JPH06172011A - 窒化けい素焼結体の製造方法 - Google Patents
窒化けい素焼結体の製造方法Info
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- JPH06172011A JPH06172011A JP4323457A JP32345792A JPH06172011A JP H06172011 A JPH06172011 A JP H06172011A JP 4323457 A JP4323457 A JP 4323457A JP 32345792 A JP32345792 A JP 32345792A JP H06172011 A JPH06172011 A JP H06172011A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明の目的は、原料の混合粉砕工程において
有害なミスト等を発生する分散媒を使用せず、窒化けい
素原料粉末の種類に関係なく安定した特性を有する焼結
体を製造し得る窒化けい素焼結体の製造方法を提供する
ことにある。 【構成】本発明に係る窒化けい素焼結体の製造方法は、
窒化けい素原料粉末と焼結助剤とから成る組成物に対し
て分散媒としての水を添加してスラリーを調製し、得ら
れたスラリーの温度を2〜60℃に保持した状態でスラ
リーを湿式混合粉砕し、得られた混合物を造粒成形した
後に焼結することを特徴とする。またスラリーのpH値
を12以下、粘度を1000cps 以下にしたり、予め原
料粉末表面に所定厚さの酸化被膜を形成するとよい。
有害なミスト等を発生する分散媒を使用せず、窒化けい
素原料粉末の種類に関係なく安定した特性を有する焼結
体を製造し得る窒化けい素焼結体の製造方法を提供する
ことにある。 【構成】本発明に係る窒化けい素焼結体の製造方法は、
窒化けい素原料粉末と焼結助剤とから成る組成物に対し
て分散媒としての水を添加してスラリーを調製し、得ら
れたスラリーの温度を2〜60℃に保持した状態でスラ
リーを湿式混合粉砕し、得られた混合物を造粒成形した
後に焼結することを特徴とする。またスラリーのpH値
を12以下、粘度を1000cps 以下にしたり、予め原
料粉末表面に所定厚さの酸化被膜を形成するとよい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は窒化けい素焼結体の製造
方法に係り、特に原料粉末等の湿式混合粉砕工程におい
て有毒な溶剤等を使用せず、また原料粉末と分散媒との
反応を抑止し、高品質の窒化けい素焼結体が得られる窒
化けい素焼結体の製造方法に関する。
方法に係り、特に原料粉末等の湿式混合粉砕工程におい
て有毒な溶剤等を使用せず、また原料粉末と分散媒との
反応を抑止し、高品質の窒化けい素焼結体が得られる窒
化けい素焼結体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化けい素を主成分とするセラミックス
焼結体は軽量で高強度を有し、また耐摩耗特性に優れて
いるため、ベアリングの転動体およびレース材として広
く普及し始め、さらに電子機器部品、自動車部品や化学
機械部品にも利用されている。特に窒化けい素焼結体は
1900℃程度までの高温度領域においても優れた耐熱
性を有し、かつ熱膨脹係数も小さく、熱衝撃に対する耐
性も従来の金属材より優れていることから、ガスタービ
ン翼、タービンノズル、内燃機関部品を始め、各種の高
強度耐熱部品材料としてその用途開発が進められてい
る。
焼結体は軽量で高強度を有し、また耐摩耗特性に優れて
いるため、ベアリングの転動体およびレース材として広
く普及し始め、さらに電子機器部品、自動車部品や化学
機械部品にも利用されている。特に窒化けい素焼結体は
1900℃程度までの高温度領域においても優れた耐熱
性を有し、かつ熱膨脹係数も小さく、熱衝撃に対する耐
性も従来の金属材より優れていることから、ガスタービ
ン翼、タービンノズル、内燃機関部品を始め、各種の高
強度耐熱部品材料としてその用途開発が進められてい
る。
【0003】従来、窒化けい素焼結体は、所定粒径の窒
化けい素粉末と、焼結助剤としての酸化イットリウム
(Y2 O3 )、などの希土類酸化物、酸化アルミニウム
(Al2 O3 )と、分散媒としてのトリクロルエタン等
の塩素系溶剤とを混合粉砕して均一な混合体を形成し、
得られた混合体を造粒成形し、さらに脱脂焼結して製造
される。
化けい素粉末と、焼結助剤としての酸化イットリウム
(Y2 O3 )、などの希土類酸化物、酸化アルミニウム
(Al2 O3 )と、分散媒としてのトリクロルエタン等
の塩素系溶剤とを混合粉砕して均一な混合体を形成し、
得られた混合体を造粒成形し、さらに脱脂焼結して製造
される。
【0004】ここで原料となる窒化けい素粉末として
は、一般に二酸化けい素(SiO2 )を還元して窒化け
い素とする、いわゆるシリカ還元法によって製造された
原料粉末や、けい素の金属化合物を高温下で直接窒化さ
せる、いわゆるメタル直接窒化法によって製造された原
料粉末などが使用されている。
は、一般に二酸化けい素(SiO2 )を還元して窒化け
い素とする、いわゆるシリカ還元法によって製造された
原料粉末や、けい素の金属化合物を高温下で直接窒化さ
せる、いわゆるメタル直接窒化法によって製造された原
料粉末などが使用されている。
【0005】また焼結体を構成する上記窒化けい素粉末
のみでは焼結性が極めて悪いため、各種の焼結助剤が原
