JPH063766B2 - 超電導コイルの作製方法 - Google Patents

超電導コイルの作製方法

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JPH063766B2
JPH063766B2 JP62218538A JP21853887A JPH063766B2 JP H063766 B2 JPH063766 B2 JP H063766B2 JP 62218538 A JP62218538 A JP 62218538A JP 21853887 A JP21853887 A JP 21853887A JP H063766 B2 JPH063766 B2 JP H063766B2
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【発明の詳細な説明】 「発明の利用分野」 本発明は薄膜のセラミック系超電導(超伝導ともいう)
材料の作製方法に関する。本発明は、気体上に薄膜化し
て形成された材料に対し、レーザ光を選択的に照射して
除去し、残存部の酸化物超電導材料を用い超電導電子装
置好ましくは超電導コイル(エネルギー蓄積用またはマ
グネット用等に用いる)を作らんとするものである。
「従来の技術」 従来、超電導材料はNb-Ge(例えばNb3Ge)の金属材料が用
いられている。この材料は金属であるため延性、展性を
高く有し、超電導マグネット用のコイル巻を行うことが
可能であった。
しかし、これらの金属材料を用いた超電導材料はTc(超
電導臨界温度を以下単にTcという)が小さく23Kまたは
それ以下しかない。これに対し、工業上の応用を考える
ならば、このTcが77K好ましくは室温またはそれ以上で
あるとさらに有効である。
「従来の問題点」 このため、Tcの高い材料として金属ではなくセラミック
系材料、特に酸化物セラミック系材料が注目されてい
る。しかしこの注目されているセラミック系超電導材料
はTcが高いにもかかわらず、曲げ性、延性、展性にとぼ
しく、少し曲げてもわれてしまう。いわんや0.1〜30μ
mといった厚さの薄膜を円台状または円板状の基体上に
形成し、この薄膜の一部または全部を選択的に除去する
こととはまったく不可能であるとされていた。特にこれ
に半導体集積回路と同様のフォトリソグラフィ技術を用
い多層配線を行ったり、この薄膜超電導を用いて新しい
電子ディバイスを作ることはまったく不可能であった。
「問題を解決すべき手段」 本発明はかかる酸化物超電導材料の薄膜と、それを挟む
同一主成分を含む酸化物非超電導材料の層間分離膜とを
用いて電子ディバイス好ましくは超電導コイルを作らん
としたものである。
本発明は予め所望の形状を有する基体、例えば円筒状ま
たは円板状の基体の被形成面上に薄膜状に酸化物超電導
材料または酸化雰囲気でアニール後、超電導特性を有す
る出発材料(これらを合わせて以下酸化物超電導材料ま
たは単に超電導材料という)をスパッタ法、印刷法例え
ばスクリーン印刷法、スプレー法、電子ビーム蒸着法、
その他の方法により形成する。
例えばマグネトロンスパッタ法で基板温度650゜C、Ar
(酸素を20%混入)雰囲気で形成する。この時被形成面
上に酸化物超電導材料のab面(c面即ちc軸に垂直な面)
が平行になるように形成する。
このため、基体上に被膜を形成する際、この被形成面に
垂直方向に磁界を加える。すると本発明に用いる変形ペ
ロブスカイト構造の酸化物超電導材料は電流の特に流れ
やすいab面に平行な面が被形成面に平行に構成される。
この磁界はスパッタ法で形成された膜を酸素中で850゜C,
8時間、4゜C/分の速度で徐冷中、400゜C,2時間のアニー
ルの間も加える。
本発明はかかる酸化物超電導材料が昇華性を有し、エキ
シマレーザまたはYAGレーザによりスクライブ加工(切
断)が容易に行い得る材料であることを実験的に発見し
た。このため本発明はかかる形成された超電導薄膜に対
し、焼成前または焼成後に選択的にレーザ光を照射、さ
らに必要に応じ走査(スキャン)を加え、一定の領域、
例えば一定の巾を有する帯状にこの酸化物超電導材料を
除去する。するとこのレーザ照射により開溝が作られた
以外の部分のみ一定のTcを有する超電導薄膜の帯とする
ことができる。
スパッタ法等で形成される膜は、ターゲットを調整し、
形成後の酸化物超電導材料が例えば、 (A1-xBx)yCuzOw但しx=0〜1好ましくは0.6〜0.7,y=
2.0〜4.0好ましくは2.5〜3.5,z=1.0〜4.0好ましくは
1.5〜3.5,w=4.0〜10.0好ましくは6〜8であって、A
は元素周期表IIIa族特にイットリウム(Y)またはランタ
ノイドより選ばれた1種類または複数種類の元素、Bは
元素周期表IIa族より選ばれた1種類または複数種類の
元素、Bは元素周期表IIa族より選ばれた1種類または
複数種類の元素、例えばバリウム(Ba)となるようにす
る。
本発明のレーザ光源は例えばYAGレーザ(波長1.06μ
m),エキシマレーザ(KrF,KrCl等),アルゴンガスレー
