JPH0745870B2 - 斜板式油圧装置 - Google Patents

斜板式油圧装置

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JPH0745870B2
JPH0745870B2 JP61179096A JP17909686A JPH0745870B2 JP H0745870 B2 JPH0745870 B2 JP H0745870B2 JP 61179096 A JP61179096 A JP 61179096A JP 17909686 A JP17909686 A JP 17909686A JP H0745870 B2 JPH0745870 B2 JP H0745870B2
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swash plate
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plunger
pump
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勉 林
充 斎藤
圭宏 吉田
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Honda Motor Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1) 産業上の利用分野 本発明は、油圧ポンプや油圧モータに適用される斜板
式、即ち回転軸線と平行に且つそれを囲んで環状に配列
された多数のシリンダ孔を有するシリンダと;上記シリ
ンダ孔に摺合されると共に、シリンダの一端面より突出
させる球状端部を有する多数のプランジャと;これらプ
ランジャの先端に対向して前記シリンダと相対回転可能
に配設された斜板ホルダと;この斜板ホルダに回転自在
に支承されて、前記各プランジャの球状端部と当接する
斜板と;を備え、シリンダ及び斜板の相対的回転によっ
て油圧を発生するようにした斜板式油圧ポンプ、あるい
はプランジャを油圧で往復動させることによってシリン
ダ及び斜板を相対的に回転させるようにした斜板式油圧
モータに関する。
(2) 従来の技術 この種油圧装置において、シリンダの斜板との対向面
を、シリンダの外周に向って斜板から離れる方向に傾斜
した円錐面に形成して、シリンダ及び斜板相互の近接配
置、延いては装置のコンパクト化が図られるようにした
ものは従来公知(例えば特公昭34−3839号公報参照)で
ある。
(3) 発明が解決しようとする課題 斯かる従来公知の油圧装置では、各プランジャの球状端
部を球面継手を介して首振り自在に連結した受金を、斜
板の平坦な斜面に摺動自在に当接させることで、プラン
ジャ球状端部を斜板に支持させるようにしているので、
各プランジャは、特にシリンダから最大に突出したと
き、斜板からの斜め外向きの反力(即ちシリンダ回転軸
線より離れる側の成分を有する反力)により大きな曲げ
モーメントを受け、これによりそのプランジャの摺動抵
抗が増大し、これが動力損失の大きな一因となってい
る。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、プラン
ジャのシリンダからの最大突出時、そのプランジャが斜
板の反力により受ける曲げモーメントを減少させること
ができ、しかもコンパクトは前記斜板式油圧装置を提供
することを目的とする。
B.発明の構成 (1) 課題を解決するための手段 上記目的を達成するために、本発明は、回転軸線と平行
に且つそれを囲んで環状に配列された多数のシリンダ孔
を有するシリンダと;そのシリンダ孔に摺動可能に嵌合
されると共に、シリンダの一端面より突出させる球状端
部を有する多数のプランジャと;これらプランジャの先
端に対向してシリンダと相対回転可能に配設された斜板
ホルダと;この斜板ホルダに回転自在に支承されて、各
プランジャの球状端部と当接する斜板と;を備え、シリ
ンダの斜板との対向面を、シリンダの外周に向って斜板
から離れる方向に傾斜した円錐面に形成してなる斜板式
油圧装置において、斜板に各プランジャの球状端部と係
合する多数の球状凹部を、該球状凹部が斜板に対して相
対変位しないように設け、斜板のプランジャに与える反
力が、各プランジャのシリンダからの最大突出時にシリ
ンダの回転軸線に向かう成分を有するように、各球状凹
部の内面形状を設定したことを特徴とする。
(2) 作用 シリンダの斜板との対向面が円錐面であることにより、
