JPH0689829B2 - 静油圧式無段変速機 - Google Patents

静油圧式無段変速機

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JPH0689829B2
JPH0689829B2 JP6892386A JP6892386A JPH0689829B2 JP H0689829 B2 JPH0689829 B2 JP H0689829B2 JP 6892386 A JP6892386 A JP 6892386A JP 6892386 A JP6892386 A JP 6892386A JP H0689829 B2 JPH0689829 B2 JP H0689829B2
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pump
hydraulic
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cylinder
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充 齋藤
勉 林
正家 加藤
信幸 八木ケ谷
一彦 中村
圭宏 吉田
芳浩 中島
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Honda Motor Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は、斜板式油圧ポンプと斜板式油圧モータとの間
に油圧閉回路を形成してなる静油圧式無段変速機の改良
に関する。
(2) 従来の技術 かかる静油圧式無段変速機は、例えば特公昭59−38467
号公報に記載されているように、既に知られている。
(3) 発明が解決しようとする問題点 従来の静油圧式無段変速機では、油圧モータのモータシ
リンダに固設された分配盤に油圧ポンプのポンプシリン
ダを回転摺動自在に圧接させ、それらの回転摺動面を貫
通する油路を通して油圧ポンプ及び油圧モータの作動油
の授受を行うようにしている。このため、分配盤及びポ
ンプシリンダの相対向する回転摺動面間から圧油が漏洩
し易く、その漏洩によれば伝動効率の低下を招く。
そこで、本発明は、油圧ポンプ及び油圧モータ間で作動
油の授受を確実に行い得るようにして伝動効率を高め、
また油圧ポンプと油圧モータ間の動力伝達を任意に遮断
し得る簡単有効な前記静油圧式無段変速機を提供するこ
とを目的とする。
B.発明の構成 (1) 問題点を解決するための手段 上記目的を達成するために、本発明は、油圧ポンプのポ
ンプシリンダ及び油圧モータのモータシリンダを出力軸
に一体的に結合し、これらポンプシリンダ及びモータシ
リンダ間に、油圧モータの膨脹行程領域に存するモータ
ポートに連通する環状の高圧油路と、油圧モータの収縮
行程領域に存するモータポートに連通する環状の低圧油
路とを同心上で形成すると共に、半径方向外方位置及び
内方位置間を往復動して油圧ポンプの多数のポンプポー
トを高圧油路と低圧油路に交互に連通させ得る多数の分
配弁を放射状に配設し、これら分配弁に係合する偏心輪
にこれを第1偏心位置と第2偏心位置とに作動し得るク
ラッチ制御手段を設け、偏心輪の第1偏心位置では、油
圧ポンプの吐出行程領域に存するポンプポートを高圧油
路に、吸入行程領域に存するポンプポートを低圧油路に
それぞれ連通すべく分配弁を制御し、偏心輪の第2偏心
位置では、油圧ポンプを短絡状態にすべく分配弁を制御
するようにしたことを特徴とする。
(2) 作用 クラッチ制御手段により偏心輪を第1偏心位置に制御し
て油圧ポンプを駆動すると、油圧ポンプから吐出された
作動油は分配弁を介して高圧油路へ、更に高圧油路から
油圧モータへ給送され、また油圧モータから低圧油路へ
排出された作動油は、分配弁を介して油圧ポンプに吸入
される。こうして、油圧ポンプ及び油圧モータ間で作動
油の授受が挿通され、油圧ポンプから油圧モータへの動
力伝達が行われる。
クラッチ制御手段により偏心輪を第2偏心位置に制御す
れば、油圧ポンプは短絡状態となり、油圧ポンプの吐出
行程側から吐出された作動油は直ちに油圧ポンプの吸入
行程側へ吸入されるため、油圧モータへの作動油の給送
は行われない。その結果、油圧ポンプから油圧モータへ
の動力伝達は遮断される。
