JPH0670924B2 - 垂直磁気記録媒体 - Google Patents

垂直磁気記録媒体

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JPH0670924B2
JPH0670924B2 JP59236661A JP23666184A JPH0670924B2 JP H0670924 B2 JPH0670924 B2 JP H0670924B2 JP 59236661 A JP59236661 A JP 59236661A JP 23666184 A JP23666184 A JP 23666184A JP H0670924 B2 JPH0670924 B2 JP H0670924B2
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film
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孝雄 鈴木
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は垂直磁気記録方式において使用する磁気記録媒
体(特に磁気光記録媒体)に関する。
[従来の技術及び発明が解決すべき問題点] 従来、薄膜面と垂直な方向に磁化容易軸を有する強磁性
薄膜としてMnBi、MnCuBi、CoCrなどの多結晶金属薄膜、
GIGに代表される化合物単結晶薄膜、Gd-Co、Gd-Fe、Tb-F
e、Dy-Feなどの希土類遷移金属非結晶質薄膜などが知ら
れている。
本発明はこれら以外の特に希土類遷移金属微細結晶質合
金薄膜に関するものである。
一般に非晶質膜は、多結晶薄膜のようにノイズの原因と
なるような結晶粒界が存在しない、広い膜を容易に製作
できるなどの特長を有し、光磁気記録材料として好都合
であるとされてきた。
希土類遷移金属非晶質合金が光磁気記録媒体として使用
される為には、磁化容易方向が膜面に対して垂直方向に
向いていることが要求される。垂直磁気異方性は、いか
なる場合にも誘起できるものではなく、むしろ、磁性薄
膜の反磁界の発生により膜面に平行な方向へ配向する傾
向を示す。垂直磁化膜を得るためには、この反磁界のエ
ネルギーに打ち勝つだけの異方性エネルギーを付与する
ことが必要である。
得られる薄膜の垂直磁気異方性の程度は、一軸異方性定
数Kuの大きさによって表現でき、垂直磁化膜となるため
には、このKuと反磁界エネルギー2πMs2(Msは飽和磁
化)との間にKu>2πMs2の関係を満足しなければなら
ないとされている。
垂直磁気記録媒体では一般に高い記録密度が要求され、
微小な磁区が安定して保持されるためにはMsが大きく、
かつ十分に大きなKuが得られることが大へん重要であ
る。また、光磁気ディスクではレーザ光を書込みパワー
として用いるが、これを可能とするためには100〜200℃
程度の十分に低いキュリー温度Tcとそれよりも十分に高
い結晶化温度Tcryを有し少なくともこの温度差は50℃好
ましくは100℃以上であることが要求される。
垂直磁化膜として最も良く知られている希土類−遷移金
属の組合せは重希土類元素と鉄である。代表的なものに
TbFe、GdFe、DyFe、GdTbFe、TbDyFeなどがある。例えば
TbFeはキュリー温度Tc=140〜250℃、カー回転角θK約
0.3°、飽和磁化Ms=50〜100emu/cc、垂直磁気異方性定
数Ku=105〜106erg/ccなどの特性を有する。
しかしこれらに用いられるTb,Dy,Gdなどの重希土類元素
は地殻中にわずかしか存在せず希少資源であり、また複
雑な分離工程を必要とし、大へん高価である。
また重希土類元素と鉄の原子磁気モーメントは反平行に
結合しているので飽和磁化Msやキュリー温度Tcの組成依
存性が大きく均質な製品を数多く生産することが困難で
ある。
一方Nb,Prなどの軽希土類元素は地殻中に重希土類元素
よりもはるかに多く存在している。このような希土類−
鉄垂直磁化膜がNb,Prなどの軽希土類元素を用いて作製
することができれば、資源的な問題は一掃されるのであ
る。
これまで軽希土類・鉄の非晶質合金の検討は例えばJ.J.
