JPH0625321A - ペースト加工用塩化ビニル樹脂の製造方法 - Google Patents

ペースト加工用塩化ビニル樹脂の製造方法

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JPH0625321A
JPH0625321A JP4105770A JP10577092A JPH0625321A JP H0625321 A JPH0625321 A JP H0625321A JP 4105770 A JP4105770 A JP 4105770A JP 10577092 A JP10577092 A JP 10577092A JP H0625321 A JPH0625321 A JP H0625321A
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aqueous dispersion
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ペースト加工用塩化ビニル樹脂の水性分散液
に、水に難溶であって、かつ塩化ビニル樹脂を溶解又は
膨潤させない有機液体を添加することにより塩化ビニル
樹脂を集合体として水相より分離して回収する方法にお
いて、凝集剤の存在の下で有機液体を添加することを特
徴とするペースト加工用塩化ビニル樹脂の製造方法。 【効果】本発明製造方法によれば、凝集剤の添加により
樹脂の回収率を98%以上にすることができる利点があ
り、その上、媒体中への分散性がかえって良くなりゾル
の流動性及び成形品の物性を向上させる利点、及び、本
発明の乾燥工程でブロッキングを起こさないという利点
を齎す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ペースト加工に供され
る粒状の塩化ビニル樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、塩化ビニル樹脂をペースト加
工するに際しては、ペースト加工用に製造された塩化ビ
ニル樹脂を、可塑剤、安定剤の他、必要に応じて顔料、
充填剤等の配合剤とともに混合し液状のプラスチゾルと
し、この液状のプラスチゾルを注形、コーティング、浸
漬等の手段で賦型し、加熱溶融固化させることによって
成形品を得ることが行われている。従って、プラスチゾ
ルの流動特性はペースト加工の成形性に極めて重要な影
響を及ぼす特性であるため、流動性の改善には多大な努
力と工夫が施されているのが実情である。一方、プラス
チゾルの流動特性とともに、成形品の特性とりわけ外
観、強度に与える影響の大きなものとして、粉体配合剤
の液状配合剤中への分散性があげられる。また、プラス
チゾル中において、樹脂粒子は単一粒子が多数凝集して
樹脂粒子粉体を形成しているが、この集合体が単一粒子
にほぐれずにそのまま粗大粒子として残存していると、
プラスチゾルにした場合の流動性にも影響を与えるばか
りでなく、プラスチゾルの輸送時の目づまり、コーティ
ング加工時の筋引き等のトラブルや、成形品にした場合
に、成形品表面の肌の荒れ及び光沢低下、さらには成形
品の強度低下等の不都合を引き起こす。この様なペース
ト加工上の問題点を防止するために、これに用いる樹脂
粉末は、通常JISふるい325メッシュ全通の様な微
細な粉体として供給する方法が提案されている。このた
めの樹脂の製造方法としては、塩化ビニル又は塩化ビニ
ルを主体とする単量体混合物をラジカル発生型重合開始
剤と乳化剤の存在下、乳化重合あるいは懸濁重合するこ
とによって粒径0.05〜5μmの球型樹脂の水性分散
液を得、この水性分散液をスプレー乾燥を行う方法が採
られている。ところがこうした方法で得られた従来の樹
脂は微細な粉体であるため、製品の袋詰め時、並びにプ
ラスチゾル製造に際しての開袋投入及び混合時の粉体飛
散等、作業環境の低下を引き起こすばかりでなく、粉体
流動性が悪いため、自動計量、自動輸送が困難となって
いる。さらに、かかるペースト加工用樹脂の現状の問題
点を解決するために、ペースト加工用塩化ビニル樹脂の
水性分散液から塩化ビニル樹脂を、水に難溶であって、
かつ塩化ビニル樹脂を溶解又は膨潤させない有機液体
を、該水性分散液に添加することにより、塩化ビニル樹
脂を集合体として水相より分離せしめ、これをそのまま
或いは造粒させた後乾燥することによって塩化ビニル樹