(3) 実 施 例 以下、図面により本発明の一実施例について説明する。
先ず第1図及び第2図において、自動二輪車のエンジン
Eの動力は、そのクランク軸1からチエン式1次減速装
置2、静油圧式無段変速機T及びチエン式2次減速装置
3を順次経て図示しない後車輪に伝達される。
無段変速機Tは定容量型の斜板式油圧ポンプP及び可変
容量型の斜板式油圧モータMからなり、そしてクランク
軸1を支承するクランクケース4をケーシングとして、
それに収容される。
油圧ポンプPは、1次減速装置2の出力スプロケット2a
を3本のリベット14‥で結合されたカップ状の入力部材
5と、この入力部材5の内周壁にニードルベアリング6
を介して相対回転自在に嵌合されるポンプシリンダ7
と、このポンプシリンダ7にその回転中心を囲むように
設けられた環状配列の複数且つ奇数のシリンダ孔8,8…
にそれぞれ摺合されるポンププランジャ9,9…と、これ
らポンププランジャ9,9…の外端に当接するポンプ斜板1
0とから構成される。
ポンプ斜板10は、ポンプシリンダ7の軸線と直交する仮
想トラニオン軸線O1を中心にしてポンプシリンダ7の軸
線に対し一定角度傾斜した姿勢で入力部材5の内端壁に
スラストローラベアリング11を介して回転自在に背面を
支承され、入力部材5の回転時、ポンププランジャ9,9
…に往復動を与えて吸入及び吐出行程を繰返させること
ができる。
尚、ポンププランジャ9のポンプ斜板10に対する追従性
を良くするために、ポンププランジャ9を伸長方向に付
勢するばねをシリンダ孔8に縮設してもよい。
入力部材5は、その背面をスラストローラベアリング12
を介して支持筒13に支承される。
一方、油圧モータMは、ポンプシリンダ7と同軸上でそ
の左方に配置されるモータシリンダ17と、このモータシ
リンダ17にその回転中心を囲むように設けられた環状配
列の複数且つ奇数のシリンダ孔18,18…にそれぞれ摺合
されるモータプランジャ19,19…と、これらモータプラ
ンジャ19,19…の外端に当接するモータ斜板20と、この
モータ斜板20の背面をスラストローラベアリング21を介
して支承する斜板ホルダ22と、更にこの斜板ホルダ22を
支持する斜板アンカ23とから構成される。
モータ斜板20は、モータシリンダ17の軸線に対し直角と
なる直立位置と、或る角度で傾倒する最大傾斜位置との
間を傾動し得るようになっており、その傾斜位置では、
モータシリンダ17の回転に伴いモータプランジャ19,19
…に往復動を与えて膨脹及び収縮行程を繰返させること
ができる。
尚、モータプランジャ19のモータ斜板20に対する追従性
を良くするために、モータプランジャ19を伸長方向に付
勢するばねをシリンダ孔18に縮設してもよい。
ポンプシリンダ7及びモータシリンダ17は一体のシリン
ダブロックBを構成し、このシリンダブロックBの中心
部に出力軸25を貫通させる。そして、この出力軸25の外
周に一体に形成されたフランジ25aにモータシリンダ17
の外端を衝き当て、ポンプシリンダ7を出力軸25にスプ
ライン嵌合し、ポンプシリンダ7の外端に当接するサー
クリップ26を出力軸25に係止することにより、シリンダ
ブロックBは出力軸25に固着される。
出力軸25は入力部材5をも貫通すると共に該部材5をニ
ードルベアリング27を介して回転自在に支承する。
出力軸25の右端部外周には前記支持筒13がキー28を介し
て嵌装され、そしてナット30で固着される。上記支持筒
13及びローラベアリング31を介して出力軸の右端部はク
ランクケース4に回転自在に支承される。
また、出力軸25は、モータ斜板20、斜板ホルダ22及び斜
板アンカ23の中心部を貫通し、その左端部には、斜板ア
ンカ23の背面をスラストローラベアリング32を介して支
承する支持筒33がスプライン嵌合され、そして2次減速
装置3の入力スプロケット3aと共にナット34で固着さ
れ、上記支持筒33及びローラベアリング35を介して出力
軸25の左端部はクランクケース4に回転自在に支承され
る。
出力軸25には、ポンプ斜板10の内周面と相対的に全方向
傾動可能に係合する半球状の調心体36が摺動自在にスプ
ライン嵌合される。この調心体36は、複数枚の皿ばね38
の力でポンプ斜板10をスラストローラベアリング11に対
して押圧し、これによりポンプ斜板10に調心作用を常に
