JPH0615867B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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JPH0615867B2
JPH0615867B2 JP22576887A JP22576887A JPH0615867B2 JP H0615867 B2 JPH0615867 B2 JP H0615867B2 JP 22576887 A JP22576887 A JP 22576887A JP 22576887 A JP22576887 A JP 22576887A JP H0615867 B2 JPH0615867 B2 JP H0615867B2
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    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C18/02Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents
    • F04C18/0207Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents both members having co-operating elements in spiral form
    • F04C18/0246Details concerning the involute wraps or their base, e.g. geometry
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば冷凍用あるいは空調用として使用され
るスクロール圧縮機に係り、特に、生産性および信頼性
の向上に好適なスクロール部材に関する。
〔従来の技術〕
第2図は、従来のスクロール圧縮機の一例を示す要部略
示断面図である。第2図において、圧縮要素部14は固
定スクロール部材4と旋回スクロール部材5とからな
り、両者を組合せて圧縮室8が形成される。固定スクロ
ール部材4は渦巻形状の歯4bを直立して形成した底板
4aと鏡板4cとからなり、吸入口6、吐出口9を備え
ている。旋回スクロール部材5は前記歯と同形状で巻き
方向が反対の歯5bを直立して形成した底板5aと、鏡
板5cと、ボス部5eとからなる。フレーム10には、
固定スクロール部材4が固定され、また旋回スクロール
部材5がオルダム継手11を介して支承され、さらにク
ランク軸12が軸受部10aによって支承されている。
クランク軸12先端の偏心軸12aは旋回スクロール部
材5のボス部5eに挿入されている。
このように構成したスクロール圧縮機において、電動機
(図示せず)によって、クランク軸12が回転すると、
これに連結している旋回スクロール部材5は旋回する
が、オルダム継手11により自転を妨げられるので、第
3図に係る圧縮原理(詳細後述)により流体を圧縮す
る。すなわち、吸入口6から吸入された流体は吸入室7
に入り、圧縮室8により圧縮されて、固定スクロール部
材4の中心部に設けられた吐出口9から排出される。こ
のとき発生する流体圧力が旋回スクロール部材5に作用
するが、半径方向分力はクランク軸12により支持され
る。また軸方向分力に打勝つように空間13内の圧力
(以後背圧と称する。)を吸入圧力と吐出圧力の中間の
適切な圧力に設定し、該軸方向分力と背圧による軸方向
力との差は鏡板4c,5c間の面圧として支持される。
圧縮原理を第3図を用いて説明する。図は固定スクロー
ル部材4の吸入室7および渦巻形状の歯4bを含む断面
と、これに組合わせた旋回スクロール部材の渦巻形状の
歯5bの断面のみを示す。固定スクロール部材4は空間
に対して静止しており、旋回スクロール部材の歯5bは
その姿勢を空間に対し一定に保ったまま旋回運動を行