脂を回収する方法が知られている(特公平1−4228
2号公報)。しかし、この方法によって、種々の問題点
は一応改善されているが、脱水後の湿潤樹脂集合体のま
とまりが強く、乾燥工程でのブロッキングの発生、乾燥
の不均一、粗大粒子の存在による成形製品の表面の粒状
突起の発生など問題が生じ、また、樹脂粉末の回収率が
約96%程度に止どまり、大量生産の樹脂としては4%
の回収ロスは深刻であり、分離した水相中に残存する樹
脂の回収を行う必要があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、粉末粒子に
ほぐれやすい分散性の良いペースト加工用樹脂を乾燥工
程でブロッキングを起こさずに高い回収率で得る製造方
法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記有機
液体により回収方法をさらに改善するため、鋭意研究の
結果、有機液体の添加処理の際に、凝集剤を存在させる
ことにより樹脂の有機液体による凝集助長して樹脂回収
率を98%以上に向上させ得て回収工程が不要となるこ
と、及び、一方、該凝集剤の添加により回収した脱水後
の湿潤樹脂集合体を使用する場合には凝集した集合体が
意外にも逆にほぐれやすくなり、かえって分散し易くな
ることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明は、ペースト加工用塩化ビニ
ル樹脂の水性分散液に、水に難溶であって、かつ塩化ビ
ニル樹脂を溶解又は膨潤させない有機液体を添加するこ
とにより塩化ビニル樹脂を集合体として水相より分離し
て回収する方法において、凝集剤の存在の下で有機液体
を添加することを特徴とするペースト加工用塩化ビニル
樹脂の製造方法を提供するものである。。
【0005】本発明の方法は基本的には以下の工程から
構成される。すなわち、(1)樹脂の水性分散液に凝集
液を添加混合する第1工程、(2)これに水に難溶性有
機液体を添加混合し、有機液体を結合剤として樹脂を集
合せしめる第2工程、(3)樹脂の集合体の水分散液か
ら水相を除去する第3工程、(4)水相を除去した樹脂
集合体を乾燥する第4工程である。本発明においては用
いられるペースト加工用塩化ビニル樹脂の水分散液は通
常の乳化重合又は微細懸濁重合により製造された塩化ビ
ニルの単独重合体、又は塩化ビニルを主体とした(通常
は70重量%以上)共重合体、すなわち、塩化ビニルと
酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、
ブテン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタ
クリル酸エステル又はマレイン酸などのオレフィン系単
量体との共重合体の水分散液のことであって、通常のペ
ースト加工に供しうるものであれば特に制限なく使用す
ることができる。また、必要に応じて増量用塩化ビニル
樹脂を含むこともできる。
【0006】水分散液中の塩化ビニル樹脂の含量は、1
0〜70重量%のものを使用することができる。すなわ
ち、重合後の塩化ビニル樹脂の水分散液をそのまま使用
すればよいので好都合であるが、必要ならば一部脱水
し、或は水を添加して用いることも可能である。10重
量%未満の場合は廃水量が製品量に比し、多くなり過ぎ
る結果、不経済であり、70重量%を越える場合には、
水性分散液と有機液体の混合物の粘度が著しく上昇して
しまうため、操業が困難となる。本発明製造方法に用い
る凝集剤は、例えば、無機低分子系凝集剤、無機高分子
系凝集剤、有機高分子ノニオン系凝集剤、有機高分子ア
ニオン系凝集剤、有機高分子カチオン系凝集剤などの分
散粒子を凝集させる作用を有するものを使用することが
できる。本発明に用いる無機低分子系凝集剤としては、
例えば、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、含鉄硫
酸アルミニウム、アンモニウムミョウバン、カリウムミ
ョウバン、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩化第二鉄、塩化
コッパラス、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸マグネシウム、
酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、アルミン酸ソー
ダ、塩化カルシウム、ケイ酸ソーダなどを使用すること
ができる。
【0007】本発明に用いる無機高分子系凝集剤として
は、例えば、ポリ塩化アルミニウム、ポリ硫酸アルミニ
ウム、ポリ塩化第二鉄、ポリ硫酸第二鉄などを使用する
ことができる。本発明に用いる有機高分子ノニオン系凝
集剤としては、例えば、ポリアクリルアミド、ポリエチ
レンオキサイド、ポリビニルアルコール、でんぷんなど
を使用することができる。本発明に用いる有機高分子ア
ニオン系凝集剤、例えば、ポリアクリル酸ソーダ、ポリ
ビニルスルホン酸ソーダ、アルギン酸ソーダ、ポリアク
リルアミド部分加水分解物、アクリルアミド・アクリル
酸共重合物、ポリアクリルアミドの部分スルホメチル化
物、カルボキシメチルセルロースなどを使用することが
できる。本発明に用いる有機高分子カチオン系凝集剤と
しては、例えば、ポリエチレンイミン、ジシアンジアミ
ドホルムアルデヒド縮合物、ポリメタクリルエステル、
ポリアクリルエステル、ポリアミンなどを使用すること
ができる。
【0008】本発明製造方法において、凝集剤は、樹脂
の水性分散液中濃度は、凝集剤の凝集作用に対応して、
分散液総量中の10〜1000ppm、好ましくは、6
0〜800ppmになるように添加して使用することが
でき、必要な効果のある範囲でなるべく少量の添加量に
より本発明製造方法を実施するのが、樹脂の物性上から
望ましい。この塩化ビニル樹脂の水性分散液に添加され
る有機液体は、水に難溶であって、かつ本発明における
分離回収時においては樹脂を溶解又は膨潤しないもので
ある。一般にはこの有機液体としては、融点が20℃以
下、常圧における沸点が本発明の分離回収時の温度以
上、好ましくは200℃以上のものが望ましい。有機液
体として沸点が分離回収時の温度未満のものを用いた場
合には、これが揮散するためこの回収に付加設備を要し
経済的でない。むろん、単品としては、以上に述べた条
件を外れるものであっても2種以上の液体の混合物とし
て上述した要件を備えているものであれば望ましい。
【0009】本発明に用いる有機液体が水に難溶である
ことが要求される理由は以下の2点にある。第1には、
水性分散液との混合のあと、分離すべき水相への同伴量
を減少させて、有機液体の損失を防ぎ、廃水処理費用を
軽減させるためであり、第2には、水に分散した樹脂粒
子を有機液体を介して集合せしめるには、樹脂粒子と水
との間に有機液体が粒子表面に存在することが必要であ
るためである。また、本発明に用いる有機液体が、本発
明における分離回収時の温度において樹脂を溶解又は膨
潤させるものである場合には、樹脂粒子が変形、変質を
起こすため不都合である。なお、本発明で使用した有機
液体は大部分が製品樹脂に残留するため、ペースト加工
時の操作性、加工性および成形品の品質に対し悪影響を
与えるものは避けなければならない。以上の点からすれ
ば、有機液体として通常ペースト加工に用いられる液状
配合剤を使用するのが一番自然で合理的である。
【0010】本発明における有機液体は、例えば、下記
の可塑剤、プロセス油、滑剤などを使用することができ
る。 (1)ジオクチルフタレート、ジノニルフタレート、ブ
チルラウリルフタレート、メチルオレイルフタレート等
のフタル酸アルキルエステル系可塑剤。 (2)トリオクチルトリメリテート、ジエチレングリコ
ールジベンゾエート等の芳香族カルボン酸エステル系可
塑剤。 (3)ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、ジ
オクチルテトラヒドロフタレート等の脂肪族2塩基酸エ
ステル系可塑剤。 (4)トリオクチルフオスフエート、トリクロロエチル
フオスフエート等のリン酸エステル系可塑剤。 (5)ジエチレングリコールジカプリレート、1,4ブ
チレングリコール−ジ−2エチルヘキサノエート等の脂
肪酸グリコールエステル系可塑剤 (6)ポリエステル系可塑剤。 (7)オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチ
ル、2,2,4−トリメチル−1,3ペンタンジオールジ
イソブチレート等の脂肪酸エステル系、エポキシ化大豆
油、エポキシステアリン酸オクチル等のエポキシ系、塩
素化脂肪酸メチル、塩素化パラフィン等の塩素化パラフ
