JPH06256183A - 消炎鎮痛貼付剤 - Google Patents

消炎鎮痛貼付剤

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JPH06256183A
JPH06256183A JP4788293A JP4788293A JPH06256183A JP H06256183 A JPH06256183 A JP H06256183A JP 4788293 A JP4788293 A JP 4788293A JP 4788293 A JP4788293 A JP 4788293A JP H06256183 A JPH06256183 A JP H06256183A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 支持体の片面に、粘着剤と薬物と刺激低減化
剤とを含有した膏体層が設けられている貼付剤におい
て、薬物がインドメタシンおよびL −メントールであ
り、刺激低減化剤がそれぞれ分子量500〜20000
を有するポリオキシアルキレングリコール、そのブロッ
ク共重合体およびこれらの誘導体よりなる群から選ばれ
た少なくとも1つであり、刺激低減化剤が粘着剤中で連
続相を形成して7〜55重量%含まれていることを特徴
とする消炎鎮痛貼付剤である。 【効果】 皮膚刺激性を充分に低減し、かつ粘着性に優
れ、加えて薬物の放出性が良好な貼付剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、膏体層に薬物として
インドメタシンおよびメントールを含み、刺激低減化剤
としてポリオキシアルキレングリコールを含む消炎鎮痛
貼付剤に関する。
【0002】
【従来の技術】消炎鎮痛治療を要する部位に貼付剤を貼
る場合、時として長時間の貼付により皮膚刺激(本明細
書全体を通して「皮膚刺激」なる用語は紅斑のことを意
味する)が発生することがあり、回避困難な副作用の一
つとして知られている。こうした皮膚刺激は、本発明者
らの検討の結果、貼付剤の構成成分や薬物の有無および
種類により程度の差はあるものの、一定時間以上の貼付
によりほぼ不偏的に発生する可能性が極めて高いことが
明らかになった。
【0003】この皮膚刺激の低減化対策として、従来い
くつかの提案がなされてきた。例えば特開平2−965
14および特開平2−115131では経皮吸収製剤に
含有される薬物や薬物の吸収を促進させる吸収促進剤に
起因して発生する皮膚刺激を軽減するために、特定の刺
激低減化剤を用いることが報告されている。しかし、こ
れらの方法は、薬物によって引き起こされる刺激を低減
化するものに限られる。
【0004】一方、本発明者らは薬物や吸収促進剤など
の刺激誘因物質となり得る成分を含まない、すなわち粘
着剤のみからなる貼付剤について皮膚刺激性を検討した
ところ、一定時間以上の連続貼付によって、従来は安全
であると思われていた貼付剤でさえ皮膚刺激を引き起こ
すことが明らかになった。したがって、上記のような刺
激低減化剤の添加では、貼付剤の貼付によって発生する
皮膚刺激の根本的な解決にはならない。
【0005】以上の経緯から、本発明者らは、より安全
な治療用貼付剤を得るためには、粘着剤自体が有する刺
激性を低減化する手段を検討する必要があるとの結論に
至った。
【0006】このように粘着剤自体の刺激性を低減させ
る手段としては、従来から粘着剤に流動パラフィンなど
の自着性のない油状成分を添加して貼付剤の粘着性を低
下させ、剥離時の角質剥離を防ぐことにより皮膚刺激を
低減化させる方法が知られている。しかしこの方法によ
る皮膚刺激の低減化には限度がある。すなわち、このよ
うな油状成分を過度に添加すると貼付剤の粘着性は極端
に低下し、これを継続的に貼付することが不可能にな
る。
【0007】また、特開平1−287024および特開
平2−212423では、経皮吸収製剤に自己支持性を
付与すべく用いられている支持体として特定の多孔質物
質よりなるものを用い、支持体に透湿性を付与すること
によって、貼付中の皮膚の蒸れを防ぎ、刺激を低減化さ
せる方法が提案されている。しかし、これらの方法は支
持体のみの透湿性を確保するだけにとどまり、膏体層の
透湿性が支持体のそれよりも小さければその効果は期待
できず、やはり充分な手段ではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来よ
り貼付剤による皮膚刺激の低減化が切望され、その対策
としていくつもの試みがなされてきたが、依然として、
粘着剤自体が有する皮膚刺激性を根本的に解消すること
は困難であった。