う。この旋回運動によって、固定スクロール部材4の歯
4bと旋回スクロール部材の歯5bとの間に形成される
三日月状の圧縮室8は第3図→→→(図はクラ
ンク軸12がほぼ90゜ずつ旋回した状態を示)とその
体積を減少させるので、該圧縮室8に取込まれている流
体が逐次圧縮され、所定の圧縮比になったとき吐出口9
から排出される。
ところで、圧縮室8は第4図に示すように歯4bと歯5
bとを組合わせて形成されているので、歯4b,5bの
寸法精度が充分でないときには、圧縮室8内に取込まれ
た圧縮流体が圧縮室外に漏れて圧縮比や圧縮効率が低下
したり、あるいは、かじりによって歯4b,5bが破損
したりするおそれがある。これを防止するためには、と
くに歯4b,5bが互いに接触する接触面の良好な表面
粗さ、底板4a,5aに対する歯4b,5bの直角度が
要求される。材質としては、良好な摺動特性(摩擦、摩
耗特性)が圧接摺動部に要求され、さらに高い圧縮比を
得るためや歯を高くして流体流量を増加するためには、
歯4b,5bの疲労強度が高いことが望ましい。このた
め、従来の固定、旋回スクロール部材4,5は耐摩耗性
および疲労強度に優れた金属材料を用い、精密機械加工
によってμmオーダの高精度で仕上げられていた。この
ような精密機械加工は多くの工数と加工時間を要するた
め、従来のスクロール流体機械の製造において生産性を
阻害する大きな障害となっていた。
一方、機械加工を省略し多量生産に適する製造技術とし
て樹脂成形が有力なことは一般に知られており、プラス
チック歯車、プラスチックレンズなど精密成形の実例も
知られている。スクロール部材にこのプラスチックの精
密成形技術を応用し、上記の生産性の問題を解決するこ
とが考えられた。例えば、特開昭58−91388号、
特開昭61−294180号では、金属製芯材の表面に
樹脂層を形成して旋回スクロール部材および固定スクロ
ール部材を精密成形する方法が開示されている。この方
法で作られた従来の樹脂成形固定スクロール部材15お
よび旋回スクロール部材16の略示断面図を第5図に示
す。これは、金属製芯材15d,16dに対して、固定
スクロール部材15と旋回スクロール部材16を組合わ
せたとき対向する面に樹脂を被覆して樹脂層17を高精
度に形成したものである。
また、例えば特開昭61−38187号には、固定およ
び旋回両スクロール部材の圧接摺動する鏡板部は金属な
どの耐摩耗材料を用い、他の部分は全てプラスチックス
で成形する方法が開示されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上述したように、スクロール部材の精密機械加工は樹脂
の精密成形技術を適用することによって省略できる可能
性がある。しかし、実用化のためには強度や摺動特性な
どが高い信頼性を有していることが不可欠である。とく
に摺動特性は製品の性能と直接関連する重要な特性であ
る。ところで従来の金属製のスクロール部材で摺動特性
が問題となる主な場所は、第2図でいうと、鏡板4cと
鏡板5cとの間の圧接摺動であるが、両スクロール部材
が鏡板同士で圧接摺動しない型式のものでは底板4a,
5aと歯4b,5bの先端との間の圧接摺動であること
が知られている。よって従来の樹脂成形スクロール部材
における上記圧接摺動部位について検討する。
まず、第5図に示した従来のスクロール部材では、前記
圧接摺動部位は全て樹脂同士の摺動となる。よって、樹
脂同士の摺動特性が該スクロール部材を実用化するにあ
たっての重要な判定基準となる。一方、樹脂の一般的な
摺動特性な公表されている例も多いが、スクロール部材
の摺動条件、例えば自転の無い旋回運動における摺動特
性を示す例は見当らないようである。よって、スクロー
ル部材の摺動条件を模擬した要素試験を実施して問題点
を解明することにした。
第6図ほ要素試験を説明するための要部略示断面図であ
る。旋回試験片19は金属製の円筒、固定試験片18は
金属製の円盤であって、互いに対向する面は厚さ1mmの