プランジャのシリンダ回転軸線寄りの半部(即ちシリン
ダの回転軸線に対して径方向内方側の半部)の方が同回
転軸線より離れる側の半部(即ちシリンダの回転軸線に
対して径方向外方側の半部)よりも、シリンダからの突
出量が少なくなる。その上、各プランジャのシリンダか
らの最大突出時には、斜板球状凹部のプランジャ球状端
部に及ぼす反力がシリンダの回転軸線方向に向かう成分
を有していて、シリンダからの突出量が少ないプランジ
ャ半部(即ちシリンダ回転軸線寄りの半部)側へ向けら
れるので、その反力によるプランジャの曲げモーメント
が比較的小さくなって、その曲げモーメントに起因した
プランジャの摺動抵抗が効果的に軽減される。
(3) 実施例 以下、図面により本発明の一実施例について説明する
と、第1図において、自動二輪車のエンジンの動力は、
そのクランク軸1からチエン式1次減速装置2、静油圧
式無段変速機T及びチエン式2次減速装置3を順次経て
図示しない後車輪に伝達される。
無段変速機Tは定容量の斜板式油圧ポンプP及び可変容
量の斜板式油圧モータMからなり、そしてクランク軸1
を支承するクランクケース4をケーシングとして、それ
に収容される。
油圧ポンプPは、1次減速装置2の出力スプロケット2a
を一体に備えたカップ状の入力部材5と、この入力部材
5の内周壁にニードルベアリング6を介して相対回転自
在に嵌合されるポンプシリンダ7と、このポンプシリン
ダ7にその回転中心を囲むように設けられた環状配列の
複数且つ奇数のシリンダ孔8,8…にそれぞれ摺合される
ポンププランジャ9,9…と、これらポンププランジャ9,9
…の外端に当接するポンプ斜板10とから構成される。
ポンプ斜板10は、カップ状入力部材5の端壁に一体に形
成されてポンプシリンダ7の軸線に対し一定角度傾斜し
た斜板ホルダ5aにスラストローラベアリング11を介して
回転自在に背面を支承され、入力部材5の回転時、ポン
ププランジャ9,9…に往復動を与えて吸入及び吐出行程
を繰返させることができる。
尚、ポンププランジャ9のポンプ斜板10に対する追従性
を良くするために、ポンププランジャ9を伸長方向に付
勢するばねをシリンダ孔8に縮設してもよい。
入力部材5は、その背面をスラストローラベアリング12
を介して支持筒13に支承される。
一方、油圧モータMは、ポンプシリンダ7と同軸上でそ
の左方に配置されるモータシリンダ17と、このモータシ
リンダ17にその回転中心を囲むように設けられた環状配
列の複数且つ奇数のシリンダ孔18,18…にそれぞれ摺合
されるモータプランジャ19,19…と、これらモータプラ
ンジャ19,19…の外端に当接するモータ斜板20と、この
モータ斜板20の背面及び外周面をスラストローラベアリ
ング21を介して支承する斜板ホルダ22と、更にこの斜板
ホルダ22を支持するカップ状の斜板アンカ23とから構成
される。
モータ斜板20は、モータシリンダ17の軸線に対し直角と
なる直立位置と、或る角度で傾斜する傾斜位置の間を傾
動し得るようになっており、その傾斜位置では、モータ
シリンダ17の回転に伴いモータプランジャ19,19…に往
復動を与えて膨張及び収縮行程を繰返させることができ
る。
尚、モータプランジャ19のモータ斜板20に対する追従性
を良くするために、モータプランジャ19を伸長方向に付
勢するばねをシリンダ孔18に縮設してもよい。
ポンプシリンダ7及びモータシリンダ17間には、ポンプ
シリンダ7側から順に第1及び第2弁盤14,15が介装さ
れ、これら四者7,14,15,17の中心部を出力軸25が貫通す
る。この出力軸25の外周に一体に形成されたフランジ25
aにモータシリンダ17の外端を衝き当て、出力軸25に螺
合するナット26でポンプシリンダ7の外端を緊締するこ
とにより、上記四者7,14,15,17は相互に重合結合される
と共に出力軸25に固着される。
その際、第1A図に示すように、上記四者7,14,15,17の出
力軸25との連結を確実にし、且つそれらの相互位置を規
定するために、各シリンダ7,17と出力軸25との間にキー
16,16が装着され、またポンプシリンダ7と第1弁盤14,
モータシリンダ17と第2弁盤15の各間にノックピン24,2
4が嵌入される。
再び第1図において、前記出力軸25は入力部材5をも貫
通すると共に該部材5をニードルベアリング27を介して
回転自在に支承する。
出力軸25の右端部外周には前記支持筒13がキー28を介し
て嵌装され、そしてナット30で固着される。上記支持筒
13及びローラベアリング31を介して出力軸の右端部はク
ランクケース4に回転自在に支承される。