【0009】この発明は上記の如き実情に鑑みてなされ
たもので、その目的は、医療用として、長時間の貼付に
耐え、かつ粘着剤自体が有する皮膚刺激性が低減化され
た消炎鎮痛貼付剤を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は上記課題を解
決すべく工夫されたもので、膏体層中に特定成分の連続
相を形成させることにより、皮膚刺激性が低減化された
消炎鎮痛貼付剤を提供することができるという知見を得
て完成されたものである。
【0011】すなわち、この発明による消炎鎮痛貼付剤
は、支持体の片面に、粘着剤と薬物と刺激低減化剤とを
含有した膏体層が設けられている貼付剤において、薬物
がインドメタシンおよびL −メントールであり、刺激低
減化剤がそれぞれ分子量500〜20000を有するポ
リオキシアルキレングリコール、そのブロック共重合体
およびこれらの誘導体よりなる群から選ばれた少なくと
も1つであり、刺激低減化剤が粘着剤中で連続相を形成
して7〜55重量%含まれていることを特徴とするもの
である。
【0012】経皮吸収製剤にポリオキシアルキレングリ
コールを添加した例として、特開昭61−22011お
よび特開平4−77425などが挙げられるが、これら
の発明はこの成分を薬物溶解剤として添加するに止まっ
ている。したがって、膏体層中に連続相を形成させて初
めて皮膚刺激性が低減されるというこの発明の技術思想
は、上記公報記載の発明からは到底推考できないもので
ある。
【0013】以下、この発明による消炎鎮痛貼付剤の構
成成分および製造法について詳述する。
【0014】a) 薬物 この発明による消炎鎮痛貼付剤の薬物はインドメタシン
およびL −メントールである。
【0015】まず、インドメタシンは、1−(p−クロ
ロベンゾイル)−5−メトキシ−2−メチリドール−3
−酢酸(分子式C19C16ClNO4 、分子量357.7
9)の化学名を有する優れた非ステロイド性消炎鎮痛剤
であり、慢性関節リュウマチ、変形性関節症を始め、各
種の抗炎症患者または手術後の炎症の治療に広く施用さ
れている。インドメタシンの含有量は治療効果を奏する
範囲であれば特に限定はされないが、一般には膏体中に
0.01〜50重量%の範囲である。インドメタシンの
含有量が過少であると消炎鎮痛効果が低く、過多である
と薬物が膏体層上に析出し貼付性が低下する。好適な範
囲は0.05〜30重量%である。
【0016】また、L −メントールは、天然に広く存在
する物質である。これは壮快な清涼感を与え、鎮痛、制
痒作用を示す。L −メントールの含有量は膏体層中に
0.001〜10重量%ある。L −メントールの含有量
が過少であると温感効果が低く、過多であると温感を通
り越して痛みや皮膚刺激を発生する。L −メントールの
含有量の特に好適な範囲は0.01〜5重量%である。
【0017】b) 粘着剤 この発明による消炎鎮痛貼付剤の粘着剤は膏体層の主体
をなすものであって、上記薬物との相溶性に優れ、かつ
該製剤を常温で皮膚表面に長時間固定しうる粘着力を有
するものであれば特に限定されない。好ましい粘着剤と
しては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン
系粘着剤などが例示される。
【0018】アクリル系粘着剤としては、特に、アルキ
ル基の炭素数1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルの単独重合体または共重合体、あるいは上記(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルとその他の官能性モノ
マーとの共重合体が好適に用いられる。
【0019】上記(メタ)アクリル酸エステルとして
は、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリ
ル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−
エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸
デシル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸ラウリル、
アクリル酸ステアリル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブ
チル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル
