JPH0639670B2 - マンガン−アルミニウム−炭素系合金磁石の製造法 - Google Patents

マンガン−アルミニウム−炭素系合金磁石の製造法

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JPH0639670B2
JPH0639670B2 JP14876885A JP14876885A JPH0639670B2 JP H0639670 B2 JPH0639670 B2 JP H0639670B2 JP 14876885 A JP14876885 A JP 14876885A JP 14876885 A JP14876885 A JP 14876885A JP H0639670 B2 JPH0639670 B2 JP H0639670B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、永久磁石の製造法に関するものである。さら
に詳細には、多結晶マンガン−アルミニウム−炭素系
(Mn−Al−C系)合金磁石の製造法に関し、特に多
極着磁用Mn−Al−C系合金磁石の製造法を提供する
ものである。
従来の技術 Mn−Al−C系磁石合金は、Mn−Al−C系磁石用
合金とMn−Al−C系合金磁石を総称するものであ
る。Mn−Al−C系磁石用合金は、68〜73質量%
(以下単に%で表わす)のMnと(1/10Mn−6.
6)〜(1/3Mn−22.2)%のCと残部のAlか
らなり、不純物以外に添加元素を含まない3元系及び少
量の添加元素を含む4元系以上の多元系磁石用合金が知
られており、これらを総称するものである。同様に、M
n−Al−C系合金磁石は、主として強磁性相である面
心正方晶(τ相、L1型規則格子)の組織で構成さ
れ、Cを必須構成元素として含むものであり、不純物以
外に添加元素を含まない3元系及び少量の添加元素を含
む4元系以上の多元系合金磁石が知られており、これら
を総称するものである。
また、このMn−Al−C系合金磁石の製造法として
は、鋳造・熱処理によるもの以外に温間押出加工等の温
間塑性加工工程を含むものが知られている。特に後者
は、高い磁気特性,機械的強度,耐候性,機械加工性等
の優れた性質を有する異方性磁石の製造法として知られ
ている。
多極着磁用Mn−Al−C系合金磁石の製造法として
は、等方性磁石,圧縮加工によるもの、あらかじめ温間
押出加工等の公知の方法で得た一軸異方性の多結晶Mn
−Al−C系合金磁石に異方性方向への温間自由圧縮加
工によるもの(特開昭56−119762号公報)、及
びMn−Al−C系磁石合金からなる中空体状のビレッ
トの軸方向に圧縮ひずみを与える各種の塑性加工による
もの(例えば特開昭58−182208号公報,特開昭
58−192306号公報)が知られている。
発明が解決しようとする問題点 前述したMn−Al−C系磁石合金からなる中空体状の
ビレットの軸方向に圧縮ひずみを与える各種の塑性加工
によるもの(特に、特開昭58−182208号公報)
では、つまり、あらかじめ異方性化した多結晶Mn−A
l−C系合金磁石からなる中空体状のビレットに、ビレ
ットの外周を拘束した状態で、しかも少なくとも内周の
一部分を自由にした状態で、ビレットの軸方向に圧縮加
工を施す方法では、例えば、押出加工等の公知の方法で
得た一軸異方性の多結晶Mn−Al−C系合金磁石から
なる中空体状のビレットを用いる。前記ビレットを前述
した特定の圧縮加工を施すことによって、多極着磁した
場合に優れた磁気特性を示す磁石が得られている。しか
し前記の方法では少なくとも押出加工と圧縮加工の二種
類の塑性加工を必要とし、押出加工後のビレットは押出
方向に磁化容易方向を有し、圧縮加工によって多極着磁
した場合に優れた磁気特性を示す磁石に磁気的な異方性
の構造の転換を行っている。つまり、押出加工後のビレ
ットはビレットの軸方向に磁化容易方向を有する一軸異
方性であり、多極着磁に適さない異方性構造であり、次
の塑性加工の圧縮加工によって、径方向および周方向の
磁気特性を向上させて、多極着磁した場合に優れた磁気
特性を示す磁石に磁気的な異方性の構造の転換を行って
いる。
前述した方法では押出加工によって一度、一軸異方性磁
石(多極着磁に適さない異方性磁石)にした後、圧縮加
工によって多極着磁した場合に優れた磁気特性を示す磁
石に構造の転換を行っているため、磁気特性的には無駄
の多い製造法である。
本発明は少ない加工量で優れた磁気特性を得ることを目
