JPH0614878B2 - 光学活性アリ−ルオキシアセトアルデヒドシアノヒドリンおよび光学活性アリ−ルオキシアセトアルデヒドシアノヒドリンカルボキシラ−トの製造法 - Google Patents

光学活性アリ−ルオキシアセトアルデヒドシアノヒドリンおよび光学活性アリ−ルオキシアセトアルデヒドシアノヒドリンカルボキシラ−トの製造法

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JPH0614878B2
JPH0614878B2 JP4998486A JP4998486A JPH0614878B2 JP H0614878 B2 JPH0614878 B2 JP H0614878B2 JP 4998486 A JP4998486 A JP 4998486A JP 4998486 A JP4998486 A JP 4998486A JP H0614878 B2 JPH0614878 B2 JP H0614878B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は光学活性アリールオキシアセトアルデヒドシア
ノヒドリン(以下、光学活性アルデヒドシアノヒドリン
と称する)および光学活性アリールオキシアセトアルデ
ヒドシアノヒドリンカルボキシラート(以下、光学活性
アルデヒドシアノヒドリンカルボキシラートと称する)
との組成物の製造法に関するものであり、さらに詳しく
はdl−アリールオキシアセトアルデヒドシアノヒドリン
カルボキシラート(以下、dl−アルデヒドシアノヒドリ
ンカルボキシラートと称する)に、公知菌であるアース
ロバクター(Arthrobacter)属、カンジダ(Candida)
属またはピチア(Pichia)属に属し、dl−アルデヒドシ
アノヒドリンカルボキシラートを不斉加水分解して光学
活性アリールオキシアセトアルデヒドシアノヒドリンお
よび/または光学活性アリールオキシアセトアルデヒド
シアノヒドリンカルボキシラートに変換する能力を有す
る菌を作用させて、dl−アルデヒドシアノヒドリンカル
ボキシラートの不斉加水分解反応を行うことからなる光
学活性アルデヒドシアノヒドリンおよび光学活性アルデ
ヒドシアノヒドリンカルボキシラートとの組成物の製造
法に関する。
本発明で得られる光学活性アルデヒドシアノヒドリンお
よび光学活性アルデヒドシアノヒドリンカルボキシラー
トは、種々の生理活性物質合成たとえば心臓薬として知
られる光学活性β−ブロッカー合成のための出発物質と
してきわめて有用な化合物である。
〔従来技術〕
従来、光学活性アルデヒドシアノヒドリンおよびその誘
導体を製造する方法としては、生化学的分割方法が「テ
トラヘドロン・レターズ」(Tetrahedron Letters)第
26巻、第5533頁(1985年)により知られている。
〔発明が解決すべき問題点〕
しかしこれらの生化学的分割方法では、化学収率、光学
収率ともに充分とはいえず、工業的合成法としても数多
くの欠点がある。
〔問題を解決するための手段〕
本発明者らは簡便な手法で、かつ光学純度の高い光学活
性アルデヒドシアノヒドリンおよびその誘導体を得る方
法として、微生物による生化学的分割方法に着目し、こ
の目的に適した菌を検索した結果、公知菌であるアース
ロバクター属、カンジダ属またはピチア属に属する菌が
本発明の目的を達成することを見い出し、本発明を完成
したものである。
本発明はdl−アルデヒドシアノヒドリンカルボキシラー
トを不斉加水分解すると一方の光学異性体が優先的に加
水分解して、次の反応式のように (式中、Arはフエニル基、トリル基、クロロフエニル
基、ナフチル基などのアリール基を、Rは炭素数1〜5
の分枝を有することもあるアルキル基を示す。) シアノ基の結合している炭素が不斉点となっている光学
活性アルデヒドシアノヒドリンおよび光学活性アルデヒ
ドシアノヒドリンカルボキシラートを得るものである。
本発明において用いるdl−アルデヒドシアノヒドリンカ
ルボキシラートとしては、dl−フエノキシアセトアルデ
ヒドシアノヒドリンアセタート、dl−p−メチルフエノ
キシアセトアルデヒドシアノヒドリンアセタート、dl−
m−メチルフエニルアセトアルデヒドシアノヒドリンア
セタート、dl−α−ナフトキシアセトアルデヒドシアノ
