JPH0637706B2 - 亜鉛めっき鋼板の高耐食クロメート処理方法 - Google Patents

亜鉛めっき鋼板の高耐食クロメート処理方法

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JPH0637706B2
JPH0637706B2 JP62221565A JP22156587A JPH0637706B2 JP H0637706 B2 JPH0637706 B2 JP H0637706B2 JP 62221565 A JP62221565 A JP 62221565A JP 22156587 A JP22156587 A JP 22156587A JP H0637706 B2 JPH0637706 B2 JP H0637706B2
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    • C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C22/00—Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、亜鉛めっき鋼板にエージングしなくても、6
価クロムの溶出、指紋付着が生じにくいクロメート皮膜
を形成することができるクロメート処理方法に関する。
(従来技術) 従来より家電、建材、機器などの分野では、亜鉛めっき
鋼板が安価で、耐食性に優れ、外観も美麗であることか
ら、多量に使用されている。特に近年は、腐食環境下で
の耐食性が重要視され、厚クロメート皮膜のものが広く
使用されるようになってきている。
従来、この厚クロメート皮膜の形成は、高濃度のクロム
酸塩水溶液に硫酸等を添加したクロメート処理液に亜鉛
めっき鋼板を浸漬して、処理時間、温度を変化させるこ
とにより目標のクロム付着量にし、その後水洗すること
なく乾燥する方法により行っていた。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、これらの方法で形成したクロメート皮膜
には、次のような種々の問題が存在していた。
(1)水またはアルカリ可溶性の6価クロムが多量に含
まれ、それが取り扱い、成型加工時に溶出し易い。例え
ば、成型加工した場合、加工後にプレス油や工作油を洗
浄し、また、塗布を施す場合には、さらに脱脂、水洗、
湯洗などを施すが、これらの場合に6価クロムが溶出
し、耐食性が低下してしまう。また、クロムが溶出する
と、洗浄や脱脂に使用した廃液にクロムが含まれるよう
になるため、公害上、廃液の処理が必要になる。
(2)指紋が付着し易いため、加工やその後の取り扱い
時に付着し、外観を損なう。
(3)形成直後の皮膜は、取り扱いにより汗や水分によ
り溶出し、脱落し易いため、形成から加工までの期間が
短い場合、十分な耐食性を発揮しない。形成直後のクロ
メート皮膜は、一般に汗や水分により溶出し易い性質を
有しているが、形成後3〜4箇月経過すると、ゾル皮膜
がゲル皮膜になり、皮膜は、脱落しにくくなる。この変
化は、通常、エージングと称されているもので、クロメ
ート皮膜組成の種類により異なるが、クロメート皮膜の
脱落はかなり改善される。
しかし、近年、受注から納品および加工まで期間がかな
り短縮されているため、このようなエージング期間を設
けることができない。また、コイルで出荷する場合、鋼
帯がタイトに巻かれ、皮膜と大気との接触が悪いため、
エージングの進行が極めて緩慢となり、エージング期間
が存在していても、皮膜脱落性は、改善されない。
本発明は、これらの6価クロムの溶出や指紋付着性が改
善され、エージングしなくても皮膜が溶出しにくいクロ
メート皮膜の形成可能なクロメート処理方法を提供する
ものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、SiO2、PO4 3-およびH3BO3を含み、3価クロム
と全クロムのモル比が3価クロム/全クロム=0.40〜0.
