JPH06316961A - 柱・梁接合構造 - Google Patents

柱・梁接合構造

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JPH06316961A
JPH06316961A JP13257493A JP13257493A JPH06316961A JP H06316961 A JPH06316961 A JP H06316961A JP 13257493 A JP13257493 A JP 13257493A JP 13257493 A JP13257493 A JP 13257493A JP H06316961 A JPH06316961 A JP H06316961A
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JP
Japan
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column
joint
steel
region
pillar
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Application number
JP13257493A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Yamada
哲也 山田
Toshiyuki Nomichi
利幸 野路
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Mitsui Construction Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Construction Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】鉄骨梁接合部における鉄筋コンクリート柱の圧
壊を防止する。 【構成】柱2の柱梁接合部である梁取付部2aに接した
位置としての補強領域2bに、柱2の側面2cから鉄骨
梁3の材軸方向に沿って突出する形のふかし部23を、
その梁側表面23aと鉄骨梁3の外面3cとの間でにが
し領域7を形成する形で設けておく。 【効果】ふかし部23の突出分だけ柱2の剪断面が拡大
されて、該柱2が支圧破壊する危険性がないと共に、に
がし領域7における鉄骨梁3の変位が許容される形で該
鉄骨梁3に作用する応力が緩衝されて、柱2はこれが圧
壊することなく鉄骨梁3に生じた荷重F1を好適に支持
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄筋コンクリート構造
による柱と鉄骨梁を接合してなる柱・梁接合構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、高層建築においては、地震や風圧
に対する耐久性が強く要求されることから、柱や梁等か
らなる構造体に、靱性に優れた鉄骨構造や鉄骨鉄筋コン
クリート構造が広く用いられている一方で、中低層建築
においては、経済性が重視されることから、主として鉄
筋コンクリート構造が用いられていた。ところが、最近
では鉄骨構造と鉄筋コンクリート構造のそれぞれの長所
を活かした複合構造を採用せんとする動きが強まってお
り、そういったことの可能な鉄筋コンクリート柱と鉄骨
梁からなる柱・梁接合構造がいろいろ検討されつつあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、こういった鉄
筋コンクリート柱と鉄骨梁からなる柱・梁接合構造にお
いては、梁側に作用する荷重が所謂てこ反力として柱側
に伝達されて、これによって生じる曲げモーメントが、
鉄筋コンクリート柱の柱梁接合部に近接する部分に局部
的な圧縮力として作用してしまう、という特有の問題点
を抱えている。即ち、鉄筋コンクリート柱は、こういっ
たてこ反力が作用することによって、その柱梁接合部に
近接する部分に圧縮応力が作用し、これによって支圧破
壊する形で、圧壊する危険性を抱えている。このように
鉄筋コンクリート柱が圧壊してしまうと、構造体として
の剛性が失われて、柱、梁接合部における応力伝達が不
十分になってしまったり、或いは該柱自体の断面欠損に