料中に添加される。ところで焼結体の特性を向上させる
ためには、窒化けい素粉末と焼結助剤とを均一に混合す
る必要があり、そのために原料粉末に各種の分散媒を添
加して均一に混合する操作が実行される。
のみでは焼結性が極めて悪いため、各種の焼結助剤が原
料中に添加される。ところで焼結体の特性を向上させる
ためには、窒化けい素粉末と焼結助剤とを均一に混合す
る必要があり、そのために原料粉末に各種の分散媒を添
加して均一に混合する操作が実行される。
【0006】分散媒としては、一般に水が優れた機能を
発揮するが、従来汎用の窒化けい素粉末は水と反応し易
く、NH3 とSiO2 に分解し易く、焼結体の強度特性
や耐摩耗性が低下する場合が多い。すなわち窒化けい素
は下記(1)式に示す反応式に従って水と反応しアンモ
ニアガスを発生せしめスラリーのpHを上昇させながら
シリカ(SiO2 )を生成する。
発揮するが、従来汎用の窒化けい素粉末は水と反応し易
く、NH3 とSiO2 に分解し易く、焼結体の強度特性
や耐摩耗性が低下する場合が多い。すなわち窒化けい素
は下記(1)式に示す反応式に従って水と反応しアンモ
ニアガスを発生せしめスラリーのpHを上昇させながら
シリカ(SiO2 )を生成する。
【0007】
【数1】
【0008】生成したシリカ(SiO2 )はSi3 N4
焼結体の高温強度および耐摩耗特性を低下させる。その
ため原料粉末と反応しにくいトリクロルエタン等の有機
塩素系溶剤や可燃性溶媒が分散媒として、一般に使用さ
れる。
焼結体の高温強度および耐摩耗特性を低下させる。その
ため原料粉末と反応しにくいトリクロルエタン等の有機
塩素系溶剤や可燃性溶媒が分散媒として、一般に使用さ
れる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の窒
化けい素焼結体の製造方法によれば、分散媒として上記
のようにトリクロルエタン等の塩素系溶剤を使用してい
たため、原料粉末の混合工程において有害な溶剤蒸気が
排出される可能性が大きく、作業環境および周辺環境を
汚染する危険性があり、その回収設備等の防護対策に膨
大な費用を要する欠点があった。また可燃性溶媒を使用
する場合には、プロセスの構成機器を全て耐圧防爆型に
する必要があるため、設備費が高騰してしまう問題点も
あった。
化けい素焼結体の製造方法によれば、分散媒として上記
のようにトリクロルエタン等の塩素系溶剤を使用してい
たため、原料粉末の混合工程において有害な溶剤蒸気が
排出される可能性が大きく、作業環境および周辺環境を
汚染する危険性があり、その回収設備等の防護対策に膨
大な費用を要する欠点があった。また可燃性溶媒を使用
する場合には、プロセスの構成機器を全て耐圧防爆型に
する必要があるため、設備費が高騰してしまう問題点も
あった。
【0010】上記問題点を解決する手段として、水との
反応性が小さい窒化けい素粉末を選択することにより、
品質低下を防止する製法が特願平1−317835号明
細書に開示されている。開示されたセラミックス焼結体
の製造方法においては、シリコンジイミド熱分解法によ
って製造された窒化けい素原料粉末を使用することを大
きな特徴としている。ここでシリコンジイミド熱分解法
はシリコンジイミド(Si(NH)2 )を高温条件下に
おいて熱分解し、窒化けい素(Si3 N4 )と水素(H
2 )とに分解する方法である。このイミド熱分解法によ
って製造された窒化けい素粉末は、水との反応性が比較
的に小さいため、原料の湿式混合粉砕工程において水を
分散媒として使用することが可能となる。
反応性が小さい窒化けい素粉末を選択することにより、
品質低下を防止する製法が特願平1−317835号明
細書に開示されている。開示されたセラミックス焼結体
の製造方法においては、シリコンジイミド熱分解法によ
って製造された窒化けい素原料粉末を使用することを大
きな特徴としている。ここでシリコンジイミド熱分解法
はシリコンジイミド(Si(NH)2 )を高温条件下に
おいて熱分解し、窒化けい素(Si3 N4 )と水素(H
2 )とに分解する方法である。このイミド熱分解法によ
って製造された窒化けい素粉末は、水との反応性が比較
的に小さいため、原料の湿式混合粉砕工程において水を
分散媒として使用することが可能となる。
【0011】しかしながら、イミド熱分解法によって製
造した窒化けい素原料粉末は、シリカ還元法やメタル直
接窒化法などの他の製法によって製造した原料粉末と比
較して割高であり、焼結体の製造コストを上昇させる問
題点がある。またイミド熱分解法によって製造した窒化
けい素原料粉末であっても湿式混合粉砕操作の条件によ
っては焼結体の強度特性等が低下してしまう問題点があ
った。
造した窒化けい素原料粉末は、シリカ還元法やメタル直
接窒化法などの他の製法によって製造した原料粉末と比
較して割高であり、焼結体の製造コストを上昇させる問
題点がある。またイミド熱分解法によって製造した窒化
けい素原料粉末であっても湿式混合粉砕操作の条件によ
っては焼結体の強度特性等が低下してしまう問題点があ
った。
【0012】本発明は上記の課題を解決するためになさ
れたものであり、原料の混合粉砕工程において有害なミ
スト、蒸気等を発生する分散媒を使用せずに水を使用す
ることが可能であり、また窒化けい素原料粉末の製造方
法および種類の相違によって特性が左右されず、優れた
品質特性を有する窒化けい素焼結体を安価に製造し得る
