JPH0616103B2 - 低速電子測定装置 - Google Patents

低速電子測定装置

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JPH0616103B2
JPH0616103B2 JP60080891A JP8089185A JPH0616103B2 JP H0616103 B2 JPH0616103 B2 JP H0616103B2 JP 60080891 A JP60080891 A JP 60080891A JP 8089185 A JP8089185 A JP 8089185A JP H0616103 B2 JPH0616103 B2 JP H0616103B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、大気中における気体放電を利用して低速電子
を測定する装置の放電率、つまり基準点を補正する技術
に関する。
(従来技術) 試料表面から放出された光電子や熱電子、エキソ電子
(以下、低速電子と呼ぶ)の検出には、開口を介して大
気開放された導電性容器からなる陰極の内部に陽極を、
開口部に第1及び第2格子を配設するとともに、陰極と
陽極間に3.4KV程度の電圧を印加し、また第1及び
第2の格子電極にはそれぞれ常時は100V及び80V
程度の電圧を印加するように構成された低速電子測定装
置が用いられる。
この装置において、試料表面から放出された低速電子が
空間部を通過して開口部から陰極に侵入すると、この低
速電子をトリガとして陽極に放電が生じ、陽極からパル
ス信号を出力する。このパルス信号により計数手段を作
動させる一方、第1の格子電極の電位を上昇させて放電
の発達を防止し、同時に第2格子電極を負電位まで低下
させて放電中に生じた陽イオンを中和し、以後元の状態
に戻るという過程を繰返しながら低速電子の発生数を測
定する。
ところで、この低速電子検出装置は、開口を介して大気
に連通されている関係上、第5図(イ)(ロ)の実線に
より示したように大気圧や温度、さらには湿度等の大気
条件の変動を直接受け、このため放電条件が変動して同
一陽極電圧に対する計数率が大幅に変化して測定結果に
大きな測定誤差を生じるという不都合があった。
もとより、このような問題は、気圧センサや温度セン
サ、湿度センサ等を用いて大気条件を検出し、この検出
結果に基づいて陽極電圧を調整することにより解消され
るが、各種のセンサを必要するばかりでなく、大気条件
を支配する各パラメータが放電条件に及ぼす影響度の相
違や、これらの相互関連性を勘案して制御量を決定せね
ばならず、特別な演算手段が必要になるという新たな問
題を招く。
(目的) 本発明はこのような問題に鑑み、大気状態検出センサや
特別な演算手段を用いることなく、大気状態の変動に拘
りなく一定の感度により低速電子を検出することができ
る基準点補正手段を備えた低速電子測定装置を提供する
ことを目的とする。
(構成) そこで、以下に本発明の詳細を図示した実施例に基づい
て説明する。
第1図は、本発明の一実施例を示すものであって、図中
符号1は、下部に形成された開口1aを介して大気に開
放された容器状の陰極で、内部空間に不平等電界を形成
する陽極2、及び放電を制御する第一格子電極3、第二
極子電極4が上下関係となるように配設されている。こ
の陽極2は、電圧可変型高電圧発生装置5に接続して低
速電子が流入したときに放電を生じるに足る電界を発生
させるように構成され、また直流阻止用コンデンサ6を
介して増幅器7に接続されている。
第一格子電極3は、第一パルス発生器8に接続され、常
時には100V程度の電圧を、また増幅器7からのパル
ス信号の出力により一定時間Te継続する400V程度の
電圧が印加される。第二格子電極4は、第二パルス発生
器9に接続され、常時は80V程度の電圧を、また増幅
器7からのパルス信号の出力により一定期間Te継続する
マイナス30V程度の電圧が印加されるように構成され
ている。10は、本発明の特徴部分をなす制御回路で、
低速電子の流入を阻止した状態、つまり大気状態検出モ
ードにおいては、電圧可変型高電圧発生装置5の出力電
圧を一方向に変化させ、カウンタ11からの出力が予め
設定された計数率になった時点で電圧走査を中止してこ
の時の陽極電圧を制御パラメータとして取込み、また測
定モードにおいては走査が中止されたときの電圧をパラ
メータとして一定レベルの放電を生じさせる電圧を電圧
可変型高電圧発生装置5から出力させるように構成され
ている。なお、図中符号12は、カウンタ11からの信
号を処理して計数率等に変換して表示するディスプレイ
装置を示す。