ィン系、コハク酸ジオクチル等の脂肪族二塩基酸エステ
ル系の二次可塑剤。 (8)ミネラルスピリット、ミネラルターペン等の石油
系、ドデシルベンゼン等の長鎖アルキルベンゼン系の希
釈剤。 (9)高級アルコール、流動パラフィン、高級脂肪酸ア
ルキルエステル等の液状滑剤。
【0011】有機液体の添加量は、水性分散液中の樹脂
100重量部に対し、0.5〜15重量部未満の範囲で
水性分散液中の樹脂濃度及び製品乾燥樹脂の要求特性に
より任意に選ぶことができる。該添加量が15重量部以
上の場合は樹脂との混合時の運転安全性が悪く、しかも
貯蔵時のブロッキングが起こりやすい。なお、水性分散
液中の樹脂濃度が40%を超える様な場合は、有機液体
の添加量は、混合液の樹脂集合物が粗大になりすぎて連
続操業が不可能とならないよう、10重量部以下とする
ことが好ましい。また分散液中の樹脂濃度が10〜20
%程度では、有機液体添加量を10重量部以上として樹
脂の集合能率を向上させることが有効である。本発明の
凝集剤存在下の有機液体と樹脂の水性分散液との混合
は、20〜70℃の温度、かつ、用いる有機液体が樹脂
を溶解又は膨潤させない温度で行われるが、高温になる
ほど有機液体による樹脂の膨潤速度を高めるので好まし
くは50℃以下とすべきである。70℃を超えると、有
機液体の樹脂への吸収が早まるばかりか、樹脂が軟化し
合体化して最終製品がもはやペースト加工に適合しなく
なる危険がある。
【0012】本発明製造方法において、凝集剤と有機液
体の樹脂水性分散液への添加順序はどちらが先であって
もよく添加後によく撹拌することにより添加順序の影響
は関係なくなる。樹脂水性分散液に凝集剤と有機液体と
を添加した後の混合方法としては、公知の方法が採用で
きるが、混合の程度は樹脂の凝集剤と有機液体による集
合能率に大きな影響を与えるため、好ましくは混合装置
の単位容積当りの混合動力が1KW/M2(1立方メー
トル当り1キロワット)以上であって、混合時間との積
が、4KW・Hr/M2以上であるようにすべきであ
る。混合装置としては混合の均一性、連続性などの点か
ら、高速回転式連続混合機や多翼型連続混合槽の使用が
好ましいが、通常の撹拌槽型の混合機や静止型混合器な
ども使用することができる。次に有機液体を介して集合
した樹脂集合物から水相を分離するには、捕捉された樹
脂混合物の形状に応じて、公知の方法を使用することが
できる。ただし、樹脂の軟化、合体を防ぐために温度は
20〜70℃の範囲とするのが望ましい。水性分散液中
の樹脂濃度が低く、比較的多量の有機液体(対樹脂5〜
15重量%未満)を使用して混合時間を長くした場合な
どは集合物は比較的粒径の大きな強度のある球形の粒子
として得られるから、スクリーン等の手段で水相を分離
できるし、樹脂濃度が高く、有機液体添加量が少ない場
合には集合径が小さく、未集合樹脂粒子も多いので遠心
分離などの方法が用いられる。
【0013】分離工程にて分離された樹脂粒子は、次に
乾燥工程に送られ、有機液体と付着水分が除去される。
この乾燥工程においては、樹脂の集合、合体の強度がペ
ースト加工時の分散性を損なわぬ様な条件を設定するこ
とが必要である。すなわち乾燥工程中の被乾燥樹脂の温
度は70℃以下、好ましくは50℃以下となる様にす
る。乾燥装置としては、被乾燥物の温度を低く維持する
ためには減圧の撹拌乾燥機の使用が好ましく、また、樹
脂の粒度が比較的揃っていれば低温操業、操業能率向上
の点から、流動床式乾燥機が適当であるが、広く公知の
乾燥装置が使用可能である。乾燥工程においては装置を
適当に選ぶことによって不定形の、あるいは粒度分布の
広い樹脂を製品として得ることが可能であるが、押出型
造粒機などのペレット形成機を工程中に組み込むことに
よって粒子形状を均質化することも可能である。この場
合も、造粒時に熱や圧力により樹脂が溶融したり有機液
体を吸収したりして、ペースト加工時の分散性を損なう
様なことがあってはならない。本発明製造方法では、凝
集剤を添加することによって粒子がほぐれやすくなって
いて、ペースト加工用粒子として分散性が向上する。工
業的に本発明の方法を実施する場合には、本発明では、
凝集剤を添加することにより該凝集剤の本来の作用効果
によって第2工程での樹脂の有機液体による回収率を高
めることができる。
【0014】なお、回収率を大きくするために、第3工
程での樹脂への水分の混入率を低下せしめることが重要
