JPH0694586B2 - オ−ルアルミニウム缶製造用Al合金薄板の製造法 - Google Patents

オ−ルアルミニウム缶製造用Al合金薄板の製造法

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JPH0694586B2
JPH0694586B2 JP61171407A JP17140786A JPH0694586B2 JP H0694586 B2 JPH0694586 B2 JP H0694586B2 JP 61171407 A JP61171407 A JP 61171407A JP 17140786 A JP17140786 A JP 17140786A JP H0694586 B2 JPH0694586 B2 JP H0694586B2
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保夫 小林
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庸 竹内
明直 武田
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MA Aluminum Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、すぐれた深絞り性、しごき加工性、および
張出し成形性を有し、さらに高強度も具備し、特にこれ
らの特性が要求される胴体と蓋材とが同一材料で構成さ
れたツー・ピース・アルミニウム缶(以下オールアルミ
ニウム缶という)の製造に用いるのに適したAl合金薄板
の製造法に関するものである。
〔従来の技術〕
近年、リサイクルによる省資源化および省エネルギー化
の点から、オールアルミニウム缶が実用に供されてい
る。
一方、このオールアルミニウム缶の製造に用いられるAl
合金薄板には、胴体成形上必要な深絞り性およびしごき
加工性、並びに内圧に耐える強度を有し、さらに蓋材成
形に際し、タブを取付けるためのリベツト成形を可能と
する張出し成形性、並びに強度を具備することが要求さ
れる。
従来、オールアルミニウム缶の製造に用いられるAl合金
薄板の製造法としては多くの方法が提案され、例え特公
昭60−35424号公報に記載される方法、すなわち、 (a) Mn:0.3〜1.5%、 Si:0.1〜0.5%、 Mg:0.3〜3%、 を含有し、さらに必要に応じて、 Fe:0.3〜0.8%、 Cu:0.01〜0.3%、 Ti:0.005〜0.15%、 のうちの1種または2種以上を含有し、残りがAlと不可
避不純物からなる組成(以上重量%、以下%は重量%を
示す)を有するAl合金鋳塊に、通常の条件で均質化処理
および熱間圧延を施して熱延板とした後、 (b) この熱延板に、60%以上の圧延率で1次冷間圧
延を施し、 (c) ついで、この1次冷間圧延後の冷延板に、500
〜600℃の温度に急速加熱後、直ちに100℃以下の温度ま
で急冷の急速加熱冷却処理を施し、 (d) さらに、10%以上の圧延率で最終冷間圧延を施
し、 (e) 最終的にこの結果の冷延板に100〜250℃の温度
に5分〜12時間の条件で加熱処理を施す、 以上(a)〜(e)の基本工程からなる方法(以下従来
法という)が知られている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし、上記の従来法によつて製造されたAl合金薄板
は、すぐれた深絞り性、しごき加工性、および張出し成
形性をもつものの強度が十分でないために、内圧のあま
りかからないジユースなどの非炭酸系飲料用などのオー
ルアルミニウム缶の製造に用いられているが、ビールな
どの高い内圧のかかる炭酸系飲料用などのオールアルミ
ニウム缶の製造に用いることはできないものであつた。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、上記の
従来法に着目し、これによつて製造されたAl合金薄板の
もつすぐれた特性を損なうことなく、これに高強度を付
与すべく研究を行なつた結果、上記従来法における急速
加熱冷却処理工程と最終冷間圧延工程の間で、圧延率:1
0〜45%の2次冷間圧延と、100〜200℃の温度に0.5〜8
時間保持の条件での析出硬化処理を行なうと、素地中に
微細な析出物が均一に分散した組織をもつようになり、
この結果製造されたAl合金薄板は、高強度をもつほか、
深絞り性、しごき加工性、および張出し成形性にもすぐ
れ、内圧のかからない用途は勿論のこと、高い内圧のか
かるオールアルミニウム缶の製造にも用いることができ
るという知見を得たのである。
この発明は、上記知見にもとづいてなされたものであつ
て、 (a) Mn:0.5〜1.5%、 Mg:1〜2%、 Si:0.2〜0.5%、 Cu:0.2〜0.4%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組成を有す