与えている。
また出力軸25には、モータ斜板20の内周面と相対的に全
方向傾動可能に係合する半球状の調心体37が摺動自在に
スプライン嵌合される。この調心体37は、複数枚の皿ば
ね39の力でモータ斜板20をスラストローラベアリング21
に対して押圧し、これによりモータ斜板20に調心作用を
常に与えている。
各斜板10,20の調心作用を強化し、しかもポンプ斜板10
とポンププランジャ9,9…群、モータ斜板20とモータプ
ランジャ19,19…群の各間の回転方向の滑りを防止する
ために、各斜板10,20には、対応するプランジャ9,19の
球状端部9a,19aを係合させる球状凹部10a,20aがそれぞ
れ形成される。
油圧ポンプP及び油圧モータM間には、次のようにして
油圧閉回路が形成される。
シリンダブロックBには、ポンプシリンダ7のシリンダ
孔8,8…群とモータシリンダ17のシリンダ孔18,18…群と
の間において、出力軸25を中心にして同心的に並ぶ環状
の内側油路40及び外側油路41と、両油路40,41間の環状
隔壁及び外側油路41の外周壁を放射状に貫通する、シリ
ンダ孔8,8…及び18,18…とそれぞれ同数の第1弁孔42,4
2…及び第2弁孔43,43…と、相隣るシリンダ孔8,8…及
び第1弁孔42,42…を相互に連通する多数のポンプポー
トa、a…と、相隣るシリンダ孔18,18…及び第2弁孔4
3,43…を相互に連通する多数のモータポートb,b…とが
設けられる。その際、前記内側油路40は、シリンダブロ
ックBと出力軸25との対向周面間に形成され、また前記
外側油路41は、シリンダブロックBと、その外周に嵌合
して溶接されるスリーブ44との対向周面間に形成され
る。上記内側及び外側油路40,41は本発明の低圧及び高
圧油路に対応する。
前記第1弁孔42,42…には第1分配弁45,45…が、また前
記第2弁孔43,43…には第2分配弁46,46…がそれぞれ摺
合される。
前記各第1分配弁45は第8図に示すようなスプール型に
形成されていて、第3図において第1弁孔42の半径方向
外方位置を占めると、対応するポンプポートaを外側油
路41に連通すると共に内側油路40と不通にして、対応す
るシリンダ孔8を外側油路41のみに連通し、第1弁孔42
の半径方向内方位置を占めると、対応するポンプポート
aを内側油路40に連通すると共に外側油路41と不通にし
て、対応するシリンダ孔8を内側油路40のみに連通し、
また第1弁孔42の中央位置を占めるとポンプポートaを
両油路40,41と不通にする。
このような動作を各第1分配弁45に与えるために、第1
偏心輪47が第1分配弁45,45…群を囲んでそれらの外端
に係合され、またその偏心輪47と同心関係の追従輪47′
が第1分配弁45,45…群の内側に配設されてそれらの内
端の係合溝45a,45a…に係合され、この係合によって各
第1分配弁45の回転が阻止される。上記追従輪47′は鋼
線から成形されていて、第1分配弁45,45…を第1偏心
輪47との係合方向に弾発すべく配設される。尚、この追
従輪47′には、その直径の製作誤差を吸収するために、
1つの切り口を設けてもよい。
第1偏心輪47は、入力部材5に連結される第1制御環51
にボールベアリング48を介して回転自在に支承され、そ
して通常は第3図に示すように、前記ポンプ斜板10の仮
想トラニオン軸線O1に沿って出力軸25の中心から一定距
離εだけ偏心した第1偏心位置2に配置される。した
がって、入力部材5とポンプシリンダ7間に相対回転が
生じると、各第1分配弁45は、その弁孔42内で第1偏心
輪47の偏心量εの2倍の距離をストロークとして前記
外方位置及び内方位置間を往復動する。
第1図ないし第3図において、前記第1制御環51は、入
力部材5に前記スプロケット2aを結合するリベット14‥
のうちの1本の一端を延長して形成した枢軸14aを介し
て入力部材5に揺動可能に連結される。即ち、この第1
制御環51は第3図において、枢軸14a回りにクラッチオ
ン位置gとクラッチオフ位置hとの間を揺動するもので
あって、クラッチオン位置gでは、第1偏心輪47を、出
力軸25の中心から仮想トラニオン軸線O1に沿って距離ε
だけ偏心させた第1偏心位置eに制御し、クラッチオ
フ位置hでは、第1偏心輪47を、出力軸25の中心から仮
想トラニオン軸線O1の垂線Lに沿って距離εだけ偏心
