JPH07100730B2 - 高流動性耐衝撃性ポリプロピレン樹脂 - Google Patents

高流動性耐衝撃性ポリプロピレン樹脂

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JPH07100730B2
JPH07100730B2 JP34022191A JP34022191A JPH07100730B2 JP H07100730 B2 JPH07100730 B2 JP H07100730B2 JP 34022191 A JP34022191 A JP 34022191A JP 34022191 A JP34022191 A JP 34022191A JP H07100730 B2 JPH07100730 B2 JP H07100730B2
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浅沼  正
一郎 藤隠
茂 木村
進隆 内川
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三井東圧化学株式会社
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  • Polymerisation Methods In General (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はメルトフローインデック
スが20以上の高流動性でしかも破断時の伸びの大きい
射出成形用耐衝撃性ポリプロピレン樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンは軽量で剛性にすぐれた
安価な樹脂であり、多くの用途に用いられており、特に
ポリプロピレンの欠点である耐衝撃性を改良したエチレ
ンとのブロック共重合体は剛性と耐衝撃性のバランスが
良好であり、特に射出成形用樹脂として多くの用途に用
いられている。一方近来の省資源、省エネルギーの要望
により成形時の流動性の向上及び成形物の薄肉化が必要
とされている。成形時の流動性を向上させるために樹脂
の分子量を低下させることが行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら樹脂の分
子量を低下させると成形物の実用上の耐衝撃性と相関す
る破断時の伸びが大きく低下するという問題があった。
【0004】本発明の目的は、剛性と耐衝撃性の物性バ
ランスが良好でしかも破断時の伸びの大きい高流動性ポ
リプロピレン樹脂を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、同一重合系で
立体規則性触媒を用いて初めにプロピレン単独で重合を
行なうか、或は少量のエチレンと共重合を行なって得
た、135℃テトラリン溶液で測定した極限粘度(η)
が0.5〜1.5の重合体に、次いでエチレンとプロピ
レンの反応比20/80〜95/5(重量比)となるよ
うに反応を行なって得たブロック共重合体であって、メ
ルトフローインデックス(MF1)が20以上であり、
エチレン含量が1〜14重量%であり、30℃の白灯油
に可溶な部分(A)が全体の5ないし20重量%で該部
のエチレン含有量が20〜70重量%であり、30℃の
白灯油に不溶でしかも沸騰nーヘプタンに不溶な部分
(B)が全体の50ないし90重量%であり、しかも
(A)部及び(B)部をゲルパーミエーションクロマト
グラフィー(GPC)で測定し、縦軸を溶出量で、横軸
を分子量の自然対数で表わした分子量分布曲線のピーク
の位置を中心として高分子量域、低分子量域、中間量域
にわけ、高分子量域をガウス分布で近似した時のMW
N が(A)部と(B)部についてそれぞれ5.0以上
であることを特徴とする破断時の伸びの大きい高流動性
ポリプロピレン樹脂に関する。
【0006】本発明においては、極限粘度数(η)は1
35℃テトラリン溶液で測定した値である。
【0007】本発明においては、メルトフローインデッ
クス(MFI)は230℃、2.16Kgの荷重でAS
TM D1238ー62Tの方法に準じて測定されたも
のである。MFIが20未満では薄肉の射出成形物を製
造すると流れむらが生じ、成形物表面が均一にはならな