なってしまう危険性があるために、当該鉄筋コンクリー
ト柱の圧壊を防ぐことが出来るような適当なる補強方法
の開発が切に望まれていた。そこで本発明は、上記事情
に鑑み、鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の接合部におい
て、該鉄筋コンクリート柱の圧壊を効果的に防止するこ
とが出来るようにした、柱・梁接合構造を提供するもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、鉄筋コン
クリート材からなる柱(2)に鉄骨材からなる梁(3)
を、両者(2)、(3)が柱梁接合部(2a)で交差す
る形で接合してなる柱・梁接合において、前記柱(2)
における前記柱梁接合部(2a)に接した位置(2b)
に剪断面拡大部位(23)を、該柱(2)の側面(2
c)から該梁(3)の材軸方向に沿って突出する形で設
けて、構成される。また、鉄筋コンクリート材からなる
柱(2)に鉄骨材からなる梁(3)を、両者(2)、
(3)が柱梁接合部(2a)で交差する形で接合してな
る柱・梁構造において、前記柱(2)における前記柱梁
接合部(2a)に接した位置(2b)に剪断面拡大部位
(23)を、該柱(2)の側面(2c)から該梁(3)
の材軸方向に沿って突出する形で設け、前記剪断面拡大
部位(23)と前記梁(3)の間に応力緩衝領域(7)
を、該剪断面拡大部位(23)における梁(3)に対応
した側の表面(23a)と梁面(3c)が離隔配置する
形で設けて、構成される。さらに、前記剪断面拡大部位
(23)の内部に補強筋(11)を配設して、構成され
る。なお、( )内の番号等は、図面における対応する
要素を示す、便宜的なものであり、従って、本記述は図
面上の記載に限定拘束されるものではない。以下の作用
の欄についても同様である。
【0005】
【作用】上記した構成により、本発明は、剪断面拡大部
位(23)の突出分だけ柱(2)の剪断面(9)が拡大
する形で、柱梁接合部(2a)に接した位置(2b)に
おける該柱(2)の剪断強度が増大するように作用す
る。また、本発明は、剪断面拡大部位(23)の突出分
だけ柱(2)の剪断面(9)が拡大する形で、柱梁接合
部(2a)に接した位置(2b)における該柱(2)の
剪断強度が増大すると共に、応力緩衝領域(7)が梁
(3)の変位を許容する形で、該梁(3)から柱(2)
に伝達される応力を緩衝するように作用する。さらに、
本発明は、剪断面拡大部位(23)自体が補強筋(1
1)によって所定の強度を保持するように作用する。
【0006】
【実施例】図1は本発明による柱・梁接合構造の一実施
例を示す斜視図、図2は図1に示す柱・梁接合構造に適
用される配筋の一例を示す平面図、図3は図2の側面
図、図4は図1に示す柱・梁接合構造における柱梁接合
部の拡大側面図、図5は図2に示す配筋を適用して作成
した強度試験用の供試体の支圧部分を示す平面図、図6
は図5に示す供試体の強度試験状態を示す側面図、図7
は図1に示す柱・梁構造に適用される配筋の別の例を示
す平面図、図8は図7の側面図、図9は図7に示す配筋
を適用して作成した強度試験用の供試体の支圧部分を示
す平面図、図10は図9に示す供試体の強度試験状態を
示す側面図である。
【0007】構造物1は、図1に示すように、矩形断面
に形成された立設部材である柱2を有しており、柱2
は、所定の圧縮強度をなす形で上下方向である図1矢印
E、F方向に順次打ち継がれた現場打ちの鉄筋コンクリ
ートにより構成されている。柱2中には、所定の引張り
強度を有する鉄筋等の棒状部材からなる主筋21が、そ
の配筋方向を該柱2の立設方向である上下方向即ち矢印
E、F方向に向けた形で所定の本数づつ埋設されてお
り、また、柱2中には主筋21と同一素材からなるフー
プ筋22が、該柱2中に埋設された所定本数の主筋21
を接続する形でこれを結束するよう、該主筋21に溶接
された形で、図1矢印E、F方向に示す上下方向に所定
の間隔で複数埋設されている。
【0008】柱2には梁取付部2aが、該柱2におけ
る、構造物1の各階の床部分と対応した位置に配置する
形でそれぞれ設けられており、梁取付部2aには断面I
型をなす形のH型鋼等からなる水平部材である鉄骨梁3
が、図1に示す実施例においては、該柱2の図1矢印