CroatがFe0.60Nd0.40やFe0.60Pr0.40付近の組成で液体
急冷法を用いてリボン合金を作製し、高い保磁力が得ら
れることから永久磁石としての可能性を論じている(Ap
pl.Phys.Lett.39(4).15.August.1981)。しかしこの
ような方法で得られるリボンは合金全体にわたって均質
なものは得られず、実質的に等方性のものしか得られて
いない。またリボンの厚さは33〜208μmであって記録
媒体として用いられるものではない。
また最近では、K.Tsutsumi等がFe61.5-Nd34-Ti4.5のス
パッタ薄膜が垂直磁気異方性を有することを報告してい
る(Jpn.J.Appl.Phys.23(1984),L169〜L171頁)。し
かしその特性はMs=430emu/cc、Ku=2×106erg/ccであ
った。またTiを含まないFeNdスパッタ薄膜については作
製条件は明らかでないが、薄膜の面内に異方性があるも
のしか報告されていない。
軽希土類元素及び鉄の非晶質薄膜は高い飽和磁化を有す
るがそのために薄膜の反磁界による作用に打ち勝つため
の垂直磁気異方性エネルギーを付与することはほとんど
不可能とされてきた。
(目的) 本発明は、軽希土類及び鉄を中心とする新規な垂直磁気
記録媒体(特に光磁気記録媒体)を提供することを基本
的目的とする。本発明はさらに上述の従来法に比し優れ
た特性を有する垂直磁気記録媒体を提供することをも目
的とする。
[課題を解決するための手段] (概要) すなわち、本発明は軽希土類及び鉄を中心とするまった
く新しい磁気記録媒体を提供するものである。本発明の
磁気記録媒体は鉄及び希土類元素、又はこれらとCo、を
中心とし、希土類元素としてNd,Prを主体とする軽希土
類元素を用い、薄膜内に数Å〜数100Åの微細結晶相を
含む垂直磁化薄膜である。
本願の第1の発明は(請求の範囲第1項)としての垂直
磁気記録媒体は、下記の特徴を有する。
即ち、25〜60原子%の希土類元素R(但し、Rの内70原
子%以上がNd及びRrの1種又は2種、なおRの残部は
Y、La、Ce、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er及びYbの一種以
上)、残部Feから成り、かつ薄膜の非晶質マトリックス
に数Å〜数100Åの微細結晶相を少なくとも含むこと、 垂直磁気異方性定数Kuが反磁界エネルギー2πMs2(Ms
は飽和磁化)より大きな垂直磁気異方性を有すること、 さらに結晶化温度Tcryとキュリー温度Tcとの温度差Tcry
-Tcが100℃以上であることを特徴とする。
本願の第2の発明(請求の範囲第2項)として、前記Fe
30原子%未満(全組成に対する)をCoにて置換した垂直
記録媒体が提供される(即ち全組成中Co30原子%未満と
なる)。
さらに本願の別の発明(請求の範囲第3項)としてCoを
含まない場合は所定量以外の他の元素M10原子%以下
(但しMはNi,V,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Bi,Al,Si,Pb,Sn及びSb
の一種以上)を含むこともでき、さらにCoを含む場合
(請求の範囲第4項)には、MとしてZrも含むことがで
きる。
以上は、式R(Fe,Co)Mで表わされ、R25〜60原子%、
M0〜10原子%、Co30原子%未満及び残部Feから成る組成
を成す。
本願の各発明による垂直磁気記録媒体は、基板上に金属
ガス凝集法による薄膜の形成において、上記の組成を有
する垂直磁気異方性を有する薄膜を基板温度を180℃〜
合金の結晶化温度以下の温度に保持すると共に、膜厚を
0.3〜3μmとする垂直磁気異方性を有する薄膜を形成
することにより製造できる。
(作用効果概要) 本発明者らは前述のような事情から微細結晶質薄膜の作
製条件を詳細に検討した。その結果資源が豊富で安価な
Nd,Prなどの軽希土類元素及び鉄を用いて、磁気異方性
定数Kuが磁界エネルギー2πMs2より大きく、安定して
十分な垂直磁化膜が得られる。反磁界エネルギーの値は
製造条件の設定により生ずる微細結晶の状態に応じて変
る。本発明の実施態様において、キュリー温度Tc=70〜
250℃、飽和磁化Ms約450emu/cc以上、条件設定に応じ垂
直磁気異方性定数Kuの値としては例えば1.5×106erg/cc
