JPH0641124A - 無水マレイン酸イミド誘導体 - Google Patents

無水マレイン酸イミド誘導体

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JPH0641124A
JPH0641124A JP17723992A JP17723992A JPH0641124A JP H0641124 A JPH0641124 A JP H0641124A JP 17723992 A JP17723992 A JP 17723992A JP 17723992 A JP17723992 A JP 17723992A JP H0641124 A JPH0641124 A JP H0641124A
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maleic anhydride
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JP17723992A
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English (en)
Inventor
Yukichi Murata
勇吉 村田
Shinichiro Nakamura
振一郎 中村
Yuuki Takuma
勇樹 詫摩
Isao Kawakami
功 川上
Shuichi Maeda
修一 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
Mitsubishi Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 有機光記録材料において、光情報の可逆的な
記録・再生・消去の繰り返しが可能であり、かつ、再生
に当っては非破壊読出ができるようなフォトクロミック
化合物である無水マレイン酸イミド誘導体を提供する。 【構成】 一般式〔I〕で表わされる無水マレイン酸イ
ミド誘導体。 〔式[I]においてA,Bは置換基[i]または[ii]
であり、Kは(置換)芳香環、(置換)複素環を表わ
し、D環もまた置換基を有していてよい。R,R
アルキル基、(置換)アリール基、(置換)シクロアル
キル基等、Rは(ハロ)アルキル基、アルコキシ基、
CF,R,RはH、ハロゲン、アルキル基、アル
コキシ基、CF,CN等を表わす。又R,Rはそ
れが結合している炭素原子と共に環を形式してもよい。
YはO,S,NR(RはH、アルキル基等)を表わ
す〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な無水マレイン酸
イミド誘導体に係り、詳しくは1位及び2位に光照射に
よって環化し、シクロヘキサジエン環を形成してその光
学的性質を変化せしめるような複素環を有する無水マレ
イン酸イミド誘導体であって、フォトクロミック反応に
関与せず、かつ、フォトクロミック光異性化の影響によ
り吸収波長または吸収強度が変化するようなインドアニ
リン系色素を結合した無水マレイン酸イミド誘導体に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】フォトクロミック化合物は、下式の如
く、光λ,λ′によって起こされた分子レベルの変化
が、性質の異なるa,b状態を生じ、これを記憶の素単
位とすることができる特異な化合物であり、近年、この
ようなフォトクロミック化合物を光情報記録材料として
利用する研究が盛んに行なわれている。
【0003】
【化3】
【0004】フォトクロミック化合物を光情報記録材料
として用いるには、以下の特性を満たすことが必要であ
る。 記録が熱に対して安定である。 半導体レーザー感受性を有する。 繰り返し耐久性に優れている。 非破壊読出し機能を有する。 高感度である。
【0005】従来、幾つかのフォトクロミック化合物が
提案され、上記〜の要求特性を満たすべく研究がな
されてきたが、この全ての条件を満たすものはこれまで
存在しなかった。特に、の非破壊読出しの達成は最も
難しい点であった。従来のフォトクロミック化合物につ
いてはH.Dun,H.Bouas−Laurent編
“Photochromism Molecules
and Systems”,Elsevier,N.Y
(1990)に詳しく記載されている。これらのうち、
特に、下記式で示すフルギド系化合物及びジアリルエテ
ン系化合物は、代表的なフォトクロミック化合物であ
る。なお、下記式においてUVは紫外光、VISは可視
光であり、無色の開環体と有色の閉環体とで可逆的に異
性化される。
【0006】
【化4】
【0007】特に、ジアリルエテン系化合物は熱的に安
定な状態となり得る(前記条件)という長所を有して
いる。即ち、左の開環体(無色)をある波長(UV)に
て右の閉環体(有色)に変化せしめた後は、熱的影響で
は開環体に戻らないので、記録された情報が失なわれる
ことはなく、別の波長(VIS)を照射することにより
再びもとの開環体に戻る。
【0008】ところで、前記条件の非破壊読出し機能
とは、記録された光情報を繰り返し再生するとき、記録
が破壊されないという機能である。従来、この非破壊読
出しのために、再生光の光強度を弱くして再生するか、
正逆反応を光で行うという上記のものとは異なり、いず
れかの反応が熱でおこるという熱モードを併用(例え
ば、フォトクロ化合物を入れるポリマーを選ぶことによ
り高温状態のときだけ反応がおこるようにすることがで
きる。)するなどの方法が提案されてきたが、十分な効
果は得られていない。
【0009】一方、本発明者らは、先に、非破壊読出し