窒化けい素焼結体の製造方法を提供することを目的とす
る。
れたものであり、原料の混合粉砕工程において有害なミ
スト、蒸気等を発生する分散媒を使用せずに水を使用す
ることが可能であり、また窒化けい素原料粉末の製造方
法および種類の相違によって特性が左右されず、優れた
品質特性を有する窒化けい素焼結体を安価に製造し得る
窒化けい素焼結体の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段と作用】本発明者は、以上
の観点から有害な分散媒を使用せず、また従来の焼結体
と比較して品質特性を損うことなく、簡素な工程により
窒化けい素焼結体を得ることを目的に、窒化けい素粉末
の種類、湿式混合粉砕時におけるスラリーの温度、p
H、粘度等のプロセス条件を種々変えて実験を繰り返し
たところ、上記プロセス条件を所定の範囲内に設定した
り、窒化けい素原料粉末表面に酸化被膜を形成したりす
ることにより、原料粉末の製法の相違に影響されずに従
来の焼結体の品質特性と遜色なく、高品質の窒化けい素
焼結体を得ることができた。
の観点から有害な分散媒を使用せず、また従来の焼結体
と比較して品質特性を損うことなく、簡素な工程により
窒化けい素焼結体を得ることを目的に、窒化けい素粉末
の種類、湿式混合粉砕時におけるスラリーの温度、p
H、粘度等のプロセス条件を種々変えて実験を繰り返し
たところ、上記プロセス条件を所定の範囲内に設定した
り、窒化けい素原料粉末表面に酸化被膜を形成したりす
ることにより、原料粉末の製法の相違に影響されずに従
来の焼結体の品質特性と遜色なく、高品質の窒化けい素
焼結体を得ることができた。
【0014】本発明は上記の知見に基づいて完成された
ものである。すなわち本願発明に係る窒化けい素焼結体
の製造方法は窒化けい素原料粉末と焼結助剤とから成る
組成物に対して分散媒としての水を添加してスラリーを
調製し、得られたスラリーの温度を2〜60℃に保持し
た状態でスラリーを湿式混合粉砕し、得られた混合物を
造粒成形した後に焼結することを特徴とする。
ものである。すなわち本願発明に係る窒化けい素焼結体
の製造方法は窒化けい素原料粉末と焼結助剤とから成る
組成物に対して分散媒としての水を添加してスラリーを
調製し、得られたスラリーの温度を2〜60℃に保持し
た状態でスラリーを湿式混合粉砕し、得られた混合物を
造粒成形した後に焼結することを特徴とする。
【0015】また湿式混合粉砕工程におけるスラリーの
pH値を12以下に設定したり、スラリーの粘度を10
00cps (センチポイズ)以下に設定するとよい。
pH値を12以下に設定したり、スラリーの粘度を10
00cps (センチポイズ)以下に設定するとよい。
【0016】さらに窒化けい素原料粉末表面に予め厚さ
10〜500オングストロームの酸化被膜を形成してお
くとよい。
10〜500オングストロームの酸化被膜を形成してお
くとよい。
【0017】また粒径が0.1μm以上の窒化けい素原
料粉末を使用するとよい。
料粉末を使用するとよい。
【0018】但し、窒化けい素原料粉末の粒径は2μm
以下に設定するとよい。
以下に設定するとよい。
【0019】以下本発明の限定理由を述べる。
【0020】本発明の対象となる窒化けい素焼結体の原
料となる窒化けい素原料粉末としては、シリコンジイミ
ド熱分解法によって製造されたものは勿論のこと、その
他にメタル直接窒化法によって製造したもの、シリカ還
元法によって製造したものなど、いずれの種類の窒化け
い素粉末も使用することができる。
料となる窒化けい素原料粉末としては、シリコンジイミ
ド熱分解法によって製造されたものは勿論のこと、その
他にメタル直接窒化法によって製造したもの、シリカ還
元法によって製造したものなど、いずれの種類の窒化け
い素粉末も使用することができる。
【0021】また湿式混合粉砕工程におけるスラリーの
温度は、一種の化学反応である水と窒化けい素原料粉末
との反応性に大きく影響するため、2〜60℃の低温度
範囲に設定することが必要であり、さらに望ましくは4
0℃以下、さらに30℃以下の低温度に設定することに
より原料粉末と分散媒としての水との反応を効果的に抑
制することができる。なお分散媒の凝固を防止するため
にスラリー温度は2℃以上に保つことが望ましい。
温度は、一種の化学反応である水と窒化けい素原料粉末
との反応性に大きく影響するため、2〜60℃の低温度
範囲に設定することが必要であり、さらに望ましくは4
0℃以下、さらに30℃以下の低温度に設定することに
より原料粉末と分散媒としての水との反応を効果的に抑
制することができる。なお分散媒の凝固を防止するため
にスラリー温度は2℃以上に保つことが望ましい。
【0022】さらに湿式混合粉砕工程におけるスラリー
のpH値が12を超える場合には水と窒化けい素原料粉
末との反応が促進されるため、その反応を抑制するため
に12以下に設定される。しかしながら、スラリーのp
H値が6未満と低い場合にも反応によるアンモニア生成
が進行するため、スラリーのpH値は7〜10の範囲に
設定するとよく、より望ましくは8〜9.5の範囲に設
定するとよい。但し、上記pH調整のためにNaOHや
KOHなどの強アルカリを添加すると、反応は抑制され
るが、残留するNa,Kなどの金属イオンが焼結性に悪
影響を及ぼすため、pH調整用添加剤としては、脱脂焼
結時に揮散するNH3 塩などが好ましい。しかし過量の
NH3 塩を添加すると同様に焼結体の密度が低下する場
合があるので注意を要する。
