JPH0617262B2 - ジルコニアシート焼結体の製造方法 - Google Patents

ジルコニアシート焼結体の製造方法

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JPH0617262B2
JPH0617262B2 JP1078524A JP7852489A JPH0617262B2 JP H0617262 B2 JPH0617262 B2 JP H0617262B2 JP 1078524 A JP1078524 A JP 1078524A JP 7852489 A JP7852489 A JP 7852489A JP H0617262 B2 JPH0617262 B2 JP H0617262B2
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千尋 桜井
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、固体電解質、センサーなどの機能性セラミッ
クのみならず、断熱材、耐火材などの構造用セラミック
ス等にも多くの応用分野が期待されているジルコニアシ
ート焼結体の製造に関するもので、特にジルコニアシー
ト焼結体をジルコニウムアルコシキドから製造する方法
に関する。
〔従来の技術〕
前記したように応用分野の広いジルコニアシート焼結体
の製造方法に関しては、種々の方法が提案されている
が、従来から行なわれている代表的な製造方法では、様
々な方法で調製されたジルコニア微粉末に有機バインダ
ー、可塑剤等を添加し、スラリー状の物質にし、このス
ラリーをドクターブレード法などの各種成形法によりシ
ート状の成形体に加工し、高温で加熱焼結してジルコニ
アシート焼結体を得ていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、前記の従来方法では原料とするジルコニア微粉
末は、その粒径が小さい方が得られるジルコニアシート
焼結体の品質が向上するので、粒径の小さな微粉末を得
るには粉砕工程を数回くり返さねばならず、多大な粉砕
動力を必要とし、かつ粉砕時にボールミル等の摩耗によ
る異物の混入のため、高純度の微粉末が得難かった。ま
た、製造工程の完全な連続化が困難であり、プロセスの
自動化、連続化がなかなか困難であるという欠点があっ
た。
本発明は、上記の欠点を解消するもので、自動化、連続
化が容易で、かつ均質な超高純度ジルコニアシート焼結
体の製造方法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、ジルコニアシート焼結体の製造方法について
検討を重ねた結果、ジルコニウムアルコキシドまたはそ
の有機溶媒の溶液に、ジルコニウムアルコキシドの量に
対して0.5モル倍以上4モル倍以下のβ−ジケトンを加
えて反応させた後、ジルコニウムアルコキシドの量に対
して0.5モル倍以上10モル倍以下の水を添加して加水分
解し、粘性ゾルを合成し、その粘性ゾルに有機バインダ
ーを加え、シート成形をし、有機溶媒の蒸気を導入した
雰囲気中で緩慢に乾燥させてグリーンシートを得、それ
を焼成することを特徴とするジルコニアシート焼結体の
製造方法が、上記の欠点を解消する上で有効であること
を見出し、本発明の開発に成功した。
本発明において用いるジルコニウムアルコキシドとして
は、ジルコニウムメトキシド、ジルコニウムエトキシ
ド、ジルコニウムイソプロキシド、ジルコニウムノルマ
ルプロポキシド、ジルコニウムノルマルブトキシド等が
挙げられる。この上記アルコキシドの中には常温で固体
のもの、液体のものがあるが、固体のものは有機溶媒に
溶かして溶液として使用することが望ましい。ジルコニ
ウムアルコキシドを溶かすための有機溶媒としては、メ
チルアルコール、エチルアルコールなどのアルコール、
ベンゼン、トルエン、キシレン等、もしくはこれらの混
合物を使用することができる。
ジルコニウムアルコキシドは加水分解速度が早く、水を
添加すると、容易に白色の沈殿を生じ、あるいはゲルが
できてしまう。そこで、β−ジケトンを添加し、反応さ
せることにより、ジルコニウムアルコキシドを安定化さ
せ、加水分解速度を遅くさせて、水を加えても白色の沈