以上、さらに2.5〜7×106erg/cc以上、カー回転角θK
約0.3°以上の特性、即ち前述の重希土類−鉄非晶質薄
膜と同等またはそれ以上の特性を有する垂直磁化膜が得
られた。
既述の通り、垂直磁化膜となるためにはKu>2πMs2の
関係が成立つことが必要とされている。しかし本発明に
より明らかとなったことは磁区が小さく分かれておりそ
の場合には反磁界が見かけのそれよりも小さく、必ずし
も上記の条件を満足しなくとも垂直磁化膜となる(大
略、Ku≧0.6×2πMs2)が、本発明ではKu>反磁界エネ
ルギー2πMs2として十分安定した垂直磁化膜となる範
囲に限定したものである。
垂直磁化膜かどうかは第3図のように、膜に平行方向
()と直角方向(⊥)の磁化曲線を測定することによ
って知ることができる。
本発明において、NdやPrと鉄との組合せは各々の原子の
磁気モーメントが平行に結合した場合、重希土類元素・
鉄の場合よりも高い飽和磁化が得られ、記録の読み出し
精度が向上する。熱磁気書込みを行なう場合は、高い飽
和磁化はもれ磁束が利用できて外部から加えなければな
らない磁場が小さくても良い。さらにFeの一部をCoで置
換することはキュリー温度Tcを上昇させさらにカー回転
角θKを大きくし、θK約0.5°以上のものが得られ、
耐食性を改善する。
(好適な実施の態様) 本発明に用いる希土類元素Rとして、Rの内70%以上は
NdとPrを用い特にNdが望ましい。Rの残部は入手上の事
情などからCe、Y,Sm,Dy,Tb,Ho,Gd,La,Er,Ybなどその他
の希土類元素を含んだものを用いても良い。
Rは全体組成中25原子%以上含まれると、Tcry-Tcの温
度差が約100℃以上の垂直磁化膜となり(第2図)、レ
ーザによる書込みにとって十分な安定性を示す。またR2
5原子%以上では、製造条件に注意すれば容易にKuは反
磁界エネルギー2πMs2より大きくなり十分に安定な垂
直磁化膜となる。
なお、Rが全体の組成の31原子%(at%)以上では薄膜
面に垂直な磁気異方性定数Kuが2.5×106erg/cc以上とな
り好ましい範囲となる。
Rが60at%以上では活性は希土類元素を多く含むため薄
膜作成後の安定性に欠ける。従ってRの範囲は25〜60原
子%(好ましくは31〜60原子%)とする。Rが33〜55at
%はKu=3×106erg/cc以上のさらに好ましい範囲であ
り、特に好ましくは35〜45at%である(第8図参照)。
第2図は飽和磁化Ms及びキュリー温度Tcの組成(Nd量)
依存性を示す図であるが広い組成(Nd量)範囲にわたっ
て飽和磁化Ms及びキュリー温度Tcの変化の割合が小さ
く、重希土類元素鉄の場合と較べて遥かに安定した品質
の製品を容易に作製できる様子がわかる。また結晶化温
度Tcryも単調に変化することがわかる。
Rの残りは鉄を主体とするがFeを全組成中の30%未満Co
で置換することは磁気光記録媒体又は垂直磁化膜として
の特性を損なうことなく飽和磁化Ms、キュリー温度Tcの
上昇、カー回転角の増加や薄膜の耐食性を向上する効果
がある。CoをFeの50%以上置換することは結晶化温度Tc
ryとキュリー温度Tcの差が小さくなり、またカー回転角
も小さくなる。さらにターゲットがもろくなり製作が困
難となるため、Coの上限は全組成中30原子%未満とす
る。全Feに対するCo置換量は好ましくは、約8〜30原子
%未満(θK0.45°以上)、最も好ましくは約12〜27原
子%(θK0.5°以上)である。
全体の組成の10at%未満の元素M即ち、Ni,V,Ta,Cr,Mo,
W,Mn,Bi,Al,Pb,Sn,Sbなどの添加も垂直磁化膜としての
特性を損なわない。前記所定量のCoを含有する場合に
は、さらにZrの添加によっても、その特性を損なわな
い。
さらに、本発明の組成には全体の組成の10at%未満のTi
を含有させることもでき、本発明の方法に従えばKu3×1
06erg/ccのものを得ることができる。
また本発明による薄膜は飽和磁化Msが高いため、実施例
に示す条件下では垂直磁気異方性定数が1.5×106erg/cc
より大きければよい場合がある(第6、7図)。一般に
非晶質膜を作成するための基板を構成する基板材料は通
常ガラス、Al、ポリイミド系樹脂材、ポリエステル系樹
脂材などを用いるが、本発明の場合は微細結晶相を含む
