JPH0629380B2 - 電気絶縁塗料の製造法 - Google Patents

電気絶縁塗料の製造法

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JPH0629380B2
JPH0629380B2 JP60096299A JP9629985A JPH0629380B2 JP H0629380 B2 JPH0629380 B2 JP H0629380B2 JP 60096299 A JP60096299 A JP 60096299A JP 9629985 A JP9629985 A JP 9629985A JP H0629380 B2 JPH0629380 B2 JP H0629380B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は高速で塗装焼付ができ,エナメル線の生産効率
を大幅に向上されることができる電気絶縁塗料の製造法
に関する。
(従来の技術) エナメル線の製造速度を速くし,生産性をあげることに
よつてコストダウンを図るとともに,顧客の要求に迅速
に対応してサービス向上を図ることを目的として,高速
で塗装焼付が可能なエナメル線用ポリエステル系電気絶
縁塗料(以下,単に電気絶縁塗料と略す)の開発が望ま
れている。
従来からある絶縁塗料をそのまま高速で焼付けた場合に
は塗膜の硬化度が不十分なために例えばカツトスルー温
度,耐摩耗性などの特性が低下するとともに,硬化度が
不十分なまま多層に塗布焼付けをくり返すために塗膜が
部分的に軟化流動し,発泡や凹凸が発生して表面の平滑
性が失われる結果となる。
焼付炉温を高くすれば硬化度があがり,カツトスルー温
度,耐摩耗性などの特性は合格範囲に入るが,炉温が高
いために焼付時の揮発性成分の量が増加し,エナメル線
の表面に発泡が生じ易くなる。また,炉温を高くするた
めにはその分だけ余計にエネルギーが必要となり,コス
トダウンの目的とは逆行する。このような不都合を避け
るために,従来型の絶縁塗料にポリアミド樹脂,フエノ
ール樹脂,メラミン樹脂などの二次樹脂を添加したり,
触媒作用を有する各種金属塩などを多量に添加する方法
などが試みられているが,エナメル線の特性と外観の両
方を満足させるものは得られていない。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明はこのような問題点を解決するためになされたも
ので,エナメル線の諸特性並びに外観は従来品と同等以
上でかつ,塗装焼付速度を従来品よりも20〜30%以
上速くすることが可能な電気絶縁塗料の製造法を提供す
ることを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明は多価カルボン酸またはその誘導体と多価アルコ
ールとを三価以上の多価アルコールを全多価アルコール
の50当量%以上としてカルボキシル基の反応率が70
%以上になるまで反応させた後,さらに好ましくは触媒
の存在下にポリスチレン換算の数平均分子量が1500
〜1700になるまで130〜200℃で加熱反応させ
て得られた樹脂を有機溶剤に溶解させる電気絶縁塗料の
製造法に関する。
多価カルボン酸の例としてはテレフタル酸,イソフタル
酸,フタル酸,トリメリツト酸,ピロメリツト酸,トリ
メシン酸,ビシクロー〔2,2,2〕−オクト−(7)−
エン−2:3:5:6−テトラカルボン酸,1,2,
3,4−ブタンテトラカルボン酸,1,2,3−ブタト
リカルボン酸,1,2,4−ブタントリカルボン酸,ア
ジピン酸,コハク酸,セバシン酸などがあげられ特に制
限はない。また,イミド酸形成成分であるジアミン又は
アミノカルボン酸と三塩基酸無水物とを最初に加えても
よいし,別途合成したイミド酸として加えてもよい。多
価カルボン酸の誘導体とはこれらの酸の無水物,エステ
ル,クロライドを指す。
多価アルコールとしてはエチレングリコール,プロピレ
ングリコール,ジプロピレングリコール,1,3−ブタ
ンジオール,1,6−ヘキサジオール,ジエチレングリ
コール,ネオペンチルグリコール,グリセリン,トリス
(2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート)トリメチロ
ールプロパン,トリメチロールエタン,ペンタエリスト
リール,ソルビトールなどがあげられる。
多価カルボン酸またはその誘導体と多価アルコールとは
以下に述べる条件以外は,通常の方法によつて反応させ
ることができ,特に制限はない。反応には触媒を用いる
ことが好ましく,それによつて短時間に反応を進めるこ
とができる。
多価カルボン酸またはその誘導体と多価アルコールとを
反応させるに際し,三価以上の多価アルコールを全多価
アルコールの50当量%以上とする必要がある。三価以
上の多価アルコールが50当量%未満の場合には焼付後
の塗膜の架橋密度が不十分になり,カツトスルー温度や
耐摩耗性などの特性が劣る。また,80当量%を越えた
