JPH06227977A - 活性酸素消去剤 - Google Patents

活性酸素消去剤

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JPH06227977A
JPH06227977A JP5014884A JP1488493A JPH06227977A JP H06227977 A JPH06227977 A JP H06227977A JP 5014884 A JP5014884 A JP 5014884A JP 1488493 A JP1488493 A JP 1488493A JP H06227977 A JPH06227977 A JP H06227977A
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Japan
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compound
sesamin
episesamin
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radicals
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JP5014884A
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English (en)
Inventor
Sumio Asami
純生 浅見
Kengo Akimoto
健吾 秋元
Hideaki Yamada
秀明 山田
Michihiro Sugano
道廣 菅野
Akira Shimizu
昌 清水
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Suntory Ltd
Original Assignee
Suntory Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規な生体内活性酸素消去剤を提供する。 【構成】 セサミン及び/又はエピセサミンを有効成分
とする生体内活性酸素消去剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強力な生物活性作用を
有する活性酸素、特にOHラジカルに対する特異的な捕
捉作用を有するセサミン及び/又はエピセサミンを有効
成分とする生体内活性酸素消去剤に関する。
【0002】
【従来の技術】酸素の必須性は感覚的にも理解しやすい
が、一方、酸素が生物に障害を与えていることも事実で
ある。この酸素障害は反応性の高い酸素の還元分子種で
あるスーパーオキシドラジカル(O2 - ) 、過酸化水素
(H2 O2 )、OHラジカル(・OH)および励起分子
種である一重項酸素(1 O2 )が標的分子を酸化するこ
とによって生じるものであり、これらの分子種はまとめ
て活性酸素と呼ばれている。
【0003】また細胞成分とくに不飽和脂質の酸化物で
ある不飽和脂肪酸ペルオキシラジカル(LOO・)、不
飽和脂肪酸ラジカル(L・)、不飽和脂肪酸ヒドロペル
オキシド(LOOH)、不飽和脂肪酸アルコキシラジカ
ル(LO・)も同じ作用を示すため、これらも含めて活
性酸素と呼ばれることもある。生物はこの酸素障害を防
ぐために、まず活性酸素の生成量を低く保ち、さらに生
成した活性酸素を消去することによって標的分子の酸化
を防いでいる。しかし活性酸素の生成抑制や消去が十分
に機能しない場合、また活性酸素の生成が増加する物
理、化学的な環境条件下では、活性酸素が標的分子を酸
化し、それによって種々の障害や疾患が引き起こされ
る。
【0004】生体内での活性酸素の消去機構としては、
比較的寿命の長いスーパーオキシドラジカル(O2 - )
、過酸化水素(H2 O2 )、不飽和脂肪酸ヒドロペル
オキシド(LOOH)は酸素によって消去され、その他
の寿命の短い活性酸素はアスコルビン酸などの低分子化