させた第2偏心位置fに制御する。第1制御環51のこの
ような揺動範囲を規制するために、第5図及び第6図に
示すように、制御環51に固着されてその内周面から突出
する案内ピン52が、入力部材5の外周に形成されてその
周方向に延びる案内溝53に摺動自在に係合される。そし
て、第1制御環51をクラッチオン位置gの方向へ弾発す
るように板ばね54が第1制御環51と入力部材5間に介装
され、この板ばね54は中央部を第1制御環51にリベット
55で固着される。
前記案内ピン52にはローラ56が取付けられており、この
ローラ56には、作動環57の一側に突設された押腕58が係
合される。作動環57は、第2図に示すように、スプロケ
ット2aを挟んで第1制御環51と反対側で入力部材5外周
面に摺動及び回転可能に嵌合され、そしてスプロケット
aに穿設された透孔59に押腕58を貫通させている。
押腕58は、第1制御環51をクラッチオフ位置hの方向へ
揺動させ得るように、先端の凹部60を前記ローラ56の一
側に係合させている(第6図参照)。また押腕58は、そ
の先端に向かって周方向幅を減少させる山形をなしてお
り、その山形を形成する一方の斜面58aは前記凹部60に
連なり、他方の斜面58bは前記透孔59の内壁に形成した
案内斜面59aに摺動可能に係合される。
第2図において、作動環57の外周にはレリーズベアリン
グ61を介してレリーズ環62が回転自在に取付けられ、こ
のレリーズ環62の外端には、クランクケース4に揺動自
在に軸支63されて入力部材5を囲繞する環状クラッチレ
バー64の押圧突子64aが当接する。
クラッチレバー64の揺動端には、第2図及び第7図に示
すように、クランクケース4に軸支65されたベルクラン
ク66の内側レバー66aがクラッチレバー64をレリーズ環6
2側へ押動しるうように連接されると共に、クラッチレ
バー64をレリーズ環62と反対側へ弾発する戻しばね67が
接続される。
ベルクランク66は、クランクケース4内に配置される上
記内側レバー66aと、同ケース4の外側に配置される外
側レバー66bとを有し、その外側レバー66bには、操縦者
により操作されるクラッチ操作レバー(図示せず)がワ
イヤ68を介して接続される。
前記各第2分配弁46も、第8図に示すように第1分配弁
45と同様のスプール型に形成されていて、第2弁孔43の
半径方向外方位置を占めると、対応するモータポートb
を外側油路41に連通すると共に内側油路40と不通にし
て、対応するシリンダ孔18を外側油路41のみに連通し、
また第2弁孔43の半径方向内方位置を占めると、対応す
るモータポートbを内側油路40に連通すると共に外側油
路41と不通にして、対応するシリンダ孔18を内側油路40
のみに連通し、さらに上記両位置間の中央位置を占める
と、対応するモータポート6を内側及び外側油路40,41
のいずれとも不通にする。
このような動作を各第2分配弁46に与えるために、第2
偏心輪49が第2分配弁46,46…群を囲んでそれらの外端
に係合され、またその偏心輪49と同心関係の追従輪49′
が第2分配弁46,46…群の内側に配設されてそれらの内
端の係合溝46a,46a…に係合され、この係合によって各
第2分配弁46の回転が阻止される。上記追従輪49′は鋼
線から成形されていて、第2分配弁46,46…を第2偏心
輪49との係合方向に弾発すべく配設される。尚、この追
従輪49′にも、前記追従輪47′と同様に1つの切り口を
設けてもよい。
第2偏心輪49は、第9図に示すように、モータ斜板20の
傾動軸線即ちトラニオン軸線O2に沿って出力軸25の中心
から一定距離εだけ偏心した偏心位置lと、出力軸25
と同心になる同心位置mとに制御される。
而して、第2偏心輪49が第1偏心位置lを占めるとき、
モータシリンダ17が回転すると、各第2分配弁46は、そ
の弁孔43内で第2偏心輪49の偏心量εの2倍の距離を
ストロークとして前記外方位置及び内方位置間を往復動
し、また同心位置mを占めるときは、モータシリンダ17
の回転によるも全第2分配弁49,49…は前記中央位置に
留められる。
再び第2図において、前記斜板ホルダ22の両端には、モ
ータ斜板20のトラニオン軸線O2上に並ぶ上下一対のトラ
ニオン軸80,80′が一体に突設され、これらトラニオン
