JPH0673328B2 - マンガン−アルミニウム−炭素系合金磁石の製造法 - Google Patents

マンガン−アルミニウム−炭素系合金磁石の製造法

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JPH0673328B2
JPH0673328B2 JP60284891A JP28489185A JPH0673328B2 JP H0673328 B2 JPH0673328 B2 JP H0673328B2 JP 60284891 A JP60284891 A JP 60284891A JP 28489185 A JP28489185 A JP 28489185A JP H0673328 B2 JPH0673328 B2 JP H0673328B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、永久磁石の製造法に係り、とくに多結晶マン
ガン−アルミニウム−炭素(Mn−Al−C)系合金磁石に
よる高性能な多極着磁用Mn−Al−C系合金磁石の製造法
に関する。
従来の技術 Mn−Al−C系合金磁石は、主として強磁性相である面心
正方晶(τ相、L10型規則格子)の組織で構成され、C
を必須構成元素として含むものであり、不純物以外に添
加元素を含まない3元系及び少量の添加元素を含む4元
系以上の多元系合金磁石が知られており、これらを総称
するものである。
その製造法としては、鋳造・熱処理によるもの以外に押
出加工等の塑性加工工程を含むものが知られている。特
に後者は、高い磁気特性,機械的強度,耐候性,機械加
工性等の優れた性質を有する異方性磁石の製造法として
知られている。
また、Mn−Al−C系合金磁石を用いた多極着磁用合金磁
石の製造法としては、等方性磁石,圧縮加工によるもの
(登録番号1011473号)、押出加工等の公知の方法で得
た一軸異方性の多結晶Mn−Al−C系合金磁石に異方性方
向への自由圧縮加工によるもの(得られた磁石を両異方
性磁石と称す。特開昭56-119762号公報)、及びあらか
じめ異方性化した多結晶Mn−Al−C系合金磁石からなる
中空体状のビレットに特定の圧縮加工を施すもの(特開
昭58-182206号公報)が知られている。
発明が解決しようとする問題点 前述したあらかじめ異方性化した多結晶Mn−Al−C系合
金磁石からなる中空体状のビレットに特定の圧縮加工を
施すもの(特に、特開昭58-182206号公報)では、つま
り、あらかじめ異方性化した多結晶Mn−Al−C系合金磁
石からなる中空体状のビレットに、少なくともビレット
の外周および内周の一部分を自由にした状態で、ビレッ
トの軸方向に圧縮加工を施す方法では、得られた磁石は
径方向に磁化容易方向を有する。この異方性構造は外周
あるいは内周面に多極着磁して用いるのに必ずしも望ま
しい異方性構造ではない。
本発明は望しい異方性構造を有する磁石を得ることを目
的としている。
問題点を解決するための手段 以上の問題点を解決するために本考案は、あらかじめ異
方性化した多結晶Mn−Al−C系合金磁石からなる中空体
状のビレットに、少なくともビレットの外周および内周
の一部分を自由にした状態で、ビレットの外周部の圧縮
ひずみが内周部の圧縮ひずみより小さくなるようにビレ
ットの軸方向に圧縮加工を施すものである。
作用 前述した方法によって、つまり前述した特定の圧縮加工
において、ビレットの外周部の圧縮ひずみが内周部の圧
縮ひずみより小さくなるようにビレットの軸方向に圧縮
加工を施すことによって、これまでの公知の特定の圧縮
加工を施す方法と異なり、磁石の内周部では径方向に磁
化容易方向を有し、外周部では周方向に磁化容易方向を
有する異方性磁石が得られる。
実施例 本発明は、あらかじめ異方性化した多結晶Mn−Al−C系
