JPH0669997B2 - アミン誘導体 - Google Patents

アミン誘導体

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JPH0669997B2
JPH0669997B2 JP2086948A JP8694890A JPH0669997B2 JP H0669997 B2 JPH0669997 B2 JP H0669997B2 JP 2086948 A JP2086948 A JP 2086948A JP 8694890 A JP8694890 A JP 8694890A JP H0669997 B2 JPH0669997 B2 JP H0669997B2
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長三 井上
秀一 内條
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、新規な液晶を呈する化合物、その製造法お
よびこれら化合物を使用した液晶素子を提供するもので
ある。
〔従来の技術とその課題〕
液晶化合物として数多く知られているのものに、ネマチ
ック液晶と呼ばれているのものがある。このものは、現
在液晶表示装置に使用される化合物又は組成物の主流を
成しているけれども、短所の一つに、応答速度が遅く、
数msecのオーダーの応答速度しか得られないということ
があり、そのため表示の大型化に対して限界に近づいて
いるといわれている。
このような従来型の液晶表示素子の欠点を改善するもの
として、双安定性を有する液晶の使用がクラーク及びラ
ガウェルにより提案されている(特開昭56-107216
号)。この双安定性を有する液晶は、強誘電性液晶と呼
ばれ、高速応答性とメモリ性が得られることが注目さ
れ、特に近年において、その実用化の検討が活発であ
り、実用強誘電性液相物質の開発が急務になっている。
一般に、強誘電性液晶は、光学活性部位を有する化合物
で、かつその分子長軸が層の法線方向からチルトした分
子配向を有する一連のスメクチック相において発現され
る。中でも、キラルスメクチックC(以下SC と略記す
る)相は、比較的低電圧動作性のため実用上優位とされ
る。
このように強誘電性液晶は、自発分極を有するために非
常に速い応答速度を有する上に、メモリ性のある双安定
状態を発現させることができ、さらに視野角が優れてい
ることから、大容量大画面のディスプレイ用材料として
適している。
このような強誘電性液晶として1975年、R.B.Meyerらに
より合成された4-(4-デシルオキシベンジリデンアミ
ノ)桂皮酸‐2-メチルブチルエステル(以下DOBAMBCと
略記する。)が知られている(J.Physique 36 L−69
(1975))。
このDOBAMBCは、シッフベースを構造内に含むため、そ
の化学的安定性に難がある。そこで、強誘電性液晶材料
として、物理的、化学的に安定な種々の化合物が探索さ
れ、現在、4-(4-nアルキルオキシフェニル)‐1-カル
ボン酸‐2-メチルブチルエステル(以下CNと略記す
る。)を始めとするエステル系化合物の探索にその主力
が移ってきている。しかし、このCNを始めとするエステ
ル系化合物は、SC 相を示さないか、示したとしてもそ
のSC 相を示す温度範囲が狭く、しかも液晶を加熱、冷
却したときで異なる相系列を示すモノトロピック液晶で
あるため、実用に耐えるものは少ない(Liquid Crysta
ls and Ordered Fluids 4(1984))。
一方、ヘテロ原子を含む強誘電性液晶化合物は数多く知
られてるが、窒素原子を含む化合物としては、ピリミジ
ン環などのヘテロ環として含むもの(特開昭61-22072,2
4576,129170)、およびDOBAMBCを始めとしたシッフ塩基
などを結合基として含むものが知られている。
結合基として窒素原子を含む化合物のうち、シッフ塩基
は先に述べたように化学的安定性に難がある。また、ア
ミド結合を含む化合物は一般に融点が高く、液晶性を示
しにくいため有効とは言えなかった。
アミンの形で窒素原子を導入した例としては、まず、ア
ルキル鎖中にトラネキサム酸を原料としてアミンを導入
し、安価で広い液晶温度範囲を示す液晶化合物を提供し