のpH値が12を超える場合には水と窒化けい素原料粉
末との反応が促進されるため、その反応を抑制するため
に12以下に設定される。しかしながら、スラリーのp
H値が6未満と低い場合にも反応によるアンモニア生成
が進行するため、スラリーのpH値は7〜10の範囲に
設定するとよく、より望ましくは8〜9.5の範囲に設
定するとよい。但し、上記pH調整のためにNaOHや
KOHなどの強アルカリを添加すると、反応は抑制され
るが、残留するNa,Kなどの金属イオンが焼結性に悪
影響を及ぼすため、pH調整用添加剤としては、脱脂焼
結時に揮散するNH3 塩などが好ましい。しかし過量の
NH3 塩を添加すると同様に焼結体の密度が低下する場
合があるので注意を要する。
【0023】また湿式混合粉砕工程におけるスラリーの
粘度の大小も水と窒化けい素原料粉末との反応性に大き
な影響を及ぼすことが確認されており、本発明方法では
1000センチポイズ(cps)以下に設定される。ス
ラリーの粘度が1000センチポイズを超えると、混合
粉砕時に水と窒化けい素原料粉末相互に及ぼす機械的衝
撃力が高まり、両者の接触効率が高まり反応性が高ま
る。特に後述するように窒化けい素原料粉末表面に酸化
被膜を形成した場合には、混合粉砕時に酸化被膜が衝撃
力によって破壊されてしまうおそれが高くなる。したが
って、スラリーの粘度は1000cps以下に設定され
るが、より好ましくは500cps以下にするとよい。
上記スラリーの粘度は水と原料粉末と各種バインダとの
混合割合を変えることによって任意に調整することが可
能でる。
粘度の大小も水と窒化けい素原料粉末との反応性に大き
な影響を及ぼすことが確認されており、本発明方法では
1000センチポイズ(cps)以下に設定される。ス
ラリーの粘度が1000センチポイズを超えると、混合
粉砕時に水と窒化けい素原料粉末相互に及ぼす機械的衝
撃力が高まり、両者の接触効率が高まり反応性が高ま
る。特に後述するように窒化けい素原料粉末表面に酸化
被膜を形成した場合には、混合粉砕時に酸化被膜が衝撃
力によって破壊されてしまうおそれが高くなる。したが
って、スラリーの粘度は1000cps以下に設定され
るが、より好ましくは500cps以下にするとよい。
上記スラリーの粘度は水と原料粉末と各種バインダとの
混合割合を変えることによって任意に調整することが可
能でる。
【0024】なお上記のようにスラリーの粘度を低く抑
えることにより、造粒粉を容易に形成することが可能に
なるという副次的効果もある。
えることにより、造粒粉を容易に形成することが可能に
なるという副次的効果もある。
【0025】また窒化けい素原料粉末表面に予め厚さ1
0〜500オングストローム(A)の酸化被膜を形成す
ることにより、湿式混合粉砕時における水と窒化けい素
成分とが直接接触することを防止でき、水との反応を効
果的に抑止することが可能である。
0〜500オングストローム(A)の酸化被膜を形成す
ることにより、湿式混合粉砕時における水と窒化けい素
成分とが直接接触することを防止でき、水との反応を効
果的に抑止することが可能である。
【0026】窒化けい素原料粉末は、保存状態によって
は、ある程度の酸素および酸化物を含むものであるが、
本発明方法では積極的に酸化被膜を形成し水との反応性
を抑止している。上記酸化被膜の形成方法は、例えば窒
化けい素原料粉末を空気中において温度500〜600
℃で2〜3時間加熱することにより。厚さ10〜500
AのSiO2 被膜を形成することができる。酸化被膜の
厚さは透過型電子顕微鏡(TEM)による観察により計
測することができる。上記酸化被膜の厚さが10A未満
である場合には反応の抑止効果が充分ではない一方、厚
さが500Aを超える場合には、各窒化けい素原料粉末
の内部まで酸化されてしまうため、窒化けい素焼結体が
本来有する高温強度が損われてしまう。したがって酸化
被膜の厚さは上記範囲内に設定される。
は、ある程度の酸素および酸化物を含むものであるが、
本発明方法では積極的に酸化被膜を形成し水との反応性
を抑止している。上記酸化被膜の形成方法は、例えば窒
化けい素原料粉末を空気中において温度500〜600
℃で2〜3時間加熱することにより。厚さ10〜500
AのSiO2 被膜を形成することができる。酸化被膜の
厚さは透過型電子顕微鏡(TEM)による観察により計
測することができる。上記酸化被膜の厚さが10A未満
である場合には反応の抑止効果が充分ではない一方、厚
さが500Aを超える場合には、各窒化けい素原料粉末
の内部まで酸化されてしまうため、窒化けい素焼結体が
本来有する高温強度が損われてしまう。したがって酸化
被膜の厚さは上記範囲内に設定される。
【0027】また本発明者らの知見によれば、使用する
窒化けい素粉末の粒径の大小は水との接触面積の大小に
つながり水との反応性および焼結体の緻密度に大きく影
響することが判明している。特にメタル直接窒化法によ
って製造した原料粉末を使用する場合には、粒径0.1
μm未満の窒化けい素原料粉末を実質的に含まないもの
を使用することが重要である。したがって、水との反応
を抑止するためには原料粉末の粒径は0.1μm以上と
することが必要である。一方、焼結体の緻密度および強
度の観点からは、使用する窒化けい素粉末の粒径は、2
μm以下に設定するとよい。その理由は2μmを超える
と焼結が不充分になり焼結体の緻密度が低下するからで
ある。
窒化けい素粉末の粒径の大小は水との接触面積の大小に
