JPH0688879B2 - ホウ酸アルミニウムウィスカーの製造方法 - Google Patents

ホウ酸アルミニウムウィスカーの製造方法

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JPH0688879B2 JP12856690A JP12856690A JPH0688879B2 JP H0688879 B2 JPH0688879 B2 JP H0688879B2 JP 12856690 A JP12856690 A JP 12856690A JP 12856690 A JP12856690 A JP 12856690A JP H0688879 B2 JPH0688879 B2 JP H0688879B2
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正道 岩崎
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はホウ酸アルミニウムウィスカーの製造方法に関
するものである。
本発明方法によって得られるホウ酸アルミニウムウィス
カーは機械的強度、耐熱性、断熱性、耐薬品性、電気絶
縁性及び中性子線吸収能に優れており、熱可塑性樹脂、
熱硬化性樹脂、セメント、ガラス及び金属等の補強材と
して有用である。
従来の技術 機械的強度、耐薬品性等に優れているホウ酸アルミニウ
ムウィスカーの合成について種々の方法が試みられてお
り、その方法は気相法と溶融剤を用いる液相法とに大別
できる。
気相法に関しては、1000〜1400℃にて気体状態のフッ化
アルミニウムと酸化ホウ素中に水蒸気を通すことによ
り、4Al2O3・B2O3の組成をもつウィスカーが得られるこ
とが米国特許第3350166号明細書に記載されている。
一方液相法に関しては、水酸化アルミニウムと酸化ホウ
素の混合物を1400℃に加熱することにより3Al2O3・B2O3
及び9Al2O3・B2O3の組成をもつウィスカーが得られるこ
とが米国特許第3080242号明細書に記載されている。こ
の場合には、過剰の酸化ホウ素が溶融剤成分としての役
割を果たしている。また米国内務省鉱山局の報告によれ
ば、酸化アルミニウム、四ホウ酸ナトリウム及び塩化リ
チウムの混合物を1200℃に加熱することにより2.5Al2O3
・B2O3の組成をもつウィスカーが得られ、また酸化アル
ミニウム、四ホウ酸ナトリウム及び酸化ホウ素の混合物
を1400℃に加熱することにより4.8Al2O3・B2O3の組成を
もつウィスカーが得られることが知られている。〔ビュ
ーロー オブマインズ レポート オブ インベスティ
ゲーション“Bureau of Mines Report of Investigatio
ns 6575"(1965)〕この場合においても、過剰の四ホウ
酸ナトリウム及び塩化リチウムの混合物あるいは過剰の
四ホウ酸ナトリウム及び酸化ホウ素の混合物が溶融剤成
分としての役割を果たしており、通常当量の3倍以上の
ホウ酸成分が混合され、過剰分の成分が溶融剤として作
用する、内部溶融剤法と呼ばれているものである。この
方法は大きいウイスカーを得ることが可能だが、溶解力
の強い無水ホウ酸成分が化学量論量よりもかなり過剰で
あるため、生成したウイスカーを溶解してしまい収率が
大幅に低下すること及び反応後系がガラス状になるため
ウイスカーの分離が困難であるという、工業的製法とし
ては大きな欠点がある。
本発明者等は、特開昭63-319298号公報及び同63-319299
号公報において、ホウ酸アルミニウムの生成反応に直接
関与しない溶融剤を用いる製法により、これらの問題が
解決しうることを提案した。
発明が解決しようとする課題 本発明の目的とするところは、さらに収率が高く且つ工
業的な規模における製造に適したホウ酸アルミニウムウ
イスカーの製造方法を提供するにある。
また、この種のウイスカーをFRP、FRM、FRCの強化材と
して用いる場合、そこで要求されれるウイスカーの繊維
径はまちまちであり、例えばFRPで0.5〜1.0μm、FRMで
は1.0〜5.0、FRCでは0.1〜0.5μmである。
本発明者等が明らかにした前述の特許出願によれば、こ
れらの範囲のホウ酸アルミニウムウイスカーを製造する
ことは可能であるが、この場合目的とする大きさに応じ
てアルミニウム供給成分、無水ホウ酸供給成分及び溶融
剤成分を選定しなければならない。また大きいウイスカ
ーを得るためには内部溶融剤の力を借りる必要があり、
収率が低下してしまうという難点があった。
課題を解決するための手段 本発明者等は、このような事情に鑑み鋭意試験研究を重
ねた結果、アルカリ金属のアルミン酸塩及び硫酸を用い
ることにより、所期の目的が達成できることを見出し、
本発明方法を完遂した。
即ち本発明方法によれば、アルカリ金属のアルミン酸塩
から選ばれた少なくとも一種のアルミニウム供給成分
と、酸化ホウ素、ホウ酸、アルカリ金属ホウ酸塩の中か
ら選ばれた少なくとも一種の無水ホウ酸供給成分と、ア
ルカリ金属の硫酸塩及び塩化物から選ばれた溶融剤成分
で構成される原料系に、硫酸を適量混合したのち900〜1
200℃の温度域で反応することにより、ホウ酸アルミニ
ウムウィスカーの結晶が育成され、そしてアルミニウム
供給成分、無水ホウ酸供給成分、溶融剤成分及び硫酸の
混合比率を所定の範囲に調整することによって、得られ
るホウ酸アルミニウムウイスカーの大きさを高収率で制
御することが可能である。
本発明方法の実施に適するアルミニウム供給成分として
はアルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム等であ