の原理的方法として、着色体の最長波長側吸収端で読み
取った場合、もどりの開環反応が殆ど起こらないように
分子を修飾する手法とその実施例を提案した。これは、
DOVAプロットという分子の振動様式のデザインを行
なう手法の開発による効果であった(特願平4−351
70)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
方法では再生光を、吸光度の非常に小さな領域で用いな
ければならないことから、S/Nを求めるために、多く
の光量を用いる必要がある上に、加えて、消去光と再生
光は、単一の吸収帯内で、即ち、近接した波長で峻別を
行なわなければならないという難点もあった。
【0011】本発明は、上記従来の問題点を解決し、繰
返し再生しても記録された光情報が破壊され難い、即
ち、書込光、消去光及び再生光を各々十分に離れた別個
の吸収帯域にて照射することができ、従って、充分な吸
光度を持った領域の光によって書込み、消去、及び再生
が可能な無水マレイン酸イミド誘導体を提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
下記一般式〔I〕で表わされる無水マレイン酸イミド誘
導体に存する。
【0013】
【化5】
【0014】〔式中、A,Bは、それぞれ下記の置換基
〔i〕または〔ii〕を表わし、
【0015】
【化6】
【0016】(置換基〔i〕および〔ii〕において、R
3 はアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子またはト
リフルオロメチル基を表わし、R4 およびR5 はそれぞ
れ独立して水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロ
ゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基または置換
されていてもよいアリール基を表わすか、またはR4
5 とが互いに連結して置換されていてもよい炭素環も
しくは置換されていてもよい複素環を形成してもよい。
Yは−O−,−S−または−NR6 −(R6 は水素原
子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていて
もよいアリール基または置換されていてもよいシクロア
ルキル基を表わす。)を表わす。)環Dは置換基を有し
ていてもよい。Kは、置換基を有していてもよい芳香族
環または置換基を有していてもよい複素環を表わす。〕
前記一般式〔I〕の無水マレイン酸イミド誘導体におい
て、A,Bで表わされる複素環残基としては、下記式
(1)〜(6)で表わされるものが挙げられる。
【0017】
【化7】
【0018】ここで、R3 はメチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert
−ブチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;メトキシ
基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ
基、n−ブトキシ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロ
ゲン原子;またはトリフルオロメチル基を表わし、R4
およびR5 はそれぞれ独立して水素原子;メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、tert−ブチル基等の炭素数1〜6のアルキル
基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソ
プロポキシ基、n−ブトキシ基等の炭素数1〜6のアル
コキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原
子等のハロゲン原子;トリフルオロメチル基;シアノ
基;または低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級ア
ルキルアミノ基、低級ジアルキルアミノ基、アミノ基、
ハロゲン原子、シアノ基等で置換されていてもよいフェ
ニル基、トリル基、ナフチル基等の炭素数6〜12のア
リール基を表わすか、R4 とR5 とが互いに連結して炭
素数3〜5のアルキレン環、ベンゼン環、ナフタレン環
等の炭素環またはピリジン環、ピラジン環、ピリミジン
環、ピリダジン環、ピラン環、フラン環、チオフェン環
等の複素環を形成してもよい。R6 は水素原子;それぞ
れがハロゲン原子、低級アルコキシ基、ヒドロキシル
基、シアノ基、アミノ基、ニトロ基等の置換基を有して
いてもよいメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ
プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等の炭
素数1〜6のアルキル基;フェニル基、トリル基、ナフ
チル基等の炭素数6〜12のアリール基;またはシクロ
プロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基等の炭素数3〜8のシクロアルキル基を表
わす。
【0019】なお、前記AまたはBで表わされる複素環
残基において、R4 とR5 が連結して炭素環または複素
環を形成する場合、具体的にはベンゾフラン環、ベンゾ
チオフェン環、インドール環、ベンゾオキサゾール環、
ベンゾチアゾール環、インダゾール環等を形成する場
合、その環上には1以上の置換基を有していてもよい。