合物によって消去されると考えられている。たとえば赤
血球内で生成したスーパーオキシドラジカル(O2 - )
はほとんどすべてスーパーオキシドディスムターゼ(S
OD)で消去され、過酸化水素(H2 O2 )はカタラー
ゼやペルオキシダーゼによって消去され、一重項酸素(
1 O2 )はβ−カロチンやトコフェロールによって消去
される。また消去低分子化合物には、活性酸素のみでな
く脂質ラジカルを含め有機ラジカルの消去に作用するも
のもあり、したがって活性酸素の生成抑制にも作用する
場合も多い。
【0005】しかしながら活性酸素のうち反応性が高
く、生物障害作用も最も大きいと考えられているOHラ
ジカルに対しては、特異的な消去低分子化合物が今だ見
いだされていない。またOHラジカルはほとんど細胞成
分と拡散律速に近い速度で反応するため寿命が短く、こ
れを消去する特別の機構を生物はもつことができないと
考えられている。
【0006】標的分子に近接して存在する成分でその損
傷が生物に障害を与えないときは、ある程度OHラジカ
ルの消去作用をもつが、生物はむしろスーパーオキシド
ラジカル(O2 - ) や過酸化水素(H2 O2 )をできる
だけ完全に消去し、さらに遷移金属イオンをOHラジカ
ル生成触媒しない形で存在させることにより、OHラジ
カルの生成を抑制し、酸素障害を防いでいると考えられ
ている。従ってOHラジカルがたまたま発生すると、最
初に出くわした分子と反応しその分子が細胞の機能にと
って重要であると細胞は障害を受けてしまうため、OH
ラジカルは活性酸素による疾患の真の原因物質とも言え
る。
【0007】生体内におけるこのOHラジカルの生成
は、次の反応式(I):
【化1】
【0008】による、スーパーオキシドラジカル(O2
- )からの鉄触媒ハーバーバイパス反応によるものと考
えられており、スーパーオキシドラジカル(O2 - )の
不均化を触媒するSODあるいはSOD様活性物質の検
討が種々行われていたが、安定性の面に問題点を有する
上、直接OHラジカルを消去するものでなく、いまだ商
品化に成功しているものはない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、強力
な生物活性作用を有する活性酸素、特にOHラジカルに
対し直接的な捕捉作用を有する活性酸素消去剤を提供し
ようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の目
的を達成するため種々研究した結果、胡麻種子、胡麻粕
及び胡麻油中より単離した又は合成により得られたセサ
ミン及び/又はエピセサミンが、過酸化水素(H
2 O2 )、スーパーオキシドラジカル(O2 - )、有機
ラジカル、および一重項酸素( 1O2 )の捕捉作用を全
く示さないものの、特異的にOHラジカルを捕捉し、さ
らに、捕捉後セサミン及びエピセサミンの分解物(2−
(3,4−メチレンジオキシフェニル)−6−(3,4
−ジヒドロキシフェニル)−シス−3,7−ジオキサビ
シクロ〔3,3,0〕オクタン及び2−(3,4−メチ
レンジオキシフェニル)−6−(3,4−ジヒドロキシ
フェニル)−トランス−3,7−ジオキサビシクロ
〔3,3,0〕オクタン)が過酸化水素(H2 O2 )、
一重項酸素( 1O2 )、スーパーオキシドラジカル(O
2 - )、OHラジカル、有機ラジカル、脂質ラジカル全
ての捕捉能を有することを見出した。つまり、OHラジ
カルの存在する標的組織に分解されることなく致達し、
OHラジカル捕捉後、全活性酸素捕捉能を有する化合物
に変換されるという全く理想的な事実を見出し本発明を
完成した。
【0011】従って本発明は、OHラジカルに対する特
異的な捕捉作用を有するセサミン及び/又はエピセサミ
ンを有効成分とする生体内活性酸素消去剤を提供しよう
とするものである。
【0012】
【具体的な説明】本発明において使用するセサミン及び
エピセサミンは胡麻油中に約0.5%含まれていて供給
面で実用性に富み、しかも安全性が高い。本発明で使用