ヒドリンアセタート、dl−p−クロロフエノキシアセト
アルデヒドシアノヒドリンアセタート、dl−フエノキシ
アセトアルデヒドシアノヒドリンブチラートなどが例示
されるが、これらに限定されるものではない。
本発明において用いられる菌は、公知菌であるアースロ
バクター属、カンジダ属またはピチア属に属する菌であ
って、dl−アルデヒドシアノヒドリンカルボキシラート
不斉加水分解して光学活性アリールオキシアセトアルデ
ヒドシアノヒドリンおよび/または光学活性アリールオ
キシアセトアルデヒドシアノヒドリンカルボキシラート
に変換する能力を有する菌であり、代表的なものとして
はアースロバクター・パラフイネウスATCC15591、カン
ジダ・トロピカリスIAM4862、カンジダ・トロピカリスI
AM4924、ピチア・ミソIAM4682、ピチア・ミソIAM4526な
どが挙げられる。
本発明で用いる培地は、菌が良好に増殖し得る培地であ
れば特に制限はないが、ブイヨン、酵母エキス、グルコ
ース等を炭素源にした一般的な培地が好適である。
培養は振とう培養の如き好気的条件下に20〜40℃で
行うのが好ましく、培地のpHは5〜10が適している
が、dl−アルデヒドシアノヒドリンカルボキシラートお
よび光学活性アルデヒドシアノヒドリンカルボキシラー
トの非酵素的加水分解を防ぐために弱酸性すなわちpH5
〜6.5が特に好適である。
不斉加水分解反応は、種菌を接種すると同時に、あるい
は菌が増殖した後に、基質であるdl−アルデヒドシアノ
ヒドリンカルボキシラートを添加して培養する方法、種
菌を増殖させた培養液から採集した静止菌体を基質に加
えて培養する方法、培養液から採集した菌体から分離し
たエステラーゼを基質に加えて培養する方法などいずれ
の方法でもよい。培養時間は基質の種類や濃度、培養温
度などによって異るが、通常は数時間から7日を要す
る。基質の濃度は特に制限されないが、一般には0.1〜
10%程度が好ましい。
培養液からの光学活性アルデヒドシアノヒドリンおよび
光学活性アルデヒドシアノヒドリンカルボキシラートの
単離は、遠心分離またはセライトを用いる別により菌
体を除いたのち、または菌体を除くことなく培養液を有
機溶媒で抽出し、カラムクロマトグラフイー、遠心クロ
マトグラフイー、蒸留、再結晶などの通常の精製方法を
用いて精製する。
〔発明の効果〕
本発明の生物化学的方法による光学活性アルデヒドシア
ノヒドリンおよび光学活性アルデヒドシアノヒドリンカ
ルボキシラートとの組成物の製造法は、室温下きわめて
温和な条件下で反応を行うことを可能としたもので、従
来の方法に比較して化学収率、光学収率ともにすぐれた
ものであり、工業的合成法としてもすぐれた効果を有す
るものである。
〔実施例〕
以下、実施例により説明する。なお、実施例における光
学純度は、光学活性シフト試薬〔Eu(TEC)3:トリス〔3
−(2,2,2−トリフルオロ−1−ヒドロキシエチリデ
ン)−d−カンフアラト〕ユーロピウム〕を加えた核磁
気共鳴吸収により検定した。
実施例 1 オートクレープ滅菌した培地〔グルコース10g、ポリ
ペプトン7g、酵母エキス5g、リン酸二カリウム5
g、蒸留水1〕50mlを乾熱滅菌済500ml容坂口フ
ラスコに入れ、スラントからカンジダ・トロピカリスIA
M4924を白金耳で植菌した。30℃で2日間振とう培養
し増殖した菌を、種培養液として用いる。
別に、乾熱滅菌済500ml容坂口フラスコに滅菌した前
記培地45mlを入れ、これに前記種培養液5mlを接種
し、30℃で2日間振とう培養した。これに基質として
dl−フエノキシアセトアルデヒドシアノヒドリンアセタ
ート0.1ml(115mg)を加え、30℃で12時間振とう培
養した。培養液を酢酸エチルで抽出(100ml、50m
l、50ml)し、抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、溶媒を減圧下に留去した。残渣を薄層クロマトグラ
フイー(η−ヘキサン/酢酸エチル=8/2)により分離
することにより、光学活性フエノキシアセトアルデヒド
シアノヒドリンアセタートと光学活性フエノキシアセト
アルデヒドシアノヒドリンが油状物として得られた。
光学活性フエノキシアセトアルデヒドシアノヒドリン
