JPH0710820B2 - 新規なカリツクスアレン誘導体及びその製造方法 - Google Patents

新規なカリツクスアレン誘導体及びその製造方法

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JPH0710820B2
JPH0710820B2 JP21669686A JP21669686A JPH0710820B2 JP H0710820 B2 JPH0710820 B2 JP H0710820B2 JP 21669686 A JP21669686 A JP 21669686A JP 21669686 A JP21669686 A JP 21669686A JP H0710820 B2 JPH0710820 B2 JP H0710820B2
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修 真鍋
征治 新海
隆志 有村
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Sugai Chemical Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、新規なカリツクスアレン誘導体及びその製造
方法に関する。
従来の技術 カリツクスアレン(calixarene)又はカリツクス〔n〕
アレンとは、一般式(III) で表わされる環状化合物であつて、ここに、nは例えば
4〜8の整数であり、カリツクスアレンを形成する芳香
族環数を示す。このようなカリツクスアレンの名称は、
ギリシヤ語の「杯」(calix)に類似する芳香環(aren
e)からなる立体構造を有することに因んで、慣用的に
付された名称である。かかるカリツクス〔n〕アレンの
研究の歴史、合成、立体構造及び応用等については、例
えば、Gutscheらによつて詳細に報告されている(J.Am.
Chem.Soc.,130,3782(1981);Acc.Chem.Res.,16,161(1
983))。上記一般式(III)のp-アルキル置換カリツク
ス〔n〕アレンは、対応するp-アルキルフエノールとホ
ルムアルデヒドとを水酸化カリウムや水酸化ルビジウム
のような塩基の存在下に反応させることによつて得るこ
とができる。また、上記一般式(III)で表わされるカ
リツクス〔n〕アレンは、代表的には、p−t−ブチル
フエノールとホルムアルデヒドとを上記と同様に反応さ
せることによつてp−t−ブチルカリツクスアレンを
得、これを脱アルキルすることによつて得ることができ
る。
発明が解決しようとする問題点 上記のようなカリツクスアレンは、分子の立体構造的に
は、分子中央にベンゼン環に囲まれた空孔を有する筒状
構造をもち、しかも、この空孔が水酸基に対してp−位
置の方向に閉じている。従つて、かかるカリツクスアレ
ンは、例えば、酵素反応において安定なホスト・ゲスト
錯体を形成するための包接化合物として注目されてい
る。例えば、カリツクスアレンは、従来、固体状態にお
いてクロロホルムやトルエンのような比較的小さい分子
を包接することが知られている。また、上記空孔を囲む
水酸基群の金属に対する選択的な配位子としての機能を
利用して、疎水性液膜による金属イオンの輸送体として
も注目されている。
しかしながら、従来より知られているカリツクスアレン
は、一般に、非環状の類縁化合物に比較して高い融点を
有するほか、水難溶性乃至は水不溶性であるので、従
来、水溶液中でホスト・ゲスト錯体を形成するカリツク
スアレンは知られていない。しかし、酵素反応や触媒反
応、或いは金属の輸送体としての実用化を図るには、水
溶性のカリツクスアレンが要求され、また、かかる水溶
性のカリツクスアレンは、酵素反応や触媒反応の理論的
研究にも不可欠であろう。
そこで、本発明者らは、水溶性カリツクスアレンを得る
べく鋭意研究した結果、既に、特願昭59-205990号公報
に記載されているように、水溶性であるカリツクスアレ
ン−p−スルホン酸及びO−n−アルキルカリツクスア
レン−p−スルホン酸を得ることに成功し、更に、以下
に述べるように、新規なO−ω−スルホアルキル‐p-ア
ルキルカリツクスアレンを得ることに成功して、本発明
に至ったものである。上記O−ω−スルホアルキル−p
−アルキルカリツクスアレンは、分子の筒状構造の軸方
向の両端に親水性のアルキルスルホン酸基と親油性のア
ルキル基とを有するために、ホスト分子や酸触媒として
も特異な性質を有することが期待され、また、界面活性
剤としての用途も期待される。
従つて、本発明は、新規なカリツクスアレン誘導体及び
その製造方法を提供することを目的とする。