た例がある(特願平1-158993)。また、芳香族アミンと
して導入した例として、芳香族2級アミンを導入した例
がある(特開昭63-2961、特開平2-53756)。
しかし、液晶性を示す温度範囲が狭く、しかも高温で示
す例が開示されているだけで、実用段階にはまだ至って
いない。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は化学的に安定で、かつ広い温度範囲で液晶性を
示す新規なアミン誘導体を提供することを目的とする。
更に、アルキル基の種類の変更が容易な言N,N-ジ置換ア
ミン誘導体を中間体とした新規な液晶化合物の製造方法
を提供する。また、アルキル基の種類および長さおよび
エステル基の種類を容易に変更でき、液晶状態において
発現する液晶相の種類や温度範囲の制御が可能な液晶化
合物、およびそれを少なくとも1種類配合成分として含
有する液晶組成物を提供する。
本発明ではN,N-ジ置換アミン誘導体を中間体として、こ
れにビフェニル誘導体を反応させエステル化を行なうこ
とにより、広範囲に亘る温度範囲で安定した液晶性を示
す化合物を合成することに成功した。
すなわち一般式(I) 〔式中R1は炭素数1〜12の不斉炭素を有するアルキル基
を表わし、その一部がハロゲンで置換されたものも含
み、 R2はメチル又はエチル基を表わし、 R3は炭素数1〜20の直鎖アルキル基を表わし、 XはCOO又はOCOを表わし、 m,nはそれぞれ0又は1を表わす。〕 で表わされる化合物のR1,R2,R3,m,n,Xの値の組み合わせ
を変えることによって、さまざまな液晶性を示す化合物
を得ることが可能になった。
本発明のアミン誘導体は、芳香族環を隣接したN,N-ジ置
換アミン誘導体部分、 とビフェニル誘導体部分 の2つに分けられ、この2つがXで表わされるエステル
結合により結びついている。
R1についていえば、炭素数1〜12の不斉炭素を有するア
ルキル基であり、その一部がハロゲン置換されたものも
含み、好ましくは炭素数3〜8である。R1は具体例とし
ては、2-オクチル基、2-クロルプロピル基、(S)‐2
−メチルブチル基などが挙げられ、(S)‐2-メチルブ
チル基は、安価に入手できる点で好ましい。
このようにR1で光学活性基を導入することにより、化合
物に強誘電性をもたせている。
R2は、メチル基又はエチル基である。メチル基において
好ましい結果が得られ、エチル基の場合も同様の効果が
得られる。R2の炭素数が3以上になると液晶性が低下し
好ましくない。
R3は炭素数1〜20の直鎖アルキル基を表わすが、炭素数
は7〜18が望ましく、炭素数が6以下又は19以上ではス
メクチック相の温度範囲が狭くなる傾向がある。
Xは、COO又はOCOを表わし、XがCOOのときはコレステ
リック性が増し、XがOCOのときは、スメクチック性が
増す傾向が見られる。
m,nはそれぞれ0又は1を表わすが、mが1のときは0
のときに比べ、エナンチオトロピックな液晶性を示す傾
向が強い(実施例1〜7と実施例8,9参照)。さらにn
が1のときは0のときに比べて低融点化の傾向があり実
用化の点で好ましい(実施例1と実施例2〜9参照)。
本発明の化合物は、次の製造方法に従って製造すること
ができる。
まず一般式(I)において、Xで表わされるエステル結
合がCOOであるか又はOCOであるかによって、製造方法が
異なる。X=COO(一般式(Ia)で表わされる)の場合
は、3級アミン誘導体部分のフェニル基のパラ位にカル
ボキシル基が付いたもの(一般式(II)に表わされる)
と、ビフェニル誘導体のビフェニル基の4位に水酸基が
付いたもの(一般式(III)で表わされる)を反応させ
る。X=OCO(一般式Ibで表わされる)の場合は、上述
のカルボキシル基と水酸基が入れ替わった化合物(一般
式(IV),(V)で表わされる)を同様に反応させるこ
とにより得られる。すなわち、XがCOOで表わされる化
合物の場合は一般式(II) で表わされる化合物又はその塩と、一般式(III) で表わされる化合物をエステル化することにより、一般
式(Ia) 一般式(Ia) 〔式中R1は炭素数1〜12の不斉炭素を有するアルキル基
を表わし、その一部がハロゲンで置換されたものも含
