JPH07101977A - ホルモン作用を軽減した新規なエストラジオール誘導体及びその増殖因子阻害剤 - Google Patents

ホルモン作用を軽減した新規なエストラジオール誘導体及びその増殖因子阻害剤

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JPH07101977A
JPH07101977A JP5273014A JP27301493A JPH07101977A JP H07101977 A JPH07101977 A JP H07101977A JP 5273014 A JP5273014 A JP 5273014A JP 27301493 A JP27301493 A JP 27301493A JP H07101977 A JPH07101977 A JP H07101977A
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JP5273014A
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Koichi Niimura
浩一 新村
Takako Kawabe
隆子 川辺
Tsutomu Wada
勉 和田
Tsuyoshi Saito
強 斎藤
Kenji Sakauchi
堅二 坂内
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Kureha Corp
Original Assignee
Kureha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(I) 【化1】 (式中R1はC1〜C4アルキル、C1〜C4アルコキシ、
2はアシルまたはベンジル、R3はカルボニル又はメチ
レン、mは1〜3の整数、nは0〜3の整数、及びXは
ヒドロキシ又はハロゲン)の新規なエストラジオール誘
導体及びその増殖因子阻害剤に係る。 【効果】 従来の結合体が有する選択的生理活性作用を
維持しながら、エストロゲン作用を極微弱にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ホルモン作用を軽減し
た新規なエストラジオール誘導体に関する。詳しくは、
エストラジオール誘導体とアルキル化剤とを化学的に結
合した結合体及びその結合体を含有する増殖因子阻害剤
に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来の抗腫瘍剤の中には、強力な抗腫瘍
作用を有するものであっても、その薬効を十分に発揮し
ていないものが多い。その主たる理由は、副作用のため
に投与量が制限されることにある。解決手段の一つとし
て、腫瘍部位に対して特異的親和性を有する担体物質に
抗腫瘍剤を結合させ、抗腫瘍剤−担体結合体を形成する
方法がある。こうして、抗腫瘍剤を腫瘍部位に特異的に
集積させ、副作用を抑制しながら抗腫瘍作用を効果的に
発揮させようとするものである。この考え方に基づい
て、既にエストラジオール−クロラムブチル結合体及び
それを主成分とする抗腫瘍剤が提案されている(特公昭
58−10397号公報)。この抗腫瘍剤は、腫瘍部位
に特異的に集積され、強い抗腫瘍効果を発揮する。しか
も正常細胞に対する影響は、極めて少ない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、抗腫瘍
剤は長期投与されるため、短期投与では問題にならない
ほどの微弱な副作用であっても、それらが集積されて無
視できない問題になることがある。特に癌患者の体力は
衰えているので、微弱な副作用の集積が強調されること
になる。こうした問題の一つは、このエストラジオール
−クロラムブチル結合体から体内で遊離する微量のエス
トロゲンによる作用である。前記結合体の長期投与によ
り、微量の遊離エストロゲンが集積され、その副作用を
起こすことがある。こうしたエストロゲン作用が問題と
なる。本発明者は、この課題を解決すべく鋭意研究した
結果、エストラジオール環に特定の置換基を導入するこ
とにより、エストロゲン作用が軽減される事を見いだし
た。このエストラジオール誘導体とアルキル化剤との結
合体は本来有する選択的生理活性を維持しながら、エス
トロゲン活性を軽減した、有用性の極めて高い、改良さ
れた新規結合体である。
【0004】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、一般
式(I):
【化3】 (式中R1はH、C1〜C4アルキル、又はC1〜C4アル
コキシ、R2はアシル又はベンジル、R3はカルボニル又
はメチレン、mは1〜3の整数、nは0〜3の整数、及
びXはヒドロキシ又はハロゲン、好ましくはR1はH、
1〜C2アルキル、又はC1〜C2アルコキシ、R2はベ
ンゾイル又はベンジル、mは2の整数、及びnは1〜2
の整数)のエストラジオール誘導体−アルキル化剤結合
体(以下本化合物と称する)に関する。また本化合物を
含有する増殖因子阻害剤にも関する。
【0005】本化合物の構成成分であるエストラジオー
ル誘導体部分の化学構造は上述の通りであるが、更に好
ましくは 1はH、C1〜C2アルキル、又はC1〜C2
ルコキシ、最も好ましいのはR1がメチルで1位及び/
又は4位に存在するものである。エストラジオール誘導
体部分の3位はヒドロキシの水素をアシルもしくはベン
ジルで置換される。アシルは例えば、ベンゾイル、アセ
チル、パルミトイル、ステアロイル、リノレイル等であ
り、好ましくはベンゾイルである。エストラジオール誘
導体部分の17位配座は、β配座、α配座、又はその混
合物であってもよいが、β配座が好ましい。
【0006】本化合物は、例えば以下の方法によって調
製することができる。下記化5で示される一般式(I
I)の化合物の合成例を化4で示す。
【化4】
【0007】ステップ(a)〜(g)に分けて示す。 ステップ(a) 一般式(VI)の化合物(D.J.Crispin;
J.Chem.Soc.(c),10,1970等に準
じて得られる)にベンジルハライド等を水素化ナトリウ
ムの存在下で室温で反応させて一般式(V)の化合物を
得る。 ステップ(b) 一般式(V)の化合物とC1ーC3の直鎖アルキレングリ
コールをp−トルエンスルホン酸の存在下で80〜14
0℃で反応させて一般式(IV)の化合物を得る。 ステップ(c) 一般式(IV)の化合物を塩化アルミニウムと水素化リ
チウムアルミニウムの存在下で30〜70℃で処理して
一般式(IIーA)の化合物を得る。 ステップ(d) 一般式(II−A)の化合物とテトラヒドロピラン(T
HP)を4〜60℃で反応させて一般式(X)の化合物
を得る。 ステップ(e) 一般式(X)の化合物を0〜30℃でH2ガス中、Pd/C
で処理することにより脱ベンジル化して一般式(IX)
の化合物を得る。 ステップ(f) 一般式(IX)の化合物に10〜30℃でアシルハライ
ドを反応させて一般式(VIII)の化合物を得る。 ステップ(g) 一般式(VIII)の化合物を脱THP化して一般式
(II−B)の化合物を得る。更に一般式(II)の化
合物をその塩やハロゲン化物にしてもよい。そのハロゲ
ン化物はXがOHである一般式(II)の化合物をp−
トルエンスルホニルクロライド及びハロゲン化ナトリウ
ム等で処理する事によって得られる。その塩は一般的な
方法により得られる。
【0008】化5の一般式(II)の化合物
【化5】 (式中R1はH、C1〜C4アルキル、又はC1〜C4アル
コキシ、R2はアシルまたはベンジル、mは1〜3の整
数、nは0〜3の整数、及びXはヒドロキシ又はハロゲ
ン、好ましくはR1はH、C1〜C2アルキル、又はC1
2アルコキシ、R2はベンゾイル又はベンジル、mは2
の整数、及びnは1〜2の整数、最も好ましくはR1
メチルで1位及び/又は4位に存在する。)は上式で示
される。一般式(II)の化合物と化6の一般式(II
I)の化合物を反応させて一般式(I)の化合物を得
る。
【0009】
【化6】 (式中R4はカルボキシ、ヒドロキシもしくはその塩、
ハロゲン、エステル、酸クロライド、酸無水物、又はメ
チルハライド、Xはハロゲンもしくはヒドロキシ反応
は、ジクロロメタン、ジオキサン、ジメチルスルホキシ
ド、ジメチルホルムアミド、ピリジン、ベンゼン、アセ
トン、トルエン、四塩化炭素、クロロホルム、テトラヒ
ドロフラン等の有機溶媒中で行うことができる。必要に
応じて、アルカリ水溶液、水素化ナトリウム、塩化チオ
ニル等を加える。反応は、−30〜150℃、好ましく