問題点を解決するための手段 本発明による新規なカリツクスアレンは、一般式(I) (式中、Rは水素又は炭素数1〜18のアルキル基、アル
ケニル基又はアリール基を示し、Mはアルカリ金属を示
し、mは2以上の整数を示し、nは4〜8の整数を示
す。) で表わされることを特徴とする。
また、かかるカリツクスアレンは、本発明に従つて、一
般式(II) (式中、Rは水素又は炭素数1〜18のアルキル基、アル
ケニル基又はアリール基を示し、nは4〜8の整数を示
す。) で表わされるカリツクスアレンを溶剤中、塩基の存在下
に炭素数2以上のアルカンサルトン又は一般式 X(CH2)mSO3M (式中、Xはハロゲン原子、Mはアルカリ金属、mは2
以上の整数を示す。) で表わされるω‐ハロゲノアルキルスルホン酸金属塩を
反応させることによつて得ることができる。
本発明によるカリツクスアレンは、前記一般式(II)で
表わされるカリツクスアレンを溶剤中、塩基の存在下に
アルカンサルトンを反応させることによつて得ることが
できる。前記一般式(II)で表わされるカリツクスアレ
ンとしては、Rが水素のほか、メチル基、エチル基、t
−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ド
デシル基等のようなアルキル基、フエニル基等のような
アリール基であるものが好ましく用いられる。
溶剤としては、用いるアルカンサルトンを溶解させ得る
ものが好ましく、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフ
ラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、
スルホラン、アセトニトリル、これらの2種以上の混合
溶剤、これらと水との混合溶剤を挙げることができる。
また、アルカンサルトン、即ち、分子内オキシスルホン
酸エステルは、炭素数2以上のものを特に限定されるこ
となく、任意のものを用いることができるが、通常、炭
素数2〜8のものが適当である。特に好適なアルカンサ
ルトンとして、1,3−プロパンサルトンや1,4−ブタンサ
ルトンを挙げることができる。
上記アルカンサルトンに代えて、一般式 X(CH2)mSO3M 式中、Xはハロゲン原子、Mはナトリウム、カリウムの
ようなアルカリ金属、mは2以上の整数を示す。) で表わされるω‐ハロゲノアルキルスルホン酸アルカリ
金属塩を用いることができる。mは好ましくは、2〜8
の整数である。具体例として、3−クロロプロピルスル
ホン酸ナトリウム、4−ブロモブチルスルホン酸カリウ
ム等を挙げることができる。
本発明によるカリツクスアレンの製造方法は、上記カリ
ツクスアレンを溶剤に懸濁させ、塩基の存在下に上記の
ようなアルカンサルトン又はω‐ハロゲノアルキルスル
ホン酸塩を反応させて、カリツクスアレンの水酸基をス
ルホアルキル化することによつて得ることができる。塩
基としては無機塩基、特に、アルカリ金属水酸化物、例
えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等が好ましく
用いられる。しかし、必要に応じて、炭酸ナトリウムや
炭酸カリウム等の炭酸塩、或いはトリエチルアミンやト
リブチルアミンのようなアミンを含む有機塩基も用いら
れる。
反応は、通常、室温乃至80℃程度の温度で数時間行なえ
ばよいが、反応条件はこれに限定されるものではない。
反応終了後、反応混合物に例えばエタノールを加え、撹
拌することによつて、目的とするカリツクスアレン誘導
体が折出するので、これを濾過等の適宜手段にて分離す
る。
発明の効果 以上のように、本発明によつて新規な水溶性カリツクス
アレン誘導体が提供される。かかる化合物は前述したよ
うに、酵素反応、触媒反応や、金属イオン輸送体として
の用途が期待され、或いは更にその他のカリツクスアレ
ン誘導体を製造するための原料として用いることができ
る。
実施例 以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこ
れら実施例によつて何ら限定されるものではない。
実施例1 O−γ−スルホプロピル−p−n−ヘキシルカリツクス
〔6〕アレンナトリウムの製造 p−n−ヘキシルカリツクス〔6〕アレン0.57g(0.5mm
ol)をジオキサン10ml及び水1.8mlとの混合溶剤に懸濁
させ、1時間撹拌した後、これに10N水酸化ナトリウム
水溶液1.4mlを加えて、2時間撹拌した。この後、40℃
に昇温し、ジオキサン3mlにプロパンサルトン1.46gを溶
解してなる溶液を滴下し、滴下終了後、8時間撹拌し
た。