酸イソオクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸イ
ソデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステア
リルなどが例示される。
【0020】上記官能性モノマーの例としては、水酸基
を有するモノマー、カルボキシル基を有するモノマー、
アミド基を有するモノマー、アミノ基を有するモノマ
ー、ピロリドン環を有するモノマーなどが挙げられる。
水酸基を有するモノマーとしては、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レートなどが例示される。カルボキシル基を有するモノ
マーとしては、アクリル酸、メタクリル酸などのα,β
−不飽和カルボン酸:マレイン酸ブチルなどのマレイン
酸モノアルキルエステル:マレイン酸:フマル酸:クロ
トン酸などが例示される。無水マレイン酸もマレイン酸
と同様の(共)重合成分を与える。アミド基を有するモ
ノマーとしては、アクリルアミド、ジメチルアクリルア
ミド、ジエチルアクリルアミドなどのアルキル(メタ)
アクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、
N−エトキシメチルアクリルアミドなどのN−アルコキ
シメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリル
アミドなどが例示される。アミノ基を有するモノマーと
しては、ジメチルアミノエチルアクリレートなどが例示
される。ピロリドン環を有するモノマーとしてはビニル
ピロリドンなどが例示される。
【0021】上記以外の共重合性モノマーとしては、酢
酸ビニル、ビニルアルコール、スチレン、α−メチルス
チレン、塩化ビニル、アクリロニトリル、エチレン、プ
ロピレン、ブタジエンなども使用できる。
【0022】(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共
重合体を製造するには、全共重合モノマー成分中に(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルが50重量%以上含有
されることが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルの割合が50重量%未満であると、粘着剤が十分
な粘着性を示さない。より好ましくは、(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルの割合は60重量%以上である。
【0023】アクリル系粘着剤の製造用モノマー成分に
は、さらに必要に応じて多官能性モノマーが加えられ、
上記モノマー成分と共重合される。この多官能性モノマ
ーの添加により、生成する重合体間にごくわずかに架橋
が生じ、それにより粘着剤の内部凝集力が増大する。そ
のため貼付された皮膚の性状や発汗量にほとんど無関係
に貼付剤剥離時のいわゆる糊残り現象がほぼ解消せられ
る。しかも、この多官能性モノマーの添加は薬物の放出
性や低皮膚刺激性には何ら悪影響を与えない。このよう
な多官能性モノマーとしては、たとえば、ジ(メタ)ア
クリレート、トリ(メタ)アクリレート、テトラ(メ
タ)アクリレートなどが例示されるが、これに限定され
ない。より具体的には、ヘキサメチレングリコールやオ
クタメチレングリコールなどのポリメチレングリコール
類と(メタ)アクリル酸とを結合させて得られるジ(メ
タ)アクリレート;ポリエチレングリコールやポリプロ
ピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類と
(メタ)アクリル酸とを結合させて得られるジ(メタ)
アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレートやグリセリントリ(メタ)アクリレートなど
のトリ(メタ)アクリレート;およびペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレートなどのテトラ(メタ)
アクリレートが例示される。これら多官能性モノマーは
2種以上を組み合わせて用いてもよい。多官能性モノマ
ーは、粘着剤の製造に供される、多官能性モノマー以外
の全モノマー100重量部に対し、0.005〜0.5
重量部の割合で使用される。多官能性モノマーの使用量
が0.005重量部未満であると、架橋による内部凝集
力向上の効果が小さく、また0.5重量部を超えると重
合により得られる粘着剤がゲル化を起こし易く、薬物の
拡散放出にも影響が現われる。
【0024】また、アクリル系粘着剤には、必要に応じ