55であるクロム酸水溶液を亜鉛めっき鋼板にクロム付着
量で30〜120mg/m2塗布して、水洗することなく、
板温で150〜250℃に加熱乾燥することにより上記
のようなクロメート皮膜が形成できるようにした。
本発明は、クロム酸水溶液中の3価クロムを高濃度にす
ると、次のような現象が認められたことにより発明され
たものである。
(1)クロメート処理後の皮膜硬化速度が極めて速くな
り、エージングが不要になる。
(2)6価クロムの溶出が抑制される。
(3)指紋液をはじく撥液性を有するようになり、指紋
が付着しにくくなる。
(4)亜鉛めっき鋼板に対する水溶液の濡れ性が向上す
る。
ここで、3価クロムと全クロムのモル比を3価クロム/
全クロム=0.40〜0.55にしたのは、0.40未満であると、
上記の(1)〜(4)の効果が不十分で、0.55を越える
と、クロメート皮膜自体の性能は、問題ないが、水溶液
中の水酸化クロムやリン酸クロムなどと縮合し、水溶液
の安定性が損なわれてしまう。
水溶液にSiO2を配合するのは、耐食性を向上させるとと
もに、3価クロムと全クロムとのモル比を上記のように
した場合、鋼板に対して水溶液の濡れ性が低下するの
で、濡れ性を良好にするためである。すなわち、第1図
に示すように、SiO2を配合すると、クロム酸水溶液の濡
れ性は向上し、その量の増加とともに良好になる。
なお、一般にSiO2は、シリカゲルとして、乾燥剤に使用
されてるように、吸湿性が強い。このため、クロメート
皮膜に含有させた場合、クロメート皮膜は、吸湿性が大
きくなるように考えられる。しかし、150〜250℃
で強制乾燥すると、吸湿性が抑制されるのである。これ
は、水溶液を塗布した後の乾燥工程で上記温度に加熱す
ると、SiO2の水酸化基が3価クロム(水酸化クロム)と
シラノール縮合するためと考えられる。
従って、このSiO2の配合量は、3価クロム量を考慮して
決定することが必要で、本発明の場合は、SiO2をSi換算
モル数で、3価クロムのモル数に対して、モル比でSi/C
r3+=1.0〜4.0になるようにする。このSiのモル比が1.0
未満であると、第2図に示すように、人工指紋液(実施
例で使用の組成のもの)押捺前後の色調変化(色差計に
よるΔb)が大きくなり、指紋が目立ちやすくなる。一
方、4.0を越えると、耐指紋性は、良好になるが、塗布
性が劣るような傾向になる。また、SiO2は、水溶液に通
常、シリカゾルとして存在するが、凝集する性質が強
く、Siモル比が4.0を越えると、凝集して巨大なフロッ
グとなり、ロールスクイズ法、ケミコーター法、エアナ
イフ法などで水溶液を塗布した場合、ローピング、はん
点模様を生じさせ、外観を損なう。なお、このSiO2とし
ては、通常、シリカゾルを使用する。
また、PO4 3-を配合するのは、リン酸で亜鉛めっき表面
をエッチングしてリン酸亜鉛を形成させるとともに、3
価クロムとリン酸クロム系の縮合物を形成して、クロメ
ート皮膜を亜鉛めっき鋼板表面に固着させるためであ
る。また、PO4 3-を含有させると、皮膜が有機物、有機
溶媒との親和性が大きくなり、塗膜密着性、塗装後耐食
性が向上するとともに、クロム酸単味のクロメート皮膜
は、黄色であるが、青味を帯び、黄色が緩和されて外観
上目立たなくなる。
このPO4 3-の配合量は、P換算モル数で、全クロムモル数
に対して、モル比でP/(全クロム)=0.02〜0.38にする
のが好ましい。モル比が0.02未満では、配合効果に乏し
く、0.38を越えると、耐食性、黄色の消色、塗装性の向
上などは問題ないが、皮膜からのクロム溶出が生じ易く
なり、洗浄や脱脂などの際廃液中にクロムが含まれるよ
うになるとともに、指紋の付着も目立ち易くなる。な
お、クロム酸水溶液のpHは、1.5〜2.5にするのが好まし
い。
以上のようにクロム酸水溶液にSiO2、PO4 3-を配合し、
3価クロムと全クロムとのモル比を前記のように調整す
ると、6価クロムの溶出や指紋付着性が改善され、エー
ジングしなくても皮膜が溶出しにくくなるが、さらに、
H3BD3を配合すると、鋼板、塗料に対する濡れ性を一層
向上させることができるとともに、6価クロム溶出を抑