ザまたは窒素レーザを用いた。YAGレーザは円状のレー
ザビームを5〜100KHzの周波数で繰り返して照射するこ
とができ、そしてこの照射された部分のみの超電導材料
を昇華して除去させることができる。このレーザは寿命
が長く、工業的に低コストで使用できるが、赤外波長で
ありパルス巾が50n秒以上あるため、深さ方向の制御が
しにくい。
またエキシマレーザを用いる場合は、パルス巾が20n秒
と小さいため、除去する領域の深さ方向の制御がより容
易となる。本発明はエキシマレーザを光学系でしぼるこ
とにより円(直径10〜100μm)のレーザビームを作る
ことができ、このレーザビームを酸化物超電導膜に照射
しつつ基体またはおよびレーザ光ビームを移動する。こ
の時所望の位置の酸化物超電導薄膜を昇華または飛翔化
して除去する。
この酸化物超電導薄膜は熱伝導係数が比較的小さく、か
つ昇華性であるため、レーザ光の照射された部分のみを
選択的にかかる薄膜を完全に除去することができる。そ
してその端面の近傍においてすら銅および酸素原子の層
構造を有する分子配列を有する超電導材料とし得ること
が特徴である。
本発明はかくの如く基板の表面に形成されたセラミック
材料に対し選択的にレーザ光を照射しつつ、また必要に
応じて走査してその部分のみ酸化物の超電導材料を除去
すること、およびそ前後、この上面にこの酸化物超電導
材料と概略同一の熱膨張係数を有する酸化物非超電導材
料を電気的分離用の層間膜とするため、酸化物超電導材
料と同一元素を有する材料であって非超電導特性を有す
る材料を積層した。そしてさらにこの後、第2の酸化物
超電導薄膜を積層し、再び第1の酸化物超電導材料と同
様にレーザスクライブを行った。これを繰り返して多層
に捲かれたコイルを構成せしめた。
本発明において、基体材料としてアルミナ、YSZ(イット
リア・スタビライズド・ジルコン)、酸化マグネシウム
(MgO),窒化珪素、窒化アルミニウム、ジルコニア、イッ
トリア、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、石英ガラス
を用いた。また金属等の基体上に酸化物非超電導薄膜を
形成して複合基体を用いてもよい。
「作用」 従来、金属超電導材料を用いる場合、その工程としてま
ず線材とする。そしてこれを所定の基体にまいてゆくこ
とによりコイルを構成せしめた。
しかし、本発明の酸化物超電導体を用いるコイルに関し
ては、最終形状を有する基体、例えば円型または円筒状
(ボビン)構造を用いる。この基体上に帯状に超電導を熱
処理の後、超電導を呈すべき酸化物超電導材料を膜状に
形成する。そしてこの膜に対し選択的にレーザスクライ
ブを行うことにより他部の残存した領域により帯状のコ
イルを構成せしめる。さらにその上面に酸化物超電導材
料と同一元素を有する酸化物非超電導材料を同一方法で
形成する。さらにこの酸化物非超電導材料の連結部にて
連結しつつ、第2の酸化物超電導薄膜を形成する。そし
てこの薄膜に対し、第2のレーザスクライブを行う。酸
化物超電導材料のアニールはこれをすべての工程を行っ
た後に行っても、またそれぞれの工程毎にで行ってもよ
い。
以下に実施例に従って本発明を説明する。
「実施例1」 第1図は本発明の実施例を示す。
第1図(A)において、基体(1)はセラミック材料(1)上に
酸化物非超電導薄膜(1′)を形成したものを用いた。す
るとその上面には酸化物超電導薄膜と同程度(±50%以
内)の熱膨張係数の差を作ることができる。この差が大
きすぎるとアニール後応力歪を有し、超電導を呈する温
度が小さく、また膜に生ずるクラックにより超電導が観
察されなくなってしまう。この実施例では円板状を有す
る基体(1)上に、スパッタ法または印刷法例えばスクリ
ーン印刷法により0.1〜50μm例えば20μmの厚さに酸
化物超電導薄膜(2)を形成した。
それを酸素雰囲気で加熱処理を行った。500〜1000゜C例
えば900゜Cで15時間行った。かくして超電導セラミック
膜を形成させた。さらにこの後、エキシマレーザ(254n
m)(4)をレーザスクライブを行うために照射した。この
レーザ光を第1図では左端より中央部に走査(11)し、か
つ円板状基体を回転(12)した。かくして開溝(3)を作製
した。レーザ光はピーク出力は106〜108W/秒であっ
た。これを強くしすぎると基体(1)をも損傷させてしま
うため注意を要する。
第1図(B)は第1図(A)の1層配線の後、これらの全面に
酸化物非超電導薄膜(6)を形成し、さらに第2の酸化物
超電導薄膜(7)を積層した。第1図(A)のA-A′の断面に
対応する。
図面より明らかな如く、第1の酸化物超電導薄膜は帯状
に(5-1),(5-2)・・・として残存してコイルを構成す
る。そして連結部(8)にて第2の酸化物超電導薄膜をレ
ーザスクライブしたコイル(7-1),(7-2)・・・に連結し
ている。
かくして円板状に帯状線を配線し、かつその多層まきが
可能となった。
第1、第2の帯状の超電導薄膜の上または下に銀等の金
属を設けた多層膜としてもよい。
