JPH06282031A - 高感度、低カブリで経時安定性の優れたハロゲン化銀乳剤及びハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

高感度、低カブリで経時安定性の優れたハロゲン化銀乳剤及びハロゲン化銀写真感光材料

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JPH06282031A
JPH06282031A JP9048693A JP9048693A JPH06282031A JP H06282031 A JPH06282031 A JP H06282031A JP 9048693 A JP9048693 A JP 9048693A JP 9048693 A JP9048693 A JP 9048693A JP H06282031 A JPH06282031 A JP H06282031A
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Yorihiro Yamatani
自広 山谷
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 セレン増感法を使用しながらも、低カブリ、
高感度でかつ塗布液の停滞性及びフィルムの生保存性が
良好なハロゲン化銀乳剤及び該ハロゲン化銀乳剤を使用
したハロゲン化銀写真感光材料を提供すること。 【構成】 セレン化合物により増感され、かつ化学増感
中に、微粒子ハロゲン化銀が添加されており、かつ該乳
剤の銀電位が温度50℃で100mV以下であることを特徴と
するハロゲン化銀乳剤及び該ハロゲン化銀乳剤を使用し
たハロゲン化銀写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料に関し、詳しくは高感度かつ低カブリで、経時安定性
の優れたハロゲン化銀写真感光材料に関する。
【0002】
【発明の背景】近年感材、特に医療用レントゲン感材に
おいては、高感度化の要望が益々強くなってきている。
感材の感度を上げるための化学増感剤である硫黄化合物
に変わって、最近ではさらに高感度化が可能であるセレ
ン化合物による増感法(以下、セレン増感法という。)
も多く研究開発されている。
【0003】セレン増感法に関しては、米国特許第1,57
4,944号明細書、同1,602,592号明細書、同1,623,499号
明細書、同3,297,446号明細書、同3,297,447号明細書、
同3,320,069号明細書、同3,408,196号明細書、同3,408,
197号明細書、同3,442,653号明細書、同3,420,670号明
細書、同3,591,385号明細書、フランス特許第2,693,038
号明細書、同2,093,209号明細書、特公昭52−34491号公
報、同52−34492号公報、同53−295号公報、同57−2209
0号公報、特開昭59−180536号公報、同59−185330号公
報、同59−181337号公報、同59−187338号公報、同59−
192241号公報、同60−150046号公報、同60−151637号公
報、同61−246738号公報、特開平3−4221号公報、同1−
287380号公報、同1−250950号公報、同1−254441号公
報、同2−34090号公報、同2−10558号公報、同2−13097
6号公報、同2−139183号公報、同2−229300号公報、更
に、英国特許第255,846号明細書、同861,984号明細書及
び、H.E.Spencerら著、Journal of Photographic Scien
ce 誌、31巻、158〜169頁(1983年)等に開示されてい
る。
【0004】しかしながら、これら従来のセレン増感法
では高い感度が得られるがカブリが増大するという欠点
を有しており、これら欠点を十分に克服することが不可
能であった。
【0005】そこで本発明者が検討したところ、上記カ
ブリが増大するという欠点は、セレン増感法において、
化学増感中に、微粒子ハロゲン化銀を添加することによ
り低減できることを見いだした。ところが、化学増感中
に該微粒子ハロゲン化銀を添加すると、塗布液調整時
や、フィルム保存中に減感するなどの欠点が発生するこ
とがわかった。そこで更に検討したところ、乳剤の銀電
位を50℃において100mV以下になるように調整すること
により、経時安定性が改良されると共に、さらにカブリ
も低減することができることがわかった。
【0006】
【発明の目的】本発明の目的は、セレン増感法を使用し
ながらも、低カブリ、高感度でかつ塗布液の停滞性及び
フィルムの生保存性が良好なハロゲン化銀乳剤及びハロ
ゲン化銀写真感光材料を提供することにある。本発明の
その他の目的は以下の詳述から明らかになる。
【0007】
【発明の構成】本発明の上記目的は、以下によって達成
された。 (1) セレン化合物により増感され、かつ化学増感中
に、微粒子ハロゲン化銀が添加されており、かつ該乳剤
の銀電位が温度50℃で100mV以下であることを特徴とす
るハロゲン化銀乳剤。 (2) ハロゲン化銀乳剤をセレン化合物により増感
し、かつ化学増感中に、微粒子ハロゲン化銀を添加し、
かつ該乳剤の銀電位を温度50℃で100mV以下とすること
を特徴とする上記(1)記載のハロゲン化銀乳剤の製造
方法。 (3) 支持体の少なくとも一方の側に、少なくとも一
層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光
材料において、該ハロゲン化銀乳剤が上記(1)記載の
ハロゲン化銀乳剤であることを特徴とするハロゲン化銀
写真感光材料。
【0008】以下本発明を詳細に説明する。
【0009】先ず本発明のハロゲン化銀乳剤の調製に用
いられるハロゲン化銀乳剤について説明する。
【0010】本発明のハロゲン化銀乳剤の調製に用いら
れるハロゲン化銀乳剤において、ハロゲン化銀粒子の形
状は任意であり、立方体、8面体、14面体のような規
則的な結晶形を有するものでもよく、また球状、じゃが
いも状などのような不規則な結晶形を有するものでもよ
い。また、種々の結晶形の粒子が混合されたものでもよ
い。
【0011】特に好ましいハロゲン化銀乳剤は、ハロゲ
ン化銀粒子が、ハロゲン化銀粒子の全投影面積の50%以
上が厚さ0.5μm未満かつ粒子直径・粒子厚さの比(以
下、アスペクト比と呼ぶ。)が2以上である単分散の双
晶粒子であるものが好ましく、より好ましくは全投影面
積の50%以上が厚さ0.3μm未満かつアスペクト比が3〜