A、B方向及びこれと交差する方向である矢印C、D方
向側面である4ヶの側面2cの各々からそれぞれ突出す
る形でここに接合装着されている。即ち、柱2の梁取付
部2aは、構造物1における柱梁接合部を構成する形に
なっており、柱2と鉄骨梁3は、該柱梁接合部である梁
取付部2aにおいて、該鉄骨梁3の材軸方向が柱2の材
軸方向と交差するよう両者2、3が接合された形になっ
ている。なお、構造物1には柱2と鉄骨梁3がそれぞれ
複数設けられており、鉄骨梁3は、該構造物1の各階に
おいて図1矢印A、B方向又は矢印C、D方向に隣接す
る柱2、2間に懸架支持された形で、実施例においては
矢印A、B方向又は矢印C、D方向に伸延するよう配設
されている。また、実施例においては、柱2は未だモル
タル等の化粧仕上げが施されていない鉄筋コンクリート
材からなる柱体そのものを指し、鉄骨梁3は未だ耐火被
覆等が施されていない鉄骨材からなる梁体そのものを指
すものとして説明している。
【0009】各鉄骨梁3は、図2又は図3に示すよう
に、該鉄骨梁3の矢印E、F方向両側に示すフランジ部
31、31を上下一対に並べた形で、その一部が梁取付
部2aにおいて柱2中に埋設されており、従って柱2の
前記主筋21は、梁取付部2aにおいて矢印A、B方向
に伸延する鉄骨梁3と矢印C、D方向に伸延する鉄骨梁
3が形成する交差部5の外側の領域6を挿通される形
で、該梁取付部2aを上下方向に貫通した形に配設され
ている。なお、実施例においては矢印A、B方向に伸延
する鉄骨梁3は、図2に示すように梁取付部2aにおい
て柱2を矢印A、B方向に貫通した形になっており、一
方矢印C、D方向に伸延する鉄骨梁3は、その端面3a
が、柱2の梁取付部2aにおいて、矢印A、B方向に伸
延する鉄骨梁3のフランジ部31、31が形成している
側面3b、3b等に溶接された形で、これら矢印A、B
方向に伸延する鉄骨梁3と矢印C、D方向に伸延する鉄
骨梁3が接続一体化されている。
【0010】また、柱2には、図3に示すように、その
梁取付部2aの上下に接した位置の該柱2中に、補強領
域2b、2bが、該梁取付部2aに埋設接合された鉄骨
梁3、3が形成している交差部5の上下にそれぞれ所定
の幅分だけ設定されており、梁取付部2aの上下のそれ
ぞれの補強領域2bには、該梁取付部2aに接した位置
に配置する剪断面拡大部位であるふかし部23が、該補
強領域2bにおいて該柱2がその4ヶの側面2cの各々
から幅L3だけ鉄骨梁3の材軸方向に沿ってそれぞれ突
出する形で、各側面2cにおいて上下に一対に設けられ
ている。各ふかし部23は、柱2の各側面2cから矢印
A、B又は矢印C、D方向に示す水平方向に所定の幅L
1をなし、矢印E、F方向に示す上下方向に所定の幅略
L2をなす形で、それぞれ該柱2と一体に打設形成され
ており、図3上下方向に隣接するふかし部23、23
は、柱2の梁取付部2aに接合された鉄骨梁3を、その
被接合端部近傍において上下方向に挟む形で、構造物1
における柱梁接合部である梁取付部2aに接した位置に
は、実施例においては合計8ヶのふかし部23が形成さ
れている。また、各々のふかし部23と鉄骨梁3の間に
は、図4に示すように、応力緩衝領域であるにがし領域
7が、該鉄骨梁3のフランジ部31が形成している梁面
である外面3cと、該ふかし部23の図4上面側に示す
梁側表面23aが離隔配置することによって、ここに空
隙部分が形成された形でそれぞれ設けられており、にが
し領域7は、鉄骨梁3の変位を許容して、該にがし領域
7を介して鉄骨梁3自体が弾性的に撓むことによって該
鉄骨梁3に作用する荷重F1をここにおいて吸収し、こ
れによって、柱2に伝達される応力を緩衝し得るように
構成されている。
【0011】構造物1は以上のような構成を有している
ので、該構造物1を構築する際には、柱2を形成するた
めの型枠中に主筋21及びフープ筋22を所定本数づつ
配筋した状態で該柱2を構成するための鉄筋コンクリー
トを、柱梁接合部である梁取付部2aに接した位置即ち
各補強領域2bにおいてふかし部23を単に各側面2c
から幅L3分だけ突出させた形で該柱2と同時に現場打
設することによって打設構築しながら、各階において該
梁取付部2aに鉄骨梁3を、例えば矢印A、B方向又は
矢印C、D方向に向けて伸延させるように該柱2に接合
することによって、簡単且つ効率的に施工を行うことが