かかる置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原
子等のハロゲン原子;ヒドロキシル基;メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基
等の炭素数1〜6のアルキル基;メトキシ基、エトキシ
基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキ
シ基等の炭素数1〜6のアルコキシ基;シアノ基;ニト
ロ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、
n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニ
ル基等の炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基;トリ
フルオロメチル基等の炭素数1〜6のハロアルキル基;
フェニル基、トリル基、ナフチル基等の炭素数6〜12
のアリール基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シ
クロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜8の
シクロアルキル基;フェノキシカルボニル基、ナフチル
オキシカルボニル基等の炭素数7〜13のアリールオキ
シカルボニル基;メチルアミノカルボニル基、エチルア
ミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基等の炭
素数2〜7のモノアルキルアミノカルボニル基;N,N
−ジメチルアミノカルボニル基、N,N−ジエチルアミ
ノカルボニル基、N,N−メチルエチルアミノカルボニ
ル基等の炭素数3〜9のジアルキルアミノカルボニル
基;アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリ
ルオキシ基、イソブチリルオキシ基等の炭素数2〜8の
アルキルカルボニルオキシ基;ベンゾイルオキシ基、ト
ルオイルオキシ基、ナフトイルオキシ基等の炭素数7〜
13のアリールカルボニルオキシ基;フェノキシ基、ナ
フチルオキシ基等の炭素数6〜12のアリールオキシ
基;メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニル
オキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、イソプ
ロポキシカルボニルオキシ基等の炭素数2〜8のアルコ
キシカルボニルオキシ基;フェノキシカルボニルオキシ
基、ナフチルオキシカルボニルオキシ基等の炭素数7〜
13のアリールオキシカルボニルオキシ基等が挙げら
れ、特に、メチル基、シアノ基又はメトキシ基が好まし
い。
【0020】本発明においては、AまたはBがインドー
ル環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、チアゾール
環およびオキサゾール環から選ばれる環構造を形成する
化合物が好ましい。環Dの置換基としては、メチル基等
のアルキル基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、シア
ノ基、アルコキシ基、アセトアミド基、ハロゲン原子等
が挙げられる。
【0021】Kとしては、ベンゼン誘導体、ナフタリン
誘導体のような芳香族環あるいはテトラヒドロキノリン
誘導体、チオフェン誘導体、チアゾール誘導体、ピリジ
ン誘導体のような複素環等が挙げられるが、下記一般式
(iii )
【0022】
【化8】
【0023】で表わされるようなパラ位にアミノ置換基
をもつ芳香族環(置換基を有していてもよい)が特に好
ましい。R1 およびR2 で表わされるアルキル基、アリ
ール基、アルケニル基またはシクロアルキル基の置換基
としては、例えばアルコキシ基、アルコキシアルコキシ
基、アルコキシアルコキシアルコキシ基、アリルオキシ
基、アリール基、アリールオキシ基、シアノ基、ニトロ
基、ヒドロキシル基、テトラヒドロフリル基、アルキル
スルホニルアミノ基、ハロゲン原子等が挙げられ、さら
に、アリール基、シクロアルキル基の置換基としてアル
キル基又はビニル基等が挙げられる。
【0024】Kの置換基としては、アルキル基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリール
基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、エステル基、
カルバモイル基、アシル基、アシルアミノ基、スルファ
モイル基、スルホンアミド基、ヒドロキシル基、トリフ
ルオロメチル基、アセトアミド基等が挙げられ、置換基
のうち好ましいものとしては炭素数1〜25の置換され
ていてもよいアルキル基、炭素数8〜25の置換されて
いてもよいアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニ
トロ基、炭素数1〜25の置換されていてもよいアルキ
ルスルファモイル基、炭素数6〜30の置換されていて
もよいフェニルスルファモイル基、炭素数1〜25のエ
ステル基、炭素数1〜25のカルバモイル基、炭素数1
〜25のアシル基、炭素数1〜25のアシルアミノ基、
炭素数1〜25のスルホンアミド基、ヒドロキシル基等
が挙げられる。
【0025】次に本発明の無水マレイン酸イミド誘導体
の製造方法について説明する。前記〔I〕式で表わされ
る無水マレイン酸イミド誘導体は、例えば、下記一般式
〔II〕
【0026】
【化9】
【0027】(式中、AおよびBは前記定義に同じ。)