8である単分散の双晶粒子であるものである。
【0012】ここでいう単分散とは、特開昭60-162244
号公報に記載の定義によるものであり、好ましい粒子の
変動係数は5〜25%である。
【0013】また、平板状ハロゲン化銀粒子としては、
本発明において六角平板状を有する粒子が特に有用であ
る。本発明に特に有用である単分散六角平板粒子の構造
および製造法の詳細は特開昭63-151618号公報に記載さ
れており、該記載を参考にすることができる。
【0014】平板状粒子のハロゲン化銀組成としては、
沃臭化銀、塩沃臭化銀が望ましく、特に沃化銀が3モル
%以下の沃臭化銀乳剤が望ましい。
【0015】平板状ハロゲン化銀乳剤について詳しく
は、RESEARCH DISCLOSURE 225巻 Item 22534 20〜5
8頁、1月号、1983年及び特開昭58−127921号公報、同58
−113926号公報に記載されている。平板状ハロゲン化銀
粒子を有するハロゲン化銀乳剤は、当業界で知られた方
法を適宜、組合せることにより調製することができる。
例えば、クナック(Cugnac)およびシャトー(Chatea
n)「物理的熟成時の臭化銀結晶の形態学の進展(イボ
ルーション・オブ・ザ・モルフォルジー・オブ・シルバ
ー・ブロマイド・クリスタルズ・デュアリング・フィジ
カル・ライプニング)」サイエンス・エ・インダストリ
エ・フォトグラフィー、33巻、No.(1962)pp.121−125,
ダフィン(Duffin)著『フオトグラフィック・エマルジ
ョン・ケミストリー(Photographic emulsion Chemistr
y)』フォーカル・プレス(Focal Press)、ニューヨー
ク、1966年、66〜72頁、A.P.H.トリベリ(Trivelli)、
W.F.スミス(Smith)フォトグラフィック・ジャーナル
(Photographic Journal)、80巻、285頁(1940年)等
に記載されているが特開昭58−127921号公報、特開昭58
−113927号公報、特開昭58−113928号公報、米国特許第
4,439,520号明細書に記載された方法を参照すれば容易
に調製できる。
【0016】本発明において、特開平2−68539号公報の
如く乳剤調製工程中の化学増感の際に、ハロゲン化銀1
モル当り0.5ミリモル以上のハロゲン化銀吸着性物質を
存在させることが好ましい。このハロゲン化銀吸着性物
質は、粒子形成中、粒子形成直後、後熟開始前後時など
いずれの時期に添加してもよいが、化学増感剤が添加さ
れるより前、もしくは化学増感剤の添加と同時に添加さ
れることが好ましく、少なくとも、化学増感が進行する
過程で存在させることが好ましい。ハロゲン化銀吸着性
物質の添加は、30℃〜80℃の任意の温度で行ってよい
が、吸着性を強化する目的では、50℃〜80℃の範囲で行
うことが好ましい。添加時のpH、pAgも住意でよいが、
化学増感をおこなう時点ではpH5〜10、pAg7〜9であるこ
とが好ましい。
【0017】ここで、ハロゲン化銀吸着性物質とは増感
色素、もしくは写真性能安定化剤の類を意味する。
【0018】これらハロゲン化銀吸着性物質としては、
アゾール類(例えばベンゾチアゾリウム塩、ベンゾイミ
ダゾリウム塩、イミダゾール類、ベンゾイミダゾール
類、ニトロインダゾール類、トリアゾール類,ベンゾト
リアゾール類、テトラゾール類、トリアジン類など);
メルカプト化合物(例えばメルカプトチアゾール類、メ
ルカプトベンゾチアゾール類、メルカプトイミダゾール
類、メルカプトベイズイミダゾール類、メルカプトベイ
ゾオキサゾール類、メルカプトチアジアゾール類、メル
カプトオキサジアゾール類、メルカプトテトラゾール
類、メルカプトトリアゾール類、メルカプトピリミジン
類、メルカプトトリアジン類など);例えばオキサドリ
ンチオンのようなチオケト化合物;アザインデン類(例
えばトリアザインデン類、テトラアザインデン類(特に
4−ヒドロキシ置換(1,3,3a,7)テトラアザイ
ンデン類、ペンタアザインデン類など);のようなカブ
リ防止剤または安定剤として知られた、多くの化合物を
ハロゲン化銀吸着物質として挙げることができる。さら
に、プリン類または核酸類、あるいは特公昭61−36213
号公報、特開昭59−90844号公報等に記載の高分子化合
物、なども利用しうる吸着性物質である。
【0019】また、増感色素として、シアニン色素、メ
ロシアニン色素、コンプレックスシアニン色素、コンプ
レックスメロシアニン色素、ホロホーラーシアニン色
素、スチリル色素、ヘミシアニン色素、オキソノール色
素、ヘミオキソノール色素等を挙げることができる。本
発明に使用される有用な増感色素は、例えば、米国特許
第3,522,052号明細書、同3,619,197号明細書、同3,713,
828号明細書、同3,615,643号明細書、同3,615,632号明
細書、同3,617,293号明細書、同3,628,964号明細書、同
3,703,377号明細書、同3,666,480号明細書、同3,667,96
0号明細書、同3,679,428号明細書、同3,672,897号明細
書、同3,769,026号明細書、同3,556,800号明細書、同3,
615,613号明細書、同3,615,638号明細書、同3,615,635
号明細書、同3,705,809号明細書、同3,632,349号明細
書、同3,677,765号明細書、同3,770,449号明細書、同3,
770,440号明細書、同3,769,025号明細書、同3,745,014
号明細書、同3,713,828号明細書、同3,567,458号明細
書、同3,625,698号明細書、同2,526,632号明細書、同2,
503,776号明細書、特開昭48−76525号公報、ベルギー特
許第691,807号明細書等に記載されている。
【0020】本発明のハロゲン化銀乳剤はセレン化合物
により増感されるが、本発明で用いうるセレン増感剤は
特に制限はなく、従来公知の特許に開示されているセレ
ン化合物を用いることができる。増感はハロゲン化銀乳
剤にセレン増感剤を添加して高温、好ましくは40℃以上
で乳剤を一定時間撹拌することにより行うことができ
る。
【0021】セレン増感剤としては不安定型セレン化合
物および/または非不安定型セレン化合物を挙げること
ができる。
【0022】不安定型セレン化合物としては、特公昭44
−15748号公報、特公昭43−13489号公報、特願平2−130
976号明細書、特願平2−229300号明細書などに記載の化