樹脂層20で被覆されている。旋回試験片19は自転す
ることなく姿勢を一定に保ったまま固定試験片18に対
して所定の回転数で旋回運動をする。固定試験片18は
回転しないように固定され、旋回試験片19に所定の大
きさの押しつけ力Fで押しつけられる。両試験片間の圧
接摺動面には機械油が一定量滴下される。このようにし
て一定時間経過した後の摩擦係数μおよび摩耗量(樹脂
層20の厚さの減少量)Hを計測し、面圧P(=(押し
つけ力F)/(接触面積))との関係を求めた。一般
に、面圧Pが大きいときにも摩擦係数μおよび摩耗量H
が小さいことがスクロール部材として好ましい条件であ
ると云える。
試験結果を第7図に摩擦係数μと面圧Pの関係、第8図
に摩耗量Hと面圧Pの関数として、実線で示す。これら
の図における摩擦係数μ、摩耗量Hは従来の金属製スク
ロール部材で得られた値に対する相対値であり、面圧P
は従来の金属製スクロール部材における定格値に対する
相対値である。
使用した樹脂は次の3種類である。樹脂Aは耐熱性に優
れたポリイミド系樹脂に炭素繊維などのフィラを充填し
た樹脂組成物、樹脂Bは耐熱性に優れたエポキシ樹脂に
石英微細粒などをフィラとして充填した樹脂組成物、樹
脂Cは耐熱性、可撓性に優れたポリイミド系の樹脂であ
る。
この結果から、樹脂同士の圧接旋回摺動特性について次
の点が明らかとなった。すなわち、樹脂A、Bとも定格
近傍の面圧Pで摩擦係数μ、摩耗量Hとも急増し、増加
の始まる面圧Poは樹脂Bが樹脂Aより高い。また、樹
脂Cは面圧Pの増加に対して、その摩擦係数μは低い値
を保持し、この意味では優れた特性を示すが、摩耗量H
は面圧Pの増加とともに増加する。スクロール部材への
適用に対して樹脂Cは片当りなど局部接触に対するなじ
み性に優れるが耐摩耗性が劣り、この改善のためフィラ
を入れた樹脂A,Bは摩擦係数および摩耗量のいずれか
ら見ても耐面圧に劣る。なお、少くとも現時点では、こ
こで検討した樹脂に比べて特に摺動特性の優れた樹脂は
見当らない。以上のように、樹脂同士が摺動する従来提
案の樹脂成形スクロール部材(特開昭58−9138
8,特開昭61−294180)は摺動特性において問
題があることがわかった。
つぎに、圧接摺動部である鏡板部は金属とし、他の部分
をプラスチックスで成形した従来のスクロール部材(特
開昭61−38187号)では、摺動は鏡板部の金属同
士の摺動となるが、旋回および固定両スクロール部材の
鏡板部の機械加工が必要であるため生産性が劣り、ま
た、成形用プラスチックスの弾性率は一般に金属に比べ
非常に低いので、例えば第2図に示した従来のスクロー
ル圧縮機に用いるときは、スクロール部材、とくに内外
圧力差および外径の大きい固定スクロール部材は大きな
変形が生じることになり、かじりや異常摩耗などが発生
する可能性があり、信頼性が問題となる場合があった。
本発明の目的は、上述した摺動特性上の問題点を改善
し、生産性および信頼性に優れた樹脂成形スクロール部
材を用いたスクロール圧縮機を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、端板および該端板に一体的に直立した渦巻き
形状の歯を各々具有した固定スクロール部材および旋回
スクロール部材を互いに歯を内側に向けて対向するよう
に組合せ、固定スクロール部材に対して旋回スクロール
部材を自転なしに旋回運動させることにより、固定およ
び旋回両スクロール部材の形成する圧縮室でガスを圧縮
して吐出させるようにしたスクロール圧縮機において、 両スクロール部材の歯および歯底が、それぞれ20〜1
00μmRmaxの表面粗さの金属芯材面および金属歯底面
を樹脂層にて被覆したものよりなり、両スクロール部材
の鏡板同士が主な圧接摺動部となる場合には、該圧接摺
動部は、一方の鏡板面が樹脂面となり、他方の鏡板面が
金属面となるように形成されており、また、両スクロー
ル部材それぞれの歯先面および歯底面間が主な圧接摺動
部となる場合には、該圧接摺動部は、それぞれの歯先面