また、出力軸25は、モータ斜板20、斜板ホルダ22及び斜
板アンカ23の中心部を貫通し、その左端部には、斜板ア
ンカ23の背面をスラストローラベアリング32を介して支
承する支持筒33がスプライン嵌合され、そして2次減速
装置3の入力スプロケット3aと共にナット34で固着さ
れ、上記支持筒33及びローラベアリング35を介して出力
軸25の左端部はクランクケース4に回転自在に支承され
る。
出力軸25には、ポンプ斜板10の内周面と相対的に全方向
傾動可能に係合する半球状の調心体36が摺動自在にスプ
ライン嵌合される。この調心体36は、複数枚の皿ばね38
の力でポンプ斜板10をスラストローラベアリング11に対
して押圧し、これによりポンプ斜板10に調心作用を常に
与えている。
また出力軸25には、モータ斜板20の内周面と相対的に全
方向傾動可能に係合する半球状の調心体37が摺動自在に
スプライン嵌合される。この調心体37は、複数枚の皿ば
ね39の力でモータ斜板20をスラストローラベアリング21
に対して押圧し、これによりモータ斜板20に調心作用を
常に与えている。
ポンプ及びモータプランジャ9,9…;19,19…の先端は球
状端部9a,9a…;19a,19a…に形成され、これらは、ポン
プ及びモータ斜板10,20に形成された環状配列の多数の
球状凹部10a,10a…;20a,20a…に係合される。上記球状
凹部10a,10a…;20a,20a…は、斜板10,20の如何なる回転
位置においても、球状端部9a,9a…;19a,19a…との適正
な係合状態が確保されるように、各球状凹部10a,20aの
曲率半径は対応する球状端部9a,19aのそれより大きく設
定される。
これを詳述すれば、球状凹部10a,10a…;20a,20a…と球
状端部9a,a…;19a,19a…との係合点は、ポンプ斜板10及
びモータ斜板20の傾斜状態では、その球状凹部10a,10a
…;20a,20a…内においてポンプシリンダ7及びモータシ
リンダ17の回転に伴い僅かながら移動する。即ち、その
係合点はプランジャ9,19がシリンダ孔8,18からの最大・
最小突出状態になると(第1図の状態)、該プランジャ
9,19の軸線よりもシリンダ7,17の回転軸線に対して半径
方向外方の最外側位置を占め、またプランジャ9,19がそ
のストロークの中点にくると(第2図の状態)、該プラ
ンジャ9,19の軸線よりもシリンダ7,17の回転軸線に対し
て半径方向内方の最内側位置を占め、そして、シリンダ
7,17の回転に伴い上記最外側位置及び最内側位置間を往
復するようになっている。
したがって、プランジャ9,19の最大・最小突出状態で
は、該プランジャ9,19がポンプ斜板10またはモータ斜板
20から受ける反力はシリンダ7,17の回転軸線方向を向く
ことになる。
モータ斜板20に対向するモータシリンダ17の端面は、モ
ータシリンダ17の外周に向ってモータ斜板20から離れる
ように傾斜する円錐面17aに形成されると共に、モータ
斜板20は、その最大傾斜時、上記円錐面17aの一部に極
力近接するように配置される。
油圧ポンプP及び油圧モータM間には、次のようにして
油圧閉回路が形成される。
第2弁盤14には環状の低圧油路41、及びこれを囲繞する
環状の高圧油路40が設けられ、その低圧油路41からポン
プシリンダ7のシリンダ孔8,8…への一方向に作動油の
流れを許容する吸入弁43,43…、及びポンプシリンダ7
のシリンダ8,8…から高圧油路40への一方向に作動油の
流れを許容する吐出弁42が第1弁盤14に設けられる。し
たがって、吸入弁43及び吐出弁42の数はそれぞれポンプ
プランジャ9,9…の本数と同数である。
また、第2弁盤15には、高圧及び低圧油路40,41を交互
にモータシリンダ17のシリンダ孔18,18…に連通制御す
る分配弁44,44…が設けられる。したがって、分配弁44
の数は、モータプランジャ19,19…の本数と同数であ
る。
分配弁44,44…はスプール型であって、モータシリンダ1
7のシリンダ孔18,18…群と高、低圧油路40,41との間で
第2弁盤15に放射状に穿設された弁孔45,45…に摺合さ
れる。そして更に第2弁盤15には各弁孔45と高圧及び低
圧油路40,41との各間を連通する第1及び第2ポートa,
b、並びに各弁孔45とそれに隣接するモータシリンダ17
のシリンダ孔18との間を連通する第3ポートcが穿設さ
れる。而して、分配弁44は、弁孔45の半径方向外方位置
を占めると、対応する第3ポートcを第1ポートaと連
通すると共に第2ポートbと不通にして、対応するシリ