はー10〜100℃で、3分〜48時間、好ましくは5
分〜24時間行うことができる。反応生成物を常法によ
り精製して、本化合物を得ることができる。一般式
(I)の化合物でエストラジオールの3位がベンジルオ
キシである化合物をH2とPd/Cで処理して脱ベンジル
化し、次に目的のアシルに対応する酸クロライド又は酸
無水物等を反応させてエストラジオールの3位がアシル
オキシである本化合物を得る事が出来る。精製法として
は、抽出、クロマトグラフィー、結晶化、再沈殿等を利
用することができる。
【0010】本化合物の毒性及び薬理作用は次のとおり
である。 (1)毒性:本化合物を、ICRマウスに100mg/
kgの量で腹腔内投与し、1週間観察したが、死亡例は
認められなかった。 (2)エストロゲン作用(子宮重量法):本化合物につ
いてエストロゲン作用を調べた.エストロゲン作用は軽
減された。 (3)乳癌由来の細胞(SC−115)を用いたテスト
ステロン添加系における増殖阻害効果(IC50):本化
合物について、テストステロン依存性のSC−115細
胞を用い、無血清培養系でトリチウムラベルしたチミジ
ンの取り込みを調べたが、強い抑制効果を認めた。
【0011】本化合物のエストロゲン作用は極微弱化さ
れ、毒性も低く、増殖因子阻害作用を有するので増殖因
子阻害剤として有用である。更に腫瘍細胞の増殖因子阻
害作用を有するので、抗腫瘍剤として有用である。抗腫
瘍剤としては、乳癌、卵巣癌、子宮癌、胃癌、直腸癌、
結腸癌、腎癌、造血器癌、肝癌、泌尿器癌、その他の固
形癌等に有効である。更に本化合物は前立腺肥大因子抑
制作用を有するので抗前立腺肥大症剤として有用であ
る。本化合物を増殖因子阻害剤として使用する場合に
は、任意慣用の方法で、各種経路の投与用に調製するこ
とができる。製剤例としては、カプセル、シロップ、丸
薬、錠剤等の経口剤、注射剤、外用剤、座剤等を挙げる
ことができる。外用剤の例としては、白色ワセリン等の
通常の基剤にラウリン酸ジエタノールアミド等の経皮浸
透助剤を含有する固形剤等をあげることができる。
【0012】製剤中には、本化合物を好ましくは0.0
1〜75重量%、より好ましくは0.05〜25重量%
の量で含有させることができる。本化合物は、経口、経
皮、筋肉内、静脈内、動脈内、直腸内等の経路によって
投与することができる。投与量は、投与方式及び治療の
程度によって異なるが、大略次のとおりである。成人に
対し、経口投与量は1日当たり0.1〜50mg/k
g、非経口投与量は1日当たり0.01〜20mg/k
gである。
【0013】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。化合物の物性値は次の方法により測定した。 (1)薄層クロマトグラフィー(シリカゲル):Wha
tman社製シリカゲル薄層プレートLK6DF(25
0μm層厚) (2)元素分析:柳本C・H・N コーダーMT−3型
〔(株)柳本製作所〕 (3)質量スペクトル:マススペクトルメーターJMS
−DX303〔日本電子(株)〕 (4)NMR(CDCl3 ):JNM−GSX−500
〔日本電子(株)〕 (5)赤外線吸収スペクトル:赤外分光光度計Aー20
2〔日本分光〕
【0014】実施例1 3ーベンジルオキシ−1,3,5(10)ーエストラト
リエンー17−オン(Vー1)の合成:ナス型フラスコ
(300ml)に、3ーヒドロキシー1,3,5(1
0)−エストラトリエンー17ーオン(VIー1)
(2.70g)、蒸留したテトラヒドロフラン(TH
F)(20ml)、及びジメチルホルムアミド(DM
F)(4ml)を加え、溶解した。この溶液に水素化ナ
トリウム(0.24g)及び臭化ベンジル(1.88
g)を加え、室温で1晩攪拌した。この反応液に蒸留水
を加え、酢酸エチル(100ml)で抽出し、更に酢酸
エチル(50ml)で抽出した。これら有機層を蒸留水
及び飽和食塩水で洗浄した。洗浄液を無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、減圧濃縮して標題の化合物(V−1)
(3.48g)を結晶として得た。 収率:96.5% 元素分析 C25282として 実測値:C82.65;H7.82 理論値:C83.29;H7.83 融点:129.2〜130.8℃1 H−NMR(CDCI3,δppm):0.91(s,
3H),1.39〜166(m,8H),1.94〜
2.08(m,3H),2.12〜2.17(m,1
H),2.25(m,1H),2.37(m,1H),
2.49(m,1H),2.89(m,2H),5.0
4(s,2H),6.73(s,1H),6.79(d
d,1H),7.20(d,1H),7.31(t,1
H),7.38(t,2H),7.42(d,2H) IR(KBr,νmax):3460m,3080m,
3050m,2940s,2980s,1738s,1
605s,1580m,1510s Rf:0.46(ヘキサン/酢酸エチル(2:1))
【0015】実施例2 3ーベンジルオキシー1,3,5(10)ーエストラト
リエンー17ーシクロエチレンケタール(IVー1)の
合成:3ーベンジルオキシー1,3,5(10)ーエス
トラトリエンー17ーオン(Vー1)(0.11g)、
エチレングリコール(0.23g)、及びp−トルエン
スルホン酸(0.6mg)にベンゼンを加えた。この混
合物をDeanーStark装置を使用して120℃で
共沸させ、1晩攪拌した。反応液に過剰のトリエチルア
ミンを加え、減圧濃縮し、酢酸エチル(50ml)で抽
出した。有機層を蒸留水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥し、減圧濃縮し、結晶(0.14g)を得た。こ
の結晶をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢
酸エチル(4:1))にて精製し、標題の化合物(IV
−1)(0.11g)を白色結晶として得た。 収率:94.0% 元素分析C27323として 実測値:C79.81;H7.96 計算値:C80.16;H7.97 融点:124.5〜125.5℃1 H−NMR(CDCI3,δppm):0.88(s,
3H),1.32〜1.57(m,6H),1.64
(m,1H),1.74〜1.91(m,4H),2.
03(m,1H),2.24(m,1H),2.31
(m,1H),2.84(m,2H),5.03(s,
2H),3.87〜3.98(m,4H),6.71
(s,1H),6.77(dd,1H),7.20
(d,1H),7.30(m,1H),7.37(t,
2H),7.42(d,2H) IR(KBr,νmax):3460m,3100m,
3070m,3020s,2950s,2910s,2
850s,1610s,1590m Rf:0.56(ヘキサン/酢酸エチル(2:1))
【0016】実施例3 2ー[3ーベンジルオキシー1,3,5(10)ーエス
トラトリエンー17βーオキシ]エタノール(II−
1)の合成:ナス型フラスコ(100ml)に塩化アル
ミニウム(14.9mmol)及び無水エーテル(4m
l)を0℃で加え30分間攪拌した。これに、水素化リ
チウムアルミニウム(3.6mmol)と無水エーテル
(4ml)の懸濁液を加え、更に30分間攪拌した。こ
の溶液に3ーベンジルオキシー1,3,5(10)−エ
ストラトリエンー17ーシクロエチレンケタール(IV
ー1)(3.6mmol)の無水エーテル(20ml)
溶液を加え、約50℃で3時間加熱還流し、0℃で蒸留
水を加えた。この溶液をナス型フラスコ(500ml)
に移し、溶質をジエチルエーテル(200ml)で抽出
した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮
し、結晶(1.34g)を得た。この結晶をヘキサンで
洗浄して標題の化合物(II−1)(1.20g)を白
色結晶として得た。 収率:81.0% 元素分析C27323として 実測値:C79.43;H8.43 計算値:C79.77;H8.43 融点:82.8〜84.3℃1 H−NMR(CDCI3,δppm):0.80(s,
3H),1.20(m,1H),1.30〜1.57
(m,7H),1.68(m,1H),1.68(m,
1H),2.01〜2.07(m,5H),2.23
(m,1H),2.83(m,2H),3.43(t,
1H),3.56(m,1H),3.61(m,1
H),3.70(m,2H),5.02(s,2H),
6.70(s,1H),6.77(dd,1H),7.