が樹脂面となり、それぞれの歯底面が前記被覆した樹脂
層上に配置した金属性摺動板の金属面となるように形成
されていることを特徴とするものである。
〔作用〕
固定スクロール部材および旋回スクロール部材の圧接摺
動部は一方が樹脂で他方が金属であるため摺動特性が良
好である。圧接摺動部の他方を成す金属は摺動部の温度
上昇を防ぐ良好な熱伝導性、摺動により面粗さが劣力し
ない高い硬度、保油性を与えるので、摺動特性の向上を
もたらす。また、圧接摺動部の金属面以外には機械加工
仕上げを要しないので生産性が良くなる。さらに、両ス
クロール部材の歯は、いずれも20〜100μmRmaxの
表面粗さの金属芯材面を樹脂層にて被覆したものよりな
るので、該歯の精密樹脂成形が可能となるばかりでな
く、樹脂単独の歯に比べて高い剛性をもち、内外圧力差
および外径の大きいスクロール部材にあっても、大きな
変形を生じることがなく、したがって、スクロール圧縮
機の運転中、かじりや異常摩耗などの発生はない。
〔実施例〕
第1図(a),(b)は、本発明のスクロール圧縮機における
固定スクロール部材および旋回スクロール部材の一例を
夫々示す略示断面図である。固定スクロール部材2は、
渦巻形状の歯2bを底板2aに直立して形成した金属製
芯材である鋳鉄製鋳放しの芯材2d(詳細後述)の底板
2aの歯形成反対面と鏡板2cとを除いた面を樹脂(詳
細後述)によって被覆して樹脂層1を形成し、鏡板2c
の圧接摺動面2c′を機械加工してなるものである。旋
回スクロール部材3は、固定スクロール部材と同様に製
作した鋳鉄製鋳放しの芯材3dの底板3aの歯形成反対
面を除いた面を樹脂によって被覆して樹脂層1を形成し
てなるものであり、クランク軸(図示せず)が嵌合する
クランク軸受部3eを有している。
芯材2d,3dは鋳鉄製の鋳物であって、その表面粗さ
は鋳型の砂の粒度管理により鋳肌のままでほぼ50μm
Rmaxになっている。この表面粗さにすることにより、
樹脂層1との接着性がきわめて良好となる。
樹脂層1を被覆した歯2b,3bの外形寸法についてい
えば、第9図に示すように、歯の断面において、歯bの
歯たけ方向にθ=1.5゜のテーパを設けるとともに先
端および根元に1mmのRを設けている。固定および旋回
スクロール部材の歯2b,3bの形状を同一にすること
により、第10図に示すように、隙間なく組合せること
が出来る。
樹脂層1は約1mmの厚さである。樹脂は、耐熱性に優れ
たエポキシ樹脂に石英微細粒をフィラとして充填して、
線膨張係数を芯材の線膨張係数にほぼ合うようにした樹
脂組成物である。該樹脂を芯材の前記の面に、真空・射
出圧縮成形によって精密成形して樹脂層1が形成されて
いる。
本実施例の摺動特性を、第6図に示した要素試験により
求めた。固定試験片18は樹脂層20で被覆されていな
い鋳鉄製とし、旋回試験片19の樹脂層20は〔発明が
解決しようとする問題点〕の項で前述した樹脂B(本実
施例で用いた樹脂に相当する)と樹脂Aの2種類とし
た。結果を第7図に摩擦係数μと面圧Pの関係、第8図
に摩耗量Hと面圧Pの関係として破線で示し、樹脂Aの
場合の結果をA′、樹脂Bの場合の結果をB′と表示し
た。樹脂同士の圧接摺動の場合(実線)に比べて、本実
施例のように金属と樹脂との圧接摺動の場合(破線)に
は、樹脂A,Bとも摩擦係数μ、摩耗量Hの耐面圧特性
が向上し、とくに本実施例で用いた樹脂Bは定格の2倍
の面圧Pに耐える。
なお、本実施例は金属性芯材によって高い剛性を持ち鏡
板を設けたスクロール部材であるので、固定スクロール
部材2の鏡板2cと旋回スクロール部材3の鏡板3cが
主な圧接摺動部となり、例えば固定スクロール2の底板
2aと旋回スクロール部材3の歯3bの先端とは原則と
して接触しない設計となっているため、そこでは樹脂同
士の対向面であっても摺動特性を劣化させることはな
い。
以上説明した実施例によれば、鋳放しの鋳鉄製芯材2
d,3dの表面に樹脂を被覆して精密成形するようにし
