JPH06157408A - 炭酸エステル合成用触媒及びそれを用いた炭酸エステルの製造法 - Google Patents

炭酸エステル合成用触媒及びそれを用いた炭酸エステルの製造法

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JPH06157408A
JPH06157408A JP5076261A JP7626193A JPH06157408A JP H06157408 A JPH06157408 A JP H06157408A JP 5076261 A JP5076261 A JP 5076261A JP 7626193 A JP7626193 A JP 7626193A JP H06157408 A JPH06157408 A JP H06157408A
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carbonic acid
acid ester
copper
atom
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Application number
JP5076261A
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Inventor
Akira Horiguchi
明 堀口
Shingo Oda
慎吾 小田
Toshihiko Nijiyutsuken
年彦 二十軒
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高活性で反応選択性が高く、安定性に優れ、
しかも安価で腐蝕性が小さい炭酸エステル合成用触媒を
得る。 【構成】 (a)(1)銅原子、(2) ハロゲン原子及び(3) ホ
ウ酸根、又は、(b) ハロゲン化銅及びホウ素原子を含む
炭酸エステル合成用触媒。前記触媒は、さらにアルカリ
金属原子及び/又はアルカリ土類金属原子を含んでいて
もよい。また、前記触媒は、活性炭などを担体とする固
体触媒であってもよい。前記触媒は、塩化第一銅などの
ハロゲン化銅と、ホウ酸又はホウ酸塩などとを組合わせ
て構成してもよい。前記触媒の存在下、アルコールと一
酸化炭素と酸素とを反応させることにより、炭酸エステ
ルを、長期間安定して工業的に効率よく製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭酸エステル合成用触
媒、及びアルコールと一酸化炭素と酸素とを、触媒の存
在下で反応させる炭酸エステルの製造法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】炭酸
エステルは、ガソリンの添加剤、有機溶剤として、ま
た、各種カーボネート類、カーバメート類、ウレタン
類、医薬・農薬等の精密化学品の製造における、ホスゲ
ンに代わる反応剤として有用な化合物である。
【0003】炭酸エステルの製造法として、従来、アル
コールとホスゲンとを反応させる方法が工業的に行われ
ている。しかし、この方法は、毒性の高いホスゲンを使
用する必要があり、またアルコールとホスゲンとの反応
により腐蝕性の強い塩化水素が多量に副生する。
【0004】そこで、ホスゲンを使用することなく、触
媒の存在下、アルコールと一酸化炭素と酸素とを反応さ
せ、炭酸エステルを製造する方法が提案されている。前
記触媒は、パラジウム化合物を主触媒とするパラジウム
系触媒と、銅化合物を主触媒とする銅系触媒とに大別さ
れる。
【0005】パラジウム系触媒を用いた液相反応につい
ては特公昭61−8816号公報に開示されている。こ
の触媒は活性が高く、銅系触媒と比較して1/1000
0程度の濃度でも十分な反応速度を得ることができると
いう利点を有する。しかし、パラジウム触媒は高価であ
り、また原料アルコールと反応してパラジウム金属とし
て析出するため、触媒再生プロセスが必要となりコスト
アップにつながるという問題を有する。
【0006】塩化第二銅や塩化第一銅などの銅系触媒を