19(d,1H),7.30(m,1H),7.37
(t,2H),7.42(d,2H) IR(KBr,νmax):3460s,3100m,
3260m,2950s,2900s,1610s,1
590m,1515s Rf:0.22(ヘキサン/酢酸エチル(2:1))
【0017】実施例4 2ー[3ーベンゾイルオキシ−1,3,5(10)ーエ
ストラトリエンー1ーメチルー17βーオキシ]エタノ
ール(IIー3)の合成:ナス型フラスコ(100m
l)に実施例3と同じ方法で得た2ー[3ーベンジルオ
キシー1,3,5(10)ーエストラトリエンー1ーメ
チルー17βーオキシ]エタノール(IIー2)(融点
103.5〜104.5℃)(2.31g)及びジクロ
ロメタン(15ml)を加え、溶解した。この溶液にジ
ヒドロピラン(924mg)及びピリジウムパラトルエ
ンスルホン酸(PPTS)(138mg)を加え、室温
で一晩攪拌した。反応液を蒸留し、残留物を酢酸エチル
(50ml)に溶解し、水(15ml)で2回洗浄し、
次に飽和食塩水(15ml)で洗浄した。洗浄液をNa
2SO4で乾燥し、濾別し、蒸留し、オイル状物(3.1
9g)を得た。これをシリカゲルクロマトグラフィー
(ヘキサン/酢酸エチル(5:1))にかけて精製物
(2.42g)を得た。反応進展はRfにより確認し
た。この精製物をジオキサン(238ml)に溶解し、
10%Pd/Cを添加し、H2ガス中室温で5時間処理
して、脱ベンジル化合物(1.77g)を得た。これを
乾燥ジクロロメタン(30ml)に溶解し、ピリジン
(8.5ml)及び塩化ベンゾイル(596.0ml)
を加えて室温で一晩攪拌した。攪拌液を蒸留した。残留
物を酢酸エチル(60ml)に溶解し、水(20ml)
で2回洗浄し、次に飽和食塩水(20ml)で洗浄し
た。洗浄液を蒸留し、残留物を結晶化した。結晶化物を
濾過し、採取し、ヘキサン(3ml)で洗浄してベンゾ
イル化合物(1.53g)を得た。これをエタノール
(85ml)及びPPTS(1.24g)に溶解し、4
0℃で2時間攪拌し、蒸留した。残留物を酢酸エチル
(100ml)に溶解し、水(30ml)及び塩酸水溶
液(1N、30ml)で洗浄した。洗浄液をN2SO4
乾燥し、濾別し、蒸留した。残留物を結晶化し、再び酢
酸エチル/ヘキサン(1:3)(50ml)で溶解し、
再結晶化した。結晶を濾過し、ヘキサン(20ml)で
洗浄し、真空乾燥して標題の化合物(IIー3)(1.
07g)を白色針状晶として得た。 融点 :185〜187℃ IR(KBr,νmax):3500br,2950
m,2880m,1735s,1600w,1580
w,1450m,1380w,1340w,1320
w,1265s,1220s,1160m,1100
m,1085s1 H−NMR(CDCI3,δppm):0.80(s,
3H),1.24(m,2H),1.37(m,2
H),1.45(m,2H),1.67(m,1H),
1.80(m,2H),2.00(m,1H),2.2
3(s,3H),2.37(t,1H),2.65
(m,2H),2.72(m,1H),3.35(t,
1H),3.50(m,2H),3.64(m,2
H),6.84(d,1H),7.04(d,1H),
7.51(m,2H),7.64(m,1H),8.1
8(m、2H) 質量スペクトル(m/e):434(M+),416,31
2,268,251,227
【0018】実施例5 1ー[3ーベンジルオキシー1,3,5(10)ーエス
トラトリエンー17βーオキシ]ー2ー[4ー[p−
[ビス(2ークロロエチル)アミノ]フェニル]ブトキ
シ]エタン(I−1)の合成:ナス型フラスコ(200
ml)に2ー[3ーベンジルオキシー1,3,5(1
0)ーエストラトリエンー17βーオキシ]エタノール
(II−1)(61mg)及び蒸留したDMF(0.5
ml)を加え、溶解した。この溶液に0℃で水素化ナト
リウム(5mg)を加えた。さらに、4ー[p−[ビス
(2ークロロエチル)アミノ]フェニル]ヨードブタン
(Rf=0.64、リンモリブデン酸試薬)(90m
g)を0℃で加え、3時間攪拌した。反応液に蒸留水を
加え、酢酸エチル(50ml)で2回抽出した。有機層
を飽和食塩水(50ml)で洗浄した。洗浄液を無水硫
酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、油状物(0.19
g)を得た。この油状物をシリカゲルクロマトグラフー
(ヘキサン/酢酸エチル(6:1))にて精製し、標題
の化合物(Iー1)(56.1mg)を油状物として得
た。 収率:55.1%1 H−NMR(CDCI3,δppm):0.79(s,
3H),1.19(m,1H),1.29〜1.58
(m,10H),1.63(m,4H),1.86
(m,1H),2.03(m,2H),2.15(m,
1H),2.25(m,1H),2.54(t,2
H),2.83(m,2H),3.43(t,1H),
3.50(t,2H),3.55(t,2H),3.5
9(s,5H),3.66(m,5H),5.03
(s,2H),6.61(d,2H),6.70(d,
1H),6.77(dd,1H),7.06(d,2
H),7.1 8(d,1H),7.31(t,1
H),7.37(t,2H),7.42(d,2H) IR(KBr,νmax):2950s,2870s,
1638s,1575m,1525s,1510s,1
455m Rf:0.58(ヘキサン/酢酸エチル(2:1))
【0019】実施例6 1ー[3ーベンゾイルオキシー1,3,5(10)ーエ
ストラトリエンー17βーオキシ]ー2ー[4ー[p−
[ビス(2ークロロエチル)アミノ]フェニル]ブトキ
シ]エタン(I−2)の合成:ナス型フラスコ(100
ml)に10%パラジウム炭素(83.1mg)を0℃
で加え、次に1,4ージオキサン(3ml)を少しずつ
加えた。これに1ー[3ーベンジルオキシー1,3,5
(10)ーエストラトリエンー17βーオキシ]ー2ー
[4ー[p−[ビス(2ークロロエチル)アミノ]フェ
ニル]ブトキシ]エタン(Iー1)(0.11g)の
1,4ージオキサン(5ml)溶液を0℃で少量ずつ加
えた。混合物を室温に昇温し、水素ガス下で2時間攪拌
した。この反応液を1,4ージオキサンで共洗いしなが
ら濾紙にて濾過し、濾過液を減圧濃縮して油状物(9
2.7mg)を得た。この油状物をジクロロメタン
(0.5ml)に溶解し、0℃でピリジン(0.3m
l)及び塩化ベンゾイル(0.02ml)を加え、室温
で1晩攪拌した。反応液を酢酸エチル(50ml)で抽
出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄した。洗浄液を無水硫
酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮し、油状物(116.