いので好ましくない。
【0008】本発明においては、GPCは135℃で
1,2,4ートリクロロベンゼンを媒体として用いて測
定されたものである。分子量の算出はポリスチレンの標
準分子量のものを用い、Qファクター比として0.63
9(ポリプロピレンのQファクター/ポリスチレンのQ
ファクター)を用いて求めた。またエチレンとプロピレ
ンとの共重合体もポリプロピレンと同じ屈折率、Qファ
クター値であるとして算出した。
【0009】本発明におけるMW /MN は以下のように
して算出される:図1に示すように横軸を分子量の自然
対数で表わし、縦軸を溶出量で表わした分子量分布曲線
を三分割し、高分子側の分子量分布曲線についてガウス
分布に近似して求める。
【0010】分子量分布をガウス分布で近似する方法は
例えばJournalof ChromatographicScience, vol. 20, J
une 1982, p252 に詳細に説明してある。即ち分子量分
布曲線を下式で近似する: Y =Ym・exp〔ー(XーXm)2 /2S2 〕 Y :分子量の自然対数( ln(分子量))Xの時の高
さ、 Ym:ピーク分子量の自然対数( ln(ピーク分子量))
Xmの時の高さ又は三分割した時の境界点に一致するよ
うに算出したピーク高さ
【0011】
【数1】 上記によって、重量平均分子量/数平均分子量即ちMW
/MNが算出される。
【0012】本発明において30℃の白灯油に可溶な部
分(A)の分離は次のとおり行われる。樹脂を130℃
の白灯油に溶解し、次いで3時間かけてゆっくりと30
℃に降温し、30℃で12時間保った後濾過して不溶部
から分離する。
【0013】不溶部は灯油で繰り返し洗浄し、その洗浄
液は濾液とともに可溶部とする。洗浄された不溶部はさ
らにnーヘプタンで洗浄した後さらにソックスレー抽出
器を用いて沸騰nーヘプタンで6時間抽出して抽出残分
を得る。該部を(B)とする。
【0014】本発明において上述の30℃の白灯油に可
溶な部分(A)は全体の5ないし20重量%である必要
があり、5重量%未満では耐衝撃性が充分でなく、また
20重量%より多いと剛性が不良となる。該部のエチレ
ン含量が20重量%より少ないと耐衝撃性が不良であ
り、又70重量%以上では成形品とした時に表面の光沢
が不良となるので好ましくない。好ましくは25重量%
〜60重量%である。
【0015】本発明において上述の30℃の白灯油に不
溶でしかも沸騰nーヘプタンに不溶な部分(B)が全体
の50ないし90重量である必要があり、50重量%未
満では剛性が不良であり、90重量%より多いと耐衝撃
性が不良となる。
【0016】本発明において肝要なのは上記(A)部及
び(B)部の前述の方法で測定された高分子量域のMW
/MN が5.0以上、特に好ましくは5.5以上である
ことである。(A)部及び(B)部についてそれぞれの
全体のMW /MN が大きくても高分子量域のMW /MN
が5.0未満では本発明の効果が達成されず又逆に全体
のMW /MN が小さくても高分子量域のMW /MN
5.0以上であれば破断時の伸びが大きくなる。
【0017】本発明の樹脂の製造法は、適当に重合設計
されたプロピレンとエチレンの反応比を変えた多段重合
によって製造する方法であり、好ましくは同一重合系で
公知の立体規則性触媒を用いて初めにプロピレン単独で
重合を或は少量のエチレンと共重合を行なって得た、1
35℃テトラリン溶液で測定した極限粘度(η)が0.
5〜1.5の重合体に、次いでエチレンとプロピレンの
反応比20/80〜95/5重量比となるよう反応を行
ってブロック共重体を得る方法である。
【0018】用いる触媒によって同一の反応を行っても
上記(A)部及び(B)部の割合も相異するし、又MW
/MN も相異するため、上述の(A)部及び(B)部の
割合がそれぞれ5ないし20重量%及び50〜90重量
%である条件及び(A)部のエチレン含量が20〜70
重量%である条件を、使用する触媒について定めておく
必要がある。
【0019】又場合によっては得られた共重合体を過酸
化物と加熱混合し熱減成することによってMFIを大き
くすることもできるが、熱減成を行うとMW /MN が小
さくなるので熱減成に使用するブロック共重合体として
は、MW /MN がかなり大きいものを用いる必要があ