用いた液相反応は、特公昭45−11129号公報及び
特公昭60−58739号公報に開示されている。しか
し、銅系触媒は活性が比較的低いため、高濃度で使用す
る必要がある。
【0007】銅系触媒として塩化第二銅を用いた場合、
アルコールへの溶解性が良好なため反応液が均一となっ
て操作性がよいものの、塩化アルキル、ジアルキルエー
テル等の副生物の生成が多く、腐蝕性も高い。
【0008】また、塩化第一銅を触媒として用いた場
合、副生物の生成率や腐蝕性は、塩化第二銅と比較して
はるかに低い。しかし、アルコールへの溶解性が低いた
め、反応系が不均一となり、操作性が低下する。
【0009】さらに、銅系触媒では、主触媒である銅化
合物が反応で副生する水と容易に反応して、極めて溶解
性の低いアタカマ石などのヒドロキシハロゲン化銅が生
成する。そのため、触媒活性及び炭酸エステルの選択率
が徐々に低下する。
【0010】一方、液相反応に伴う腐蝕問題を回避する
ため、固体触媒を用いて、反応を気相で行う方法が提案
されている。例えば、特表昭63−503460号公報
には、金属ハライドを含浸法によって担体に担持した触
媒を用い、気相で反応を行う方法が開示されている。
【0011】しかし、この方法では、反応で副生する水
が金属ハライドと反応することにより、アタカマイト構
造を有する化合物が生成するため、触媒活性が低下し易
い。
【0012】さらにまた、アルコールと一酸化炭素とを
触媒の存在下に反応させて、炭酸エステルを製造する方
法が提案されている。例えば、米国特許第487926
6号には、触媒として、銅アルコキシハライドと三フッ
化ホウ素などとを用いる方法が開示されている。しか
し、この方法では、銅アルコキシハライド1モルから最
高でも0.5モルの炭酸エステルしか生成しないため、
多量の触媒を使用する必要がある。
【0013】従って、本発明の目的は、高活性で反応選
択性が高く、安定性に優れ、しかも安価で腐蝕性の小さ
い炭酸エステル製造用触媒を提供することにある。
【0014】本発明の他の目的は、高い収率及び選択率
で、しかも長期間安定して工業的に効率よく製造できる
炭酸エステルの製造法を提供することにある。
【0015】
【発明の構成】本発明者らは、前記目的を達成するた
め、鋭意検討した結果、銅原子、ハロゲン原子及びホウ
酸根を含む触媒、又は、ハロゲン化銅及びホウ素原子を
含む触媒を用いて、アルコールと一酸化炭素と酸素とを
反応させると、腐蝕性が小さく、ヒドロキシハロゲン化
銅の生成量も少なく、高い収率及び選択率で炭酸エステ
ルを製造できることを見出だし、本発明を完成した。
【0016】すなわち、本発明は、(a)(1)銅原子、(2)
ハロゲン原子及び(3) ホウ酸根を含む炭酸エステル合成
用触媒を提供する。
【0017】本発明は、また、(b) ハロゲン化銅および
ホウ素原子を含む炭酸エステル合成用触媒を提供する。
【0018】前記(a) 及び(b) の炭酸エステル合成用触
媒は、さらにアルカリ金属原子及び/又はアルカリ土類
金属原子を含んでいてもよい。また、前記触媒は、活性
炭などを担体とする固体触媒であってもよい。
【0019】本発明は、さらに、アルコールと一酸化炭
素と酸素とを、前記炭酸エステル合成用触媒の存在下で
反応させる炭酸エステルの製造法を提供する。
【0020】本発明の前記(a) の炭酸エステル合成用触
媒は、少なくとも銅原子、ハロゲン原子及びホウ酸根を
有していればよい。ハロゲン原子には、フッ素、塩素、
臭素及びヨウ素原子が含まれる。ホウ酸根とは、ホウ酸
アニオンを形成し得るホウ酸基をいう。
【0021】本発明の前記(a) 触媒としては、(a1)銅原
子及びハロゲン原子を含む化合物(以下、単にハロゲン
含有銅化合物と称する)と、ホウ酸根を含む化合物(以
下、単にホウ酸類と称する)との組合せ、(a2)銅原子及
びホウ酸根を含む化合物(以下、単にホウ酸銅化合物と
称する)と、ハロゲン原子を含む化合物(以下、単にハ
ロゲン含有化合物と称する)との組合せ、(a3)銅原子を
含む化合物(以下、単に銅化合物という)と、ハロゲン