制することができる。
水溶液の鋼板に対する濡れ性が十分でないと、クロメー
ト皮膜を厚くした場合、鋼板の表面は、全体が均一では
ないので、濡れの劣る部分と良好な部分とでは、皮膜厚
の差が生じ、色調の濃淡が生じてしまう。しかし、H3BD
3を配合すると、第1図に示すように、濡れ性が向上
し、皮膜の色調濃淡が生じなくなり、良好な外観とな
る。
また、SiO2含有クロメート皮膜は、塗料に対してSiO2が
ハジキ作用を有するので、SiO2量を多くした場合、塗料
によっては塗膜にハジキが発生する。しかし、H3BD3を
配合すると、塗料に対する濡れ性も向上し、塗膜のハジ
キ発生が抑制される。
このH3BD3配合により鋼板に対する濡れ性が向上するの
は、SiO2のシラノールとH3BO3の水酸基とが脱水縮合し
て、SiO2の撥水性がなくなるためと考えられる。また、
塗膜にハジキが生じなくなるのは、前記のような脱水縮
合のほかに、SiO2のシラノールと塗料樹脂のカルボキシ
ル基との間で脱水縮合が生じ、さらにクロメート皮膜と
H3BO3との架橋により生じたB-OHと塗料中の硬化剤など
のアミノ基との間でも脱水縮合が生じるためと考えられ
る。
また、H3BO3を配合すると、水溶液を鋼板に塗布した後
に150〜250℃に加熱した場合に、H3BO3がSiO2、
リン酸クロム、クロメート皮膜の水酸基と脱水縮合し
て、皮膜をガラス化し、不溶化する。このため、洗浄や
脱脂を施しても、また、エージングしなくても6価クロ
ムの溶出は皆無もしくは微々たるものになる。
このH3BO3の配合は、B換算モル数で、Si、Pおよび全ク
ロムの合計モル数に対して、モル比でB/(Si+P+全クロ
ム)=0.01〜0.7にするのが好ましい。Bのモル比が0.01
未満であると、鋼板、塗料に対する濡れ性改善、6価ク
ロム溶出抑制が不十分となり、0.7を越えると、H3BO3分
子内で縮合反応が起こって、SiO2、リン酸クロム、クロ
メート皮膜との脱水縮合が少なくなり、クロメート皮膜
は、単なるH3BO3縮合物との混合物皮膜になってしま
う。
亜鉛めっき鋼板へのクロム水溶液塗布は、ロールスクイ
ズ法、ケミコーター法、ロールコーター法、エアナイフ
法、浸漬法、スプレー法などの公知方法を適宜使用すれ
ばよいが、塗布量は、クロム付着量で30〜120mg/m
2にする。30mg/m2より少ないと耐食性が不十分であ
り、120mg/m2より多くなると、皮膜が厚くなるた
め、加工時に剥離し易く、色調も色差計でΔbが10を
越える程黄色に付着し、クロムの溶出はないものの、溶
出するような印象を与える。
塗布後は、水洗せずに加熱乾燥するのであるが、乾燥
は、前述のように、SiO2の水酸基と水酸化クロムと脱水
縮合させて、SiO2の吸湿性をなくしたり、H3BO3とSi
O2、リン酸クロム、クロメート皮膜の水酸基と脱水縮合
して、皮膜をガラス化不溶性のものにするために、15
0〜250℃の温度で行う。第3図の熱分析図に示すよ
うに、吸熱反応(脱水反応)を起こさせるには、この温
度範囲にしなければならない。また、上記温度範囲で乾
燥したものは、第4図に示すように、クロムの溶出が少
ない。なお、250℃より高い温度で長時間乾燥する
と、皮膜に酸化クラックが生じ、耐クロム溶出性、耐指
紋性が低下する。
従来のクロメート皮膜は、約70℃に加熱すると、マイ
クロクラックが生じてしまうが、本発明のクロメート皮
膜の場合は、上記のような温度に加熱しても、このよう
な問題はない。
(実施例) 無水クロム酸水溶液にシリカゲル、リン酸、またはさら
にホウ酸を配合して、第1表に示す組成のクロメート水
溶液に調製して、水溶液の安定性を調査するとともに、
亜鉛めっき鋼板を処理し、クロメート皮膜の性能を調査
した。第2表にこの結果を示す。
なお、水溶液の安定性、クロメート皮膜性能の調査は、
次のようにして行った。
(1)水溶液の安定性 50℃の恒温水槽内に水溶液を静置して、ゲル化するま
で日数を調査した。
○ 15日以上沈澱物発生なし △ 10〜14日でゲル化 × 7日以内にゲル化 (2)クロメート皮膜外観 処理ムラの有無を目視で観察した。