反応終了後、反応混合物にエタノール20mlを加えて撹拌
すると、淡黄色結晶が析出した。この結晶を濾別し、エ
タノールで洗浄後、乾燥して、O−γ−スルホプロピル
−p−n−ヘキシルカリツクス〔6〕アレンナトリウム
0.86g(収率85.7%)を得た。
元素分析値(C16H23SO4Na) C H 計算値 58.82 7.38 実験値 58.85 7.15 但し、計算値は4.6重量%の水を含むとして計算した値
である 核磁気共鳴スペクトル(D2O,参照TMS) δ(ppm) 帰 属 0.70-1.20(m,78H) 1.80-2.20(m,12H) 2.80-3.25(m,12H) 4.12(s,12H) 3.82-4.45(m,12H) 6.75(Br.S,12H) 但し、帰属は次による。
実施例2 O−γ−スルホプロピル−p−t−ブチルカリツクス
〔6〕アレン0.49g(0.5mmol)をジオキサン10ml及び水
1.8mlとの混合溶剤に混濁させ、1時間撹拌した後、こ
れに10N水酸化ナトリウム水溶液1.2mlを加えて、2時間
撹拌した。この後、40℃に昇温し、ジオキサン3mlにプ
ロパンサルトン1.48gを溶解してなる溶液を滴下し、滴
下終了後、6時間撹拌した。
反応終了後、反応混合物にエタノール20mlを加えて撹拌
すると、淡黄色結晶が析出した。この結晶を濾別し、エ
タノールで洗浄後、乾燥して、O−γ−スルホプロピル
−p−t−ブチルカリツクス〔6〕アレンナトリウム0.
64g(収率69.6%)を得た。
元素分析値(C14H19SO4Na) C H 計算値 50.49 6.66 実験値 50.39 6.54 但し、計算値は8.2重量%の水を含むとして計算した値
である。
核磁気共鳴スペクトル(D2O,参照TMS) δ(ppm) 帰 属 1.10(s,54H) 1.80-2.20(m,12H) 2.80-3.20(m,12H) 4.16(s,12H) 3.80-4.40(m,12H) 6.48(Br.S,12H) 但し、帰属は次による。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) (式中、Rは水素又は炭素数1〜18のアルキル基、アル
    ケニル基又はアリール基を示し、Mはアルカリ金属を示
    し、mは2以上の整数を示し、nは4〜8の整数を示
    す。) 表わされることを特徴とするカリツクスアレン誘導体。
  2. 【請求項2】一般式(I) で表わされることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載のカリツクスアレン誘導体。
  3. 【請求項3】一般式 で表わされることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載のカリツクスアレン誘導体。
  4. 【請求項4】Rがn−ヘキシル基であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第3項記載のカリツクスアレン誘導
    体。
  5. 【請求項5】Rがt−ブチル基であることを特徴とする
    特許請求の範囲第3項記載のカリツクスアレン誘導体。
  6. 【請求項6】一般式(II) (式中、Rは水素又は炭素数1〜18のアルキル基、アル
    ケニル基又はアリール基を示し、nは4〜8の整数を示
    す。) で表わされるカリツクスアレンを溶剤中、塩基の存在下
    に炭素数2以上のアルカンサルトン又は一般式 X(CH2)mSO3M (式中、Xはハロゲン原子、Mはアルカリ金属、mは2
    以上の整数を示す。) で表わされるω−ハロゲノアルキルスルホン酸金属塩を
    反応させることを特徴とする一般式 (I) (式中、R及びnは上記と同じであり、mは2以上の整
    数を示す。) で表わされるカリツクスアレン誘導体の製造方法。
  7. 【請求項7】一般式(II) (式中、Rは水素又は炭素数1〜18のアルキル基、アル
    ケニル基又はアリール基を示し、nは4〜8の整数を示
    す。) で表わされるカリツクスアレンにプロパンスルトンを反
    応させて、一般式(I) (式中、R及びnは上記と同じである。) で表わされるカリツクスアレン誘導体を得ることを特徴
    とする特許請求の範囲第6項記載のカリツクスアレン誘
    導体の製造方法。
  8. 【請求項8】塩基がアルカリ金属水酸化物であることを
    特徴とする特許請求の範囲第6項記載のカリツクスアレ
    ン誘導体の製造方法。
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