合物を挙げることができる。具体的には、イソセレノシ
アネート類(例えばアリルイソセレノシアネートの如き
脂肪属イソセレノシアネート類)、セレノ尿素類、セレ
ノケトン類、セレノアミド類、セレノカルボン酸類(例
えば、2−セレノプロピオン酸、2−セレノ酪酸)、セ
レノエステル類、ジアシルセレニド類(例えば、ビス
(3−クロロ−2,6−ジメトキシベンゾイル)セレニ
ド)、セレノホスフェート類、ホスフィンセレニド類、
コロイド状金属セレンなどが挙げられる。
【0023】不安定型セレン化合物の好ましい類型を上
に述べたがこれらは限定的なものではない。当業技術者
には写真乳剤の増感剤としての不安定型セレン化合物と
いえば、セレンが不安定である限りにおいて該化合物の
構造はさして重要なものではなく、セレン増感剤分子の
有機部分はセレンを担持し、それを不安定な形で乳剤中
に存在せしめる以外何らの役割をもたないことが一般に
理解されている。本発明においては、かかる広範な概念
の不安定セレン化合物を有利に用いることができる。
【0024】本発明で用いられる非不安定型セレン化合
物としては、特公昭46−4553号公報、特公昭52−34492
号公報および特公昭52−34491号公報に記載の化合物を
挙げることができる。具体的には、亜セレン酸、セレノ
シアン化カリウム、セレナゾール類、セレナゾール類の
四級塩、ジアリールセレニド、ジアリールジセレニド、
ジアルキルセレニド、ジアルキルジセレニド、2−セレ
ナゾリジンジオン、2−セレノオキサゾリジンチオンお
よびこれらの誘導体などが挙げられる。これらの非不安
定型セレン化合物のうち、下記の一般式[I]および
[II]で示されるものが好ましい。
【0025】
【化1】 一般式[I]において、Z1およびZ2はそれぞれ同じで
も異なっていてもよく、アルキル基(例えば、メチル
基、エチル基、t−ブチル基、アダマンチル基、t−オ
クチル基)、アルケニル基(例えば、ビニル基、プロぺ
ニル基)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネ
チル基)、アリール基(例えば、フェニル基、ペンタフ
ルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、3−ニトロ
フェニル基、4−オクチルスルファモイルフェニル基、
α−ナフチル基)、複素環基(例えば、ピリジル基、チ
エニル基、フリル基、イミダゾリル基)、−NR
1(R2)、−OR3または−SR4を表す。R1、R2、R
3およびR4はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、ア
ルキル基、アラルキル基、アリール基または複素環基を
表す。アルキル基、アラルキル基、アリール基または複
素環基としてはZ1と同様な例が挙げられる。ただしR1
およびR2は水素原子またはアシル基(例えば、アセチ
ル基、プロパノイル基、ベンゾイル基、ヘプタフルオロ
ブタノイル基、ジフルオロアセチル基、4−ニトロベン
ゾイル基、α−ナフトイル基、4−トリフルオロメチル
ベンゾイル基)であってもよい。一般式[I]中、好ま
しくはZ1はアルキル基、アリール基または−NR1(R
2)を表し、Z2は−NR5(R6)を表し、R1、R2、R
5およびR6はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水
素原子、アルキル基、アリール基またはアシル基を表
す。一般式[I]中、より好ましくはN,N−ジアルキ
ルセレノ尿素、N,N,N′−トリアルキル−N′−ア
シルセレノ尿素、テトラアルキルセレノ尿素、N,N−
ジアルキル−アリールセレノアミド、N−アルキル−N
−アリール−アリールセレノアミドを表す。
【0026】
【化2】 一般式[II]において、Z3、Z4およびZ5はそれぞれ
同じでも異なっていてもよく、脂肪族基、芳香族基、複
素環基、−OR7、−NR8(R9)、−SR10、−Se
11、X、水素原子を表す。R7、R10およびR11は脂
肪族基、芳香族基、複素環基、水素原子またはカチオン
を表し、R8およびR9は脂肪族基、芳香族基、複素環基
または水素原子を表し、Xはハロゲン原子を表す。一般
式[II]において、Z3、Z4、Z5、R7、R8、R9、R
10およびR11で表される脂肪族基は直鎖、分岐または環
状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラル
キル基、(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−ブチル基、n
−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シ
クロペンチル基、シクロヘキシル基、アリル基、2−ブ
テニル基、3−ペンテニル基、プロパルギル基、3−ペ
ンチニル基、ベンジル基、フェネチル基)を表す。
【0027】一般式[II]において、Z3、Z4、Z5
7、R8、R9、R10およびR11で表される芳香族基は
単環または縮環のアリール基(例えば、フェニル基、ペ
ンタフルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、3−
スルホフェニル基、α−ナフチル基、4−メチルフェニ
ル基、)を表す。
【0028】一般式[II]において、Z3、Z4、Z5
7、R8、R9、R10およびR11で表される複素環基は
窒素原子、酸素原子または硫黄原子のうち少なくとも一
つを含む3〜10員環の飽和もしくは不飽和の複素環基
(例えば、ピリジル基、チエニル基、フリル基、チアゾ
リル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基)を表
す。
【0029】一般式[II]において、R7、R10および
11で表されるカチオンはアルカリ金属原子またはアン
モニウムを表し、Xで表されるハロゲン原子は、例え
ば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子または沃素原子を
表す。一般式[II]中、好ましくはZ3、Z4またはZ5
は脂肪族基、芳香族基、または−OR7を表し、R7は脂
肪族基または芳香族基を表す。一般式[II]で示される
化合物としては、トリアルキルホスフィンセレニド、ト
リアリールホスフィンセレニド、トリアルキルセレノホ
スフェートまたはトリアリールセレノホスフェートが好
ましい。
【0030】以下に、一般式[I]および[II]で表さ
