JPH0649215A - 架橋性ポリシラン組成物及びその硬化物 - Google Patents

架橋性ポリシラン組成物及びその硬化物

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JPH0649215A
JPH0649215A JP22516692A JP22516692A JPH0649215A JP H0649215 A JPH0649215 A JP H0649215A JP 22516692 A JP22516692 A JP 22516692A JP 22516692 A JP22516692 A JP 22516692A JP H0649215 A JPH0649215 A JP H0649215A
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栄一 田部井
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)両末端アルケニルシロキシポリシラン
類、(B)一分子中に少なくとも3個のヒドロシリル基
を有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒を含有する
ことを特徴とする架橋性ポリシラン組成物を提供する。 【効果】 本発明の架橋性ポリシラン組成物は、ポリシ
ラン鎖を切断することなく架橋反応が可能であり、ポリ
シランの性質をそのまま備えた溶剤不溶性で強靭な硬化
皮膜を与えるもので、摩耗性・強度等の耐久性が要求さ
れる材料への応用に有効なものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、架橋硬化後に溶剤不溶
性の強靭なポリシラン架橋膜が得られる架橋性ポリシラ
ン組成物及びその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】シロキ
サン組成物において、ヒドロシリル化反応によって硬化
する機構のものは副生成物が生成せず深部まで迅速に硬
化するという特徴を有しているので、例えば成型ゴム、
接着剤、電気・電子部品のポッティング材、紙やフィル
ム等の剥離コーティング材などとして幅広い分野にわた
って使用されている。
【0003】一方、ポリシラン類を用いた硬化性組成物
において、ヒドロシリル化反応による報告例としては、
側鎖置換基に水素を有するポリシラン類とトリビニルフ
ェニルシランとを塩化白金酸触媒を用いて硬化させるも
のがある(ロバート・ウエスト,ジャーナル・オブ・オ
ルガノメタリック・ケミストリー,300巻,327〜
346ページ,1986年)。
【0004】しかしながら、この方法においては、側鎖
置換基の反応性が低いこと、塩化白金酸触媒によりポリ
シラン鎖が切断され、更に酸化されてしまうという問題
点がある。
【0005】また、側鎖にアルケニル基を有するポリシ
ラン単独の光架橋反応を用いたポリシラン硬化法、ある
いはポリシランと多官能性不飽和化合物との光架橋反応
による硬化法も報告されている(ロバート・ウエスト,
ジャーナル・オブ・オルガノメタリック・ケミストリ
ー,300巻,327〜346ページ,1986年)。
【0006】しかしながら、この方法においては、ポリ
シラン鎖の切断を利用したものであるため、ポリシラン
の性質をそのまま架橋膜に付与することができないとい
う問題点がある。
【0007】更に、溶解性ポリシランは種々の一般有機
溶剤に可溶であり、これによって製膜することが可能で
あるが、溶解度に制限があるため、溶液粘度を上昇させ
て厚い膜を形成することは困難であり、厚い皮膜を形成
しなければならない用途に対して制限があった。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、架橋反応に際しポリシラン鎖を切断することなく、
硬化物にポリシランの性質をそのまま付与でき、また、
厚く皮膜を形成することができる架橋性ポリシラン組成
物及びその硬化物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、両末端ア
ルケニルシロキシポリシラン類と一分子中に少なくとも
3個のヒドロシリル基を有する化合物とをヒドロシリル
化触媒の存在下にヒドロシリル化反応させることが上記
目的を達成する上で有効であること、この場合特にヒド
ロシリル化触媒としてロジウム金属錯体を用いることに
より、ポリシラン鎖の切断をより確実に防止することが
できることを知見した。