および下記一般式〔III 〕
【0028】
【化10】
【0029】(式中、環Dは前記定義に同じ。)の両化
合物を酸触媒の存在下で縮合させることにより、下記一
般式〔IV〕
【0030】
【化11】
【0031】(式中、A,B,Dは前記定義に同じ。)
を得、更に、この化合物〔IV〕と下記一般式〔V〕
【0032】
【化12】
【0033】(式中、R1 ,R2 ,Kは前記定義に同
じ。)で示されるアニリン誘導体とを酸化物に縮合させ
ることにより本発明のフォトクロミック化合物〔I〕を
得ることができる。
【0034】
【化13】
【0035】〔II〕と〔III 〕の縮合反応は、30〜1
50℃で酢酸、プロピオン酸等の酸触媒の存在下、無溶
媒あるいはテトラヒドロフラン、ジオキサン、アセト
ン、エタノール、トルエン等の溶媒中で縮合が行なわれ
る。好ましくは、酢酸下で100〜120℃、5〜10
時間で縮合させるのがよい。反応終了後、溶媒留去ある
いは析出した結晶を濾取し、濾過、洗浄して、無水マレ
イン酸イミド中間体〔IV〕を得る。
【0036】上記で得られたイミド中間体〔IV〕とアミ
ン誘導体〔V〕の縮合反応は、水、ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン、アセトン、エタノール、メタノール等の
溶媒中、硝酸銀、過硫酸アンモニウム等の酸化剤の存在
下、0℃〜50℃、30分〜5時間で縮合させる。反応
後、抽出、濃縮してとり出し、必要に応じてカラムクロ
マトグラフィー、再結晶、溶媒懸洗等の精製によって、
目的の無水マレイン酸イミド誘導体〔I〕を得ることが
できる。
【0037】
【作用】本発明の無水マレイン酸イミド誘導体は、光照
射すると下記式に示すように、複素環Wと複素環W′が
環化して、シクロヘキサジエン環を形成し、〔Ia〕か
ら〔Ib〕に示すような構造変化を起こして色変化を起
こす(式中、K,D,R 1 ,R2 は前記定義に同
じ。)。また、この着色状態は光反応により可逆的に元
に戻すことができる。
【0038】
【化14】
【0039】この〔Ia〕状態のスペクトルを実線で、
〔Ib〕状態のスペクトルを破線で示したものが図1で
ある。図1において、吸収帯ε1 ,ε2 はフォトクロミ
ック反応に関与する原子団の吸収帯に相当し、光異性化
に伴ってε1 ,ε2 と波長域を変えることは、従来のフ
ォトクロミック化合物と同様である。
【0040】このようなフォトクロミック反応におい
て、イミド結合を介して結合するインドアニリン系色素
は、フォトクロミック反応に関与する原子団よりも長波
長(低エネルギー側)に新たに吸収帯ε3 を有する。書
込に際しては、実線で示した未記録状態〔Ia〕にその
波長域(ε1 )の光λ1 で照射すると状態〔Ia〕は書
込状態〔Ib〕へ移る。即ち、図1の破線の状態とな
る。ここでは、フォトクロミック反応に関与する原子団
の吸収はε1 からε2 へ変化するが、インドアニリン系
色素の吸収帯ε3 は、直接反応に関与していないので、
ε1 ,ε2 のように生成、消滅は起こらないが、光異性
化による電子状態の変化により、スペクトルシフト或い
は強度変化を起こす。
【0041】再生に際しては、ε3 の吸収帯の光λ3
照射して行なう。λ3 は光異性化反応に関与する光では
ないこと、特に、反応を起こす領域より低エネルギー側
であることから、〔Ib〕→〔Ia〕の戻り反応は起こ
ることなく、かつスペクトルシフト又は強度変化により
〔Ia〕状態(実線)か〔Ib〕状態(破線)かを透過
光又は反射光により区別できる。即ち、再生が可能であ
る。
【0042】本発明の化合物を用いることで非破壊読出
はこのようにして達成される。消去に際しては、従来の
フォトクロミック化合物と同じく、ε2 の吸収帯にある
光λ2 を照射すれば、〔Ia〕状態にもどして消去する
ことが可能である。特に、本発明に係る無水マレイン酸
イミド誘導体は開環状態〔Ia〕及び着色状態(閉環状
態)〔Ib〕のいずれもが熱的に安定であり、高温で長
時間加熱してもサーモクロミック反応(熱着色反応)を
示さず、また、着色状態も安定であり、退色反応を示さ
ず、両状態は良好に保持される。
【0043】従って、一般式〔Ia〕で示されるような
インドアニリン系色素を有する化合物を用いることによ
り、非破壊読出可能な可逆的有機光記録媒体が実現され
る。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、実施例に
より限定されるものではない。 実施例1 以下の反応式に従って合成を行った。
【0045】
【化15】
【0046】(1)イミド中間体の合成 2,3−ビス(2,4,5−トリメチル−3−チエニ
ル)マレイン酸無水物を0.173g(0.5mmo
l)、m−アミノフェノールを0.069g、酢酸を
0.5ml混合し、この混合物を撹拌下120℃で、1
0時間反応させた。反応終了後、酢酸を留去し、残渣を
酢酸エチル5mlで溶解した後、ヘキサン5mlを添加
して沈殿析出させ、濾過し、カラムクロマトグラフィー
(展開液:ヘキサン/酢酸エチル)により精製後、乾燥
して、イミド中間体を0.22g得た(収率〜100
%)。図2に化合物のIRスペクトルを示す。
【0047】(2)化合物の合成 NaCl 0.24g、ゼラチン5.5mg、水3.3
mlをビーカーに仕込み、撹拌しながら、硝酸銀0.5
6gを水3.3mlに溶解した液を滴下した。次に、炭
酸ナトリウム0.26gを水1.5mlに溶解した液を
添加した後、上記(1)で得られたイミド中間体
0.18gをアセトン15mlに溶解した液を添加し
た。更にp−アミノ−ジエチルアニリン塩酸塩 0.