たので、μmオーダの高い寸法精度の樹脂層1を被覆し
た歯が得られ、芯材との接着性が良く、かつ従来の樹脂
成形スクロール部材よりも摺動特性に優れた固定スクロ
ール部材2、旋回スクロール部材3が得られるという効
果がある。また、従来の精密機械加工による全金属製の
スクロール部材に比べて、加工時間、工程数が減少し生
産性が向上するとともに、設備投資効率も改善できると
いう効果もある。さらに、旋回スクロール部材3は従来
の精密機械加工による全金属製の旋回スクロール部材に
比べ、外形が同じとすると、その重量を軽減できるの
で、遠心力ひいては軸受負荷が減少し、スクロール圧縮
機の信頼性向上あるいは原価低減への波及効果が得られ
る。
なお、上記実施例においては、金属製芯材として鋳放し
の鋳鉄を使用したが、これに限るものではなく、例え
ば、Al鋳造品でもよい。その他、鍛造品、塑性加工品、
荒加工品あるいは粉末冶金製品などの金属製芯材であっ
てもよい。また、固定スクロール部材2と旋回スクロー
ル部材3の芯材は同一である必要はなく、例えば固定ス
クロール部材2の芯材は鋳鉄製、旋回スクロール部材3
の芯材はAl製であってもよい。さらに、旋回スクロール
部材3の芯材は半金属製品、例えばセラミックスでもよ
い。また、芯材の表面粗さを50μmRmaxにしたが、
本発明者らの研究によれば、20〜100μmRmaxの
表面粗さにすれば樹脂層1との接着性が良い。
歯の外形形状として、テーパ角θ=1.5゜,R=1mm
としたが、テーパ角θは1.5゜以上であれば成形型か
ら抜くときの離型性がよく、Rは0.5mm以上であれば
成形性がよい。
樹脂層1の厚さは約1mmとしたが、0.5mm以上の厚さ
で歯の形状との関係から決めればよい。また、樹脂はエ
ポキシ樹脂を使用したが、ポリイミド系樹脂など耐熱
性、耐環境性(空調用圧縮機では冷媒や油に耐えるこ
と)に優れ、成形、接着性に優れたものであればよい。
また、フィラとして、石英細粒を使用したが、酸化アル
ミ、マイカなどの細粒を単独あるいは混合して使用して
もよく、さらに固体潤滑剤として、二硫化モリブデン、
グラファイト粉末、PTFE(ポリテトラフロロエチレ
ン)樹脂などのフッ素系樹脂などを混合して使用しても
よい。
上記実施例では鏡板の樹脂層1は旋回スクロール部材3
の鏡板3cに形成し、固定スクロール部材2の鏡板2c
は金属の機械加工面2c′としたが、反対に、固定スク
ロール部材2の鏡板2cに樹脂層1を形成し、旋回スク
ロール部材3の鏡板3cは金属の機械加工面としてもよ
い。
他の実施例を第11図により説明する。第11図は固定
スクロール部材21を示した断面図である。旋回スクロ
ールとしては第1図(b)に示したものを用いる。この固
定スクロール部材21は、前記第一の実施例における金
属製芯材2dと同様の芯材21dを、底板21aおよび
鏡板21cの歯形成反対面を除いて樹脂により被覆して
樹脂層1を形成し、その際、鏡板21cの摺動面21
c′をなす金属製の摺動板22を埋設し一体成形して形
成したものである。摺動板22はリングあるいはリング
の一部を円周上に並べて配置した金属製薄板であり、少
くとも摺動面の表面粗さは0.2〜1μmRmaxの値で
ある。この固定スクロール部材21は、鏡板21cのう
ち、フレーム10との合せ面21c′を機械加工する必
要があるが、その表面粗さは摺動面より粗くてよく、前
記第1実施例における固定スクロール部材2に比較して
加工時間が少くなるため、より一層の生産性向上を図る
ことができる。
なお、第11図では摺動板22の内周部で樹脂層1の成
形型との位置合せを行うが、これに限るものではなく、
例えば、第12図に示すように金属製芯材21dの鏡板
部21cに設けられた溝と該摺動板22の外周部で位置
合せを行うものでもよく、または、第13図に示すよう
に樹脂成形後に摺動板22を挿入設置するようにしても
よい。
また、本実施例の固定スクロール部材21は、金属製芯
材を持つものとして説明したが、これに限るものではな