出来る。(なお、ふかし部23は補強領域2bにおいて
差し筋等を介して、その端部が柱2の側面2cと接続す
る形に後付け施工しても差し支えない。)この際、実施
例においては、矢印A、B方向に伸延する鉄骨梁3と矢
印C、D方向に伸延する鉄骨梁3の交差部5を柱2中に
埋設した形で、該柱2と鉄骨梁3を接合するために、当
該柱2と鉄骨梁3の接合部においては、十分なる接合強
度が確保される。従って、柱2と鉄骨梁3を接合させる
ことによって、コンクリート打ち継ぎ並びにその配筋結
束等に係る作業手間を梁分だけ省力化することが出来、
さらに、こうして柱2及び鉄骨梁3の接合構築作業を行
って後にこれに引き続き行われるスラブ打設構築や鉄骨
梁3のモルタル被覆等の作業を円滑且つ迅速に進行させ
ることが出来る。故に、こうして構築される構造物1
は、予め構造物1の梁形状に沿った形に形成されている
剛材である鉄骨梁3の靭性を活かしながら、鉄筋コンク
リート構造である柱2部分を現場打設した形で、鉄筋コ
ンクリート造と鉄骨造の両方の長所を十分活かして且つ
構造物1の設計基準を十分満たした状態に構築仕上げさ
れる。
【0012】ところで、こうして柱2の梁取付部2aに
接合された鉄骨梁3に、図3に示すように、荷重F1が
作用すると、該鉄骨梁3はその剛性を介して該荷重F1
を支持しながら、鉄骨梁3が鉄骨部材として保有してい
る靭性を介して該鉄骨梁3自体が弾性的に撓む形で荷重
F1を負担吸収する形になる。そして、鉄骨梁3が接合
された柱2には、梁取付部2aを介して、該鉄骨梁3に
作用している荷重F1がフランジ部31から所謂てこ反
力として柱2に伝達されて、該柱2には曲げモーメント
が生じ、これによって、柱2には、剪断想定面9に沿っ
て支圧破壊せんとする形の圧縮力Gが作用する。この
際、柱2には、その梁取付部2aに接した位置である補
強領域2bに、該梁取付部2aに接合された鉄骨梁3を
上下方向に挟んだ形で、該柱2の側面2cが鉄骨梁3の
材軸方向に沿って突出する形でふかし部23が形成され
ていて、該ふかし部23の梁側表面23aと鉄骨梁3の
フランジ部31が形成している外面3cとの間には、に
がし領域7が空間部分として形成された形になっている
ところから、荷重F1が作用した鉄骨梁3は、その端部
が該にがし領域7を介して若干の変位を許容された形に
なる。このため、鉄骨梁3は、上述したように該鉄骨梁
3自体が弾性的に撓むことに加えて、その端部が該にが
し領域7において若干変位することによってその回転力
を介して荷重F1を吸収してこれを逃がす形になり、こ
れによって、該荷重F1が柱2の梁取付部2aの一点に
集中して前記圧縮力Gが過大になることが防止される。
即ち、鉄骨梁3に作用する荷重F1に起因して柱2に作
用する圧縮力Gは極力小さく抑えられる為に、該柱2は
十分に該圧縮力G1に耐えてこれを支持することが出来
る。
【0013】さらに、こうして鉄骨梁3に生じた荷重F
1に起因して柱2に圧縮力Gが作用する際、該柱2に
は、その梁取付部2aに接合された鉄骨梁3の被接合端
部を挟む形のふかし部23が、補強領域2bにおいて各
側面2cから突出する形でそれぞれ設けられているとこ
ろから、剪断想定面9が、図4に示すように、柱2の本
体部分からふかし部23に跨る形で広範囲に形成されて
おり、当該広範囲に形成された分だけ、大きな圧縮力G
に耐えることが出来る。即ち、ふかし部23が形成され
ていない場合の通常の剪断想定面9’は、図4一点鎖線
で示すように、該通常の剪断想定面9’の図4左下端部
が、ふかし部23が形成されていない通常の側面2c’
で切断される形で、ここにおいて終結することに比し
て、本実施例における剪断想定面9は、ふかし部23の
突出幅L3分だけその面積が拡大する形で広範囲に形成
されることが出来る。これによって、柱2は、柱梁接合
部である梁取付部2aの上下、即ち該梁取付部2aに接
した位置である補強領域2bにおいて、ふかし部23の
突出分だけその剪断強度が増大された形で補強されてお
り、故に柱2は鉄骨梁3に通常生じ得る荷重F1によっ
て剪断想定面9に沿って実際の剪断面が形成されること
を十分阻むことが出来、即ち柱2は、これが圧縮力Gの
作用によって圧壊する危険性なく、鉄骨梁3に生じた荷
重F1を常に好適に支持することが出来る。なお、本実