れるセレン化合物の具体例を示すが、本発明はこれに限
定されるものではない。
【0031】
【化3】
【0032】
【化4】
【0033】
【化5】
【0034】これらのセレン増感剤は水またはメタノー
ル、エタノールなどの有機溶媒の単独または混合溶媒に
溶解し、または特願平2−264447号明細書、同2−264448
号明細書に記載の形態にて化学増感時にハロゲン化銀乳
剤に添加される。セレン増感剤の添加は化学増感開始前
に行うのが好ましい。使用されるセレン増感剤は1種に
限られず上記セレン増感剤の2種以上を併用して用いる
ことができる。また、不安定セレン化合物と非不安定セ
レン化合物を併用してもよい。本発明に使用されるセレ
ン増感剤の添加量は、用いるセレン増感剤の活性度、ハ
ロゲン化銀の種類や大きさ、熟成の温度および時間など
により異なるが、ハロゲン化銀1モル当り1×10-8モル
以上が好ましい。より好ましくは1×10-7モル以上、1×
10-5モル以下である。セレン増感剤を用いた場合の化学
熟成の温度は45℃以上であることが好ましい。より好ま
しくは50℃以上、80℃以下である。pAgおよびpHは任意
である。例えばpHは4から9までの広い範囲で本発明の効
果が得られる。
【0035】セレン増感は、ハロゲン化銀溶剤の存在下
で行うことが、より効果的であり好ましい。
【0036】本発明において用いることができるハロゲ
ン化銀溶剤としては、(a)米国特許第3,271,157号明
細書、同3,531,289号明細書、同3,574,628号明細書、特
開昭54−1019号公報、同54−158917号公報等に記載され
た有機チオエーテル類、(b)特開昭53−82408号公
報、同55−77737号公報、同55−2982号公報等に記載さ
れたチオ尿素誘導体、(c)特開昭53−144319号公報に
記載された酸素または硫黄原子と窒素原子とにはさまれ
たチオカルボニル基を有するハロゲン化銀溶剤、(d)
特開昭54−100717号公報に記載されたイミダゾール類、
(e)亜硫酸塩、(f)チオシアネート等が挙げられ
る。特に好ましいハロゲン化銀溶剤としては、チオシア
ネートおよびテトラメチルチオ尿素が挙げられる。ま
た、ハロゲン化銀溶剤の使用量はハロゲン化銀溶剤の種
類によっても異なるが、例えば、チオシアネートの場
合、好ましい使用量はハロゲン化銀1モル当り1×10-4
ル以上、1×10-2モル以下である。
【0037】本発明のハロゲン化銀写真乳剤は、化学増
感において硫黄増感および/または金増感を併用するこ
とによりさらに高感度、低カブリを達成することができ
る。硫黄増感は、通常、硫黄増感剤を添加して、高温、
好ましくは40℃以上で乳剤を一定期間撹拌することによ
り行われる。また、金増感は、通常、金増感剤を添加し
て、高温、好ましくは40℃以上で乳剤を一定期間撹拌す
ることにより行われる。
【0038】上記の硫黄増感には硫黄増感剤として公知
のものを用いることができる。硫黄増感剤としては、例
えば、チオ硫酸塩、チオ尿素類、アリルイソチオシアネ
ート、シスチン、p−トルエンチオスルホン酸塩、ロー
ダニンなどが挙げられる。その他、米国特許第1,574,94
4号明細書、同2,410,689号明細書、同2,278,947号明細
書、同2,728,668号明細書、同3,501,313号明細書、同3,
656,955号明細書、ドイツ特許第1,422,869号明細書、特
公昭56−24937号公報、特開昭55−45016号公報等に記載
されている硫黄増感剤も用いることができる。硫黄増感
剤は乳剤の感度を効果的に増大させるのに十分な量添加
して用いられる。必要な添加量は、pH、温度、ハロゲン
化銀粒子の大きさなどの種々の条件の下で相当の範囲に
わたって変化するが、ハロゲン化銀1モル当り1×10-7
モル以上、5×10-4モル以下が好ましい。
【0039】上記の金増感に用いる金増感剤は金の酸化
数が+1価でも+3価のものでよく、金増感剤として通
常用いられる金化合物を用いることができる。金増感剤
の代表的な例としては、塩化金酸塩、カリウムクロロオ
ーレート、オーリックトリクロライド、カリウムオーリ
ックチオシアネート、カリウムヨードオーレート、テト
ラシアノオーリックアシド、アンモニウムオーロチオシ
アネート、ピリジルトリクロロゴールドなどが挙げられ
る。金増感剤の添加量は種々の条件により異なるが、目
安としてはハロゲン化銀1モル当り1×10-7モル以上、5
×10-4モル以下が好ましい。
【0040】硫黄増感剤および/または金増感剤をセレ
ン増感剤と併用する場合、硫黄増感剤および/または金
増感剤等の添加の時期およびセレン増感剤、ハロゲン化
銀溶剤、硫黄増感剤及び金増感剤の添加順位については
特に制限はなく、例えば、化学熟成の初期(好ましく
は)または化学熟成進行中に、セレン増感剤、ハロゲン
化銀溶剤と同時に、あるいは添加時点を異にして添加す
ることができる。また、上記硫黄増感剤および/または
金増感剤は、水または水と混合し得る有機溶媒、例えば
メタノール、エタノール、アセトン等の単独あるいは混
合液に溶解せしめて添加することができる。
【0041】次に、本発明において用いるハロゲン化銀
微粒子について説明する。
【0042】本発明に用いるハロゲン化銀微粒子はハロ
ゲン化銀組成が沃化銀であるものが好ましいが、沃臭化
銀もしくは塩沃臭化銀であってもよい。
【0043】ハロゲン化銀微粒子の平均粒子サイズは、
0.2μm以下であり、0.1μm以下が好ましく、より好まし
くは0.05μm以下である。
【0044】ハロゲン化銀微粒子は単分散性が良好であ
るものが好ましい。これら単分散性が良好であるハロゲ
ン化銀微粒子は、例えば、ダブルジェット法により、温
度、pH、pAgを制御しながら調製することにより得るこ
とができる。
【0045】次に、ハロゲン化銀乳剤へのハロゲン化銀
微粒子の添加量について説明する。
【0046】ハロゲン化銀微粒子の添加量は、ハロゲン
化銀微粒子が添加される母体となるハロゲン化銀乳剤
(以下、母体乳剤と呼ぶ。)1モル当り1×10-2モル以
下が好ましく、更に好ましくは母体乳剤1モル当り1×1
0-4〜2×10-3モルである。
【0047】ハロゲン化銀微粒子は化学増感中に添加さ
れるが、化学増感中とは、母体乳剤の物理熟成及び脱塩
操作が終了した時点から、化学増感剤を添加し、その後
化学熟成を停止するための操作を施した時点までの間を
指す。なお、化学熟成を終了させる方法としては、温度
を下げる方法、pHを下げる方法、化学熟成停止剤を用い
る方法などが知られており、いずれの方法でも良い。