合金磁石からなる中空体状のビレットに、530〜830℃の
温度で、少なくともビレットの外周および内周の一部分
を自由にした状態で、ビレットの外周部の圧縮ひずみが
内周部の圧縮ひずみより小さくなるようにビレットの軸
方向に圧縮加工を施すものである。
本発明の製造法の大部分は、前記の公知技術(特開昭58
-182206号公報)と同様である。
前記公知技術の圧縮加工は、少なくともビレットの外周
および内周の一部分を自由にした状態で、ビレットの軸
方向に圧縮加工を施すものである。
一方、本発明の圧縮加工は前記の圧縮加工において、さ
らにビレットの外周部の圧縮ひずみが内周部の圧縮ひず
みより小さくなるようにビレットの軸方向に圧縮加工を
施すものである。
前記の公知技術と同様に前記のビレットが中空体の軸方
向に磁化容易方向を有する多結晶Mn−Al−C系合金磁石
(一軸異方性磁石)からなる場合には、圧縮加工時の圧
縮ひずみが対数ひずみの絶対値で0.05以上必要である。
これは、圧縮加工前のビレットは圧縮ひずみを与える方
向に異方性化したものであり、多極着磁において高い磁
気特性を示すような構造の変化に最低0.05の圧縮ひずみ
が必要であるためである。
またビレットは、中空体の軸方向に垂直な平面に平行に
磁化容易方向を有し、しかも前記平面内では磁気的に等
方性であり、かつ前記軸方向と前記平面に平行な直線を
含む平面内では異方性である多結晶マンガン−アルミニ
ウム−炭素系合金磁石である。
この圧縮加工の具体的な例を以下に示す。まず第1の方
法は、円筒ビレットの軸方向に第1図に示した金型を用
いて自由圧縮加工を施す方法である。第1図はaに加工
前の状態の断面を示す。1はビレット、2,3はポンチで
ある。第1図aに示すように、前記公知技術と異なる点
は、ポンチ2およびポンチ3のビレットと接触する面
(ポンチ端面)が平面ではなく傾斜面であることであ
る。このポンチ2,3を用いて、ビレット1の軸方向に加
圧することによって、ビレットは軸方向に圧縮加工され
て第1図bに示す状態になる。第1図bに示したように
加工後のビレットの外周部の高さは内周部の高さより大
きい。つまり、ビレットの外周部の圧縮ひずみが内周部
の圧縮ひずみより小さくなるようにビレットの軸方向に
圧縮加工を施したことになる。圧縮ひずみとは、ビレッ
トの軸方向のひずみをいう。
第1の方法の別の圧縮加工の例をビレットの断面形状を
リング状として説明すると、第2図aに第1図と同様に
加工前の状態の断面を示す。第2図aに示すように第1
図と異なる点は、ポンチ2,3のポンチ端面は平面であ
り、加工前のビレットの外周部の高さが内周部の高さよ
り小さいことである。第2図bに加工後の状態を示す。
加工後のビレットはほぼ円筒体状となり、ビレットの外
周部の高さと内周部の高さはほぼ一致する。この場合も
同様に、ビレットの外周部の圧縮ひずみが内周部の圧縮
ひずみより小さくなるようにビレットの軸方向に圧縮加
工を施したことになる。
第2の方法は、第1の方法で得た、自由圧縮加工を施し
たビレットの一部分に、軸方向に圧縮加工を施す方法で
あり、この方法は前記公知技術と同じである。
第3の方法は、ビレットの外周部の圧縮ひずみが内周部
の圧縮ひずみより小さくなるようにビレットの軸方向に
自由圧縮加工(圧縮加工1)を施した後、ビレットの外
周を拘束した状態で、しかも内周部を自由にした状態
で、ビレットの軸方向に圧縮加工(圧縮加工2)する方
法で、この一連の圧縮加工の一例を第3図に示す。第3
図はaに加工前の状態の断面を示す。1はビレット、2,
3はポンチ、4は外型である。第3図aに示すように、
前記公知技術と異なる点は、ポンチ2,3のポンチ端面が
平面ではなく傾斜面であることである。このポンチ2,3
を用いて、ビレット1の軸方向に加圧することによっ
て、ビレットは軸方向に圧縮加工されて第1図bに示す