く、他の材料、例えば金属と同程度の剛性をもったセラ
ミックスなどを芯材にしてもよい。
なお、本実施例は固定スクロール部材21の構成につい
て述べたが、反対に、同様の構成を、前記第1図(b)に
示した旋回スクロール部材3に適用することもできる。
第3の実施例を第14図に示す。第14図は固定スクロ
ール部材23の歯23bと旋回スクロール部材24の歯
24bが組合された状態での要部断面図である。先ず旋
回スクロール部材24について説明する。旋回スクロー
ル部材24は、前記の第一の実施例における金属製芯材
3dと同様の芯材24dの底板24aの歯形成反対面お
よび鏡板(図示せず)の摺動面を除いた面を樹脂により
被覆して樹脂層1を形成し、その際底板24aの摺動面
(固定スクロール23の歯23bの先端との摺動面)2
4a′となる金属製の摺動板25を埋設して一体成形し
て形成したものである。摺動板25は歯24bの形状に
関係した渦巻状の金属製薄板であり、性状は前記第11
図における摺動板22と同様である。固定スクロール部
材23も上記旋回スクロール部材24と同様に摺動板2
5を底板23aの摺動面23a′として埋設してなる。
本実施例によれば、前記第1図(a),(b)に示した鏡板を
有するスクロール部材において、過負荷などで底板と歯
先端とが摺動接触する場合に対応できるので、摺動特性
の信頼性をより一層向上させる効果がある。また、鏡板
のないスクロール部材も従来知られているが、そのよう
なスクロール部材の場合には歯の先端部と底板の底面部
とが圧接摺動部となるので、本実施例の構成を適用する
ことは、摺動特性の信頼性の確保に極めて有効である。
なお、摺動板25のコーナー部で、樹脂層1の厚さtの
不足、切欠き効果による応力集中によって強度信頼性が
不十分となりやすい。このような場合には、第15図に
示すように、摺動板25の角を取ること、底板24aの
底部の樹脂層1の厚さt2を他部の厚さt1より大とする
ことで改善される。また、第16図に示すように、芯材
26dの歯26bの付根部に溝、例えば半径R1の半円
状の溝を設けることにより、上記の問題が改善されると
ともに、前記第9図に示す実施例では歯付根のRは歯先
端と同一でなければならない制約があって芯材の歯付根
部の曲率半径Rは制限されるが、これに対して本実施例
では上記半径R1はRと無関係であるから、芯材26d
の歯付根部の応力集中を緩和させ強度信頼性を向上させ
る効果がある。
なお、上記実施例は芯材24dを樹脂で被覆成形すると
き摺動板25を同時に埋込み成形するものとして述べた
が、芯材を被覆成形後に摺動板25を挿入設置してもよ
い。
スクロール部材の歯に係る他の実施例を第17図に示
す。第17図は歯の先端部を示す要部断面図である。前
記の第一の実施例における金属製芯材2dと同様の芯材
dの表面を樹脂により被覆して樹脂層1を形成してあ
り、樹脂形成した歯bの先端部断面の外形形状は、コー
ナ部はR2,中央部はR2の半径の円弧からなる。R3
主に樹脂成形可能な小さな値、例えばR3=0.5mmと
し、R2は十分大きな値、例えば歯先端の厚さの3倍と
してあり、芯材dの先端部半径R4とは直接は関係のな
い値である。一方、歯と底板とで形成する圧縮空間から
隣接する圧縮空間に圧縮流体が漏れることを防ぐために
は、歯の先端部のシール幅の厚いことが有効である。と
ころで、前記第一の実施例における歯の先端形状(第1
8図にその要部断面図を示す。)におけるシール幅a
は、歯の厚さを従来のスクロール部材の歯のそれと同じ
約3.5mm程度とすると、テーパ角θ、先端のRを考え
ると、a=0.5mm程度である。これに対し、第17図
の本実施例では、歯先端コーナ部R3を小さく、また中
央部R2を大きくとることで有効なシール幅a′を約
1.5mmとすることが出来、樹脂で成形したスクロール
部材を用いたスクロール圧縮機の性能向上に効果があ
る。また、歯先端が底板摺動面に対し摺動するとき、歯
先端がR2の曲率半径をもつため、潤滑油膜の形成が容