するセサミン及びエピセサミンはこれらを単独で、また
は混合して使用することができる。またセサミン及び/
又はエピセサミンを含有する抽出物を使用してもよい。
【0013】本発明の有効成分であるセサミン及びエピ
セサミン並びに該化合物を主成分とする抽出物を得る方
法として次の手順で行うことができる。まず、本発明の
有効成分である化合物を主成分とする抽出物を胡麻油か
ら得るには、胡麻油とは実質的に非混和性であり且つ本
発明の有効成分である化合物を抽出・溶解することがで
きる種々の有機溶剤を用いて抽出・濃縮することで得ら
れる。このような有機溶剤として、例えばアセトン、メ
チルエチルケトン、ジエチルケトン、メタノール、エタ
ノール等を挙げることができる。
【0014】本発明の有効成分である化合物を主成分と
する抽出物を得るには、例えば胡麻油と上記の溶剤のい
ずれかとを均一に混合した後、低温において静置し、遠
心分離等の常法に従って相分離を行い、溶剤画分から溶
剤を蒸発除去することにより得られる。さらに具体的に
は、胡麻油を2〜10倍、好ましくは6〜8倍容量のア
セトンに溶かし、−80℃で一晩放置する。その結果油
成分が沈澱となり、濾過により得た濾液から有機溶剤を
留去して、本発明化合物を主成分とする抽出物が得られ
る。あるいは、胡麻油を熱メタノール又は熱エタノール
で混合した後、室温において静置し、溶剤画分から溶剤
を蒸発除去することにより得られる。
【0015】さらに具体的には、胡麻油を2〜10倍、
好ましくは5〜7倍容量の熱メタノール(50℃以上)
又は熱エタノール(50℃以上)で混合し激しく抽出す
る。室温に静置あるいは遠心分離等の常法に従って相分
離を行い、溶剤画分から溶剤を留去して、本発明化合物
を主成分とする抽出物が得られる。又超臨界ガス抽出も
利用できる。この抽出物より、各々の本発明化合物を得
るためには、抽出物をカラムクロマトグラフィー、高速
液体クロマトグラフィー、再結晶、蒸留、液々交流分配
クロマトグラフィー等の常法に従って処理することによ
り目的とする化合物を単離すればよい。
【0016】さらに具体的には、逆相カラム(5
C10)、溶離液にメタノール/水(60:40)を使っ
て、上記抽出物を高速液体クロマトグラフィーで分取
し、溶媒を留去した後、得られた結晶をエタノールで再
結晶化することで本発明の有効成分であるセサミン及び
/又はエピセサミンが得られる。
【0017】用いる胡麻油は精製品でもよく、また胡麻
油の製造過程で脱色工程前のいずれの粗製品でもよくさ
らに、胡麻種子あるいは胡麻粕(脱脂胡麻種子、残油分
8〜10%)であってもよい。この場合、胡麻種子ある
いは胡麻粕を必要により破砕した後、任意の溶剤、例え
ば胡麻油からの抽出について前記した溶剤を用いて常法
により抽出することができる。抽出残渣を分離した後、
抽出液から蒸発等により溶剤を除去することにより抽出
物が得られる。
【0018】このように調製された胡麻種子抽出物、胡
麻粕抽出物あるいは粗製品の胡麻油抽出物より各本発明
の有効成分であるセサミン及び/又はエピセサミンが同
様の手法で得られる。なお、細辛から得られるセサミン
も胡麻種子、胡麻粕及び胡麻油より得られるセサミンと
同等の効果を有し、これら光学活性体も本願発明に含ま
れる。さらに、胡麻油製造過程の副産物からも本発明の
有効成分である化合物を得ることができる。
【0019】なお、本発明の有効成分であるセサミン及
び/又はエピセサミンの精製法及び抽出物を得る方法
は、これに限られるものではない。さらに、上記本発明
の有効成分化合物及び本発明化合物を主成分とする抽出
物は胡麻油、胡麻粕、及び胡麻種子から得たものに限定
したわけではなく、上記本発明の化合物を含む天然物を
すべて使用できるのは明らかであり、例えば五加皮、桐
木、白果樹皮、ヒハツ、細辛等をあげることができる。
【0020】また、合成によりセサミン及び/又はエピ
セサミンを得ることもできる。例えば、セサミン及び/
又はエピセサミンについてBerozaらの方法〔J.Am.Chem.