軸80,80′は、ローラベアリング71,71′をそれぞれ介し
てクランクケース4と一体の筒状モータハウジング72の
両側壁に回転自在に支承される。換言すれば、これらト
ラニオン軸80,80′によって前記トラニオン軸線O2が規
定される。また、モータハウジング72は、モータシリン
ダ17をもニードルベアリング73を介して回転自在に支承
する。
上記構成において、第1制御環51がクラッチオン位置g
を占めることにより第1偏心輪47を第1偏心位置eに制
御し、一方、第2偏心輪49が第1偏心位置eを占めると
き、1次減速装置2から油圧ポンプPの入力部材5が回
転されると、ポンプ斜板10によりポンププランジャ9,9
…に吸入及び吐出行程が交互に与えられ、この油圧ポン
プPの吸入行程領域S及び吐出行程領域Dを第3図に示
す。そして吸入行程領域Sに存する第1分配弁45は第偏
心輪47及び追従輪47′の協働により内方位置へ作動さ
れ、吐出行程領域Dに存する第1分配弁45は第1偏心輪
47及び追従輪47′の協働により外方位置へ作動される。
したがって、各ポンププランジャ9は、吸入行程におい
て内側油路40からシリンダ孔8に作動油を吸入し、吐出
行程においてシリンダ孔8から外側油路41に作動油を圧
送する、 外側油路41に送られた高圧の作動油は、油圧モータMの
膨脹行程領域Ex(第9図参照)に存するポンプポートa
に、第2偏心輪49及び追従輪49′により外方位置に制御
される第2分配弁46を介して給送される一方、収縮行程
領域Sh(第9図参照)に存するモータポートbから排出
される作動油は、第2偏心輪49及び追従輪49′により内
方位置に制御される第2分配弁46を介して内側油路40へ
誘導される。
この間に、ポンプシリンダ7が吐出行程のポンププラン
ジャ9を介してポンプ斜板10から受ける反動トルクと、
モータシリンダ17が膨脹行程のモータプランジャ19を介
してモータ斜板20とから受ける反動トルクとの和によっ
て、シリンダブロックBは回転され、その回転トルクは
出力軸25から2次減速装置3へ伝達される。
この場合、入力部材5に対する出力軸25の変速比は次式
によって与えられる。
したがって、油圧モータMの容量を零から或る値に変え
れば、変速比を1から或る必要な値まで変えることがで
きる。
ところで、油圧モータMの容量はモータプランジャ19の
ストロークにより決定されるので、モータ斜板20の直立
位置から成る傾斜位置まで傾動させることにより変速比
を1から或る値まで無段階に制御することができる。
このような運転中に、図示しないクラッチ操作レバーの
操作により、ワイヤ68及びベルクランク66を介してクラ
ッチレバー64を戻しばね67の力に抗してレリーズ環62側
へ揺動させれば、レリーズ環62へ加えられる押圧力がレ
リーズベアリング61を介して作動環57に作用し、これを
第6図の矢印74のように左方へ摺動させて、押腕58をス
プロケット2aの透孔59に深く押し入れる。すると、押腕
58の斜面58bに対する透孔59の案内斜面59aの押圧作用、
及びローラ56に対する押腕58の斜面58aの押圧作用によ
り、作動環57の軸方向変位74が僅かでもローラ56に大き
な周方向変位75を与えることができ、これにより第1制
御環51をこれまでのクラッチオン位置gからクラッチオ
フ位置hへ板ばね54の力に抗して揺動させる。
その結果、第1偏心輪47は第1偏心位置eから第2偏心
位置fへ移行され、第3図に示すように、油圧ポンプP
の吸入行程、吐出行程の各領域S,Dにおいて、第2分配
弁46,46…によりポンプポートa…群の半分が内側油路4
0に、また他の半分が外側油路41にそれれぞれ連通され
るため、油圧ポンプPは短絡状態となり、したがって油
圧ポンプPの吐出行程領域Dのポンプポートaから吐出
される高圧の作動油は直ちに吸入行程領域Sのポンプポ
ートaへ吸入されるようになるから、油圧ポンプPおよ
び油圧モータM間での作動油の授受は停止され、油圧ポ
ンプPから油圧モータMへの動力伝達を遮断したクラッ
チオフ状態となる。
以上において、第1制御環51及び作動環57は本発明のク
ラッチ制御手段を構成する。
油圧ポンプP及び油圧モータMの作動中、ポンプ斜板10
はポンププランジャ9,9…群から、またモータ斜板20は
モータプランジャ19,19…群からそれぞれ反対方向のス
ラスト荷重を受けるが、ポンプ斜板10が受けるスラスト
