JPH068441B2 - 射出成形用材料 - Google Patents

射出成形用材料

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JPH068441B2
JPH068441B2 JP31464788A JP31464788A JPH068441B2 JP H068441 B2 JPH068441 B2 JP H068441B2 JP 31464788 A JP31464788 A JP 31464788A JP 31464788 A JP31464788 A JP 31464788A JP H068441 B2 JPH068441 B2 JP H068441B2
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正和 遠北
昭仁 大塚
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は金属もしくは合金粉末に樹脂を混じた射出成形
用材料に関する。
(従来の技術) 従来、金属若しくは合金の粉末を用いて成形し、各種加
工部品を得る為に、上記粉末をプレスにて圧粉体に成形
した后、適切な条件にて焼結処理する方法が採られてい
たが、三次元的に複雑な形状を有する製品、薄肉部やナ
イフエッジ部等の薄肉部を有する製品の製造は困難であ
った。
これら加工上の難点を解消しようとして、平均粒径が1
0μm以下の粉末にバインダーを混じた混合物を所定形
状の金型にて射出成形し、得られた射出成形体を体温に
て加熱して脱バインダーした后に高温で焼結処理し、金
属もしくは合金焼結品を入手する方法が提示されている
(特開昭57−16103号、特開昭57−26105
号)。
(発明が解決しようとする課題) 然し乍ら、前記方法は平均粒径が10μm以下の金属も
しくは合金粉末を使用する為、焼結密度の高い製品が得
られるが、逆に脱バインダーに長時間を要している。そ
の結果、材料の回転率が低く生産性を害していた。
亦、従来方法によって得られた射出成形体からバインダ
ーを除去する操作を強制的に加速させる目的で分解速度
の早いバンインダーを用いることもなされているが、脱
バインダー工程で成形体にクラック、ふくれ、変形など
の欠陥が生じ易かった。逆に、分解速度の早いバインダ
ーに分解速度の遅いバインダーを加えて、上記の欠陥を
改善しようとする試みもなされているが、これによって
も脱バインダー性は改善されず、分解速度の早いバイン
ダー程常温に於ける強度、特に曲げ強度が弱くなると云
う欠点もあった。
従って、脱バインダー性として取り上げられている製造
工程でのクラック、ふくれ、変形等の発生の問題は、単
に定温化或いは脱バインダー時間を圧縮するだけでは解
決されないのが実状であった。
本発明は、金属もしくは合金粉末を原料とする精密部品
の射出成形にあって、従来の組成物によってはなし得ら
れ難かった脱バインダー性の改善に用益する射出成形用
材料を提供することを目的とするものである。
(課題を解決する為の手段) 上記課題を解決する為の本発明の射出成形用材料は、金
属及び合金の1種もしくは2種以上よりなる焼結用粉末
と、バインダーとから成る射出成形用材料であり、該バ
インダーは重量比にて20〜80%のパラフィン系ワッ
クス、10〜60%の酢酸ビニル共重合体及び5〜35
%のホウ酸エステルを含み、上記焼結用粉末と上記バイ
ンダーとの配合割合が容積比にて前者が30〜80%、
後者が70〜20%であることを特徴とするものであ
り、これにより薄肉部を有する製品の製造を可能にし、
射出成形品の利用範囲を広げることができる。
本発明で用いられる焼結用粉末としては、銅、鉄、ニッ
ケル、チタン等と周知の金属粉やステンレス鋼、低合金
鋼、コバルト合金などの合金粉末、更にはこれらを混合
した混合粉末等が使用可能である。必要に応じ、これら
金属粉末にセラミックス粉末を混合したサーメット粉末
も使用することができる。更に、金属繊維、セラミック
ス繊維、ガラス繊維等を適宜混合使用することも可能で
ある。
パラフィン系ワックスとしては通常のパラフィンワック
スが用いられる。また、ホウ酸エステルとしてはトリグ
リコールジボレート類、トリアルキルボレート類、グリ
セロール類、及びアルキンジボレート類より選ばれた1
種もしくは2種以上であり、更に詳しくはトリグリコー
ルジボレート類としては、例えば1,6−ビス(5−エ
チル−4−プロピル−1,3,2−ジオキサボラー2−
シクロヘキシルオキシ)ヘキサン、あるいは1,4−ビ
ス(5−エチル−4−プロピル−1,3,2−ジオキサ
ボラー2−シクロヘキシルオキシ)ブタンなど、またト
リアルキルボレート類としては、例えばトリメチルボレ