Soc.78, 1242(1986)〕で合成することができる。本発明
の生体内活性酸素消去剤は、一般に使用される担体、助
剤、添加剤等とともに製剤化することができ、常法に従
って経口、非経口の製品として、医薬品、医薬部外品、
化粧料、飲食品の分野で利用することができる。経口剤
としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、シロッ
プ剤等、非経口剤としては、軟膏剤、クリーム、水剤等
の外用剤、筋肉内注射、皮下注射、静脈内注射等の注射
剤等が挙げられる。
【0021】本発明の対象となる疾患は、例えば虚血再
灌流障害(心筋障害、胃粘膜障害、肝臓などの臓器障
害)、炎症(血管透過性亢進、血管内皮障害などに基づ
く組織障害)、動脈硬化(血管内皮細胞障害、過酸化L
DLの産生)、消化器疾患(ストレス、ショック、虚血
性の組織障害)、腎臓疾患(虚血性急性腎不全、糸球体
腎炎など、メチルグアニジン産生)、内分泌疾患(糖尿
病など)、白内障、癌、老化、自己免疫障害、成人病、
紫外線障害(日焼け)、ニキビ、シミ等の美容上の障
害、慢性皮膚病、アレルギー性疾患、てんかん、薬物中
毒病、ベーチェット病等、活性酸素による細胞膜脂質の
過酸化、蛋白質の変性、核酸の障害等に起因する種々の
疾患、症状があげられる。
【0022】これらの製品を医薬として投与するとき
は、投与の目的や投与対象者の状態等により異なるが、
経口投与の場合は一般に1〜100mg/日、非経口投与
の場合は0.1〜20mg/日である。本発明の化合物は
医薬品として生理的に認められるベヒクル、担体、賦形
剤、統合剤、防腐剤、安定剤、香味剤等とともに要求さ
れる単位用量形態に混和される。
【0023】例えば注射剤を調製する場合、非イオン界
面活性剤等の医薬品用の可溶化剤を利用することがで
き、さらに具体的には、本発明の化合物を80倍容量の
POE(60)硬化ヒマシ油あるいはPOEソルビタン
モノオレート等の非イオン界面活性剤に加熱溶解させ、
生理食塩水で希釈することで調製することができる。ま
た必要に応じて適宜等張化剤、安定剤、防腐剤、無痛化
剤を加えてもよい。また外用剤としては基剤としてワセ
リン、パラフィン、油脂類、ラノリン、マクロゴール等
を用い、通常の方法によって軟膏剤、クリーム剤等を調
製することができる。
【0024】本発明の化合物を飲食品として用いる場合
には、上記製剤の形態でもよいが、所要量の本発明化合
物を食品原料に加えて、一般の製造法により加工製造す
ることができる。この際、食品の種類、形態は特に限定
されない。また健康食品、機能性食品としての摂取は、
病気予防、健康維持に用いられるので、経口摂取として
1〜100mg/日を含む加工品として摂取されることが
望ましい。またビタミンC、ビタミンE、β−カロチ
ン、SOD等、他の活性酸素消去剤と併用することがで
きる。特にビタミンC、ビタミンE等の抗酸化性を有す
る化合物は、本発明化合物の安定化剤としての作用も有
し、併用することが有用であり、ビタミンEは本発明化
合物の効果を増強させることが期待できる。
【0025】本発明の有効成分である化合物は、従来、
食品中より見出した化合物であるので安全性の面からも
優れているのは明らかである。これはまた、7週令のI
CR雄性マウスに対し、セサミン2.14g/day /kg
を2週間連投(経口投与)したところ、何ら異常な症状
は認められなかったことからも明らかである。
【0026】
【実施例】次に、実施例により、この発明をさらに具体
的に説明する。
【0027】実施例1. 1,1−ジフェニル−2−ピ
クリルヒドラジル(DPPH)還元活性 Brois の方法(M.S.Brois,Nature,181,1199-1200 (195
8))に従い、0.1mMDPPHのエタノール溶液2ml
に、ジメチルスルフォキシド(DMSO)に所定の濃度
(希釈系列)で溶解させたセサミン/エピセサミン
(6:4)混合物またはα−トコフェロール(対照化合
物として)の25μlを添加し、20分後に516nmに