てロジン系樹脂、ポリテルペン樹脂、クマロン−インデ
ン樹脂、石油系樹脂、テルペン−フェノール樹脂などの
粘着性付与剤を添加してもよい。
【0025】アクリル系粘着剤を調製するには、通常、
重合開始剤の存在下に所要のモノマーの溶液重合を行な
う。ただし、重合形態はこれに限定されない。また重合
反応条件は主としてモノマーの種類により適宜選定され
る。
【0026】ゴム系粘着剤としては、天然ゴム、スチレ
ン−イソプレン系ブロック共重合体、スチレン−ブタジ
エン系ブロック共重合体、ポリイソプレン、ポリブテ
ン、ポリイソブチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体
などのゴム弾性体100重量部に対し、たとえばロジン
系樹脂、ポリテルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、
石油系樹脂、テルペン−フェノール樹脂などの粘着性付
与剤を20〜200重量部、および必要に応じて、液状
ポリブテン、鉱油、ラノリン、液状ポリイソプレン、液
状ポリアクリレートなどの軟化剤:酸化チタンなどの充
填剤:ブチルヒドロキシトルエンなどの老化防止剤など
を適量添加してなるものが使用される。
【0027】スチレン−イソプレン系ブロック共重合体
およびスチレン−ブタジエン系ブロック共重合体として
は、スチレン−イソプレン・ブロック共重合体、スチレ
ン−イソプレン−スチレン・ブロック共重合体、スチレ
ン−ブタジエン・ブロック共重合体、スチレン−ブタジ
エン−スチレン・ブロック共重合体、スチレン−エチレ
ン−ブタジエン−スチレン・ブロック共重合体などのス
チレン系熱可塑性エラストマーが例示される。
【0028】粘着性付与剤の添加量がゴム弾性体100
重量部に対し20重量部未満であると、粘着剤の内部凝
縮力が大きく粘着力が不足し、逆に200重量部を越え
ると、粘着剤の内部凝縮力が小さく粘着剤が凝集破壊を
起こす。
【0029】シリコーン系粘着剤としては、ポリジメチ
ルシロキサンなどを主成分とするものが使用される。
【0030】上記各粘着剤中には、可塑剤;充填剤;老
化防止剤などの配合剤が必要に応じて添加される。
【0031】c) 刺激低減化剤 この発明による貼付剤では、刺激低減化剤としてポリオ
キシアルキレングリコール、そのブロック共重合体また
はこれらの誘導体が使用される。ポリオキシアルキレン
グリコールは、炭素数2〜4のオキシアルキレン単位の
繰り返し構造を有するものであって、具体的にはポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブ
チレングリコールが例示され、ポリオキシアルキレング
リコールのブロック共重合体としては、ポリオキシエチ
レングリコール−ポリオキシプロピレングリコール・ブ
ロック共重合体が例示され、ポリオキシアルキレングリ
コールまたはそのブロック共重合体の誘導体としては、
エチレンジアミンのポリオキシエチレングリコール−ポ
リオキシプロピレングリコール・ブロック縮合体が例示
される。これらの中でもポリオキシエチレングリコール
−ポリオキシプロピレングリコール・ブロック共重合体
およびエチレンジアミンのポリオキシエチレングリコー
ル−ポリオキシプロピレングリコール・ブロック縮合体
が好適に用いられる。
【0032】ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコールおよびポリブチレングリコールとしては、そ
れぞれ分子量500〜20000を有するものが好まし
く、分子量1000〜6000のものがより好ましい。
この分子量が500未満であると、粘着剤層の内部凝集
力が過度に低下し、十分な粘着性が得られなかったり、
剥離時に糊残りが生じたりする。逆に、この分子量が2
0000を越えると、刺激低減化剤の均一な混合が不可
能であり、また粘着力が不足する。
【0033】ポリオキシエチレングリコール−ポリオキ
シプロピレングリコール・ブロック共重合体としては、
分子量1000〜20000を有するものが好ましく、
分子量2000〜17000のものがより好ましい。こ
の分子量が1000未満であると、粘着剤層の内部凝集
力が過度に低下し、十分な粘着性が得られなかったり、
剥離時に糊残りが生じたりする。逆に、この分子量が2
0000を越えると、刺激低減化剤の均一な混合が不可
能であり、また粘着力が不足する。
【0034】エチレンジアミンのポリオキシエチレング
リコール−ポリオキシプロピレングリコール・ブロック
縮合体としては、分子量1000〜30000を有する