である。そのためには、第2工程の有機液体の選択の
他、樹脂集合速度を決定する混合の諸因子を公知の方法
によって最適化することに留意することにより高い回収
率が得られ、また、第3工程においては、適切な分離機
の選択を行うことが望ましい。本発明製造方法において
は、かかる回収条件を選定することによって、従来のよ
うに第3工程で分離された水相に残存する樹脂を回収し
なくとも、樹脂回収率を98%以上、特に、99%以上
にすることができる。また、凝集剤を添加した効果は第
4工程においても乾燥粉体がブロッキングしないという
副次的効果も与える。さらに、本発明製造方法において
は、水相に存在する樹脂は僅かであり、水相からの回収
を実施する殆ど必要性はないが、廃水の処理に伴う費用
の低減も図れるために、第3工程で分離された水相中に
残留する樹脂及び有機液体をさらに完全に除去する工程
を本発明工程に組み入れ、除去された樹脂はそのまま固
形廃棄物として廃棄することができるが、除去された樹
脂の純度によってはこれを本発明製造方法回収樹脂に追
加することも可能である。その回収方法としては、遠心
分離、エアレーションによる浮遊法のような物理的回収
法、凝集剤水溶液の添加による凝集法、限外ろ過法及び
浮上法などが挙げられる。
【0015】本発明製造方法の水相からの樹脂回収法に
おいては、第1工程にならって凝集法を使用することが
できる。水相中に残存する有機液体エマルジョンも樹脂
とともに凝集するので、得られた凝集体に占める樹脂以
外の物質の割合が多くなるので、水相から回収分離して
得たケーキ或いは泥状物を樹脂として活用する場合は、
第1工程又は第2工程に戻すのが望ましい。この凝集に
よる水相残存樹脂回収法では、前記の本発明製造方法に
用いた凝集剤を使用することができる。本発明に水相残
存樹脂回収法を併用する場合は半透膜を用いた限外ろ過
法を特に好適に使用することができる。該限外ろ過法
は、ろ過すべき分散液の分散質濃度によりそのろ過速度
が大幅に変化するが、本発明の方法において分離除去さ
れた水相に含まれる分散質濃度はたかだか1パーセント
程度であり、限外ろ過法がちょうど能率的に機能し得る
濃度である。その上、乳化剤や、他の低分子量の水溶解
物はろ過水側へ分離除去できるので水相からの回収樹脂
に望ましくない物質がなく、水相からの回収樹脂を主工
程の回収樹脂に混入しても得られる成形品の耐水性、透
明性が低下する恐れがない利点があり好適である。この
場合は得られた樹脂を本発明の乾燥工程に直接添加する
ことができる。
【0016】
【実施例】実施例により本発明をさらに詳細に説明す
る。実施例及び比較例における試験方法は下記の方法に
より行った。 [樹脂の粉体性] 安息角 粉体の流動し易さを示すもので数値が小さいほど流動性
に優れる。 かさ比重 粉体の見掛の密度であって、大きい数値であるほど取扱
い性が良好である。 [ゾル分散特性]樹脂50gとジ−2−エチルヘキシル
フタレート30gとをらいかい機で混合して調製したも
のにより、ゾル中の樹脂粒子の粒度NF(North
Finess)値を測定した。 [NF値の測定法]溝の深さが直線的に変わる0.5イ
ンチ巾の鋼製ゲージの、深さ最大位置にある基線上にゾ
ルをのせ、スクレバーでゾルを浅い方に向かって引き、
粗大凝集粒子が点として多く表れる位置を読む。0が最
も粗く、8が最も細かい。この数値の8は粒径0に相当
し、4は粒径51μmであり、0は粒径102μmであ
る。NF値が大きい程、粒子が細かくよく分散している
ことを示す。 [湿潤ケーキのほぐれ易さの試験法]湿潤ケーキの塊1
0gをTyler標準篩12メッシュに入れ、1分間タ
ップ式振とう機にかけた後のケーキのほぐれの程度を下
記の評価基準により判定した。 ○:篩全通、 △:5g未満のケーキが篩に残存 ×:5g以上のケーキが篩に残存。 [粗粒子量の試験法]乾燥後の樹脂粉体25gをTyl
er標準篩に入れ、10分間タップ式振とう機にかけた
後の篩上の樹脂粉体重量を求め、25gに対する比率で
表した。 [回収率] 回収率=乾燥後得られた粒状樹脂重量/仕込み固形分重
量×100 回収率や回収量には、分離された水相からの回収樹脂は
含まない。
【0017】実施例1 ペースト加工用塩化ビニル樹脂の水性分散液を、予め目
開き250μの金網を張ったスクリーンに通し、通過し
た水性分散液に水を加えて固形分含有量35重量%の濃