【0048】また、ハロゲン化銀微粒子の添加は、時間
間隔をとって数回に分けて行ってもよい。また、ハロゲ
ン化銀微粒子の添加後に、更に別の化学熟成済乳剤を加
えてもよい。特に好ましい添加時期は、熟成剤添加後10
分以降から化学熟成終了前30分以内である。
【0049】ハロゲン化銀微粒子を添加する際の母体乳
剤の温度は30℃〜80℃の範囲が望ましく、更に40℃〜65
℃の範囲が好ましい。
【0050】本発明のハロゲン化銀乳剤は、化学増感後
の銀電位が温度50℃で100mV以下になるように調整され
る。銀電位は90mV以下が好ましく、特に80mV以下が好ま
しい。銀電位の調整には臭化カリウムを用いるのが好ま
しく、調整の時期は化学熟成終了後が好ましい。
【0051】本発明のハロゲン化銀乳剤には、感光材料
の製造工程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防止
し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、本発明の
化学増感工程でのハロゲン化銀吸着性物質とは別に種々
の化合物を含有させることができる。すなわち、アゾー
ル類(例えばべンゾチアゾリウム塩、ニトロイミダゾー
ル類、ニトロベンズイミダゾール類、クロロベンズイミ
ダゾール類、ブロモベンズイミダゾール類、ニトロイン
ダゾール類、べンゾトリアゾール類、アミノトリアゾー
ル類など);メルカプト化合物類(例えばメルカプトチ
アゾール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプ
トベンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール
類、メルカプトテトラゾール類、メルカプトピリミジン
類、メルカプトトリアジン類など);例えばオキサドリ
ンチオンのようなチオケト化合物;アザインデン類(例
えばトリアザインデン類、テトラアザインデン類(特に
4−ヒドロキシ置換(1,3,3a,7)テトラアザイ
ンデン類)、ペンタアザインデン類など);ベンゼンチ
オスルホン酸、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルホ
ン酸アミド等のようなカブリ防止剤または安定剤として
知られた、多くの化合物を加えることができる。特に特
開昭60−76743号公報、同60−87322号公報に記載のニト
ロン及びその誘導体、特開昭60−80839号公報に記載の
メルカプト化合物、特開昭57−164735号公報に記載のへ
テロ環化合物、及びへテロ環化含物と銀の錯塩(例えば
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール銀)などを
好ましく用いることができる。
【0052】化学増感工程でハロゲン化銀吸着性物質と
して増感色素を用いた場合でも必要に応じて、更に他の
波長域に分光増感する増感色素を添加してもよい。
【0053】本発明のハロゲン化銀乳剤あるいは本発明
のハロゲン化銀写真感光材料の写真乳剤層または他の親
水性コロイド層には、塗布助剤、帯電防止剤、スベリ性
改良剤、乳化分散剤、接着防止剤などとして、あるい
は、写真特性改良(例えば、現像促進、硬膜、増感)等
種々の目的で種々の界面活性剤を含有させることができ
る。
【0054】これら界面活性剤としては、例えば、サポ
ニン(ステロイド形)、アルキレンオキサイド誘導体
(例えばポリエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール/ポリプロピレングリコール縮合物、ポリエチレン
グリコールアルキルエーテル類又はポリエチレングリコ
ールアルキルアリールエーテル類、シリコーンのポリエ
チレンオキサイド付加物類)、糖のアルキルエステル類
などの非イオン性界面活性剤;アルキルスルホン酸塩、
アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンス
ルホン酸塩、アルキル硫酸エステル類、N−アシル−N
−アルキルタウリン類、スルホコハク酸エステル類、ス
ルホアルキルポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル類などのアニオン界面活性剤;アルキルベタイン
類、アルキルスルホベタイン類などの両性界面活性剤;
脂肪族あるいは芳香族第4級アンモニウム塩類、ピリジ
ニウム塩類、イミダゾリウム塩類などのカチオン界面活
性剤を挙げることができる。これらの内、サポニン、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩、ジ−2−エチ
ルヘキシル−α−スルホコハク酸ナトリウム塩、p−オ
クチルフェノキシエトキシエタンスルホン酸ナトリウム
塩、ドデシル硫酸ナトリウム塩、トリイソプロピルナフ
タレンスルホン酸ナトリウム塩、N−メチル−オレオイ
ルタウリンナトリウム塩などのアニオン界面活性剤、ド
デシルトリメチルアンモニウムクロライド、N−オレオ
イル−N′,N′,N′−トリメチルアンモニオジアミ
ノプロパンブロマイド、ドデシルピリジウムクロライド
などのカチオン界面活性剤、N−ドデシル−N,N−ジ
メチルカルボキシベタイン、N−オレイル−N,N−ジ
メチルスルホブチルベタインなどの両性界面活性剤、ポ
リ(平均重合度n=10)オキシエチレンセチルエーテ
ル、ポリ(n=25)オキシエチレンp−ノニルフェノー
ルエーテル、ビス(1−ポリ(n=15)オキシエチレン
−オキシ−2,4−ジ−t−ぺンチルフェニル)エタン
などのノニオン界面活性剤は特に好ましい。
【0055】また、帯電防止剤としては、パーフルオロ
オクタンスルホン酸カリウム塩、N−プロピル−N−パ
ーフルオロオクタンスルホニルグリシンナトリウム塩、
N−プロピル−N−パーフルオロオクタンスルホニルア
ミノエチルオキシポリ(n=3)オキシエチレンブタン
スルホン酸ナトリウム塩、N−パーフルオロオクタンス
ルホニル−N′,N′,N′−トリメチルアンモニオジ
アミノプロパンクロライド、N−パーフルオロデカノイ
ルアミノプロピル−N′,N′−ジメチル−N′−カル
ボキシベタインの如き含フッ素界面活性剤、特開昭60−
80848号公報、同61−112144号公報、同62−172343号公
報、同62−173459号公報などに記載のノニオン系界面活
性剤を用いることができる。
【0056】帯電防止剤としては、他にアルカリ金属の
硝酸塩、導電性酸化スズ、酸化亜鉛、五酸化バナジウム