る。
【0020】本発明において肝要である(A)部及び
(B)部の高分子量域のMW /MN を5.0以上にする
方法としては、通常の重合条件、即ち気相部の水素濃度
を一定とし一定の温度で重合して得た共重合体の分子量
分布を測定し、前述の方法で分子量分布曲線を三分割
し、高分子量側の境界点の分子量を求め、その分子量よ
り大きい分子量域にピークをもつような分子量分布曲線
となる如き分子量の共重合体を得るための重合条件が設
定される。通常は気相部の水素濃度及び重合温度の条件
を設定すればよい。こうして定められた水素濃度と温度
の2つの条件(必要ならばさらに高分子量の共重合体を
得る条件を加えて)を同一重合系で用いることによって
所望の共重合体が得られる。
【0021】更に好ましい方法としてブロック共重合体
を得るに当って、初めのプロピレン単独の重合或は少量
のエチレンとの共重合を行う段階をさらに上記の方法に
従って水素濃度を変える2段階に分け、またエチレンと
プロピレンの反応比が20/80〜95/5重量比の範
囲で共重合反応を行う段階も水素濃度を変えて2段階に
分けることにより高分子量域のMW /MN を所望の値に
することができる。
【0022】他の好ましい方法としては高分子量域の分
子量分布の大きい共重合体を与える触媒系を用いること
である。多くの優れた触媒系がすでに知られているが、
それぞれの触媒系について得られた共重合体がどのよう
な分子量分布をもっているかは知られていないため、す
べての触媒系について明らかにできないが比較的高分子
量域の広い分子量分布を与える触媒系としては、ハロゲ
ン化物、特にハロゲン化炭化水素でチタン化合物を処理
した固体触媒成分をチタン成分として用いる場合、或は
重合の際に含酸素化合物、特に有機酸エステルとか、ケ
トン化合物を用いる場合は理由は明確ではないが、高分
子量域の分子量分布の広い共重合体が得られる傾向があ
る。特に高分子量域の広い共重合体を与える触媒系とし
てハロゲン化マグネシウムをハロゲン化炭化水素、含酸
素化合物で処理した担体にハロゲン化チタンを担持して
得た活性チタン触媒と有機アルミニウム化合物及び有機
酸エステルからなる触媒系が挙げられる。
【0023】上記のように比較的高分子量域の分子量分
布の広い共重合体を与える触媒系を用いた場合には、ブ
ロック共重合を行う際に前段及び後段の重合をさらに2
段階にわける必要がなく、それぞれ各段階では一定の気
相部の水素濃度及び重合温度で重合を行っても本発明の
ポリプロピレン樹脂が得られる。
【0024】本発明のポリプロピレン樹脂は、射出成形
用の高流動性の耐衝撃性ポリプロピレンとして成形物の
破断時の伸びが大きいという優れた特性を有するもので
あり、工業的に価値のあるものである。以下に実施例を
挙げて本発明をさらに説明する。
【0025】
【実施例】以下の実施例及び比較例において物性は次の
方法で測定した: MFI(g/10min):ASTM D1238 引張り降伏強さ(Kg/cm2 ):ASTM D638ー64T 破断時の伸び(%):ASTM D638ー64T 曲げ剛性度(Kg/cm2 ):ASTM D747ー63 アイゾット衝撃強さ(ノッチ付)(Kg・cm/cm2) :ASTM D256ー56 デュポン衝撃強さ (Kg・cm/φ)(φ=1/2") :JIS K6718に準ず MFIは230℃で、その他の物性は射出成形機で8c
m×16cm×2mmの射出シートを製造し,23℃で
測定し、又衝撃強さは−10℃でも測定した。
【0026】実施例1〜5、比較例1〜2 (1) 活性チタン触媒の製造 i)塩化マグネシウム20g、オルソ酢酸エチル1ml、
1,2ージクロロエタン4mlを共粉砕したものに四塩化
チタンを接触処理し、次いでnーヘプタンで洗浄する操
作を3回繰り返して得た活性チタン触媒(a); ii)市販の高活性三塩化チタン触媒、丸紅ソルヴュー社
製 TBNー05(ロット番号)をそのまま使用。活性
チタン触媒(b)。
【0027】(2) ブロック共重合体の製造 重合条件i) 充分に乾燥し窒素で置換し、さらにプロピレンで置換し
たジャケット付きの1m3 のオートクレーブにプロピレ
ン250Kgを装入した。一方5lのフラスコにnーヘ
プタン2.5l、ジエチルアルミニウムクロライド8.