場合には可とう性が低下する傾向にあるため,三価以上
の多価アルコールの使用量は80当量%以下が好まし
く,カツトスルー温度や可とう性のバランスを考慮する
と55〜65当量%の範囲にすることが特に好ましい。
水酸基とカルボキシル基の当量比(OH/COOH)は1.1
0〜1.40が好ましく,1.20〜1.30とするの
が特に好ましい。1.10未満では一段目の反応で分子
量が大きくなり過ぎ,分子量分布の均一化が困難であ
り,1.40を越えた場合には未反応の多価アルコール
の残存量が多くなる。
多価カルボン酸またはその誘導体の多価アルコールとは
カルボキシル基の反応率が70%以上になるまで反応さ
せる必要がある。反応率が70%未満では未反応の多価
カルボン酸またはその誘導体並びに多価アルコールの残
存率が多く,また,低分子のオリゴマの量が多いため
に,エナメル線の特性が不十分になるばかりでなく,こ
れらの低分子成分が焼付時に揮発してエナメル線の表面
に凹凸が生成し易くなる。反応率はできるだけ高い方が
よいが,三価以上の多価アルコールの使用量が多くなる
とゲル化の危険性もあり,総合的に判断すると75〜8
0%とするのが特に好ましい。
カルボキシル基の反応率は酸価の測定や,副生物である
水,アルコールなどの量を測定することによつて良く知
られた方法で求めることができる。
反応が終了したら冷却して溶剤を加え,溶解する。使用
できる溶剤の例としてはキシレノール,クレゾール,フ
エノール,N−メチル−2−ピロリドン,N,N−ジメ
チルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミド,キ
シレン,芳香族炭化水素(例えば日本石油製ハイゾール
100,ハイゾール150)などがあげられる。後述の
特に好ましい反応温度である150〜170℃の条件及
びコスト等を考慮すると,溶媒としてはキシレノール,
クレゾール,フエノールおよび沸点が150℃を越える
芳香族炭化水素を用いることが好ましい。そのまま13
0〜200℃に加熱してもよいが,それでは樹脂のポリ
スチレン換算の数平均分子量が1500〜1700にな
るまでに時間を要するので,触媒を添加することが好ま
しい。触媒としてはテトラブチルチタネート,テトライ
ソプロピルチタネートなどのチタニウムアルコラート,
アルミニウムイソプロピレート,アルミニウムブチレー
トなどのアルミニウムアルコラート,ジルコニウムアル
コラートなどのほか,これらの化合物から誘導されるβ
−ジケトンやケトエステルとの錯体などがあげられ,こ
れらの化合物を樹脂に対して0.1〜5重量%加えるこ
とが好ましく,1〜3重量%とすることがより好まし
い。添加量が0.1重量%未満では反応の促進硬化が乏
しく,5重量%を越えた場合にはエナメル線の可とう性
が低下する傾向がある。130〜200℃に加熱した際
に起こる反応の内容については十分明らかではないが,
平均分子量が小さくなり,かつ分子量分布が平均化され
る反応であつて,下記に示したように,ポリエステル樹
脂が触媒として加えた金属アルコラート,溶媒として加
えたフエノール類,系中の水分などと反応しているもの
と推定される。金属アルコラート自身が反応している場
合には厳密な意味での触媒の定義からはずれるが,ここ
では金属アルコラートは広義に触媒として解釈する。
反応温度は130〜200℃とされる。130℃未満で
は分子量分布均一化の反応速度が極めて遅くなる。ま
た,200℃を越えた場合には分子量分布均一化のみな
らず,逆の分子量増大反応も同時に起こり,目的とする
電気絶縁塗料が得られなくなる。これらのこと及び,反
応の制御のし易さなどを考慮すると140〜180℃が
より好ましく,150〜170℃が特に好ましい。
このような温度でポリスチレン換算の数平均分子量が1
500〜1700になるまで,反応させる。数平均分子
量が1700を越えた場合にはメナメル線の表面に凹凸
が生じ易くなり,1500未満の場合にはカツトスルー
温度や耐摩耗性が低下する。数平均分子量は例えばカラ
ム:日立化成工業(株)製ゲルパツク,R420,R4
30,R440;溶出溶剤:テトラヒドロフラン;検出
器:示差屈折計;圧力:40kgf/cm2,温度:350
℃,流速:2.0ml/min の条件で液体クロマトグラフ
イー(HLC)によつて分子量分布を測定し,別途作成
したポリスチレンの検量線を用いて常法によつて算出す
ることができる。樹脂の溶液粘度と数平均分子量との相
関曲線をあらかじめ作成しておけば,反応系からサンプ
リングした溶液の粘度を測定することによつて簡便に反
応の制御を行なうことができる。ちなみに,加熱処理前
の樹脂のHLCクロマトグラムには2つの主ピークがあ
り,数平均分子量は2,000−2,500であるが,
1500〜1700になるまで加熱処理した後では主ピ
ークが一つで,全体的な形状は加熱処理前と比べると遥
かに正規分布に近くなつている。このように分子量分布
が平均化されるため硬化が均一に起こり,高速で塗装焼