又はこれらにアンチモン等をドープした複合酸化物を好
ましく用いることができる。
【0057】本発明においてはマット剤として米国特許
第2,992,101号明細書、同2,701,245号明細書、同4,142,
894号明細書、同4,396,706号明細書に記載の如きポリメ
チルメタクリレートのホモポリマー又はメチルメタクリ
レートとメタクリル酸とのコポリマー、澱粉などの有機
化合物、シリカ、二酸化チタン、硫酸ストロンチウム、
硫酸バリウム等の無機化合物の微粒子を用いることがで
きる。粒子サイズとしては1.0〜10μm、特に2〜5μmで
あることが好ましい。
【0058】本発明の写真感光材料の表面層には、滑り
剤として米国特許第3,489,576号明細書、同4,047,958号
明細書等に記載のシリコーン化合物、特公昭56−23139
号公報に記載のコロイダルシリカの他に、パラフィンワ
ックス、高級脂肪酸エステル、澱粉誘導体等を用いるこ
とができる。また、本発明の写真感光材料の親水性コロ
イド層には、トリメチロールプロパン、ペンタンジオー
ル、ブタンジオール、エチレングリコール、グリセリン
等のポリオール類を可塑剤として用いることができる。
【0059】本発明のハロゲン化銀乳剤あるいは本発明
のハロゲン化銀写真感光材料の写真乳剤層や中間層およ
び表面保護層に用いる結合剤または保護コロイドとして
は、ゼラチンが好ましいが、それ以外の親水性コロイド
も用いることができる。例えばゼラチン誘導体;ゼラチ
ンと他の高分子とのグラフトポリマー;アルブミン、カ
ゼインなどの蛋白質;ヒドロキエチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、セルロース硫酸エステル類な
どのセルロース誘導体、アルギン酸ソーダ、デキストラ
ン、澱粉誘導体などの糖誘導体;ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルアルコール部分アセタール、ポリ−N−
ビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル
酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポ
リビニルピラゾール等の単一重合体あるいは共重合体;
の如き多種の合成親水性高分子物質を用いることができ
る。
【0060】ゼラチンとしては、石灰処理ゼラチンのほ
か、酸処理ゼラチンや酵素処理ゼラチンを用いてもよ
く、また、ゼラチンの加水分解物や酵素分解物も用いる
ことがでさる。また、ゼラチンとともに平均分子量5万
以下のデキストランやポリアクリルアミドを併用するこ
とも好ましい。特開昭63−68837号公報、同63−149641
号公報に記載の方法は本発明でも有効である。
【0061】本発明のハロゲン化銀乳剤及び非感光性の
親水性コロイドには無機または有機の硬膜剤を含有して
よい。例えば、クロム塩(クロム明ばん、酢酸クロムな
ど)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、グリオキサー
ル、グルタルアルデヒドなど)、N−メチロール化合物
(ジメチロール尿素、メチロールジメチルヒダントイン
など)、ジオキサン誘導体(2,3−ジヒドロキシジオ
キサンなど)、活性ビニル化合物(1,3,5−トリア
クリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビス(ビ
ニルスルホニル)メチルエーテル、N,N′−メチレン
ビス−〔β−(ビニルスルホニル)プロピオンアミド〕
など、活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロル−6−ヒ
ドロキシ−s−トリアジンなど)、ムコハロゲン酸類
(ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸など)、イソ
オキサゾール類、ジアルデヒド澱粉、2−クロル−6−
ヒドロキシトリアジニル化ゼラチンなどを、単独または
組合せて用いることができる。なかでも、特開昭53−41
221号公報、同53−57257号公報、同59−162546号公報、
同60−80846号公報に記載の活性ビニル化合物および米
国特許第3,325,287号明細書に記載の活性ハロゲン化物
が好ましい。
【0062】本発明において、硬膜剤として高分子硬膜
剤も有利に利用しうる。本発明に用いられる高分子硬膜
剤としては、例えば、ジアルデヒド澱粉、ポリアクロレ
イン、米国特許第3,396,029号明細書記載のアクロレイ
ン共重合体のようなアルデヒド基を有するポリマー、米
国特許第3,623,878号明細書記載のエポキシ基を有する
ポリマー、米国特許第3,362,827号明細書、リサーチ・
ディスクロージャー誌17333(1978)などに記載されて
いるジクロロトリアジン基を有するポリマー、特開昭56
−66841号公報に記載されている活性エステル基を有す
るポリマー、特開昭56−142524号公報、米国特許第4,16
1,407号明細書、特開昭54−65033号公報、リサーチ・デ
ィスクロージャー誌16725(1978)などに記載されてい
る活性ビニル基、あるいはその前駆体となる基を有する
ポリマーなどが挙げられ、活性ビニル基、あるいはその
前駆体となる基を有するポリマーが好ましく、中でも特
開昭56−142524号公報に記載されている様な、長いスペ
ーサーによって活性ビニル基、あるいはその前駆体とな
る基がポリマー主鎖に結合されているようなポリマーが
好ましい。
【0063】本発明のハロゲン化銀写真感光材料中の親
水性コロイド層はこれらの硬膜剤により、水中での膨潤
率が280%以下、特に200〜280%になるように硬膜され
ていることが好ましい。上記水中での膨潤率は、25℃、
60%RH条件下で7日保存した試料について下記式により
求めたものである。
【0064】
【数1】 ただし、(a)は乾燥試料の膜厚、(b)は膨潤時の膜
厚を表す。(a)は、試料切片を走査型電子顕微鏡によ
り観察することにより求めたものであり、(b)は、試
料を21℃の蒸留水に3分間浸漬し、これを液体窒素によ
り凍結乾燥したのち走査型電子顕微鏡で観察することに
より求めたものである。
【0065】支持体としては、ポリエチレンテレフタレ
ートフィルムまたは三酢酸セルロースフィルムが好まし
い。支持体は現水性コロイド層との密着力を向上せしめ
るために、その表面をコロナ放電処理、あるいはグロー
放電処理あるいは紫外線照射処理すること好ましく、ま