的とするものである。
問題点を解決するための手段 以上述べてきた問題点を解決するために本発明は、マン
ガン−アルミニウム−炭素系磁石合金からなる中空体状
のビレットに、530〜830℃の温度で、コンテナ部
の空洞部分の断面形状が中空であり、コンテナ部の開口
面積がベアリング部の開口面積より大きいダイスを用い
て、ビレットの軸方向と押出方向を平行にして押出加工
を施し、この押出加工によって前記中空体状ビレット
を、軸方向と周方向に伸張させた後、さらに前記伸張後
のビレットの外周を拘束し、かつ内周の少なくとも一部
分を自由にした状態で、この伸張後のビレットの軸方向
に圧縮加工を施すものである。
作 用 前述した方法によって、つまり前述した特定の押出加工
を施した後、前記の特定の圧縮加工を施すことによっ
て、これまでの公知の押出加工を施した後、前記の特定
の圧縮加工を施す方法よりトータルの塑性加工量が少な
くても多極着磁した場合に優れた磁気特性を示す磁石が
得られる。
実施例 本発明は、マンガン−アルミニウム−炭素系磁石合金か
らなる中空体状のビレットに、530〜830℃の温度
で、コンテナ部の空洞部分の断面形状が中空であり、コ
ンテナ部の開口面積がベアリング部の開口面積より大き
いダイスを用いて、ビレットの軸方向と押出方向を平行
にして押出加工を施し、この押出加工によって前記中空
体状のビレットを、軸方向と周方向に伸張させた後、さ
らに前記伸張後のビレットの外周を拘束し、かつ内周の
少なくとも一部分を自由にした状態で、この伸張後のビ
レットの軸方向に圧縮加工を施るものである。
前述した押出加工を施すことによって、これまでの公知
の押出加工によってあらかじめ異方性化したMn−Al
−C系合金磁石を得る方法より、前記の圧縮加工時のひ
ずみ量が少なくても多極着磁を施した場合に優れた磁気
特性を示す磁石が得られる。
前述した押出加工及び圧縮加工は必ずしも連続的な塑性
加工である必要はなく、複数回に分割して与えても良
い。
前述した本発明の押出加工の一例をビレットの形状を円
筒体状として第1図を用いて説明する。第1図(a)は押
出加工前の状態を示したダイスの一部分の断面図を示
し、同様に第1図(b)は押出加工後の状態を示す。1は
ビレット、2はマンドレル、3はダイス、4,5はポン
チである。マンドレル2とダイス3によって、ダイスが
構成されている。第1図において、6はコンテナ部であ
り、押出加工前のビレット1を収容する部分であり、7
はベアリング部で、押出加工後のビレット1を収容する
部分である。8はコニカル部である。またコンテナ部6
の開口面積とは、コンテナ部6の空洞の断面積(押出方
向に垂直)であり、第1図(a)においてビレット1の断
面積とほぼ一致し、ベアリング部7の開口面積とは、ベ
アリング部7の空洞の断面積(押出方向に垂直)であ
り、第1図(b)においてビレット1の断面積とほぼ一致
する。
第1図では、コンテナ部6もベアリング部7も押出軸を
中心とする円形であるから前述したことを言い換える
と、コンテナ部6の開口面積とは、コンテナ部6の外径
と内径によるリング状の面積である。コンテナ部6の空
洞部分の断面形状は、前記のリング状であり、中空であ
る。同様に、ベアリング部7の開口面積とは、ベアリン
グ部7の外径と内径によるリング状の面積である。例え
ば、コンテナ部6の外径を40mm,内径を20mmとし、
ベアリング部7の外径を50mm,内径を40mmとする
と、コンテナ部6の開口面積は約942mm2、ベアリン
グ部7の開口面積は約707mm2となる。また、コンテ
ナ部6の空洞部分の断面形状は、外径を40mm,内径を
20mmとするリング状である。前記のコンテナ部6の空
洞部分の断面形状が中空であるというのは、言い換える
と第1図(a)に示す様にコンテナ部6にビレット1を収
容した状態で押出方向に垂直に切断した時、中心部にダ
イス構成部材(マンドレル2)があり、さらにその外側
にビレット1があり、さらにその外側がダイス3になる
ということになる。
押出加工方法の一例を第2図を用いて説明する。まず第
2図(a)に示す様に、コンテナ部6に円筒のビレット
1′を収容する。ポンチ4を用いてビレット1′を加圧
することによって、第2図(b)に示す様になる。次に第
2図(c)に示す様に新たに、コンテナ部6にビレット1
を収容し、前記と同様にポンチ4を用いてビレット1を
加圧することにより、第2図(d)に示した状態になる。
以後この繰り返しによって押出加工を行なう。