み、 R2はメチル又はエチル基を表わし、 R3は炭素数1〜20の直鎖アルキル基を表わし、 m,nはそれぞれ0又は1を表わす。〕 で表わされる化合物を得る。
またXがOCOで表わされる化合物の場合は一般式(IV) で表わされる化合物又はその塩と、一般式(V) で表わされる化合物をエステル化することにより、一般
式(Ib) 〔式中R1は炭素数1〜12の不斉炭素を有するアルキル基
を表わし、その一部がハロゲンで置換されたものも含
み、 R2はメチル又はエチル基を表わし、 R3は炭素数1〜20の直鎖アルキル基を表わし、 m,nはそれぞれ0又は1を表わす。〕 で表わされる化合物を得ることができる。
エステル化は、ジシクロヘキシルカルボジイミド(以下
DCCと略す)あるいは塩化チオニルを用いて行なう。
一般式(II)及び(IV)で表わされるアミン中間体は、
各々相当する活性水酸基に保護基を付けた後、R1,R2
相当するアルキル基をもったハロゲン化アルキルを水素
化ナトリウムなどの塩基を用いてN-アルキル化すること
により得られる。
すなわち、一般式(II)で表わされる化合物は、まず相
当する市販の一級アミンを原料として用いアミンの保護
基としてt-ブチルオキシカルボニル基などを導入し、R2
に相当するハロゲン化アルキルでN-アルキル化を行な
い、同時にエステル化することで、カルボキシル基の保
護基を形成することができる(第1図(A)参照)。次
いで塩酸で脱保護し、R1に相当するハロゲン化アルキル
でN-アルキル化し、最後にエステルを加水分解して化合
物(II)を得ることができる(第1図(B)参照)。
特にm=0の場合で、R2がメチルのときは市販のN-メチ
ルアミノ安息香酸を用い、メタノールあるいはエタノー
ルでエステル化することで1ステップ反応を短縮するこ
とが可能である(第1図(C)参照)。(IV)で示され
る化合物は、m=1のときはニトリルの還元、m=0の
ときはニトロ基の還元によってアミン部位を導き(第2
図(D),(E)参照)、(II)の場合とほぼ同様にフ
ェノール性水酸基とアミン部分に保護基を付けた後、
R1,R2に相当するハロゲン化アルキルでN-アルキル化し
て得ることができる(第2図(F)参照)。このとき、
フェノール性水酸基の保護基を必要とするが、m=1の
ときはp-トルエンスルホニル基、m=0のときはベンジ
ル基を用いることで、還元反応及び脱保護反応を収率よ
く行なうことができる。
第1図、第2図にアミン中間体(II),(IV)を経由し
た一般式(Ia),(Ib)で表わされる化合物の反応ルー
トを示す。
上述した方法において製造した化合物は、カラムクロマ
トグラフィーおよび再結晶にて精製する。
一般式(III)で表わされる化合物は、特願平1-158993
に示された方法と同様にして得ることができる。また一
般式(V)で表わされる化合物は市販のものを用いるこ
とが可能である。
〔作用〕
本発明における一般式(I) 〔式中R1は炭素数1〜12の不斉炭素を有するアルキル基
を表わし、その一部がハロゲンで置換されたものも含
み、 R2はメチル又はエチル基を表わし、 R3は炭素数1〜20の直鎖アルキル基を表わし、 XはCOO又はOCOを表わし、 m,nはそれぞれ0又は1を表わす。〕 の化合物は低融点で且つ非常に安定な液晶性を示すアミ
ン誘導体である。
特に、メチレン基をはさんで存在するアミノ基をもつ化
合物(一般式(I)においてm=1の化合物)において
は、エナンチオトロピックな液晶性を示すがこれはアミ
ノ基が分子の分極を促し、液晶配列を取り易くしている
ため推定される。又、芳香族アミンの形で存在するアミ
ノ基をもつ化合物(一般式(I)においてm=0の化合
物)においては、一般式(I)におけるXの値によって
液晶性が大きく異なっている(実施例8,9参照)。この
ことは、ベンゼン環を介しての共役系が、分子の分極状
態および液晶配列状態に大きく関与しているためと考え
られる。
これらのことから、分子内にアミンを有する化合物は、
強い分子間水素結合をもつアミド結合などと異なり液晶
性を向上させる効果をもつことがわかった。
さらに、窒素原子の近傍に不斉炭素を導入することによ
って、安定かつ広い温度範囲で強誘電性を発現させる効
果がある。
本発明の化合物は、上記理由により応答性、メモリ性に