ンダ孔19を高圧油路40に連通する。また、弁孔45の半径
方向内方位置を占めると、対応する第3ポートcを第2
ポートbと連通すると共に第1ポートaと不通にして、
対応するシリンダ孔19を低圧油路41に連通する。
第1及び第3図に示すように、分配弁44,44…の内、外
方位置への作動を制御すべく、分配弁44,44…群を囲ん
で偏心輪47が配設されると共に、各分配弁44の外端を偏
心輪47の内周面に係合させるように、各分配弁44の内端
面には、後述する第1給油孔72を通して補給ポンプ67の
吐出圧が運転中常に作用される。
偏心輪47は、クランクケース4に嵌着されるボールベア
リング48の内輪から構成され、そして第3図に示すよう
に、モータ斜板20の傾動軸線Oの方向にモータシリンダ
17の中心から一定距離ε偏心した位置に設置される。し
たがって、モータシリンダ17が回転すると、各分配弁44
は、その弁孔45内で偏心輪47の偏心量εの2倍の距離を
ストロークとして前記外方位置及び内方位置間を往復動
する。
前記斜板ホルダ22の両端には、モータ斜板20の傾動軸線
O上に並ぶ一対のトラニオン軸80,80′が一端に穿設さ
れ、これらトラニオン軸80,80′は、ニードルベアリン
グ81を介して前記斜板アンカ23に回転自在に支承され
る。換言すれば、これらトラニオン軸80,80′によって
前記傾動軸線Oが規定される。
一方のトラニオン軸80の外端には作動レバー82が固設さ
れる。而して、作動レバー82をもってトラニオン軸80を
回動すれば、それと一体の斜板ホルダ22も回動し、モー
タ斜板20の回転中でも、これを自由に傾動させることが
できる。
前記斜板23は、モータシリンダ17の外周にニードルベア
リング78を介して支承され、そして出力軸25周りに回動
しないように、一対の位置決めピン49,49を介してクラ
ンクケース4に連結される。
上記構成において、1次減速装置2から油圧ポンプPの
入力部材5が回転されると、ポンプ斜板10によりポンプ
プランジャ9,9…に吸入及び吐出行程が交互に与えられ
る。すると、各ポンププランジャ9は吸入行程を行なう
とき低圧油路41から作動油を吸入し、吐出行程を行なう
とき高圧油路40へ高圧の作動油を給送する。
高圧油路40に送られた高圧の作動油は、膨張行程のモー
タプランジャ19を収容するシリンダ孔18に外方位置の分
配弁44を介して給送される一方、収縮行程のモータプラ
ンジャ19を収容するシリンダ孔18内の作動油は内方位置
の分配弁44を介して低圧油路41へ排出される。
この間に、ポンプシリンダ7が吐出行程のポンププラン
ジャ9を介してポンプ斜板10から受ける反動トルクと、
モータシリンダ17が膨張行程のモータプランジャ19を介
してモータ斜板20とから受ける反動トルクとの和によっ
て、ポンプシリンダ7及びモータシリンダ17は回動さ
れ、その回転トルクは出力軸25から2次減速装置3へ伝
達される。
この場合、入力部材5に対する出力軸25の変速比は次式
によって与えられる。
したがって、油圧モータMの容量を零から或る値に変え
れば、変速比を1から或る必要な値まで変えることがで
きる。
ところで、油圧モータMの容量はモータプランジャ19の
ストロークにより決定されるので、モータ斜板20の直立
位置から或る傾斜位置まで傾動させることにより変速比
を1から或る値まで無段階に制御することができる。
油圧ポンプP及び油圧モータMのこのような作動中、ポ
ンプ斜板10はポンププランジャ9,9…群から、またモー
タ斜板20はモータプランジャ19,19…群からそれぞれ反
対方向のスラスト荷重を受けるが、ポンプ斜板10が受け
るスラスト荷重はスラストローラベアリング11、入力部
材5、スラストローラベアリング12、支持筒13及びナッ
ト30を介して出力軸25に支承され、またモータ斜板20が
受けるスラスト荷重はスラストローラベアリング21、斜
板ホルダ22、斜板アンカ23、スラストローラベアリング
32、支持筒33、スプロケット3a及びナット34を介して同
じく出力軸25に支承される。したがって、上記スラスト
荷重は、出力軸25に引張応力を生じさせるだけで、該軸
25を支持するクランクケース4には全く作用しない。
また、ポンプ及びモータ斜板10,20とポンプ及びモータ
プランジャ9,9…;19,19…群とは、球状凹部10a,10a…;2
0a,20a…と球状端部9a,9a…;19a,19a…とで係合してい
るので、それぞれの係合面積が比較的広いことから接触
圧力が低い。またポンプ及びモータシリンダ7,17とポン