垂直磁化膜を得るために基板の温度を180℃以上、該合
金組成の結晶化温度以下に保たなければならないのでこ
の温度に耐えるものを用いる。基板温度200〜300℃はKu
=3×106erg/cc以上が得られる好ましい範囲である
(第4図)。
薄膜の厚さは厚くなるに従ってKuが大きくなり、垂直磁
化膜を得るためには0.3μm以上必要であるが、3μm
をこえると均一な層が得難く、生産上好ましくない(第
6図)。
本発明による薄膜は金属ガス凝集法(いわゆる気相折着
法)により形成され、真空蒸着法、物理的析着法(スパ
ッタ法、イオンプレーティング法等)、CVD法等いずれ
の方法においても作製できるが、スパッタ法の場合アル
ゴンの圧力は2×10-1Torr付近の望ましい(第7図)。
スパッタの際に基板には基板と垂直方向に数〜数十Oeの
磁界が加わっていることが望ましい。この磁界は基板下
にとりつけた加熱用のシース線をソレノイド状に巻きつ
け、加熱電流として直流を用いることによって容易に得
ることができる。
本発明による薄膜の状態は約数Å〜約100Åの大きさの
微細結晶相が望ましい(第5図、第17図)。
また大きな飽和磁化を有することに基づき、光磁気ディ
スクとして熱磁気書込みを行う場合は囲りの部分からの
もれ磁束が利用できるため外部から加える磁場が小さく
ても良い。
[実施例] 以下に実施例を用いて詳細に説明する。薄膜は高周波ス
パッタ法を用いてAr雰囲気中でガラス基板上に作成し
た。
Arガスを導入する前にスパッタ容器内を5×10-7Torr以
上の真空にした。スパッタの速度は約2μm/hrであっ
た。スパッタ作成中は基板にはバイアス電圧を加えてい
ない。
基板の加熱は基板の下にとりつけた円筒状の銅製ボビン
の外周に巻回したシース線の電流を調整することにより
行った。
電流は直流を用いたため、基板上には約十Oeの磁界が発
生している。試料の磁気特性は最大磁場強さが20kOeの
トルク磁力計及び振動試料型磁力計(VSM)を用いた。
薄膜の構造解析はCu-Kα線を用いたX線回折と、透過式
電子顕微鏡によった。
(実施例1) 第1図にFe100-XNdX,X=18,30,35,38,40の組成でAr圧が
1〜2×10-1Torr、基板温度220〜290℃、膜厚5000Å〜
1.2μmの条件で作成した薄膜の磁化の温度依存性を示
す。
ここで磁化は容易磁化軸方向に飽和磁化させた後、VSM
で10kOeの磁場中で測定を行った。
キュリー温度TcはM2/T(M:磁化、T:温度)曲線の外挿線
が温度軸と交錯する点より求めた。
第1図中Tcryは結晶化温度を示す。
キュリー温度は350〜400K(77〜127℃)でDyFe(Tc約70
℃)、TbFe(Tc約140℃)とほぼ同等であった。
またキュリー温度(Tc)と結晶化温度(Tcry)の差がNd
≧30原子%で約200℃あることからレーザ光による熱磁
気書き込みが十分行えることが判る。
第2図は第1図のキュリー温度及び結晶化温度を組成
(Fe100-xNdx)と対比させたものである。キュリー温度
又はMsは広い組成範囲にわたってほとんど変化しないこ
とが判る。Nd≧25at%で温度差(Tcry-Tc)が約100℃以
上となり、Nd≧30at%で差≧200℃となる。
また第2図にはまた77K及び300Kでの飽和磁化のFe-Nd組
成依存性を示す。
(実施例2) Fe65Nd35及びFe60Nd40の組成で基板温度が240〜290℃、
Ar圧が1〜2×10-1Torrの条件で作成したスパッタ薄膜
を77K及び300Kで磁気特性を測定した。その結果を第3
図に示す。薄膜の垂直方向(⊥)及び水平方向()の
測定から77Kおよび30Kにおいてこれらの薄膜が垂直磁化
膜である様子がわかる。
これらの薄膜のカー回転角θKを求めたところ、θK=
0.3°が得られた。これは前述の重希土類元素−鉄非晶
質垂直磁化膜と同等以上であった。
(実施例3) Fe65Nd35の組成でAr圧1〜2×10-1Torr、厚さ6000〜12
650Åの薄膜を作成し、トルクメータで垂直磁気異方性
定数Kuを求めた。スパッタ中の基板温度は70〜330℃の
間で変化させた。その結果を第4図に示す。
Kuの値は基板温度が260〜290℃の最大値を示す。図中黒
丸は垂直磁化膜であることを示し、白丸はそうでないこ
とを表わす。基板温度Tsが結晶化温度Tcry(≒320℃)
