JPH0693329B2 - 熱軟化温度の低下防止用内層皮膜を有するf種半田付け可能な自己融着性マグネットワイヤ - Google Patents

熱軟化温度の低下防止用内層皮膜を有するf種半田付け可能な自己融着性マグネットワイヤ

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JPH0693329B2
JPH0693329B2 JP1274287A JP27428789A JPH0693329B2 JP H0693329 B2 JPH0693329 B2 JP H0693329B2 JP 1274287 A JP1274287 A JP 1274287A JP 27428789 A JP27428789 A JP 27428789A JP H0693329 B2 JPH0693329 B2 JP H0693329B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はF種半田付け可能な自己融着性マグネットワイ
ヤに関する。更に詳しくは耐熱変形,耐湿変形性に優
れ、かつ加熱成型後の寸法変化が少なく、熱軟化温度が
高く、偏向ヨークコイル等の巻線に適した、F種の,皮
膜を剥離することなく半田付け可能な自己融着性ポリエ
ステルイミド系マグネットワイヤに関するものである。
〔従来の技術〕
自己融着性マグネットワイヤは導体の外周に順次絶縁層
及び融着層を設け構成されている。この融着層に用いら
れる融着皮膜材料は、当初ポリビニルブチラール樹脂が
用いられ、以後ポリアミド系樹脂,アルキレンエーテル
変性エチレンテレフタレート樹脂等の熱可塑性樹脂が使
用されてきた。これらの樹脂は単独で使用されることは
まれで、接着性,耐熱性等の改良のため、エポキシ樹
脂,フェノール樹脂或はブロックポリイソシアネート樹
脂等の熱硬化性樹脂を混合して用いるのが一般的であ
る。これら公知の融着皮膜材料は特性に一長一短があ
り、改良の余地が多く、又絶縁層にはポリウレタン系樹
脂,ポリエステル系樹脂が当初使用されていた。最近の
電気・電子部品は、高品質,高信頼性が要求され、例え
ばカラーテレビジョンに使用される偏向ヨークコイルに
おいても同様で高性能,広角化に伴い、熱変形の小さい
コイルが必要となり、融着皮膜の接着強度及び耐熱性の
向上が要求され、これらの要求に対し融着皮膜材料は塗
膜形成機能を有するポリアミド樹脂,フェノキシ樹脂等
が用いられている。
また、偏向ヨークコイルに使用する線材は異形コイルの
巻線工程,通電加熱,加圧接着等の過酷な工程を経るた
め、線材の絶縁皮膜は耐熱区分がF種〜H種(155℃〜1
80℃)のポリエステルイミド系樹脂が用いられているが
半田付け可能なポリエステルイミド系樹脂も用いられる
ようになってきている。
〔発明が解決しようとする課題〕
導体上に絶縁皮膜,例えばポリエステルイミド系絶縁皮
膜を介してポリアミド系樹脂を有機溶剤に溶解したポリ
アミド系融着塗料を塗布,焼付けた従来の自己融着性マ
グネットワイヤは、これを偏向ヨークコイルに巻線し加
熱成型した時、融着皮膜の接着強度及び耐熱性は良好で
あるが、その半面ポリアミド系樹脂は耐湿性に劣るの
で、寸法変化が大きく、精度の高いコイルを得ることが
できなかった。このため、カラーテレビジョンに前記偏
向ヨークコイルを用いた場合“色ずれ”を起す要因とな
り、場合によっては使用不可能となってしまうという問
題点があった。また、ポリアミド系融着皮膜は絶縁皮
膜,例えば半田付け可能なポリエステルイミド系絶縁皮
膜の熱軟化温度を低下させ、偏向ヨークコイルの加熱成
型時にレアショートを起こしやすいという欠点があっ
た。この欠点を補うものとして、塗膜形成機能を有する
フェノキシ樹脂を主成分とする融着皮膜が提案されてい
るが、半田付け性を阻害するという欠点を有していた。
また、半田付け性を改善するために前記フェノキシ樹脂
に臭素化エポキシ樹脂を添加したものも提案されている
が接着力を低下させるという問題点を有していた。
本発明はこれら従来技術の有する問題点を解決するため
になされたものであり、偏向ヨークコイル等の巻線に適
した接着強度,耐熱性及び耐湿変形性に優れ、かつ皮膜
を剥離することなく半田付け可能な自己融着性マグネッ