含有化合物と、ホウ酸類との組合せなどが挙げられる。
【0022】前記ハロゲン含有銅化合物には、フッ化第
一銅、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅のハロゲ
ン化第一銅;フッ化第二銅、塩化第二銅、臭化第二銅、
ヨウ化第二銅のハロゲン化第二銅;銅メトキシクロリド
などの銅アルコキシハライド等が含まれる。これらのう
ち、ハロゲン化第一銅、特に塩化第一銅が好ましい。
【0023】前記ホウ酸類には、例えば、オルトホウ
酸、メタホウ酸、四ホウ酸などのホウ酸;鉄、ニッケ
ル、コバルトなどの遷移金属のホウ酸塩;リチウム、ナ
トリウム、カリウムなどのアルカリ金属のホウ酸塩;マ
グネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムな
どのアルカリ土類金属のホウ酸塩;その他の金属のホウ
酸塩等が含まれる。
【0024】前記ホウ酸銅化合物には、メタホウ酸銅、
ホウ酸第二銅などが含まれる。
【0025】前記ハロゲン含有化合物としては、鉄、ニ
ッケル、コバルトなどの遷移金属のハライド;リチウ
ム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属のハライ
ド;マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリ
ウムなどのアルカリ土類金属のハライド等が挙げられ
る。
【0026】前記銅化合物には、ギ酸銅、酢酸銅、シュ
ウ酸銅、クエン酸銅、酒石酸銅、安息香酸銅などの有機
酸塩;銅フェノキシドなどのフェノール類との塩;硫酸
銅、硝酸銅、リン酸銅、ケイ酸銅、炭酸銅などの無機酸
塩;銅とアセチルアセトン、窒素含有有機配位子などの
配位性化合物との銅錯体;酸化銅;水酸化銅;アルミン
酸銅、バナジン酸銅、モリブデン酸銅などの金属オキソ
酸塩等が含まれる。前記窒素含有有機配位子としては、
モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレン
トリアミンなどのアミン類;ピリジン、ピロリジン、ピ
ペリジン、ピリミジン、イミダゾール、ピコリン、キノ
リン、イソキノリン、1,10−フェナントロリン、キ
ナゾリン、2,2′−ジピリジル、4,4′−ジピリジ
ル、ピコリン酸、ニコチン酸などの含窒素複素環化合物
等が使用できる。
【0027】これらの化合物は、2以上混合して用いる
こともできる。
【0028】前記組合せのうち、(a1)及び(a3)の組合せ
が好ましい。
【0029】前記(a1)の組合せのうち、特に、(a11) ハ
ロゲン化銅(例えば、塩化第一銅などのハロゲン化第一
銅等)とホウ酸との組合せ、及び(a12) ハロゲン化銅
(例えば、塩化第一銅などのハロゲン化第一銅等)とア
ルカリ金属又はアルカリ土類金属のホウ酸塩(例えば、
ホウ酸リチウムなどのアルカリ金属のホウ酸塩等)との
組合せが好ましい。
【0030】前記(a3)の組合せのうち、特に、(a31) 酸
化銅(例えば、酸化第一銅、酸化第二銅等)とアルカリ
金属又はアルカリ土類金属のハライド(例えば、塩化リ
チウム、塩化マグネシウム等)とホウ酸との組合せなど
が好ましい。
【0031】本発明の前記(b) の炭酸エステル合成用触
媒は、少なくともハロゲン化銅及びホウ素原子を有して
いればよい。
【0032】前記ハロゲン化銅には、前記例示のハロゲ
ン化第一銅及びハロゲン化第二銅が含まれる。これらの
うち、ハロゲン化第一銅、なかでも塩化第一銅が好まし
い。
【0033】前記(b) 触媒としては、ハロゲン化銅と、
ホウ素原子を含む化合物とを組合せた触媒が挙げられ
る。
【0034】前記ホウ素原子を含む化合物には、前記例
示のホウ酸銅化合物、前記例示のホウ酸類、酸化ホウ
素、ホウ砂などの酸素含有無機ホウ素化合物;テトラフ
ルオロホウ酸アンモニウムなどのテトラハロゲノホウ素
酸塩;三フッ化ホウ素などの三ハロゲン化ホウ素;三フ
ッ化ホウ素エチルエーテル錯化合物などの三フッ化ホウ
素の錯化合物;トリフェニルホウ素などのトリアリール