荷重はスラストローラベアリング11、入力部材5、スラ
ストローラベアリング12、支持筒13及びナット30を介し
て出力軸25に支承され、またモータ斜板20が受けるスラ
スト荷重はスラストローラベアリング21、斜板ホルダ2
2、斜板アンカ23、スラストローラベアリング32、支持
筒33、スプロケット3a及びナット34を介して同じく出力
軸25に支承される。したがって、上記スラスト荷重は、
出力軸25に引張応力を生じさせるだけで、該軸25を支持
するクランクケース4には全く作用しない。
第1図、第10図及び第11図において、前記トラニオン軸
70には、これを介してモータ斜板20の角度を制御する変
速制御装置80が連結される。この変速制御装置80は、ト
ラニオン軸70に回転可能に支承されるセクタギヤ81と、
このセクタギヤ81をトラニオン軸70に弾力的に連結する
ダンパ82と、クランクケース4にボルト83で固着された
ブラケット板83にベアリング84,84′を介して支承され
てセクタギヤ81と噛合するウォームギヤ85と、このウォ
ームギヤ85に駆動軸86aを連結する正,逆転可能の直流
電動モータ86とから構成され、この電動モータ86のステ
ータ86bはクランクケース4の適所に固定される。
以上において、セクタギヤ81及びウォームギヤ85は、駆
動軸86aの回転を減速してトラニオン軸80へ伝達し得る
が、トラニオン軸80から逆負荷を受けるとロック状態と
なる減速装置Rを構成する。
前記ダンパ82は、トラニオン軸70を中心とする扇形の緩
衝室87を有してトラニオン軸70にボルト88で固着される
ダンパ本体89と、上記緩衝室87に装填された一対のゴム
製緩衝部材90,90′とを備え、この両緩衝部材90,90′間
には、前記セクタギヤ81の一側面に突設した伝動片91が
挿入される。
而して、電動モータ86を正転または逆転させれば、その
回転はウォームギヤ85からセクタギヤ81へ減速されて伝
達し、さらに伝動片91、緩衝部材90または90′、及びダ
ンパ本体89を介してトラニオン軸70へ伝達して、これを
モータ斜板20の起立方向または傾倒方向へ回転させるこ
とができる。
その際、モータプランジャ…群からモータ斜板20へ加え
られるスラスト荷重に脈動が生じれば、その脈動は緩衝
部材90,90′の弾性変形により吸収され、それによりウ
ォームギヤ85及びセクタギヤ81の負担を軽減することが
できる。
また、電動モータ86を停止してモータ斜板20を任意角度
に保持したとき、モータ斜板20がモータプランジャ19,1
9…群から起立または傾倒方向のモーメントを受け、そ
のモーメントがトラニオン軸70を介してセクタギヤ81に
伝達しても、セクタギヤ81からウォームギヤ85を駆動す
ることはできないから、即ち両ギヤ81,85はロック状態
を呈してトラニオン軸70の回転を許さず、したがってモ
ータ斜板20はそのときの位置に確実に保持される。
電動モータ86によるモータ斜板20の起立位置及び傾倒位
置を規制するために、セクタギヤ81にはそれと同心の円
弧状の規制溝92が穿設されると共に、この規制溝92に摺
動自在に係合する規制カラー93が前記ブラケット板83に
ボルト94で固着される。
第2図および第9図において、前記第2偏心輪49はベア
リング50を介して第2制御環95に回転自在に支承され
る。この第2制御環95は前記トラニオン軸線O2方向の両
側部に一対の耳部96,96′を有し、一方の耳部96にはト
ラニオン軸線O2の方向へ延びるU字状の案内溝97が形成
されると共に、この案内溝97に摺動自在に挿入される案
内ピン98がクランクケース4に固設される。また他方の
耳部96′には第2の案内ピン99が固設されると共に、こ
の案内ピン99に係合してトラニオン軸線O2の方向へ延び
るU字状の案内溝100を持った支持部101がクランクケー
ス4内壁に突設される。こうして、第2制御環95はトラ
ニオン軸線O2の方向に変位可能となっており、この変位
により第2偏心輪49を前記偏心位置lと同心位置mとに
制御することができる。
第2制御環95と一体の前記案内ピン99には、第2制御環
95を第2偏心輪49の偏心位置lへ向かって弾発すべく、
板ばねからなる戻しばね102が圧接される。
さらに前記耳部96′にはカム孔103が設けられ、前記ト