易となり摺動特性の信頼性向上に効果がある。
なお、本実施例の特別な場合として歯先端中央部が平坦
な第19図に示す形状が得られる。
前記第3の実施例においては第16図に示したように歯
26bの付根には歯先端と同じ半径のRがとってある
が、第20図に示すように上記のRのない場合でも第1
7図および第19図に示した実施例の歯先端形状を用い
ると、歯組合せ時の最終隙間を小さくすることが可能と
なり、歯形状の設計の自由度が増える。
本発明の更に他の実施例を第21図に示す。第21図は
樹脂層26の表面部分を示す断面図である。本実施例
は、前記第1の実施例で述べたスクロール部材の樹脂層
において、少くとも圧接摺動する部位を樹脂層26で形
成したものである。該樹脂層26は、第1の実施例で述
べた成形用の樹脂で内部層26bを形成し、該内部層2
6bの表面に、可撓性に富み耐熱性、摩擦特性の優れた
ポリイミド系樹脂(これは〔発明が解決しようとする問
題点〕の項で述べた樹脂Cに相当する)の薄膜で表面層
26aを形成したものである。本実施例のスクロール部
材の圧接摺動部は樹脂層26で形成されているため、該
樹脂層26の表面層26aの効果、すなわち第7図に示
した樹脂Cの摩擦係数μが高面圧Pまで低い値を保持す
ることにより、片当りなど局部面圧の上昇に対してかじ
りなど摺動特性上の問題が発生しない信頼性の高いスク
ロール部材を得ることが出来る。
上記樹脂層26を形成する方法について説明すると、樹
脂成形の型における該樹脂層26に対応する面に、別に
用意した表面層26a用の樹脂フィルムを設置し、同時
に芯材を設置し、真空・射出圧縮成形法によって精密成
形して該樹脂層26が形成される。
なお、表面の上記樹脂層26aはポリイミド系樹脂に限
らず耐熱性、可撓性、摩擦特性に優れた樹脂であればよ
く、例えばエポキシ樹脂、PTFE(ポリテトラフロロ
エチレン)樹脂などのフッ素樹脂などでもよい。また、
樹脂層26は一体成形した二層構造としたが、これに限
るものではなく、表面層26aとなるポリイミド系樹脂
のフィルムを内部層26bの成形後に接着接合してもよ
く、あるいは平均面圧が低いときには、内部層26bを
成形した後に摺動部に樹脂層26aに相当する樹脂フィ
ルムを挿入設置してもよい。
〔発明の効果〕
本発明によれば、固定および旋回両スクロール部材の軽
量化が図れると共に、両スクロール部材の圧接摺動部の
摺動特性を良好にすることができ、また、いずれか一方
のスクロール部材の摺動部金属面以外の面は機械加工仕
上げの必要がないので製造における生産性を向上させる
ことができる。さらに、両スクロール部材の歯は、いず
れも金属製端板と一体的な金属芯材を樹脂層で被覆した
ものよりなるので、スクロール部材の剛性が大きく、変
形が少いので摺動特性の信頼性が更に向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図(a),(b)は本発明の第1の実施例に係る固定スク
ロール部材と旋回スクロール部材を夫々示す略示断面
図、第2図は従来のスクロール圧縮機の一例を示す要部
略示断面図、第3図〜は第2図に係るスクロール圧
縮機の圧縮動作を説明するための断面図、第4図は第2
図における固定および旋回両スクロール部材の歯を示す
要部拡大断面図、第5図は樹脂被覆を有する従来の固定
および旋回両スクロール部材の例を示す断面図、第6図
は要素試験を説明するための要部略示断面図、第7図お
よび第8図は要素試験結果を示す図面、第9図は第1図
における歯の近傍の詳細を示す要部拡大断面図、第10
図は第1図に係る固定スクロール部材と旋回スクロール
部材との組合せ状態を示す要部断面図、第11図は本発
明の第2の実施例に係る固定スクロール部材を示す略示
断面図、第12図および第13図は第11図に係る他の
実施例を示す要部略示断面図、第14図は本発明の第3
の実施例に係る固定スクロール部材と旋回スクロール部
材との組合せ状態を示す要部断面図、第15図および第