他の押出加工方法としては、第2図(c)に示した状態
で、ポンチ4と5でビレット1を加圧しながらビレット
1をコンテナ部6からベアリング部7へ向かう方向に移
動させる(第2図において、ビレット1の状態は第2図
(c)から第2図(d)への移動)ことによって押出加工を行
なう方法などがある。
第2図(a)では、円筒ビレットをコンテナ部に挿入しや
すくするために、円筒ビレットの形状は適当なクリアラ
ンスをもった形状にしているが、円筒ビレットの断面
(軸方向に垂直な面)およびコンテナ部の空洞部分の断
面形状(押出方向に垂直な平面でダイスを切断した時の
空洞部分の形状)は共にリング状である。
次のステップの圧縮加工およびビレットの一部分にビレ
ットの軸方向に圧縮ひずみを与える方法については、前
述した公知技術(特開昭58−182208号公報)と
同様である。
前述したような塑性加工(押出加工および圧縮加工)の
可能な温度範囲については、530〜830℃の温度領
域において、加工が行えたが、780℃を越える温度で
は、磁気特性がかなり低下した。より望ましい温度範囲
としては560〜760℃であった。
次に本発明のさらに具体的な実施例について説明する。
実施例1 配合組成で69.5%のMn、29.3%のAl、0.
5%のC及び0.7%のNiを溶解鋳造し、外径30m
m,内径10mm,長さ20mmの円筒ビレットを作製し
た。このビレットを1100℃で2時間保持した後、6
00℃まで風冷し、600℃で30分間保持した後、室
温まで放冷する熱処理を行った。
次に潤滑剤を介して、720℃の温度で、第1図に示し
た様な押出加工を行った。第1図においてダイスのコン
テナ部の外径は30mm,内径は10mmであり、ベアリン
グ部の外径は40mm,内径は35mmであり、Xは20mm
である。押出加工後のビレットは外径40mm,内径35
mm,長さ42.7mmであった。次にこの円筒ビレットを
潤滑剤を介して、第3図に示したような金型を用いて円
筒ビレットの外周表面を拘束し、しかも内周を自由な状
態にして、680℃の温度で、円筒ビレットの長さを2
0mmまで圧縮加工を行った。なお第3図において、第3
図(a)は加工前の状態を示し、第3図(b)は加工後の状態
を示す。1はビレット、4,5はポンチ、9は外型であ
る。第3図(a)に示す様に、外型9によってビレット1
外周面を拘束する。ポンチ4,5でビレット1を加圧す
ることによって、ビレット1を軸方向に圧縮加工する。
外型9の内径は40mmである。
この圧縮加工を施したビレットを外径38mm,内径29
mm,長さ20mmの円筒磁石として、外周表面に30極の
外周着磁を施した。着磁は2000μFのオイルコンデ
ンサーを用い、1500Vでパルス着磁した。外周表面
の表面磁束密度をホール素子で測定した。比較のため
に、前述した配合組成と同じ配合組成のMn,Al,C
及びNiを溶解鋳造し、直径60mm,長さ20mmの円柱
ビレットを作製した。このビレットを1100℃で2時
間保持した後、室温まで放冷する熱処理を行った。次に
潤滑剤を介して、720℃の温度で、直径40mmまでの
公知の押出加工を行った。この押出棒を長さ42.7mm
に切断し、切削加工して、外径40mm,内径35mm、長
さ42.7mmの円筒ビレットを作製した。次にこのビレ
ットに前述した圧縮加工と同じ圧縮加工を施し、さらに
前記と同様に円筒状に切削加工して、着磁し、表面磁束
密度を測定した。
以上の両者の値を比較すると、本発明の方法で得た磁石
の表面磁束密度の値は、比較のために作製した磁石のそ
れの約1.2倍であった。
さらに、本発明のさきほど直磁した磁石を第4図に示す
ような金型を用いて、680℃の温度で、ビレットの外
周部のみを圧縮加工した。第4図(a)は加工前の状態を
示し、第4図(b)は加工後の状態を示す。10は固定用
ポンチ、11は可動用ポンチ、12は下型である。固定
用ポンチ10と下型12によって、ビレットを固定及び
拘束し、可動用ポンチ11でビレット1を加圧すること
により第4図(b)に示す状態になり、これによってビレ
ットの外周部のみが圧縮加工される。なおポンチ10の
直径(ポンチ11の内径)は34mmである。圧縮加工後
の外周部の長さは15mmであった。加工後のビレットを
切削加工し、外径38mmにして前記と同様に着磁して、
この局部的な圧縮加工の前・後で表面磁束密度の値を比
較すると、加工後の方が0.2kG高くなった。
実施例2 配合組成で69.4%のMn、29.3%のAl、0.
