JPH0611233B2 - L−含セレンアミノ酸の製造方法 - Google Patents

L−含セレンアミノ酸の製造方法

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JPH0611233B2
JPH0611233B2 JP8698286A JP8698286A JPH0611233B2 JP H0611233 B2 JPH0611233 B2 JP H0611233B2 JP 8698286 A JP8698286 A JP 8698286A JP 8698286 A JP8698286 A JP 8698286A JP H0611233 B2 JPH0611233 B2 JP H0611233B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、トリプトファンシンターゼの存在下にL−セ
リンをアルカリ金属二セレン化物またはアルカリ金属セ
レン化水素と反応させ、L−セレノシスチンを製造する
方法に関する。
L−セレノシスチンは、重金属中毒の解毒作用や抗癌作
用を有する有用な化合物である。
(従来の技術) L−セレノシスチンの代表的製法としては、O−アセチ
ルホモセリン(チオール)リアーゼ[EC4.2.9
9.10]の存在下、O−アセチルセリンと二セレン化
ナトリウムとを反応させる方法(Agric.Biol.Chem.,Vo
l.49,No.4,p.1143-1150(1985))が知られているが、O−
アセチルセリンが高価であり、工業的な製法としては必
ずしも有利な方法とは思われない。
(発明が解決しようとする問題点) このような状況のもとで、本発明者らは、L−セレノシ
スチンの新しい製造法に関して研究を重ねた結果、トリ
プトファンシンターゼの存在下にL−セリンを、アルカ
リ金属二セレン化物またはアルカリ金属セレン化水素と
反応させることにより、L−セレノシスチンが、生成す
ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成し
た。
(問題を解決するための手段) トリプトファンシンターゼは、微生物、高等植物などに
広く存在していることが知られており(例えば、Bacter
iological Reviews,Vol.39,No.2,p.87-120(1975))、本
発明においても酵素源は特に限定されないが、通常は微
生物起源のものが用いられる。トリプトファンシンター
ゼを生産する菌株としては、たとえば、エシェリヒア・
コリ(Escherichia coli)MT-10232(FERM BP-19)、エシエ
リヒア・コリMT-10242(FERM BP-20)、ノイロスポラ・ク
ラッサ(Neurospora crassa)ATCC-14692、サッカロミセ
ス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)ATCC-26787
などがある。エシエリヒア・コリの培養菌体からのトリ
プトファンシンターゼの抽出法については、The Journa
l of Biological Chemistry,Vol.249,No.24,p.7756-776
3(1974年)、ノイロスポラ・クラッサの培養菌体からの
抽出法については、同Vol.250,No.8,p.2941-2946(1975
年)、サッカロミセス・セレビシエの培養菌体からの抽
出法については、European Journal of Biochemistry,V
ol.102,p.159-165(1979年)に記載され知られている。し
かし、本発明に使用されるトリプトファンシンターゼ
は、必ずしも抽出された純粋な物である必要はない。す
なわち、トリプトファンシンターゼ生産菌の培養物、培
養物から遠心分離などの方法によって採取した生菌体、
その乾燥菌体あるいは菌体を磨砕、自己消化、超音波処
理などをすることによって得られる菌体処理物、更に
は、これらの菌体よりの抽出物並びに該抽出物より得ら
れる酵素の粗製物であっても利用できる。もちろん、こ
れらの固定化物でもよい。
トリプトファンシンターゼ生産菌を培養するための培地
としては、炭素源、窒素源、無機物および必要に応じて
少量の微量栄養素を含むものであれば、合成培地または
天然培地の何れも使用可能である。培地へ微量のトリプ
トファンまたはインドールを添加することが有効なこと
もある。また、培地へ微量のインドールアクリル酸を添
加することによりトリプトファンシンターゼ生産量が高
まることもある。
培養は、振盪培養あるいは通気攪拌培養などの好気的条
件下で行う。培養温度は20〜40℃、通常は25〜37℃の範
囲である。培養液のpHは5〜8である。
トリプトファンシンターゼは、インドール-3-グリセロ
燐酸とL-セリンからL-トリプトファンを合成する反応の
他に種々の反応を触媒する多機能酵素であることは良く
知られている。(例えば、Advances in Enzymology and
Related Areas of Molecular Biology,Vol.49,p.127-1
85(1979))しかしながら、トリプトファンシンターゼに
よる本発明の反応は、本発明者らが初めて見出したもの
である。
基質であるアルカリ金属二セレン化物としては、例えば
二セレン化ナトリウム、二セレン化カリウム、二セレン
化リチウムなど、アルカリ金属セレン化水素としては、
セレン化水素ナトリウム、セレン化水素カリウム、セレ
ン化水素リチウムなどを用いることができる。
本発明においては、トリプトファンシンターゼの存在
下、通常pH6〜10の水性媒質中で、L-セリンとアルカリ
金属二セレン化物またはアルカリ金属セレン化水素とを
反応させる。反応温度は20〜60℃が適当である。反応時
間は、酵素力価、基質濃度、その他の条件により異なる
が、回分反応では通常1〜100時間である。反応は、静
置またはゆるやかな攪拌下に行われる。基質であるL−
セリンとアルカリ金属二セレン化物またはアルカリ金属
セレン化水素の濃度は特に制限はないが、通常は0.1〜3
0重量%程度である。基質は反応開始時に全量を反応液
に添加しても良いし、反応の進行にともない分割添加す
ることも可能である。反応に際しては、基質の他に補酵
素であるピリドキサル燐酸を微量添加することが望まし
い。
このようにして反応を行うと、反応液中にはL−セレノ
シスチンが生成する。
反応液からL−セレノシスチンを採取するには、イオン
交換樹脂を用いる方法等の通常の手法を用いることがで
きる。
L−セレノシスチンの定量は、液体クロマトグラフィー
で行った。生成したセレノシスチンがL−体であること
は、光学異性体分離用カラムを用いた液体クロマトグラ
フィーにより確認した。
(実施例) 以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1 肉エキス1%、ペプトン0.5%、酵母エキス0.1%、KH2P
O40.2%、pH 7.0の液体培地にエシェリヒア・コリMT-10
242(FERM BP-20)を接種し、30℃にて20時間振盪培養し
た。培養終了後、遠心分離して菌体を集め、O.Adachiら
の方法(The Journal of Biological Chemistry,Vol.24
9,No.24,p.7756-7763(1974年))に従って精製操作を行
い、比活性が9.2単位/mgの力価のトリプトファンシン
ターゼを取得し、この酵素を用いて以下の反応を行っ
た。トリプトファンシンターゼの活性は、C.Yanofskyら
の方法(Methods in Enzymology,Vo15,P.801-807(196
2))により測定し、pH7.8、37℃において1μmol/mi
nのトリプトファンをL−セリンとインドールから合成
する酵素量を1単位とした。
L−セリン50mM、第1表に示したアルカリ金属二セレン
化物またはアルカリ金属セレン化水素15mM、ピリドキサ
ール燐酸1mMおよびトリプトファンシンターゼ10単位を
含む100mMトリスアミノメタン−HCl緩衝液(pH8.5)10m
lを、35℃で1時間ゆるやかに振盪した。反応は窒素シ
ール下で行った。
反応液中には第1表に示した濃度のL−セレノシスチン
が生成した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トリプトファンシンターゼの存在下にL−
    セリンをアルカリ金属二セレン化物またはアルカリ金属
    セレン化水素と反応させることを特徴とするL−セレノ
    シスチンの製造法。
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