よりも高い場合はもはや垂直磁化膜の性質を示さない。
(Ku≒0) 基板温度Tsが212℃、287℃、335℃の場合のスパッタ薄
膜のX線回折パターンを第5図に示す。Ts=335℃及び2
87℃の場合には、Nd2Fe17やNdに相当すると考えられる
鋭いピークが現われている。
電子顕微鏡の観察からもTs=212℃、287℃の場合には微
細結晶の粒子が存在し、Ts=335℃の場合には結晶化が
かなり進んでいることが判った。これらのことから垂直
磁気異方性を有するためには非晶質マトリックスに結晶
粒径約数Å〜約100Åの微細結晶相を含むことが好まし
いことがわかる。
(実施例4) Fe65Nd35の組成のスパッタ膜を基板温度210〜290℃、Ar
圧力1〜2×10-1Torrの条件で膜厚を変化させて作成
し、トルクメータで磁気異方性定数Kuを求めた結果を第
6図に示す。
第6図中黒丸は垂直磁化膜を示し、白丸は薄膜の膜面内
の異方性を有する場合である。第6図中の添数は基板の
温度を示す。膜厚D0.3μm以上でKu≧1.5×106erg/ccと
なり、さらに、膜厚D約0.7μm以上でKu≧2.5×106erg
/ccとなる。
(実施例5) Fe65Nd35を基板温度210〜290℃、膜厚6140〜1265Åの条
件でAr圧を変化させて作成したスパッタ膜の磁気異方性
定数KuのAr圧依存性を第7図に示す。
Ar圧は2×10-1TorrあたりでKuは鋭いピークを示すが、
相対的にAr圧力依存性は他の要因、すなわち基板温度や
膜厚ほど顕著ではない。なおこの条件下では2πMs2の
値が1.5×106erg/ccとなっていることからKu≧1.5×106
erg/ccで垂直磁化膜になることがわかる。
(実施例6) Fe100-XNdXにおいてX=18〜50の広い組成範囲において
基板温度250〜280℃、Ar圧1〜3×10-1Torr、膜厚6000
〜13000Åのスパッタ薄膜を作成し、垂直磁気異方性定
数Kuを求めた結果を第8図に示す。いずれも垂直磁化膜
となるが、Kuの値は組成にもなかり依存することがわか
る。Kuの最大値はNd40原子%辺りで得られ、1〜2×10
7erg/ccにも達する高い値を示す。
Nd量がこれより減少する場合、Kuは急激に低下し、31原
子%未満では2.5×106erg/cc未満になるがNd≧25at%で
は製造条件に注意すればKu>反磁界エネルギー2πMs2
を満足し、十分安定な垂直磁化膜となる。
(実施例7) Fe60Nd35M5の組成でMとしてHf,Bi,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,M
n,Al,Sb,Ge,Sn,Si,Pb,NiをTs=220〜290℃、Ar圧1〜2
×10-1Torr、膜厚6300〜11000Åを作成し磁気特性を測
定する。
いずれもKu≧2.5×106erg/cc、カー回転角0.3°以上の
垂直磁化膜が得られる。
(実施例8) Fe40Co25Nd35の組成で、Ts=240℃、Ar圧2×10-1Tor
r、膜厚7400Åを作成し、磁気特性を測定した。
いずれもKu≧2.5×106erg/cc以上の垂直磁化膜を得られ
た。
(実施例9) Fe60Nd25Pr15の組成でTs=260℃Ar圧1.5〜2×10-1Tor
r、膜厚7900Åのスパッタ薄膜を作成しKu2.5×106erg/c
c以上の垂直磁化膜が得られた。
(実施例10) Fe60Nd32Dy8、Fe58Nd32Ce10、Fe57Nd30Ce10V3の組成
で、Ts=240〜290℃、Ar圧1〜2×10-1Torr、膜厚7300
〜11000Åのスパッタ薄膜を作成し、Ku2.5×106erg/cc
以上の垂直磁化膜が得られた。
(実施例11) Fe65Nd35及びFe60Nd40の組成で、基板温度Tsが各々290
℃、250℃、Ar圧2×10-1Torr、膜厚が各々12650Å、48
60Åのスパッタ薄膜を作成した。Fe60Nd40において4.2
〜300Kで求めたトルク曲線を第9(1),(2)図に示
す。
また、15kOe磁界中での回転ヒステリシス損Wの低温で
の温度変化を第10図に示す。
(実施例12) (Fe1-yCoy)60Nd40, y=0,0.075,0.15,0.25 の組成でAr圧が1〜2×10-1Torr基板温度230〜290℃、