優れた液晶表示素子の利用可能性を有する新規なアミン
誘導体である。
また本発明の化合物は、既に知られている強融電性液晶
と配合して強融電性を示す温度領域を上下に広げたり、
応答性を改善したりすることができ、又光学活性でない
液晶に配合して強融電性を持たせたりすることができ
る。
[実施例] 以下、実施例により本発明の化合物について更に詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。
以下、Cry,Ch,SA,SC ,Iso相はそれぞれ結晶、コレステ
リック相、スメクチックA相、キラルスメチックC相、
等方性液体を示し、SXはスメクチック相の高次構造を示
す。
本発明の化合物の精製はシリカゲルクロマトグラフィー
およびアルコール、ヘキサン等による再結晶にて行なっ
た。
以下に示す相転移点の測定値は、物質の純度により若干
の影響を受けることもある。
〔実施例1〕 4-〔N-(S)‐2-メチルブチル‐N-メチルアミノメチ
ル〕‐安息香酸4″‐ヘプチルオキシカルボニル‐4′
‐ビフェニルエステルの合成。
(1−1)4-(N-t-ブチルオキシカルボニルアミノメチ
ル)安息香酸の合成。
4-アミノメチル安息香酸7.6gをジオキサン‐水(2:1)1
50mlに溶解し、氷冷下1モル水酸化ナトリウム水溶液50
mlとジ‐t-ブチルジカーボネート12.0gのジオキサン(2
5ml)溶液を10分間を要して滴下した。室温に戻し、2.5
時間攪拌した後、反応液を外温50〜60℃の水溶上でおよ
そ1/3に減圧濃縮し、氷冷下1N塩酸およそ40ml滴下し、p
H3〜4に調整した。酢酸エチル(40ml×3)で抽出し、
有機層を精製水(30ml)、飽和食塩水(30ml)で洗浄
し、硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を減圧留去した。得
られた粗結晶をイソプロピルエーテルで洗浄した後、酢
酸エチルから再結晶することにより無色粉末の4-(N-t-
ブチルオキシカルボニルアミノメチル)安息香酸9.9g
(収率79%)を得た。
(1−2) 4-(N-t-ブチルオキシカルボニル‐N-メチ
ルアミノメチル)安息香酸メチルエステルの合成。
(1−1)で得た化合物8.8gとヨウ化メチル17.4mlをDM
F(80ml)に溶解し、氷冷下ゆっくり攪拌しながら60%
水素化ナトリウム4.2gを少しずつ加えた。
室温に戻し、一夜攪拌を続けた後エチルエーテル80mlで
希釈し、氷冷下精製水5mlを滴下した。有機層を精製水
(20ml×3)、飽和炭素水素ナトリウム水溶液(20m
l)、飽和食塩水(20ml)で順次洗浄後、硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、溶媒を減圧留去することにより黄色油状
の粗4-(N-t-ブチルオキシカルボニル‐N-メチルアミノ
メチル)安息香酸メチルエステル12.2g(収率100%)を
得た。
(1−3) 4-(N-(S)‐2-メチルブチル‐N-メチル
アミノメチル)安息香酸メチルエステルの合成。
(1−2)で得た化合物12.2gに氷冷下4N塩酸‐酢酸エ
チル溶液20mlを加え、1時間撹拌した後、生じた結晶を
取し、4-(N-メチルアミノメチル)安息香酸メチルエ
ステル塩酸塩6.8g(収率90%)を得た。得られた結晶6.
5gをDMF30mlに溶解し、氷冷下トリエチルアミン4.2ml、
(S)‐2−メチルブチルブロミド5.0gを加えた。60%
水素化ナトリウム1.3gを少しずつ加え、80℃で1〜2時
間加温した。冷後、エチルエーテル80mlで希釈し、精製
水5mlをゆっくりと滴下した。有機層を精製水(20m
l)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20ml)、飽和食
塩水(20ml)で順次洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し
溶媒を減圧留去した。
得られた黄色油状物80gのシリカゲルを用いてカラムク
ロマトグラフィーに付し、酢酸エチル‐ヘキサン(1:
6)の留分から無色油状の4-(N-(S)‐2-メチルブチ
ル‐N-メチルアミノメチル)安息香酸メチルエステル3.
