JPH06140230A - 低損失酸化物磁性材料の製造方法 - Google Patents
低損失酸化物磁性材料の製造方法Info
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- JPH06140230A JPH06140230A JP3139442A JP13944291A JPH06140230A JP H06140230 A JPH06140230 A JP H06140230A JP 3139442 A JP3139442 A JP 3139442A JP 13944291 A JP13944291 A JP 13944291A JP H06140230 A JPH06140230 A JP H06140230A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 処理する酸化物粉末の量にかかわらず、均一
な粒子系で粒度分布のシャープな低損失酸化物磁性材料
を製造すること。 【構成】 予備焼成の前段階に0〜1.0重量%のビス
マス成分が含有されるよう、ビスマス又はビスマス化合
物を添加し、次いで600〜1100℃で予備焼成した
後、粉砕、バインダー混合、プレス成形、焼成する。
な粒子系で粒度分布のシャープな低損失酸化物磁性材料
を製造すること。 【構成】 予備焼成の前段階に0〜1.0重量%のビス
マス成分が含有されるよう、ビスマス又はビスマス化合
物を添加し、次いで600〜1100℃で予備焼成した
後、粉砕、バインダー混合、プレス成形、焼成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スイッチング電源等に
搭載されるスピネル型Mn−Zn系フェライトに係わる
低損失酸化物磁性材料の製造方法に関する。
搭載されるスピネル型Mn−Zn系フェライトに係わる
低損失酸化物磁性材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、Mn−Zn系フェライトを搭載し
たスイッチング電源は、その駆動周波数が〜200kHz
程度であったが、ここ数年の小型、軽量化の要求に伴
い、その駆動周波数は増加傾向にある。
たスイッチング電源は、その駆動周波数が〜200kHz
程度であったが、ここ数年の小型、軽量化の要求に伴
い、その駆動周波数は増加傾向にある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高周波
帯域で従来のMn−Zn系フェライトを使用する場合に
は、フェライトのパワーロスの増大による発熱が極めて
大きくなり、その機能を十分に果たすことができなくな
るという欠点を有している。このため、従来は二酸化ケ
イ素、酸化カルシウムをはじめとする各種元素を添加、
混合することにより低損失化を図ってきた。また、Mn
−Zn系のフェライトは通常、マンガン酸化物、酸化亜
鉛、酸化第二鉄の粉末原料を秤量、混合後、予備焼成、
粉砕、結合剤との混合、プレス成形、焼成して完成品を
得ている。焼成工程により、組成の均一化及び緻密化の
促進を図ろうとすると、異常粒成長を伴った結晶粒の成
長が起こり、均一に組織制御を行うことが非常に困難で
ある。また、原料の熱分解に伴う重量減少、ガスの発生
に伴う体積の膨脹、微粒子原料の焼結に伴う著しい収縮
等が起こり、製品にひび割れや変形等の不具合が生じ
る。このため、焼成の前段階において、一度予備焼成し
て組成の均質化及び粉末粒子系の制御を行うことによっ
て、上述した問題点を解決する方法がとられている。予
備焼成は、一般にトンネル式電気炉あるいはロータリー
キルン等により、700〜1200℃の温度範囲で、大
気中あるいは不活性雰囲気中で行われているが、予備焼
成した粉末の粒度分布は、一般に広いことが知られてい
る。粒度分布の広い予備焼成粉末は、後工程である焼成
工程による焼結体の組織制御が困難なため、結晶粒径の
均一化が図れず、フェライトの損失の増大を招く。な
お、焼成条件によりある程度の組織制御は可能である
が、焼成条件の複雑化は避けられず、フェライトの損失
を根本的に改善することはできない。また、焼成条件の
複雑化は、焼成炉の選定に十分な配慮が要求される上、
高コストの原因にもなっている。そこで、本発明の技術
的課題は、上記欠点に鑑み、スイッチング電源用として
使用される低損失磁性材料のパワーロスを改善するため
の製造方法を提供することにある。
帯域で従来のMn−Zn系フェライトを使用する場合に
は、フェライトのパワーロスの増大による発熱が極めて