おける吸光度を測定した。この還元活性は吸光度の減少
をDPPHラジカルの消去活性の指標としてみているも
のであり、図1から明らかなように、セサミン/エピセ
サミン(6:4)混合物にはこの活性が認められない。
図1に示した添加濃度は最終濃度を示している。
【0028】実施例2. スーパーオキシド消去活性 フェナジンメソサルフェート(0.6mM)5μl、ニト
ロブルーテトラゾリウム(1mM)50μl、燐酸緩衝液
(0.1M,pH7.5)370μlの混合液にジメチル
スルフォキシド(DMSO)に所定の濃度(希釈系列)
で溶解させたセサミン/エピセサミン(6:4)混合
物、α−トコフェロール、又はクエルセチン(いずれも
対照化合物として)の25μlを添加した後、NADH
(1.6mM)50μlを加えて反応を開始させ、この反
応系で生ずるスーパーオキシドによるニトロブルーテト
ラゾリウム還元にともなう吸光度(560nm)の増加に
対する阻害(消去活性)をみた。ブランク(溶媒のみ)
での単位時間あたりの吸光度増加量をA、化合物を添加
した場合の単位時間あたりの吸光度増加量をaとしたと
きの(1−a/A)×100から阻害率(%)を求め
た。図2に示すように、セサミン/エピセサミン(6:
4)混合物にはスーパーオキシド消去活性は認められな
かった。図2に示した添加濃度は最終濃度を示してい
る。
【0029】実施例3. デオキシリボース法によるO
Hラジカル捕捉活性 本実施例で用いた反応系はフェントン反応にてOHラジ
カルを発生させ、そのOHラジカルとデオキシリボース
との反応により生じるマロンジアルデヒド(MDA)を
チオバルビツール酸と反応させたときに生成するチオバ
ルビツール酸−MDAアダクトを測定する方法に基づい
ている。
【0030】すなわち、0.1M 燐酸緩衝液(pH7.
4)に溶解させたデオキシリボース(1.43mM)69
0μlとFeSO4 /EDTA混液(各々1mM)10μ
lからなる混合液に、ジメチルスルフォキシド(DMS
O)に所定の濃度(希釈系列)で溶解させたセサミン/
エピセサミン(6:4)混合物、又はα−トコフェロー
ル(対照化合物として)の100μlを添加し、0.1
M 燐酸緩衝液(pH7.4)に溶解させたH2 O2 (5
mM)200μlを加え、28℃で16時間反応させる。
【0031】反応後、トリクロロ酢酸(2.8%)0.
5ml、50mM NaOHに溶解させたチオバルビツール
酸(1%)0.5mlを添加し10分間煮沸させ、これを
冷却させた後で535nmの吸光度を測定した。ブランク
(溶媒のみ)での吸光度をA、化合物を添加した場合の
吸光度をaとしたときの(1−a/A)×100から阻
害率(%)を求めた。図3に示すように、セサミン/エ
ピセサミン(6:4)混合物には強いOHラジカル捕捉
活性が認められ、50%阻害を与えるI50値はおよそ
3μMであった。図3に示した添加濃度は最終濃度を示
している。
【0032】実施例4. ミクロソーム脂質過酸化抑制活性 本実施例で用いた反応系はラット肝臓ミクロソームにお
けるNADPHによりOHラジカルを発生させ、そのO
Hラジカルがミクロソーム膜脂質を過酸化する過程で生
じるマロンジアルデヒド(MDA)をチオバルビツール
酸と反応させたときに生成するチオバルビツール酸−M
DAアダクトを測定する方法に基づいている。
【0033】すなわち、0.1M燐酸緩衝液(pH7.
4)0.5mlに、ジメチルスルフォキシド(DMSO)
に所定の濃度(希釈系列)で溶解させたセサミン、エピ
セサミン、又はα−トコフェロール(対照化合物とし
て)の5μlを添加し溶解させた後、0.1M燐酸緩衝
液(pH7.4)に懸濁させたラット肝臓ミクロソーム
(1mg蛋白質/ml)0.5mlを加えて37℃、5分間イ
ンクベートさせる。反応は、0.1M燐酸緩衝液(pH
7.4)に溶解させたNADPH(1.5mM)0.25
mlを添加することにより開始し、37℃、20分間反応
させ、反応を停止させるためにBuege とAustの方法(J.