度に調整する。同液11000g(固形分PVC=11
000×0.35=3850g)と、ポリ塩化アルミニ
ウムの10%水溶液12gを、直径20cm、内容積12
リットルの槽型混合装置に入れ、1100rpmで撹拌を
開始すると同時に混合装置底部より、ジイソノニルフタ
レートを毎分3.2gの速度で60分間注入した(3.2
×60=192g)。その後1100rpmで更に撹拌操
作を60分継続した所、粒状樹脂の水分散液が得られ
た。この分散液を、通気量80cc/sec・cm2の濾布を用
いて真空濾過にかけ粒状樹脂を分離したところ、575
0gの湿潤粒状物が得られた。これを小型流動乾燥機を
用い熱風温度40℃で乾燥したところ、4020gの粒
状塩化ビニル樹脂(A)が得られた。
【0018】実施例2 ペースト加工用塩化ビニル樹脂の水性分散液を、予め目
開き250μの金網を張ったスクリーンに通し、通過し
た水性分散液を固形分含有量35重量%の濃度に調整す
る。同液11000gと、硫酸アルミニウムの10%水
溶液65gを、直径20cm、内容積12リットルの槽型
混合装置に入れ、1100rpmで撹拌を開始すると同時
に混合装置底部より、ジ−2−エチルヘキシルフタレー
トを毎分7.7gの速度で30分間注入した。その後1
100rpmで更に撹拌操作を60分継続した所、粒状樹
脂の水分散液が得られた。この分散液を、通気量80cc
/sec・cm2の濾布を用いて真空濾過にかけ粒状樹脂を分
離したところ、5150gの湿潤粒状物が得られた。こ
れを小型流動乾燥機を用い熱風温度40℃で乾燥したと
ころ、3500gの粒状塩化ビニル樹脂(B)が得られ
た。
【0019】実施例3 ペースト加工用塩化ビニル樹脂の水性分散液を、予め目
開き250μの金網を張ったスクリーンに通し、通過し
た水性分散液を固形分含有量40重量%の濃度に調整す
る。同液11000gと、ポリアクリルアミドの1%水
溶液650gを、直径20cm、内容積12リットルの槽
型混合装置に入れ、1100rpmで撹拌を開始すると同
時に混合装置底部より、ジイソデシルフタレートを毎分
11gの速度で40分間注入した。その後1100rpm
で更に撹拌操作を50分継続した所、粒状樹脂の水分散
液が得られた。この分散液を、通気量80cc/sec・cm2
の濾布を用いて真空濾過にかけ粒状樹脂を分離したとこ
ろ、6870gの湿潤粒状物が得られた。これを小型流
動乾燥機を用い熱風温度40℃で乾燥したところ、48
10gの粒状塩化ビニル樹脂(C)が得られた。
【0020】比較例1 ポリ塩化アルミニウムを用いない他は実施例1と同じ操
作を行ったところ、5470gの湿潤粒状物が得られ
た。これを小型流動乾燥機を用い熱風温度40℃で乾燥
したところ、3830gの粒状塩化ビニル樹脂(D)が
得られた。 比較例2 硫酸アルミニウムを用いない他は実施例2と同じ操作を
行ったところ、4720gの湿潤粒状物が得られた。こ
れを小型流動乾燥機を用い熱風温度40℃で乾燥したと
ころ、3400gの粒状塩化ビニル樹脂(E)が得られ
た。 比較例3 ポリアクリルアミドを用いない他は実施例3と同じ操作
を行ったところ、6400gの湿潤粒状物が得られた。
これを小型流動乾燥機を用い熱風温度40℃で乾燥した
ところ、4670gの粒状塩化ビニル樹脂(F)が得ら
れた。実施例及び比較例の結果は第1表に示した。
【0021】
【表1】
【0022】
【発明の効果】本発明製造方法によれば、凝集剤の添加
により樹脂の回収率を98%以上にすることができる利
点があり、しかも、得られた凝集樹脂粒子はかえってほ
ぐれやすくなり、その結果、媒体中への分散性がかえっ
て良くなりゾルの流動性及び成形品の物性を向上させる
利点、及び、本発明の乾燥工程でブロッキングを起こさ
ないという利点を齎す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】従来より、塩化ビニル樹脂をペースト加
工するに際しては、ペースト加工用に製造された塩化ビ
ニル樹脂を、可塑剤、安定剤の他、必要に応じて顔料、
充填剤等の配合剤とともに混合し液状のプラスチゾルと
し、この液状のプラスチゾルを注形、コーティング、浸
漬等の手段で賦型し、加熱溶融固化させることによって
成形品を得ることが行われている。従って、プラスチゾ
ルの流動特性はペースト加工の成形性に極めて重要な影