7mg)を得た。この油状物をシリカゲルクロマトグラ
フィー(ヘキサン/酢酸エチル(4:1))にて精製し
て標題の化合物(I−2)(74.1mg)を白色結晶
として得た。 融点:96.8〜98.7℃ 質量スペクトル(m/e):705(M+) Rf:0.54(ヘキサン/酢酸エチル(2:1)) 同様にして1ー[3ーベンゾイルオキシー1,3,5
(10)ーエストラトリエンー1ーメチルー17βーオ
キシ]ー[4ー[p−[ビス(2ーヒドロキシエチル)
アミノ]フェニル]ブトキシ]エタン(I−3)を得
た。 Rf:0.36(nーヘキサン/酢酸エチル) 質量スペクトル(m/e):705(M+),656,
371,224,105RI:3095w,2950
s,2880s,1740,1622s,1525s,
1460s,1396m,1360s 更に1ー[3ーベンゾイルオキシー1,3,5(10)
ーエストラトリエンー17βーオキシ]ー[4ー[p−
[ビス(2ーヒドロキシエチル)アミノ]フェニル]ブ
トキシ]エタン(I−4)を合成した。
【0020】実施例7 1ー[3ーベンジルオキシー1,3,5(10)ーエス
トラトリエンー17βーオキシ]ー2ー[4ー[p−
[ビス(2ークロロエチル)アミノ]フェニル]ブチリ
ルオキシ]エタン(I−5)の合成:ナス型フラスコ
(300ml)に2ー[3ーベンジルオキシー1,3,
5(10)ーエストラトリエンー17βーオキシ]エタ
ノール(II−1)及びジクロロメタン(5ml)を加
え、溶解し、次にピリジン(95ml)を0℃で加え
た。この溶液にクロラムブチル(0.3g)及び過剰の
塩化チオニルを滴下し、室温で約5分間攪拌した。この
反応液にベンゼンを加え減圧濃縮を3回行った。濃縮物
を少量のジクロロメタンで共洗いしながら0℃で加え、
1晩攪拌した。反応物を冷水に注ぎ、ジエチルエーテル
(50ml)で2回抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナ
トリウムで乾燥し、減圧濃縮し、油状物(0.72g)
を得た。この油状物をシリカゲルクロマトグラフィー
(ヘキサン/酢酸エチル(4:1))にて精製し、標題
の化合物(I−5)(0.49g)を得た。 収率:71.1%1 H−NMR(CDCI3,δppm):0.78(s,
3H),1.18(m,1H),1.29〜1.58
(m,6H),1.67(m,1H),1.87(m,
1H),1.92(d,2H),2.18(m,1
H),2.25(m,1H),2.35(t,2H),
2.5(t,2H),2.84(m,2H),3.42
(t,1H),3.60(m,5H),3.67(m,
5H),4.21(t,2H),5.03(s,2
H),6.64(d,2H),6.71(s,1H),
6.77(dd,1H),7.07(d,1H),7.
18(d,1H),7.31(t,1H),7.37
(t,2H),7.42(d,2H) IR(KBr,νmax):3460m,3080m,
3050m,2940s,2980s,1738s,1
605s,1580m,1510s Rf:0.54(ヘキサン/酢酸エチル(2:1)) 質量スペクトル(m/e):691(M+),637
【0021】実施例8 1ー[3ーベンゾイルオキシー1,3,5(10)ーエ
ストラトリエンー17βーオキシ]ー2ー[4ー[p−
[ビス(2ークロロエチル)アミノ]フェニル]ブチリ
ルオキシ]エタン(I−6)の合成:ナス型フラスコ
(100ml)に10%パラジウム炭素(320.7m
l)を加え、更に1,4ージオキサン(15ml)を0
℃で少しずつ加えた。これに1ー[3ーベンジルオキシ
ー1,3,5(10)ーエストラトリエンー17βーオ
キシ]ー2ー[4ー[p−[ビス(2ークロロエチル)
アミノ]フェニル]ブチリルオキシ]エタン(I−5)
の1,4ージオキサン(15ml)溶液を0℃で少量ず
つ加えた。混合液を室温に昇温し、水素ガス下で1時間
攪拌した。この反応液を1,4ージオキサンで洗いなが
ら濾紙にて濾過し、濾過液を減圧濃縮して油状物(0.
27g)を得た。この油状物をシリカゲルクロマトグラ
フィー(ヘキサン/酢酸エチル(3:1))にて精製し
て1ー[3ーヒドロキシー1,3,5(10)ーエスト
ラトリエンー17βーオキシ]ー2ー[4ー[p−[ビ
ス(2ークロロエチル)アミノ]フェニル]ブチリルオ
キシ]エタン(0.26g)(Rf0.25、ヘキサン
/酢酸エチル(3:1))を油状物として得た。
【0022】この油状物の1,4−ジオキサン(1m
l)溶液に、0℃でピリジン(0.8ml)及び塩化ベ
ンゾイル(0.1ml)を加え、室温で2.5時間攪拌
した。反応液を酢酸エチル(50ml)で抽出し、抽出
液を飽和食塩水で洗浄した。洗浄液を無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、減圧濃縮し、油状物(0.36g)を得
た。この油状物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキ
サン/酢酸エチル(4:1))で精製して標題の化合物
(I−6)(0.12g)を白色結晶として得た。 収率:71.1% 元素分析C41495NCl2として 実測値:C68.87;H6.84;N2.12 計算値:C69.68;H6.99;N1.98 融点:113.7〜115.0℃1 H−NMR(CDCI3,δppm):0.80(s,
3H),1.35〜1.57(m,8H),1.93
(m,2H),2.21(m,2H),2.36(t,
2H),2.58(t,2H),2.88(m,2
H),3.43(t,1H),3.61(m,5H),
3.68(m,5H),4.21(t,2H),6.6
5(d,2H),6.92(s,1H),6.97
(d,1H),7.08(d,2H),7.32(d,
1H),7.50(t,2H),7.63(t,1
H),8.19(d,2H) IR(KBr,νmax):2990m,2950m,
2900m,1755s,1735s,1620m,1
610m,1530m,1515m Rf:0.48(ヘキサン/酢酸エチル(2:1)) 質量スペクトル(m/e):105(Ph−CO,10
0),128(2CH2CH2Cl,28),656(M
−CH2Cl,45),705(M+,50)
【0023】実施例9 毒性:生後6週齢のICR雌マウス(平均体重25g)
に胡麻油(3%ベンジルアルコール含)に溶解した本化
合物を100mg/kgの割合で腹腔内に一回投与し
た。投与してから7日後まで観察したが、いずれの化合
物にも死亡例は認められなかった。
【0024】実施例10 エストロゲン作用(子宮重量法):Wistarの3週
齢雌性ラットに胡麻油(3%ベンジルアルコール含)に
溶解した本化合物を1回皮下投与し、24時間後の子宮
を採取して重量(対体重比)を測定した。(子宮重量/
体重)比と投与量との関係より、対照群(エストラジオ
ール)の1mg/kg投与における子宮重量/体重比を
2倍にする本化合物の投与量を求めた。(3ーベンゾイ
ルオキシ−1,3,5(10)ーエストラトリエンー1
7βー[4ー[p−[ビス(2ークロロエチル)アミ
ノ]フェニル]ブチリルオキシ]アセテート)を比較物
質とした。結果を表1に示す。
【表1】
【0025】実施例11 SC−115細胞を用いたテストステロン添加系におけ
る増殖阻害効果(IC50):プレート(96穴)にSC
−115細胞(5000個/ウエル)を培養液(200
μl/ウエル、 Ham’s F−12/MEM−E
(98%)、デキストラン処理したウシ胎児血清(2
%)、及びテストステロン(1x10-8M))で植え込
み、24時間培養した。培養液を除去し、本化合物の入
った培養液(Ham’s F−12/MEM−E、ウシ
血清アルブミン(0.1%)、テストステロン(1x1
-8M)、本化合物)と交換した。この培養液は2日毎
に交換し、7日間培養した。チミジン(1μci/m
l、トリチウムラベル)を添加して5時間後、培養液を
除去した。細胞をPBSで洗浄し、氷冷トリクロロ酢酸
(10%)で2回洗浄した。細胞を0.5規定水酸化ナ
トリウムに溶解し、0.5規定塩酸で中和した。液体シ
ンチレーションカウンターで中和液の放射能の測定を行
った。予め求めておいた検量線によって増殖阻害効果