◎ 処理ムラなし ○ 若干の筋状模様(ローピング)あり △ 処理ムラ中程度 × 処理ムラ著しい (3)クロムの溶出 2%オルソケイ酸ソーダ水溶液(60℃)に2分間浸漬
した場合と熱水(上水、90℃)中に3分間浸漬した場
合の溶出量を測定した。
◎ 5mg/m2以下 △ 11〜19mg/m2 ○ 6〜10mg/m2 × 20mg/m2以上 (4)耐指紋性 人工指紋液(塩化ナトリウム7g/、尿素1g/、
乳酸4g/、残り1:1メタノール)を付着させ、付
着前後の色調(Δb)変化を色差計で測定した。
◎ Δb 0.5以下 △ Δb 1.1〜2.0 ○ Δb 0.6〜1.0 × Δb 2.1以上 (5)耐食性 塩水噴霧試験100時間経過時点における白錆発生状況
を次の基準で評価した。
◎ 白錆発生なし ○ ごくわずかに白錆発生 △ 白錆発生面積10%以内 × 白錆発生面積11%以上 (6)塗装性能 アクリル樹脂系塗料[スーパーラックF50、日本ペイン
ト(株)製]を塗装し、塗装外観、塗膜密着性、耐食性を
次の基準で評価した。
(イ)塗装外観 ◎ 良好 △ ハジキ少ない ○ 一部にハジキ発生 × ハジキ多い (ロ)塗膜密着性 ゴバン目試験、エリクセン6mm押出し試験、デュポン衝
撃試験の各試験後、試験部をセロテープで強制剥離し、
20点満点(塗膜剥離なし)で評価した。
◎ 20点 △ 10〜14点 ○ 15〜19点 × 9点以下 (ハ)耐食性 塗膜に鋼板表面に達するカットを入れて、塩水噴霧試験
500時間経過時点でのカット部塗膜片側最大ふくれ幅
を測定した。
◎ 1mm未満 △ 2.5〜5.0mm ○ 1.5〜2.0mm × 5.1mm以上 (発明の効果) 以上のごとく、本発明によれば、6価クロムの溶出や指
紋付着性が改善され、エージングしなくても溶出しにく
いクロメート皮膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、クロム酸水溶液にSiO2を配合した場合と、Si
O2およびH3BO3を配合した場合の配合量と溶融めっき鋼
板に対する水溶液の濡れ性の関係を示すグラフである。
第2図は、クロム酸水溶液にSiO2を配合した場合の配合
量と色調変化との関係を示すグラフである。第3図は、
本発明のクロム酸水溶液塗布皮膜を加熱乾燥した場合の
熱分析グラフである。第4図は、本発明のクロム酸水溶
液塗布皮膜の加熱乾燥温度と皮膜からの溶出クロム量と
の関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増原 宏美 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社阪神製造所内 (72)発明者 池田 純治 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社阪神製造所内 (72)発明者 川口 靖隆 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社阪神製造所内 (56)参考文献 特開 昭60−218483(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SiO2、PO4 3-およびH3BO3を含み、3価クロ
    ムと全クロムのモル比が3価クロム/全クロム=0.4
    〜0.55であるクロム酸水溶液を亜鉛めっき鋼板にク
    ロム付着量で30〜120mg/m2塗布して、水洗するこ
    となく、板温で150〜250℃に加熱乾燥することを
    特徴とする亜鉛めっき鋼板の高耐食クロメート処理方
    法。
  2. 【請求項2】H3BO3の量がB換算モル数で、SiO2のSi、PO
    4 3-のPおよび全クロムの合計モル数に対して、モル比で
    B/(Si+P+全クロム)=0.01〜0.7であることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の亜鉛めっき鋼
    板の高耐食クロメート処理方法。
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