施例においては、梁取付部2aに接合された鉄骨梁3の
全ての上下に、ふかし部23が形成された形の補強領域
2bが設けられているところから、矢印A、B方向或い
は矢印C、D方向のいずれに伸延する鉄骨梁3から荷重
F1が作用する場合においても、これ等に同等に対応し
て、常に有効に柱2の圧壊を防止することが出来る。
【0014】そこで、図2及び図3に示した配筋方法を
適用して柱2と鉄骨梁3を接合した場合における、補強
領域2bの補強効果を確認する為に、ふかし部23が形
成された部分の柱2を図5又は図6に示すようにモデル
化して、供試体20を作成し、これを試験した。この
際、柱2における補強領域2bに形成されたふかし部2
3に対応した部分がその上部に設けられた供試体20に
は、鉄骨梁3に作用した荷重F1に起因する圧縮力G
が、該供試体20の上面側から作用する形になるので、
供試体20の図5斜線部分を支圧部10aとして圧縮力
をかける形で圧壊試験を行う。なお、当該供試体20を
用いた試験時には、比較検討用の供試体としてふかし部
23を突出形成しないで側面2cを平滑にした無補強の
供試体20’(図示せず)も準備しておく。こうしてお
いて、供試体20、20’の支圧部10a上に、該支圧
部10aに対応した形の支圧板19を据置し、この状態
で、図6に示すように、支圧板19をジャッキ17で押
圧することによって前記圧縮力Gに対応した力を載荷す
る形で、供試体20、20’の圧壊強度を試験してみ
た。
【0015】すると、供試体20及び無補強の供試体2
0’は、共に、図6に示すように剪断想定面9に略沿っ
て矢印H方向に滑る形で該供試体20に圧壊領域10が
形成されて、実際に剪断破壊する形で所定の圧壊強度を
発現した。この際、補強領域2bに対応した部分にふか
し部23が形成された形の供試体20が剪断想定面9に
略沿って実際に剪断したときの圧壊荷重G1は、無補強
の供試体20’における圧壊荷重の約 1.38倍を呈し
た。即ち、柱2の本体部分として200mm×200mm×200mm
に形成した供試体20の上部に、ふかし部23として、
上下方向に幅L2=100mmをなす部分が、柱2の側面2c
に対応した供試体20の図6右側面から幅L1=50mm分だ
け突出するように形成し、その支圧部10aに100mm×7
5mmの支圧板19を据置して、上述した圧壊試験を行っ
たところ、該供試体20に実測された圧壊荷重G1即ち
これに剪断破壊が生じた荷重は44tonであり、一方無補
強の供試体20’における圧壊荷重は32tonであった。
なお、上述した試験数値は、柱2の補強領域2b部分を
モデル化した供試体20における試験結果の平均値を示
すものであるが、これによって、構造物1の柱2におけ
る補強領域2bにおいて、ふかし部23を側面2cから
突出させた形に形成しておくことによって、該柱2の圧
壊を防止することが極めて効果的に出来ることが確認さ
れた。
【0016】なお、上述した実施例においては、柱2
は、その梁取付部2aの上下に接して配置する補強領域
2bにおいてふかし部23が、単に側面2cから幅L3
分だけ突出する形に形成された形で、構成されている例
を述べた。従って、上述した場合におけるふかし部23
には、図2に示すように、柱2に埋設される主筋21
が、梁鉄筋3、3が形成している交差部5の外側の領域
6中を挿通される形で梁取付部2aを上下方向に貫通す
るように配筋されていることによって、各ふかし部23
が無筋状態になっている。そこで、ふかし部23には、
その内部に、図7又は図8に示すように、さらにその各
々が水平方向に引張り抗力を発現し得る補強筋である補
強フープ11を適宜数量上下方向に重ねる形で埋設し
て、該ふかし部23の補強を図っても良い。即ち、ふか
し部23用の補強フープ11は、図7に示すようにその
各々が長方形枠状に形成されており、補強フープ11
は、補強領域2bにおいて矢印A、B方向に対向するふ
かし部23、23に跨る形でその長手方向を矢印A、B
方向に向けたものと、矢印C、D方向に対向するふかし
部23、23に跨る形で矢印C、D方向に向けたものと
が交互に重ねられた形で、矢印A、B方向と矢印C、D
方向に交差する鉄骨梁3、3の上下に、図8に示すよう
にそれぞれ所定数量づつ配筋されている。
【0017】すると、補強用フープ11はその各々がそ