アセタート 収量 51.1mg (収率 45.6%) 比旋光度 ▲〔α〕28 D▼+30.4゜(C=0.49,C6H6) 光学純度 95%e.e.以上 光学活性フエノキシアセトアルデヒドシアノヒドリン 収量 49.9mg (収率 54.5%) 比旋光度 ▲〔α〕28 D▼−4.11(C=0.87,C6H6) 実施例 2 基質としてdl−フエノキシアセトアルデヒドシアノヒド
リンアセタート0.15ml(172.5mg)を用いたほかは、実
施例1と同一の培地、種培養液を用い、30℃で24時
間振とう培養した。培養液を実施例1と同様に処理する
ことにより、光学活性フエノキシアセトアルデヒドシア
ノヒドリンアセタートと光学活性フエノキシアセトアル
デヒドシアノヒドリンが油状物として得られた。
光学活性フエノキシアセトアルデヒドシアノヒドリン
アセタート 収量 57.7mg (収率 33.4%) 比旋光度 〔α〕+25.2(C=1.00,C6H6) 光学活性フエノキシアセトアルデヒドシアノヒドリン 収量 48.1mg (収率 35.1%) 比旋光度 〔α〕−3.6(C=0.84,C6H6) 実施例 3 種菌としてピチア・ミソIAM4526を用い、実施例1と同
じ培地で30℃、2日間振とう培養し、種培養液を得
た。この種培養液5mlを用いたほかは、実施例1と同一
の培地、基質を用い、30℃で12時間振とう培養し
た。培養液を実施例1と同様に処理することにより、光
学活性フエノキシアセトアルデヒドシアノヒドリンアセ
タートと光学活性フエノキシアセトアルデヒドシアノヒ
ドリンが油状物として得られた。
光学活性フエノキシアセトアルデヒドシアノヒドリン
アセタート 収量 41.6mg (収率 36.2%) 比旋光度 〔α〕+8.84 (C=0.80,C6H6) 実施例 4 種菌としてアースロバクター・パラフイネウスATCC1559
1を用い、実施例と同じ培地で30℃、2日間振とう培
養し、種培養液を得た。この種培養液5mlを用いたほか
は、実施例1と同一の培地、基質を用い、30℃で12
時間振とう培養した。培養液を実施例1と同様に処理す
ることにより、光学活性フエノキシアセトアルデヒドシ
アノヒドリンアセタートと光学活性フエノキシアセトア
ルデヒドシアノヒドリンが油状物として得られた。
光学活性フエノキシアセトアルデヒドシアノヒドリン
アセタート 収量 48.4mg (収率 42.1%) 比旋光度 〔α〕+20.6(C=0.93,C6H6) 実施例 5 基質としてdl−p−メチルフエノキシアセトアルデヒド
シアノヒドリンアセタート0.1ml(112mg)を用いたほか
は、実施例1と同一の培 地、種培養液を用い、30℃
で12時間振とう培養した。培養液を実施例1と同様に
処理することにより、光学活性p−メチルフエノキシア
セトアルデヒドシアノヒドリンアセタートと光学活性p
−メチルフエノキシアセトアルデヒドシアノヒドリンが
油状物として得られた。
光学活性p−メチルフエノキシアセトアルデヒドシア
ノヒドリンアセタート 収量 33.6mg (収率 30.0%) 比旋光度 ▲〔α〕26 D▼+28.6(C=0.63,C6H6) 光学純度 95%e.e. 光学活性p−メチルフエノキシアセトアルデヒドシア
ノヒドリン 収量 31.5mg (収率 34.8%) 核磁気共鳴吸収 (CCl4,TMS) δppm=2.28(s,3H) 3.27(br,1H) 4.15(d,2H) 4.73(t,1H) 6.87(m,2H) 7.10(m,2H) 実施例 6 基質としてdl−m−メチルフエノキシアセトアルデヒド
シアノヒドリンアセタート0.1ml(99mg)を用いたほか
は、実施例1と同一の培地、種培養液を用い、30℃で
48時間振とう培養した。培養液を実施例1と同様に処
理することにより、光学活性m−メチルフエノキシアセ
トアルデヒドシアノヒドリンアセタートと光学活性m−
メチルフエノキシアセトアルデヒドシアノヒドリンが油
状物として得られた。
光学活性m−メチルフエノキシアセトアルデヒドシア
ノヒドリンアセタート 収量 39.1mg (収率 39.5%) 比旋光度 〔α〕+20.2゜(C=1.48,C6H6) 光学活性m−メチルフエノキシアセトアルデヒドシア