るAl合金鋳塊に、通常の条件にて均質化処理および熱間
圧延を施して熱延板とした後、 (b) この熱延板に、40%以上の圧延率にて1次冷間
圧延を施し、 (c) ついで、この1次冷間圧延後の冷延板に、500
〜600℃の温度に急速加熱後、直ちに室温まで冷却の急
速加熱冷却処理を施して、溶体化および異方性低減化を
はかり、 (d) さらに10〜45%の圧延率で2次冷間圧延を施
し、 (e) この2次冷間圧延後の冷延板に、100〜200℃の
温度に0.5〜8時間保持の条件で析出硬化処理を施し、 (f) さらに引続いて、10%以上の圧延率にて最終冷
間圧延を施し、かつこの場合2次冷間圧延と最終冷間圧
延の全圧延率を50〜75%とし、 (g) 最終的に150〜250℃の温度に5〜60分間保持の
条件で加熱処理を施す、 以上(a)〜(g)の基本工程によつてオールアルミニ
ウム缶製造用Al合金薄板を製造する方法に特徴を有する
ものである。
つぎに、この発明の方法において、Al合金鋳塊の成分組
成および製造条件を上記の通りに限定した理由を説明す
る。
A.成分組成 (a) Mn Mn成分には、強度を高めるほか、Al、Fe、およびSiと金
属間化合物を形成してしごき加工性を向上させる作用が
あるが、その含有量が0.5%未満では前記作用に所望の
効果が得られず、一方その含有量が1.5%を越えると、
鋳造時に巨大金属間化合物を形成して、圧延加工性およ
び成形性が低下するようになることから、その含有量を
0.5〜1.5%と定めた。
(b) Mg Mg成分には、素地に固溶して、これを強化するほか、A
l、Si、およびCuと結合した析出物を形成し、強度を向
上させる作用があるが、その含有量が1%未満では前記
作用に所望の効果が得られず、一方その含有量が2%を
越えると、成形性が低下するるようになつて、胴体の成
形が困難になることから、その含有量を1〜2%と定め
た。
(c) Si Si成分には、上記のようにMgと結合してMg2Siの析出
物、およMn、Fe、およびAlと結合して金属間化合物を形
成して、強度およびしごき加工性を向上させる作用があ
るが、その含有量が0.2%未満では前記作用に所望の効
果が得られず、一方その含有量が0.5%を越えると、圧
延加工性および耐食性が劣化するようになることから、
その含有量を0.2〜0.5%と定めた。
(d) Cu Cu成分には、素地に固溶して、これを強化するほか、Mg
およびAlと結合した析出物を形成して強度を高める作用
があるが、その含有量が0.2%未満では前記作用に所望
の効果が得られず、一方その含有量が0.4%を越えると
耐食性が著しく低下するようになることから、その含有
量を0.2〜0.4%と定めた。
B.1次冷間圧延 1次冷間圧延は、後工程の急速加熱冷却処理で十分な溶
体化処理効果および異方性改善効果を得るために行なわ
れるもので、その圧延率が40%未満では十分満足する効
果が得られないことから、その圧延率を40%以上と定め
た。
C.急速加熱冷却処理 この処理は、後工程の析出硬化処理で素地中に微細に析
出して強度向上に寄与する析出物を固溶させるほか、胴
体成形時の深絞り性、および蓋材の成形時の積重ね性の
弊害となる異方性を小さくする目的で行なわれるが、そ
の温度が500℃未満では、溶体化および異方性低減化が
不十分で所望の前記特性を確保することができず、一方
600℃を越えた温度になると、実操業上熱処理炉のラン
ニングコストが高くなるほか、冷延板に溶融が生じる危
険性をもつようになることから、その温度を500〜600℃
と定めた。
なお、この処理は、フローティングタイプの連続熱処理
炉や電磁誘導加熱式の連続熱処理炉を用い、100℃/min
以上の加熱速度で行なうのが望ましい。
D.2次冷間圧延 2次冷間圧延は、後工程の析出硬化処理での析出物の析
出を促進する目的で行なわれるが、その圧延率が10%未
満では析出促進効果が十分に現われず、一方45%を越え
た圧延率で圧延を行なつてもより一層の効果は得られな
いことから、その圧延率を10〜45%と定めた。
E.析出硬化処理 この処理は、均一微細な析出物を分散析出させ、かつそ
の後の最終冷間圧延で安定な転位組織を形成させる目的
で行なわれるが、その温度が100℃未満では長時間を要
して経済的でなく、かつその保持時間が0.5時間未満で
は十分な析出を行なうことができず、一方その温度が20
0℃を越えたり、また保持時間が8時間を越えたりする
と、結晶粒が成長して強度が低下するようになることか
ら、その温度を100〜200℃、その保持時間を0.5〜8時
間と定めた。
F.最終冷間圧延 この最終冷間圧延は、前工程で析出した析出物と転位と
の相互作用で安定な転位組織を形成せしめ、この結果の
著しい加工硬化により所望の高強度を確保するようにす
るために行なわれるが、その圧延率が10%未満では所望
の高強度を確保することができないことから、その圧延
率を10%以上と定めた。
なお、この最終冷間圧延と、急速加熱冷却処理後の2次