殿が生ぜず、粘性ゾルができる。しかしながら、β−ジ
ケトンの量が少ないと、白色の沈殿を生じ、多過ぎる
と、加水分解されずに長時間たっても粘性ゾルとはなら
ない。よって、反応に使用するβ−ジケトンの量は、ジ
ルコニウムアルコキシドに対して0.5モル倍以上4モル
倍以下とするのがよく、望ましくは2モル倍である。ま
た、β−ジケトンの量と加水分解における水の量は密接
に関連がある。
β−ジケトンとしては、アセチルアセトン、アセト酢酸
メチル、アセト酢酸エチル、マロン酸ジエステル等を用
いることができる。ジルコニウムアルコキシドとβ−ジ
ケトンの反応は室温で行うことができ、両者を混合して
室温で1時間以上かくはんして行うことができる。
上記のように反応させて安定化したジルコニウムアルコ
キシドに水を添加して加水分解を行い、粘性ゾルを生成
させる。粘性ゾルを生成させるために、水の添加量はジ
ルコニウムアルコキシドの量に対して0.5モル倍以上10
モル倍以下が適当であるが、β−ジケトンの使用量が2
モル倍のときには、水は5モル倍が望ましい。そのさい
生成する粘性ゾルは粘度が5ポイズ以上であることが好
ましい。その粘度が5ポイズ以上であると、シート成形
のさいに割れを防ぐために添加する有機バインダーの量
が少量でよいことが見い出された。このため、その粘度
が5ポイズ以上である粘性ゾルが生成するように、β−
ジケトンの量、加水分解のさいの水の添加量などを調整
する。
前記の粘性ゾルに有機バインダーを加え、十分混合して
からシート成形する。添加する有機バインダーの量は、
ジルコニウムアルコキシドからつくられるジルコニア(Z
rO2)に対して30重量%以下が適当であるが、5〜10重量
%が望ましい。有機バインダーの種類は、有機溶媒に可
溶なものが好ましく、シート化する関係上から特にポリ
ビニルブチラール(PVB)、ヒドロキシプロピルセルロー
ス(HPC)のうち1種または2種の有機バインダーが望ま
しい。その外にポロエチレン、ポリビニルアルコール、
ポリ塩化ビニルなどが用いられる。メチルアジテート、
ジブチルフタレートの可塑剤を加えることもできる。
シート成形の方法としては、従来からのシート成形に使
用されている種々の成形法が適用できるが、大量生産が
可能であることから、ドクターブレード法が適してい
る。
シート成形をした後の乾燥は、室温、空気中であると、
割れが入ることがあり、歩留りが悪い。そこで、成形品
を有機溶媒の蒸気を導入した雰囲気中で緩慢に乾燥させ
ることにより、割れの入らないグリーンシートを得るこ
とができる。有機溶媒の蒸気としてはアルコールの蒸気
が好ましい。
このようにして得られたグリーンシートを所望の大きさ
に切断し、1200〜1800℃程度の温度で焼成をする。この
焼成により割れのないジルコニアシート焼結体が得られ
る。前記焼結体の厚さは約10〜250μmとすることがで
きる。
なお、従来ジルコニア焼結体を製造するさいに、著しい
体積変化を伴う単斜晶と正方晶との間の相転移を抑制す
るため、ジルコニアにイットリア、カルシア、マグネシ
ア等の安定化材を一定量加えることは良く知られてお
り、本発明においてもこの効果を得るために、粘性ゾル
を合成する以前に、反応原料中にイットリウム、カルシ
ウム、あるいはマグネシウムの塩(例えばYCl3・6H2O)
のような材料を添加しておくことができる。
〔作用〕
ジルコニウムアルコシキドを原料としてジルコニア製品
を得ようとすると、ジルコニウムアルコキシドは加水分
解速度が速く、このため水を添加した場合に容易に白色
の沈殿、あるいはゲルが生成してしまう。本発明によ
り、ジルコニウムアルコキシドにβ−ジケトンを添加し
て反応させると、ジルコニウムアルコキシドが安定化さ
れ、加水分解速度が遅くなり、水を加えても白色の沈殿
が生成せず、粘性ゾルの状態で得られる。この粘性ゾル
はシート状に成形する上で非常に好都合である。そし
て、シート成形した成形品を有機溶媒の蒸気を導入した
雰囲気中で緩慢に乾燥させることにより割れのないグリ
ーンシートを得ることができる。このグリーンシートを
焼成すると一体でち密なシート焼結体が得られる。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発