響を及ぼす特性であるため、流動性の改善には多大な努
力と工夫が施されているのが実情である。一方、プラス
チゾルの流動特性とともに、成形品の特性とりわけ外
観、強度に与える影響の大きなものとして、粉体配合剤
の液状配合剤中への分散性があげられる。また、プラス
チゾル中において、樹脂粒子は単一粒子が多数凝集して
樹脂粒子粉体を形成しているが、この集合体が単一粒子
にほぐれずにそのまま粗大粒子として残存していると、
プラスチゾルにした場合の流動性にも影響を与えるばか
りでなく、プラスチゾルの輸送時の目づまり、コーティ
ング加工時の筋引き等のトラブルや、成形品にした場合
に、成形品表面の肌の荒れ及び光沢低下、さらには成形
品の強度低下等の不都合を引き起こす。この様なペース
ト加工上の問題点を防止するために、これに用いる樹脂
粉末は、通常Tylerふるい325メッシュ全通の様
な微細な粉体として供給する方法が提案されている。こ
のための樹脂の製造方法としては、塩化ビニル又は塩化
ビニルを主体とする単量体混合物をラジカル発生型重合
開始剤と乳化剤の存在下、乳化重合あるいは懸濁重合す
ることによって粒径0.05〜5μmの球型樹脂の水性
分散液を得、この水性分散液をスプレー乾燥を行う方法
が採られている。ところがこうした方法で得られた従来
の樹脂は微細な粉体であるため、製品の袋詰め時、並び
にプラスチゾル製造に際しての開袋投入及び混合時の粉
体飛散等、作業環境の低下を引き起こすばかりでなく、
粉体流動性が悪いため、自動計量、自動輸送が困難とな
っている。さらに、かかるペースト加工用樹脂の現状の
問題点を解決するために、ペースト加工用塩化ビニル樹
脂の水性分散液から塩化ビニル樹脂を、水に難溶であっ
て、かつ塩化ビニル樹脂を溶解又は膨潤させない有機液
体を、該水性分散液に添加することにより、塩化ビニル
樹脂を集合体として水相より分離せしめ、これをそのま
ま或いは造粒させた後乾燥することによって塩化ビニル
樹脂を回収する方法が知られている(特公平1−422
82号公報)。しかし、この方法によって、種々の問題
点は一応改善されているが、脱水後の湿潤樹脂集合体の
まとまりが強く、乾燥工程でのブロッキングの発生、乾
燥の不均一、粗大粒子の存在による成形製品の表面の粒
状突起の発生など問題が生じ、また、樹脂粉末の回収率
が約96%程度に止どまり、大量生産の樹脂としては4
%の回収ロスは深刻であり、分離した水相中に残存する
樹脂の回収を行う必要があった。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記有機
液体により回収方法をさらに改善するため、鋭意研究の
結果、有機液体の添加処理の際に、凝集剤を存在させる
ことにより樹脂の有機液体による凝集助長して樹脂回収
率を98%以上に向上させ得て回収工程が不要となるこ
と、及び、一方、該凝集剤の添加により回収した脱水後
の湿潤樹脂集合体を使用する場合には凝集した集合体が
意外にも逆にほぐれやすくなり、かえって分散し易くな
ることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明は、ペースト加工用塩化ビニ
ル樹脂の水性分散液に、水に難溶であって、かつ塩化ビ
ニル樹脂を溶解又は膨潤させない有機液体を添加するこ
とにより塩化ビニル樹脂を集合体として水相より分離し
て回収する方法において、凝集剤の存在の下で有機液体
を添加することを特徴とするペースト加工用塩化ビニル
樹脂の製造方法を提供するものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】本発明製造方法において、凝集剤と有機液
体の樹脂水性分散液への添加順序はどちらが先であって
もよく添加後によく撹拌することにより添加順序の影響
は関係なくなる。樹脂水性分散液に凝集剤と有機液体と
を添加した後の混合方法としては、公知の方法が採用で
きるが、混合の程度は樹脂の凝集剤と有機液体による集
合能率に大きな影響を与えるため、好ましくは混合装置
の単位容積当りの混合動力が1KW/M(1立方メー
トル当り1キロワット)以上であって、混合時間との積
が、4KW・Hr/M以上であるようにすべきであ
る。混合装置としては混合の均一性、連続性などの点か
ら、高速回転式連続混合機や多翼型連続混合槽の使用が
好ましいが、通常の撹拌槽型の混合機や静止型混合器な
ども使用することができる。次に有機液体を介して集合