ート、トリエチルボレート、トリブチルボレート、トリ
アミルボレートなど、またグリセロールボレート類とし
ては、例えばグリセロールボレートステアレート、ポリ
オキシエチレングリセロールボレートパルミテートな
ど、アルキンジボレート類としては、例えばメチルジボ
レート、エチルジボレート類が挙げられる、特に好まし
いものとして、トリグリコールジボレート類が挙げられ
る。
これらのホウ酸エステルは1種または2種以上の組み合
わせとして使用することができ、他の成分と混合する際
には、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの溶剤
に溶解して60−80重量%程度の溶液として配合する
ことが望ましく、これにより金属粉末と有機バインダー
の混合性が一層向上する。従って、この場合には、バイ
ンダー組成物は、一定量の溶剤も成分として含有するこ
とになる。
更に、本発明に使用される酢酸ビニル共重合体の流動度
は、JISK7210に規定された方法で測定して50
〜250g/10分であることが望ましい。
(作用) 本発明射出成形用材料は、プラスチックの射出成形に用
いられる設備、装置をそのまま利用して射出成形され、
加熱による脱バインダー処理後焼結処理をして前記精密
加工部品等が得られるが、この時、下述によって理由づ
けられる重量%による成分組成範囲及び容積%による配
合割合を尊守する限り、以下の作用を奏する。
即ち、射出成形時に適度の流動性を有し、射出成形体の
強度が大であり、表面欠陥が生じることがない。また、
脱バインダー時間が短く且つ脱バインダー温度を低くす
ることが出来、これによる強度劣化や金型から取り出す
際の形状保持性が低下することがなく、クラック、ふく
れ、変形などの欠陥が生じる懸念がない。
而して、焼結粉末の配合量を30〜80容量%と規定し
たのは、焼結粉末が80容量%を超えると、射出成形時
に適度の流動性を持たせることが出来ず、その結果射出
成形操作を続けることが不可能となる為であり、30容
量%未満では射出成形体の強度低下に加えて表面欠陥を
生じ易くなって射出成形性が悪くなるからである。亦、
バインダーの組成として、パラフィン系ワックスの含有
量を20〜80重量%と規定したのは、20重量%未満
であると脱バインダー時間が長くなると共に脱バインダ
ーに高温を要し製品の射出成形性が悪くなるからであ
り、80重量%を超えると射出成形体の強度並びに形状
保持が不充分となり、射出成形処理后に於いて金難から
射出成形体を取り外す場合に射出成形体を崩壊し、所望
する成形体形状が得にくくなると共に、脱バインダー時
に成形体にクラック、ふくれ、変形などの欠陥が生じ易
くなる為である。更に、酢酸ビニル共重合体の含有量を
10〜60重量%と規定したのは、10重量%未満であ
ると、脱バインダーに要する時間が短くなるものの、射
出成形体の強度並びに形状の保持が困難となり、脱バイ
ンダー処理工程へ廻す為に金型から成形体を取り出す場
合に成形体が破壊し易くなる為であり、60重量%を超
えると脱バインダーに要する温度を高くし、しかも長時
間行なわなければならなくなる為である。更に亦、バイ
ンダーの組成の一つとしてホウ酸エステルを用いた理由
は、ホウ酸エステルは粉末分散効果が格段に優れる為、
射出成形体中の焼結粉末の均一性を高めると共に焼結粉
末とバインダーとの混和性を向上させ、ひいては射出成
形性並びに脱バインダー性が良くなるからである。そし
て、該ホウ酸エステルの配合量を5〜35重量%と規定
したのは、5重量%未満の場合上記混和性が充分発揮さ
れず、射出成形時にバインダー部が分離したり、脱バイ
ンダー后に多孔体を生じることが多くなる為であり、3
5重量%を超えると射出成形体の強度が低下する傾向と
なるからである。
(実施例) 平均粒径が15μmのステンレス鋼粉末(ガスアトマイ
ズ法によるSUS316粉末)を表1に示す組成を有す
る種々のバインダーと組み合わせて第1図に示すような
シャープなエッジを有する焼結製品1及び第2図に示す
ような焼結体の特性評価用の引っ張り試験片2を製造し
た。
即ち、ステンレス鋼粉末にバインダーを第1表に示す量
を添加すると共に混合、混練し、第1図のギア形状に射
出成形し、この時の射出成形性を調べた。次に、射出成
形体を窒素ガス雰囲気中で加熱して、バインダー残量が
成形体の1重量%以下になるまで脱バインダー処理後、
成形体の外観を観察した。更に、成形体の外観が良好で
あるものを選んで1250℃で1時間焼結処理し、長さ
50mm、幅10mm、厚さ10mmの直方体の試験片(「粉
末冶金技術協会」標準の板状試験片)2とし、これを3
点曲げ試験方法によってその機械的強度を評価した。上
記射出成形性、外観及び機械的強度の評価の結果を脱バ