5ml、pートルイル酸メチル4ml、上記活性チタン触媒
(a)2g及びトリエチルアルミニウム3mlを加え、混
合したものを上記オートクレーブに導入し、75℃で水
素濃度一定で2時間重合した。この段階での生成物のサ
ンプルを取り出し、135℃テトラリン溶液で極限粘度
(η)を測定したところは1.04であった。次いで内
温を50℃に降温しながら水素濃度を下げ、さらにプロ
ピレン50Kgを追加し、次いでエチレンを加え、気相
のエチレン濃度を35vol%に保ってトリエチルアル
ミニウム1mlを追加し、5分間重合し、さらにエチレン
濃度を40vol%になるように追加して、さらに1.
5分間重合した後、すぐにイソプロパノールで触媒を失
活しプロピレンで40℃で3回スラリーを洗浄して、ポ
リプロピレンを得た。
【0028】重合条件ii) ジャケット付きの500lオートクレーブ中で、上記活
性チタン触媒(b)100g、ジエチルアルミニウムク
ロライド800mlからなる触媒を用い、nーヘプタンを
媒体とし、プロピレンを装入して全圧10Kg/cm2
ーゲージ、70℃に維持して2時間重合した。この際水
素濃度を一定として或は水素濃度を変えて2段階で重合
を行った。この段階での生成物のサンプルを取り出し、
135℃テトラリン溶液で極限粘度(η)を測定したと
ころは1.08であった。その後50℃に降温し、気相
のエチレン濃度を30vol%として10分間、次いで
気相のエチレン濃度を40vol%として5分間重合し
た。この際エチレン濃度30vol%と40vol%の
それぞれの段階の重合を、水素濃度を一定として或は水
素濃度をエチレン濃度30vol%と40vol%の各
段階では変えて(後者では、前者の1/3の濃度)行っ
た。重合反応後メタノールで触媒を失活させ、水で繰り
返し洗浄した後nーヘプタン層を濾過して共重合体パウ
ダーを得た。i)及びii)で得たパウダーは乾燥した後
フェノール系抗酸化剤(対パウダー2/1000重量
比)、ステアリン酸カルシウム(対パウダー1/100
0重量比)加えて造粒し、次いで射出成形シートを作り
物性を測定した。その結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】なお、実施例2及び比較例1は実施例1の
パウダーを造粒する際に過酸化物を対パウダー0.8/
10000及び2.5/10000重量比で加えて造粒
した。該過酸化物として脂肪族過酸化物ルパゾール10
1(ルシドール吉富社製商品名)を用い、250℃で加
熱減成された。
【0031】実施例4は実施例3のパウダーを造粒する
際に対パウダー1.2/10000重量比の過酸化物を
加えて造粒した。実施例3は水素濃度を変えて重合を行
うことを除いて実施例1の方法を繰り返した。
【0032】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン樹脂は剛性と耐
衝撃性の物性バランスが良好でしかも破断時の伸びが大
きく且つ高流動性である。
【図面の簡単な説明】
【図1】分子量分布曲線及びその分割法を示す図面であ
り、aは高分子量域、bは中間量域、cは低分子量域を
示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一重合系で立体規則性触媒を用いて初
    めにプロピレン単独で重合を行なうか、或は少量のエチ
    レンと共重合を行なって得た、135℃テトラリン溶液
    で測定した極限粘度(η)が0.5〜1.5の重合体
    に、次いでエチレンとプロピレンの反応比20/80〜
    95/5(重量比)となるように反応を行なって得たブ
    ロック共重合体であって、メルトフローインデックスが
    20以上であり、エチレン含量が1〜14重量%であ
    り、30℃の白灯油に可溶な部分(A)が全体の5〜2
    0重量%で該部のエチレン含有量が20〜70重量%で
    あり、30℃の白灯油に不溶でかつ沸騰nーヘプタンに
    不溶な部分(B)が全体の50〜90重量%であり、し
    かも(A)部及び(B)部をゲルパーミエーションクロ
    マトグラフィーで測定し、縦軸を溶出量で、横軸を分子
    量の自然対数で表わした分子量分布曲線のピークの位置
    を中心として高分子量域、低分子量域、中間量域にわ
    け、高分子量域をガウス分布で近似した時のMW /MN
    が(A)部及び(B)部についてそれぞれ5.0以上で
    あることを特徴とする破断時の伸の大きい高流動性ポリ
    プロピレン樹脂。
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