ものが好ましく、分子量2000〜10000のものが
より好ましい。この分子量が1000未満であると、粘
着剤層の内部凝集力が過度に低下し、十分な粘着性が得
られなかったり、剥離時に糊残りが生じたりする。逆
に、この分子量が30000を越えると、刺激低減化剤
の均一な混合が不可能であり、また粘着力が不足する。
【0035】ポリオキシアルキレングリコール、そのブ
ロック共重合体またはこれらの誘導体は、粘着剤中に7
〜55重量%の範囲で添加される。添加量が7重量%未
満であると低刺激効果が期待できない。また添加量が5
5重量%を超えると粘着剤層の内部凝集力が過度に低下
し、十分な粘着性が得られなかったり、剥離時に糊残り
が生じたりする。
【0036】この発明による貼付剤では、ポリオキシア
ルキレングリコール、そのブロック共重合体またはこれ
らの誘導体は、粘着剤中で連続相を形成している。
【0037】d) 支持体 この発明による貼付剤の支持体としては、柔軟であるが
貼付剤に自己支持性を付与し、かつ膏体層中の薬物の揮
散や移行を防止する役目を果たすものが使用される。支
持体の素材としては、酢酸セルロース、エチルセルロー
ス、ポリエチレンテレフタレート、可塑化酢酸ビニル−
塩化ビニル共重合体、ナイロン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、可塑化ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリ
エチレン、ポリ塩化ビニリデン、アルミニウムなどが例
示される。これら素材はたとえば単層のシートないしフ
ィルムや2枚以上の積層体として用いられる。アルミニ
ウム以外の素材は織布や不織布として使用してもよい。
支持体としては、皮膚面に対して追従性を有する素材よ
りなるものが好適に用いられ、特にポリエチレンテレフ
タレートとエチレン−酢酸ビニル共重合体とのラミネー
トフィルムなどが好ましい。支持体の厚みは500μm
以下、好ましくは5〜100μmである。
【0038】また、支持体と膏体層との接着性を良好な
らしめるために、支持体にコロナ処理、プラズマ放電処
理を施したり、アンカーコート剤を塗布することもあ
る。
【0039】e) 剥離紙 この発明による貼付剤は、使用時までその膏体層表面を
保護するために通常はその貼付面に剥離紙を備えてい
る。剥離紙としてはポリエチレンテレフタレートのフィ
ルムをシリコン処理してなるものがよく用いられるが、
これは限定的なものではない。剥離紙の厚みは1000
μm以下、好ましくは30〜200μmである。
【0040】f) 調製法 この発明による貼付剤の製法としては、通常の粘着テー
プの製造方法が適用できる。具体的には溶剤塗工法、ホ
ットメルト塗工法などの代表的な方法や、電子線架橋に
よる方法、エマルジョン塗工法などが例示される。
【0041】この発明による貼付剤を溶剤塗工法で製造
するには、例えば、粘着剤、薬物および刺激低減化剤、
さらに必要に応じて配合剤を適当な溶媒に溶解ないし分
散させ、得られた溶液ないし分散液を支持体表面に直接
塗布・乾燥し、厚み10〜200μmの膏体層を形成す
る。また、この溶液ないし分散液を保護用の剥離紙上に
塗布し、乾燥後に得られた膏体層を支持体に密着させて
もよい。
【0042】膏体層の厚みは使用目的により異なるが、
通常、10〜200μmの範囲である。この厚みが10
μmを下回ると必要量の薬物を含有することができず、
粘着性も不十分である。厚みが200μmを上回ると支
持体付近の膏体層に含有される薬物が充分に拡散せず、
薬物放出性が低下する。
【0043】この発明による貼付剤をホットメルト法で
塗工するには、例えば、粘着剤、薬物および刺激低減化
剤、さらに必要に応じて配合剤を加えた後、これらを加
熱溶融した後混合し、得られた溶融液を支持体表面に直
接塗布した後冷却固化させることにより膏体層を形成す
る。この膏体層を剥離紙上に密着させ、貼付剤を得る。
また、この溶融液を剥離紙上に塗布し、冷却固化後得ら
れた膏体層を支持体に密着させてもよい。
【0044】膏体層の厚みは使用目的により異なるが、
通常、10〜1000μmの範囲である。膏体層の厚み
が10μm未満であると、治療部位の保護効果が不十分
であったり、必要量の薬物が含有されず、粘着性も不十
分である。逆に、膏体層の厚みが1000μmを越える
と、貼付剤の柔軟性が損なわれることがある。
【0045】
【作用】この発明による消炎鎮痛貼付剤は、皮膚刺激低
減化剤としてポリオキシアルキレングリコール、そのブ
ロック共重合体およびこれらの誘導体よりなる群から選
ばれた少なくとも1つを添加し、粘着剤中で連続相を形