「実施例2」 第2図は本発明の他の実施例を示す。
図面において基体(1)は円筒状(ボビン形状)を有す
る。ここに実施例1と同様に膜状に酸化物超電導材料
(2)を形成する。
この作製はスパッタ装置でこの円筒基体(1)を矢印(12)
に示す如くに回転しつつディポジッションすればよい。
次にこれら膜を熱アニールさせた後、この膜にYAGレー
ザ(3)ビーム(径50μm)を照射しつつ、このレーザ光を
(11)の方向に徐々に移す。同時に円筒状基体(1)を矢印
(12)の方向に回転させる。するとこの円筒状基体に対し
一本の連続した帯状のスクライブライン(3)を構成させ
ることができる。この開溝によりそれぞれの酸化物超電
導材料が帯状に(5-1),(5-2)として形成され、それぞれ
は電気的に分離されて、超電導領域を構成させ得る。こ
こではこの超電導領域はコイル状を有し、実質的に超電
導マグネットコイルを構成させることができた。
この実施例はかかる工程の後これら全体を酸素中で焼成
し、(A1-xBx)yCuzOwの一般式で示される酸化物超電導材
料に変成した。そして超電導マグネットとさせることが
できた。このコイルの始点と終点とを超電導線で連結す
ることにより、エネルギ蓄積装置とすることが可能であ
る。
第2図(B)は第2図(A)のA-A′の断面図に対応する。第
2図(A)は図面の複雑化を避けるため1層目のみを示し
た。本発明はこれを多層化せしめたものである。第2図
(B)において、酸化物非超電導薄膜(1′)を有する基体
(19上に、第2図(A)に示した如くにして酸化物超電導材
料を帯状に形成する。さらにこれら全体を同一元素を有
する酸化物非超電導薄膜を同じスパッタ法で形成する。
連結部(8)で開穴を行った後、これら全体に第2の酸化
物超電導薄膜を形成する。さらに第1の超電導薄膜と同
様にレーザスクライブをして帯状に(7-1),(7-2)・・・
を作る。さらに第2の酸化物超電導薄膜(6′)を形成
し、さらに第3の酸化物超電導材料を(8′)にて連結
し、帯状に形成した。外部取り出しは(10),(11)で行っ
ている。これを繰り返し行うことにより、3層だけでは
なく任意の多層とすることができる。
その他は実施例1と同様である。
「効果」 本発明によりこれまでまったく不可能とされていた酸化
物超電導材料を実質的にコイル状に基体上に選択的に残
存させることが可能となった。
かくして、曲げるとすぐわれてしまうセラミックス超電
導材料をして導線、電極または超電導素子を構成させる
ためのアイソレイションをして膜状または帯状に作るこ
とができた。
本発明において超電導薄膜を形成した後、公知のフォト
リソグラフィ技術を用い、所定のパターニングをし、超
電導素子または超電導配線としてもよい。しかしこの工
程中で用いる液体により劣化しやすいため、本発明の方
法が優れている。
本発明の超電導材料はセラミック材料であればなんでも
よい。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図は本発明の酸化物超電導材料を用いた超
電導コイルの実施例を示す。 1・・・基板 2・・・酸化物超電導材料 3・・・開溝 4・・・レーザ光 5・・・超電導を呈する領域 6,9・層間分離膜 7・・・第2の酸化物超電導材料

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体上に非超電導特性を有する材料を設け
    る工程と、 該材料上に第1の酸化物超電導材料を帯状に設ける工程
    と、 該材料上に非超電導特性を有する材料を積層して設ける
    工程と、 該材料上に前記帯状に設けられた第1の酸化物超電導材
    料の一端部に連結して第2の酸化物超電導材料を帯状に
    積層して設ける工程と、 を有した超電導コイルの作製方法であって、 前記酸化物超電導材料を帯状に設ける方法として、レー
    ザ光によって前記酸化物超電導材料の一部を除去する方
    法を用い、 前記非超電導特性を有する材料として、前記酸化物超電
    導材料を構成する元素を含む材料を用いることを特徴と
    する超電導コイルの作製方法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項において、酸化物超
    電導材料と非超電導特性を有する材料との熱膨張係数の
    比を概略±50%以内とすことを特徴とする超電導コイル
    の作製方法。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項において、 第1の酸化物超電導材料を設ける工程と、 該材料上の非超電導特性を有する材料を設ける工程と、 該材料上の前記第1の酸化物超電導材料の一端部に連結
    した第2の酸化物超電導材料を設ける工程と、 を複数回行なうことによって、多層に積層された超電導
    コイルを形成することを特徴とする超電導コイルの作製
    方法。
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