【0010】また、両末端にアルケニルシロキシ基を有
するポリシランは、ヒドロシリル基(≡SiH)を有す
る化合物と反応性が高く、加熱等によってポリシラン鎖
を切断することなく容易に架橋して硬化し、溶剤不溶性
のポリシラン架橋膜が得られること、溶剤不溶性である
ので重ね塗りが可能であり、厚い皮膜が形成可能である
こと、しかも末端架橋タイプのポリシラン架橋膜は、興
味深いことに非常に強靭で、摩耗性・強度等の耐久性が
要求される材料への応用もできることを見い出し、本発
明をなすに至ったものである。
【0011】従って、本発明は、(A)両末端アルケニ
ルシロキシポリシラン類、(B)一分子中に少なくとも
3個のヒドロシリル基を有する化合物、(C)ヒドロシ
リル化触媒を含有することを特徴とする架橋性ポリシラ
ン組成物及び該組成物を加熱硬化してなる硬化物を提供
する。
【0012】以下、本発明について更に詳しく説明する
と、本発明の架橋性ポリシラン組成物は、上述したよう
に両末端アルケニルシロキシポリシラン類を必須成分と
するものである。この場合、該ポリシラン類は両末端が
アルケニルシロキシ基で封鎖されていればいずれのもの
でもよいが、特に下記一般式(1)で示されるものを使
用することができる。
【0013】
【化2】
【0014】ここで、式中Aは炭素数2〜12、好まし
くは2〜10のアルケニル基であり、例えばビニル基、
アリル基、プロぺニル基等が挙げられる。また、R1、
R2、R3、R4、R5及びR6はそれぞれ同一又は異種の
置換又は非置換の炭素数1〜12、好ましくは炭素数1
〜10のアルキル基又はアリール基である。アルキル基
としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等が
挙げられ、アリール基としてはフェニル基、トリル基等
が挙げられる。n、m、pはそれぞれ0≦n≦10、0
≦m≦10、n+m≧10、p≧1を満足する整数であ
り、光導電特性等のポリシランの性質を示すにはpは5
以上、特に10以上であることが好ましい。
【0015】上記式(1)で示される両末端アルケニル
基シロキシポリシラン類を得るには、特願平4−301
05号に記載の方法を好適に採用し得る。即ち、まず、
下記式(2)で示される両末端クロロポリシランを合成
し、この両末端クロロシランを加水分解して下記式
(3)で示される両末端ヒドロキシポリシランを得、更
にこの両末端ヒドロキシポリシランにアルカリ中で下記
式(4)で示されるアルケニル基含有クロロシランを反
応させて合成することができる。
【0016】
【化3】 (式中、A、R1、R2、R3、R4、R5、R6、n、m及
びpは、上記と同様の意味を示す。)
【0017】上記式(2)で示される両末端クロロポリ
シランを得るには、まず、ナトリウム等のアルカリ金属
を用いたジクロロシランのカップリング反応によりポリ
シランを合成する。この場合、ジクロロシランとしては
ジアルキルジクロロシラン、アルキルアリールジクロロ
シラン、アルキル(置換アリール)ジクロロシラン、ジ
(置換アリール)ジクロロシラン等を用いることができ
る。ポリシランの数平均分子量(Mn)は100000
0≧Mn≧1000、特に1000000≧Mn≧50
00とすることが好ましい。
【0018】次に、得られたポリシランを四塩化炭素等
の塩化水素系溶剤に溶解してパイレックス反応管又は石
英反応管等に封入し、窒素ガス、アルゴンガス等の不活
性ガス雰囲気下、高圧水銀灯(312nm)等を用いて
紫外線を照射することによって両末端クロロポリシラン
を得ることができる。
【0019】所定量の紫外線を照射した後、反応溶液を
1/2〜1/5量に濃縮し、ポリシランにヘキサン等を
添加することにより両末端クロロポリシランを沈殿さ
せ、次いでろ過、乾燥することにより式(2)で示され
る両末端クロロポリシランの白色粉末を得ることができ
る。
【0020】次いで、両末端クロロシランをテトラヒド
ロフラン、トルエン、キシレン等の溶媒に好ましくは1
〜20重量%、特に好ましくは5〜10重量%溶解し、
好ましくは加水分解促進のためトリエチルアミン、ピリ
ジン等を添加する。次にポリシランに対して理論量以上
の水を加え、攪拌を行い加水分解する。反応温度は室温
〜還流温度とすることができる。反応終了後、反応液に
トルエン等の有機溶媒を添加し、更に反応液を水洗し、
塩化カルシウム等の乾燥剤を用いて有機層を乾燥させ、
乾燥剤をろ別した後、濃縮することにより、式(3)で
示される両末端ヒドロキシポリシランを白色粉末として