ホウ素;ホウ酸メチルなどのホウ酸エステル類;その他
ホウ素原子を含む化合物が含まれる。これらの化合物
は、2以上混合して用いることもできる。
【0035】前記(b) 触媒として、特に、ハロゲン化銅
と前記酸素含有無機ホウ素化合物との組合せ、なかで
も、塩化第一銅などのハロゲン化第一銅と、ホウ酸又は
アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属のホウ酸塩との
組合せが好ましい。
【0036】本発明の触媒において、銅に対するハロゲ
ンの原子比(ハロゲン/銅)は、例えば0.5〜4、好
ましくは0.8〜2程度である。また、銅に対するホウ
素の原子比(ホウ素/銅)は、例えば0.05〜10、
好ましくは0.1〜5程度である。
【0037】本発明の触媒は、さらにアルカリ金属原子
及び/又はアルカリ土類金属原子を含んでいてもよい。
前記金属原子を含むことにより、触媒活性が向上する場
合がある。
【0038】アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子
は、例えば、前記のアルカリ金属又はアルカリ土類金属
のホウ酸塩又はハライドとして触媒に含有させることが
できるほか、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、
水酸化バリウムなどの水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カル
シウム、炭酸バリウムなどの炭酸塩;炭酸水素リチウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの炭酸
水素塩;酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、ギ酸カリウ
ム、シュウ酸バリウムなどの有機酸塩;硫酸リチウム、
硫酸ナトリウム、硝酸マグネシウムなどの無機酸塩等と
して含有させることもできる。これらのアルカリ金属原
子、アルカリ土類金属原子を含む化合物は一種又は二種
以上使用することができる。
【0039】前記アルカリ金属原子等を含む触媒におい
て、銅に対するアルカリ金属及びアルカリ土類金属の原
子比(アルカリ金属及びアルカリ土類金属/銅)は、例
えば0.01〜2、好ましくは0.05〜1.2程度で
ある。
【0040】本発明の触媒は、また、鉄、コバルト、ニ
ッケル、パラジウム、白金などの他の遷移金属元素を含
んでいてもよい。
【0041】本発明の触媒は、粉末等の固形物であって
もよく、適当な溶媒に分散又は溶解していてもよく、ま
た、適当なバインダーを用いて打錠成形や押出し成形等
により成形された触媒であってもよい。
【0042】さらに、本発明の触媒は、触媒活性成分
が、活性炭、アルミナ、シリカ、マグネシア、チタニ
ア、バナジア、ジルコニア等の担体に担持された固体触
媒(担持触媒)であってもよい。
【0043】前記担体の比表面積は、特に制限されない
が、通常10m2 /g以上、好ましくは100〜300
0m2 /g程度である。
【0044】前記担体としては、特に活性炭などが好ま
しい。活性炭の比表面積は、例えば、500m2 /g以
上、好ましくは700〜3000m2 /g、さらに好ま
しくは900〜3000m2 /g程度である。また、活
性炭の平均細孔径は、特に制限されないが、好ましくは
10〜100オングストローム、さらに好ましくは10
〜50オングストローム程度である。
【0045】担持触媒の場合の触媒成分の担持量は、担
体に対して、通常0.5〜60重量%、好ましくは1〜
40重量%程度、さらに好ましくは担体の飽和吸着量程
度、例えば活性炭の場合には2〜20重量%程度であ
る。
【0046】担持触媒は、慣用の方法、例えば、含浸
法、吸着法、沈澱法、イオン交換法、コーティング法等
により調製することができる。特に、触媒活性成分の前
駆体又は触媒活性成分が高分散して担体に担持されるよ
うな方法で調製されるのが好ましい。担持は、一段或い
は多段に行ってもよい。
【0047】本発明の触媒は、高活性で、反応の選択性