成させたことにより、従来から問題とされてきた粘着剤
自体に起因する皮膚刺激を顕著に低減させることができ
る。
【0046】上記刺激低減化剤が経皮刺激を低減させる
作用機序は、確たるものではないが、つぎのように考え
られる。
【0047】この発明で用いられる刺激低減化剤はいず
れもこの発明で用いられる粘着剤に比較的良好な相溶性
を示すポリマーである。一般に2種類のポリマーを混合
すると、一方のポリマーに対する他方のポリマーの濃度
がある値以上になった時点で、その混合系は海島構造を
とることが知られている。このような海島構造の下で
は、海に当たるポリマーは連続相を形成しており、島に
当たるポリマーは連続相を形成せず海に当たるポリマー
中に点在した形をとっている。ここで、2つのポリマー
の混合比がさらに特定の範囲内にあると、2つのポリマ
ーがいずれも海構造をとり、共に連続相を形成する状態
が存在することが考えられる。
【0048】すなわち、この発明による消炎鎮痛貼付剤
は第1のポリマーである粘着剤と、第2のポリマーであ
る刺激低減化剤、すなわちポリオキシアルキレングリコ
ール、そのブロック共重合体およびこれらの誘導体より
なる群から選ばれた少なくとも1つとを混合し、この系
における当該刺激低減化剤の濃度を7〜50重量%とす
ることにより、この2つのポリマーが互いに海構造をと
っていることが考えられる。
【0049】このことは後述する実施例に示した消炎鎮
痛貼付剤の透湿度の測定結果から容易に推察できる。す
なわち、この発明で用いられる粘着剤が固有に有する透
湿度は0〜約40g/cm2 /24時間の範囲に含まれ
る。一方、この発明で用いられる刺激低減化剤が固有に
有する透湿度は、粘着剤のそれより明らかに高いもので
ある。
【0050】比較例に示すように、当該刺激低減化剤の
添加量が7重量%を下回ると、その貼付剤の透湿度は当
該刺激低減化剤を添加しない貼付剤の透湿度と差がな
い。一方、当該刺激低減化剤の添加量が7重量%を超え
ると、透湿度は約100〜約170g/cm2 /24時
間と顕著に高くなり、当該刺激低減化剤を添加しない貼
付剤と有意な差を示す。したがって、この状況では添加
した刺激低減化剤が粘着剤層中で連続相を形成している
と判断される。
【0051】また、当該刺激低減化剤はそれ自体では粘
着性を有しないが、この発明による消炎鎮痛貼付剤は、
当該刺激低減化剤を添加しない貼付剤と比較して、膏体
層の凝集力、粘着性について何ら遜色がないものである
ので、第1のポリマーである粘着剤も連続相を形成して
いると判断される。
【0052】このように、粘着剤として良好な粘着性を
確保した上で高い透湿性を有する連続相を形成させるこ
とにより、長時間にわたる貼付中の皮膚の発汗に伴う水
分を透湿性に富む連続相を介して外界に逃がすことがで
き、貼付に伴う皮膚の過度の蒸れを極力抑えることがで
きると考えられる。また、分泌された汗に含まれる塩類
あるいは皮脂を効果的に連続相中に取り込むことによ
り、貼付に伴う皮膚のpHの過度の低下を抑えることが
できるとも考えられる。
【0053】以上の作用により、この発明による消炎鎮
痛貼付剤は、長時間の貼付による皮膚の生理現象の妨げ
を最小限にとどめることができ、その結果として従来の
貼付剤で問題であった粘着剤自体に起因する皮膚刺激性
を顕著に改善することが可能になった。
【0054】
【実施例】つぎに、この発明を具体的に説明するため
に、この発明の一例を示す実施例およびこれとの比較例
をいくつか挙げ、さらに得られた各製剤の性能試験結果
を示す。
【0055】(a)消炎鎮痛貼付剤の調製 実施例1 I)粘着剤の調製 スチレン−イソプレン−スチレン・ブロック共重合体
(SIS;カリフレックスTR1107;シェル化学社
製)16重量部、ポリブテン(平均分子量1350;日
本石油社製)5重量部、脂環族飽和炭化水素樹脂(アル
コンP90;荒川化学社製)36.5重量部、流動パラ
フィン42.5重量部およびブチルヒドロキシトルエン
0.6重量部の各粘着成分を混合槽内で窒素置換下、1
50℃に加熱し、溶解混合した。こうして、粘着剤を調
製した。
【0056】II)塗工液の調製 上記粘着剤87.05重量部、刺激低減化剤としてポリ
オキシエチレングリコール−ポリオキシプロピレングリ
コール・ブロック共重合体(プルロニックF68;旭電
化社製)10重量部、薬物としてL −メントール0.1
5重量部および粘着剤中で飽和溶解度となるようにイン
ドメタシン2.8重量部の各成分を混合槽内で窒素置換
下、120℃に加熱し、溶解混合した。こうして、刺激
低減化剤と薬物を配合した塗工液を調製した。