つながり水との反応性および焼結体の緻密度に大きく影
響することが判明している。特にメタル直接窒化法によ
って製造した原料粉末を使用する場合には、粒径0.1
μm未満の窒化けい素原料粉末を実質的に含まないもの
を使用することが重要である。したがって、水との反応
を抑止するためには原料粉末の粒径は0.1μm以上と
することが必要である。一方、焼結体の緻密度および強
度の観点からは、使用する窒化けい素粉末の粒径は、2
μm以下に設定するとよい。その理由は2μmを超える
と焼結が不充分になり焼結体の緻密度が低下するからで
ある。
【0028】酸化イットリウムおよび酸化セリウム等の
希土類元素酸化物は、酸化アルミニウムや酸化チタニウ
ムとともに、焼結性を改善する焼結助剤として添加され
るものであり、その添加量は窒化けい素粉末100重量
部に対して1〜6重量部程度が好ましい。
希土類元素酸化物は、酸化アルミニウムや酸化チタニウ
ムとともに、焼結性を改善する焼結助剤として添加され
るものであり、その添加量は窒化けい素粉末100重量
部に対して1〜6重量部程度が好ましい。
【0029】上記各組成分を所定範囲内の組成比で添加
した後に分散媒としての水を添加し、各成分を均一に混
合粉砕する。水の添加量はスラリ混合物全重量に対して
40〜65%程度に設定される。40%未満では分散効
果が少ない一方、65%を超えると乾燥時間が長期化す
るためである。
した後に分散媒としての水を添加し、各成分を均一に混
合粉砕する。水の添加量はスラリ混合物全重量に対して
40〜65%程度に設定される。40%未満では分散効
果が少ない一方、65%を超えると乾燥時間が長期化す
るためである。
【0030】ここで混合粉砕機としては、従来のボール
ミルより混合効率が高いアトライタを使用するとよい。
アトライタは例えば図1に示すように粉砕攪拌用ボール
1を多数装填し、窒化けい素原料粉末、焼結助剤、バイ
ンダ等および分散媒を収容した粉砕タンク2と、収容さ
れた原料粉末層内に回転自在に配置されたアジテータア
ーム3と、アジテータアーム3を回転するアジテータシ
ャフト4と、粉砕タンク2の外面に一体に取り付けら
れ、原料スラリ等の温度調節を行なうジャケット5と、
粉砕タンク2内の原料粉末等を循環させるための循環ポ
ンプ6および循環配管7とから構成される。
ミルより混合効率が高いアトライタを使用するとよい。
アトライタは例えば図1に示すように粉砕攪拌用ボール
1を多数装填し、窒化けい素原料粉末、焼結助剤、バイ
ンダ等および分散媒を収容した粉砕タンク2と、収容さ
れた原料粉末層内に回転自在に配置されたアジテータア
ーム3と、アジテータアーム3を回転するアジテータシ
ャフト4と、粉砕タンク2の外面に一体に取り付けら
れ、原料スラリ等の温度調節を行なうジャケット5と、
粉砕タンク2内の原料粉末等を循環させるための循環ポ
ンプ6および循環配管7とから構成される。
【0031】粉砕タンク2内に収容された原料粉末、焼
結助剤および水は、アジテータアーム3の回転によって
混合される。各原料粉末は相互に混合するとともにボー
ル1の衝撃力によってより微細化される。
結助剤および水は、アジテータアーム3の回転によって
混合される。各原料粉末は相互に混合するとともにボー
ル1の衝撃力によってより微細化される。
【0032】ここで混合時間は1〜24時間に設定され
る。混合時間が1時間未満では窒化けい素粉末と焼結助
剤との分散混合が不充分である一方、24時間を超える
長時間に及ぶと、窒化けい素粉末の一部が水と反応して
SiO2 を生じ、焼結体の強度低下を招くからである。
る。混合時間が1時間未満では窒化けい素粉末と焼結助
剤との分散混合が不充分である一方、24時間を超える
長時間に及ぶと、窒化けい素粉末の一部が水と反応して
SiO2 を生じ、焼結体の強度低下を招くからである。
【0033】次に混合操作によって得られた均一なスラ
リーを温度200℃の雰囲気中に噴霧して造粒するスプ
レー造粒工程に供する。この造粒工程においてスラリー
中の水分のみが蒸発して原料粒子が形成される。次に得
られた原料粒子をプレス成形して所定の形状に成形し、
さらに必要に応じて生加工および脱脂操作を行なった後
に、非酸化性雰囲気において、温度1650〜1850
℃で焼結する。
リーを温度200℃の雰囲気中に噴霧して造粒するスプ
レー造粒工程に供する。この造粒工程においてスラリー
中の水分のみが蒸発して原料粒子が形成される。次に得
られた原料粒子をプレス成形して所定の形状に成形し、
さらに必要に応じて生加工および脱脂操作を行なった後
に、非酸化性雰囲気において、温度1650〜1850
℃で焼結する。
【0034】なお、この焼結は常圧焼結法によっても、
あるいはその他の焼結法、例えばホットプレス法、雰囲
気を加圧して行なう熱間静水圧焼結法(HIP)等によ
っても、緻密、かつ高温強度や耐熱衝撃性の優れた窒化
けい素焼結体が得られる。
あるいはその他の焼結法、例えばホットプレス法、雰囲
気を加圧して行なう熱間静水圧焼結法(HIP)等によ
っても、緻密、かつ高温強度や耐熱衝撃性の優れた窒化
けい素焼結体が得られる。
【0035】本発明に係る窒化けい素焼結体の製造方法
によれば、原料粉末を均一に混合粉砕するための分散媒
として水を使用しているため、混合粉砕処理時に有害蒸
気を発生するおそれがなく、作業環境および周辺環境を
汚染することがない。
によれば、原料粉末を均一に混合粉砕するための分散媒
として水を使用しているため、混合粉砕処理時に有害蒸