(IC50)を求めた。結果を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】実施例12 製剤例: 本化合物(Iー1) 30部 マンニット 35部 ソルビット 25部 カルボキシメチルセルロース 5部 ステアリン酸マグネシウム 5部 タルク 40部 上記成分をよく混和し、混和物を圧縮して直径10mmの
錠剤とした。
【0028】
【発明の効果】本発明の新規化合物を構成するエストラ
ジオール誘導体部分は、従来公知のエストラジオール誘
導体部分においても存在したA環の3位置換基に加え
て、更に17位エーテル結合を担持する。こうした構造
により、エストラジオール−アルキル化剤結合体が有す
る増殖因子阻害作用をそのまま維持しながら、エストロ
ゲン作用を極微弱にすることが可能になり、増殖因子阻
害剤としての有用性を著しく高めた。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年10月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ホルモン作用を軽減した新規なエスト
ラジオール誘導体及びその増殖因子阻害剤
【特許請求の範囲】
【化1】 式中、R 1 はH、C1 〜C4 アルキル、又はC1 〜C
4 アルコキシ、R2 はアシル又はベンジル、R3 はカル
ボニル又はメチレン、mは1〜3の整数、nは0〜3の
整数、およびXはヒドロキシ又はハロゲン)のエストラ
ジオール誘導体−アルキル化剤結合体。
【化2】 (式中、R1 はH、C1 〜C4 アルキル、又はC1 〜C
4 アルコキシ、R2 はアシル又はベンジル、mは1〜3
の整数、nは0〜3の整数、およびXはヒドロキシ又は
ハロゲン)の化合物。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ホルモン作用を軽減し
た新規なエストラジオール誘導体に関する。詳しくは、
エストラジオール誘導体とアルキル化剤とを化学的に結
合した結合体及びその結合体を含有する増殖因子阻害剤
に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来の抗腫瘍剤の中には、強力な抗腫瘍
作用を有するものであっても、その薬効を十分に発揮し
ていないものが多い。その主たる理由は、副作用のため
に投与量が制限されることにある。解決手段の一つとし
て、腫瘍部位に対して特異的親和性を有する担体物質に
抗腫瘍剤を結合させ、抗腫瘍剤−担体結合体を形成する
方法が考えられる。こうして、抗腫瘍剤を腫瘍部位に特
異的に集積させ、副作用を抑制しながら抗腫瘍作用を効
果的に発揮させようとするものである。この様な考え方
に基づいて、既に、エストラジオール−クロラムブチル
結合体及びそれを主成分とする抗腫瘍剤が提案されてい
る(特公昭58−10397号公報)。この抗腫瘍剤
は、腫瘍部位に特異的に集積され、強い抗腫瘍効果を発
揮する。しかも正常細胞に対する影響は、極めて少ない
と報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、抗腫瘍
剤は長期間投与されるため、短期間の投与では問題にな
らないほどの微弱な副作用であっても、それらが集積さ
れて無視できない問題になることがある。特に、癌患者
の体力は衰えているので、微弱な副作用の集積が強調さ
れることになる。こうした問題の一つは、このエストラ
ジオール−クロラムブチル結合体本体から体内で遊離す
る微量のエストロゲンによる作用である。前記結合体の
長期投与により、微量の遊離エストロゲンが集積され、
その副作用を起こす事がありうる。こうしたエストロゲ
ン作用が問題となる。本発明は、斯かる実情に鑑みなさ
れたものであり、その目的は、エストロゲン作用が軽減
され、本来有する選択的生理活性作用も維持され、か
つ、増殖因子阻害作用の極めて高いエストラジオール誘
導体−アルキル化剤結合体を提供することにある
【0004】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、一般
式(I):
【化3】 式中、R 1 はH、C1 〜C4 アルキル、又はC1 〜C
4 アルコキシ、R2 はアシル又はベンジル、R3 はカル
ボニル又はメチレン、mは1〜3の整数、nは0〜3の
整数、およびXはヒドロキシ又はハロゲン、好ましくは
1 はH、C1 〜C2 アルキル、又はC1 〜C2 アルコ
キシ、R2 はベンゾイル又はベンジル、mは2の整数、
およびnは1〜2の整数)のエストラジオール誘導体−
アルキル化剤結合体(以下本化合物と称する)に関す
る。また、本化合物を含有する増殖因子阻害剤にも関す
る。
【0005】本化合物の構成成分であるエストラジオー
ル誘導体部分の化学構造は上述の通りであるが、更に、
ましくはR1 はH、C1 〜C2 アルキル、又はC1
2アルコキシ、最も好ましいのはR1 がメチルで1位
及び/又は4位に存在するものである。エストラジオー
ル誘導体部分の3位は、ヒドロキシの水素をアシル又は
ベンジルで置換される。アシルは、例えば、ベンゾイ
ル、アセチル、パルミトイル、ステアロイル、リノーレ
オイル等であり、好ましくはベンゾイルである。エスト
ラジオール誘導体部分の17位配座は、α配座、β配
座、またはその混合物であってもよいが、β配座が好ま
しい。
【0006】本化合物は、例えば、以下の方法によって
調製することができる。下記化5で示される一般式(I
I)の化合物の合成例を化4で示す。
【化4】
【0007】ステップ(a)〜(g)に分けて示す。 ステップ(a) 一般式(VI)の化合物(D.J.Crispin;
J.Chem.Soc.(c),10,1970等に準
じて得られる)にベンジルハライド等を水素化ナトリウ
ムの存在下で室温で反応させて一般式(V)の化合物を
得る。 ステップ(b) 一般式(V)の化合物と1 〜C3 の直鎖アルキレング
リコールをp−トルエンスルホン酸の存在下で80〜1
40℃で反応させて一般式(IV)の化合物を得る。 ステップ(c) 一般式(IV)の化合物を塩化アルミニウムと水素化リ
チウムアルミニウムの存在下で30〜70℃で処理して
一般式(II−A)の化合物を得る。 ステップ(d) 一般式(II−A)の化合物とテトラヒドロピラン(T
HP)を4〜60℃で反応させて一般式(X)の化合物
を得る。 ステップ(e) 一般式(X)の化合物を0〜30℃でH2 ガス中、Pd
/Cで処理することにより脱ベンジル化して一般式(I
X)の化合物を得る。 ステップ(f) 一般式(IX)の化合物に10〜30℃でアシルハライ
ドを反応させて一般式(VIII)の化合物を得る。 ステップ(g) 一般式(VIII)の化合物を脱THP化して一般式
(II−B)の化合物を得る。更に、一般式(II)の
化合物をその塩やハロゲン化物にしてもよい。そのハロ
ゲン化物は、XがOHである一般式(II)の化合物を
p−トルエンスルホニルクロライド及びハロゲン化ナト
リウム等で処理する事によって得られる。その塩は一般
的な方法により得られる。
【0008】化5の一般式(II)の化合物
【化5】 式中、R 1 はH、C1 〜C4 アルキル、又はC1 〜C
4 アルコキシ、R2 はアシル又はベンジル、mは1〜3
の整数、nは0〜3の整数、およびXはヒドロキシ又は
ハロゲン、好ましくはR1 はH、C1 〜C2 アルキル、
又はC1 〜C2 アルコキシ、R2 はベンゾイル又はベン
ジル、mは2の整数、およびnは1〜2の整数、最も好
ましくはR1 がメチルで1位及び/又は4位に存在す
)は上式で示される。一般式(II)の化合物と化6
の一般式(III)の化合物を反応させて一般式(I)
の化合物を得る。
【0009】
【化6】 式中、R4 はカルボキシ、ヒドロキシ若しくはその
塩、ハロゲン、エステル、酸クロライド、酸無水物、
たはメチルハライド、Xはハロゲン又はヒドロキシ) 反応は、ジクロロメタン、ジオキサン、ジメチルスルホ
キシド、ジメチルホルムアミド、ピリジン、ベンゼン、
アセトン、トルエン、四塩化炭素、クロロホルム、テト
ラヒドロフラン等の有機溶媒中で行うことができる。必
要に応じて、アルカリ水溶液、水素化ナトリウム、塩化
チオニル等を加える。反応は、−30〜150℃、好ま