【0057】III)貼付剤の調製 120℃に加熱、溶解した上記塗工液を、厚さ25μm
のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムをシ
リコン処理してなる剥離紙上に、ホットメルトコーター
(メルテックス社製)を用いて膏体層の厚さが100μ
mになるように展延し、ついで、ポリエステル不織布よ
りなる支持体を膏体層の貼付面に密着させた。こうして
消炎鎮痛貼付剤を得た。
【0058】実施例2 実施例1の工程II) において、粘着剤74.55重量
部、ポリオキシエチレングリコール−ポリオキシプロピ
レングリコール・ブロック共重合体(プルロニックF6
8)20重量部、L −メントール0.15重量部および
インドメタシン5.3重量部の各成分を用いて塗工液を
調製したこと以外、実施例1と同様の操作によって消炎
鎮痛貼付剤を調製した。
【0059】実施例3 実施例1の工程II) において、粘着剤62.05重量
部、ポリオキシエチレングリコール−ポリオキシプロピ
レングリコール・ブロック共重合体(プルロニックF6
8)30重量部、L −メントール0.15重量部および
インドメタシン7.8重量部の各成分を用いて塗工液を
調製したこと以外、実施例1と同様の操作によって消炎
鎮痛貼付剤を調製した。
【0060】実施例4 実施例1の工程II) において、粘着剤37.05重量
部、ポリオキシエチレングリコール−ポリオキシプロピ
レングリコール・ブロック共重合体(プルロニックF6
8)50重量部、L −メントール0.15重量部および
インドメタシン12.8重量部の各成分を用いて塗工液
を調製したこと以外、実施例1と同様の操作によって消
炎鎮痛貼付剤を調製した。
【0061】実施例5 実施例1の工程II) において、粘着剤76.55重量
部、ポリオキシエチレングリコール−ポリオキシプロピ
レングリコール・ブロック共重合体(プルロニックF6
8)10重量部、ポリエチレングリコール4000(マ
クロゴール4000;関東化学社製)10重量部、L −
メントール0.15重量部およびインドメタシン3.3
重量部の各成分を用いて塗工液を調製したこと以外、実
施例1と同様の操作によって消炎鎮痛貼付剤を調製し
た。
【0062】実施例6 実施例1の工程II) において、粘着剤76.95重量
部、ポリオキシエチレングリコール−ポリオキシプロピ
レングリコール・ブロック共重合体(プルロニックF6
8)10重量部、ポリプロピレングリコール2000
(和光化学社製)10重量部、L −メントール0.15
重量部およびインドメタシン2.9重量部の各成分を用
いて塗工液を調製したこと以外、実施例1と同様の操作
によって消炎鎮痛貼付剤を調製した。
【0063】実施例7 実施例1の工程II) において、粘着剤78.55重量
部、ポリエチレングリコール4000(マクロゴール4
000)20重量部、L −メントール0.15重量部お
よびインドメタシン1.3重量部の各成分を用いて塗工
液を調製したこと以外、実施例1と同様の操作によって
消炎鎮痛貼付剤を調製した。
【0064】実施例8 実施例1の工程II) において、粘着剤78.95重量
部、ポリエチレングリコール4000(マクロゴール4
000)10重量部、ポリプロピレングリコール200
0 10重量%、L −メントール0.15重量部および
インドメタシン0.9重量部の各成分を用いて塗工液を
調製したこと以外、実施例1と同様の操作によって消炎
鎮痛貼付剤を調製した。
【0065】比較例1 実施例1の工程II) において、粘着剤のみよりなる塗工
液を用いたこと以外、実施例1と同様の操作によって消
炎鎮痛貼付剤を調製した。
【0066】比較例2 実施例1の工程II) において、粘着剤99.55重量
部、L −メントール0.15重量部およびインドメタシ
ン0.3重量部の各成分を用いて塗工液を調製したこと
以外、実施例1と同様の操作によって消炎鎮痛貼付剤を
調製した。
【0067】比較例3 実施例1の工程II) において、粘着剤93.25重量
部、ポリオキシエチレングリコール−ポリオキシプロピ
レングリコール・ブロック共重合体(プルロニックF6
8)5重量部、L −メントール0.15重量部およびイ
ンドメタシン1.6重量部の各成分を用いて塗工液を調
製したこと以外、実施例1と同様の操作によって消炎鎮
痛貼付剤を調製した。
【0068】比較例4 実施例1の工程II) において、粘着剤24.55重量
部、ポリオキシエチレングリコール−ポリオキシプロピ
レングリコール・ブロック共重合体(プルロニックF6
8)60重量部、L −メントール0.15重量部および
インドメタシン15.3重量部の各成分を用いて塗工液