膜厚7700Å〜1.1μmの条件で作成した薄膜の結晶化温
度Tcry、キュリー温度Tc、垂直磁気異方性定数Kuが最大
値をとる温度T1、及び保磁力Hcの変化を第11図に示す。
Coの増加はTcryを変化させないでTc,Hc,及びT1の増加を
もたらす。
(実施例13) 実施例1で得られたNd35Fe65及び実施例12で得られた(F
e1-yCoy)60Nd40の薄膜を、入射角80°の直線偏光した光
(水銀ランプ光源、波長λ=230〜830nm、ハーフミラー
ーは用いず、測定は薄膜表面側より行なった。測定装置
は日本分光株式会社製「磁気−光学測定装置J-250」を
用いてカー回転角θKの波長λ依存性を求めた(第12
図)。図中Co5,Co10,Co15は夫々y=5/60(=0.083),1
0/60(=0.17),15/60(=0.25)に対応する。
低波長側で回転角は正、λ=340nm付近でθKはほぼ
0、それ以上の波長領域では|θK|は急に増加し、λ
>500nmではほぼ一定となるがすべての組成についてλ
=400〜500nmで最大値をとっている。λ=500及び633nm
における|θK|の組成依存性を第13図に示す。Co組成
yの増加と共に|θK|は増加しy=0.25付近でほぼピ
ークを示している。λ=500及び633nmでの値はy=0.25
で0.55°及び0.45°である。これらの値は従来のGd-Fe-
Co系統の値よりはるかに大きいものである。
(実施例14) 実施例13で用いたのと同じサンプルで300Kでの飽和磁化
Ms及び垂直磁気異方性エネルギー定数Kuを求めた結果を
第14図に示す。Feの一部に対するCoによる置換量の増大
と共に飽和磁化Ms及び磁気異方性エネルギー定数Kuを徐
々に下げる。
(実施例15) 実施例1と同じ条件で作成したFe100-XNdXの組成の薄膜
のカー回転角θKで保磁力Hcを求め第15図に示す。
Nd35及び50at%膜(膜作製直後に厚さ約100〜300Å、表
面を酸化させた膜)のカー回転角は第15図の矢印で示す
ように増加することがわかった。例えばNd50at%の場合
θKは0.3°から約0.6°(λ=633nm)であり2倍近い
増加を示している。このことは表面を酸化させることに
より多重干渉法によりカー及びファラデー効果の両方の
寄与を得て実効的カー回転角が増加した為である。本方
法は従来の重希土類−鉄族垂直磁化膜ではSiO等の膜を
表面上コーティングして回転角を増加させていた方法と
異なり磁性膜の表面をそのまま酸化させ回転角を増加す
ることができる方法である。このことは本垂直磁化膜の
特徴である。
薄膜表面の酸化皮膜はスパッタ後そのまま装置内にて10
0〜150℃で凡そ30分〜1時間保持することによって得ら
れる。
SiOコーティングもx=35原子%の同様なサンプルの表
面に施した。その結果を第15図に示す。SiOコーティン
グもカー回転角を増大させる。酸化被膜上にさらにSiO
コーティングを施すことにより、さらにθK、保護効果
を増大できる。
(実施例16) 実施例15と同じ試料を用いて垂直磁気異方性定数Kuの温
度依存性を求めた。(第16図) Kuは低温で増加し、ある程度T1で最大値をとったあと、
さらに低下する。
(実施例17) レーザ光による書き込み実験 実施例1と同じ方法で得られた厚さ約4000ÅのNd38Fe62
膜についてレーザ光による書き込み実験を行なった。
レーザー:半導体レーザ(パワー20mW) バイアス磁界〜1000e 線書込み方式 この結果幅約2〜10μmのビットが書き込めていること
がカー効果を利用した偏光顕微鏡により確認された。
(実施例18) 第17図に本発明により、220℃で作った150Å厚のFe60Nd
40垂直磁化膜の微細結晶構造の透過電子顕微鏡写真を矢
印部分の領域の回折パターンと共に示す。スペーシング
0.2nm、クラスタ径2〜10nm、平均3〜5nmを示す。
(実施例19) Fe45Co15Nd35M15の組成でMとしてZr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,M
o,Al,TiをTs=210〜285℃、Ar圧1〜2×10-1Torr、膜
厚5300〜1200Åの膜を作成し、磁気特性を測定した。
いずれもKuが2.5×106erg/cc以上、カー回転角θKが0.