しくは−10〜100℃で、3分〜48時間、好ましく
は5分〜24時間行うことができる。反応生成物を常法
により精製して、本化合物を得ることができる。一般式
(I)の化合物でエストラジオールの3位がベンジルオ
キシである化合物をH2 とPd /Cで処理して脱ベンジ
ル化し、次に、目的のアシルに対応する酸クロライド又
は酸無水物などを反応させてエストラジオールの3位が
アシルオキシである本化合物を得ることができる。精製
法としては、抽出、クロマトグラフィー、結晶化、再沈
殿などを利用することができる。
【0010】本化合物の毒性および薬理作用は次のとお
りである。 (1)毒性:本化合物を、ICRマウスに100mg/
kgの量で腹腔内投与し、1週間観察したが、死亡例は
認められなかった。 (2)エストロゲン作用(子宮重量法):本化合物につ
いてエストロゲン作用を調べた。エストロゲン作用は軽
減された。 (3)乳癌由来の細胞(SC−115)を用いたテスト
ステロン添加系における増殖阻害効果(IC50):本化
合物について、テストステロン依存性のSC−115細
胞を用い、無血清培養系でトリチウムラベルしたチミジ
ンの取り込みを調べたが、強い抑制効果を認めた。
【0011】本化合物のエストロゲン作用は、極微弱化
され、毒性も低く、増殖因子阻害作用を有するので増殖
因子阻害剤として有用である。更に、腫瘍細胞の増殖因
子阻害作用を有するので、抗腫瘍剤として有用である。
抗腫瘍剤としては、乳癌、卵巣癌、子宮癌、前立腺癌
胃癌、直腸癌、結腸癌、腎癌、造血器癌、肝癌、泌尿器
癌、その他の固形癌などに有効である。更に、本化合物
は前立腺肥大因子抑制作用を有するので抗前立腺肥大症
剤として有用である。本化合物を増殖因子阻害剤として
使用する場合には、任意慣用の方法で、各種経路の投与
用に調製することができる。製剤例としては、カプセ
ル、シロップ、丸薬、錠剤等の経口剤、注射剤、外用
剤、座剤などを挙げることができる。外用剤の例として
は、白色ワセリン等の通常の基剤にラウリン酸ジエタノ
ールアミド等の経皮浸透助剤を含有する固形剤などを挙
げることができる。
【0012】製剤中には、本化合物を好ましくは0.0
1〜75重量%、より好ましくは0.05〜25重量%
の量で含有させることができる。本化合物は、経口、経
皮、筋肉内、静脈内、動脈内、直腸内などの経路によっ
て投与することができる。投与量は、投与方式および
療の程度によって異なるが、大略次のとおりである。成
人に対し、経口投与量は1日当たり0.1〜50mg/
kg、非経口投与量は1日当たり0.01〜20mg/
kgである。
【0013】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。化合物の物性値は次の
方法により測定した。 (1)薄層クロマトグラフィー(シリカゲル):Mer
ck社 TLC Plates Silica 60F
254 (2)元素分析:柳本C・H・N コーダーMT−型
〔(株)柳本製作所〕 (3)質量スペクトル:マススペクトルメーターJMS
−DX303〔日本電子(株)〕 (4)NMR(CDCl3 ):JNM−GSX−500
〔日本電子(株)〕 (5)赤外線吸収スペクトル:赤外分光光度計A−20
〔日本分光〕
【0014】実施例13−ベンジルオキシ−1,3,5(10)−エストラト
リエン−17−オン(V−1 )の合成:ナス型フラスコ
(300ml)に、3−ヒドロキシ−1,3,5(1
0)−エストラトリエン−17−オン(VI−1
(2.70g)、蒸留したテトラヒドロフラン(TH
F)(20ml)、及びジメチルホルムアミド(DM
F)(4ml)を加え、溶解した。この溶液に水素化ナ
トリウム(0.24g)及び臭化ベンジル(1.88
g)を加え、室温で1晩攪拌した。この反応液に蒸留水
を加え、酢酸エチル(100ml)で抽出し、更に、水
層を酢酸エチル(50ml)で抽出した。これら有機層
を蒸留水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウ
で乾燥し、減圧濃縮して標題の化合物(V−1)
(3.48g)を結晶として得た。 収率:96.5% 元素分析C25282 として 実測値:C82.65;H7.82 理論値:C83.29;H7.83 融点:129.2〜130.8℃1 H−NMR(CDCl3 ,δppm):0.91
(s,3H),1.39〜1.66(m,8H),1.
94〜2.08(m,3H),2.12〜2.17
(m,1H),2.25(m,1H),2.37(m,
1H),2.49(m,1H),2.89(m,2
H),5.04(s,2H),6.73(s,1H),
6.79(dd,1H),7.20(d,1H),7.
31(t,1H),7.38(t,2H),7.42
(d,2H) IR(KBr,νmax):3460m,3080m,
3050m,2940s,2980s,1738s,1
605s,1580m,1510s Rf:0.46(ヘキサン/酢酸エチル(2:1))
【0015】実施例23−ベンジルオキシ−1,3,5(10)−エストラト
リエン−17−シクロエチレンケタ−ル (IV−1)の
合成:3−ベンジルオキシ−1,3,5(10)−エス
トラトリエン−17−オン(V−1)(0.11g)、
エチレングリコール(0.23g)、及びp−トルエン
スルホン酸(0.6mg)にベンゼンを加えた。この混
合物をDean−Stark装置を使用して120℃で
共沸させ、1晩攪拌して脱水した。反応液に過剰のトリ
エチルアミンを加え、減圧濃縮し、酢酸エチル(50m
l)で抽出した。有機層を蒸留水で洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥し、減圧濃縮し、結晶(0.14g)を
得た。この結晶をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキ
サン/酢酸エチル(4:1))にて精製し、標題の化合
物(IV−1)(0.11g)を白色結晶として得た。 収率:94.0% 元素分析C27323 として 実測値:C79.81;H7.96 計算値:C80.16;H7.97 融点:124.5〜125.5℃1 H−NMR(CDCl3 ,δppm):0.88
(s,3H),1.32〜1.57(m,6H),1.
64(m,1H),1.74〜1.91(m,4H),
2.03(m,1H),2.24(m,1H),2.3
1(m,1H),2.84(m,2H),5.03
(s,2H),3.87〜3.98(m,4H),6.
71(s,1H),6.77(dd,1H),7.20
(d,1H),7.30(m,1H),7.37(t,
2H),7.42(d,2H) IR(KBr,νmax):3460m,3100m,
3070m,3020s,2950s,2910s,2
850s,1610s,1590m Rf:0.56(ヘキサン/酢酸エチル(2:1))
【0016】実施例32−[3−ベンジルオキシ−1,3,5(10)−エス
トラトリエン−17β−オキシ]エタノール (II−
1)の合成:ナス型フラスコ(100ml)に塩化アル
ミニウム(14.9mmol)及び無水エーテル(4m
l)を0℃で加え30分間攪拌した。これに、水素化リ
チウムアルミニウム(3.6mmol)と無水エーテル
(4ml)の懸濁液を加え、更に、30分間攪拌した。
この溶液に3−ベンジルオキシ−1,3,5(10)−
エストラトリエン−17−シクロエチレンケタール(I
V−1)(3.6mol)の無水エーテル(20ml)
溶液を加え、約50℃で3時間加熱還流し、0℃で蒸留
水を加えた。この溶液をナス型フラスコ(500ml)
に移し、溶質をジエチルエーテル(200ml)で抽出
した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮
し、結晶(1.34g)を得た。この結晶をヘキサンで
洗浄して標題の化合物(II−1)(1.20g)を白
色結晶として得た。 収率:81.0% 元素分析C27323 として 実測値:C79.43;H8.43 計算値:C79.77;H8.43 融点:82.8〜84.3℃1 H−NMR(CDCl3 ,δppm):0.80
(s,3H),1.20(m,1H),1.30〜1.