9g(収率52%)を得た。
(1−4) 4-(N-(S)−2-メチルブチル‐N-メチル
アミノメチル)安息香酸塩酸塩の合成。
(1−3)で得た化合物3.9gを6N塩酸10mlに溶解し、50
℃で6時間撹拌した。溶媒を減圧留去した後、イソプロ
パノール‐エーテルから再結晶し、無色粉末の4-(N-
(S)‐2-メチルブチル‐N-メチルアミノメチル)安息
香酸塩酸塩3.4g(収率80%)を得た。
(1−5) 目標化合物の合成。
(1−4)で得た化合物147mgと、常法により得られた4
-ヒドロキシ‐4′‐ビフェニルカルボン酸ヘプチルエ
ステル185mgをジクロロメタン3mlに溶解し、ジシクロヘ
キシルカルボジイミド134mgと4-ピロリジノピリジン8mg
を加え、室温で一夜攪拌した。溶媒を減圧留去し、酢酸
エチル20mgを加えてしばらく攪拌後過した。得られた
結晶を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液30mlに溶解し、不
溶物を除いた後、酢酸エチル(20ml×3)で抽出した。
有機層を飽和食塩水(20ml)で洗浄し、硫酸マグネシウ
ムで乾燥後溶媒を減圧留去した。
得られた粗結晶をヘキサンから2回再結晶して無色粉末
の標記化合物43mg(収率15%)を得た。
得られた化合物は、1H-NMR,IRでその構造を確認した。
次に、この物質の相転移温度を測定した結果を第1表に
示す。相転移温度は、偏光顕微鏡による目視観察と示差
走査熱量計を併用して判定した。
さらに、第1表に自発分極の値を併記した。自発分極の
測定は以下の方法に依った。
(自発分極の測定) 化合物を加熱して等方性液体とした後、ポリイミドを塗
布しラビング処理を施した透明電極付ガラス板からなる
厚さ3.3μmのセルに注入し、等方性液体の状態からゆ
るやかに降温し、スメクチック相を配向させた。さらに
この状態から温度を低下させSC 相が発現する温度より
10℃下がった温度で三角波電圧印加方(Miyasato et a
l.,Japanese Journal of Applied Physics,Vol.22,No.1
0,p.L661,1983)により自発分極値を測定した(印加電
圧30Vp-p,50Hz)。
〔実施例2〜6〕 4-(N-(S)‐2-メチルブチル‐N-メチルアミノメチ
ル)安息香酸4″‐アルコキシ‐4′‐ビフェニルエス
テルの合成。
一般式(I)においてXがCOO、mが1、R1,R2,R3,nが
それぞれ第1表に示す基である実施例2〜6の化合物を
実施例1と同様にしてそれぞれ合成した。
得られた化合物はそれぞれ1H-NMRおよびIRでその構造を
確認した。
これらの化合物について実施例1に示した方法で相転移
温度、自発分極を測定した結果を第1表に示す。
〔実施例7〕 4-テトラデシルオキシ‐4′‐ビフェニルカルボン酸4-
〔N-(S)‐2-メチルブチル‐N-メチルアミノメチル〕
フェニルエステルの合成。
(7−1) 4-アミノメチルフェニルトシレートの合
成。
p-シアノフェノール3.64gをジクロロメタン60mlに溶解
し氷冷下トリエチルアミン4.2mlとp-トルエンスルホニ
ルクロリドのジクロロメタン溶液(10ml)を滴下し、室
温で2時間撹拌した。反応液を精製水(10ml×2)、飽
和食塩水(10ml)で順次洗浄後、硫酸マグネシウムで乾
燥し、溶媒を減圧留去して4-シアノフェニルトシレート
の粗結晶8.0gを得た。
リチウムアルミニウムヒドリド2.28gをTHF200mlに懸濁
し、氷冷下、濃硫酸3.1gのTHF(20ml)溶液を滴下して
室温で1時間撹拌した溶液に、4-シアノフェニルトシレ
ート8.0gのTHF(80ml)溶液を滴下し、50℃で2時間加
温した。再び氷冷し、THF-精製水(1:1)30mlをゆっく
り滴下し気体の発生が静まるまで攪拌し、さらに10%水
酸化ナトリウム水溶液50mlを加えた。有機層を分液し、
水層をエーテル(50ml×2)で抽出した。有機層を合わ
せて精製水(30ml×2)、飽和食塩水(30ml)で洗浄
後、硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を減圧留去して4-ア
ミノメチルフェニルトシレートの粗結晶8.8g(収率100
%)を得た。
(7−2) 4-〔N-(S)−2-メチルブチル‐N-メチル
アミノメチル〕‐フェニルトシレートの合成。
(7−1)で得た化合物を用い、(1−1)〜(1−
3)に記した手法でN-アルキル化し、無色油状の4-〔N-