状態(圧縮加工1終了)になり、更に圧縮加工を行なう
と第3図cに示したようになる。加工後のビレットの外
周部の高さは内周部の高さより大きい。つまり、この場
合もビレットの外周部の圧縮ひずみが内周部の圧縮ひず
みより小さくなるようにビレットの軸方向に圧縮加工を
施したことになる。
第3の方法の別の例をビレットの断面形状をリング状と
して説明すると、第4図aに第3図と同様に加工前の状
態の断面を示す。第4図aに示すように第3図と異なる
点は、ポンチ2,3のポンチ端面は平面であり、圧縮加工
前のビレットの外周部の高さが内周部の高さより小さい
ことである。第4図bに圧縮加工1の終了後の状態を示
す。加工後のビレットはほぼ円筒体状となり、ビレット
の外周部の高さと内周部の高さはほぼ一致する。この場
合も同様に、ビレットの外周部の圧縮ひずみが内周部の
圧縮ひずみより小さくなるようにビレットの軸方向に圧
縮加工を施したことになる。さらに、圧縮加工(圧縮加
工2)を行なうと第4図cに示した状態になる。
第4の方法は、第3の方法で得たビレットを更に、ビレ
ットの一部分に軸方向に圧縮加工を施す方法であり、こ
の方法は前記公知技術と同じである。
以上述べてきた様に、本発明は前記公知技術(特開昭58
-182206号公報)に示された圧縮加工とほとんど同じで
あるがビレット端面を傾斜面あるいはポンチ端面を傾斜
面にすることによって、この特定の圧縮加工において、
ビレットの外周部の圧縮ひずみが内周部の圧縮ひずみよ
り小さくなるようにビレットの軸方向に圧縮加工を施す
ことができ、これによって、磁石の内周部では径方向に
磁化容易方向を有し、外周部では周方向に磁化容易方向
を有する異方性構造となり、内周多極着磁に適した磁石
が得られる。
前記の二つの例の組み合わせでも、ビレットの外周部の
圧縮ひずみが内周部の圧縮ひずみより小さくなるように
ビレットの軸方向に圧縮加工を施すことができる。つま
り、第1図に示した金型(ポンチ端面が傾斜面)を用い
て、第2図に示したビレット(ビレット端面が傾斜面)
を圧縮加工する方法である。
前述した例では、ポンチ端面あるいはビレット端面が傾
斜面であったが他に階段状面(段付き形状)、平面+傾
斜面あるいは以上の組み合わせなどあり、さらに凹凸状
にするポンチあるいはビレット端面は両面でも片面でも
よい。必要なことはビレットの外周部の圧縮ひずみが内
周部の圧縮ひずみより小さくなるようにビレットの軸方
向に圧縮加工を施すことである。これによって、磁石の
内周部では径方向に磁化容易方向を有し、外周部では周
方向に磁化容易方向を有する異方性構造となり、内周多
極着磁に適した磁石が得られる。
前述したような圧縮加工の可能な温度範囲については、
530〜830℃の温度領域において、加工が行えたが、780
℃を越える温度では、磁気特性がかなり低下した。より
望ましい温度範囲としては560〜760℃であった。
次に本発明の更に具体的な実施例について説明する。
実施例1 配合組成で69.5%のMn、29.3%のAl、0.5%のC及び0.7
%のNiを溶解鋳造し、直径50mm、長さ40mmの円柱ビレッ
トを作製した。このビレットに1100℃で2時間保持した
後、600℃まで風冷し、600℃で30分間保持した後、室温
まで放冷する熱処理を施した。
720℃の温度で、直径が32mmまでの押出加工を行った。
押出棒を切断および切削加工して、外径30mm、内径16m
m、外周部の長さ20mm、内周部の長さ25mmの両端面が傾
斜面のビレットを作製した。次に、潤滑剤を介して、第
2図に示したような金型を用いて、ビレットの外周およ
び内周を自由な状態にして、680℃の温度で、長さが12m
mまでの圧縮加工を行った。
加工後のビレットを内径24mmに切削加工した後、内周表
面に24極の内周着磁を行った。着磁は2000μFのオイル