57(m,7H),1.68(m,1H),2.01
2.07(m,5H),2.23(m,1H),2.8
3(m,2H),3.43(t,1H),3.56
(m,1H),3.61(m,1H),3.70(m,
2H),5.02(s,2H),6.70(s,1
H),6.77(dd,1H),7.19(d,1
H),7.30(m,1H),7.37(t,2H),
7.42(d,2H) IR(KBr,νmax):3460s,3100m,
3260m,2950s,2900s,1610s,1
590m,1515s Rf:0.22(ヘキサン/酢酸エチル(2:1))
【0017】実施例42−[3−ベンゾイルオキシ−1,3,5(10)−エ
ストラトリエン−1−メチル−17β−オキシ]エタノ
ール(II−3 )の合成:ナス型フラスコ(100m
l)に実施例3に準じた方法で得た2−[3−ベンジル
オキシ−1,3,5(10)−エストラトリエン−1−
メチル−17β−オキシ]エタノール(II−2)(融
点103.5〜104.5℃)(2.31g)及びジク
ロロメタン(15ml)を加え、溶解した。この溶液に
ジヒドロピラン(924mg)及びピリジウムパラトル
エンスルホン酸(PPTS)(138mg)を加え、室
温で1晩攪拌した。反応液を濃縮し、残留物を酢酸エチ
ル(50ml)に溶解し、水(15ml)で2回洗浄
し、次に、飽和食塩水(15ml)で洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥し、濾別し、蒸留し、オイル状物
(3.19g)を得た。これをシリカゲルクロマトグラ
フィー(ヘキサン/酢酸エチル(5:1))にかけて精
製物(2.42g)を得た。反応進展はTLCチェック
により確認した。この精製物をジオキサン(238m
l)に溶解し、10%Pd/Cを添加し、H2 ガス中室
温で5時間処理して、脱ベンジル化合物(1.77g)
を得た。これを乾燥ジクロロメタン(30ml)に溶解
し、ピリジン(8.5ml)及び塩化ベンゾイル(59
6.0mg)を加えて室温で1晩攪拌した後、溶媒を除
いた。残留物を酢酸エチル(60ml)に溶解し、水
(20ml)で2回洗浄し、次に、飽和食塩水(20m
l)で洗浄した。有機層を濃縮し、残留物を結晶化し
た。結晶化物を濾過し、採取し、ヘキサン(3ml)で
洗浄してベンゾイル化合物(1.53g)を得た。これ
をエタノール(85ml)及びPPTS(1.24g)
に溶解し、40℃で2時間攪拌し、濃縮した。残留物を
酢酸エチル(100ml)に溶解し、水(30ml)及
び塩酸水溶液(1N、30ml)で洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥し、濾別し、濃縮した。残留物を結晶化
し、再び、酢酸エチル/ヘキサン(1:3)(50m
l)で溶解し、再結晶化した。結晶を濾過し、ヘキサン
(20ml)で洗浄し、真空乾燥した後、標題の化合物
II−3)(1.07g)を白色針状晶として得た。 融点:185〜187℃ IR(KBr,νmax):3500br,2950
m,2880m,1735s,1600w,1580
w,1450m,1380w,1340w,1320
w,1265s,1220s,1160m,1100
m,1085s1 H−NMR(CDCl3 ,δppm):0.80
(s,3H),1.24(m,2H),1.37(m,
2H),1.45(m,2H),1.67(m,1
H),1.80(m,2H),2.00(m,1H),
2.23(s,3H),2.37(t,1H),2.6
5(m,2H),2.72(m,1H),3.35
(t,1H),3.50(m,2H),3.64(m,
2H),6.84(d,1H),7.04(d,1
H),7.51(m,2H),7.64(m,1H),
8.18(m、2H) 質量スペクトル(m/e):434(M+ ) ,416,
312,268,251,227
【0018】実施例51−[3−ベンジルオキシ−1,3,5(10)−エス
トラトリエン−17β−オキシ]−2−[4−[p−
[ビス(2−クロロエチル)アミノ]フェニル]ブトキ
シ]エタン (I−1)の合成:ナス型フラスコ(200
ml)に2−[3−ベンジルオキシ−1,3,5(1
0)−エストラトリエン−17β−オキシ]エタノール
(II−1)(61mg)及び蒸留したDMF(0.5
ml)を加え、溶解した。この溶液に0℃で水素化ナト
リウム(5mg)を加えた。更に、4−[p−[ビス
(2−クロロエチル)アミノ]フェニル]ヨードブタン
(Rf=0.64、リンモリブデン酸試薬)(90m
g)を0℃で加え、3時間攪拌した。反応液に蒸留水を
加え、酢酸エチル(50ml)で2回抽出した。有機層
を飽和食塩水(50ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウ
で乾燥し、減圧濃縮し、油状物(0.19g)を得
た。この油状物をシリカゲルクロマトグラフー(ヘキサ
ン/酢酸エチル(6:1))にて精製し、標題の化合物
I−1)(56.1mg)を油状物として得た。 収率:55.1%1 H−NMR(CDCl 3 ,δppm):0.79
(s,3H),1.19(m,1H),1.29〜1.
58(m,10H),1.63(m,4H),1.86
(m,1H),2.03(m,2H),2.15(m,
1H),2.25(m,1H),2.54(t,2
H),2.83(m,2H),3.43(t,1H),
3.50(t,2H),3.55(t,2H),3.5
9(s,5H),3.66(m,5H),5.03
(s,2H),6.61(d,2H),6.70(d,
1H),6.77(dd,1H),7.06(d,2
H),7.1 8(d,1H),7.31(t,1
H),7.37(t,2H),7.42(d,2H) IR(KBr,νmax):2950s,2870s,
1638s,1575m,1525s,1510s,1
455m Rf:0.58(ヘキサン/酢酸エチル(2:1))
【0019】実施例61−[3−ベンゾイルオキシ−1,3,5(10)−エ
ストラトリエン−17β−オキシ]−2−[4−[p−
[ビス(2−クロロエチル)アミノ]フェニル]ブトキ
シ]エタン (I−2)の合成:ナス型フラスコ(100
ml)に10%パラジウム炭素(83.1mg)を0℃
で加え、次に、1,4−ジオキサン(3ml)を少しず
つ加えた。これに1−[3−ベンジルオキシ−1,3,
5(10)−エストラトリエン−17β−オキシ]−2
−[4−[p−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]フ
ェニル]ブトキシ]エタン(I−1)(0.11g)の
1,4−ジオキサン(5ml)溶液を0℃で少量ずつ加
えた。混合物を室温にもどし、水素ガス下で2時間攪拌
した。この反応液を1,4−ジオキサンで共洗いしなが
ら濾紙にて濾過し、濾過液を減圧濃縮して油状物(9
2.7mg)を得た。この油状物をジクロロメタン
(0.5ml)に溶解し、0℃でピリジン(0.3m
l)及び塩化ベンゾイル(0.02ml)を加え、室温
で1晩攪拌した。反応液を酢酸エチル(50ml)で抽
出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウ
で乾燥し、減圧濃縮し、油状物(116.7mg)を
得た。この油状物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘ
キサン/酢酸エチル(4:1))にて精製して標題の化
合物(I−2)(74.1mg)を白色結晶として得
た。 融点:96.8〜98.7℃ 質量スペクトル(m/e):705(M+ ) Rf:0.54(ヘキサン/酢酸エチル(2:1)) 同様にして1−[3−ベンゾイルオキシ−1,3,5
(10)−エストラトリエン−1−メチル−17β−オ
キシ]−2−[4−[p−[ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)アミノ]フェニル]ブトキシ]エタン(I−3)を
得た。 Rf:0.36(n−ヘキサン/酢酸エチル(2:
1)) 質量スペクトル(m/e):705(M+ ),656,
371,224,105 RI:3095w,2950s,2880s,1740
,1622s,1525s,1460s,1396
m,1360s更に、1−[3−ベンゾイルオキシ−1,3,5(1
0)−エストラトリエン−17β−オキシ]−2−[4
−[p− ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]フェ
ニル]ブトキシ]エタン (I−4)を合成した。
【0020】実施例71−[3−ベンジルオキシ−1,3,5(10)−エス
トラトリエン−17β−オキシ]−2−[4−[p−
[ビス(2−クロロエチル)アミノ]フェニル]ブチリ
ルオキシ]エタン (I−5)の合成:ナス型フラスコ
(300ml)に2−[3−ベンジルオキシ−1,3,
5(10)−エストラトリエン−17β−オキシ]エタ
ノール(II−1)及びジクロロメタン(5ml)を加
え、溶解し、次に、ピリジン(95ml)を0℃で加え
た。この溶液にクロラムブチル(0.3g)及び過剰の
塩化チオニルを滴下し、室温で約5分間攪拌した。この
反応液にベンゼンを加え減圧濃縮を3回行った。濃縮物
を少量のジクロロメタンで共洗いしながら0℃で加え、
1晩攪拌した。反応物を冷水に注ぎ、ジエチルエーテル
(50ml)で2回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、減圧濃縮し、油状物(0.72g)を得
た。この油状物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキ
サン/酢酸エチル(4:1))にて精製し、標題の化合
物(I−5)(0.49g)を得た。 収率:71.1%1 H−NMR(CDCl3 ,δppm):0.78
(s,3H),1.18(m,1H),1.29〜1.