得ることができる。
【0021】得られた両末端ヒドロキシポリシランをト
ルエン、ベンゼン、キシレン等の不活性溶媒に溶解し、
この溶液にトリエチルアミン、ピリジン等のアミンを添
加した後、式(4)で示されるアルケニル基含有クロロ
シランを好ましくは両末端ヒドロキシポリシランに対し
理論量以上加え、攪拌して反応させる。この場合、両末
端ヒドロキシポリシランの不活性溶媒への溶解濃度は1
〜20重量%、特に5〜10重量%とすることが好まし
く、また、アミンの添加量は両末端ヒドロキシポリシラ
ンに対して0.1〜10重量%、特に1〜5重量%とす
ることが好ましく、更に反応は、40〜80℃で4〜8
時間行うことが好ましい。
【0022】反応終了後、反応溶液を水洗し、塩化カル
シウム等の乾燥剤を用いて有機層を乾燥させ、乾燥剤を
ろ別した後、ろ過することによって式(1)で示される
両末端アルケニル基シロキシポリシラン類を白色粉末と
して得ることができる。
【0023】本発明の架橋性ポリシラン組成物の必須成
分である(B)成分の一分子中に少なくとも3個のヒド
ロシリル基を有する化合物は、(A)成分の両末端アル
ケニルシロキシ基ポリシラン類中のアルケニルシロキシ
基にヒドロシリレーション反応により付加するための化
合物であり、溶剤不溶性とするためヒドロシリル基(≡
SiH)は一分子中に3個以上必要である。
【0024】このような一分子中に少なくとも3個のヒ
ドロシリル基を有する化合物として、オルガノハイドロ
ジェンシロキサン、オルガノハイドロジェンシランを挙
げることができる。具体的には下記式(5)で示される
ハイドロジェンポリシロキサンを好適に用いることがで
きる。
【0025】
【化4】 (式中、Rは水素原子又は置換もしくは非置換のアルキ
ル基もしくはアリール基、R’は置換もしくは非置換の
アルキル基もしくはアリール基、kは3以上、jは0以
上を満たす整数である。)
【0026】このような直鎖状のみならず、次のような
環状のポリシロキサンも使用できる。
【0027】
【化5】(MeHSiO)a a=3,4,5又は
6 また、下記式で示されるポリオルガノシランも好適に使
用することができる。
【0028】
【化6】(MePhSi)b(MeHSi)c (MePhHSi)3SiPh PhSiH3 H2PhSiSiPhH2
【0029】なお、上記式において、Meはメチル基、
Phはフェニル基を示す。
【0030】これらの少なくとも3個のヒドロシリル基
を有する化合物の配合量は、(A)成分の両末端アルケ
ニルシロキシ基ポリシラン類中のアルケニルシロキシ基
1モルに対してヒドロシリル基が0.5〜5モル、特に
1〜3モルの割合となるように配合することが好まし
い。
【0031】本発明の組成物の(C)成分は、ヒドロシ
リル化触媒であり、(A)成分中のアルケニルシロキシ
基と(B)成分のヒドロシリル基とを反応させる触媒で
ある。
【0032】このヒドロシリル化触媒としては、周期律
表の第8族の金属錯体を好適に使用でき、Fe,Ni,
Co,Pt,Rh,Irの錯体、具体的にはRh錯体と
してトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウムクロ
ライド、カルボニウムトリス(トリフェニルフォスフィ
ン)ロジウム(I)ハイドライド、クロロビス(シクロ
オクテン)ロジウム(I)ダイマー、ロジウム(I)ジ
カルボニルアセチルアセトネート等、Pt錯体として白
金ビニルシロキサン、塩化白金酸等が挙げられるが、本
発明では特にケイ素−ケイ素結合切断防止の点からロジ
ウム金属錯体が好適に用いられる。
【0033】これらの化合物は、通常トルエン、キシレ
ン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ブタノール等の溶
剤に溶解した状態で使用することが好ましい。また、ヒ
ドロシリル化触媒の使用量は、金属として(A)成分の
ポリシランに対して0.0001〜1重量%の範囲とす
ることが好ましい。
【0034】本発明の架橋性ポリシラン組成物には、上
述した必須成分の他に、反応抑制剤、無機質充填剤、耐
熱性向上剤、着色剤、接着性向上剤等の添加剤を任意に
配合することができる。
【0035】本発明組成物は、上述した成分を通常の方
法に従い混合して得られ、バーコーターなどの製膜法に
より製膜し、70〜200℃の温度で0.5〜4時間加
熱することによって架橋し、溶剤不溶性の架橋ポリシラ
ンを得ることができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明を具体的に示す