トワイヤを提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕 上記目的を達成するために本発明は、分子量10,000以上
の臭素化エポキシ樹脂100重量部(臭素含有量10〜35重
量%)に、分子量30,000〜50,000のフェノキシ樹脂25〜
100重量部及び熱可塑性ポリウレタン樹脂10〜20重量部
を有機溶剤に溶解した絶縁皮膜の熱軟化温度の低下防止
内層用塗料(以下,内層用塗料と略記する)を導体上に
耐熱区分がF種以上或は熱軟化温度が250℃以上の半田
付け可能なポリエステルイミド系絶縁皮膜を介して塗
布,焼付けし、0.001mm厚以上の熱軟化温度の低下防止
用内層皮膜を設け、更にこの外周に、12−ナイロンをモ
ノマー主成分として成る多成分共重合ポリアミド樹脂10
0重量部にフェノール樹脂10〜40重量部及び硫黄原子を
含有した分子量500〜1,500の脂肪族ポリエステル化合物
1〜7重量部を有機溶剤に溶解した後、無機化合物5〜
20重量部を添加し分散させた無機化合物分散型の外層用
融着塗料(以下,外層用融着塗料と略記する)を塗布,
焼付けし、前記内層皮膜との厚さの比が5:5〜2:8の外層
融着皮膜を設けた、熱軟化温度の低下防止用内層皮膜
(以下,内層皮膜と略記する)を有するF種半田付け可
能な自己融着性マグネットワイヤにある。
本発明の内層皮膜の主成分をなす分子量10,000以上の臭
素化エポキシ樹脂は臭素含有量が10〜35重量%のエポキ
シ樹脂であり、具体例としてYPB40CSB25−B20,YPB40CSB
25−B35(東都化成社商品名)を挙げることができる。
臭素化エポキシ樹脂の分子量を10,000以上と限定した理
由は、分子量が10,000未満になると塗膜形成機能を悪化
するためである。また、臭素含有量を10〜35重量%と限
定した理由は、臭素含有量が10重量%未満の場合は半田
付け性を著く阻害するためであり、35重量%を超えた場
合は接着強度を低下させるためである。
絶縁皮膜の半田付け性を阻害しない臭素含有量としては
15重量%以上が好ましいが、臭素化エボキシ樹脂の添加
量が多くなるに従い融着皮膜の接着強度を低下させるた
め、半田付け性と接着性を考慮して配合割合を決める必
要がある。
塗膜形成機能を有する分子量30,000〜50,000のフェノキ
シ樹脂は、塗膜形成機能の他に接着性の付与成分として
重要であり、具体例としてはフェノトートYP50(東都化
成社商品名),エピクロンEXA192(大日本インキ化学社
商品名)等を挙げることができる。
フェノキシ樹脂の添加量を25〜100重量部に限定した理
由は、100重量部を超えると半田付け性を極端に阻害
し、25重量部未満では可撓性のある塗膜が得られないた
めである。熱可塑性ポリウレタン樹脂は、内層皮膜の加
熱融着時の流動性を改良するために添加する。当該ポリ
ウレタン樹脂としては、ポリオールの一種またはそれ以
上とジイソシアネート化合物の一種またはそれ以上を反
応せしめて得られる熱可塑性直鎖状ポリウレタン樹脂で
あればいかなる種類の樹脂でも使用できるが、有機溶剤
に対する溶解性を考慮すると還元比粘度が0.5〜0.8程度
の重合度の直鎖状ポリウレタン樹脂が好ましく、具体例
としてはパラプレンP22S,同P26S(日本ミラクトラン社
商品名)が挙げられる。添加量を10〜20重量部に限定し
た理由は、10重量部未満では内層皮膜の流動性を促進さ
せる効果がなく、20重量部を超えると内層皮膜の耐熱性
が阻害される為であり、実用性を考慮するとこの範囲が
最も好ましい。
外層融着皮膜の主成分をなす12−ナイロンをモノマー主
成分として成る多成分共重合ポリアミド樹脂は、溶融温
度が100〜160℃,平均分子量が30,000〜100,000の範囲
で非晶性の分子構造を有するポリアミド樹脂であり、具
体例としてはダイアミドT−451,同N−1901(ダイセル
社商品名),プラタボンドM1276,同M1411(日本リルサ
ン社商品名)等が挙げられる。これらの多成分共重合ポ
リアミド系樹脂は、各成分の組合せにより任意に異なる
溶融温度が得られ、また、接着性も優れている。これら
の多成分共重合ポリアミド樹脂は、単独で用いてもよい
が、塗膜の指触乾燥性を改良するために他の樹脂の添加
が必要である。フェノール樹脂は融着皮膜の指触乾燥性