コンデンサーを用い、1500Vでパルス着磁した。内周表
面の表面磁束密度をホール素子で測定した。
比較のために、前述した押出棒を切断および切削加工し
て、外径30mm、内径16mm、長さ22.5mmの円筒ビレットを
作製した。次に、潤滑削を介して、前記と同じ圧縮加工
を行った。加工後のビレットの長さは12mmであった。さ
らに前記と同様に切削加工した後、着磁し、表面磁束密
度を測定した。
以上の両者の値を比較すると、本発明の方法で得た磁石
の表面磁束密度の値は、比較のために作製した磁石のそ
れの約1.2倍であった。
さらに、本発明のさきほど着磁した磁石を第5図に示す
ような金型を用いて、680℃の温度で、ビレットの内周
部のみを圧縮加工した。第5図aは加工前の状態を示
し、第5図bは加工後の状態を示す。5は拘束金型、6
は可動ポンチ、7は下型である。拘束金型5と下型7に
よって、ビレットを固定及び拘束し、可動ポンチ6でビ
レット1を加圧することにより第5図bに示す状態にな
り、これによってビレットの内周部のみが圧縮加工され
る。なおポンチ6の直径は30mmである。圧縮加工後の内
周部の長さは8mmであった。加工後のビレットを内径24m
mに切削加工した後、前記と同様に着磁して、この圧縮
加工の前・後で表面磁束密度の値を比較すると、加工後
の方が0.2KG高くなった。
実施例2 配合組成で69.4%のMn、29.3%のAl、0.5%のC、0.7%
のNi及び0.1%のTiを溶解鋳造し、直径50mm、長さ40mm
の円柱ビレットを作製し、実施例1と同じ熱処理を行っ
た。720℃の温度で、直径が32mmまでの押出加工を行っ
た。押出棒を切断および切削加工して、外径30mm、内径
16mm、長さ25mmの円筒ビレットを作製した。
次に、潤滑剤を介して、第1図に示したような金型を用
いて、ビレットの外周および内周を自由な状態にして、
680℃の温度で、ビレットの外周部の長さが15mmまでの
圧縮加工を行った。なお第1図において、ポンチ端面の
傾斜面αは10°である。
加工後のビレットを内径24mmに切削加工した後、実施例
1と同様に24極の内周着磁し、表面磁束密度を測定し
た。
比較のために、前述した押出棒を切断および切削加工し
て、外径30mm、内径16mm、長さ25mmの円筒ビレットを作
製した。次に、潤滑剤を介して、実施例1で用いた金型
を用いて、長さが11mmまでの圧縮加工を行った。さらに
前記と同様に切削した後、着磁し、表面磁束密度を測定
した。
以上の両者の値を比較すると、本発明の方法で得た磁石
の表面磁束密度の値は、比較のために作製した磁石のそ
れの約1.2倍であった。
さらに、本発明のさきほど着磁した磁石を実施例1と同
様に、内周部のみを長さが7mmまでの圧縮加工した。加
工後のビレットを内径24mmに切削した後、前記と同様に
着磁して、この圧縮加工の前・後で表面磁束密度の値を
比較すると、加工後の方が0.2KG高くなった。
実施例3 実施例1で得た押出棒を切断および切削加工して、外径
30mm、内径16mm、外周部の長さ20mm、内周部の長さ25mm
の両端面が階段状で段付き部の境界の径が23mmのビレッ
トを作製した。次に、高さが12mmまでの実施例1と同じ
圧縮加工をした。加工後のビレットを内径24mmに切削加
工した後、実施例1と同様に24極の内周着磁し、表面磁
束密度を測定して、実施例1で比較のために作製した磁
石と比較した。
以上の両者の値を比較すると、本発明の方法で得た磁石
の表面磁束密度の値は、比較のために作製した磁石のそ
れの約1.3倍であった。
さらに、本発明のさきほど着磁した磁石を実施例1と同
様に、内周部のみを長さが8mmまでの圧縮加工し、加工
後のビレットを内径24mmに切削加工した後、着磁した。
この圧縮加工の前・後で表面磁束密度の値を比較する