り、これらは2種以上混合してもかまわない。
無水ホウ酸供給成分としては、ホウ酸、ピロホウ酸、メ
タホウ酸、四ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸カリウム、メ
タホウ酸ナトリウム等及びこれらの塩の水和物並びにB
(OC2H5)3のようなホウ素のアルコキシド化合物が挙げ
ら、これらは2種以上混合してもかまわない。
溶融剤としては、アルカリ金属の硫酸塩及び塩化物であ
り、具体的には硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カ
リウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム
及びこれらの水和物であり、2種以上混合してもかまわ
ない。
これらの混合割合は、アルミニウムとホウ素のモル比を
6:4〜9:2の範囲、アルミニウムとアルカリ金属のモル比
を1:1〜1:10の範囲、更にアルミニウムと硫酸のモル比
を2:1〜1:5の範囲とすることにより、ホウ酸アルミニウ
ムウイスカーを繊維径0.2〜5μm、繊維長2〜200μm
に制御することが可能である。
ホウ素に対するアルミニウム量が多いほど、溶融剤成分
が多いほど、大きなウイスカーが得られる。また溶融剤
として、硫酸塩を用いた場合はアルミニウムと硫酸のモ
ル比が2:3に近いほど、そしてアルミニウム2モルに対
しxモルの塩化物を用いた場合は、アルミニウムと硫酸
のモル比が2:3+x/2に近いほど大きなウイスカーが得ら
れる。
反応温度は900〜1200℃であり、これより高いとアルミ
ナが生成し、低いとウイスカーが十分成長しないため不
適切である。時間は30分〜12時間でよい。
育成されたホウ酸アルミニウムウィスカーを単離するに
は、約1N濃度の熱塩酸、熱硫酸、熱硝酸、熱苛性ソーダ
あるいは熱水等を用いて、溶融材その他水溶性物質を除
去し、十分に水洗をするか、あるいは水不溶の副生成物
がある場合には、残留物からデカンテーション等の処理
でウィスカーを分離したのちに、十分に水洗をすればよ
い。
作用 900〜1200℃の反応温度において、ホウ酸アルミニウム
ウィスカーを構成する物質の一つであるAl2O3は固体で
あるので、ウィスカーを均一に育成させるには、系全体
を液状に近づける必要がある。そのために本発明方法で
はアルミン酸ナトリウム(NaAlO2)、アルミン酸カリウム
(KAlO2)と硫酸を反応させNa3Al(SO4)3またはK3Al(SO4)3
等のトリアルカリアルミニウムトリサルフェートを生成
せしめる。
トリアルカリアルミニウムトリサルフェートは通常700
℃付近から溶融が始まり、さらに昇温していくに連れ
て、徐々にAl2O3とアルカリ金属硫酸塩に再分解し、105
0℃付近で反応が完了する。この性質を利用して、700℃
付近で全ての原料を液状均一化させることができる。さ
らに昇温していく過程で再発生してくるアルカリ金属硫
酸塩とトリアルカリアルミニウムトリサルフェートとの
共融混合浴が溶融剤の作用を呈し、同時に発生してくる
Al2O3がB2O3と反応し、ウィスカーとして成長する。こ
のように反応が均一系で進むために、大きくて均一なホ
ウ酸アルミニウムウィスカーが得られる。
またアルカリ金属の塩化物も硫酸と反応し容易に硫酸塩
となり、前述と同時にトリアルカリアルミニウムトリサ
ルフェートを生成し、同じ機構でホウ酸アルミニウムウ
イスカーが成長する。
実施例1〜7 表に示すような各種アルミニウム供給成分、無水ホウ酸
供給成分、溶融剤成分及び硫酸を計量、粉砕、混合した
ものを、内容量50mlのアルミナ坩堝に入れ、電気炉中で
毎分10℃ずつ昇温し、1100℃の温度で4時間反応させ
た。この反応物を冷却し、それに1000mlの1N塩酸を加え
て8時間煮沸し、残留フラックス分を溶解除去したの
ち、水洗、乾燥して9Al2O3・2B2O3を持つホウ酸アルミニ
ウムウイスカーをを得た。このウイスカーの形状及び収
率は次表に示したとおりであり、高収率でウイスカーを
所定の大きさに制御することが可能であった。
発明の効果 本発明方法によれば、従来の方法と比べて収率が高く、
且つウィスカーの大きさが均一であり、しかもその大き
さの制御が可能であり、工業的製法として好適である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルカリ金属のアルミン酸塩から選ばれた
    少なくとも一種のアルミニウム供給成分と、酸化ホウ
    素、ホウ酸、アルカリ金属ホウ酸塩の中から選ばれた少
    なくとも一種の無水ホウ酸供給成分とアルカリ金属の硫
    酸塩及び塩化物から選ばれた溶融剤成分並びに硫酸を均
    一に混合したのち、900〜1200℃の温度域で反応させて
    育成するホウ酸アルミニウムウィスカーの製造方法。
  2. 【請求項2】アルミニウム供給成分と無水ホウ酸成分を
    アルミニウムとホウ素のモル比が6:4ないし9:2の範囲と
    し、アルミニウム供給成分とフラックス成分をアルミニ
    ウムとアルカリ金属のモル比が1:1ないし1:10の範囲と
    し、アルミニウムと硫酸のモル比を2:1〜1:5の範囲と
    し、繊維径0.2〜5μm、繊維長5〜500μmの所定範囲
    にあり、且つ9Al2O3・2B2O3で示される組成をもつ請求項
    (1)に記載のホウ酸アルミニウムウィスカーの製造方
    法。
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