を向上させるために不可欠であり、融着皮膜の速乾性,
耐久性および耐薬品性も向上させる。このフェノール樹
脂の具体例としてはヒタノール1133,同1140(日立化成
社商品名)等のアルキルフェノール樹脂を挙げることが
できる。添加量を10〜40重量部に限定した理由は、40重
量部を超えると接着性を阻害し、10重量部未満では塗膜
の指触乾燥性を悪化させるためである。
硫黄原子を含有した分子量500〜1,500の脂肪族ポリエス
テル化合物は、外層融着皮膜表面の滑り性を良くする滑
剤として添加され、これが添加された融着塗料を塗布,
焼付けることにより滑剤が融着皮膜の表面に拡散移行し
て表面滑性の優れた塗膜を得ることができる。この脂肪
族ポリエステル化合物の構造式を下記に示す。
又は、 具体例としてはペンタエリスリトールテトラキス(3−
ラウリルチオプロピオネート)を挙げることができる。
なお分子量を500〜1,500に限定した理由は、分子量が50
0未満では融着塗料を塗布,焼付けし融着皮膜が形成さ
れる過程で、滑剤が表面へ十分拡散移行されないため滑
剤としての効果がなく、また分子量が1,500を超えると
融着塗料中において他の樹脂との相溶性が悪く安定性が
劣り、長時間放置すると他の樹脂と滑剤が分離してしま
うためである。
また、添加量を1〜7重量部に限定した理由は、7重量
部を超えると接着性を阻害するためであり、1重量部未
満では滑剤としての効果が生じないためである。
無機化合物は、外層融着皮膜の耐熱性及び耐摩耗性を向
上させるために添加される。本発明においては、外層用
融着塗料の保存安定性及び自己融着性マグネットワイヤ
製造時における塗布作業性を考慮し、有機溶剤に分散し
たコロイド状シリカ即ちオルガノシリカゾルを使用し
た。このオルガノシリカゾルはコロイド状であるため塗
料の安定性が良く、一般の固形無機物に比べ添加量を増
すことができる。具体例としてはシリカゾルXBA−ST
(日産化学工業社商品名)を挙げることができる。添加
量を5〜20重量部に限定した理由は、5重量部未満では
上記の効果が得られず、20重量部を超えた場合は融着塗
料中で分散してしまい安定性に欠けるためである。
本発明の自己融着性マグネットワイヤの絶縁層として用
いられる耐熱区分がF種以上或は熱軟化温度が250℃以
上の半田付け可能なポリエステルイミド系絶縁皮膜は、
グリセリン又はエチレングリコール等のポリオール成分
にイミド基を含有するジカルボン酸成分を重合させ、必
要により架橋成分としてポリイソシアネートブロック体
を添加したポリエステルイミド系樹脂を有機溶剤に溶解
し、これを導体上に塗布,焼付けて得られる。
この半田付け可能なポリエステルイミド系絶縁塗料の配
合組成を決定する上で特に重要な点は、二律背反の関係
にある耐熱性(絶縁皮膜の熱軟化温度)と半田付け性を
バランス良く両立させなければならないことである。こ
れらの特性を満足させるポリエステルイミド系絶縁塗料
としては東特塗料社製TSF−500,大日精化社製FS−2等
が挙げられる。耐熱区分がF種以上或は熱軟化温度が25
0℃以上の半田付け可能なポリエステルイミド系絶縁皮
膜と限定した理由は、偏向ヨークコイル等に用いられる
場合の耐熱特性と半田付け性をバランス良く満足させる
ためである。
本発明の半田付け可能な自己融着性マグネットワイヤ
は、前記したように内層用塗料を塗布,焼付けた内層皮
膜と外層用融着塗料を塗布,焼付けた外層融着皮膜から
なり、内層皮膜は絶縁皮膜の熱軟化温度の低下を防止す
る効果がある。しかしながら、内層皮膜の厚さによりそ
の効果は影響され、特に厚さが極端に薄い場合(0.001m
m未満)は効果が認められず、また厚い場合(内層皮膜
と外層融着皮膜を加えた皮膜全体に占める割合が60%を
超えた場合)は外層融着皮膜の特性にも影響を及ぼすた
め、内層皮膜の厚さは0.002mm以上とし、かつ内層皮膜
と外層融着皮膜との厚さの比は5:5〜2:8とすることが適
当である。
〔作用〕
本発明の半田付け可能な自己融着性マグネットワイヤ
は、内層皮膜の分子中に、外層融着皮膜中の多成分共重
合ポリアミド樹脂のアミド基と強力に結合する極性基を
有していないため界面の密着が弱く、熱軟化試験時に外
層融着皮膜が軟化しても荷重は直ぐには絶縁皮膜にかか