を調製したこと以外、実施例1と同様の操作によって消
炎鎮痛貼付剤を調製した。
【0069】比較例5 実施例1の工程II) において、粘着剤36.55重量
部、ポリエチレングリコール4000(マクロゴール4
000)60重量部、L −メントール0.15重量部お
よびインドメタシン3.3重量部の各成分を用いて塗工
液を調製したこと以外、実施例1と同様の操作によって
消炎鎮痛貼付剤を調製した。
【0070】比較例6 消炎鎮痛貼付剤の代わりにインドメタシン含有パップ剤
(カトレップ;住友製薬製)を用いた。
【0071】(b)消炎鎮痛貼付剤の性能評価 実施例および比較例で得られた各消炎鎮痛貼付剤につい
て、下記の項目における性能を調べた。
【0072】I)ヒト皮膚刺激性試験 6.25cm2 (2.5×2.5cm)の消炎鎮痛貼付
剤の試験片を剥離紙の除去後、5人の自発的被験者(健
常人、男性)の胸部に貼付し、48時間後これを剥離し
た。消炎鎮痛貼付剤の剥離30分後、24時間後および
48時間後に、試験片剥離部位の紅斑状態を目視で観察
した。紅斑の程度は下記の0〜4の5段階の判定貼付準
で評価した。なお、この試験において、浮腫および痂皮
の形成は認められなかった。
【0073】0…紅斑なし 1…かろうじて識別でき軽度の紅斑 2…明らかな紅斑 3…中程度の紅斑 4…深紅色の強い紅斑 5人の被験者における評点の平均値を各消炎鎮痛貼付剤
の皮膚刺激指数とした。
【0074】II) ヒト皮膚移行性試験 6.25cm2 (2.5×2.5cm)の消炎鎮痛貼付
剤の試験片を剥離紙の除去後、5人の自発的被験者(健
常人、男性)の胸部に貼付し、48時間後これを剥離し
て回収し、この試験片中のインドメタシン残存量を下記
の方法で定量し、消炎鎮痛貼付剤の当初の薬物含量と試
験後の残存量の差を48時間の皮膚移行量とした。
【0075】膏体層中の薬物の定量は以下の方法で行っ
た。すなわち、6.25cm2 (2.5×2.5cm)
の消炎鎮痛貼付剤を一定量のジフェニルを含むテトラヒ
ドロフラン30mlで抽出処理した。この上澄を採取
し、高速液体クロマトグラフィーを用いて、内部標準法
により膏体層中のインドメタシンを定量した。
【0076】III)消炎鎮痛貼付剤の透湿度試験 JIS Z 0208「防湿包装材料の透湿度試験方法
(カップ法)」に準じ、5枚の試験片を調製した。試験
片をセットしたカップを温度40℃、相対湿度90%の
恒温恒湿槽内に24時間放置し、質量増加分を24時間
当たりの透湿度とした。
【0077】IV) 消炎鎮痛貼付剤の粘着性試験 6.25cm2 (2.5×2.5cm)の消炎鎮痛貼付
剤の試験片を剥離紙の除去後、5人の自発的被験者(健
常人、男性)の胸部に貼付し、試験片の剥離時の抵抗力
および剥離後の皮膚への糊残りなどについて官能試験を
行った。粘着性の程度は下記の3段階の判定貼付準で評
価した。
【0078】○…剥離時に十分な抵抗力があり、皮膚が
引っ張られる感じがある。
【0079】△…剥離時の抵抗力が不十分であり、皮膚
が引っ張られる感じがない。
【0080】×…剥離時の抵抗力がなく、糊残りが生じ
る場合がある。
【0081】上記試験I) 〜IV) の結果を表1にまとめ
て示す。
【0082】
【表1】 上記表から明らかなように、この発明の範囲に属する実
施例の消炎鎮痛貼付剤は、従来のパップ剤と比較して何
ら遜色のない薬物移行性を有すると共に、貼付剤として
良好な粘着性を示し、これらを満足させた上で透湿度の
大きさと良く対応して皮膚刺激性が極めて低い、貼付剤
として理想的な消炎鎮痛貼付剤であることが認められ
る。
【0083】
【発明の効果】この発明による消炎鎮痛貼付剤は以上の
如く構成されているので、この貼付剤を皮膚あるいは粘
膜に貼付した場合、皮膚刺激性を充分に低減し、かつ粘
着性に優れ、加えて薬物の放出性が良好な貼付剤を提供
することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の片面に、粘着剤と薬物と刺激低
    減化剤とを含有した膏体層が設けられている貼付剤にお
    いて、薬物がインドメタシンおよびL −メントールであ
    り、刺激低減化剤がそれぞれ分子量500〜20000
    を有するポリオキシアルキレングリコール、そのブロッ
    ク共重合体およびこれらの誘導体よりなる群から選ばれ
    た少なくとも1つであり、刺激低減化剤が粘着剤中で連
    続相を形成して7〜55重量%含まれていることを特徴
    とする消炎鎮痛貼付剤。
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