ノヒドリン 収量 23.2mg (収率 29.0%) 核磁気共鳴吸収 (CCl4,TMS) δppm=2.25(s,3H) 4.00(br,1H) 4.02(d,2H) 4.63(t,1H) 6.63(m,3H) 7.01(m,1H) 比旋光度 ▲〔α〕29 D▼−7.41(C=1.16,C6H6)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 41/00 C12R 1:06)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】dl−アリールオキシアセトアルデヒドシ
    アノヒドリンカルボキシラートに、アースロバクター
    (Arthrobacter)属、カンジダ(Candida)属またはピ
    チア(Pichia)属に属し、dl−アリールオキシアセト
    アルデヒドシアノヒドリンカルボキシラートを不斉加水
    分解して光学活性アリールオキシアセトアルデヒドシア
    ノヒドリンおよび/または光学活性アリールオキシアセ
    トアルデヒドシアノヒドリンカルボキシラートに変換す
    る能力を有する菌を作用させて、dl−アリールオキシ
    アセトアルデヒドシアノヒドリンカルボキシラートの不
    斉加水分解反応を行うことを特徴とする光学活性アリー
    ルオキシアセトアルデヒドシアノヒドリンおよび光学活
    性アリールオキシアセトアルデヒドシアノヒドリンカル
    ボキシラートとの組成物の製造法。
  2. 【請求項2】アースロバクター(Arthrobacter)属、カ
    ンジダ(Candida)属またはピチア(Pichia)属に属
    し、dl−アリールオキシアセトアルデヒドシアノヒド
    リンカルボキシラートを不斉加水分解して光学活性アリ
    ールオキシアセトアルデヒドシアノヒドリンおよび/ま
    たは光学活性アリールオキシアセトアルデヒドシアノヒ
    ドリンカルボキシラートに変換する能力を有する菌を好
    気的培養条件下に培養し、その培養液をそのままdl−
    アリールオキシアセトアルデヒドシアノヒドリンカルボ
    キシラートの不斉加水分解反応に用いることからなる特
    許請求の範囲第1項記載の製造法。
  3. 【請求項3】アースロバクター(Arthrobacter)属、カ
    ンジダ(Candida)属またはピチア(Pichia)属に属
    し、dl−アリールオキシアセトアルデヒドシアノヒド
    リンカルボキシラートを不斉加水分解して光学活性アリ
    ールオキシアセトアルデヒドシアノヒドリンおよび/ま
    たは光学活性アリールオキシアセトアルデヒドシアノヒ
    ドリンカルボキシラートに変換する能力を有する菌を好
    気的培養条件下に培養し、その培養液より採集した静止
    菌体を、dl−アリールオキシアセトアルデヒドシアノ
    ヒドリンカルボキシラートの不斉加水分解反応に用いる
    ことからなる特許請求の範囲第1項記載の製造法。
  4. 【請求項4】アースロバクター(Arthrobacter)属、カ
    ンジダ(Candida)属またはピチア(Pichia)属に属
    し、dl−アリールオキシアセトアルデヒドシアノヒド
    リンカルボキシラートを不斉加水分解して光学活性アリ
    ールオキシアセトアルデヒドシアノヒドリンおよび/ま
    たは光学活性アリールオキシアセトアルデヒドシアノヒ
    ドリンカルボキシラートに変換する能力を有する菌を好
    気的培養条件下に培養し、その培養液より採集した菌体
    から分離したエステラーゼを、dl−アリールオキシア
    セトアルデヒドシアノヒドリンカルボキシラートの不斉
    加水分解反応に用いることからなる特許請求の範囲第1
    項記載の製造法。
JP4998486A 1986-03-07 1986-03-07 光学活性アリ−ルオキシアセトアルデヒドシアノヒドリンおよび光学活性アリ−ルオキシアセトアルデヒドシアノヒドリンカルボキシラ−トの製造法 Expired - Lifetime JPH0614878B2 (ja)

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