大きくなり、その機能を十分に果たすことができなくな
るという欠点を有している。このため、従来は二酸化ケ
イ素、酸化カルシウムをはじめとする各種元素を添加、
混合することにより低損失化を図ってきた。また、Mn
−Zn系のフェライトは通常、マンガン酸化物、酸化亜
鉛、酸化第二鉄の粉末原料を秤量、混合後、予備焼成、
粉砕、結合剤との混合、プレス成形、焼成して完成品を
得ている。焼成工程により、組成の均一化及び緻密化の
促進を図ろうとすると、異常粒成長を伴った結晶粒の成
長が起こり、均一に組織制御を行うことが非常に困難で
ある。また、原料の熱分解に伴う重量減少、ガスの発生
に伴う体積の膨脹、微粒子原料の焼結に伴う著しい収縮
等が起こり、製品にひび割れや変形等の不具合が生じ
る。このため、焼成の前段階において、一度予備焼成し
て組成の均質化及び粉末粒子系の制御を行うことによっ
て、上述した問題点を解決する方法がとられている。予
備焼成は、一般にトンネル式電気炉あるいはロータリー
キルン等により、700〜1200℃の温度範囲で、大
気中あるいは不活性雰囲気中で行われているが、予備焼
成した粉末の粒度分布は、一般に広いことが知られてい
る。粒度分布の広い予備焼成粉末は、後工程である焼成
工程による焼結体の組織制御が困難なため、結晶粒径の
均一化が図れず、フェライトの損失の増大を招く。な
お、焼成条件によりある程度の組織制御は可能である
が、焼成条件の複雑化は避けられず、フェライトの損失
を根本的に改善することはできない。また、焼成条件の
複雑化は、焼成炉の選定に十分な配慮が要求される上、
高コストの原因にもなっている。そこで、本発明の技術
的課題は、上記欠点に鑑み、スイッチング電源用として
使用される低損失磁性材料のパワーロスを改善するため
の製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、主成分
として30〜40モル%の酸化マンガン(MnO)、5
〜15モル%の酸化亜鉛(ZnO)及び残部として酸化
第二鉄(Fe2 O3 )を含み、副成分として0.01〜
0.15重量%の酸化カルシウム(CaO)と0.00
5〜0.10重量%の二酸化ケイ素(SiO2 )とを含
む低損失酸化物磁性材料を製造する方法において、予備
焼成の前段階に0〜1.0重量%(0%を除く)のビス
マス成分が含有されるように、ビスマス又はビスマス化
合物を添加し、次いで600〜1100℃の範囲で予備
焼成することを特徴とする低損失酸化物磁性材料の製造
方法が得られる。すなわち、本発明によれば、予備焼成
の前段階に0〜1.0重量%のビスマス成分が含有され
るよう、ビスマス又はビスマス化合物を添加し、次いで
600〜1100℃で予備焼成した後、粉砕、バインダ
ー混合、プレス成形、焼成することにより、簡単に低損
失酸化物磁性材料が得られる。
として30〜40モル%の酸化マンガン(MnO)、5
〜15モル%の酸化亜鉛(ZnO)及び残部として酸化
第二鉄(Fe2 O3 )を含み、副成分として0.01〜
0.15重量%の酸化カルシウム(CaO)と0.00
5〜0.10重量%の二酸化ケイ素(SiO2 )とを含
む低損失酸化物磁性材料を製造する方法において、予備
焼成の前段階に0〜1.0重量%(0%を除く)のビス
マス成分が含有されるように、ビスマス又はビスマス化
合物を添加し、次いで600〜1100℃の範囲で予備
焼成することを特徴とする低損失酸化物磁性材料の製造
方法が得られる。すなわち、本発明によれば、予備焼成
の前段階に0〜1.0重量%のビスマス成分が含有され
るよう、ビスマス又はビスマス化合物を添加し、次いで
600〜1100℃で予備焼成した後、粉砕、バインダ
ー混合、プレス成形、焼成することにより、簡単に低損
失酸化物磁性材料が得られる。
【0005】
【作用】予備焼成した酸化物粉末は、処理する粉末の量
にかかわらず、均一な粒子系で粒度分布のシャープな粉
末が得られるので、焼結組織の制御が容易に行え、焼成
条件の簡略化が図れる。この工程の簡略化は、コスト低
減の上からも非常に有効な手段となる。また、本発明に
より予備焼成した酸化物粉末は、駆動周波数毎に好適な
結晶粒径の設定が可能であり、結晶粒径を微細かつ均一
に制御することにより、200kHz 以上の高い周波数で
使用しても鉄損の小さな低損失磁性材料を提供すること
ができる。
にかかわらず、均一な粒子系で粒度分布のシャープな粉
末が得られるので、焼結組織の制御が容易に行え、焼成
条件の簡略化が図れる。この工程の簡略化は、コスト低