4°以上の垂直磁化膜が得られた。
(実施例20) 実施例1、7、12、18と同様にして得られたFe65Nd35、
Fe60Nd35M5、(M=Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,Al,Bi,Mn,Sb,Ge,
Sn,Ni,Si)、Fe45Co15Nd40、Fe45Co15Nd35M5(M=Zr,H
f,V,Nb,Ta,Cr,Mo,Al,Ti,Ni,Si)の各薄膜を1規定食塩
水中に20分間浸漬後、85℃85%RH(相対湿度)で2時間
時効処理を行ない、光学顕微鏡を用いて孔食の観察を行
なった。孔食に対する耐食性はFeCoNdMが最も優れてお
り、次ぎにFeCoNd、FeNdM(M=Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,Al,N
i,Si)が良く、FeNd及びFeNdM(M=Bi,Mn,Sb,Ge,Sn)
は孔食が比較上最も進行していた。
(実施例21) Fe100-xPrx(x=20,30,40,50原子%)の組成の薄膜を
次の条件で作成した。Ar圧2×10-1Torr、Tsは各々290
℃と270℃、Dは各々8200Å(0.82μm)と9400Å(0.9
4μm)であった。
こ2種類の薄膜について、実施例12と同様の方法で入射
光線の波長λを変えた場合のカー回転角θKを調べた。
その結果を第18図に示す。Fe70Pr30ではλ=500nm付近
でカー回転角θKは最大値0.35°を示す。
さらにPr濃度x(原子%)に対するカー回転角の関係を
入射光線λ=500、633nmで測定した結果を第19図に示
す。カー回転角θKはPr30原子%付近で最大値をとる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例、Fe100-XNdXスパッタ薄膜
の磁化温度特性を示すグラフ、 第2図はFe100-XNdX薄膜のキュリー温度Tc、結晶化温度
Tcry、及び飽和磁化Ms(77K及び300K)を示すグラフ、 第3図(a)〜(b)は、Fe100-XNdX(X=35,40)ス
パッタ薄膜の77K及び300Kでの各磁化曲線を示すグラ
フ、 第4図はFe65Nd35スパッタ薄膜の基板温度と垂直磁気異
方性定数Kuの関係を示すグラフ、 第5図はFe65Nd35スパッタ薄膜の各基板温度によるX線
回折パターンを示すグラフ、 第6図はFe65Nd35スパッタ薄膜の厚さとKuとの関係を示
すグラフ、 第7図はFe65Nd35スパッタ薄膜のAr圧とKuの関係を示す
グラフ、 第8図はFe100-XNdXスパッタ薄膜のNd量とKuの関係につ
いて調べた所定の基板温度、ガス圧、膜厚条件下におけ
る一実施例の結果を示すグラフ、 第9(1),(2)図は、Fe60Nd40において4.2〜300K
で求めたトルク曲線を示すグラフ、 第10図は、Fe100-xNdx(x=35,40)スパッタ薄膜のヒ
ステリシス損Wの温度変化を示すグラフ、 第11図は、(Fe1-yCoy)60Nd40について、Co濃度yと結晶
化温度Tcry、キュリー温度Tc,Kuが最大値をとる温度
T1、及び保磁力Hcの関係を示すグラフ(実施例12)、 第12図は、(Fe1-yCoy)60Nd40について、各Co濃度yにお
ける入射光線の波長λ(nm)カー回転角θK(度)の関
係を示すグラフ(実施例12)、 第13図は、λ=500及び633nmにおけるカー回転角|θK
|のCo量(y)に対する関係を示すグラフ(実施例1
3)、 第14図は、実施例13のCo濃度yと、飽和磁化Ms及び垂直
磁気異方性定数Kuの関係を示すグラフ(実施例14)、 第15図は、Fe100-xNdxについて、xとカー回転角|θK
|(度)及び保持力Hcの関係を示すグラフ(実施例1
5)、 第16図は、実施例15と同じ試料についてのKuの温度依存
性を示すグラフ(実施例16)、 第17図は本発明の一実施例の結晶構造を示す透過電子顕
微鏡写真、 第18図はFe100-xPrxの各x(20,30,40,50原子%)につ
いて、入射光線λとカー回転角θK(度)との関係を示
すグラフ(実施例21)、及び 第19図は、第18図と同じ系について、Pr濃度xとカー回