ラニオン軸70′に固着された制御レバー104がこのカム
孔103に挿入される。カム孔103は、戻しばね102側の内
面が制御レバー104と係合する斜面103aとなっていて、
モータ斜板20の起立動作に連動して制御レバー104に押
圧されるようになっている。その押圧によれば、第2制
御環95が戻しばね102の力に抗して変位して、第2偏心
輪49を偏心位置lから同心位置mへ向かって変位させ、
モータ斜板20の直立状態では第2偏心輪49を同心位置m
に制御する。
第2偏心輪49が同心位置mに達すると、全ての第2分配
弁46,46…は第9A図に示すように閉弁状態となり、高圧
油路41及び低圧油路40のいずれも油圧モータMと遮断さ
れる。その結果、油圧ポンプPに連通する低圧回路容積
が油圧モータMの容積分だけ減少するので、作動油に気
泡が多少含まれていても、油圧ポンプPによる作動油の
圧縮量は極めて少なく、入力部材5及び出力軸25間の相
対回転を極少に抑えることができ、したがって変速比1
の状態での伝動効率を高めることができる。
この場合、図示例では、第2偏心輪49の同心位置hへの
変位は、カム孔103の斜面103aの作用により、モータ斜
板20の起立動作に連動して無段階に行われるので、第2
分配弁46,46…も無段階に閉じ動作をし、そして閉弁状
態に達する。したがって伝動効率の向上は、その閉弁状
態に到達する前から緩徐に始まるので、その閉弁時には
変速ショックが発生することを防止することができる。
しかし、変速ショックが許容される程度の場合は、モー
タ斜板20の直立時に第2分配弁46,46…の閉弁を急速に
行うようにしてもよい。
再び、第1図において、出力軸25は、その中心部に奥が
行止まりとなった油路110が穿設され、この油路110の開
放端には、補強ポンプ111介してクランクケース4底部
のオイルパン(図示せず)と連通され、補給ポンプ111
は前記入力部材5から駆動される。したがって、入力部
材5の回転中常に補給ポンプ111によってオイルパン内
の油が油路110に供給される。
上記油路110は、出力軸25に穿設された半径方向の補給
孔112を介して前記内側油路40に連通される。また該油
路110には、補給ポンプ111側への油の逆流を防止する逆
止弁113が介装される。
したがって、通常の負荷運転時に油圧ポンプP及び油圧
モータM間の油圧閉回路から作動油が漏洩すれば、油路
110から補給孔112を通して内側油路40へ作動油が補給さ
れる。
逆負荷運転時即ちエンジンブレーキ時には、油圧モータ
Mがポンプ作用を行い、油圧ポンプPがモータ作用を行
うようになるので、外側油路41が低圧に、内側油路40が
高圧に変わり、内側油路40から油路110へ作動油が逆流
しようとするが、その逆流は逆止弁113によって阻止さ
れる。したがって、油圧モータMから油圧ポンプPへの
逆負荷を確実に伝達することができ、良好なエンジンブ
レーキ効果が得られる。
尚、第1図中114,115は油路110からプランジャ9,19と斜
板10,20との各当接部に潤滑油を供給するために、出力
軸25に穿設されたオリフィス孔である。
C.発明の効果 以上のように本発明によれば、油圧ポンプのポンプシリ
ンダ及び油圧モータのモータシリンダを出力軸に一体的
に結合し、これらポンプシリンダ及びモータシリンダ間
に、油圧モータの膨脹行程領域に存するモータポートに
連通する環状の高圧油路と、油圧モータの収縮行程領域
に存するモータポートに連通する環状の低圧油路とを同
心上で形成すると共に、半径方向外方位置及び内方位置
間を往復動して油圧ポンプの多数のポンプポートを高圧
油路と低圧油路に交互に連通させ得る多数の分配弁を放
射状に配設し、これら分配弁に係合する偏心輪にこれを
第1偏心位置と第2偏心位置とに作動し得るクラッチ制
御手段を設け、偏心輪の第1偏心位置では、油圧ポンプ
の吐出行程領域に存するポンプポートを高圧油路に、吸
入行程領域に存するポンプポートを低圧油路にそれぞれ
連通すべく分配弁を制御し、偏心輪の第2偏心位置で
は、油圧ポンプを短絡状態にすべく分配弁を制御するよ
うにしたので、偏心輪を第1偏心輪に制御すれば、ポン
プシリンダ及びモータシリンダを相対回転させることな
く、油圧ポンプ及び油圧モータ間の作動油の授受を分配
弁を介して行うことができ、しかも往復動する分配弁で
は作動油の漏洩は極めて少なく、したがって上記作動油