れぞれ予め長方形枠状に形成されていることによって、
単に各補強領域2bにおいてふかし部23を打設構築す
る際に、該補強用フープ11を順に所定数量重ねる形
で、手間なく簡単に該補強領域2b中にこれらを埋設配
筋することが出来る。こうしてその内部に補強用フープ
11が配筋されたふかし部23は、単に先に述べたよう
に剪断想定面9の面積を拡大させて、柱梁接合部である
梁取付部2aに接した位置における柱2の剪断強度を増
大補強する効果を齊すに留まらず、該ふかし部23自体
を補強してその圧縮強度を増大させてこれに所定の強度
を保持させると共に、さらに該ふかし部23を柱2の本
体部分に強固に締結一体化することが出来る。従って、
補強フープ11が配筋されたふかし部23は補強領域2
bにおいて、剪断面9に沿って実際に剪断破壊する形で
柱2と分離する危険性なく、故に柱2は鉄骨梁3から受
ける圧縮力を一層確実に支持することが出来る。なお、
図7又は図8にs実施例においては、梁取付部2aに接
合された梁3、3の上下両側の補強領域2bに、補強フ
ープ11がそれぞれ、ここにおいて矢印A、B方向に対
向するふかし部23、23に跨る形でその長手方向を矢
印A、B方向に向けたものと、矢印C、D方向に対向す
るふかし部23、23に跨る形で矢印C、D方向に向け
たものとが交互に重ねられた形で配筋されているところ
から、これによって、柱2に接合された鉄骨梁3の何れ
の部分に何れの方向に向けて生じる荷重F1に対して
も、該柱2が圧壊することなく、該荷重F1を好適に支
持することが出来る。
【0018】そこで、図7又は図8に示すように補強フ
ープ11が配筋されたふかし部23が設けられた柱・梁
構造におけるその圧壊防止効果を確認する為に、図9又
は図10に示すように供試体25を、該供試体25にお
ける補強領域2bに対応した部分に補強フープ11を、
図10上下方向に伸延する形(図9紙面と交差方向に伸
延する形)の主筋21と共に、所定本数配筋して作成
し、これを先に述べた供試体20と同様に、無補強の供
試体20’と共に、支圧板19を介してジャッキ17で
押圧する形で鉄骨梁3に作用する荷重F1に起因する圧
縮力Gに対応した力を載荷して、圧壊試験を行った。こ
の際、補強フープ11がその内部に埋設配筋された供試
体25が剪断想定面9に略沿って実際に剪断したときの
圧壊荷重G2は、無補強の供試体20’における圧壊荷
重の約 1.5倍を呈した。即ち、柱2の本体部分として20
0mm×200mm×200mmに形成した供試体20の上部に、ふ
かし部23として、上下方向に幅L2=100mmをなす部分
が、柱2の側面2cに対応した供試体20の図6右側面
から幅L1=50mm分だけ突出するように形成すると共に、
該供試体20の内部に4本の主筋21を埋設配筋し、ま
た、補強フープ11としてD6異形筋をふかし部23に
対応した幅L2分上下方向に並べた形で埋設し、その支
圧部10aに100mm×75mmの支圧板19を据置して、上
述した圧壊試験を行ったところ、該供試体20に実測さ
れた圧壊荷重G2即ちこれに剪断破壊が生じた荷重は5
0.7tonであり、一方無補強の供試体20’における圧壊
荷重は32tonであった。なお、上述した試験数値は、柱
2の補強領域2b部分をモデル化した供試体25におけ
る試験結果の平均値を示すものであるが、これによっ
て、構造物1の柱2における補強領域2bに形成される
ふかし部23に補強用フープ11を配筋しておくことに
よって、単に前述したように無筋状態のふかし部23を
形成するよりも、一層柱2の圧壊を効果的に防止するこ
とが出来ることが確認された。
【0019】なお、上述した実施例においては柱2にお
ける柱梁接合部である梁取付部2aに接した位置とし
て、ここに接合された鉄骨梁3、3の上下両側に位置す
る補強領域2b、2bにそれぞれふかし部23を、柱2
の側面2cから各々の鉄骨梁3の材軸方向に沿って突出
する形で形成する例を述べたが、構造物1には鉄骨梁3
の耐火被覆や或いはスラブ打設等の設計施工上の様々な
制約がある場合も有り、この際、補強領域2bに形成さ
れる剪断拡大部位であるふかし部23は、柱2における
梁取付部2aの上下のうちのいずれか一方にのみ形成さ
れていても、十分なる該柱2に圧壊防止効果を付与する
ことが出来る。また、実施例において述べたにがし領域