A.Buege and S.T.D.Aust,Meth.Enzymol.,52,302-310,(1
978))に基づくチオバルビツール酸試薬を添加した。
【0034】その後、これを10分間煮沸させ生ずる沈
殿物を遠心除去した後の535nmの吸光度を測定した。
ブランク(溶媒のみ)での吸光度をA、化合物を添加し
た場合の吸光度をaとしたときの(1−a/A)×10
0から阻害率(%)を求めた。図4に示すように、セサ
ミンおよびエピセサミンには強いミクロソーム膜脂質過
酸化抑制活性が認められ、50%阻害を与えるI50値
はセサミン、エピセサミンともにおよそ0.3μMであ
った。図4に示した添加濃度は最終濃度を示している。
【0035】実施例5. セサミン及びエピセサミン分
解物の1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジン
(DPPH)還元活性 セサミン及びエピセサミンのOHラジカル分解物を調製
した。0.1M 燐酸緩衝液(pH7.4)40mlにアセ
トンに溶かしたセサミン又はエピセサミン(10mg/m
l)の1ml添加し溶解させた後、0.1M 燐酸緩衝液
(pH7.4)に懸濁させたラット肝臓ミクロソーム
(3.99mg蛋白質/ml)50mlを加えて37℃、10
分間インキュベートさせた。反応は、0.1M 燐酸緩
衝液(pH7.4)に溶解させたNADPH(60mM)1
0mlを添加することにより開始した。
【0036】37℃、2時間反応させ、クロロホルムを
用いてセサミン、エピセサミン、セサミン分解物、エピ
セサミン分解物を反応溶液から抽出し、逆相カラム(O
DS−50(Asahipak)を用い、常法に従って高速液体
クロマトグラフィーにより単離・精製し、2−(3,4
−メチレンジオキシフェニル)−6−(3,4−ジヒド
ロキシフェニル)−シス−3,7−ジオキサビシクロ
〔3,3,0〕オクタン(化合物A)及び2−(3,4
−メチレンジオキシフェニル)−6−(3,4−シヒド
ロキシフェニル)−トランス−3,7−ジオキサビシク
ロ〔3,3,0〕オクタン(化合物B)と同定した。実
施例1に従ってDPPH還元能を測定した。0.1mM
DPPHのエタノール溶液2mlに、ジメチルスルフォキ
シド(DMSO)に溶かした化合物A又はB(濃度am
M)を75μl添加し、20分後に516nmにおける吸
光度を測定した。化合物A又はBのDPPH還元能は次
式により求めた。
【0037】
【数1】
【0038】xは化合物A又はB添加により得られた5
16nmにおける吸光度。yは化合物無添加時に得られた
516nmにおける吸光度。AはmMで示したDPPH濃度
(0.1)。Dは反応液中の化合物A又はB溶液の希釈
率(2025/25)。aは化合物A又はBのmMで示し
た濃度。化合物A,B、セサミン又はエピセサミンのD
PPH還元能を測定した結果を表1に示す。
【0039】
【0040】さらに、実施例4に従ってミクロソーム脂
質過酸化抑制活性を測定したところ、図5に示すよう
に、化合物A及びBはセサミンと同等以上の活性を示し
た。以上より、OHラジカル選択的消去剤であるセサミ
ン及びエピセサミンは生体内での標的組織において代謝
を受けた場合、有機ラジカル、スーパーオキシドラジカ
ルなどの活性酸素、フリーラジカルに対しても捕捉消去
することが明らかとなった。
【0041】実施例6.バター製造工程の攪動操作(チ
ャーニング)でバターミルクが除かれた、バター脂肪1
00gに本発明化合物を2.4g加えて練圧操作(ワー
キング)を行い均等な組成として本発明化合物含有バタ
ーを得た。
【0042】実施例7.本発明化合物0.5gを無水ケ
イ酸20.5gと混合し、これにトウモロコシデンプン
79gを加え、更に混合した。この混合物に10%ハイ
ドロキシプロピルセルロース・エタノール溶液100ml
を加え、常法通り捏和し、押し出し、乾燥して顆粒剤を
得た。
【0043】実施例8.本発明化合物7gを無水ケイ酸
20gと混合し、これに微結晶セルロース10g、ステ
アリン酸マグネシウム3.0g、乳糖60gを加え混合
し、この混合物を単発式打錠機にて打錠して径7mm、重
量100mgの錠剤を製造した。
【0044】実施例9.本発明化合物2.5gを非イオ