5%のC、0.7%のNi及び0.1%のTiを溶解鋳
造し、外径20mm,内径5mm,長さ20mmの円筒ビレッ
トを作製した。このビレットを1100℃で2時間保持
した後、600℃まで風冷し、600℃で30分間保持
した後、室温まで放冷する熱処理を行った。
次に潤滑剤を介して、720℃の温度で、第1図に示し
た様な押出加工を行った。第1図においてダイスのコン
テナ部の外径は20mm,内径は5mmであり、ベアリング
部の外径は30mm,内径は26mmであり、Xは20mmで
ある。押出加工後のビレットは外径30mm,内径26m
m,長さ33.5mmであった。次にこの円筒ビレットを
潤滑剤を介して、第3図に示したような金型を用いて円
筒ビレットの外周表面を拘束し、しかも内周を自由な状
態にして680℃の温度で円筒ビレットの長さを16mm
まで圧縮加工を行った。なお第3図において、外型9の
内径は30mmである。
この圧縮加工を施したビレットを外径29mm,内径21
mm,長さ16mmの円筒磁石として、外周表面に18極の
外周着磁を施した。着磁は2000μFのオイルコンデ
ンサーを用い1500Vでパルス着磁した。外周表面の
表面磁束密度をホール素子で測定した。比較のために、
前述した配合組成と同じ配合組成のMn,Al,C,N
i及びTiを溶解鋳造し、直径50mm,長さ20mmの円
柱ビレットを作製した。このビレットを1100℃で2
時間保持した後、室温まで放冷する熱処理を行った。次
に潤滑剤を介して、720℃の温度で、直径30mmまで
の公知の押出加工を行った。この押出棒を長さ33.5
mmに切断し、切削加工して、外径30mm,内径26mm,
長さ33.5mmの円筒ビレットを作製した。次にこのビ
レットに前述した圧縮加工と同じ圧縮加工を施し、さら
に前記と同様に円筒状に切削加工して、着磁し、表面磁
束密度を測定した。
以上の両者の値を比較すると、本発明の方法で得た磁石
の表面磁束密度の値は、比較のために作製した磁石のそ
れの約1.2倍であった。
さらに、本発明のさきほど着磁した磁石を第4図に示す
ような金型を用いて680℃6温度で外周部のみ圧縮加
工した。なおポンチ10の直径(ポンチ11の内径)は
24mmである。圧縮加工後の外周部の長さは10mmであ
った。加工後のビレットを切削加工し外径29mmにして
前記と同様に着磁して、この局部的な圧縮加工の前後で
表面磁束密度の値を比較すると、加工後の方が0.2k
G高くなった。
実施例3 実施例1と同じ配合組成のMn,Al,C及びNiを溶
解鋳造し、外径40mm,内径30mm,長さ20mmの円筒
ビレットを作製した。このビレットを1100℃で2時
間保持した後、600℃まで風冷し、600℃で30分
間保持した後、室温まで放冷する熱処理を行った。
次に潤滑剤を介して、720℃の温度で、第1図に示し
た様な押出加工を行った。第1図においてダイスのコン
テナ部の外径は40mm,内径は30mmであり、ベアリン
グ部の外径は30mm,内径は20.8mmであり、Xは2
0mmである。押出加工後のビレットは外径30mm,内径
20.8mm,長さ30mmであった。次にこの円筒ビレッ
トを潤滑剤を介して、第3図に示したような金型を用い
て円筒ビレットの外周表面を拘束し、しかも内周を自由
な状態にして680℃の温度で円筒ビレットの長さを2
0mmまで圧縮加工を行った。なお第3図において、外型
9の内径は30mmである。
この圧縮加工を施したビレットは外径29mm,内径18
mm,長さ20mmの円筒磁石として、外周表面及び内周表
面から第5図に示す様な、12極の径方向着磁を施し
た。第5図は円筒磁石の径方向に多極着磁した場合の磁
石内部での磁路(図において、破線で示す。)の形成を
模式的に示したものである。第5図に示す様に磁路は磁
石の径方向にほぼ沿っている。着磁は2000μFのオ
イルコンデンサーを用い1500Vでパルス着磁した。
外周表面の表面磁束密度をホール素子で測定した。比較
のために、前述した配合組成と同じ配合組成のMn,A
l,C及びNiを溶解鋳造し、直径60mm,長さ20mm
の円柱ビレットを作製した。このビレットを1100℃
で2時間保持した後、室温まで放冷する熱処理を行っ
た。次に潤滑剤を介して、720℃の温度で、直径40
mmまでの公知の押出加工を行った。この押出棒を長さ3
0mmに切断し、切削加工して、外径30mm,内径20.