プ及びモータ斜板10,20との相対回転時には、各斜板10,
20は相対するプランジャ群を介してシリンダ7,17とそれ
ぞれ同期回転することになる。更に球状凹部10a,10a…;
20a,20a…と球状端部9a,9a…;19a,19a…との協働によ
り、プランジャ9,9…;19,19…群から斜板10,20に調心作
用がそれぞれ与えられる。側ち、各球状端部9a,19aが球
状凹部10a,20aの底面に加える押圧力の分力の大半は出
力軸25を中心にしてシリンダ7,17の半径方向内方または
外方へ向けられ、これら分力が調心力となって斜板10,2
0を正規の位置に保持しようとする。
また、油圧モータMにおいては、モータ斜板20に対向す
るモータシリンダ17端面が円錐面17aに形成されること
により、モータプランジャ19のモータシリンダ回転軸線
寄りの半部(即ちモータシリンダ17の回転軸線に対して
径方向内方側の半部)の方が同回転軸線より群より離れ
る側の半部(即ちモータシリンダ17の回転軸線に対して
径方向外方側の半部)よりも、モータシリンダ17からの
突出量が少なくなる。その上、モータプランジャ19のシ
リンダ孔18からの最大突出時、即ち膨張行程終期では、
該プランジャ19の球状端部19aとモータ斜板20の球状凹
部20aとの係合点が前記最外側位置を取っており、該プ
ランジャ19がモータ斜板20から受ける反力はモータシリ
ンダ17の回転軸線方向に向かう成分を有していて、同シ
リンダ17からの突出量が少ないモータプランジャ半部
(即ちシリンダ回転軸線寄りの半部)側へ向けられるの
で、モータプランジャ19の最大突出時でも、上記反力に
より該プランジャ19に加える曲げモーメントは比較的小
さくなる。したがって、モータプランジャ19のモータシ
リンダ17との摺動抵抗も比較的小さい。
油圧ポンプPにおいても、ポンプシリンダ7のポンプ斜
板10との対向面を円錐面に形成し、且つポンプ斜板10の
球状凹部10aをモータ斜板20の球状凹部20aと同様に形成
すれば、ポンププランジャ9の最大突出時での曲げモー
メントを減少させることができる。
再び第1図において、第2弁盤15には、更に、高低圧油
路40,41間を適時連通し得る1個または複数個のクラッ
チ弁50が設けられる。このクラッチ弁50は、低圧油路41
から高圧油路40を貫通して第2弁盤15の外周に開口する
半径方向の弁孔51に摺合される。クラッチ弁50には、そ
の内端面に開口する縦孔52と、この縦孔52と交差してク
ラッチ弁50の外周面に開口する横孔53とが穿設されてお
り、クラッチ弁50が弁孔81の半径方法内方位置(クラッ
チオン位置)を占めるとき横孔51の内壁により閉じら
れ、また半径方向外方位置(クラッチオフ位置)を占め
るとき横孔53は高圧油路40に開口するようになってい
る。
クラッチ弁50はクラッチオフ位置側に付勢されるよう
に、その内端に低圧油路40の油圧を受け、その外端に
は、ポンプシリンダ7及び第1,第2弁盤14,15の外周に
摺動自在に嵌装したクラッチ制御環54が係合される。
クラッチ制御環54は、クラッチ弁50のクラッチオン位置
を規定する円筒状内周面54a、及びその内周面の一端に
連なりクラッチ弁50のクラッチオフ位置を規定するテー
パ面54bを有し、そしてクラッチ弁50をクラッチオン位
置に保持する側に、ばね55によって付勢される。このば
ね55は、クラッチ制御環54と、ポンプシリンダ7の外周
に係止されたリテーナ56との間に縮設される。
第2図に示すように、クラッチ制御環54は、シフトフォ
ーク57、中間レバー58及びクラッチワイヤ59を介して図
示しないクラッチレバーに連結される。シフトフォーク
57は、基端部がクランクケース4に軸支60されると共
に、中間部がクラッチ制御環54のフランジ部54c側面に
係合され、そして先端部がプッシュロッド61を介して中
間レバー58と連接される。
而して、クラッチワイヤ59を牽引することにより、シフ
トフォーク57を介してクラッチ制御環54をばね55の力に
抗して第1図で右動させれば、クラッチ制御環54のテー
パ面54bがクラッチ弁50に対向することからクラッチ弁5
0は低圧油路40の圧力により外方位置、即ちクラックオ
フ位置へ動かされる。その結果、高圧油路40はクラッチ
弁50の縦孔52及び横孔53を介して低圧油路41に短絡する
ため、高圧油路40の圧力が低下し、油圧モータMへの圧
油の給送を不能にし、油圧モータMを不作動状態にする
ことができる。
また、クラッチ制御環54をばね55の弾発力により左動し
てクラッチ弁50をクラッチオン位置へ作動すれば、クラ