気を発生するおそれがなく、作業環境および周辺環境を
汚染することがない。
【0036】また窒化けい素原料粉末と分散媒としての
水との反応性に大きく影響するスラリーの温度、pH
値、粘度および原料粉末の粒径を厳正に制御することに
より、また原料粉末表面に酸化被膜を形成することによ
り、原料粉末の製造方法の相違を問わず、各種の窒化け
い素原料粉末を使用した場合においても、水と窒化けい
素原料粉末との反応を効果的に防止することができ、分
散媒として水を使用することが可能になり、水との反応
による焼結体の品質特性の低下を招くことなく、高温強
度や耐熱性に優れた焼結体が得られる。
水との反応性に大きく影響するスラリーの温度、pH
値、粘度および原料粉末の粒径を厳正に制御することに
より、また原料粉末表面に酸化被膜を形成することによ
り、原料粉末の製造方法の相違を問わず、各種の窒化け
い素原料粉末を使用した場合においても、水と窒化けい
素原料粉末との反応を効果的に防止することができ、分
散媒として水を使用することが可能になり、水との反応
による焼結体の品質特性の低下を招くことなく、高温強
度や耐熱性に優れた焼結体が得られる。
【0037】そして水は、従来のトリクロルエタンなど
の溶剤系の分散媒と比較して原料粉末の分散機能が極め
て優れているため、短時間の混合操作によって原料粉末
を均一に混合することができる。したがって焼結体の製
造効率が改善され、焼結体の量産性を向上させることも
できる。
の溶剤系の分散媒と比較して原料粉末の分散機能が極め
て優れているため、短時間の混合操作によって原料粉末
を均一に混合することができる。したがって焼結体の製
造効率が改善され、焼結体の量産性を向上させることも
できる。
【0038】
【実施例】次に本発明を以下の実施例により具体的に説
明する。
明する。
【0039】実施例1〜3としてそれぞれメタル直接窒
化法、シリコンジイミド熱分解法およびシリカ還元法に
よって製造した平均粒径0.8μmの各窒化けい素粉末
100重量部に対して、焼結助剤としての酸化イットリ
ウムを5重量部、酸化アルミニウムを5重量部、酸化チ
タニウムを1.5重量部を添加して原料粉末混合体を形
成し、得られた混合体重量の80%重量相当のイオン交
換水を分散媒として添加してスラリーを調製し、図1に
示すアトライタにて0〜4時間湿式混合粉砕を実施し
た。そして混合粉砕開始時、開始後30分、60分、1
20分、240分にそれぞれスラリー混合体をサンプリ
ングした。
化法、シリコンジイミド熱分解法およびシリカ還元法に
よって製造した平均粒径0.8μmの各窒化けい素粉末
100重量部に対して、焼結助剤としての酸化イットリ
ウムを5重量部、酸化アルミニウムを5重量部、酸化チ
タニウムを1.5重量部を添加して原料粉末混合体を形
成し、得られた混合体重量の80%重量相当のイオン交
換水を分散媒として添加してスラリーを調製し、図1に
示すアトライタにて0〜4時間湿式混合粉砕を実施し
た。そして混合粉砕開始時、開始後30分、60分、1
20分、240分にそれぞれスラリー混合体をサンプリ
ングした。
【0040】次に得られた各スラリー混合体に結合剤と
してワックスエマルジョンと水溶性アクリル樹脂を重量
比で7%添加し、スプレードライヤーにて乾燥温度20
0℃で造粒した。次に得られた各造粒粉試料を酸素分析
器内に投入し、温度1500℃で焼成して発生する酸素
濃度を測定した。この酸素濃度は前記(1)式に従って
窒化けい素原料粉末と水との反応によって生成するシリ
カ(SiO2 )が分解して発生したものであり、混合粉
砕処理時における原料粉末と水との反応量に比例するも
のである。したがってこの酸素濃度の経時変化の大小に
よって原料粉末と水との反応性、安定性を評価すること
ができる。
してワックスエマルジョンと水溶性アクリル樹脂を重量
比で7%添加し、スプレードライヤーにて乾燥温度20
0℃で造粒した。次に得られた各造粒粉試料を酸素分析
器内に投入し、温度1500℃で焼成して発生する酸素
濃度を測定した。この酸素濃度は前記(1)式に従って
窒化けい素原料粉末と水との反応によって生成するシリ
カ(SiO2 )が分解して発生したものであり、混合粉
砕処理時における原料粉末と水との反応量に比例するも
のである。したがってこの酸素濃度の経時変化の大小に
よって原料粉末と水との反応性、安定性を評価すること
ができる。
【0041】各スラリー混合体から調製した造粒粉の酸
素濃度の測定結果を表1に示す。
素濃度の測定結果を表1に示す。
【0042】一方、比較例1〜3として実施例1〜3で
それぞれ使用した窒化けい素原料粉末を使用し、湿式混
合粉砕時における条件制御を何ら実施せずに表1に示す
温度、pHおよび粘度の範囲で混合粉砕を行なった以外
は実施例1〜3と同様に処理して各造粒粉を調製し、同
様に酸素濃度を測定した。測定結果を下記表1に示す。
それぞれ使用した窒化けい素原料粉末を使用し、湿式混
合粉砕時における条件制御を何ら実施せずに表1に示す
温度、pHおよび粘度の範囲で混合粉砕を行なった以外
は実施例1〜3と同様に処理して各造粒粉を調製し、同
様に酸素濃度を測定した。測定結果を下記表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】表1に示す結果から明らかなように湿式混
合粉砕時におけるスラリーの温度、pHおよび粘度を厳
正に制御管理した実施例1〜3の造粒粉によれば、制御
しない比較例1〜3の場合と比較して、原料の製造方法