7は、単に鉄骨梁3の外面3cとふかし部23の梁側表
面23aが離隔配置することによって、空間状に形成し
た例を述べたが、にがし領域7は、ここにおいて鉄骨梁
3の変位を許容し、これによって該鉄骨梁3に作用する
荷重F1によって柱2に過大な圧縮力Gが生じるのを若
干なりとも緩衝することが出来るように構成されていれ
ば良く、従って、該にがし領域7には、例えばゴム等の
弾性変形可能なる弾性部材が、応力緩衝部材としてここ
に充填されていても差し支えない。なお、柱梁接合部を
構成している梁取付部2aに接合される鉄骨梁3は、柱
2の4ヶの側面2cのいずれもから突出するようここに
装着されている必要はない。また、本発明は、鉄骨材か
らなる梁を用いるものに適用されるものであり、当該鉄
骨材からなる梁とは、その断面形状がI型をなす形の鉄
骨梁3に限定されるものではない。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
鉄筋コンクリート材からなる柱2に鉄骨材からなる鉄骨
梁3等の梁を、両者が梁取付部2a等の柱梁接合部で交
差する形で接合してなる柱・梁接合において、前記柱2
における前記柱梁接合部に接した補強領域2b等の位置
にふかし部23等の剪断面拡大部位を、該柱2の側面2
cから該梁の材軸方向に沿って突出する形で設けて構成
したので、剪断面拡大部位の突出分だけ柱2の剪断想定
面9等の剪断面が拡大する形で、柱梁接合部に接した位
置における該柱2の剪断強度が増大することが出来る。
従って、柱梁接合部において柱2に接合された梁に作用
する荷重は、所謂てこ反力として、該柱2における柱梁
接合部に接した部分に圧縮力G等の圧縮方向の力として
作用するが、当該圧縮方向の力が作用する柱梁接合部に
接した部分の柱2は、剪断面拡大部位の突出分だけその
剪断面が拡大する形で十分に補強されていることによっ
て、該柱梁接合部に接した部分の柱2は、ここに圧縮方
向の力が作用することによってこれに剪断破壊が生じる
危険性がない。即ち、剪断面拡大部位の形成によって、
柱梁接合部における鉄筋コンクリート柱の圧壊は効果的
に防止される。そして、柱2は、柱梁接合部に接する領
域において圧壊する危険性がないために、該柱梁接合部
の剛性は常に一定に保持された状態が維持される。これ
によって、柱2は、その柱梁接合部に接した付近に該柱
2が圧壊することに起因する断面欠損が生じる危険性は
なく、常時梁からの応力を的確に伝達されて、該梁に作
用する荷重を好適に支持することが出来る。従って本発
明によれば、鉄筋コンクリート造と鉄骨造の両者の長所
を活かした柱・梁構造による構造物を構築提供すること
が、柱2の圧壊の危険性なく効果的に出来る。
【0021】また、本発明によれば、鉄筋コンクリート
材からなる柱2に鉄骨材からなる鉄骨梁3等の梁を、両
者が梁取付部2a等の柱梁接合部で交差する形で接合し
てなる柱・梁構造において、前記柱2における前記柱梁
接合部に接した補強領域2b等の位置にふかし部23等
の剪断面拡大部位を、該柱2の側面2cから該梁の材軸
方向に沿って突出する形で設け、前記剪断面拡大部位と
前記梁の間に、にがし領域7等の応力緩衝領域を、該剪
断面拡大部位における梁に対応した側の梁側表面23a
等の表面と外面3c等の梁面が離隔配置する形で設けて
構成したので、剪断面拡大部位の突出分だけ柱2の剪断
想定面9等の剪断面が拡大する形で、柱梁接合部に接し
た位置における該柱2の剪断強度が増大すると共に、応
力緩衝領域が梁の変位を許容する形で、該梁から柱2に
伝達される応力を緩衝することが出来る。すると、剪断
面拡大部位における柱2の剪断面の拡大によって、先に
述べたように、柱2は、梁に作用する荷重に起因して該
柱2における柱梁接合部に接した部分に作用する圧縮方
向の力(てこ反力)によってこれが剪断破壊し、即ち柱
2が圧壊する危険性がないことに加えて、該荷重が作用
している梁が、これが鉄骨部材であることの靭性を介し
て剪断面拡大部位における梁に対応した側の表面と梁面
との間に形成された領域である応力緩衝領域中において
変位することによって、該梁自体が応力を吸収する形で
応力緩衝することが出来る。即ち、梁は応力緩衝領域を
介して変位することによって柱2側に伝達される応力の
一部を負担することが出来るので、これによって、柱2