も高い。したがって、酸素存在下、本発明の触媒を少量
用いるだけで反応が円滑に進行し、炭酸エステルが高い
選択率で生成する。また、本発明の触媒は、ヒドロキシ
ハロゲン化銅の生成量が少なく触媒安定性に優れ、しか
も腐蝕性が小さい。そのため、長期間安定して炭酸エス
テルを製造することができる。
【0048】本発明の炭酸エステルの製造法では、上記
触媒の存在下で、アルコールと一酸化炭素と酸素とを反
応させる。
【0049】前記アルコールとしては、例えば、メタノ
ール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノー
ル、1−ブタノールなどの飽和脂肪族アルコール;アリ
ルアルコールなどの不飽和脂肪族アルコール;シクロヘ
キサノールなどの脂環式アルコール;ベンジルアルコー
ル、フェノールなどの芳香族アルコール;エチレングリ
コール、ポリエチレングリコールなどの多価アルコール
などが含まれる。なお、芳香族アルコールとは、フェノ
ール性ヒドロキシ基を有するフェノール類も含む意味に
用いる。
【0050】好ましいアルコールは、一価の飽和又は不
飽和アルコール、例えば、炭素数1〜6程度のアルコー
ルである。特に好ましいアルコールには、メタノール、
エタノールなどが含まれ、なかでもメタノールが繁用さ
れる。
【0051】反応成分である一酸化炭素及び酸素は、そ
れらの高純度ガスのみならず、窒素アルゴン、ヘリウ
ム、二酸化炭素等本反応に対して不活性なガスで希釈さ
れたものを用いてもよい。その場合、酸素源として空気
を使用できる。また、反応で副生した二酸化炭素を反応
系にリサイクルできる。
【0052】本発明の製造法は、液相反応、気相反応の
何れにも適用できる。
【0053】液相反応により炭酸ジエステルを製造する
場合、反応は、溶媒不存在下で行ってもよく、また、反
応に不活性な溶媒中で行ってもよい。前記溶媒として
は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘ
キサノンなどのケトン;ジエチルエーテル、ジブチルエ
ーテル、ジメトキシエタン、ジオキサン、テトラヒドロ
フランなどのエーテル;ギ酸、酢酸、プロピオン酸など
のカルボン酸;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロ
ピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸セロソルブ、プロ
ピオン酸エチルなどのカルボン酸エステル;N,N−ジ
メチルホルムアミドなどのカルボン酸アミド;アセトニ
トリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニト
リル;ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;シク
ロヘキサンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;
四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−
ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素;目的化合物
である炭酸ジエステル等が挙げられる。また、原料のア
ルコールを溶媒として用いることもできる。これらの溶
媒は一種又は二種以上混合して使用できる。
【0054】液相反応の場合、前記の何れの触媒を用い
ることもできる。
【0055】触媒の使用量は、反応速度、後処理の操作
性、経済性を考慮して適宜選択できるが、反応液中、銅
原子として、例えば0.001〜5グラム原子/L、好
ましくは0.01〜1グラム原子/L、さらに好ましく
は0.01〜0.5グラム原子/L程度である。
【0056】反応温度は、通常20〜200℃、好まし
くは70〜150℃程度である。反応温度が低すぎると
反応速度が遅くなり、反応温度が高すぎると、反応中間
体である銅のカルボニル錯体の安定性が低下するため好