冷間圧延は、強度と成形性に影響を及ぼすものであつ
て、これら両圧延での全圧延率が50%未満では所望の強
度を確保することができず、一方これらの全圧延率が75
%を越えると、張出し成形性および深絞り性などの成形
性が低下するようになることから、これら両圧延での全
圧延率を50〜75%としなければならない。
G.加熱処理 この処理は、析出硬化をはかるほか、加工組織の回復に
よる成形性の改善をはかる目的で行なわれるが、その温
度が150℃未満でも、その保持時間が5分未満でも所望
の成形性を確保することができず、一方その温度が250
℃を越えても、またその保持時間が60分を越えても強度
低下をもたらすことから、その温度を150〜250℃、その
保持時間を5〜60分と定めた。
なお、この加熱処理は、塗装焼付処理と条件を同じくす
るので、塗装焼付処理をもつて加熱処理としてもよい。
〔実施例〕
つぎに、この発明の方法を実施例により具体的に説明す
る。
それぞれ第1表に示される成分組成をもつた厚さ:500mm
のAl合金鋳塊を半連続鋳造法にて調製し、面削後、温
度:565℃に10時間保持の条件で均質化処理を施した後、
仕上り温度が350〜430℃の範囲内の温度となる条件で熱
間圧延を行なつて板厚:6mmの熱延板を形成し、ついで、
この熱延板に、同じく第1表に示される条件で、1次冷
間圧延、急速加熱冷却処理(1000℃/minの加熱速度で加
熱し、加熱温度に昇温した時点で直ちに水冷)、2次冷
間圧延、析出硬化処理、最終冷間圧延、および加熱処理
をそれぞれ施すことによつて本発明法1〜10および比較
法1〜5を実施し、本発明Al合金薄板1〜10および比較
Al合金薄板1〜5をそれぞれ製造した。
なお、比較法1〜5は、いずれも製造条件のうちのいず
れかの条件(第1表に※印を付したもの)がこの発明の
外れたものである。
ついで、この結果得られた本発明Al合金薄板1〜10およ
び比較Al合金薄板1〜5について、強度を評価する目的
で引張特性を測定し、また成形性を評価する目的でエリ
クセン値および限界絞り比をそれぞれ測定した。これら
の測定結果を第2表に示した。
〔発明の効果〕
第2表に示される結果から、本発明法1〜10によつて製
造された本発明Al合金薄板1〜10は、いずれも高強度お
よびすぐれた成形性を具備しているのに対して、比較法
1〜5で製造された比較Al合金薄板1〜5は、これらの
特性のうちの少なくともいずれかの性質が劣つたものに
なつており、特に上記の従来法に相当する比較法2で製
造された比較Al合金薄板2は強度が低いことが明らかで
ある。また本発明Al合金薄板4を用いて250c.c.缶用蓋
材を20,000枚成形したところ、いずれの蓋材にも割れ発
生は皆無であり、耐圧強度もオールアルミニウム缶とし
て充分実用に供しうるものであつた。
上述のように、この発明の方法によれば、高強度を有
し、深絞り性、しごき加工性、および張出し成形性など
の成形性にすぐれたAl合金薄板を製造することができ、
したがつてこれらの特性が要求されるオールアルミニウ
ム缶の胴体および蓋材として缶詰めされる内容物に関係
なく用いることが可能であり、リサイクルによる省資源
化および省エネルギー化に寄与するところ大なるものが
ある。
フロントページの続き (72)発明者 竹内 庸 静岡県裾野市二ツ屋67−7 (72)発明者 武田 明直 静岡県裾野市稲荷82−1 (72)発明者 川島 敏彦 静岡県御殿場市二枚橋692−12 (72)発明者 堀内 保 静岡県御殿場市北久原641 審査官 酒井 美知子

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) Mn:0.5〜1.5%、Mg:1〜2%、 Si:0.2〜0.5%、Cu:0.2〜0.4%、 を含有し、残りがAlと不可避不純物からなる組成(以上
    重量%)を有するAl合金鋳塊に、通常の条件にて均質化
    処理および熱間圧延を施して熱延板とした後、 (b) この熱延板に、40%以上の圧延率にて1次冷間
    圧延を施し、 (c) ついで、この1次冷間圧延後の冷延板に、500
    〜600℃の温度に急速加熱後、直ちに室温まで冷却の急
    速加熱冷却処理を施して、溶体化および異方性低減化を
    はかり、 (d) さらに10〜45%の圧延率で2次冷間圧延を施
    し、 (e) この2次冷間圧延後の冷延板に、100〜200℃の
    温度に0.5〜8時間保持の条件で析出硬化処理を施し、 (f) さらに引続いて、10%以上の圧延率にて最終冷
    間圧延を施し、かつこの場合2次冷間圧延と最終冷間圧
    延の全圧延率を50〜75%とし、 (g) 最終的に150〜250℃の温度に5〜60分間保持の
    条件で加熱処理を施す、 以上(a)〜(g)の基本工程からなることを特徴とす
    るオールアルミニウム缶製造用Al合金薄板の製造法。
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