ン界面活性剤であるTO−10M(日光ケミカルズ)2
00gに122℃で加熱溶解し、これに60℃に加温し
た滅菌生理食塩水4.7975lを加えてよく攪拌し、
これを無菌的にバイアルに分配し、密封して注射剤を製
造した。
【0045】実施例10.精製水53gにプロピレング
リコール7gを加え加熱して70℃に保つ(水相)。本
発明化合物2g、ミクロクリスタリンワックス1g、ミ
ツロウ2g、流動パラフィン18g、スクワレン10
g、ソルビタンセスキオレイン酸エステル4g、ポリオ
キシエチレン(20モル)ソリビタンモノオレイン酸エ
ステル1gを混合し、122℃まで加熱し完全に溶解し
た後70℃に保ち、適量の香料、防腐剤を加え混合する
(油相)。油相をかきまぜながら、これに水相を徐々に
加えホモミキサーで均一に乳化し、乳化後かきまぜなが
ら30℃まで冷却することで乳液を製造した。
【0046】実施例11.本発明化合物0.5g、ビタ
ミンC0.5gを無水ケイ酸20gと混合し、これにト
ウモロコシデンプン79gを加え、更に混合した。この
混合物に10%ハイドロキシプロピルセルロース・エタ
ノール溶液100mlを加え、常法通り捏和し、押し出
し、乾燥して顆粒剤を得た。
【0047】実施例12.本発明化合物5g、酢酸トコ
フェロール2gを無水ケイ酸20gと混合し、これに微
結晶セルロース10g、ステアリン酸マグネシウム3
g、乳糖60gを加え混合し、この混合物を単発式打錠
機にて打錠して径7mm、重量100mgの錠剤を製造し
た。
【0048】
【発明の効果】実施例の結果から、セサミン及び/又は
エピセサミンを含んで成る本発明の活性酸素消去剤は、
虚血再灌流障害(心筋障害、胃粘膜障害、肝臓などの臓
器障害)、炎症(血管透過性亢進、血管内皮細胞障害、
過酸化LDLの産生)、消化器疾患(ストレス、ショッ
ク、虚血性の組織障害)、腎臓疾患(虚血性急性腎不
全、糸球体腎炎などメチルグアニジン産生)、内分泌疾
患(糖尿病など)、白内障等の原因である活性酸素、な
かでも最も反応性が高く、生体での防御機構を持たない
OHラジカルに対し特異的に捕捉・消去し、セサミン及
び/エピセサミンが生体内標的組織において代謝を受け
た後、その分解物が、有機ラジカル、スーパーオキシド
ラジカルなどの活性酸素、フリーラジカルに対しても捕
捉・消去能を有することより、本発明が極めて有用なも
のであることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、セサミン/エピセサミン混合物、およ
びα−トコフェロール対照の1−ジフェニル−2−ピク
リルヒドラジルに対する還元性を示す。
【図2】図2は、NADHによるニトロブルーテトラゾ
リウムの還元に対するセサミン/エピセサミン(6:
4)混合物、α−トコフェロール対照及びクエルセチン
対照の阻害効果を示す。
【図3】図3は、OHラジカルとデオキシリボースとの
反応に対するセサミン/エピセサミン混合物およびα−
トコフェロール対照の阻害効果(OHラジカル捕捉効
果)を示す。
【図4】図4は、OHラジカルによるミクロソーム膜脂
質の過酸化に対するセサミン、エピセサミン及びα−ト
コフェロール対照の阻害効果を示す。
【図5】図5は、OHラジカルによるミクロソーム膜脂
質の過酸化に対するセサミンのOHラジカル分解物(化
合物A)、エピセサミンのOHラジカル分解物(化合物
B)およびセサミンの阻害効果を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/34 ACV 7431−4C C07D 493/04 A 9165−4C (72)発明者 清水 昌 京都府京都市中京区西ノ京伯楽町14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セサミン及び/又はエピセサミンを有効
    成分とする生体内活性酸素消去剤。
  2. 【請求項2】 生体内活性酸素がOHラジカルであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の消去剤。
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