ッチ弁50の横孔53が弁孔51の内壁に閉鎖されるため、高
圧及び低圧油路40,41間が遮断され、これら油路40,41を
通して油圧ポンプP及び油圧モータM間で作動油の前述
のような循環が行なわれ、油圧モータMを作動状態に復
帰させることができる。この場合、クラッチ弁50のクラ
ッチオン位置への作動は、クラッチ弁50の内端面に作用
する低圧油路41の油圧に抗して行なわれるので、クラッ
チ制御環54を左動するばね55の弾発力を比較的弱く設定
することができ、延いてはクラッチ制御環54の操作力の
軽減を図ることができる。
クラッチ制御環54の上記右動位置と左動位置との中間位
置では、クラッチ弁50の横孔53の開度が適度に絞られ
(第1B図参照)、その開度に応じて油圧ポンプP及び油
圧モータM間での作動油の循環が行われるので、油圧モ
ータMを半クラッチ状態とすることができる。この場
合、クラッチ弁50の移動に伴い、横孔53の開度が漸増ま
たは漸減するので、半クラッチ状態が容易に得られ、ス
ムーズな過渡運転を行なうことができる。
再び、第1図及び第2図において、出力軸25には、その
中心部に奥が行止まりとなった油路63が穿設され、この
油路63の開放端には、クラッチケース4の側壁に支持さ
れる給油管64が挿入される。この給油管64は、クランク
ケース4の側壁中に形成された油路63、同側壁に装着さ
れたフイルタ66、補給ポンプ67及びストレーナ68を介し
てクランクケース4底部のオイルパン69内と連通され、
補給ポンプ67は前記入力部材5から歯車70,71を介して
駆動される。したがって、入力部材5の回転中常に補給
ポンプ67によってオイルパン69内の油が油路63に供給さ
れる。
出力軸25には、また、油路63から分配弁44の弁孔45に向
かって半径方向に延びる1または複数の第1給油孔72
と、この第1給油孔72を弁孔45,45…群に連通する環状
溝73とが設けられ、分配弁44が弁孔45の外方位置にくる
と、低圧油路41に連なる第2ポンプbが対応する弁孔45
を介して第1給油孔72と連通するようになっている。し
たがって、油圧ポンプP及び油圧モータM間の油圧閉回
路から作動油が漏洩すれば、分配弁44が弁孔45の外方位
置にきたとき、第1給油孔72から低圧油路41へ作動油が
補給される。
出力軸25には、更に、油路63から半径方向に延びてカッ
プ状入力部材5の内部に開口する第2給油孔74と、同油
路63から同じく半径方向に延びてカップ状車板アンカ23
の内部に開口する第3給油孔75とが穿設され、これら給
油孔74,75にはオリフィス76,77がそれぞれ設けられる。
これらオリフィス76,77により、油路63に補給ポンプ67
の吐出圧を保持して第1給油孔72から低圧油路41への作
動油の補給を確実に行いつつ、油路63から入力部材5及
び車板アンカ23内部に適量の潤滑油を供給することがで
きる。
入力部材5の内部に供給された油は、調心体36、ポンプ
斜板10、ポンププランジャ9…、スラストローラベアリ
ング11、ニードルベアリング6等を潤滑し、また斜板ア
ンカ22の内部に供給された油は、調心体37,モータ斜板2
0、モータプランジャ19…、スラストベアリング21等を
潤滑する。この場合、カップ状入力部材5の解放端には
ニードルベアリング6を介してポンプシリンダ7が嵌合
しているので、入力部材5内には多量の潤滑油が保持さ
れる。一方、斜板アンカ23の解放端にはニードルベアリ
ング78を介してモータシリンダ17が嵌合しているので、
斜板アンカ23内にも多量の潤滑油が保持される。
また、ポンププランジャ9の摺動面及び入力部材5の内
部の更なる潤滑のために、ポンププランジャ9にその内
外を連通する細い油孔112が穿設され、モータプランジ
ャ9の摺動面及び斜板アンカ23の内部の更なる潤滑のた
めに、モータプランジャ19にその内外を連通する細い油
孔113が穿設される。
第2図,第4図及び第5図において、前記モータ斜板20
の傾動操作のために、前記トラニオン軸80の作動レバー
82には変速制御装置83が接続される。
変速制御装置83は、クランクケース4に固着されたシリ
ンダ84と、このシリンダ84に摺合されたピストン85とを
備える。シリンダ84の側壁には窓86が、またピストン85
の中央部にはそれを横方向に貫通して上記窓86に臨む連
結公87が穿設されており、前記トラニオン軸80の作動レ
バー82は、その窓86を通して連結孔87に係合され、トラ
ニオン軸80の回転に応じてピストン85を摺動させ得るよ
うになっている。
第4図において、作動レバー82、したがってピストン85