らず、一旦内層皮膜で受けとめられるので、融着皮膜と
してポリアミド系融着皮膜のみからなるワイヤ(融着皮
膜厚は内層皮膜厚+外層融着皮膜厚とする)よりも熱軟
化温度が高くなる。
また、内層の臭素化エポキシ樹脂の臭素原子の作用によ
り皮膜が熱分解を受けやすくなるので、半田付け可能な
ポリエステルイミド系絶縁皮膜の半田付け性を阻害しな
い。外層用融着塗料は内層皮膜の外周に塗布,焼付けら
れ外層融着皮膜となり、自己融着性マグネットワイヤの
接着性を向上させる。この融着塗料中には、滑剤として
硫黄原子を含有した分子量500〜1,500の脂肪族ポリエス
テル化合物が、また耐熱性及び耐摩耗性を向上させる成
分としてシリカゾルが添加されており、室温では安定し
た融着塗料である。前記滑剤は融着塗料の焼付け工程中
で溶剤が揮散するに従って塗膜表面へ移行し、外層融着
皮膜が形成される最終段階では長いメチレン鎖を外側に
向けて配列した非極性分子の単分子膜が形成され、優れ
た滑性を塗膜に付与する。なお、滑剤分子中に含まれる
硫黄原子は2価の硫黄であり、最高酸化状態では更に2
個の酸素を取込むことができるため、従来の滑剤より熱
安定性が良好である。また、前記シリカゾルを添加した
外層用融着塗料は、塗布,焼付けられることにより無機
物のシリカが均一に分散した塗膜を形成する。この無機
物分散型の外層融着皮膜は、従来のポリアミド系融着皮
膜に比べ熱変形及び機械的変形を起こしにくく、耐熱性
及び耐摩耗性を向上させる。
〔実施例〕
以下に本発明の内容を実施例及び比較例をあげて説明す
る。
1.本発明の実施例及び比較例に使用する塗料を次に示
す。
(1)半田付け可能なポリエステルイミド系絶縁塗料TS
F−500(東特塗料社商品名)濃度35% (2)内層用塗料及び融着塗料 表Iは実施例1〜6の内層用塗料及び外層用融着塗料,
比較例1〜3の融着塗料の樹脂配合組成表である。この
表に基づき塗料を調整した。
内層用塗料(実施例−I) 臭素化エポキシ樹脂(YPB40CSB25−B20,東都化成社商品
名),フェノキシ樹脂を有機溶剤に溶解した25%溶液
(YP50CS25B,東都化成社商品名)及び熱可塑性ポリウレ
タン樹脂(パラプレンP22SR,日本ミラクトラン社商品
名)を表Iの配合組成表に基づき配合し、クレゾール,
キシロールの混合溶剤に溶解してなる濃度15%の塗料。
外層用融着塗料(実施例−II) 表Iの配合組成表に基づき12−ナイロンをモノマー成分
として有する多成分共重合ポリアミド樹脂(ダイアミド
N1901,ダイセル社商品名),フェノール樹脂(ヒタノー
ル1140,日立化成社商品名)及び硫黄原子を含有した脂
肪族ポリエステル化合物(シーノックス412S,シプロ化
成社商品名)をクレゾール,キシロールの混合溶剤に溶
解した後、無機化合物(シリカゾルXBA−ST,日産化学工
業社商品名)を添加混合してなる濃度13%の融着塗料。
比較例の融着塗料 比較例1の融着塗料は内層用塗料(実施例1,4−I)と
同一組成,濃度の融着塗料、また比較例2の融着塗料は
表Iの配合組成表に基づき、実施例−IIで用いたものと
同じポリアミド樹脂とフェノール樹脂から調整した濃度
13%の融着塗料(ポリアミド系融着塗料)、また比較例
3の融着塗料は外層用融着塗料(実施例4〜6−II)と
同一組成,濃度の融着塗料。
2.半田付け可能な自己融着性マグネットワイヤの製造 実施例及び比較例の自己融着性マグネットワイヤの製造
につき説明する。
(1)実施例1〜6 導体径0.300mmの軟銅線に前記した半田付け可能なポリ
エステルイミド系絶縁塗料を塗布,焼付けて絶縁皮膜を
設け、次にこの外周に内層用塗料(実施例−I)を塗
布,焼付けて内層融着皮膜を設け、更にこの外周に外層
用融着塗料(実施例−II)を塗布,焼付けて外層融着皮
膜を設け、皮膜厚さO種の半田付け可能な自己融着性マ
グネットワイヤを製造した。なお、製造条件として、絶
縁塗料の焼付けは炉長3mの横型焼付炉を用い炉温480
℃,線速50m/minで行ない、内層用塗料と外層用融着塗
料の焼付けは、前記焼付炉とは別の同型焼付炉を用い炉
温400℃,線速50m/minで行なった。なお、内層皮膜と外
層融着皮膜の厚さの比率は5:5を目標とした。製造後
は、この比率の測定が難かしいため、製造中にレーザー
