn JPH04236233A (ja) | 1991-01-16 | 1991-01-16 | エポキシ樹脂の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH04236233A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN106467714A (zh) * | 2015-08-18 | 2017-03-01 | 意禾新材料科技(常州)有限公司 | 板材生产用胶黏剂及应用该胶黏剂的板材的生产方法 |
| CN106497467A (zh) * | 2015-09-06 | 2017-03-15 | 意禾新材料科技(常州)有限公司 | 板材生产用胶黏剂及应用该胶黏剂的板材的生产方法 |
| CN106497466A (zh) * | 2015-09-06 | 2017-03-15 | 意禾新材料科技(常州)有限公司 | 康倍特板生产用胶黏剂及康倍特板的生产方法 |
-
1991
- 1991-01-16 JP JP1584991A patent/JPH04236233A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN106467714A (zh) * | 2015-08-18 | 2017-03-01 | 意禾新材料科技(常州)有限公司 | 板材生产用胶黏剂及应用该胶黏剂的板材的生产方法 |
| CN106497467A (zh) * | 2015-09-06 | 2017-03-15 | 意禾新材料科技(常州)有限公司 | 板材生产用胶黏剂及应用该胶黏剂的板材的生产方法 |
| CN106497466A (zh) * | 2015-09-06 | 2017-03-15 | 意禾新材料科技(常州)有限公司 | 康倍特板生产用胶黏剂及康倍特板的生产方法 |
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