8mm,長さ30mmの円筒ビレットを作製した。次にこの
ビレットに前述した圧縮加工と同じ圧縮加工を施し、さ
らに前記と同様に円筒状に切削加工して、着磁し、表面
磁束密度を測定した。
以上の両者の値を比較すると、本発明の方法で得た磁石
の表面磁束密度の値は、比較のために作製した磁石のそ
れの約1.2倍であった。
さらに、本発明のさきほど着磁した磁石を第4図に示す
ような金型を用いて680℃の温度でビレットの外周部
のみを圧縮加工した。なおポンチ10の直径(ポンチ1
1の内径)は24mmである。圧縮加工後の外周部の長さ
は15mmであった。加工後のビレットを切削加工し外径
29mmにして前記と同様に直磁して、この局部的な圧縮
加工の前・後で表面磁束密度の値を比較すると、加工後
の方が0.2kG高くなった。
実施例4 実施例1と同じ配合組成のMn,Al,C及びNiを溶
解鋳造し、直径50mm,長さ20mmの円柱ビレットを作
製した。このビレットを1100℃で2時間保持した
後、室温まで放冷する熱処理を行った。
次に潤滑剤を介して、720℃の温度で、直径30mmま
での公知の押出加工を行った。押出棒を長さ20mmに切
断し、切削加工して、外径30mm,内径10mm,長さ2
0mmの円筒ビレット(ビレットA)にした。また、押出
棒を長さ20mmに切断し、切削加工して、直径29mm,
長さ40mmの円柱ビレット(ビレットB)にした。ビレ
ットBを潤滑剤を介して、660℃の温度で、ビレット
の軸方向に自由圧縮加工した。加工後のビレットの長さ
は20mmであった。この加工後のビレット(面異方性磁
石)をビレットAと同様に、切削加工して、外径30m
m,内径10mm,長さ20mmの円筒ビレット(ビレット
B)にした。次に実施例1と同様に、ビレットAとビレ
ットBを用い、潤滑剤を介して、720℃の温度で、第
1図に示した様なダイスを用いて押出加工を行った。第
1図において、ダイスのコンテナ部の外径は30mm,内
径は10mmであり、ベアリング部の外径は40mm,内径
は35mmであり、Xは20mmである。押出加工後のビレ
ットは外径40mm,内径35mm,長さ42.7mmであっ
た。次にこれらの円筒ビレットを潤滑剤を介して、第3
図に示したような金型を用いて円筒ビレットの外周表面
を拘束し、しかも内周を自由な状態にして680℃の温
度で円筒ビレットの長さを20mmまで圧縮加工を行っ
た。なお第3図において、外型9の内径は40mmであ
る。
この圧縮加工を施したビレットをそれぞれ外径38mm,
内径29mm,長さ20mmの円筒磁石として、外周表面に
30極の外周着磁を施した。着磁は2000μFのオイ
ルコンデンサーを用い1500Vでパルス着磁した。外
周表面の表面磁束密度をホール素子で測定し、実施例1
で得た磁石と比較した。
以上の両者(ビレットA,ビレットBを用いた本発明の
磁石と実施例1で得た磁石)の値を比較すると、実施例
4で得た磁石の表面磁束密度の値は、実施例1で作製し
た磁石のそれのビレットAを用いた磁石では約1.2
倍、ビレットBを用いた磁石では約1.3倍であった。
さらに、本発明のさきほど着磁した磁石を第4図に示す
ような金型を用いて、680℃の温度で、ビレットの外
周部のみをそれぞれ圧縮加工した。なおポンチ10の直
径(ポンチ11の内径)は34mmである。圧縮加工後の
外周部の長さは15mmであった。加工後のビレットを切
削加工し、外径38mmにして前記と同様に着磁して、こ
の局部的な圧縮加工の前・後で表面磁束密度の値をそれ
ぞれ比較すると、加工後の方がそれぞれ0.2kG高く
なった。
以上、Mn−Al−C系磁石合金の組成については、N
i添加の4元系とNi,Ti添加の5元系のものについ
てのみ示したが、Mn−Al−C系合金磁石の基本組成
である3元系についても塑性加工(押出加工+圧縮加