減の上からも非常に有効な手段となる。また、本発明に
より予備焼成した酸化物粉末は、駆動周波数毎に好適な
結晶粒径の設定が可能であり、結晶粒径を微細かつ均一
に制御することにより、200kHz 以上の高い周波数で
使用しても鉄損の小さな低損失磁性材料を提供すること
ができる。
【0006】
【実施例】次に、本発明に係わる低損失磁性材料の実施
例について説明する。 (実施例1)図1及び図2における試料1,2は、それ
ぞれ主成分として39.0モル%のMnO、8.0モル
%のZnO、残部はFe2 O3 を含有し、副成分として
0.025重量%のSiO2 と、0.043重量%のC
aOを含有するMn−Zn系フェライトである。試料1
は、上記組成の酸化物粉末にビスマス成分として0.1
重量%含有されるよう酸化ビスマス(Bi2 O3 )を添
加した後、900℃で予備焼成したものである。試料2
は比較試料で、Bi2 O3 を添加せずに900℃で予備
焼成したものである。各試料は共にボールミルで粉砕し
た後、バインダー混合、プレス成形、焼成を行ってい
る。図1は、周波数1MHz 、最大磁束密度500Gでの
電力損失PB の温度特性を示したグラフである。この実
施例図1から、発明品(試料1)は、全温度範囲で電力
損失が比較試料(試料2)のフェライトよりも優れてい
ることがわかる。図2は、温度60℃、最大磁束密度5
00Gとしたときの電力損失PB の周波数依存性を示し
たグラフである。この実施例図2から、発明品(試料
1)は、全周波数範囲で電力損失が比較試料(試料2)
のフェライトよりも優れていることがわかる。 (実施例2)図3における試料3,4は、それぞれ主成
分として39.0モル%のMnO,8.0モル%のZn
O,残部はFe2 O3 を含有し、副成分として0.02
5重量%のSiO2 と、0.043重量%のCaOを含
有するMn−Zn系フェライトである。試料3は、上記
組成の酸化物粉末に、ビスマス成分として0.5重量%
含有されるよう酸化ビスマス(Bi2 O3 )を添加した
後、900℃で予備焼成したものである。試料4は比較
試料で、Bi2 O3 を添加せずに900℃で予備焼成し
た粉末である。図3は、900℃で予備焼成した粉末の
粒度分布を示したグラフである。この実施例図3から、
発明品(試料3)は比較試料(試料4)に比べ、粒度分
布が明らかにシャープになっていることがわかる。 (実施例3)本発明の実施例3に係わる低損失磁性材料
の特性を図4に示す。各試料は、それぞれ主成分として
39.0モル%のMnO、8.0モル%のZnO、残部
はFe2 O3 を含有し、副成分として0.025重量%
のSiO2 と、0.043重量%のCaOを含有するM
n−Zn系フェライトである。各試料共に上記組成の酸
化物粉末にBi2 O3 を添加して900℃で予備焼成し
た後、ボールミル粉砕、バインダー混合、プレス成形、
焼成を行っている。図4は、温度60℃、周波数1MHz
、最大磁束密度500Gでの電力損失PBとビスマスの
含有量との関係を示している。図4より、ビスマスの含
有量が1.0重量%までは電力損失PB は低下する傾向
にあるが、1.0重量%を越えると電力損失PB は急激
に増大することがわかる。電力損失のPB のレベルが
1.0重量%を越えると増大するのは、空孔の数の増加
に起因するヒステリシス損失の増加と、結晶粒肥大に起
因する渦電流損失の増加によるためと考えられる。 (実施例4)本発明の実施例4に係わる低損失磁性材料
の特性を図5に示す。各試料は、それぞれ主成分として
39.0モル%のMnO、8.0モル%のZnO、残部
はFe2 O3 を含有し、副成分として0.025重量%
のSiO2 と、0.043重量%のCaOを含有するM
n−Zn系フェライトである。各試料共に上記組成の酸
化物粉末にビスマス成分として0.5重量%含有される
よう酸化ビスマス(Bi2 O3 )を添加した後、各種温
度で予備焼成した後、ボールミル粉砕、バインダー混
合、プレス成形、焼成を行っている。図5は、温度60
℃、周波数1MHz 、最大磁束密度500Gでの電力損失
PBと予備焼成温度との関係を示している。図5より、
600〜1100℃の温度範囲で予備焼成した試料のP
B は低下する傾向にあるが、それ以外の温度で予備焼成
を行うと電力損失PB は急激に増大することがわかる。
予備焼成温度が600℃以下の場合には、粉末の粒度分
布をシャープにすることができない。このため、燒結組
織の制御が非常に困難で、均一な結晶粒径を得ることが
できず、フェライトのヒステリシス損失と渦電流損失が