ましくない。また、反応圧力は、通常、常圧〜200気
圧程度であり、一酸化炭素分圧は、例えば0.1〜20
0気圧、好ましくは1〜100気圧程度、酸素分圧は、
通常、爆発混合気を形成しない範囲で選択され、例えば
0.1〜20気圧、好ましくは0.5〜10気圧程度で
ある。
【0057】一方、気相反応により炭酸エステルを製造
する場合、前記の何れの触媒を用いることもできるが、
反応ガスの圧力損失の低減、反応熱の除去、反応速度の
向上等の観点から、特に、担持触媒、なかでも活性炭を
担体とした担持触媒を用いるのが好ましい。
【0058】気相反応の場合の反応条件としては、反応
温度は、通常20〜200℃、好ましくは80〜150
℃程度、反応圧力は、通常、常圧〜60気圧程度、また
原料ガスの空間速度は、例えば10〜100000h-1
程度である。
【0059】一酸化炭素の使用量は、特に制限されない
が、原料として用いるアルコール1モルに対して、通常
0.1〜1000モル、好ましくは0.2〜100モル
程度、酸素の使用量は、アルコール1モルに対して、通
常0.001〜2モル、好ましくは0.01〜1.5モ
ル程度である。
【0060】本発明の方法は、回分式、半回分式、連続
式の何れの方式によって行うこともできる。反応生成物
を常法に従って処理することにより、原料アルコールに
対応する炭酸エステルを得ることができる。
【0061】
【発明の効果】本発明の炭酸エステル合成用触媒は、触
媒活性及び反応の選択性が高い。また、腐蝕性が小さ
く、安定性に優れ、しかも安価である。
【0062】本発明の製造法は、前記のような優れた触
媒を使用するため、高い収率及び選択率で、長期間安定
して、工業的に効率よく炭酸エステルを製造することが
できる。
【0063】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0064】実施例1 グラスライニングを施した内容積324mlのオートク
レーブに、塩化第一銅[CuCl]50ミリモル/L及
びオルトホウ酸[H3 BO3 ]50ミリモル/L含有す
るメタノール50mlを仕込んだ。
【0065】次いで、一酸化炭素を23Kg/cm2
酸素を2.0Kg/cm2 充填し、80℃で30分反応
させた。
【0066】反応生成物をガスクロマトグラフィーによ
り分析した結果、炭酸ジメチル4.0ミリモルが生成し
ていた。一酸化炭素基準の炭酸ジメチルの選択率は10
0モル%であった。
【0067】実施例2 塩化第一銅及びオルトホウ酸を含有するメタノールに代
えて、塩化第一銅[CuCl]50ミリモル/L、ホウ
酸リチウム[Li2 4 7 ]25ミリモル/L及びオ
ルトホウ酸[H3 BO3 ]100ミリモル/L含有する
メタノール50mlを用いた以外は、実施例1と同様の
操作を行った。
【0068】その結果、炭酸ジメチル8.5ミリモルが
生成した。一酸化炭素基準の炭酸ジメチルの選択率は8
1モル%であった。
【0069】実施例3 塩化第一銅及びオルトホウ酸を含有するメタノールに代
えて、塩化第一銅[CuCl]50ミリモル/L及びホ
ウ酸リチウム[Li2 4 7 ]25ミリモル/L含有
するメタノール50mlを用いた以外は、実施例1と同
様の操作を行った。
【0070】その結果、炭酸ジメチル10ミリモルが生
成した。一酸化炭素基準の炭酸ジメチルの選択率は10
0モル%であった。
【0071】比較例1 塩化第一銅及びオルトホウ酸を含有するメタノールに代
えて、塩化第一銅[CuCl]50ミリモル/L含有す
るメタノール50mlを用いた以外は、実施例1と同様
の操作を行った。
【0072】その結果、炭酸ジメチル4.1ミリモルが
生成した。一酸化炭素基準の炭酸ジメチルの選択率は7
1モル%であった。
【0073】実施例4 活性炭[武田薬品工業(株)製、粒状白鷺C2 *4/6
−2、比表面積1000m2 /g]40gに、アセトニ
トリル溶媒を用いて、塩化第一銅[CuCl]1.9
g、及びオルトホウ酸[H3 BO3 ]1.2gを担持し
た。
【0074】この担持触媒[B/Cu(原子比)=1.