の左動はモータ斜板20の直立状態をもたらすものであ
り、そのピストン85とシリンダ84の左端壁との間に第1
油室88が、またピストン85とシリンダ84の右端壁との間
に第2油室89がそれぞれ画成され、第1油室88にはピス
トン85を第2油室89側へ付勢する戻しばね90が縮設され
る。
第1及び第2油室88,89は、途中に変速制御弁91を介装
した油圧導管92を介して相互に連通され、これらの内部
には作動油が充填される。
上記変速制御弁91は、車両の操縦装置の適所に設置され
て油圧導管92の途中に介入する弁函93と、この弁函93内
の油路94に直列に介装される第1及び第2逆止弁95,96
とから構成される。これら第1及び第2逆止弁95,96
は、順方向が相互に逆になるように配置されると共に、
それぞれ弁ばね97,98により常に閉弁方向へ付勢されて
いる。
第1及び第2逆止弁95,96には、これらを開弁方向に応
動し得る第1及び第2回弁棒100,101がそれぞれ連接さ
れる。またこれら第1及び第2開弁棒100,101は、弁函9
3に揺動自在に軸支103されるシーソ型の変速レバー102
の左右両端部下面にそれぞれ連接される。
変速レバー102は、操縦者により、水平なホールド位置
A、左方へ揺動した減速位置B及び右方へ揺動した増速
位置Cに操作される。そのホールド位置Aでは両逆止弁
95,96の閉弁状態を保ち、減速位置Bでは第1開弁棒100
を押下げで第1逆止弁95を強制開弁させ、増速位置Cで
は第2開弁棒101を押下げて第2逆止弁96を強制開弁さ
せることができる。
ところで、モータプランジャ19,19…の本数が奇数とし
てあるために、モータシリンダ17の回転中、モータプラ
ンジャ19,19…群がモータ斜板20に及ぼすスラスト荷重
は、モータ斜板20の傾動軸線Oを境としてその一側と他
側とで強弱が交互に変わり、モータ斜板20には振動的な
傾動トルクが作用する。そして、この振動的な傾動トル
クは、作動レバー82を介してピストン85に左右方向交互
に押圧力として作用する。
そこで、変速レバー102を増速位置Cにシフトすれば、
第2逆止弁96は開弁状態とされるので、第1逆止弁95に
よって、第1油室88から第2油室89への油の流れは許容
されるが、それと逆方向の流れは阻止され、作動レバー
82からピストン85に左向きの押圧力が作用するときだ
け、第1油室88から第2油室89へ油が流れる。その結
果、ピストン85は第1油室88側へ移動し、作動レバー82
をモータ斜板20の起立方向へ回動させることになる。
次に変速レバー102を減速位置Bにシフトすれば、今度
は第1逆止弁95が開弁状態とされるので、第2逆止弁96
によって、第2油室89から第1油室88への油の流れは許
容されるが、それと逆方向の流れは阻止され、作動レバ
ー82からピストン85の右向きの押圧力が作用するときだ
け、第2油室89から第1油室88へ油が流れる。その結
果、ピストン85は第2油室89側へ移動し、作動レバー82
をモータ斜板20の傾斜方向へ回動させる。
変速レバー102をホールド位置Aに戻せば、閉弁状態と
される両逆止弁95,96が協働して弁函93内の油の流通を
完全に阻止するので、ピストン85は移動不能になって、
そのときの位置で作動レバー82を保持し、モータ斜板20
を直立位置または傾斜位置に固定することができる。
また、変速機Tの停止状態において、変速レバー102を
減速位置Bにシフトして第1逆止弁95を開弁すれば、第
2油室89から第1油室88への油の流動が可能となるの
で、ピストン85は左動位置にあっても、戻しばね90の弾
発力をもって右動限まで移動し、作動レバー82をモータ
斜板20の最大傾斜位置まで回動させることができる。
第5図に示すように、シリンダ84は出力軸25の軸線に対
して直角またはそれに近い位置に配置される。このよう
にすると、作動レバー82がピストン85を押圧するとき、
その反力がトラニオン軸80を介して斜板アンカ23に出力
軸25の軸線方向へ作用することを回避することができ
る。
第4図において、シリンダ84の上部には、リザーブタン
ク109が装備され、このリザーブタンク109をシリンダ84
内に連通するリリーフポート110及びサプライポート111
がシリンダ84の上壁に穿設される。
ピストン85の左端部及び右端部の外周には、シリンダ84
の内周面に密接する一方向シール機能を有する第1及び
第2カップシール105,106が装着され、またシリンダ84
の内周には、前記窓86の左右両側においてピストン85の