た、スチレンブタジエン系ラテックス、塩化ビニリデン
系ラテツクス等からなる下塗層を設けてもよい、更にそ
の上にゼラチン層を設けてもよい。また、ポリエチレン
膨潤剤とゼラチンを含む有機溶剤を用いた下塗層を設け
てもよい。これ等の下塗層は表面処理を加えることで更
に親水性コロイド層との密着力を向上することもでき
る。
【0066】本発明の写真感光材料の乳剤層には圧力特
性を改良するためポリマーや乳化物などの可塑剤を含有
させることができる。例えば、英国特許第738,618号明
細書にはヘテロ環状化合物を、同738,637号明細書には
アルキルフタレートを、同738,639号明細書にはアルキ
ルエステルを、米国特許第2.960,404号明細書には多価
アルコールを、同3,121.060号明細書にはカルボキシア
ルキルセルロースを、特開昭49−5017号公報にはパラフ
ィンとカルボン酸塩を、特開昭53−28086号公報にはア
ルキルアクリレートと有機酸を用いる方法が開示されて
いる。
【0067】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の乳剤
層のその他の構成については特に限はなく、必要に応じ
て種々の添加剤を用いることができる。例えば、リサー
チ・ディスクロージャー(Research Disclosure)176巻
22〜28頁(1978年12月)に記載されたバインダー、界
面活性剤、その他の染料、塗布助剤、増粘剤、などを用
いることができる。
【0068】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は以下に述べる実施例により限定されるものではな
い。 実施例1 (種乳剤の調製)以下の方法により単分散度の高い種乳
剤EM−0を調製した。 A1 過酸化水素処理したオセインゼラチン 11.3g 臭化カリウム 6.72g 水で 1.13リットル B1 硝酸銀 170g 水で 227.5ミリリットル C1 オセインゼラチン 4.56g 臭化カリウム 119g 水で 227.5ミリリットル D1 アンモニア水(28%) 66.6ミリリットル 40℃で激しく撹拌したA1液に、B1液とC1液をダブ
ルジェット法で添加し核の生成を行った。添加後混合液
の温度を20℃に下げ、電位を40mVに調整し、D1を20秒
で添加し5分間熟成を行った。
【0069】その後pHを酢酸を用いて6.0に合わせ、花
王アトラス社製デモール水溶液、及び硫酸マグネシウム
水溶液を用いて沈澱脱塩、水洗を行ない、オセインゼラ
チン23gを用いて乳剤を再分散し種乳剤とした。
【0070】この種乳剤を電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、平均粒径0.28μmで分布の広さ30%の単分散AgBr乳
剤であった。
【0071】(平板状粒子の調製)前記の種乳剤EM−
0と、以下に示す溶液を用いて主として平板双晶からな
るハロゲン化銀乳剤EΜ−1を調製した。 E1 オセインゼラチン 6.49g ポリプロピレンオキシ−ポリエチレンオキシ− ジサクシネート−ジナトリウム塩 (10%メタノール溶液) 1.1ミリリットル 上記の種乳剤(EM−0) 0.62モル相当 F1 オセインゼラチン 1.69g 臭化カリワム 107.2g 沃化カリウム 2.30g 水で 504ミリリットル G1 硝酸銀 170g 水で 504ミリリットル
【0072】65℃で激しく撹拌した上記のE1液に、F
1液と、G1液をコントロールダブルジェット法にて添
加した。添加流量は新たな核が発生する流量の8割の流
量に制御した。また添加の間、電位は制御用のKBr水
溶液を用いて、65℃で−10mVに保った。
【0073】添加終了後、pHを6.0に合わせた後、分光
増感色素として5,5′−ジクロロ−9−エチル−3,
3′−ジ−(3−スルホプロピル)オキサカルボシアニ
ンナトリウム塩の無水物(分光増感色素A)をハロゲン
化銀1モル当たり283mg添加し、充分に吸着せしめてか
ら前記の種乳剤と同様にして脱塩した。
【0074】乳剤は50℃における電位が50mV、pHは5.85
であった。
【0075】EM−1の粒子約3000個を電子顕微鏡によ
り観察・測定し形状を分析した。結果は次の通りであっ
た。 全投影面積に対する六角平板の占める割合;80% 六角平板結晶の平均粒子直径(円換算);0.85μm 六角平板結晶の平均粒子厚み;0.25μm 六角平板の平均アスペクト比;3.1 六角平板の単分散度:20%
【0076】(乳剤1〜8の調製)上記で調製したEM
−1に、チオ硫酸ナトリウム、前記セレン化合物21、
塩化金酸、チオシアン酸アンモニウムからなる化学増感
剤を添加して48℃で化学増感した。なお、化学増感剤を
添加する直前に、前記分光増感色素Aをハロゲン化銀1
モル当たり127mg、5,5′−ジ−(ブトキシカルボニ
ル)−1,1−ジエチル−3,3′−ジ−(4−スルホ
ブチル)ベンゾイミダゾロカルボシアニンナトリウム塩
の無水物(分光増感色素B)をハロゲン化銀1モル当た
り1.3mg添加した。チオ硫酸ナトリウム及びセレン増感
剤21の添加量は、表1に示すとおりである。
【0077】化学増感開始30分後に表1に示す添加剤
を、表1に示す添加量で添加し、さらに化学熟成を20分
続けた後、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3
a,7−テトラアザインデンをハロゲン化銀1モル当り
2.4g添加し、温度を下げ化学熟成を止めた。
【0078】
【表1】
【0079】(塗布液1〜13の調製)上記化学熟成し
た乳剤1〜8に下記の添加剤を加え、表2に示す塗布液
1〜13を調製した。なお、塗布液電位はKBr水溶液
を添加して調整した。添加量はハロゲン化銀1モル当り
の量で示す。
【0080】 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 10mg 1−トリメチロールプロパン 14g t−ブチル−カテコール 68mg ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 850mg スチレン−無水マレイン酸共重合体 2.0g ニトロフェニル−トリフェニルホスホニウムクロリド 50mg 1,3−ジヒドロキシベンゼン−4− スルホン酸アンモニウム 1.7g 1,1−ジメチロール−1−ブロム−ニトロメタン 6.2mg
【0081】
【化6】
【0082】(保護層液の調製)下記の添加量で、下記