付してもエナメル線の方面に凹凸が生じず,平滑で均質
な塗膜を形成するものと考えられる。
このようにして得られた電気絶縁塗料をそのまま,ある
いは前述して溶剤で更に希釈して実用に供する。
なお,電気絶縁塗料の焼付時の硬化性及びエナメル線の
特性の向上を目的として各種の添加剤を加えることがで
きる。そのような添加剤の例としてはナフテン酸亜鉛,
オクテン酸亜鉛,ナフテン酸コバルト,オクテン酸鉄な
どの有機酸の金属塩,前述したチタニウム,アルミニウ
ム,ジルコニウムなどの金属アルコラート及びその錯体
などの誘導体のほか,メラミン樹脂,フエノール樹脂,
キシレン樹脂,フラン樹脂,エポキシ樹脂,ポリアミド
樹脂などがあげられ,エナメル線の加熱変色性を改善す
る観点からメラミン樹脂,フエノール樹脂を用いること
が好ましい。
(発明の効果) 本発明の製造法によつて得られた電気絶縁塗料を用いる
ことにより上記した諸問題を解消してエナメル綿製造メ
ーカの最近の強い要望に応えることができる。
(実施例) 以下,本発明を実施例によつて更に詳細に説明するが,
本発明はこれらの実施例に限定されるものでないことは
言うまでもない。
実施例1 撹拌機,窒素導入管,温度計,冷却器を備えた3のフ
ラスコにテレフタル酸ジメチル945g,イソフタル酸
202g,グリセリン257g,エチレングリコール2
12g,酢酸鉛0.95gを入れ,170℃で6時間反
応させた後,3時間かけて225℃まで昇温し,この温
度で留出液の量が292g(反応率=82%,副生物で
あるメタノールと水との生成量から算出した。以下実施
例,比較例においても同じ。)になるまで反応を続け
た。その後,急冷してクレゾール1568gを加えた。
この溶液から1400gをとりテトラブチルチタネート
12.5gを加え,155℃で数平均分子量が1680
(前記の方法によつて測定,以下の実施例においても同
じ)になるまで加熱反応させた。その後,キシレン33
3gを加えて希釈した。
実施例2 実施例1と同様にしてテレフタル酸ジメチル832g,
イソフタル酸79g,グリセリン211g,エチレング
リコール142g,酢酸鉛0.87gを反応率が79%
になるまで反応させた。その後クレゾール972g及び
テトラブチルチタネート14.6gを加え,160℃で
数平均分子量が1590になるまで加熱反応させた。更
に,ハイゾール100を432g,日立化成工業(株)
製フエノール樹脂VP−51NY,1.0gを加えた。
実施例3 実施例1と同様にしてテレフタル酸ジメチル925g,
グリセリン228g,エチレングリコール124g,酢
酸鉛0.93gを反応率が76%になるまで反応させ
た。その後,クレゾール1210g,テトライソプロピ
ルチタネート19gを加え,165℃で数平均分子量が
1510になるまで反応させ,更にハイゾール100
519g,日立化成工業(株)製メラミン樹脂ML−5
23を1.0g加えた。
比較例1 実施例1で多価アルコールと多塩基酸とを反応率が82
%になるまで反応後,クレゾール1568gを加えて得られ
た溶液から1400gをとり,これにテトラブチルチタ
ネート12.5g,キシレン333gを加えて希釈し
た。
比較例2 従来品の一例として日立化成工業(株)製WH−406
を用いた。
実施例1〜3及び比較例1〜2の塗料を常法により,フ
エルトを用いて直径0.2mmの銅線に塗布し,炉温40
0/500℃(入口/出口)で焼付けることを6回繰り
返して得られた仕上り外径0.242mmのエナメル線の
特性を表1に示した。
1) 外観評価,A:表面平滑で良好,B:若干凹凸があ
るが大むね良好,C:凹凸著しく不良。
2) その他はJIS C 3003に準じて評価した。
表1に示したように,本発明によつて得られる電気絶縁
塗料を用いた場合には,エナメル線の諸特性をはじめ,
表面の平滑性を損うことなく,従来型の電気絶縁塗料や
分子量分布の均一化を行なわない塗料を用いた場合より
も,焼付速度を25〜30%も速くすることができ,メ
ナメル線の製造工程の合理化に大きく貢献することがで
きる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多価カルボン酸またはその誘導体と多価ア
    ルコールとを三価以上の多価アルコールを全多価アルコ
    ールの50当量%以上としてカルボキシル基の反応率が
    70%以上になるまで反応させた後,さらに,好ましく
    は触媒の存在下にポリスチレン換算の数平均分子量が1
    500〜1700になるまで130〜200℃で加熱反
    応させて得られた樹脂を有機溶剤に溶解させること特徴
    とする電気絶縁塗料の製造法。
JP60096299A 1985-05-07 1985-05-07 電気絶縁塗料の製造法 Expired - Lifetime JPH0629380B2 (ja)

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