インダーの加熱温度、時間と共に第1表に纏めて示す。
尚、第1表に於ける従来例は、バインダーの構成材料が
本発明と異なることを示す。また実施例は本発明の範囲
外のものであり、具体的には、実験例1、2はバインダ
ーの添加量が本発明の範囲外であること、実験例3、4
はバインダーのパラフィンワックスの含有量が本発明の
範囲外であること、実験例5、6は同ホウ酸エステルの
含有量が本発明の範囲外であること、更に実施例7、8
は同酢酸ビニル共重合体が本発明の範囲外であること、
を夫々表す。
次に、焼結用粉末の種類を変えたものについて上記と同
様の要領で焼結試験片を作成し、その機械的強度を測定
した。その評価結果を第2表に示す。尚、バインダーの
組成は、パラフィンワックス60重量%、酢酸ビニル共
重合体20重量%、ホウ酸エステル系分散剤20重量%
である。また、第2表中機械的強度の欄の括弧内の数値
はバインダーを用いずにP/M法により作成した比較サ
ンプルによる評価データである。
第1表から次の点が理解される。即ち、従来例1は良好
な成形体が得られるが、射出成形圧力が高く、脱バイン
ダー性が良くない。従来例2はパラフィンワックスを多
量に含んでいる為、脱バインダー温度が低く、時間も短
いが脱バインダー後成形体の一部が変形する。従来例3
は成形体の寸法収縮が大きく、脱バインダー温度が高
く、また脱バインダー時間が長い。亦、実験例1は射出
成形時に面引けをおこし、成形体強度が小さく、脱バイ
ンダー後一部変形する。実験例2は成形不可である。実
験例3は成形体強度が小さく、脱バインダー後変形す
る。実験例4は脱バインダー後の外観は良好であるが脱
バンダー温度が高くしかも時間が長くかかる。実験例5
は成形体強度が小さく、脱バインダー後変形する。実験
例6はバインダーが分離し、成形体強度も小さく更に成
形体がポーラスとなる。実験例7は脱バインダー後の外
観は良好であるが脱バインダー温度が高くしかも時間が
長くかかる。実験例8は成形体強度が小さく、脱バイン
ダー後変形する。尚、上記ステンレス鋼粉末のみ(バイ
ンダーを使用せずに)を溶製法及び通常のP/M法にて
作成した成形サンプルについて機械的強度を測定したと
ころ、溶製法での引張強度が115kg/mm2、同伸びが
12.5%、P/M法での引張強度が116kg/mm2
同伸びが13.1%であった。このことから、本発明実
施例がこれらより優るとも劣らないことが理解される。
亦、第2表から、焼結用粉末の種類によって機械的強度
に差があるが、いずれも実用上問題がないことが理解さ
れる。しかも、バインダーを用いない場合に比べいずれ
も優れた機械的強度を保有することが理解される。
(発明が効果) 本発明によれば、複雑な形状を有する粉末焼結製品で特
に薄肉部やナイフエッジ部を有する製品を製造する場
合、脱バインダー処理を低温、短時間で達成出来ると共
に出来上がった製品には欠陥がみられず、製品の効率的
な量産化に大きく寄与することは必至である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の射出成形用材料による焼結成形品の一
例を示す正面図並びに側面図、第2図は同焼結体の特性
評価用の引っ張り試験片の正面図及び側面図である。 (符号の説明) 1…焼結成形品、2…引っ張り試験片。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属及び合金の1種もしくは2種以上より
    なる焼結用粉末と、バインダーとから成る射出成形用材
    料であり、該バインダーは重量比にて20〜80%のパ
    ラフィン系ワックス、10〜60%の酢酸ビニル共重合
    体及び5〜35%のホウ酸エステルを含み、上記焼結用
    粉末と上記バインダーとの配合割合が容積比にて前者が
    30〜80%、後者が70〜20%であることを特徴と
    する射出成形用材料。
  2. 【請求項2】焼結用粉末が、銅、鉄、ニッケル、チタン
    等の金属粉やステンレス鋼、低合金鋼、コバルト合金な
    どの合金粉末、更にはこれらを混合した混合粉末のいず
    れかの粉末であり、一方ホウ酸エステルがトリグリコー
    ルジボレート類、トリアルキルボレート類、グリセロー
    ルボレート類及びアルキンジボレート類より選ばれた1
    種もしくは2種以上である請求項1記載の射出成形用材
    料。
JP31464788A 1988-12-12 1988-12-12 射出成形用材料 Expired - Lifetime JPH068441B2 (ja)

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