共に増大するので、著しく電力損失PB が悪化する。一
方、1100℃以上で予備焼成した場合には、顕著な粉
末の粒成長が起こり、そのままでは緻密な焼結体を得る
ことができない。後工程の粉砕によって焼結性の向上を
図ることは可能であるが、粉末の粒度分布が広くなるた
め組織制御が困難となり、600℃以下で予備焼成した
場合と同様の問題が生じる。 (実施例5)本発明の実施例5に係わる低損失磁性材料
の特性を図6に示す。図6における試料5,6は、それ
ぞれ主成分として39.0モル%のMnO、8.0モル
%のZnO、残部はFe2 O3 を含有し、副成分として
0.025重量%のSiO2 と、0.043重量%のC
aOを含有するMn−Zn系フェライトである。試料5
は、上記組成の酸化物粉末にビスマス成分として0.1
重量%含有されるよう酸化ビスマス(Bi2 O3 )を添
加した後900℃で予備焼成し、次いで粉砕、バインダ
ー混合、プレス成形、焼成を行っている。試料6は比較
試料で、上記組成の酸化物粉末を900℃で予備焼成し
た後、粉砕時においてビスマス成分として0.1重量%
含有されるよう酸化ビスマス(Bi2 O3 )を添加し、
次いでバインダー混合、プレス成形、焼成を行ってい
る。図6は、周波数1MHz 、最大磁束密度500Gでの
電力損失PB の温度特性を示したグラフである。この実
施例図6から、発明品(試料5)は、全温度範囲で電力
損失PB が比較試料(試料6)のフェライトよりも優れ
ていることがわかる。上記の各実施例の説明から明らか
なように、予備焼成の前段階に0〜1.0重量%のビス
マス成分が含有されるよう、ビスマス又はビスマス化合
物を添加した後、600〜1100℃で予備焼成するこ
とにより、低い電力損失PB を得ることができる。又、
本発明では、Bi2 O3 添加による低損失磁性材料につ
いてのみ述べているが、本発明が対象とするビスマス化
合物は種類を限定するものではなく、フェライトの磁気
特性を劣化させるような元素を含まないものであれば、
本発明を適用できることは当業者であれば容易に考えら
れることである。
例について説明する。 (実施例1)図1及び図2における試料1,2は、それ
ぞれ主成分として39.0モル%のMnO、8.0モル
%のZnO、残部はFe2 O3 を含有し、副成分として
0.025重量%のSiO2 と、0.043重量%のC
aOを含有するMn−Zn系フェライトである。試料1
は、上記組成の酸化物粉末にビスマス成分として0.1
重量%含有されるよう酸化ビスマス(Bi2 O3 )を添
加した後、900℃で予備焼成したものである。試料2
は比較試料で、Bi2 O3 を添加せずに900℃で予備
焼成したものである。各試料は共にボールミルで粉砕し
た後、バインダー混合、プレス成形、焼成を行ってい
る。図1は、周波数1MHz 、最大磁束密度500Gでの
電力損失PB の温度特性を示したグラフである。この実
施例図1から、発明品(試料1)は、全温度範囲で電力
損失が比較試料(試料2)のフェライトよりも優れてい
ることがわかる。図2は、温度60℃、最大磁束密度5
00Gとしたときの電力損失PB の周波数依存性を示し
たグラフである。この実施例図2から、発明品(試料
1)は、全周波数範囲で電力損失が比較試料(試料2)
のフェライトよりも優れていることがわかる。 (実施例2)図3における試料3,4は、それぞれ主成
分として39.0モル%のMnO,8.0モル%のZn
O,残部はFe2 O3 を含有し、副成分として0.02
5重量%のSiO2 と、0.043重量%のCaOを含
有するMn−Zn系フェライトである。試料3は、上記
組成の酸化物粉末に、ビスマス成分として0.5重量%
含有されるよう酸化ビスマス(Bi2 O3 )を添加した
後、900℃で予備焼成したものである。試料4は比較
試料で、Bi2 O3 を添加せずに900℃で予備焼成し
た粉末である。図3は、900℃で予備焼成した粉末の
粒度分布を示したグラフである。この実施例図3から、
発明品(試料3)は比較試料(試料4)に比べ、粒度分
布が明らかにシャープになっていることがわかる。 (実施例3)本発明の実施例3に係わる低損失磁性材料
の特性を図4に示す。各試料は、それぞれ主成分として
39.0モル%のMnO、8.0モル%のZnO、残部
はFe2 O3 を含有し、副成分として0.025重量%
のSiO2 と、0.043重量%のCaOを含有するM
n−Zn系フェライトである。各試料共に上記組成の酸
化物粉末にBi2 O3 を添加して900℃で予備焼成し
た後、ボールミル粉砕、バインダー混合、プレス成形、