と、加工後の方が0.2KG高くなった。
実施例4 実施例2で得た押出棒を切断および切削加工して、外径
30mm、内径16mm、長さ25mmの円筒ビレットを作製した。
次に、潤滑剤を介して、第6図に示したような金型を用
いて、ビレットの外周および内周を自由な状態にして、
680℃の温度で、ビレットの外周部の長さが17mmまでの
圧縮加工を行った。なお第6図において、ポンチ端面の
段付き部の径は30mm、段差は2.5mmである。
加工後のビレットを内径24mmに切削加工した後、実施例
1と同様に24極の内周着磁し、表面磁束密度を測定し
て、実施例2で比較のために作製した磁石と比較した。
以上の両者の値を比較すると、本発明の方法で得た磁石
の表面磁束密度の値は、比較のために作製した磁石のそ
れの約1.3倍であった。
さらに、本発明のさきほど着磁した磁石を実施例1と同
様に、内周部のみを長さが8mmまでの圧縮加工した。加
工後のビレットを内径24mmに切削加工した後、前記と同
様に着磁して、この局部的な圧縮加工の前・後で表面磁
束密度の値を比較すると、加工後の方が0.2KG高くなっ
た。
実施例5 実施例1で得た押出棒を切断および切削加工して、外径
30mm、内径16mm、外周部の長さ20mm、内周部の長さ25mm
の両端面が傾斜面のビレットを作製した。次に、潤滑剤
を介して、第4図に示したような金型を用いて、ビレッ
トの外周および内周を自由な状態にして、680℃の温度
で、長さが15mmまでの圧縮加工を行った。なお第2図に
おいて、外型4の内径は34mmである。
加工後のビレットを内径20mmに切削加工した後、実施例
1と同様に24極の内周着磁し、表面磁束密度を測定し
た。
比較のために、前述した押出棒を切断および切削加工し
て、外径30mm、内径16mm、長さ22.5mmの円筒ビレットを
作製した。次に、潤滑剤を介して、長さが15mmまでの前
記と同じ圧縮加工を行った。前記と同様に切削加工した
後、着磁し、表面磁束密度を測定した。
以上の両者の値を比較すると、本発明の方法で得た磁石
の表面磁束密度の値は、比較のために作製した磁石のそ
れの約1.2倍であった。
さらに、本発明のさきほど着磁した磁石を実施例1と同
様に、内周部のみを長さが10mmまでの圧縮加工した。な
おポンチ6の直径は26mmである。加工後のビレットを内
径20mmで切削加工した後、前記と同様に着磁して、この
圧縮加工の前・後で表面磁束密度の値を比較すると、加
工後の方が0.2KG高くなった。
実施例6 実施例1で得た押出棒を切断および切削加工して、外径
30mm、内径16mm、長さ25mmの円筒ビレットを作製した。
次に、潤滑剤を介して、第3図に示したような金型を用
いて、円筒ビレットの外周および内周を自由な状態にし
て、680℃の温度で、ビレットの外周部の長さが19mmま
での圧縮加工を行った。なお第3図において、ポンチ端
面の傾斜角αは10°、外型4の内径は34mmである。
加工後のビレットを内径20mmに切削した後、実施例1と
同様に24極の内周着磁した。表面磁束密度を測定し、実
施例5で比較のために作製した磁石と比較した。
以上の両者の値を比較すると、本発明の方法で得た磁石
の表面磁束密度の値は、比較のために作製した磁石のそ
れの約1.2倍であった。
さらに、本発明のさきほど着磁した磁石を実施例1と同
様に、内周部のみを長さが7mmまでの圧縮加工した。加
工後のビレットを内径20mmに切削加工した後、前記と同
様に着磁して、この圧縮加工の前・後で表面磁束密度の
値を比較すると、加工後の方が0.2KG高くなった。
以上、Mn−Al−C系合金磁石の組成については、Ni添加
の4元系とNi,Ti添加の5元系のものについてのみ示し
たが、Mn−Al−C系合金磁石の基本組成である3元系に
ついても磁石の磁気特性に若干の差は認められたが、公