の相違に影響されず、酸素濃度の経時変化が少なく、湿
式混合粉砕時における窒化けい素原料粉末と水との反応
による分解が効果的に抑制されることが判明した。した
がって高品質の窒化けい素焼結体が得られるとともに窒
化けい素原料粉末の選択の自由度を大幅に高めることが
できる。
合粉砕時におけるスラリーの温度、pHおよび粘度を厳
正に制御管理した実施例1〜3の造粒粉によれば、制御
しない比較例1〜3の場合と比較して、原料の製造方法
の相違に影響されず、酸素濃度の経時変化が少なく、湿
式混合粉砕時における窒化けい素原料粉末と水との反応
による分解が効果的に抑制されることが判明した。した
がって高品質の窒化けい素焼結体が得られるとともに窒
化けい素原料粉末の選択の自由度を大幅に高めることが
できる。
【0045】次に窒化けい素粉末の粒径が反応性に及ぼ
す影響について、実施例4および比較例4に基づいて具
体的に説明する。
す影響について、実施例4および比較例4に基づいて具
体的に説明する。
【0046】実施例4としてメタル直接窒化法で形成し
た平均粒径1.0μmの窒化けい素原料粉末のうち粒径
が0.1μm未満の粉末を取り除いた窒化けい素原料粉
末を使用した以外は、実施例1と同様に処理して各造粒
粉を調製し、同様に造粒粉から発生する酸素濃度を測定
した。
た平均粒径1.0μmの窒化けい素原料粉末のうち粒径
が0.1μm未満の粉末を取り除いた窒化けい素原料粉
末を使用した以外は、実施例1と同様に処理して各造粒
粉を調製し、同様に造粒粉から発生する酸素濃度を測定
した。
【0047】一方、比較例4として実施例4において粒
径が0.1μm未満の粉末を除かずにそのまま使用した
以外は実施例4と同様に処理して各造粒粉を調製し、各
造粒粉から発生する酸素濃度を測定して表2に示す結果
を得た。
径が0.1μm未満の粉末を除かずにそのまま使用した
以外は実施例4と同様に処理して各造粒粉を調製し、各
造粒粉から発生する酸素濃度を測定して表2に示す結果
を得た。
【0048】表2に示す結果から明らかなように水との
接触面積が大きくなる微細な原料粉末を取り除いた実施
例4の場合においては、取り除かない比較例4の場合と
比較して酸素濃度の経時増加率が少なく原料粉末の水と
の反応が抑制されていることが判明する。
接触面積が大きくなる微細な原料粉末を取り除いた実施
例4の場合においては、取り除かない比較例4の場合と
比較して酸素濃度の経時増加率が少なく原料粉末の水と
の反応が抑制されていることが判明する。
【0049】次に原料粉末表面に形成する酸化被膜の効
用について実施例5および比較例5に基づいて具体的に
説明する。すなわち実施例5として、実施例4で用意し
た窒化けい素原料粉末(予め粒径0.1μm未満の粉末
は取り除いている。)を予め空気中で温度600℃で2
時間焼成して原料粉末表面に厚さ20Aのシリカ(Si
O2 )被膜を形成した以外は、実施例4と同様に湿式混
合粉砕および造粒処理を行ない、各造粒粉を調製した。
そして各造粒粉に含まれる酸素濃度を実施例4と同様に
して測定した。
用について実施例5および比較例5に基づいて具体的に
説明する。すなわち実施例5として、実施例4で用意し
た窒化けい素原料粉末(予め粒径0.1μm未満の粉末
は取り除いている。)を予め空気中で温度600℃で2
時間焼成して原料粉末表面に厚さ20Aのシリカ(Si
O2 )被膜を形成した以外は、実施例4と同様に湿式混
合粉砕および造粒処理を行ない、各造粒粉を調製した。
そして各造粒粉に含まれる酸素濃度を実施例4と同様に
して測定した。
【0050】一方比較例5として、実施例5において積
極的に被膜を形成しない以外は実施例と同様に処理して
造粒粉を調製し、同様に酸素濃度を測定して下記表2に
示す結果を得た。予め比較例5の原料粉末表面を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、酸化被膜の厚さは平均し
て5μmであった。
極的に被膜を形成しない以外は実施例と同様に処理して
造粒粉を調製し、同様に酸素濃度を測定して下記表2に
示す結果を得た。予め比較例5の原料粉末表面を透過型
電子顕微鏡で観察したところ、酸化被膜の厚さは平均し
て5μmであった。
【0051】
【表2】
【0052】表2に示す結果から明らかなように、粒径
0.1μm未満の微細な粉末を取り除き、原料粉末の表
面に酸化被膜を形成した実施例5の場合には、酸化被膜
によって窒化けい素と水との直接的な接触が防止される
効果があり、窒化けい素原料粉末の分解が、効果的に抑
止された。
0.1μm未満の微細な粉末を取り除き、原料粉末の表
面に酸化被膜を形成した実施例5の場合には、酸化被膜
によって窒化けい素と水との直接的な接触が防止される
効果があり、窒化けい素原料粉末の分解が、効果的に抑
止された。
【0053】
【発明の効果】以上説明の通り、本発明に係る窒化けい
素焼結体の製造方法によれば、原料粉末を均一に混合粉
砕するための分散媒として水を使用しているため、混合
粉砕操作時に有害蒸気を発生するおそれがなく、作業環
境および周辺環境を汚染することがない。
素焼結体の製造方法によれば、原料粉末を均一に混合粉
砕するための分散媒として水を使用しているため、混合
粉砕操作時に有害蒸気を発生するおそれがなく、作業環
境および周辺環境を汚染することがない。
【0054】また窒化けい素原料粉末と分散媒としての
水との反応性に大きく影響するスラリーの温度、pH