09gを水3.3mlに溶解した液を約1.5時間かけ
て滴下し、その後、30分間撹拌した。次いで酢酸エチ
ル10mlを添加して、濾過した後、酢酸エチル10m
lで洗浄し、酢酸エチルを濃縮して乾燥後、カラムクロ
マトグラフィー(展開液:ヘキサン/酢酸エチル)で分
離・精製して、目的物の青色固体粉末0.055gを
得た(収率18%)。得られた化合物の元素分析結果
は以下の通りであり、計算値と良く合致した。
【0048】
【表1】 C(%) H(%) N(%) 計算値 68.31 5.90 7.03 分析値 67.93 5.97 6.90 1 H−NMR CH3 (N−C−CH3 ) :6H,t,1.22 CH3 (thiophene):3H,s 1.79,1.80 6H,m 1.95,1.97 3H,s 2.09,2.12 6H,m 2.24,2.25,2.27 CH2 (N−CH2 −C):4H,q 3.44 Ha :1H,d 6.78 Hb :1H,d,d 6.62 Hc :1H,d 7.42 Hd,Hg :2H,d (6.99)7.00 He,Hf :2H,d 6.68
【0049】
【化16】
【0050】図3に化合物のIRスペクトルを、図4
にヘキサン溶媒中での吸収スペクトルを示した。
【0051】実施例2 以下の反応式に従って合成を行った。
【0052】
【化17】
【0053】(1)イミド中間体の合成 2,3−ビス(2,4,5−トリメチル−3−チエニ
ル)マレイン酸無水物0.277gとo−アミノフェノ
ール 0.109gと酢酸2mlの混合物を撹拌下で
120℃、6時間反応させた。室温まで冷却し、析出結
晶を濾過、洗浄後、乾燥して、イミド中間体の黄色結
晶0.26gを得た(収率74.3%)。図5に化合物
のIRスペクトルを示した。
【0054】(2)化合物の合成 NaCl 0.29g、ゼラチン6mg、水4mlをビ
ーカーに仕込み、室温で撹拌しながら、硝酸銀0.74
8gを水4mlに溶解した液を滴下した。次に炭酸ナト
リウム0.34gを水2mlに溶解した液を添加、更に
上記(1)で得たイミド中間体 0.219gとメタ
ノール3mlとアセトン10mlの混合物を添加した
後、p−アミノ−ジエチルアニリン塩酸塩0.11gを
水4mlに溶解した液を30minかけて滴下し、その
後、30min撹拌した。反応液を濾過した後、酢酸エ
チルと水を用いて抽出し、酢酸エチル抽出部を濃縮し、
カラムクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン/酢酸エ
チル)で精製し、目的物の青色固体粉末0.048g
を得た(収率16%)。
【0055】
【表2】 1 H−NMR CH3 (N−C−CH3 ) :6H,m,1.24 CH3 (thiophene):3H,s 1.79 3H,s 1.95 3H,s 1.96 3H,s 2.11,2.12 3H,s 2.24 3H,s 2.27 CH2 (N−CH2 −C):4H,m 3.46 Ha :1H,d 7.48 Hb :1H,d,6.77 Hc :1H,q 7.40 Hd,Hg :1H,d 7.13 :1H,d 7.21 He,Hf :1H,d 6.76 :1H,d 6.75
【0056】
【化18】
【0057】図6に化合物のIRスペクトルを示し
た。
【0058】実施例3 実施例1の無水マレイン酸誘導体 0.173gの代
りに下記構造式
【0059】
【化19】
【0060】で示される無水マレイン酸誘導体0.18
4gを用いた以外は、実施例1と同様にして、下記構造
【0061】
【化20】
【0062】で示される無水マレイン酸イミド誘導体を
得た(一貫収率17%)。
【0063】実施例4 実施例1のアニリン誘導体 0.09gの代わりに、
下記構造式
【0064】
【化21】
【0065】で示されるアニリン誘導体0.10gを用
いた以外は、実施例1と同様にして、下記構造式
【0066】
【化22】
【0067】で示される無水マレイン酸イミド誘導体の
青色固体粉末を得た(一貫収率21%)。
【0068】実施例5 実施例1のアニリン誘導体 0.09gの代わりに、
下記構造式
【0069】
【化23】
【0070】で示されるアニリン誘導体0.09gを用