58(m,6H),1.67(m,1H),1.87
(m,1H),1.92(d,2H),2.18(m,
1H),2.25(m,1H),2.35(t,2
H),2.5(t,2H),2.84(m,2H),
3.42(t,1H),3.60(m,5H),3.6
7(m,5H),4.21(t,2H),5.03
(s,2H),6.64(d,2H),6.71(s,
1H),6.77(dd,1H),7.07(d,1
H),7.18(d,1H),7.31(t,1H),
7.37(t,2H),7.42(d,2H) IR(KBr,νmax):3460m,3080m,
3050m,2940s,2980s,1738s,1
605s,1580m,1510s Rf:0.54(ヘキサン/酢酸エチル(2:1)) 質量スペクトル(m/e):691(M+ ),637
【0021】実施例81−[3−ベンゾイルオキシ−1,3,5(10)−エ
ストラトリエン−17β−オキシ]−2−[4−[p−
[ビス(2−クロロエチル)アミノ]フェニル]ブチリ
ルオキシ]エタン (I−6)の合成:ナス型フラスコ
(100ml)に10%パラジウム炭素(320.7m
)を加え、更に、1,4−ジオキサン(15ml)を
0℃で少しずつ加えた。これに1−[3−ベンジルオキ
シ−1,3,5(10)−エストラトリエン−17β−
オキシ] −2−[4−[p−[ビス(2−クロロエチ
ル)アミノ]フェニル]ブチリルオキシ]エタン(I−
5)の1,4−ジオキサン(15ml)溶液を0℃で少
量ずつ加えた。混合液を室温に昇温し、水素ガス下で1
時間攪拌した。この反応液を1,4−ジオキサンで洗い
ながら濾紙にて濾過し、濾過液を減圧濃縮して油状物
(0.27g)を得た。この油状物をシリカゲルクロマ
トグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル(3:1))にて
精製して1−[3−ヒドロキシ−1,3,5(10)−
エストラトリエン−17β−オキシ]−2−[4−[p
−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]フェニル]ブチ
リルオキシ]エタン(0.26g)(Rf0.25、ヘ
キサン/酢酸エチル(3:1))を油状物として得た。
【0022】この油状物の1,4−ジオキサン(1m
l)溶液に、0℃でピリジン(0.8ml)及び塩化ベ
ンゾイル(0.1ml)を加え、室温で2.5時間攪拌
した。反応液を酢酸エチル(50ml)で抽出し、抽出
液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
し、減圧濃縮し、油状物(0.36g)を得た。この油
状物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸
エチル(4:1))で精製して標題の化合物(I−6)
(0.12g)を白色結晶として得た。 収率:71.1% 元素分析C41495 NCl2 として 実測値:C68.87;H6.84;N2.12 計算値:C69.68;H6.99;N1.98 融点:113.7〜115.0℃1 H−NMR(CDCl3 ,δppm):0.80
(s,3H),1.35〜1.57(m,8H),1.
93(m,2H),2.21(m,2H),2.36
(t,2H),2.58(t,2H),2.88(m,
2H),3.43(t,1H),3.61(m,5
H),3.68(m,5H),4.21(t,2H),
6.65(d,2H),6.92(s,1H),6.9
7(d,1H),7.08(d,2H),7.32
(d,1H),7.50(t,2H),7.63(t,
1H),8.19(d,2H) IR(KBr,νmax):2990m,2950m,
2900m,1755s,1735s,1620m,1
610m,1530m,1515m Rf:0.48(ヘキサン/酢酸エチル(2:1)) 質量スペクトル(m/e):105(Ph−CO,10
0),128(2CH2CH2 Cl,28),656
(M−CH2 Cl,45),705(M+ ,50)
【0023】実施例9 毒性:生後6週齢のICR雌マウス(平均体重25g)
に胡麻油(3%ベンジルアルコール含)に溶解した本化
合物を100mg/kgの割合で腹腔内に1回投与
た。投与してから7日後まで観察したが、いずれの化合
物にも死亡例は認められなかった。
【0024】実施例10 エストロゲン作用(子宮重量法):Wistarの3週
齢雌性ラットに胡麻油(3%ベンジルアルコール含)に
溶解した本化合物またはエストラジオールを1回皮下投
与し、24時間後の子宮を採取して重量(対体重比)を
測定した。(子宮重量/体重)比と投与量との関係よ
り、対照群における子宮重量/体重比を2倍にする本化
合物の投与量を求めた。本化合物の投与量は、エストラ
ジオール投与量に対する比で表示した。3−ベンゾイ
ルオキシ−1,3,5(10)−エストラトリエン−1
7β−[4−[p−[ビス(2−クロロエチル)アミ
ノ]フェニル]ブチリルオキシ]アセテ−ト)を比較物
質とした。結果を表1に示す。
【表1】
【0025】実施例11 SC−115細胞を用いたテストステロン添加系におけ
る増殖阻害効果(IC50):プレート(96穴)にSC
−115細胞(5000個/ウエル)を培養液(200
μl/ウエル、Ham’s F−12/MEM−E(9
8%)、デキストラン処理したウシ胎児血清(2%)、
及びテストステロン(1x10-8M))で植え込み、2
4時間培養した。培養液を除去し、本化合物の入った培
養液(Ham’s F−12/MEM−E、ウシ血清ア
ルブミン(0.1%)、テストステロン(1x10
-8M)、本化合物)と交換した。この培養液は2日毎に
交換し、7日間培養した。チミジン(1μCi/ml、
トリチウムラベル)を添加して5時間後、培養液を除去
した。細胞をPBSで洗浄し、氷冷トリクロロ酢酸(1
0%)で2回洗浄した。細胞を0.5規定水酸化ナトリ
ウムに溶解し、0.5規定塩酸で中和した。液体シンチ
レーションカウンターで中和液の放射能の測定を行い、
増殖阻害効果(IC50)を求めた。結果を表2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】実施例12 製剤例: 本化合物(I−1) 30部 マンニット 35部 ソルビット 25部 カルボキシメチルセルロース 5部 ステアリン酸マグネシウム 5部 タルク 40部 上記成分をよく混和し、混和物を圧縮して直径10mmの
錠剤とした。
【0028】
【発明の効果】本発明の新規化合物を構成するエストラ
ジオール誘導体部分は、従来公知のエストラジオール誘
導体部分においても存在したA環の3位置換基に加え
て、更に、17位エーテル結合を担持する。こうした構
造により、エストラジオール−アルキル化剤結合体が有
する増殖因子阻害作用をそのまま維持しながら、エスト
ロゲン作用を極微弱にすることが可能になり、増殖因子
阻害剤としての有用性を著しく高めた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 強 茨城県取手市大字桑原 26ー8 (72)発明者 坂内 堅二 東京都練馬区練馬 3−10−13ー202

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 (式中R1はH、C1〜C4アルキル、又はC1〜C4アル
    コキシ、R2はアシル又はベンジル、R3はカルボニル又
    はメチレン、mは1〜3の整数、nは0〜3の整数4、
    及びXはヒドロキシまたはハロゲン)のエストラジオー
    ル誘導体−アルキル化剤結合体。
  2. 【請求項2】 エストラジオール誘導体の17位が17
    βである請求項1に記載の結合体。
  3. 【請求項3】 R2がベンジル又はベンゾイルである請
    求項1に記載の結体。
  4. 【請求項4】 R1が1ーメチルである請求項1に記載
    の結合体。
  5. 【請求項5】 一般式(II): 【化2】 (式中R1はH、C1〜C4アルキル、又はC1〜C4アル
    コキシ、R2はアシル又はベンジル、mは1〜3の整
    数、nは0〜3の整数、及びXはヒドロキシ又はハロゲ
    ン)の化合物。
  6. 【請求項6】 17位が17βである請求項5に記載の
    化合物。
  7. 【請求項7】 R1が1ーメチルである請求項5に記載
    の化合物。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載のエストラジオール誘導
    体−アルキル化剤結合体を含有することを特徴とする増
    殖因子阻害剤。
  9. 【請求項9】 増殖因子が腫瘍増殖因子である請求項8
    に記載の増殖因子阻害剤。
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