転角θKの関係を示すグラフ、を夫々示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11C 13/06 A 6866−5L H01F 10/16 41/14 (56)参考文献 特開 昭58−165306(JP,A) 特開 昭59−103314(JP,A) 特開 昭59−108304(JP,A) 特開 昭60−128606(JP,A) 特開 昭60−173810(JP,A) 特開 昭60−187008(JP,A) 特開 昭60−193125(JP,A) 特開 昭60−117436(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】25〜60原子%の希土類元素R(但し、Rの
    内70原子%以上がNd及びPrの1種又は2種、なおRの残
    部はY、La、Ce、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er及びYbの一種
    以上)、残部Feから成り、かつ薄膜の非晶質マトリック
    スに数Å〜数100Åの微細結晶相を少なくとも含むこ
    と、 垂直磁気異方性定数Kuが反磁界エネルギー2πMs2(Ms
    は飽和磁化)より大きな垂直磁気異方性を有すること、 さらに結晶化温度Tcryとキュリー温度Tcとの温度差Tcry
    -Tcが100℃以上であることを特徴とする垂直磁気記録媒
    体。
  2. 【請求項2】25〜60原子%の希土類元素R(但し、Rの
    内70原子%以上がNd及びPrの1種又は2種、なおRの残
    部はY、La、Ce、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er及びYbの一種
    以上)、30原子%未満のCo及び残部Feから成り、かつ薄
    膜の非晶質マトリックスに数Å〜数100Åの微細結晶相
    を少なくとも含むこと、 垂直磁気異方性定数Kuが反磁界エネルギー2πMs2(Ms
    は飽和磁化)より大きな垂直磁気異方性を有すること、 さらに結晶化温度Tcryとキュリー温度Tcとの温度差Tcry
    -Tcが100℃以上であることを特徴とする垂直磁気記録媒
    体。
  3. 【請求項3】25〜60原子%の希土類元素R(但し、Rの
    内70原子%以上がNd及びPrの1種又は2種、なおRの残
    部はY、La、Ce、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er及びYbの一種
    以上)、10原子%以内のNi、V、Ta、Cr、Mo、W、Mn、
    Bi、Al、Si、Pb、Sn及びSbの少なくとも一種以上、残部
    Feから成り、かつ薄膜の非晶質マトリックスに数Å〜数
    100Åの微細結晶相を少なくとも含むこと、 垂直磁気異方性定数Kuが反磁界エネルギー2πMs2(Ms
    は飽和磁化)より大きな垂直磁気異方性を有すること、 さらに結晶化温度Tcryとキュリー温度Tcとの温度差Tcry
    -Tcが100℃以上であることを特徴とする垂直磁気記録媒
    体。
  4. 【請求項4】25〜60原子%の希土類元素R(但し、Rの
    内70原子%以上がNd及びPrの1種又は2種、なおRの残
    部はY、La、Ce、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er及びYbの一種
    以上)、10原子%以内のNi、Zr、V、Ta、Cr、Mo、W、
    Mn、Bi、Al、Si、Pb、Sn及びSbの少なくとも一種以上、
    30原子%未満のCo及び残部Feから成り、かつ薄膜の非晶
    質マトリックスに数Å〜数100Åの微細結晶相を少なく
    とも含むこと、 垂直磁気異方性定数Kuが反磁界エネルギー2πMs2(Ms
    は飽和磁化)より大きな垂直磁気異方性を有すること、 さらに結晶化温度Tcryとキュリー温度Tcとの温度差Tcry
    -Tcが100℃以上であることを特徴とする垂直磁気記録媒
    体。
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