(S)‐(2)‐メチルブチル‐N-メチルアミノメチ
ル〕‐フェニルトシレートを得た。
(7−3) 4-〔N-(S)−2-メチルブチル‐N-メチル
アミノ〕‐フェノール塩酸塩の合成。
(7−2)で得た化合物785mgをエタノール‐0.5N水酸
化ナトリウム水溶液混合液(1:1)100mlに溶解し、2時
間加熱還流した。反応液を氷冷し、酢酸で中和した後エ
ーテル(50ml×3)で抽出した。有機層を飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液(50ml)、飽和食塩水(50ml)で順次
洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去し
た。残留物に4N塩酸‐酢酸エチル溶液10mlを加え、再び
溶媒を減圧留去して、4-〔N-(S)‐2-メチルブチル‐
N-メチルアミノ〕‐フェノール塩酸塩350mg(収率66
%)を得た。
(7−4) 目標化合物の合成 (7−3)で得た化合物350mgと、常法により得られた4
-テトラデシルオキシ‐4′‐ビフェニルカルボン酸687
mgを用い、(1−5)に記した手法で標記化合物200mg
(収率24%)を得た。
得られた化合物は1H-NMR,IRでその構造を確認した。さ
らに、実施例1に示した方法で相転移温度、自発分極を
測定した結果を第1表に示す。
〔実施例8〕 4-〔N-(S)‐2-メチルブチル‐N-メチルアミノ〕安息
香酸4-オクチルオキシ‐4′−ビフェニルエステルの合
成。
(8−1) 4-〔N-(S)‐メチルブニル‐N-メチルア
ミノ〕安息香酸塩酸塩の合成。
メタノール20mlを−10℃に冷却し、塩化チオニル3mlを
滴下し10分攪拌後、市販の4-メチルアミノ安息香酸4.0g
を加え、室温で一夜攪拌した。溶媒を減圧留去し、Et2O
(10ml)を加えて生じた結晶を取して4-メチルアミノ
安息香酸塩酸塩5.0g(収率93%あを得た。次いで、(1
−2),(1−3)に記した手法を用いて、4-〔N-
(S)‐2−メチルブチル‐N-メチルアミノ〕安息香酸
メチルエステルを経て、4-〔N-(S)‐2-メチルブチル
‐N-メチルアミノ〕安息香酸塩酸塩を得た。
(8−2) 目標化合物の合成。
(8−1)で得た化合物221mgを四塩化炭素5mlに溶解
し、塩化チオニル0.2mlとN,N-ジメチルホルムアミド1
滴を加えて1時間加熱還流した。溶媒を減圧留去して得
られた残留物をトルエン5mlに溶解し、氷冷下常法によ
り得られた4-オクチルオキシ‐4′‐ヒドロキシビフェ
ニルのトルエン(5ml)‐ピリジン(1ml)溶液に滴下
し、さらに1時間加熱還流した。
冷後、酢酸エチル(30ml)で希釈し、精製水(10ml×
2)、飽和食塩水(10ml)で順次洗浄後、硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残留物を
30gのシリカゲルを用いてカラムクロマトグラフィーに
付し、10%酢酸エチル‐ヘキサンの留分を濃縮、ヘキサ
ンから再結晶して無色針状の標記化合物120mg(収率24
%)を得た。
得られた化合物は、1H-NMR,IRでその構造を確認した。
さらに、実施例1に示した方法で相転移温度を測定した
結果を第1表に示す。
〔実施例9〕 4-オクチルオキシ‐4′‐ビフェニカルボン酸4-〔N-
(S)‐2-メチルブチル‐N-メチルアミノ〕フェニルエ
ステルの合成。
(9−1) 4-ベンジルオキシアニリン塩酸塩の合成。
p-ニトロフェノール4.17gをエタノール40mlに溶解し、
炭酸カリウム2.5gとベンジルブロミド3.9mlを加えて1.5
時間加熱還流した。
反応液を冷却し、析出した結晶を取し、精製水で洗浄
した。得られた粗結晶をエタノールから再結晶して無色
針状のp-ニトロフェノールベンジルエーテル6.4g(収率
94%)を得た。
得られたp-ニトロフェノールベンジルエーテル2.3gを酢
酸20mlに懸濁し、亜鉛粉末2.0gを加え、室温で一夜攪拌
した。不溶物を除き、反応液を濃縮した後、酢酸エチル
50mlを加え、10%水酸化ナトリウム水溶液(20ml)、飽
和食塩水(2ml)で順次洗浄後、硫酸マグネシムで乾燥
し、溶媒を留去した。残留物を再び4N酸塩‐酢酸エチル
溶液20mlに溶解し、溶媒を留去して4-ベンジルオキシア
ニリン塩酸塩の粗結晶1.5g(収率63%)を得た。
(9−2) 4-〔N-(S)−2-メチルブチル‐N-メチル
アミノ〕フェノールベンジルエーテルの合成。