知の圧縮加工による方法より前述したような磁気特性の
向上が認められた。
あらかじめ異方性化したMn−Al−C系合金磁石として一
軸異方性磁石を用いた例を示したが面異方性磁石、径異
方性磁石などを用いても同様であった。
また、ビレットの一部分への圧縮加工については、ビレ
ットの内周部のみを圧縮加工する方法のみ示したが、外
周部のみ圧縮加工する場合でもよいが、この場合は磁石
全体を径方向に磁化容易方向を有するようにしたい場合
に有効である。
さらに、ビレットおよびポンチ端面の形状については傾
斜面および階段状の段付き形状の例を示したが平面+傾
斜面あるいは以上の組み合わせなどでも従来の圧縮加工
に比べて磁気特性の向上が認められた。また、凹凸状の
端面は両端面でも片端面でも大きな差は認められなかっ
た。
発明の効果 本発明は、実施例によって述べたように、あらかじめ異
方性化した多結晶Mn−Al−C系合金磁石からなる中空体
状のビレットに、少なくともビレットの外周および内周
の一部分を自由にした状態で、ビレットの外周部の圧縮
ひずみが内周部の圧縮ひずみより小さくなるようにビレ
ットの軸方向に圧縮加工を施すことによって内周多極着
磁を施した場合に高い磁気特性を示す磁石を得るもので
ある。
この方法によって、磁石の内周部では径方向に磁化容易
方向を有し、外周部では周方向に磁化容易方向を有する
磁石を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第6図はそれぞれ本発明の圧縮加工の一例を示
す金型の一部の断面図である。 1……ビレット、2,3……ポンチ、4……外型、5……
拘束金型、6……可動ポンチ、7……下型。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】あらかじめ異方性化した多結晶マンガン−
    アルミニウム−炭素系合金磁石からなる中空体状のビレ
    ットに、530〜830℃の温度で、少なくともビレットの外
    周および内周の一部分を自由にした状態で、ビレットの
    外周部の圧縮ひずみが内周部の圧縮ひずみより小さくな
    るようにビレットの軸方向に圧縮加工を施すことを特徴
    とするマンガン−アルミニウム−炭素系合金磁石の製造
    法。
  2. 【請求項2】ビレットが、中空体の軸方向に磁化容易方
    向を有し、しかも前記圧縮ひずみが対数ひずみの絶対値
    で0.05以上である特許請求の範囲第1項記載のマンガン
    −アルミニウム−炭素系合金磁石の製造法。
  3. 【請求項3】ビレットが、中空体の軸方向に垂直な平面
    に平行に磁化容易方向を有し、しかも前記平面内では磁
    気的に等方性であり、かつ前記軸方向と前記平面に平行
    な直線を含む平面内では異方性である多結晶マンガン−
    アルミニウム−炭素系合金磁石からなる特許請求の範囲
    第1項記載のマンガン−アルミニウム−炭素系合金磁石
    の製造法。
  4. 【請求項4】あらかじめ異方性化した多結晶マンガン−
    アルミニウム−炭素系合金磁石からなる中空体状のビレ
    ットに、530〜830℃の温度で、少なくともビレットの外
    周および内周の一部分を自由にした状態で、ビレットの
    外周部の圧縮ひずみが内周部の圧縮ひずみより小さくな
    るようにビレットの軸方向に圧縮加工を施した後、さら
    にビレットの一部分に圧縮加工を施すことを特徴とする
    マンガン−アルミニウム−炭素系合金磁石の製造法。
  5. 【請求項5】ビレットが、中空体の軸方向に磁化容易方
    向を有し、しかも前記少なくともビレットの外周および
    内周の一部分を自由にした状態で、ビレットの外周部の
    圧縮ひずみが内周部の圧縮ひずみより小さくなるように