の授受は確実で伝動効率の向上に寄与することができ
る。
また、偏心輪を第2偏心位置に制御すれば、前記分配弁
により油圧ポンプを短絡状態にして、油圧ポンプ及び油
圧モータ間の動力伝達を遮断することができ、したがっ
て油圧ポンプを短絡状態とするための専用のクラッチ弁
が不要であって、構造の簡素化にも寄与することができ
る。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示すもので、第1図は自動二
輪車の動力伝達系に介装した静油圧式無段変速機の縦断
平面図、第2図は同変速機の縦断背面図、第3図は第2
図のIII−III線断面図、第3A図は第3図の作動図、第4
図,第5図,第6図及び第7図は第2図のIV−IV線,V−
V線,VI−VI線及びVII−VII線断面図、第8図は第1,第
2分配弁の斜視図、第9図は第2図のIX−IX線断面図、
第9A図は第9図の作動図、第10図及び第11図は第2図の
X−X線及びXI−XI線断面図である。 a……ポンプポート、b……モータポート、e……第1
偏心位置、f……第2偏心位置、g……クラッチオン位
置、h……クラッチオフ位置、D……吐出行程領域、E
……エンジン、M……油圧モータ、P……油圧ポンプ、
S……吸入行程領域、T……無段変速機、Ex……膨脹行
程領域、Sh……収縮行程領域、 1……クランク軸、7……ポンプシリンダ、9……ポン
ププランジャ、10……ポンプ斜板、17……モータシリン
ダ、19……モータプランジャ、20……モータ斜板、25…
…出力軸、40……低圧油路としての内側油路、41……高
圧油路としての外側油路、45……分配弁、47……偏心
輪、51……制御環、57……作動環
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八木ケ谷 信幸 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 中村 一彦 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 吉田 圭宏 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 中島 芳浩 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−153057(JP,A) 英国特許745543(GB,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】斜板式油圧ポンプと斜板式油圧モータとの
    間に油圧閉回路を形成してなる静油圧式無段変速機にお
    いて、油圧ポンプのポンプシリンダ及び油圧モータのモ
    ータシリンダを出力軸に一体的に結合し、これらポンプ
    シリンダ及びモータシリンダ間に、油圧モータの膨脹行
    程領域に存するモータポートに連通する環状の高圧油路
    と、油圧モータの収縮行程領域に存するモータポートに
    連通する環状の低圧油路とを同心上で形成すると共に、
    変形方向外方位置及び内方位置間を往復動して油圧ポン
    プの多数のポンプポートを高圧油路と低圧油路に交互に
    連通させ得る多数の分配弁を放射状に配設し、これら分
    配弁に係合する偏心輪にこれを第1偏心位置と第2偏心
    位置とに作動し得るクラッチ制御手段を設け、偏心輪の
    第1偏心位置では、油圧ポンプの吐出行程領域に存する
    ポンプポートを高圧油路に、吸入行程領域に存するポン
    プポートを低圧油路にそれぞれ連通すべく分配弁を制御
    し、偏心輪の第2偏心位置では、油圧ポンプを短絡状態
    にすべく分配弁を制御するようにした静油圧式無段変速
    機。
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GB745543A (en) 1952-05-13 1956-02-29 Franco Pavesi Improvements in hydraulic variable speed transmission mechanisms

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