焼成を行っている。図4は、温度60℃、周波数1MHz
、最大磁束密度500Gでの電力損失PBとビスマスの
含有量との関係を示している。図4より、ビスマスの含
有量が1.0重量%までは電力損失PB は低下する傾向
にあるが、1.0重量%を越えると電力損失PB は急激
に増大することがわかる。電力損失のPB のレベルが
1.0重量%を越えると増大するのは、空孔の数の増加
に起因するヒステリシス損失の増加と、結晶粒肥大に起
因する渦電流損失の増加によるためと考えられる。 (実施例4)本発明の実施例4に係わる低損失磁性材料
の特性を図5に示す。各試料は、それぞれ主成分として
39.0モル%のMnO、8.0モル%のZnO、残部
はFe2 O3 を含有し、副成分として0.025重量%
のSiO2 と、0.043重量%のCaOを含有するM
n−Zn系フェライトである。各試料共に上記組成の酸
化物粉末にビスマス成分として0.5重量%含有される
よう酸化ビスマス(Bi2 O3 )を添加した後、各種温
度で予備焼成した後、ボールミル粉砕、バインダー混
合、プレス成形、焼成を行っている。図5は、温度60
℃、周波数1MHz 、最大磁束密度500Gでの電力損失
PBと予備焼成温度との関係を示している。図5より、
600〜1100℃の温度範囲で予備焼成した試料のP
B は低下する傾向にあるが、それ以外の温度で予備焼成
を行うと電力損失PB は急激に増大することがわかる。
予備焼成温度が600℃以下の場合には、粉末の粒度分
布をシャープにすることができない。このため、燒結組
織の制御が非常に困難で、均一な結晶粒径を得ることが
できず、フェライトのヒステリシス損失と渦電流損失が
共に増大するので、著しく電力損失PB が悪化する。一
方、1100℃以上で予備焼成した場合には、顕著な粉
末の粒成長が起こり、そのままでは緻密な焼結体を得る
ことができない。後工程の粉砕によって焼結性の向上を
図ることは可能であるが、粉末の粒度分布が広くなるた
め組織制御が困難となり、600℃以下で予備焼成した
場合と同様の問題が生じる。 (実施例5)本発明の実施例5に係わる低損失磁性材料
の特性を図6に示す。図6における試料5,6は、それ
ぞれ主成分として39.0モル%のMnO、8.0モル
%のZnO、残部はFe2 O3 を含有し、副成分として
0.025重量%のSiO2 と、0.043重量%のC
aOを含有するMn−Zn系フェライトである。試料5
は、上記組成の酸化物粉末にビスマス成分として0.1
重量%含有されるよう酸化ビスマス(Bi2 O3 )を添
加した後900℃で予備焼成し、次いで粉砕、バインダ
ー混合、プレス成形、焼成を行っている。試料6は比較
試料で、上記組成の酸化物粉末を900℃で予備焼成し
た後、粉砕時においてビスマス成分として0.1重量%
含有されるよう酸化ビスマス(Bi2 O3 )を添加し、
次いでバインダー混合、プレス成形、焼成を行ってい
る。図6は、周波数1MHz 、最大磁束密度500Gでの
電力損失PB の温度特性を示したグラフである。この実
施例図6から、発明品(試料5)は、全温度範囲で電力
損失PB が比較試料(試料6)のフェライトよりも優れ
ていることがわかる。上記の各実施例の説明から明らか
なように、予備焼成の前段階に0〜1.0重量%のビス
マス成分が含有されるよう、ビスマス又はビスマス化合
物を添加した後、600〜1100℃で予備焼成するこ
とにより、低い電力損失PB を得ることができる。又、
本発明では、Bi2 O3 添加による低損失磁性材料につ
いてのみ述べているが、本発明が対象とするビスマス化
合物は種類を限定するものではなく、フェライトの磁気
特性を劣化させるような元素を含まないものであれば、
本発明を適用できることは当業者であれば容易に考えら
れることである。
【0007】
【発明の効果】以上の実施例で明らかな様に、本発明に
よれば、予備焼成の前段階に0〜1.0重量%のビスマ
ス成分が含有されるよう、ビスマス又はビスマス化合物
を添加し、次いで600〜1100℃で予備焼成するこ
とにより、粒度分布のシャープな粉末が得られる。即
ち、本発明によれば、焼結組織の制御が容易に行え、焼
成条件の簡略化が図れ、コストの大幅な低減を図ること
ができる。また、スイッチング電源用材料として求めら
れる特性を十分に満足すると共に、周波数が200kH
z以上の高周波数においても、電力損失PBが従来のも
のよりも著しく低減できた低損失酸化物磁性材料を提供
できる。従って、高周波磁芯用材料として、スイッチン
グ電源の小型、軽量化に十分適した材料を提供できる。