した樹脂集合物から水相を分離するには、捕捉された樹
脂混合物の形状に応じて、公知の方法を使用することが
できる。ただし、樹脂の軟化、合体を防ぐために温度は
20〜70℃の範囲とするのが望ましい。水性分散液中
の樹脂濃度が低く、比較的多量の有機液体(対樹脂5〜
15重量%未満)を使用して混合時間を長くした場合な
どは集合物は比較的粒径の大きな強度のある球形の粒子
として得られるから、スクリーン等の手段で水相を分離
できるし、樹脂濃度が高く、有機液体添加量が少ない場
合には集合径が小さく、未集合樹脂粒子も多いので遠心
分離などの方法が用いられる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】
【実施例】実施例により本発明をさらに詳細に説明す
る。実施例及び比較例における試験方法は下記の方法に
より行った。 [樹脂の粉体性] 安息角 粉体の流動し易さを示すもので数値が小さいほど流動性
に優れる。 かさ比重 粉体の見掛の密度であって、大きい数値であるほど取扱
い性が良好である。 [ゾル分散特性]樹脂50gとジ−2−エチルヘキシル
フタレート30gとをらいかい機で混合して調製したも
のにより、ゾル中の樹脂粒子の粒度NF(North
Finess)値を測定した。 [NF値の測定法]溝の深さが直線的に変わる0.5イ
ンチ巾の鋼製ゲージの、深さ最大位置にある基線上にゾ
ルをのせ、スクレバーでゾルを浅い方に向かって引き、
粗大凝集粒子が点として多く表れる位置を読む。0が最
も粗く、8が最も細かい。この数値の8は粒径0に相当
し、4は粒径51μmであり、0は粒径102μmであ
る。NF値が大きい程、粒子が細かくよく分散している
ことを示す。 [湿潤ケーキのほぐれ易さの試験法]湿潤ケーキの塊1
0gをTyler標準篩12メッシュに入れ、1分間タ
ップ式振とう機にかけた後のケーキのほぐれの程度を下
記の評価基準により判定した。 ○:篩全通、 △:5g未満のケーキが篩に残存 ×:5g以上のケーキが篩に残存。 [粗粒子量の試験法]乾燥後の樹脂粉体25gをTyl
er6メッシュ標準篩に入れ、10分間タップ式振とう
機にかけた後の篩上の樹脂粉体重量を求め、25gに対
する比率で表した。 [回収率] 回収率=乾燥後得られた粒状樹脂重量/凝集剤添加前の
水性分散液中の樹脂の重量×100 回収率や回収量には、分離された水相からの回収樹脂は
含まない。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】実施例1 ペースト加工用塩化ビニル樹脂の水性分散液を、予め目
開きTyler60メッシュふるい(目開き250μ)
の金網を張ったスクリーンに通し、通過した水性分散液
に水を加えて固形分含有量35重量%の濃度に調整す
る。同液11000g(固形分PVC=11000×
0.35=3850g)と、ポリ塩化アルミニウムの1
0%水溶液12gを、直径20cm、内容積12リット
ルの槽型混合装置に入れ、1100rpmで撹拌を開始
すると同時に混合装置底部より、ジイソノニルフタレー
トを毎分3.2gの速度で60分間注入した(3.2×
60=192g)。その後1100rpmで更に撹拌操
作を60分継続した所、粒状樹脂の水分散液が得られ
た。この分散液を、通気量80cc/sec・cm
濾布を用いて真空濾過にかけ粒状樹脂を分離したとこ
ろ、5750gの湿潤粒状物が得られた。これを小型流
動乾燥機を用い熱風温度40℃で乾燥したところ、40
20gの粒状塩化ビニル樹脂(A)が得られた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ペースト加工用塩化ビニル樹脂の水性分散
    液に、水に難溶であって、かつ塩化ビニル樹脂を溶解又
    は膨潤させない有機液体を添加することにより塩化ビニ
    ル樹脂を集合体として水相より分離して回収する方法に
    おいて、凝集剤の存在の下で有機液体を添加することを
    特徴とするペースト加工用塩化ビニル樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】樹脂の回収率が98%以上である請求項1
    記載のペースト加工用塩化ビニル樹脂の製造方法。
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