の添加剤を有する保護層液を調整した。(添加量はゼラ
チン1g当りの量を示す。)
【0083】
【化7】
【0084】(塗布液特性の評価)上記により調整した
塗布液及び保護層液を、厚さ180μmの下引き処理済みの
ブルーに着色したポリエチレンテレフタレートフィルム
ベースの両面に均一に順次塗布、乾燥して調液即の試料
を作製した。
【0085】なお、塗布量は、塗布銀量が片面当り2.0
g/m2、塗布ゼラチン量が片面当り3.5g/m2になるよ
うに全試料について調整を行った。
【0086】また、塗布液の停滞性を試験するために、
塗布液調整後、35℃で10時間放置した塗布液を用い、上
記と同様に塗布、乾燥して10時間停滞後の試料を作製し
た。
【0087】得られた各試料をX線写真用増感紙KO−
250(コニカ〔株〕製)で挟み、ペネトロメータB型
を介してX線照射後、自動現像機を用い、次に示す条件
で現像処理を行った。
【0088】 処理工程 工程 処理温度(℃) 処理時間(秒) 補充量 挿入 − 1.2 現像+渡り 35 14.6 270ミリリットル/m2 定着+渡り 33 8.2 430ミリリットル/m2 水洗+渡り 18 7.2 7.0リットル/分 スクイズ 40 5.7 乾燥 50 8.1 合計 − 45.0
【0089】用いた自動現像機の各槽の容量は現像槽が
16リットル、定着槽が10リットル、水洗漕が10リットル
である。また、水洗槽の水洗水供給部付近に、クリンカ
205(主成分がSiO2,Al2O3,Ag+イオンであるセラミ
ツクス、粒度1.0〜1.5mm、比重2.5〜2.6 株式会社日板
研究所製造、販売)200gを20メツシュのポリエチレン
製織布で縫製製袋した袋に充填し、浸漬させた。また、
乾燥は赤外線ヒーター(ヒーター温度220℃)と温風(6
0℃)を併用した。
【0090】なお、赤外線センサーを用いフィルムの挿
入を検出した。四つ切10枚分のフィルム面積を検出し、
四っ切10枚分の補充量(現像液210ミリリットル、定着
液320ミリリットル)を補充した。
【0091】現像液処方 Part−A(10.8リットル仕上げ用) 水酸化カリウム 340g 亜硫酸カリウム(50%溶液) 2150g ジエチレンテトラミン5酢酸 32.3g 炭酸水素ナトリウム 108g 5−メチルベンゾトリアゾール 150mg 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 15mg ハイドロキノン 280g 水を加えて 3600ミリリットルに仕上げる。
【0092】Part−B(10.8リットル仕上げ用) 氷酢酸 158g トリエチレングリコール 144g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 19.5g 5−ニトロインダゾール 0.32g n−アセチル−D,L−ペニシラミン 0.11g 水を加えて 3600ミリリットルに仕上げる。
【0093】Part−A及びPart−Bを混合し、水で10.8
リットルに仕上げた。 スターター処方(1.0リットル仕上げ用) 氷酢酸 138g 臭化カリウム 325g 5−メチルベンゾトリアゾール 1.5g CH 3N(C3H6NHCONHC2H4SC2H5)2 20mg 水を加えて 1.0リットルに仕上げる。
【0094】スターターは現像液1.0リットル当り20ミ
リリットル添加した。
【0095】定着液処方 Part−A(16.4リットル仕上げ用) チオ硫酸アンモニウム(70wt/vol%) 3460g 亜硫酸ナトリウム 150g 酢酸ナトリウム・3水塩 350g クエン酸ナトリウム 43g グルコン酸 33g ホウ酸 26g 氷酢酸 120g Part−B(16.4リットル仕上げ用) 硫酸アルミニウム 56g 硫酸(50wt%) 91g Part−A及びPart−Bを混合し、水で16.4リットルに仕
上げた。
【0096】上記のようにして現像した各試料について
感度を評価した。感度はカブリ+1.0の濃度を与えるの
に要した曝射エネルギー量の逆数から求め、調液直後の
塗布液6を用いて作製した試料の感度を100とする相対
感度で示した。得られた結果を表2に示す。
【0097】また、調液即の試料を温度23℃、相対湿
度50%の条件で1日及び90日保存した後、上記と同様
にしてX線照射、現像処理を行い、カブリ及び感度を測
定した。なお、感度はカブリ+1.0の濃度を与えるのに
要した曝射エネルギー量の逆数から求め、調液直後の塗
布液6を用いて作製した試料の感度を100とする相対感
度で示した。得られた結果を表2に示す。
【0098】
【表2】
【0099】表2から明らかなように、本発明に係る試
料はカブリが低く、かつ塗布液の停滞性、フィルムの生
保存性も良好であり、比較試料に比べて高感度を維持で
きることが分かる。
【0100】
【発明の効果】本発明により、高感度かつ低カブリで、
塗布液の停滞性、フィルムの生保存性が良好なAgX感
材を得られた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セレン化合物により増感され、かつ化学
    増感中に、微粒子ハロゲン化銀が添加されており、かつ
    該乳剤の銀電位が温度50℃で100mV以下であることを特
    徴とするハロゲン化銀乳剤。
  2. 【請求項2】 ハロゲン化銀乳剤をセレン化合物により
    増感し、かつ化学増感中に、微粒子ハロゲン化銀を添加
    し、かつ該乳剤の銀電位を温度50℃で100mV以下とする
    ことを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀乳剤の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 支持体の少なくとも一方の側に、少なく
    とも一層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写
    真感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤が請求項1記
    載のハロゲン化銀乳剤であることを特徴とするハロゲン
    化銀写真感光材料。
JP9048693A 1993-03-26 1993-03-26 高感度、低カブリで経時安定性の優れたハロゲン化銀乳剤及びハロゲン化銀写真感光材料 Pending JPH06282031A (ja)

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