(9−1)で得た化合物を用い、(1−1)〜(1−
3)に記した手法でN-アルキル化し、無色油状の4-〔N-
(S)‐2-メチルブチル‐N-メチルアミノ〕フェノール
ベンジルエーテルを得た。
(9−3) 4-〔N-(S)−2-メチルブチル‐N-メチル
アミノ〕フェノールの合成。
(9−2)で得た化合物1.0gとパラジウムブラック100m
gをエタノール10mlに溶解し、シクロヘキセン2mlを加え
て1時間加熱還流した。不要物を除いた後、溶媒を減圧
留去して、淡黄色油状の4-〔N-S)‐2-メチルブチル‐N
-メチルアミノ〕フェノール610mg(収率86%)を得た。
(3−4) 目標化合物の合成。
常法により得られた4-オクチルオキシ‐4′‐ビフェニ
ルカルボン酸652mgと、(9−3)で得た化合物290mgを
用い、(8−2)に記した手法で標記化合物580mg(収
率77%)を得た。
得られた化合物は1H-NMR,IRでその構造を確認した。さ
らに実施例1に示した方法で相転移温度、自発分極を測
定した結果を第1表に示す。なお実施例1〜9で得られ
た化合物の1H-NMR,IRのデータを第2表に示す。
〔発明の効果〕 以上例示したように、本発明の化合物は極めて広範な温
度領域において強誘電性を呈する。したがって、単独に
あるいは他のネマチック、スメクチックあるいは強誘電
性液晶と適切に配合されて、実用温度領域において電気
光学的効果を応用した液晶表示素子の材料として、有用
な新規な化合物を簡単に廉価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は一般式(Ia)で表わされる化合物の反応ルート
を示し、第2図は、一般式(Ib)で表わされる化合物の
反応ルートを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 229/60 C09K 19/20 9279−4H G02F 1/13 500 9225−2K

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 〔式中R1は炭素数1〜12の不斉炭素を有するアルキル基
    を表わし、その一部がハロゲンで置換されたものも含
    み、 R2はメチル又はエチル基を表わし、 R3は炭素数1〜20の直鎖アルキル基を表わし、 XはCOO又はOCOを表わし、 m,nはそれぞれ0又は1を表わす。〕 で表わされるアミン誘導体。
  2. 【請求項2】一般式(II) 〔式中R1は炭素数1〜12の不斉炭素を有するアルキル基
    を表わし、その一部がハロゲンで置換されたものを含
    み、 R2はメチル又はエチル基を表わし、 mは0又は1を表わす。〕 で表わされる化合物又はその塩と、一般式(III) 〔式中R3は炭素数1〜20の直鎖アルキル基を表わし、n
    は0又は1を表わす。〕 で表わされる化合物を反応させることを特徴とする、 一般式(Ia) 〔式中R1は炭素数1〜12の不斉炭素を有するアルキル基
    を表わし、その一部がハロゲンで置換されたものも含
    み、 R2はメチル又はエチル基を表わし、 R3は炭素数1〜20の直鎖アルキル基を表わし、 m,nはそれぞれ0又は1を表わす。〕 で表わされるアミン誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】一般式(IV) 〔式中R1は炭素数4〜12は不斉炭素を有するアルキル基
    を表わし、その一部がハロゲンで置換されたものも含
    み、 R2はメチル又はエチル基を表わし、 mは0又は1を表わす。〕 で表わされる化合物又はその塩と、一般式(V) 〔式中R3は炭素数1〜20の直鎖アルキル基を表わし、n
    は0又は1を表わす。〕 で表わされる化合物を反応させることを特徴とする、 一般式(Ib) 〔式中R1は炭素数1〜12の不斉炭素を有するアルキル基
    を表わし、その一部がハロゲンで置換されたものも含
    み、 R2はメチル又はエチル基を表わし、 R3は炭素数1〜20の直鎖アルキル基を表わし、 m,nはそれぞれ0又は1を表わす。〕 で表わされるアミン誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項(1)記載のアミン誘導体を少なく
    とも一種配合成分として含有した組成物を使用すること
    を特徴とする液晶素子。
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