つぎに、このように構成した装置の動作を第2図に示し
た波形図に基づいて説明する。
現在の大気状態は、第5図(イ)(ロ)IIで示される状
態にあるとする。
陰極開口部1aの下方に試料Sを配置して装置を作動す
ると、試料Sの表面から放出された低速電子は、陽極2
により形成された電界を受けて第二格子電極4及び第一
格子電極3を順次通り抜けて陽極2に引き寄せられて行
く。このようにして電子が陽極2の近傍に到達すると、
この電子は、陽極近傍に分布している強電界の作用を受
けて急激に加速され、周囲の大気を電離させて放電を引
き起す。これにより陽極2は、急激な電位降下を引き起
す。この電位降下は、直流阻止用コンデンサ6を介して
パルス信号となって増幅器7により増幅されてカウンタ
11に入力し、低速電子の発生頻度や個数としてディス
プレイ装置12に表示される。
一方、このパルス信号は、第一及び第二パルス発生器
8、9に入力して第一パルス発生器8から電圧が例えば
300Vで時間幅Teのパルスを重畳出力させて第一格
子電極3の電位を400Vに引き上げて放電を消滅させ
る。また第二パルス発生器9からパルスを出力させて、
第二格子電極4の電位を陰極1に対して−30Vまで下
げ、上記放電により陰極1内に発生した陽イオンを消滅
させる。時間Teが経過すると、第一及び第二パルス発
生器8、9からのパルス出力が停止し、測定装置は初期
の状態に戻ってつぎの低速電子の流入を待つ。
このような状態において、大気圧や気温、湿度等の大気
状態が変化して陽極付近における電子移動度等の放電に
関わる条件に変動を来たし、放電条件が第5図(イ)
(ロ)のIIIに示された状態、つまり同一陽極電圧に対
する計数率が低下したとする。
そこで、まず陰極開口部1aから電子が入射できない状
態、例えば第二格子電極4を負電位に設定する。
このような準備を終えた段階で、制御回路10を大気状
態検出モードに設定すると、制御回路10は、電圧可変
型高電圧発生装置5を作動して、一方向、例えば低電圧
側から高電圧側に向けて電圧走査を開始する。電圧走査
を開始した当初は、陽極2には気体放電を起すに足る電
圧が印加されていないので、無放電状態を維持する。こ
のような状態で電圧を上昇していくと、陽極2には放電
を開始するに足る電圧が印加され始めるや自続放電域に
入って(第5図点線により示された曲線)、増幅器7か
ら気体放電数に相当するパルス信号が出力する。カウン
タ11は、このパルス信号を計数してその計数内容を制
御回路10に出力する。制御回路10は、カウンタ11
からの計数率が設定値と一致した時点で電圧可変型高電
圧発生装置5の電圧走査を中止し、同時に電圧可変型高
電圧発生装置5の出力電圧Vdを検出する。言うまでも
なく、この電圧Vdは、現在の大気圧、温度、湿度等の
相互的な関係に支配された大気状態、つまり第5図
(イ)(ロ)におけるIIIにより示された放電条件を示
すものである。
制御回路10は、放電変化時点の出力電圧Vdをパラメ
ータとして電圧可変型高電圧発生装置5の出力電圧をΔ
Vだけ高電圧側にシフトさせて放電条件を調整する。こ
れにより、放電条件は、大気状態変動以前の状態、つま
り第5図IIと同一の条件に引戻され、以後、低速電子1
個に対する計数率に変化を来たすことなく低速電子を検
出する。
第3図は、本発明の第2実施例を示すものであって、図
中符号13は、容器状の陰極1の内部に配設された陽極
で、導線をループ状に形成し、後述する陽極温度制御回
路15からの電力を受けてジュール熱により昇温するよ
うに構成されている。この陽極13は、電圧可変型高電
圧発生装置14に接続して低速電子が流入したときに放
電を生じるに足る電界を発生させるように構成され、ま
た直流阻止用コンデンサ6を介して増幅器7に接続され
ている。15は、本発明の特徴部分をなす陽極温度制御
回路で、大気状態検出モード時に予め設定された計数率
になった時点の電圧をパラメータとして一定レベルの放
電を生じさせるに足る温度になるように加熱電力を供給
するように構成されている。
つぎに、このように構成した装置の動作を第4図に示し
た波形図に基づいて説明する。
大気圧や気温、湿度等の大気状態が変化して陽極13の
付近における電子移動度等の放電に関わる条件に変動を
来たし、放電条件が第5図(イ)(ロ)のIIにより示さ
れる状態から同図IIIに示された状態、つまり計数率が
低下する状態に変化したとする。
そこで、まず陰極開口部1aから電子が入射できない状
態、例えば第二格子電極4を負電位に設定する。
このような準備を終えた段階で、陽極温度制御回路15
を大気状態検出モードに設定すると、電圧可変型高電圧
発生装置14の出力電圧を低電圧側から高電圧側に向け
て電圧走査を開始する。このような状態で陽極電圧を上