16図は第14図に係る他の実施例を示す要部断面図、
第17図は本発明の他の実施例に係るスクロール部材の
歯を示す要部断面図、第18図は第1の実施例に係るス
クロール部材の歯を示す要部断面図、第19図および第
20図はスクロール部材の他の実施例の歯に関する要部
断面図、第21図は本発明の更に他の実施例に係るスク
ロール部材の樹脂層を示す要部断面図である。 1……樹脂層、2……固定スクロール部材 3……旋回スクロール部材、2a,3a……底板 2b,3b……歯、2c,3c……鏡板 2c′……摺動面、2d,3d……芯材 21……固定スクロール部材、22,25……摺動板 26……樹脂層、26a……表面層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菊地 勝昭 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 前田 英二 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所清水工場内 (72)発明者 国方 優 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所清水工場内 (72)発明者 金井 保之 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所清水工場内 (72)発明者 金田 愛三 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 中村 省三 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−38187(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】端板および該端板に一体的に直立した渦巻
    き形状の歯を各々具有した固定スクロール部材および旋
    回スクロール部材を互に歯を内側に向けて対向するよう
    に組合せ、固定スクロール部材に対して旋回スクロール
    部材を自転なしに旋回運動させることにより、固定およ
    び旋回両スクロール部材の形成する圧縮室でガスを圧縮
    して吐出させるようにしたスクロール圧縮機において、 両スクロール部材の歯および歯底が、それぞれ20〜1
    00μmRmaxの表面粗さの金属芯材面および金属歯底面
    を樹脂層にて被覆したものよりなり、両スクロール部材
    の鏡板同士が主な圧接摺動部となる場合には、該圧接摺
    動部は、一方の鏡板面が樹脂面となり、他方の鏡板面が
    金属面となるように形成されており、また、両スクロー
    ル部材それぞれの歯先面および歯底面間が主な圧接摺動
    部となる場合には、該圧接摺動部は、それぞれの歯先面
    が樹脂面となり、それぞれの歯底面が前記被覆した樹脂
    層上に配置した金属性摺動板の金属面となるように形成
    されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】前記樹脂層を形成する樹脂が、エポキシ樹
    脂に石英微細粉および所望により更に固体潤滑剤を配合
    してなる樹脂組成物であることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項に記載のスクロール圧縮機。
  3. 【請求項3】前記の圧接摺動部の樹脂面は、耐熱性・耐
    摩耗性の優れた樹脂よりなる内部層と可撓性に富む耐熱
    性・摩擦特性の優れた樹脂よりなる表面層との二層構造
    を持つ樹脂層で与えられることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項または第2項のいずれかに記載のスクロール
    圧縮機。
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