中間部外周面に密接するOリング107,108が装着され
る。
而して、リリーフポート110は、ピストン85が右動限に
位置するとき、第1カップシール105の直前で第1油圧
室88に開口し、サプライポート111は常に第2カップシ
ール106とOリング108との間でシリンダ84内面に開口す
るようになっている。
したがって、ピストン85が右動限に位置するとき、油温
の上昇等により第1油室88に圧力上昇が生じると、その
圧力はリリーフポート110からリザーブタンク109へ放出
される。またピストン85の左動時には、第1カップシー
ル105がリリーフポート110の開口部を通過したときから
第1油室88がピストン85により加圧され、第1油室88か
ら第2油室89への油の流れを可能にする。その際、第2
油圧室89が所定圧力以下に減圧すれば、リザーブタンク
109内と第2油室89間の圧力差により、リザーブタンク1
09内の油がサプライポート111からシリンダ84及びピス
トン85の摺動間隙を通り、第2カップシール106を第2
油室89側へ撓ませつつ該室89へ補給される。
尚、リザーブタンク109内を高圧状態に保持しておけ
ば、油圧導管92には油圧による予張力が与えられるの
で、ピストン25の作動に伴う油圧変化に対する油圧導管
92の剛性が強化され、ピストン85の作動を安定させるこ
とができる。
C.発明の効果 以上のように本発明によれば、シリンダの斜板との対向
面が円錐面であることにより、プランジャのシリンダ回
転軸線寄りの半部(即ちシリンダの回転軸線に対して径
方向内方側の半部)の方が同回転軸線より離れる側の半
部(即ちシリンダの回転軸線に対して径方向外方側の半
部)よりも、シリンダからの突出量が少なくなり、しか
も各プランジャのシリンダからの最大突出時には、斜板
球状凹部のプランジャ球状端部に及ぼす反力がシリンダ
の回転軸線方向に向かう成分を有していて、シリンダか
らの突出量が少ないプランジャ半部(即ちシリンダ回転
軸線寄りの半部)側へ向けられるので、その反力による
プランジャの曲げモーメントが比較的小さくなって、そ
の曲げモーメントに起因したプランジャの摺動抵抗が効
果的に軽減され、伝動効率の向上に大いに寄与すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の一実施例を示すもので、第1図は自動二
輪車の動力伝達系に介装した静油圧式無段変速機の縦断
面図、第1A図は第1図中のポンプシリンダ、モータシリ
ンダ、第1,第2弁盤及び出力軸の組立体縦断面図、第1B
図は第1図中のクラッチ弁の作動図、第2図は上記無段
変速機の一部縦断背面図、第3図は第1図のIII−III線
断面図、第4図は第2図のIV−IV線断面図、第5図は無
段変速機の平面図である。 17……シリンダ、17a……円錐面、18……シリンダ孔、1
9……プランジャ、19a……球状端部、20……斜板、20a
……球状凹部、22……斜板ホルダ、23……斜板アンカ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸線と平行に且つそれを囲んで環状に
    配列された多数のシリンダ孔(18)を有するシリンダ
    (17)と;そのシリンダ孔(18)に摺動可能に嵌合され
    ると共に、シリンダ(17)の一端面より突出させる球状
    端部(19a)を有する多数のプランジャ(19)と;これ
    らプランジャ(19)の先端に対向してシリンダ(17)と
    相対回転可能に配設された斜板ホルダ(22)と;この斜
    板ホルダ(22)に回転自在に支承されて、各プランジャ
    (19)の球状端部(19a)に当接する斜板(20)と;を
    備え、シリンダ(17)の斜板(20)との対向面を、シリ
    ンダ(17)の外周に向って斜板(20)から離れる方向に
    傾斜した円錐面(17a)に形成してなる、斜板式油圧装
    置において、 斜板(20)に各プランジャ(19)の球状端部(19a)と
    係合する多数の球状凹部(20a)を、該球状凹部(20a)
    が斜板(20)に対して相対変位しないように設け、 斜板(20)のプランジャ(19)に与える反力が、各プラ
    ンジャ(19)のシリンダ(17)からの最大突出時にシリ
    ンダ(17)の回転軸線に向かう成分を有するように、各
    球状凹部(20a)の内面形状を設定したことを特徴とす
    る、斜板式油圧装置。
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