における柱梁接合部に接した部分が負担すべき応力が軽
減される。従って、剪断面拡大部位と梁との間に応力緩
衝領域を設けておくことによって、柱2において圧壊の
危険性があるような柱梁接合部に接した部分に作用する
モーメントを極力小さく抑えることが出来るので、該柱
2にこれが圧壊するような過大な圧縮力が作用すること
を避けて、柱梁接合部における鉄筋コンクリート柱の、
より一層効果的な圧壊防止効果を得ることが可能とな
る。
【0022】さらに、前記ふかし部23等の剪断面拡大
部位の内部に補強フープ11等の補強筋を配設して、柱
梁接合構造を構成すると、剪断面拡大部位自体が補強筋
によって所定の強度を保持することが出来る。従って、
剪断面拡大部位は、補強筋によって柱2との一体締結性
を高められた形で、該剪断面拡大部位自体も柱構造の一
部として、梁の応力を支持することが可能になる。故
に、剪断面拡大部位の内部に補強筋を配設した柱梁接合
構造においては、上述したように、柱梁接合部における
鉄筋コンクリート柱の圧壊を効果的に防止出来ることに
加えて、さらに一層的確に柱2が梁の荷重を支持するこ
とが可能となり、これによって、構造物の構造強度を効
率的に増大させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による柱・梁接合構造の一実施例を示す
斜視図である。
【図2】図1に示す柱・梁接合構造に適用される配筋の
一例を示す平面図である。
【図3】図2の側面図である。
【図4】図1に示す柱・梁接合構造における柱梁接合部
の拡大側面図である。
【図5】図2に示す配筋を適用して作成した強度試験用
の供試体の支圧部分を示す平面図である。
【図6】図5に示す供試体の強度試験状態を示す側面図
である。
【図7】図1に示す柱・梁構造に適用される配筋の別の
例を示す平面図である。
【図8】図7の側面図である。
【図9】図7に示す配筋を適用して作成した強度試験用
の供試体の支圧部分を示す平面図である。
【図10】図9に示す供試体の強度試験状態を示す側面
図である。
【符号の説明】
2……柱 2a……柱梁接合部(梁取付部) 2b……柱梁取付部に接した位置(補強領域) 2c……側面 23……剪断面拡大部位(ふかし部) 23a……表面 3……梁(鉄骨梁) 3c……梁面(外面) 7……応力緩衝領域(にがし領域) 11……補強筋(補強フープ)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄筋コンクリート材からなる柱に鉄骨材か
    らなる梁を、両者が柱梁接合部で交差する形で接合して
    なる柱・梁接合において、 前記柱における前記柱梁接合部に接した位置に剪断面拡
    大部位を、該柱の側面から該梁の材軸方向に沿って突出
    する形で設けて構成した、柱・梁接合構造。
  2. 【請求項2】鉄筋コンクリート材からなる柱に鉄骨材か
    らなる梁を、両者が柱梁接合部で交差する形で接合して
    なる柱・梁構造において、 前記柱における前記柱梁接合部に接した位置に剪断面拡
    大部位を、該柱の側面から該梁の材軸方向に沿って突出
    する形で設け、 前記剪断面拡大部位と前記梁の間に応力緩衝領域を、該
    剪断面拡大部位における梁に対応した側の表面と梁面が
    離隔配置する形で設けて構成した、柱・梁接合構造。
  3. 【請求項3】前記剪断面拡大部位の内部に補強筋を配設
    して構成した、請求項1又は2記載の柱・梁接合構造。
JP13257493A 1993-05-10 1993-05-10 柱・梁接合構造 Pending JPH06316961A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015001123A (ja) * 2013-06-17 2015-01-05 清水建設株式会社 鉄骨梁とコンクリート柱の接合構造

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015001123A (ja) * 2013-06-17 2015-01-05 清水建設株式会社 鉄骨梁とコンクリート柱の接合構造

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