値、粘度および原料粉末の粒径を厳正に制御することに
より、また原料粉末表面に所定厚さの酸化被膜を形成す
ることにより、原料粉末の製造方法の相違を問わず、各
種の窒化けい素原料粉末を使用した場合においても、水
と窒化けい素原料粉末との反応を効果的に防止すること
ができ、分散媒として水を使用することが可能になり、
水との反応による焼結体の品質特性の低下を招くことな
く、高温強度や耐熱性に優れた焼結体が得られる。
水との反応性に大きく影響するスラリーの温度、pH
値、粘度および原料粉末の粒径を厳正に制御することに
より、また原料粉末表面に所定厚さの酸化被膜を形成す
ることにより、原料粉末の製造方法の相違を問わず、各
種の窒化けい素原料粉末を使用した場合においても、水
と窒化けい素原料粉末との反応を効果的に防止すること
ができ、分散媒として水を使用することが可能になり、
水との反応による焼結体の品質特性の低下を招くことな
く、高温強度や耐熱性に優れた焼結体が得られる。
【図1】本発明方法で使用するアトライタ混合粉砕機の
構成例を示す断面図。
構成例を示す断面図。
1 ボール 2 粉砕タンク 3 アジテータアーム 4 アジテータシャフト 5 ジャケット 6 循環ポンプ 7 循環配管
Claims (5)
- 【請求項1】 窒化けい素原料粉末と焼結助剤とから成
る組成物に対して分散媒としての水を添加してスラリー
を調製し、得られたスラリーの温度を2〜60℃に保持
した状態でスラリーを湿式混合粉砕し、得られた混合物
を造粒成形した後に焼結することを特徴とする窒化けい
素焼結体の製造方法。 - 【請求項2】 窒化けい素原料粉末と焼結助剤とから成
る組成物に対して分散媒としての水を添加してスラリー
を調製し、得られたスラリーのpH値を12以下に保持
した状態でスラリーを湿式混合粉砕し、得られた混合物
を造粒成形した後に焼結することを特徴とする窒化けい
素焼結体の製造方法。 - 【請求項3】 窒化けい素原料粉末と焼結助剤とから成
る組成物に対して分散媒としての水を添加してスラリー
を調製し、得られたスラリーの粘度を1000cps 以下
に保持した状態でスラリーを湿式混合粉砕し、得られた
混合物を造粒成形した後に焼結することを特徴とする窒
化けい素焼結体の製造方法。 - 【請求項4】 窒化けい素原料粉末表面に予め厚さ10
〜500オングストロームの酸化被膜を形成し、しかる
後に窒化けい素原料粉末と焼結助剤とから成る組成物に
対して分散媒としての水を添加してスラリーを調製し、
得られたスラリーを湿式混合粉砕し、得られた混合物を
造粒成形した後に焼結することを特徴とする窒化けい素
焼結体の製造方法。 - 【請求項5】 粒径が0.1μm以上の窒化けい素原料
粉末を使用することを特徴とする請求項4記載の窒化け
い素焼結体の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4323457A JPH06172011A (ja) | 1992-12-02 | 1992-12-02 | 窒化けい素焼結体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4323457A JPH06172011A (ja) | 1992-12-02 | 1992-12-02 | 窒化けい素焼結体の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06172011A true JPH06172011A (ja) | 1994-06-21 |
Family
ID=18154894
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4323457A Pending JPH06172011A (ja) | 1992-12-02 | 1992-12-02 | 窒化けい素焼結体の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06172011A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN116940541A (zh) * | 2021-11-25 | 2023-10-24 | 株式会社尖端Lab | 高韧性、高强度的氮化硅球的制造方法 |
| KR102723466B1 (ko) * | 2023-11-22 | 2024-10-30 | 주식회사 코웰 | 고가공성 질화규소 세라믹 복합체 및 이의 제조방법 |
-
1992
- 1992-12-02 JP JP4323457A patent/JPH06172011A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN116940541A (zh) * | 2021-11-25 | 2023-10-24 | 株式会社尖端Lab | 高韧性、高强度的氮化硅球的制造方法 |
| KR102723466B1 (ko) * | 2023-11-22 | 2024-10-30 | 주식회사 코웰 | 고가공성 질화규소 세라믹 복합체 및 이의 제조방법 |
| WO2025110559A1 (ko) * | 2023-11-22 | 2025-05-30 | 주식회사 코웰 | 고가공성 질화규소 세라믹 복합체 및 이의 제조방법 |
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