昇していくと、陽極13は、放電を開始するに足る電圧
が印加され始めるや自続放電域に入って、増幅器7から
気体放電数に相当するパルス信号が出力する。カウンタ
11は、このパルス信号を計数してその計数内容を陽極
温度制御回路15に出力する。陽極温度制御回路15
は、カウンタ11からの計数率が設定値と一致した時点
で電圧可変型高電圧発生装置14の電圧走査を中止し
て、その出力電圧Vd′を検出する。同時に、放電変化
時点の出力電圧Vd′をパラメータとして陽極への加熱
電力を増加させ、陽極13の温度をΔTだけ高温側にシ
フトさせる。これにより陽極13の近傍の気体の温度が
上昇して電子の移動度が大きくなる。これにより放電条
件は、大気状態変動以前の状態、つまり第5図(イ)
(ロ)においてIIで示された条件に引戻され、以後、低
速電子1個に対する計数率、つまり検出感度に変化を来
たすことなく低速電子を検出する。なお、周囲温度が余
りにも上昇したり、下降している場合には、陽極への加
熱電力を初期の状態にまで一旦戻してから大気状態を検
出するようにすると、測定誤差を可及的に小さくするこ
とができる。
なお、上述した実施例においては、低電圧側から電圧走
査を行なうようにしているが、高電圧側から走査を行な
って計数率が設定値まで低下した時点の陽極電圧に基づ
いて電圧可変型高電圧発生装置5の出力電圧を制御した
り、陽極温度制御回路15からの加熱電力を制御しても
同様の作用を奏することは明らかである。
また、上述した実施例においては、大気状態検出モード
時における放電状態検知を計数率の変化により行なって
いるが、増幅器7から出力されたパルス信号の波高値
や、陽極負荷電流の大きさに基づいて検出できることは
言うまでもない。
さらに、上述した実施例では陽極に電流を流して直接加
熱するようにしているが、陽極近傍にヒータを配設して
間接的に加熱するようにしても同様の作用を奏する。
さらに、上述した実施例においては、測定モードと大気
状態検出モードを手動により選択するようにしている
が、タイマー等を用いることにより一定周期で各モード
を自動的に交互に切換えることができる。
また、上述の実施例においては、低速電子の侵入を阻止
した状態、つまり低速電子が零の状態を校正基準として
いるが、電子線等のエネルギー線を既知量放出する物体
を用い、このエネルギー線に基づく計数率が一定となる
ように調整しても同様の作用を奏することは云うまでも
ない。
(効果) 以上、説明したように本発明によれば、低速電子が侵入
しない状態で陽極電圧を一方向に変化させて放電状態が
変化した時点の電圧をパラメータとして低速電子測定時
の陽極電圧もしくは陽極温度を設定するようにしたの
で、特別な大気状態検出手段や演算手段を使用すること
なく、常に一定の感度で低速電子を検出することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例を示す装置の構成図、第2
図は、同上装置の動作を示す波形図、第3図は、本発明
の他の実施例を示す装置の構成図、第4図は、第3図に
示した装置の動作を示す波形図、第5図(イ)(ロ)
は、それそれ低速電子測定装置における大気状態と計数
率の関係を示す特性図である。 1……陰極、2、13……陽極 3、4……格子電極

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】大気に連通し、低速電子の流入口が形成さ
    れた容器状の陰極と、該陰極の内部に配設された陽極と
    からなる低速電子検出器と、 前記陽極に対して少なくとも放電を生じさせるに足る電
    圧を出力する電圧可変型高電圧発生手段と、 低速電子の流入が無い状態で前記電圧可変型高電圧発生
    手段の出力電圧を一方向に変化させて前記陽極の放電状
    態が変化したときの前記陽極の電圧を検出し、低速電子
    検出時に前記電圧を前記陽極に印加させる制御手段と からなる低速電子測定装置。
  2. 【請求項2】大気に連通し、低速電子の流入口が形成さ
    れた容器状の陰極と、該陰極の内部に配設された陽極と
    からなる低速電子検出器と、 前記陽極に対して少なくとも放電を生じさせるに足る電
    圧を出力する電圧可変型高電圧発生手段と、 前記陽極を加熱する手段と、 低速電子の流入が無い状態で前記電圧可変型高電圧発生
    手段の出力を一方向に変化させて前記陽極の放電状態が
    変化した出力電圧により前記加熱手段の温度を制御する
    制御手段と からなる低速電子測定装置。
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