よれば、予備焼成の前段階に0〜1.0重量%のビスマ
ス成分が含有されるよう、ビスマス又はビスマス化合物
を添加し、次いで600〜1100℃で予備焼成するこ
とにより、粒度分布のシャープな粉末が得られる。即
ち、本発明によれば、焼結組織の制御が容易に行え、焼
成条件の簡略化が図れ、コストの大幅な低減を図ること
ができる。また、スイッチング電源用材料として求めら
れる特性を十分に満足すると共に、周波数が200kH
z以上の高周波数においても、電力損失PBが従来のも
のよりも著しく低減できた低損失酸化物磁性材料を提供
できる。従って、高周波磁芯用材料として、スイッチン
グ電源の小型、軽量化に十分適した材料を提供できる。
【図1】周波数1MHz、最大磁束密度500Gでの電
力損失PBの温度特性を示したグラフである。
力損失PBの温度特性を示したグラフである。
【図2】温度60℃、最大磁束密度500Gでの電力損
失PBの周波数依存性を示したグラフである。
失PBの周波数依存性を示したグラフである。
【図3】900℃で予備焼成した粉末の粒度分布を示し
たグラフである。
たグラフである。
【図4】温度60℃、周波数1MHz、最大磁束密度5
00Gでの電力損失PBとビスマスの含有量との関係を
示したグラフである。
00Gでの電力損失PBとビスマスの含有量との関係を
示したグラフである。
【図5】温度60℃、周波数1MHz、最大磁束密度5
00Gでの電力損失PBと予備焼成温度との関係を示し
たグラフである。
00Gでの電力損失PBと予備焼成温度との関係を示し
たグラフである。
【図6】周波数1MHz、最大磁束密度500Gでの電
力損失PBの温度特性を示したグラフである。
力損失PBの温度特性を示したグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 主成分として30〜40モル%の酸化マ
ンガン(MnO)、5〜15モル%の酸化亜鉛(Zn
O)及び残部として酸化第二鉄(Fe2 O3 )を含み、
副成分として0.01〜0.15重量%の酸化カルシウ
ム(CaO)と0.005〜0.10重量%の二酸化ケ
イ素(SiO2 )とを含む低損失酸化物磁性材料を製造
する方法において、 予備焼成の前段階に0〜1.0重量%(0%を除く)の
ビスマス成分が含有されるように、ビスマス又はビスマ
ス化合物を添加し、次いで600〜1100℃の範囲で
予備焼成することを特徴とする低損失酸化物磁性材料の
製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3139442A JPH06140230A (ja) | 1991-05-16 | 1991-05-16 | 低損失酸化物磁性材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3139442A JPH06140230A (ja) | 1991-05-16 | 1991-05-16 | 低損失酸化物磁性材料の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06140230A true JPH06140230A (ja) | 1994-05-20 |
Family
ID=15245299
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3139442A Withdrawn JPH06140230A (ja) | 1991-05-16 | 1991-05-16 | 低損失酸化物磁性材料の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06140230A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0696933A (ja) * | 1991-03-07 | 1994-04-08 | Hitachi Ferrite Ltd | Mn―Zn系フェライト |
-
1991
- 1991-05-16 JP JP3139442A patent/JPH06140230A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0696933A (ja) * | 1991-03-07 | 1994-04-08 | Hitachi Ferrite Ltd | Mn―Zn系フェライト |
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