工)後の磁石の磁気特性に若干の差は認められたが、公
知の押出加工による方法より前述したような磁気特性の
向上が認められた。
また、局部的な圧縮加工については、ビレットの外周部
のみを圧縮加工する方法のみ示したが、内周部のみ圧縮
加工した場合でも、同様に、磁気特性の向上が認められ
た。
発明の効果 本発明は、実施例によって述べたように、マンガン−ア
ルミニウム−炭素系磁石合金からなる中空体状のビレッ
トに、530〜830℃の温度で、コンテナ部の空洞部
分の断面形状が中空であり、コンテナ部の開口面積がベ
アリング部の開口面積より大きいダイスを用いて、ビレ
ットの軸方向と押出方向を平行にして押出加工を施し、
この押出加工によって前記中空体状ビレットを、軸方向
と周方向に伸張させた後、さらに前記伸張後のビレット
の外周を拘束し、かつ内周の少なくとも一部分を自由に
した状態で、この伸張後のビレットの軸方向に圧縮加工
を施すことによって多極着磁を施した場合に高い磁気特
性を示す磁石を得るものである。
この方法によって、つまり前述した特定の押出加工を施
した後、前記の特定の圧縮加工を施すことによって、こ
れまでの公知の押出加工を施した後、前記の特定の圧縮
加工を施す方法よりトータルの塑性加工量が少なくても
多極着磁した場合に優れた磁気特性を示す磁石が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図a,bは本発明の押出加工の一例を示す金型の一
部の断面図、第2図a〜dは本発明の押出方法の一例を
示す金型の一部の断面図、第3図a,b及び第4図a,
bは本発明の圧縮加工の一例を示す金型の一部の断面
図、第5図は円筒状磁石の径方向に多極着磁を施した場
合の磁石内部での磁路の形成を模式的に示す図である。 1,1′……ビレット、2……マンドレル、3……ダイ
ス、4,5……ポンチ、6……コンテナ部、7……ベア
リング部、8……コニカル部、9……外型、10……固
定用ポンチ、11……可動用ポンチ、12……下型。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マンガン−アルミニウム−炭素系磁石合金
    からなる中空体状のビレットに、530〜830℃の温
    度で、コンテナ部の空洞部分の断面形状が中空であり、
    コンテナ部の開口面積がベアリング部の開口面積より大
    きいダイスを用いて、ビレットの軸方向と押出方向を平
    行にして押出加工を施し、この押出加工によって前記中
    空体状ビレットを、軸方向と周方向に伸張させた後、さ
    らに前記伸張後のビレットの外周を拘束し、かつ内周の
    少なくとも一部分を自由にした状態で、この伸張後のビ
    レットの軸方向に圧縮加工を施すことを特徴とするマン
    ガン−アルミニウム−炭素系合金磁石の製造法。
  2. 【請求項2】マンガン−アルミニウム−炭素系磁石合金
    からなる中空体状のビレットに、530〜830℃の温
    度で、コンテナ部の空洞部分の断面形状が中空であり、
    コンテナ部の開口面積がベアリング部の開口面積より大
    きいダイスを用いて、ビレットの軸方向と押出方向を平
    行にして押出加工を施し、この押出加工によって前記中
    空体状ビレットを、軸方向と周方向に伸張させた後、さ
    らに前記伸張後のビレットの外周を拘束し、かつ内周の
    少なくとも一部分を自由にした状態で、このビレットの
    軸方向に圧縮加工を施し、その後この圧縮後のビレット
    の一部分にビレットの軸方向に圧縮加工を施すことを特
    徴とするマンガン−アルミニウム−炭素系合金磁石の製
    造法。
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