外径測定器を用いてそれぞれの外径を測定し、差を求め
て比率を確認した。これら実施例1〜6の半田付け可能
な自己融着性マグネットワイヤの特性を表IIに示す。
(2)比較例1〜3 導体径0.300mmの軟銅線に前記した半田付け可能なポリ
エステルイミド系絶縁塗料を塗布,焼付けて絶縁皮膜を
設け、次にこの外周に前記比較例1〜3の融着塗料を塗
布,焼付けて融着皮膜を設け、皮膜厚さO種の半田付け
可能な自己融着性マグネットワイヤを製造した。なお、
製造条件は実施例と同一である。これら比較例1〜3の
半田付け可能な自己融着性マグネットワイヤの特性を表
IIに示す。比較例1〜3の融着皮膜厚は実施例の内層皮
膜厚と外層融着皮膜厚を加えた厚さに合わせた。
注(1)比較例は融着皮膜厚である。
(2)ヘリカルコイル2.0φ,200℃×10分 (3)比較例1及び2のワイヤの表面には流動パラフィ
ンを塗布した。
(4)当社試験方法による。(差が小さいほど熱変形が
良好) (5)巻線不可能(接着弱い) 〔発明の効果〕 本発明の半田付け可能な自己融着性マグネットワイヤ
は、絶縁皮膜の熱軟化温度の低下防止用内層皮膜を設け
たのでポリアミド系融着皮膜のみからなる自己融着性マ
グネットワイヤよりも熱軟化温度が高くなり、偏向ヨー
クコイルの加熱成型時のレアショートを防止することが
出来るようになった。また本発明の外層融着皮膜は多成
分共重合ポリアミド樹脂を主成分としているので接着力
が高く、また脂肪族ポリエステル化合物が添加されてい
るので表面滑性が優れ、また無機化合物が皮膜中に分散
されているので耐熱性,耐摩耗性が向上する。更に、前
記内層皮膜は耐熱区分がF種以上或は熱軟化温度が250
℃以上の半田付け可能なポリエステルイミド系絶縁皮膜
の半田付け性を阻害しない。そのため、皮膜を剥離せ
ず,直接半田槽にコイルの端末を浸漬することにより半
田付けが可能である。従って、特に偏向ヨークコイル用
の自己融着性マグネットワイヤとして有効であり、産業
上に寄与するところ極めて大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭48−31477(JP,A) 特開 昭51−1989(JP,A) 特開 昭54−90588(JP,A) 特開 昭57−9004(JP,A) 特開 昭59−99617(JP,A) 特開 昭62−8669(JP,A) 特開 昭63−226816(JP,A) 特開 平1−93005(JP,A) 特開 平2−142018(JP,A) 特開 平2−207409(JP,A) 特開 平2−223107(JP,A) 特開 平2−253511(JP,A) 実開 昭50−34786(JP,U) 実開 昭50−34787(JP,U) 実開 昭50−43876(JP,U) 実開 昭63−182407(JP,U)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子量10,000以上の臭素化エポキシ樹脂10
    0重量部(臭素含有量10〜35重量%)に、分子量30,000
    〜50,000のフェノキシ樹脂25〜100重量部及び熱可塑性
    ポリウレタン樹脂10〜20重量部を有機溶剤に溶解した絶
    縁皮膜の熱軟化温度の低下防止内層用塗料を、導体上に
    耐熱区分がF種以上或は熱軟化温度が250℃以上の半田
    付け可能なポリエステルイミド系絶縁皮膜を介して塗
    布,焼付けし、0.001mm厚以上の熱軟化温度の低下防止
    用内層皮膜を設け、更にこの外周に、12−ナイロンをモ
    ノマー主成分として成る多成分共重合ポリアミド樹脂10
    0重量部にフェノール樹脂10〜40重量部及び硫黄原子を
    含有した分子量500〜1,500の脂肪族ポリエステル化合物
    1〜7重量部を有機溶剤に溶解した後、無機化合物5〜
    20重量部を添加し分散させた無機化合物分散型の外層用
    融着塗料を塗布,焼付けし、前記内層皮膜との厚さの比
    が5:5〜2:8の外層融着皮膜を設けたことを特徴とする熱
    軟化温度の低下防止用内層皮膜を有するF種半田付け可
    能な自己融着性マグネットワイヤ。
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