    ビレットの軸方向への圧縮ひずみが対数ひずみの絶対値
    で0.05以上である特許請求の範囲第4項記載のマンガン
    −アルミニウム−炭素系合金磁石の製造法。
  6. 【請求項6】ビレットが、中空体の軸方向に垂直な平面
    に平行に磁化容易方向を有し、しかも前記平面内では磁
    気的に等方性であり、かつ前記軸方向と前記平面に平行
    な直線を含む平面内では異方性である多結晶マンガン−
    アルミニウム−炭素系合金磁石からなる特許請求の範囲
    第4項記載のマンガン−アルミニウム−炭素系合金磁石
    の製造法。
  7. 【請求項7】あらかじめ異方性化した多結晶マンガン−
    アルミニウム−炭素系合金磁石からなる中空体状のビレ
    ットに、530〜830℃の温度で、少なくとも外周および内
    周の一部分を自由にした状態で、ビレットの外周部の圧
    縮ひずみが内周部の圧縮ひずみより小さくなるようにビ
    レットの軸方向に圧縮加工を施し、さらにビレットの外
    周を拘束した状態で、しかも少なくとも内周の一部分を
    自由にした状態で、ビレットの軸方向に圧縮加工を施す
    ことを特徴とするマンガン−アルミニウム−炭素系合金
    磁石の製造法。
  8. 【請求項8】ビレットが、中空体の軸方向に磁化容易方
    向を有し、しかも前記圧縮加工が終了時には軸方向の圧
    縮ひずみを対数ひずみの絶対値で0.05以上施すものであ
    る特許請求の範囲第7項記載のマンガン−アルミニウム
    −炭素系合金磁石の製造法。
  9. 【請求項9】ビレットが、中空体の軸方向に垂直な平面
    に平行に磁化容易方向を有し、しかも前記平面内では磁
    気的に等方性であり、かつ前記軸方向と前記平面に平行
    な直線を含む平面内では異方性である多結晶マンガン−
    アルミニウム−炭素系合金磁石からなる特許請求の範囲
    第7項記載のマンガン−アルミニウム−炭素系合金磁石
    の製造法。
  10. 【請求項10】あらかじめ異方性化した多結晶マンガン
    −アルミニウム−炭素系合金磁石からなる中空体状のビ
    レットに、530〜830℃の温度で、少なくともビレットの
    外周および内周の一部分を自由にした状態で、ビレット
    の外周部の圧縮ひずみが内周部の圧縮ひずみより小さく
    なるようにビレットの軸方向に圧縮加工を施し、さらに
    ビレットの外周を拘束した状態で、しかも少なくとも内
    周の一部分を自由にした状態で、ビレットの軸方向に圧
    縮加工を施した後、さらにビレットの一部分に、ビレッ
    トの軸方向に圧縮加工を施すことを特徴とするマンガン
    −アルミニウム−炭素系合金磁石の製造法。
  11. 【請求項11】ビレットが、中空体の軸方向に磁化容易
    方向を有し、しかも前記ビレットの外周を拘束した状態
    で、しかも少なくとも内周の一部分を自由にした状態
    で、ビレットの軸方向に圧縮加工が、終了時には軸方向
    の圧縮ひずみを対数ひずみの絶対値で0.05以上施すもの
    である特許請求の範囲第10項記載のマンガン−アルミニ
    ウム−炭素系合金磁石の製造法。
  12. 【請求項12】ビレットが、中空体の軸方向に垂直な平
    面に平行に磁化容易方向を有し、しかも前記平面内では
    磁気的に等方性であり、かつ前記軸方向と前記平面に平
    行な直線を含む平面内では異方性である多結晶マンガン
    −アルミニウム−炭素系合金磁石からなる特許請求の範
    囲第10項記載のマンガン−アルミニウム−炭素系合金磁
    石の製造法。
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