いた以外は、実施例1と同様にして、下記構造式
【0071】
【化24】
【0072】で示される無水マレイン酸イミド誘導体の
青色固体粉末を得た(一貫収率15%)。
【0073】実施例6〜9 実施例1または2に記載した方法に準じて、表3に示す
化合物を合成した。
【0074】
【表3】
【0075】
【発明の効果】本発明の無水マレイン酸イミド誘導体を
用いた光記録再生方法によれば、記録光及び消去光と異
なる波長の再生光を用いて情報の再生を行えるため、従
来の記録光又は消去光と同じ波長の再生光による再生法
に比べ、記録情報の劣化が大幅に低減され、記録された
情報を長期間安定に保持することが可能となる。従っ
て、本発明によれば、記録・再生・消去の繰り返しが可
能な光記録材料、あるいは、複写材料、調光材料、印刷
感光体、レーザー用感光材料、写真植字用、光学フィル
ター、マスキング用材料、光量計、ディスプレイ用材料
等に適した無水マレイン酸イミド誘導体を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフォトクロミック化合物の動作原
理を示す図である。
【図2】実施例1で得られた化合物のIRスペクトル
を示す。
【図3】実施例1で得られた化合物のIRスペクトル
を示す。
【図4】実施例1で得られた化合物のヘキサン溶媒中
での吸収スペクトルを示す。
【図5】実施例2で得られた化合物のIRスペクトル
を示す。
【図6】実施例2で得られた化合物のIRスペクトル
を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C07D 409/14 207:00 8314−4C 333:00) 7252−4C (C07D 409/14 207:00 8314−4C 209:00 333:00) 7252−4C (C07D 417/14 207:00 8314−4C 209:00 277:00) 9051−4C (72)発明者 川上 功 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 前田 修一 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式〔I〕で表わされる無水マレ
    イン酸イミド誘導体。 【化1】 〔式中、A,Bは、それぞれ下記の置換基〔i〕または
    〔ii〕を表わし、 【化2】 (置換基〔i〕および〔ii〕において、R3 はアルキル
    基、アルコキシ基、ハロゲン原子またはトリフルオロメ
    チル基を表わし、R4 およびR5 はそれぞれ独立して水
    素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ト
    リフルオロメチル基、シアノ基または置換されていても
    よいアリール基を表わすか、またはR4 とR5 とが互い
    に連結して置換されていてもよい炭素環もしくは置換さ
    れていてもよい複素環を形成してもよい。Yは−O−,
    −S−または−NR6 −(R6 は水素原子、置換されて
    いてもよいアルキル基、置換されていてもよいアリール
    基または置換されていてもよいシクロアルキル基を表わ
    す。)を表わす。)環Dは置換基を有していてもよい。
    Kは、置換基を有していてもよい芳香族環または置換基
    を有していてもよい複素環を表わし、R1 およびR
    2 は、アルキル基、アルケニル基または置換されていて
    もよいアリール基、置換されていてもよいシクロアルキ
    ル基を表わす。〕
  2. 【請求項2】 前記一般式〔I〕で表わされるフォトク
    ロミック化合物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9384895B2 (en) 2011-06-03 2016-07-05 W. L. Gore & Associates, Inc. Polytetrafluoroethylene film capacitor

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