明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1 ジルコニウムイソプロポキシド0.01モルを100mlのエタ
ールに溶解させ、0.02モルのアセチルアセトンを添加
し、2時間室温でかくはんした。その後、水を滴下ロー
トで0.05モルの水を約20分かけ、ゆっくりと滴下した。
80℃の温度で1日還流をして、粘度10ポイズの粘性ゾル
を得た。この得られた粘性ゾルにポリビニルブチラール
(PVB)を0.123g添加し、室温で1日かくはんした。これ
により粘度が25ポイズの粘性ゾル−有機バインダー混合
粘稠物が得られた。この混合粘稠物をドクターブレード
法でテープキャストをし、エタノールの蒸気を導入した
乾燥機の中で4日間、緩慢に乾燥させてグリーンシート
を得た。これを1500℃、2時間保持で焼成をして、ジル
コニアシート焼結体を得た。厚みは98μmであった。こ
の焼結体のX線分析の結果は単斜晶と正方晶のジルコニ
アのピークを示していた。
実施例2 ジルコニウムブトキシド(市販90%ビタノール溶液)11
1gにアセチルアセトン100gを添加し、2時間室温でかく
はんした。これに水を滴下ロートで3.75gの水を滴下し
た後、YCl3・6H2O17.53gを添加し、80℃の温度で1日還
流をして粘度8ポイズの粘性ゾルを得た。この得られた
粘性ゾルにヒロドキシプロピルセルロース(HPC)2.56gと
グリセリン3.6gを添加し、超音波を1時間かけた後、1
日かくはんして完全に混合させると、粘度20ポイズの粘
性ゾル−有機バインダー混合粘稠物が得られた。この混
合粘稠物をドクターブレード法でテープキャストをし、
エタノールの蒸気を導入した乾燥機の中で1週間緩慢に
乾燥させて、グリーンシートを得た。これを1500℃、2
時間保持で焼成をしてジルコニアシート焼結体を得た。
その厚みは80μmであった。また、この焼結体のX線分
析の結果は立方晶のジルコニアのピークを示していた。
比較例1 ジルコニウムイソプロポキシド0.01モルを100mlのエタ
ノールに溶解させ、滴下ロートで0.05モルの水をゆっく
りと滴下した。白色の沈殿が生成し、これはシート成形
をすることには適しないものであった。
比較例2 実施例1と同様な方法で粘性ゾルを合成し、この粘性ゾ
ルをドクターブレード法でテープキャストをし、室温空
気中で乾燥するとグリーンシートに割れが入った。
比較例3 実施例1と同様な方法で粘性ゾルを合成し、この粘性ゾ
ルにポリビニルブチラール(PVB)を0.123g添加し、室温
で1日かくはんし、粘度が25ポイズの粘性ゾル−有機バ
インダー混合粘稠液を得た。これをドクターブレード法
でテープキャストし、室温、空気中で乾燥した。20ロッ
トのうち9ロットに割れ、ひび、そりなどが観察され
た。
〔発明の効果〕
本発明によれば、割れのない、均質な超高純度ジルコニ
アシート焼結体を得ることができる。また、本発明では
再現性がよく製造工程の管理が容易であるので、製造工
程の完全な連続化が容易で自動化することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジルコニウムアルコキシドまたはその有機
    溶媒の溶液に、ジルコニウムアルコキシドの量に対して
    0.5モル倍以上4モル倍以下のβ−ジケトンを加えて反
    応させた後、ジルコニウムアルコキシドの量に対して0.
    5モル倍以10モル倍以下の水を添加して加水分解し、粘
    性ゾルを合成し、その粘性ゾルに有機バインダーを加
    え、シート成形をし、有機溶媒の蒸気を導入した雰囲気
    中で緩慢に乾燥させてグリーンシートを得、それを焼結
    することを特徴とするジルコニアシート焼結体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】前記有機バインダーがポリビニルブチラー
    ル、ヒドロキシプロピルセルロースのうち1種または2
    種であることを特徴とする請求項(1)記載のジルコニア
    シート焼結体の製造方法。
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