が、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0037】[実施例1]下記式で示される両末端ビニ
ルシロキシ基メチルフェニルポリシラン(数平均分子量
5500)0.27g、1,3,5,7−テトラメチル
シクロテトラシロキサン0.005gをトルエン0.7
4gに溶解し、トリス(トリフェニルフォスフィン)ロ
ジウムクロライド(触媒A)のテトラヒドロフランの1
%溶液を0.26g添加し、バーコーターを用いて製膜
した。製膜後、100℃の温度条件下に3時間放置し、
架橋ポリシラン膜を得た。
【0038】
【化7】
【0039】得られた架橋ポリシラン膜のトルエン溶解
性を調べたところ、全く不溶であることがわかった。ま
た、鉛筆硬度試験においてはHであった。
【0040】[実施例2〜4]触媒としてカルボニウム
トリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(I)ハ
イドライド(触媒B)、クロロビス(シクロオクテン)
ロジウム(I)ダイマー(触媒C)、ロジウム(I)ジ
カルボニルアセチルアセトネート(触媒D)を用いた以
外は実施例1と同様に実験を行った。なお、参考として
架橋前のポリシラン膜についても同様に実験を行った。
【0041】この結果、架橋前のポリシラン膜はトルエ
ンに可溶であり、鉛筆硬度試験においては2Bであるの
に対し、実施例の架橋ポリシラン膜はいずれもトルエン
に不溶であり、鉛筆硬度試験においてはHであった。
【0042】[実施例5〜8]オルガノハイドロジェン
シランとしてトリス(メチルフェニルシリル)フェニル
シランを用い、上記触媒A(実施例5)、触媒B(実施
例6)、触媒C(実施例7)、触媒D(実施例8)を用
いて実施例1と同様に実験を行った。
【0043】その結果、いずれの架橋ポリシラン膜もト
ルエンに不溶であり、鉛筆硬度実験においてはHであっ
た。
【0044】[実施例9,10]触媒として白金ビニル
シロキサントルエン溶液(白金1.0重量%)(実施例
9)、塩化白金酸ブタノール溶液(白金1.0重量%)
(実施例10)を用いた以外は実施例1と同様に実験を
行った。
【0045】その結果、いずれの架橋ポリシラン膜もト
ルエンに不溶であり、鉛筆硬度試験においてはHであっ
た。また、IR分析において、シロキサン生成が確認さ
れた。
【0046】
【発明の効果】本発明の架橋性ポリシラン組成物は、ポ
リシラン鎖を切断することなく架橋反応が可能であり、
ポリシランの性質をそのまま備えた溶剤不溶性で強靭な
硬化皮膜を与えるもので、摩耗性・強度等の耐久性が要
求される材料への応用に有効なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅原 寿 神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1号 信越化学工業株式会社コーポレートリサ ーチセンター内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)両末端アルケニルシロキシポリシ
    ラン類、(B)一分子中に少なくとも3個のヒドロシリ
    ル基を有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒を含有
    することを特徴とする架橋性ポリシラン組成物。
  2. 【請求項2】 ヒドロシリル化触媒がロジウム金属錯体
    である請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 両末端アルケニルシロキシポリシラン類
    が、下記一般式(1) 【化1】 (但し、式中Aは炭素数1〜12のアルケニル基、
    R1、R2、R3、R4、R5及びR6はそれぞれ同一又は異
    種の置換又は非置換の炭素数1〜12のアルキル基又は
    アリール基、n、m、pはそれぞれ0≦n≦10、0≦
    m≦10、n+m≧10、p≧1を満足する整数であ
    る。)で示されるものである請求項1又は2記載の組成
    物。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3記載の架橋性ポリシ
    ラン組成物を加熱硬化してなる硬化物。
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