0]を、内径27mm、長さ450mmのステンレス製
の反応管に層長35mmとなるように充填し、反応温度
120℃に設定した後、一酸化炭素を43.2ノルマル
リットル/h、酸素を1.7ノルマルリットル/h、メ
タノールを8.2ノルマルリットル/hの流量で流通さ
せ、3時間反応を行った。この際、反応管内の圧力を、
ゲージ圧7Kg/cm2 に保持した。
【0075】その結果、炭酸ジメチルが、触媒1L当
り、1.35モル/hの生成速度で生成した。
【0076】実施例5 実施例4で用いたのと同じ活性炭40gに、アセトニト
リル溶媒を用いて、塩化第一銅[CuCl]1.9g、
及びオルトホウ酸[H3 BO3 ]0.6gを担持した。
【0077】この担持触媒[B/Cu(原子比)=0.
5]を用いた以外は、実施例4と同様の条件で反応を行
った。その結果、炭酸ジメチルが、触媒1L当り、1.
61モル/hの生成速度で生成した。
【0078】比較例2 実施例4で用いたのと同じ活性炭40gに、アセトニト
リル溶媒を用いて、塩化第一銅[CuCl]1.9gを
担持した。
【0079】この担持触媒[B/Cu(原子比)=0]
を用いた以外は、実施例4と同様の条件で反応を行っ
た。その結果、炭酸ジメチルの生成速度は、触媒1L当
り、0.82モル/hであった。
【0080】実施例6 酸素の流量を、1.0ノルマルリットル/hとした以外
は、実施例5と同様の条件で反応を行った。その結果、
炭酸ジメチルが、触媒1L当り、1.76モル/hの生
成速度で生成した。
【0081】実施例7 実施例4と同様にして調製した担持触媒[B/Cu(原
子比)=1.0]を、内径27mm、長さ450mmの
ステンレス製の反応管に層長175mmとなるように充
填し、反応温度120℃に設定した後、一酸化炭素を1
52.6ノルマルリットル/h、酸素を2.1ノルマル
リットル/h、メタノールを9.8ノルマルリットル/
hの流量で流通させ、19時間反応を行った。この際、
反応管内の圧力を、ゲージ圧20Kg/cm2 に保持し
た。
【0082】その結果、反応初期における炭酸ジメチル
の生成速度は、触媒1L当り、1.10モル/hであ
り、19時間後の生成速度は、触媒1L当り、1.01
モル/hであった。
【0083】実施例8 実施例5と同様にして調製した担持触媒[B/Cu(原
子比)=0.5]を用いた以外は、実施例7と同様の条
件で反応を行った。その結果、反応初期における炭酸ジ
メチルの生成速度は、触媒1L当り、1.10モル/h
であり、19時間後の生成速度は、触媒1L当り、1.
02モル/hであった。
【0084】比較例3 比較例2と同様にして調製した担持触媒[B/Cu(原
子比)=0]を用いた以外は、実施例7と同様の条件で
反応を行った。その結果、反応初期における炭酸ジメチ
ルの生成速度は、触媒1L当り、1.00モル/hであ
り、19時間後の生成速度は、触媒1L当り、0.82
モル/hであった。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1) 銅原子、(2) ハロゲン原子及び(3)
    ホウ酸根を含む炭酸エステル合成用触媒。
  2. 【請求項2】 ハロゲン化銅およびホウ素原子を含む炭
    酸エステル合成用触媒。
  3. 【請求項3】 さらにアルカリ金属原子及び/又はアル
    カリ土類金属原子を含む請求項1又は2に記載の炭酸エ
    ステル合成用触媒。
  4. 【請求項4】 触媒が固体触媒である請求項1〜3の何
    れかの項に記載の炭酸エステル合成用触媒。
  5. 【請求項5】 固体触媒の担体が活性炭である請求項4
    記載の炭酸エステル合成用触媒。
  6. 【請求項6】 アルコールと一酸化炭素と酸素とを、請
    求項1〜5の何れかの項に記載の炭酸エステル合成用触
    媒の存在下で反応させる炭酸エステルの製造法。
  7. 【請求項7】 アルコールと一酸化炭素と酸素とを、請
    求項4又は5に記載の炭酸エステル合成用触媒の存在
    下、気相で反応させる請求項6記載の炭酸エステルの製
    造法。
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